ガイド装置
【課題】 製造コストと着脱時間とを大幅に削減すると共に、圧延ロールの冷却効果を高め、かつ簡単な構造によって冷却液が直接圧延材に当たらないようにする。
【解決手段】 圧延ロールの軸方向に沿って相互に対向する一対のガイドホルダ２と、このガイドホルダに連結された上下に２分割され、１または複数の孔型部を有するガイド部３とを備える。このガイドホルダは、それぞれパスラインの方向から見てＬ字形状断面を有する。ガイド部３の左右の外側面に、それぞれ外側に突出するフランジ部分３２を設け、このガイド部の左右の外側面と下側面の左右端部とを、それぞれガイドホルダの上側水平面と内側垂直面とに密接させる。ガイド部３のフランジ部分３２を、それぞれガイドホルダ２の圧延ロールと反対側に位置する端面にボルト５によって結合する。
【解決手段】 圧延ロールの軸方向に沿って相互に対向する一対のガイドホルダ２と、このガイドホルダに連結された上下に２分割され、１または複数の孔型部を有するガイド部３とを備える。このガイドホルダは、それぞれパスラインの方向から見てＬ字形状断面を有する。ガイド部３の左右の外側面に、それぞれ外側に突出するフランジ部分３２を設け、このガイド部の左右の外側面と下側面の左右端部とを、それぞれガイドホルダの上側水平面と内側垂直面とに密接させる。ガイド部３のフランジ部分３２を、それぞれガイドホルダ２の圧延ロールと反対側に位置する端面にボルト５によって結合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、圧延材を圧延機に案内するガイド装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
例えば線材、棒材、及び鋼材を圧延する圧延機においては、その圧延機の入口及び出口の近傍にガイド装置を設けている。このガイド装置は、圧延材を案内する貫通孔（以下、貫通孔の形成部を孔型部という。）を有し、高速で移動する圧延材を、圧延機の一対の圧延ロールのカリバに正確に案内する他に、出口に設けたガイド装置によって、圧延後の圧延材の姿勢を維持するように、あるいは、圧延材を捻転させて、次の圧延機に誘導する役割等を有している。このためガイド装置及びその支持部材は、上下左右方向、上下左右方向の回転、及び捻り方向に高い強度と剛性とを有することが要求される。
【０００３】
このため、従来から、図９に示すように、ガイド装置１０１は、圧延材を案内するガイド部１０３を、堅固なガイドボックス１０２内に挿入するか、あるいは、支持フレーム等に連結した堅固なレストバー自体に設けた貫通穴に挿入して（図示せず。）、このガイド部をパスラインと直交するボルト１０５によって、押圧して固定する構造等が採用されてきた（例えば特許文献１〜５参照。）。また、複数のカリバを有する圧延ロールを使用する場合には、複数のカリバに合わせて、複数の孔型部を並列に配した多列ガイド装置を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】実開昭４８−４９２４１号公報
【特許文献２】実開昭６２−１５１００６号公報
【特許文献３】特開平０９−２３９４２７号公報
【特許文献４】特開平１０−１７５０１２号公報
【特許文献５】特開平１０−２６３６６１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら上述した従来のガイド装置には、次の改良すべき課題がある。すなわちガイド装置には、上述したように高い支持強度と剛性とが要求されるため、ガイド部を支持するガイドボックスやレストバー等は、サイズや重量が大きなものになっている。特に複数の孔型部を並列に配した多列ガイド装置は、それ自体のサイズが大きいため、これを堅固に支持するガイドボックスやレストバー等も、さらにサイズや重量が大きくなる。ところが圧延ロールのカリバは使用につれて磨耗するため、圧延ロールを取り外して補修または交換する必要がある。また圧延材のサイズ等の変更により、圧延ロールを交換する必要もある。この圧延ロールの取り外しや再組み付けの際には、圧延機の近傍に置かれたガイド装置についても、取り外しや再組付け作業が必要となる。
【０００６】
しかるに上述したように、従来のガイドボックスやレストバー等は、重量が大きいため、これらの部品コストが嵩むだけでなく、ガイド装置の取り外しや再組付け作業に長時間掛かる。さらに従来のガイドボックスやレストバー等は、サイズも大きいため、取り外しや再組付け作業のスペースの確保が困難となり、作業にさらに長時間掛かる。このため圧延機の稼動の中断期間が長くなると共に、作業時の安全性確保の点についても問題となる。このため上述した特許文献３及び５のように、油圧装置等を用いた作業の自動化が提案されているが、かなり製造や整備コストが高くなる。
【０００７】
また上述したように圧延材は、ガイド装置によって高速かつ高精度で案内され、場合によっては捻転されるため、このガイド装置に高い加工力が加わる。このため圧延材の芯ずれや振動等が過大となった場合には、ガイド装置のみならず、圧延機の圧延ロールも大きな損傷を受ける。したがってこのような異常事態が生じたときに、損傷を最小限に抑える手段が望まれる。
【０００８】
さらに圧延ロールは、高温の圧延材との接触によって温度が上昇するため、冷却液によって冷却する必要がある。この場合冷却液を、圧延ロールのカリバにおいて圧延材との接触部分に、できるだけ近づけて当たるように供給すれば、冷却効果を高めることができる。しかるに図１０に示すように、従来のガイド装置１０１はサイズが大きいため、冷却液を噴出させるノズルマニホールド１０９を、カリバの圧延材との接触部分に近づけることが困難となり、冷却効果を高めることが困難となる。
【０００９】
また冷却液が、圧延ロールから搬出する圧延材に直接当たると、この圧延材の温度が急激に低下する。このため従来は、ノズルマニホールド１０９の下部に水切りワイパーを設置して（図示せず。）、この圧延ロールに噴霧した冷却液が、圧延材に直接当たらないようにしている。しかるに、このような水切りワイパーは、その支持機構も必要となって、その分コストが掛かるのみならず、圧延ロールの補修の際には、取り外し及び再組つけ作業が必要となり、さらに圧延機の稼動の中断期間が長くなる。
【００１０】
そこで本発明の目的は、重量及びサイズを小さくすることによって、製造コストと着脱時間とを大幅に削減すると共に、圧延ロールとガイド装置との冷却効果を高め、かつ簡単な構造によって冷却液が直接圧延材に当たらないようにすることができるガイド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記課題を解決すべく本発明者は、鋭意研究の結果、ガイド部を貫通孔に挿入して支持する従来の構造に換えて、このガイド部の左右の外側面と下側面の左右端部とを支持することによって、上下左右方向、上下左右方向の回転、およびパスラインを中心とする捻り方向に、高い強度と剛性とを確保できることを見出して、本発明の完成に至った。
【００１２】
すなわち本発明によるガイド装置の特徴は、圧延ロールの軸方向に沿って相互に対向する一対のガイドホルダと、このガイドホルダに連結された上下に２分割されたガイド部とを備えていることにある。上記ガイドホルダは、上記圧延ロールの入口または出口の近傍に設けられた支持部材に固定されている。また上記ガイドホルダは、それぞれ上記パスラインの方向から見て、相互にＬ字形状を形成する上側水平面と、この上側水平面に直交する内側垂直面とを有している。上記ガイド部は、圧延材を案内する１または複数の孔型部を有している。上記ガイド部の左右の外側面に、それぞれ外側に突出するフランジ部分を設け、このガイド部の左右の外側面と下側面の左右端部とを、それぞれ上記ガイドホルダの上側水平面と内側垂直面とに密接させる。また上記ガイド部のフランジ部分を、それぞれ上記ガイドホルダの上記圧延ロールと反対側に位置する端面にボルト結合する。
【００１３】
上記ガイド部のフランジ部分を上記ガイドホルダの端面に結合するボルトの引張強度は、このガイド部に所定以上の圧延方向の力が加わったときに、このボルトが破損する強度に設定することが好ましい
【００１４】
上記ガイド部のフランジ部分と、このフランジ部分がボルト結合されるガイドホルダの端面には、それぞれこのガイド部を圧延方向に退避案内する退避案内用パイプまたは棒材が挿入可能な開口孔を設け、このガイド部を、上記圧延ロールと離反する方向に向って移動させるときには、上記退避案内用パイプまたは棒材を、上記フランジ部分に設けた開口孔を貫通させて上記ガイドホルダの端面に設けた開口孔に挿入し、この退避案内用パイプまたは棒材に摺動させつつ上記ガイドホルダから離脱させるように構成することがより好ましい。
【００１５】
さらに上記ガイド部の上側面に、上記孔型部のそれぞれの両隣に位置すると共に上記パスラインの方向に沿って、このガイド部の前後端面に連通する凹溝を形成し、この凹溝には、上記ガイド部の上記圧延ロールと反対側に位置する端面の近傍に、この凹溝を横切る堰を設けることが更に好ましい。
【発明の効果】
【００１６】
ガイド部を挿入するガイドボックス等を省き、このガイド部の左右の外側面と下側面の左右端部とを、一対のガイドホルダに密接させて支持することによって、上下左右方向、上下左右方向の回転、及び捻り方向に、高い強度と剛性とを確保しつつ、ガイド装置の重量とサイズとを、大幅に低減することができる。これによって、ガイド装置のコストダウンが可能となると共に、圧延ロールの補修または交換の際に、圧延機の近傍に置かれたガイド装置の取り外しや再組付けのための作業時間が大幅に短縮でき、作業スペースの拡大によって作業の安全性を高めることができる。
【００１７】
また冷却液を噴出させるノズルマニホールド等を、カリバの圧延材との接触部分に近づけることが容易になり、圧延ロールの冷却効果を向上させることができる。さらにはガイド部の上面を覆う部材が無くなるため、このガイド部の上面に直接冷却液を掛けることができ、ガイド装置の冷却効果を向上させて、孔型部の焼きつきや磨耗を低減させることができる。
【００１８】
ガイド部の左右の外側面に突設したフランジ部を、ガイドホルダの圧延ロールの反対側に位置する端面にボルト止めし、さらにこのガイドホルダの端面に設けた開口孔に、フランジ部に設けた開口孔を貫通させつつ、退避案内用パイプ等を挿入することによって、この退避案内用パイプ等に摺動させつつ、ガイド部をガイドホルダから退避させることが可能となる。したがってガイド部の重量を支えることなく、容易かつ安全に圧延ロールからガイド部を離反させることができる。
【００１９】
ガイド部のフランジ部分をガイドホルダの端面に結合するボルトの引張強度を、このガイド部に所定以上の圧延方向の力が加わったときに、このボルトが破損する強度に設定することによって、圧延ロールやガイド装置が受ける損傷を最小限に抑えることができる。
【００２０】
ガイド部の上側面に、上記孔型部のそれぞれの両隣に位置すると共にパスラインの方向に沿って、このガイド部の前後端面に連通する凹溝を形成し、ガイド部の圧延ロールと反対側に位置する端面の近傍に、この凹溝を横切る堰を設けることによって、ガイド部の上側面に掛かった冷却液を、ガイド装置から搬出する圧延材に直接掛かることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】ガイド装置の背面図である。
【図２】ガイド装置の断面図である。
【図３】ガイド装置の上面図である。
【図４】ガイド装置の側面図である。
【図５】退避案内用パイプを挿入したガイド装置の上面図である。
【図６】ガイド部をガイドホルダから離脱させつつある状態を示すガイド装置の上面図である。
【図７】ガイド部の斜視図である。
【図８】圧延ロールに冷却液を供給するノズルマニホールドの側面図である。
【図９】従来例によるガイド装置の背面図である。
【図１０】従来例による圧延ロールに冷却液を供給するノズルマニホールドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
図１〜８を参照しつつ、本発明によるガイド装置の構成を説明する。さて図１は、圧延機（図示せず。）の反対側から見たガイド装置１を示しており、図２は、このガイド装置のパスラインに直交する断面を示している。ガイド装置１は、圧延ロールの軸方向に沿って相互に対向する一対のガイドホルダ２と、上下に２分割されたガイド部３とを備えている。ガイドホルダ２は、圧延ロールの入口または出口の近傍に設けられた支持部材４に固定されている。
【００２３】
なお支持部材４は、例えば圧延ロールの入口または出口の近傍に据え付けられた門型のハウジングであって、パスラインを挟んで左右に支柱４１を有しており、この支柱に、一対のガイドホルダ２が固定される。支持部材４は、上述した構成に限らず、例えば圧延ロールを保持するチョック等に、一対の支柱４１を保持するようにしてもよい。ガイドホルダ２は、パスラインの方向から見て、相互にＬ字形状を形成する上側水平面２１と、この上側水平面に直交する内側垂直面２２とを有するＬ字形状断面に形成してある。なお一対のガイドホルダ２は、図３及び図４に示すように、それぞれ内側垂直面２２に頭部が埋没する３本のボルト８によって、支柱４１の内側面に固定される。
【００２４】
ガイド部３は、水平方向に配列した２の孔型部３１が、パスライン方向に貫通しており、左右の外側面であって、圧延ロールと反対側の端面には、それぞれ外側に突出するフランジ部分３２が設けてある。なお孔型部３１は２つに限らず、１つであっても３つ以上であってもよい。またガイド部３は、上述したように上下に２分割されているが、図１及び図３等に示すように、前後、左右及び中央位置の６個所において、ボルト３３によって一体的に結合されている。
【００２５】
図１及び図２に示すように、ガイド部３の左右の外側面と下側面の左右端部とは、それぞれガイドホルダ２の内側垂直面２２と上側水平面２１とに密接し、このガイド部のフランジ部分３２は、それぞれこのガイドホルダの圧延ロールと反対側に位置する端面に、２本のボルト５によって結合される。なお図２に示すように、ガイド部３の下側面の左右端部とガイドホルダ２の上側水平面２１とは、板状のブッシング６を介して密接させてもよい。後述するように、ガイド部３をガイドホルダ２から摺動しつつ着脱する際に、滑りを良くすると共に、このブッシングを交換することによって、ガイド部とガイドホルダとの摺動面の磨耗を防止できるからである。またガイド部３のフランジ部分３２をガイドホルダ２の端面に結合するボルト５の引張強度は、このガイド部に所定以上の圧延方向の力が加わったときに、このボルトが破損する強度に設定してある。
【００２６】
また図５に示すように、ガイド部３のフランジ部分３２と、このフランジ部分がボルト結合されるガイドホルダ２の端面には、それぞれこのガイド部を圧延方向に退避案内する退避案内用パイプまたは棒材７が挿入可能な開口孔２３、３４が設けてある。次いで図６に示すように、ガイド部３を、圧延ロールと離反する方向に向って移動させるときには、退避案内用パイプまたは棒材７を、フランジ部分３２に設けた開口孔３４を貫通させて、ガイドホルダ２の端面に設けた開口孔２３に挿入し、この退避案内用パイプまたは棒材に摺動させつつ、このガイドホルダから離脱させる。
【００２７】
図２等に示すように、ガイド部３の上側面の左右の両端部と中央部とには、２つの孔型部３１のそれぞれの両隣に位置すると共にパスラインの方向に沿って、このガイド部の前後端面に連通する３本の凹溝３５が形成してある。そして図７等に示すように、凹溝３５には、ガイド部３の圧延ロールと反対側に位置する端面の近傍に、それぞれこの凹溝を横切る堰３６が設けてある。このような凹溝３５と堰３６とによって、図７における矢線で示すように、圧延ロールから搬出する圧延材に、圧延ロールを冷却する冷却水が直接掛からないようにすることができる。
【００２８】
図８は、圧延ロールに冷却水を供給するノズルマニホールド７の側面を示したものである。ノズルマニホールド９は、圧延ロールの外周に沿って配置され、圧延ロールの回転中心に向けて冷却液を放射するノズル９１を備えている。また冷却液は、ノズルマニホールド９に連通する給液パイプ９２を経由して供給される。図１０に示す従来技術によるノズルマニホールド１０９に較べると、ガイドボックス１０２が省かれているために、ガイド装置１の厚みが薄くなっており、したがってこのノズルマニホールドの位置を、パスラインにより近づけることができる。このためノズル９１からの冷却液を、圧延ロールのカリバにより近い部分に噴射するこが可能となり、圧延ロールの冷却効果を上げることができる。
【００２９】
また圧延ロールに噴射した冷却液は、ガイド部３の上側面に落下して、この上側面を直接冷却する。したがって図１０に示す従来技術のように、ガイドボックス１０２を間に挟んで、ガイド部１０３を間接的に冷却する場合に較べて、このガイド部の冷却効果を上げることができる。
【００３０】
さらに上述したように、ガイド部３の上側面の左右の両端部と中央部とには、２つの孔型部３１の両隣に位置すると共にパスラインの方向に沿って、このガイド部の前後端面に連通する凹溝３５が形成してあり、図７等に示すように、これらの凹溝には、このガイド部の圧延ロールと反対側に位置する端面の近傍に、この凹溝を横切る堰３６が設けてある。このためガイド部３の上側面に落下した冷却液は、図７の矢線で示すように、凹溝３５内を圧延ロール側に流れるが、堰３６によって圧延ロールと反対側には流れない。また凹溝３５は２つの孔型部３１のそれぞれの両隣に位置するため、ガイド装置に搬入される圧延材には、図７の矢線で示すように冷却液が直接掛かり難くなっている。したがって圧延ロールから搬出する圧延材に、冷却液が直接掛かることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【００３１】
重量及びサイズを小さくできると共に、圧延ロールとガイド装置との冷却効果を高め、さらに簡単な構造によって冷却液が直接圧延材に当たらないようにすることができるため、圧延に関する産業に広く利用可能である。
【符号の説明】
【００３２】
１、１０１ ガイド装置
２、１０２ ガイドホルダ、ガイドボックス
２１ 上側水平面
２２ 内側垂直面
２３ 開口穴
３、１０３ ガイド部
３１ 孔型部
３２ フランジ部分
３３ ボルト
３４ 開口穴
３５ 凹溝
３６ 堰
４ 支持部材
５ ボルト
６ ブッシング
７ 退避案内用パイプまたは棒材
９、１０９ ノズルマニホールド
【技術分野】
【０００１】
本発明は、圧延材を圧延機に案内するガイド装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
例えば線材、棒材、及び鋼材を圧延する圧延機においては、その圧延機の入口及び出口の近傍にガイド装置を設けている。このガイド装置は、圧延材を案内する貫通孔（以下、貫通孔の形成部を孔型部という。）を有し、高速で移動する圧延材を、圧延機の一対の圧延ロールのカリバに正確に案内する他に、出口に設けたガイド装置によって、圧延後の圧延材の姿勢を維持するように、あるいは、圧延材を捻転させて、次の圧延機に誘導する役割等を有している。このためガイド装置及びその支持部材は、上下左右方向、上下左右方向の回転、及び捻り方向に高い強度と剛性とを有することが要求される。
【０００３】
このため、従来から、図９に示すように、ガイド装置１０１は、圧延材を案内するガイド部１０３を、堅固なガイドボックス１０２内に挿入するか、あるいは、支持フレーム等に連結した堅固なレストバー自体に設けた貫通穴に挿入して（図示せず。）、このガイド部をパスラインと直交するボルト１０５によって、押圧して固定する構造等が採用されてきた（例えば特許文献１〜５参照。）。また、複数のカリバを有する圧延ロールを使用する場合には、複数のカリバに合わせて、複数の孔型部を並列に配した多列ガイド装置を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】実開昭４８−４９２４１号公報
【特許文献２】実開昭６２−１５１００６号公報
【特許文献３】特開平０９−２３９４２７号公報
【特許文献４】特開平１０−１７５０１２号公報
【特許文献５】特開平１０−２６３６６１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら上述した従来のガイド装置には、次の改良すべき課題がある。すなわちガイド装置には、上述したように高い支持強度と剛性とが要求されるため、ガイド部を支持するガイドボックスやレストバー等は、サイズや重量が大きなものになっている。特に複数の孔型部を並列に配した多列ガイド装置は、それ自体のサイズが大きいため、これを堅固に支持するガイドボックスやレストバー等も、さらにサイズや重量が大きくなる。ところが圧延ロールのカリバは使用につれて磨耗するため、圧延ロールを取り外して補修または交換する必要がある。また圧延材のサイズ等の変更により、圧延ロールを交換する必要もある。この圧延ロールの取り外しや再組み付けの際には、圧延機の近傍に置かれたガイド装置についても、取り外しや再組付け作業が必要となる。
【０００６】
しかるに上述したように、従来のガイドボックスやレストバー等は、重量が大きいため、これらの部品コストが嵩むだけでなく、ガイド装置の取り外しや再組付け作業に長時間掛かる。さらに従来のガイドボックスやレストバー等は、サイズも大きいため、取り外しや再組付け作業のスペースの確保が困難となり、作業にさらに長時間掛かる。このため圧延機の稼動の中断期間が長くなると共に、作業時の安全性確保の点についても問題となる。このため上述した特許文献３及び５のように、油圧装置等を用いた作業の自動化が提案されているが、かなり製造や整備コストが高くなる。
【０００７】
また上述したように圧延材は、ガイド装置によって高速かつ高精度で案内され、場合によっては捻転されるため、このガイド装置に高い加工力が加わる。このため圧延材の芯ずれや振動等が過大となった場合には、ガイド装置のみならず、圧延機の圧延ロールも大きな損傷を受ける。したがってこのような異常事態が生じたときに、損傷を最小限に抑える手段が望まれる。
【０００８】
さらに圧延ロールは、高温の圧延材との接触によって温度が上昇するため、冷却液によって冷却する必要がある。この場合冷却液を、圧延ロールのカリバにおいて圧延材との接触部分に、できるだけ近づけて当たるように供給すれば、冷却効果を高めることができる。しかるに図１０に示すように、従来のガイド装置１０１はサイズが大きいため、冷却液を噴出させるノズルマニホールド１０９を、カリバの圧延材との接触部分に近づけることが困難となり、冷却効果を高めることが困難となる。
【０００９】
また冷却液が、圧延ロールから搬出する圧延材に直接当たると、この圧延材の温度が急激に低下する。このため従来は、ノズルマニホールド１０９の下部に水切りワイパーを設置して（図示せず。）、この圧延ロールに噴霧した冷却液が、圧延材に直接当たらないようにしている。しかるに、このような水切りワイパーは、その支持機構も必要となって、その分コストが掛かるのみならず、圧延ロールの補修の際には、取り外し及び再組つけ作業が必要となり、さらに圧延機の稼動の中断期間が長くなる。
【００１０】
そこで本発明の目的は、重量及びサイズを小さくすることによって、製造コストと着脱時間とを大幅に削減すると共に、圧延ロールとガイド装置との冷却効果を高め、かつ簡単な構造によって冷却液が直接圧延材に当たらないようにすることができるガイド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記課題を解決すべく本発明者は、鋭意研究の結果、ガイド部を貫通孔に挿入して支持する従来の構造に換えて、このガイド部の左右の外側面と下側面の左右端部とを支持することによって、上下左右方向、上下左右方向の回転、およびパスラインを中心とする捻り方向に、高い強度と剛性とを確保できることを見出して、本発明の完成に至った。
【００１２】
すなわち本発明によるガイド装置の特徴は、圧延ロールの軸方向に沿って相互に対向する一対のガイドホルダと、このガイドホルダに連結された上下に２分割されたガイド部とを備えていることにある。上記ガイドホルダは、上記圧延ロールの入口または出口の近傍に設けられた支持部材に固定されている。また上記ガイドホルダは、それぞれ上記パスラインの方向から見て、相互にＬ字形状を形成する上側水平面と、この上側水平面に直交する内側垂直面とを有している。上記ガイド部は、圧延材を案内する１または複数の孔型部を有している。上記ガイド部の左右の外側面に、それぞれ外側に突出するフランジ部分を設け、このガイド部の左右の外側面と下側面の左右端部とを、それぞれ上記ガイドホルダの上側水平面と内側垂直面とに密接させる。また上記ガイド部のフランジ部分を、それぞれ上記ガイドホルダの上記圧延ロールと反対側に位置する端面にボルト結合する。
【００１３】
上記ガイド部のフランジ部分を上記ガイドホルダの端面に結合するボルトの引張強度は、このガイド部に所定以上の圧延方向の力が加わったときに、このボルトが破損する強度に設定することが好ましい
【００１４】
上記ガイド部のフランジ部分と、このフランジ部分がボルト結合されるガイドホルダの端面には、それぞれこのガイド部を圧延方向に退避案内する退避案内用パイプまたは棒材が挿入可能な開口孔を設け、このガイド部を、上記圧延ロールと離反する方向に向って移動させるときには、上記退避案内用パイプまたは棒材を、上記フランジ部分に設けた開口孔を貫通させて上記ガイドホルダの端面に設けた開口孔に挿入し、この退避案内用パイプまたは棒材に摺動させつつ上記ガイドホルダから離脱させるように構成することがより好ましい。
【００１５】
さらに上記ガイド部の上側面に、上記孔型部のそれぞれの両隣に位置すると共に上記パスラインの方向に沿って、このガイド部の前後端面に連通する凹溝を形成し、この凹溝には、上記ガイド部の上記圧延ロールと反対側に位置する端面の近傍に、この凹溝を横切る堰を設けることが更に好ましい。
【発明の効果】
【００１６】
ガイド部を挿入するガイドボックス等を省き、このガイド部の左右の外側面と下側面の左右端部とを、一対のガイドホルダに密接させて支持することによって、上下左右方向、上下左右方向の回転、及び捻り方向に、高い強度と剛性とを確保しつつ、ガイド装置の重量とサイズとを、大幅に低減することができる。これによって、ガイド装置のコストダウンが可能となると共に、圧延ロールの補修または交換の際に、圧延機の近傍に置かれたガイド装置の取り外しや再組付けのための作業時間が大幅に短縮でき、作業スペースの拡大によって作業の安全性を高めることができる。
【００１７】
また冷却液を噴出させるノズルマニホールド等を、カリバの圧延材との接触部分に近づけることが容易になり、圧延ロールの冷却効果を向上させることができる。さらにはガイド部の上面を覆う部材が無くなるため、このガイド部の上面に直接冷却液を掛けることができ、ガイド装置の冷却効果を向上させて、孔型部の焼きつきや磨耗を低減させることができる。
【００１８】
ガイド部の左右の外側面に突設したフランジ部を、ガイドホルダの圧延ロールの反対側に位置する端面にボルト止めし、さらにこのガイドホルダの端面に設けた開口孔に、フランジ部に設けた開口孔を貫通させつつ、退避案内用パイプ等を挿入することによって、この退避案内用パイプ等に摺動させつつ、ガイド部をガイドホルダから退避させることが可能となる。したがってガイド部の重量を支えることなく、容易かつ安全に圧延ロールからガイド部を離反させることができる。
【００１９】
ガイド部のフランジ部分をガイドホルダの端面に結合するボルトの引張強度を、このガイド部に所定以上の圧延方向の力が加わったときに、このボルトが破損する強度に設定することによって、圧延ロールやガイド装置が受ける損傷を最小限に抑えることができる。
【００２０】
ガイド部の上側面に、上記孔型部のそれぞれの両隣に位置すると共にパスラインの方向に沿って、このガイド部の前後端面に連通する凹溝を形成し、ガイド部の圧延ロールと反対側に位置する端面の近傍に、この凹溝を横切る堰を設けることによって、ガイド部の上側面に掛かった冷却液を、ガイド装置から搬出する圧延材に直接掛かることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】ガイド装置の背面図である。
【図２】ガイド装置の断面図である。
【図３】ガイド装置の上面図である。
【図４】ガイド装置の側面図である。
【図５】退避案内用パイプを挿入したガイド装置の上面図である。
【図６】ガイド部をガイドホルダから離脱させつつある状態を示すガイド装置の上面図である。
【図７】ガイド部の斜視図である。
【図８】圧延ロールに冷却液を供給するノズルマニホールドの側面図である。
【図９】従来例によるガイド装置の背面図である。
【図１０】従来例による圧延ロールに冷却液を供給するノズルマニホールドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
図１〜８を参照しつつ、本発明によるガイド装置の構成を説明する。さて図１は、圧延機（図示せず。）の反対側から見たガイド装置１を示しており、図２は、このガイド装置のパスラインに直交する断面を示している。ガイド装置１は、圧延ロールの軸方向に沿って相互に対向する一対のガイドホルダ２と、上下に２分割されたガイド部３とを備えている。ガイドホルダ２は、圧延ロールの入口または出口の近傍に設けられた支持部材４に固定されている。
【００２３】
なお支持部材４は、例えば圧延ロールの入口または出口の近傍に据え付けられた門型のハウジングであって、パスラインを挟んで左右に支柱４１を有しており、この支柱に、一対のガイドホルダ２が固定される。支持部材４は、上述した構成に限らず、例えば圧延ロールを保持するチョック等に、一対の支柱４１を保持するようにしてもよい。ガイドホルダ２は、パスラインの方向から見て、相互にＬ字形状を形成する上側水平面２１と、この上側水平面に直交する内側垂直面２２とを有するＬ字形状断面に形成してある。なお一対のガイドホルダ２は、図３及び図４に示すように、それぞれ内側垂直面２２に頭部が埋没する３本のボルト８によって、支柱４１の内側面に固定される。
【００２４】
ガイド部３は、水平方向に配列した２の孔型部３１が、パスライン方向に貫通しており、左右の外側面であって、圧延ロールと反対側の端面には、それぞれ外側に突出するフランジ部分３２が設けてある。なお孔型部３１は２つに限らず、１つであっても３つ以上であってもよい。またガイド部３は、上述したように上下に２分割されているが、図１及び図３等に示すように、前後、左右及び中央位置の６個所において、ボルト３３によって一体的に結合されている。
【００２５】
図１及び図２に示すように、ガイド部３の左右の外側面と下側面の左右端部とは、それぞれガイドホルダ２の内側垂直面２２と上側水平面２１とに密接し、このガイド部のフランジ部分３２は、それぞれこのガイドホルダの圧延ロールと反対側に位置する端面に、２本のボルト５によって結合される。なお図２に示すように、ガイド部３の下側面の左右端部とガイドホルダ２の上側水平面２１とは、板状のブッシング６を介して密接させてもよい。後述するように、ガイド部３をガイドホルダ２から摺動しつつ着脱する際に、滑りを良くすると共に、このブッシングを交換することによって、ガイド部とガイドホルダとの摺動面の磨耗を防止できるからである。またガイド部３のフランジ部分３２をガイドホルダ２の端面に結合するボルト５の引張強度は、このガイド部に所定以上の圧延方向の力が加わったときに、このボルトが破損する強度に設定してある。
【００２６】
また図５に示すように、ガイド部３のフランジ部分３２と、このフランジ部分がボルト結合されるガイドホルダ２の端面には、それぞれこのガイド部を圧延方向に退避案内する退避案内用パイプまたは棒材７が挿入可能な開口孔２３、３４が設けてある。次いで図６に示すように、ガイド部３を、圧延ロールと離反する方向に向って移動させるときには、退避案内用パイプまたは棒材７を、フランジ部分３２に設けた開口孔３４を貫通させて、ガイドホルダ２の端面に設けた開口孔２３に挿入し、この退避案内用パイプまたは棒材に摺動させつつ、このガイドホルダから離脱させる。
【００２７】
図２等に示すように、ガイド部３の上側面の左右の両端部と中央部とには、２つの孔型部３１のそれぞれの両隣に位置すると共にパスラインの方向に沿って、このガイド部の前後端面に連通する３本の凹溝３５が形成してある。そして図７等に示すように、凹溝３５には、ガイド部３の圧延ロールと反対側に位置する端面の近傍に、それぞれこの凹溝を横切る堰３６が設けてある。このような凹溝３５と堰３６とによって、図７における矢線で示すように、圧延ロールから搬出する圧延材に、圧延ロールを冷却する冷却水が直接掛からないようにすることができる。
【００２８】
図８は、圧延ロールに冷却水を供給するノズルマニホールド７の側面を示したものである。ノズルマニホールド９は、圧延ロールの外周に沿って配置され、圧延ロールの回転中心に向けて冷却液を放射するノズル９１を備えている。また冷却液は、ノズルマニホールド９に連通する給液パイプ９２を経由して供給される。図１０に示す従来技術によるノズルマニホールド１０９に較べると、ガイドボックス１０２が省かれているために、ガイド装置１の厚みが薄くなっており、したがってこのノズルマニホールドの位置を、パスラインにより近づけることができる。このためノズル９１からの冷却液を、圧延ロールのカリバにより近い部分に噴射するこが可能となり、圧延ロールの冷却効果を上げることができる。
【００２９】
また圧延ロールに噴射した冷却液は、ガイド部３の上側面に落下して、この上側面を直接冷却する。したがって図１０に示す従来技術のように、ガイドボックス１０２を間に挟んで、ガイド部１０３を間接的に冷却する場合に較べて、このガイド部の冷却効果を上げることができる。
【００３０】
さらに上述したように、ガイド部３の上側面の左右の両端部と中央部とには、２つの孔型部３１の両隣に位置すると共にパスラインの方向に沿って、このガイド部の前後端面に連通する凹溝３５が形成してあり、図７等に示すように、これらの凹溝には、このガイド部の圧延ロールと反対側に位置する端面の近傍に、この凹溝を横切る堰３６が設けてある。このためガイド部３の上側面に落下した冷却液は、図７の矢線で示すように、凹溝３５内を圧延ロール側に流れるが、堰３６によって圧延ロールと反対側には流れない。また凹溝３５は２つの孔型部３１のそれぞれの両隣に位置するため、ガイド装置に搬入される圧延材には、図７の矢線で示すように冷却液が直接掛かり難くなっている。したがって圧延ロールから搬出する圧延材に、冷却液が直接掛かることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【００３１】
重量及びサイズを小さくできると共に、圧延ロールとガイド装置との冷却効果を高め、さらに簡単な構造によって冷却液が直接圧延材に当たらないようにすることができるため、圧延に関する産業に広く利用可能である。
【符号の説明】
【００３２】
１、１０１ ガイド装置
２、１０２ ガイドホルダ、ガイドボックス
２１ 上側水平面
２２ 内側垂直面
２３ 開口穴
３、１０３ ガイド部
３１ 孔型部
３２ フランジ部分
３３ ボルト
３４ 開口穴
３５ 凹溝
３６ 堰
４ 支持部材
５ ボルト
６ ブッシング
７ 退避案内用パイプまたは棒材
９、１０９ ノズルマニホールド
【特許請求の範囲】
【請求項１】
圧延ロールの軸方向に沿って相互に対向する一対のガイドホルダと、このガイドホルダに連結された上下に２分割されたガイド部とを備え、
上記ガイドホルダは、上記圧延ロールの入口または出口の近傍に設けられた支持部材に固定され、
上記ガイドホルダは、それぞれパスラインの方向から見て、相互にＬ字形状を形成する上側水平面と、この上側水平面に直交する内側垂直面とを有し、
上記ガイド部は、圧延材を案内する１または複数の孔型部を有し、
上記ガイド部の左右の外側面には、それぞれ外側に突出するフランジ部分が設けてあり、
上記ガイド部の左右の外側面と下側面の左右端部とは、それぞれ上記ガイドホルダの上側水平面と内側垂直面とに密接し、
上記ガイド部のフランジ部分は、それぞれ上記ガイドホルダの上記圧延ロールと反対側に位置する端面にボルト結合される
ことを特徴とするガイド装置。
【請求項２】
上記ガイド部のフランジ部分を上記ガイドホルダの端面に結合するボルトの引張強度は、このガイド部に所定以上の圧延方向の力が加わったときに、このボルトが破損する強度に設定してある
ことを特徴とする請求項１に記載のガイド装置。
【請求項３】
上記ガイド部のフランジ部分と、このフランジ部分がボルト結合されるガイドホルダの端面には、それぞれこのガイド部を圧延方向に退避案内する退避案内用パイプまたは棒材が挿入可能な開口孔が設けてあり、
上記ガイド部を、上記圧延ロールと離反する方向に向って移動させるときには、上記退避案内用パイプまたは棒材を、上記フランジ部分に設けた開口孔を貫通させて上記ガイドホルダの端面に設けた開口孔に挿入し、この退避案内用パイプまたは棒材に摺動させつつ上記ガイドホルダから離脱させる
ことを特徴とする請求項１または２に記載のガイド装置。
【請求項４】
上記ガイド部の上側面には、上記孔型部のそれぞれの両隣に位置すると共に上記パスラインの方向に沿って、このガイド部の前後端面に連通する凹溝が形成してあり、
上記凹溝には、上記ガイド部の上記圧延ロールと反対側に位置する端面の近傍に、この凹溝を横切る堰が設けてあることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載のガイド装置。
【請求項１】
圧延ロールの軸方向に沿って相互に対向する一対のガイドホルダと、このガイドホルダに連結された上下に２分割されたガイド部とを備え、
上記ガイドホルダは、上記圧延ロールの入口または出口の近傍に設けられた支持部材に固定され、
上記ガイドホルダは、それぞれパスラインの方向から見て、相互にＬ字形状を形成する上側水平面と、この上側水平面に直交する内側垂直面とを有し、
上記ガイド部は、圧延材を案内する１または複数の孔型部を有し、
上記ガイド部の左右の外側面には、それぞれ外側に突出するフランジ部分が設けてあり、
上記ガイド部の左右の外側面と下側面の左右端部とは、それぞれ上記ガイドホルダの上側水平面と内側垂直面とに密接し、
上記ガイド部のフランジ部分は、それぞれ上記ガイドホルダの上記圧延ロールと反対側に位置する端面にボルト結合される
ことを特徴とするガイド装置。
【請求項２】
上記ガイド部のフランジ部分を上記ガイドホルダの端面に結合するボルトの引張強度は、このガイド部に所定以上の圧延方向の力が加わったときに、このボルトが破損する強度に設定してある
ことを特徴とする請求項１に記載のガイド装置。
【請求項３】
上記ガイド部のフランジ部分と、このフランジ部分がボルト結合されるガイドホルダの端面には、それぞれこのガイド部を圧延方向に退避案内する退避案内用パイプまたは棒材が挿入可能な開口孔が設けてあり、
上記ガイド部を、上記圧延ロールと離反する方向に向って移動させるときには、上記退避案内用パイプまたは棒材を、上記フランジ部分に設けた開口孔を貫通させて上記ガイドホルダの端面に設けた開口孔に挿入し、この退避案内用パイプまたは棒材に摺動させつつ上記ガイドホルダから離脱させる
ことを特徴とする請求項１または２に記載のガイド装置。
【請求項４】
上記ガイド部の上側面には、上記孔型部のそれぞれの両隣に位置すると共に上記パスラインの方向に沿って、このガイド部の前後端面に連通する凹溝が形成してあり、
上記凹溝には、上記ガイド部の上記圧延ロールと反対側に位置する端面の近傍に、この凹溝を横切る堰が設けてあることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載のガイド装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１１−１４７９８７（Ｐ２０１１−１４７９８７Ａ）
【公開日】平成２３年８月４日（２０１１．８．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１２９５０（Ｐ２０１０−１２９５０）
【出願日】平成２２年１月２５日（２０１０．１．２５）
【出願人】（０００００６６５５）新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】（０００１８２４７６）寿産業株式会社 (47)
【公開日】平成２３年８月４日（２０１１．８．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１月２５日（２０１０．１．２５）
【出願人】（０００００６６５５）新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】（０００１８２４７６）寿産業株式会社 (47)
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