説明

ガスを部分的に分離する装置および方法

本発明は、ハウジングとハウジング内に収容された可動式分離ユニットを有する部分的ガス分離器を含んでいる。本発明による方法によれば、部分的ガス分離器が準備され、ガスがハウジング外に流出しまたはハウジング内に流入する。ガスがハウジング外に流出しまたはハウジング内に流入する間に、可動式分離ユニットは、このガス流に伴って動き得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願に関する言及]
本出願は、2003年9月30日付けで出願された米国仮特許出願第60/507,902に基づく優先権主張を伴っている。
【0002】
[技術分野]
本発明は、患者に対してガスを供給するための装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
再呼吸回路は、血中二酸化炭素濃度を上昇させることなく、患者の肺に対して供給されるフレッシュガスの量を減少させることを可能としている。フレッシュガス量の減少によって、吸入治療薬が保存される。この一例として、気化性麻酔薬を適用するための再呼吸回路の使用が挙げられる。この再呼吸回路の別の潜在的な使用例としては、次のものが挙げられる:肺の血管を拡張させるための吸入酸化窒素の効果的な適用、拡大気道中における空気量を妨げる抵抗を減少させる手段としてのヘリウムガスの適用、液体を部分的に患者に適用する間の肺からの液体状パーフルオロカーボンの蒸発を制限する手段としてのフレッシュガス流の減少。再呼吸回路はまた、エアゾール化された麻酔薬の適用効率を上げるためにも使用され得る。
【0004】
再呼吸回路は、主として麻酔薬の適用を支援することを目的として設計されている。麻酔薬の適用に際して、再呼吸回路中のガスは、呼吸回路に機械的な圧力をかけ、そしてそれによって肺を動かすために用いられるガスから常に分離されている。もし、この分離が不完全なものであり、あるいは単に部分的しかなされなければ、ガス流の混合が起こり、その結果、適用されるべき麻酔薬が希釈されて、外科手術の間に患者の目を覚ましてしまうということが起こってしまう。
【0005】
米国特許第4,989,597号には、従来技術が開示されている。この米国特許には、ベンチレータを麻酔適用用再呼吸回路に対して直接インターフェイスするための手段が開示されている。この場合、麻酔適用用再呼吸回路は小さな直径を有する長い渦巻き状のチューブを備えていて、依然として嵩高な構造を有している。このような装置は、喚起と再呼吸ガス流との混合を許容する。一回の呼吸量が一定であるという条件下において、このような装置は、ガスコラムの定常的な部分的混合を生じさせる。
【0006】
換気ガスコラムとの混合に起因する損失を補償するため、再呼吸装置における適当な麻酔薬濃度が、余分な麻酔薬を再呼吸装置内に供給することによって維持される。そのようなシステムにおいては、それぞれの分離されたガスコラムの間に如何なる分離器も存在しない。その代わり、長い混合用チューブから生じるガスの「オープンセパレーション」が存在する。そしてそれは、2〜3リッターのガスを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ガス分離器に関するものである。このようなガス分離器は、(a)ハウジングを備えている。ハウジングは、内側面と、患者に対して通気可能に接続される第1オリフィスと、ガス供給源に対して通気可能に接続される第2オリフィスを有している。ガス分離器はさらに、(b)ハウジング内に配置された可動式分離ユニットを備えている。可動式分離ユニットは、第1の側と、第2の側と、第1および第2の側の間に位置するエッジを備えている。エッジは、ハウジングの内側面に近接して配置されていて、一方の側から他方の側へのガス流を制限するが、妨げないようになっている。ガス分離器はさらに、(c)ハウジング内に配置されたガイドを備えている。ガイドは可動式分離ユニットに接続されていて、可動式分離ユニットが、患者の吸気動作の間に、第1オリフィスに向かって動く一方、患者の呼気動作の間には、第2オリフィス側に向かって動くことを許容する。ガイドはさらに、可動式分離ユニットに接続され、エッジを、常にハウジングの内側面に近接した状態に維持する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法によれば、上述のようなガス分離器が準備される。ガスがハウジング外に流出せしめられる。ガスがハウジング外に流出せしめられる間に、可動式分離ユニットは、第1オリフィス側に向かって動き、一定量のガスが第2の側から第1の側に向かって流れる。非麻酔薬用再呼吸装置に対しては、ガス流の一定の混合は重要なことではない。
【0009】
本発明は、機械的なベンチレータまたはフレッシュガス供給源を再呼吸回路から部分的に分離する装置および方法に限定されるものではないが、本発明は、ときどきそのような装置および/または方法に基づいて説明される。本発明は、機械的なベンチレータ、またはフレッシュガス供給源を再呼吸回路から部分的に分離するインターフェイスを提供するために使用され得る。本発明は、患者の吸気による治療薬の適用を容易にするためにも使用される。本発明のこの種の実施形態において、2つのガス流(ベンチレータまたは補助ガス供給源のガス流、および再呼吸回路のガス流)は、患者の吸気動作の間に、同一方向に向かって、つまり患者に向かって流れる。患者の呼気動作の間には、2つのガス流はベンチレータまた補助的なガス供給源に向かって共に同一方向に流れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1〜図4は本発明の実施例を示したものである。図1〜図4において、ガス分離装置10は、ハウジング13、およびハウジング13内に配置された可動式分離ユニット16、およびハウジング13内に配置されたガイド19を備えている。ハウジング13は、内側面22、および患者に対して通気可能に接続される第1オリフィス25、およびガス供給源に対して通気可能に接続される第2オリフィス28を備えている。
【0011】
可動式分離ユニット16は、第1の側31、および第2の側34、および第1および第2の側31、34の間に位置するエッジ37を備えている。エッジ37は、ハウジング10の内側面2に近接して配置されていて、第1の側31から第2の側34に向かうガス流、または第2の側34から第1の側31に向かうガス流を制限するが、それを妨げることはない。こうして、可動式分離ユニット16は、それ自体がハウジング10内において前後に運動し得るとともに、一定の微少量のガスが可動式分離ユニット16のまわりを流れ得るような、内側面22に対する大きさを有している。
【0012】
ガイド19が可動式分離ユニット16に接続されていて、可動式分離ユニット16が、患者の吸気動作の間に、第1オリフィス25に向かって動く一方、患者の呼気動作の間には、第2オリフィス28に向かって動くことを可能にしている。ガイド19は、また、エッジ37をハウジング13の内側面22に近接した状態に維持する。たとえば、ガイド19は、可動式分離ユニット16を貫通して配置されている。本発明の一実施例において、ガイド19は、可動式分離ユニット16とヒンジをなすように連結された剛性を有する支柱からなっており、それによって、可動式分離ユニット16は、支柱のまわりに旋回可能となっており、あるいは、支柱が、ハウジング13内において1組のソケットに支持されて旋回可能となっており、あるいはその両方の動作がなされ得る。
【0013】
本発明は、内側面22からのび、かつ第1オリフィス25および第2オリフィス28の間に配置された固定式分離ユニット43を備えている。この構成において、ガイド19は、可動式分離ユニット16および固定式分離ユニット43とヒンジをなすように連結された支柱からなっており、それによって、可動式分離ユニット16は、固定式分離ユニット43の一端のまわりに旋回可能となっている。
【0014】
図1〜図4に示した本発明の実施例において、可動式分離ユニット16はマイラから形成されている。この材料は、適切な大きさの可動式分離ユニット16の適当な運動を許容する剛性および質量の適当な組合わせを実現するような、可動式分離ユニット16に形作られる。このような可動式分離ユニット16は、慣性が小さいので、可動式分離ユニット16は、ハウジングを通過するガス流の向きの変化に迅速に応答することができ、例えば、半径50ミリメートルおよび体積375ミリリッターの大きさの内側面を備えたハウジング13に対して、可動式分離ユニット16は、縦48ミリメートル、横9ミリメートルで、厚さ0.3ミリメートルの大きさを有している。このような構成において、約1ミリメートルの隙間がエッジ37と内側面22の間に形成される。もし、ハウジング13の高さが50ミリメートルであれば、1ミリメートルの隙間が、ハウジング13の上面と可動式分離ユニット16の間に形成され、かつ1ミリメートルの隙間が、ハウジング13の下面と可動式分離ユニット16の間に形成される。全体として、約150立方ミリメートルの領域がハウジング13と可動式分離ユニット16との間に形成され、そしてそれは、大人用の気管内チューブの断面積よりも大きい。これらの特徴に伴って、分離器10は、体重40キログラムの患者の呼吸を可能とする。これらの特徴は、単に本発明がどのような構成を有しているかの説明にすぎない。
【0015】
本発明は、ハウジング13内に備えられた1つまたはそれ以上のバンパ46を備えている。図1〜図3には、第1バンパ46Aが示され、そしてそれは、可動式分離ユニット16の第1オリフィス25に向かうさらなる運動を制限するために配置される。可動式分離ユニット16がバンパ46Aに向かって動くとき、可動式分離ユニット16およびハウジング13の間の隙間によって、第2オリフィス28からのガスが、第1オリフィス25に達する前に、エッジ37およびハウジング13の間を通過し得る。こうして、第2オリフィス28からのガスが第2オリフィス28から第1オリフィス25に向かって流れることは妨げられない。
【0016】
図1〜図3にはまた、第2バンパ46Bが示されている。第2バンパ46Bは、可動式分離ユニット16の第2オリフィス28に向かう運動を制限するために配置される。これによって、第1オリフイス25からのガスは、第2オリフィス28に達する前に、強制的にエッジ37およびハウジング13の間を通過せしめられる。こうして、可動式分離ユニット16がバンパ46Bに接触しているとき、第1オリフィス25からのガスが第1オリフィス25から第2オリフィス28に向かって流れることは妨げられない。
【0017】
第1オリフィス25に対して通気可能に接続されたガス回路の患者側からの空気の漏れが生じている場合、可動分離器16は、バンパ46に接触する。フレッシュガス流が患者の側に向かって流れ、再呼吸回路酸素濃度を維持し、または治療薬の供給を維持する場合には、可動式分離ユニット16がまた、バンパ46に接触する。患者の1呼吸サイクル中の吸気量および呼気量の間に差が生じている場合にも、可動式分離ユニット16がバンパ46に接触する。
【0018】
ハウジング13の内側面22は、少なくとも部分的に円弧状をなしている。例えば、内側面22は円筒状をなしている。もし内側面22が真円の円筒状をなしているならば、可動式分離ユニット16は長方形状をなし、円筒の中心軸に沿って配置された支柱のまわりに旋回可能とされる。こうして、可動式分離ユニット16のエッジ37は、可動式分離ユニット16がたとえどのような位置に配置されたとしても、内側面22から常に同一の距離を維持するように配置される。別の態様の円筒がまた使用可能である。内側面22は、円筒状をなしている必要はない。ハウジング13は楕円状断面を有する内側面22を備え得る。それによって、エッジ37および内側面22の間の距離が、可動式分離ユニット16の位置に応じて変化するような分離装置10を構成することができる。
【0019】
図4は、取り外し可能な部分49を備えたハウジング13を示している。ガスケット52が備えられて、取り外し可能な部分49とハウジング13の残りの部分との間の適切なシーリングが保証される。取り外し可能な部分49を設けることによって、本発明の分離装置10は、容易に組み立て可能となり、そして磨耗したパーツの取り替え作業、また分離装置10の掃除がより容易となる。
【0020】
図5は本発明の別の実施例を示したものである。この実施例では、可動式分離ユニット16は球状をなし、エッジ37を備える代わりに、例えば、可動式分離ユニット16を、内側面22に近接する円弧状表面55を備えた球状のものとして構成することがより適切である。図5に示した分離装置10においては、内側面22が可動式分離ユニット16に対して、この可動分離器16が患者の吸気動作の間に第1オリフィス25に向かって動くが、患者の呼気動作の間には第2オリフィス28に向かって動き得るような大きさに形成される。可動式分離ユニット16は球状をなしているので、ガイド19を設ける必要がなく、図5ではガイド19が示されていない。しかしながら、もし必要ならば、ガイド19を、球状の可動式分離ユニット16のオリフィスを貫通するように設けることができることに留意されたい。
【0021】
図6は本発明のさらに別の実施例を示したものである。この実施例において、ハウジング13は管状をなし、可動式分離ユニット16の表面は内側面22に近接して配置されていて、円弧状のエッジ37からなっている。可動式分離ユニット16は円盤状をなしている。この円盤はオリフィス58を有しており、ガイド19はこのオリフィス8を貫通している。図6において、ガイド19は1本のワイヤの形態を有している。図7において、円盤は、実質上ガイド19に対して垂直な向きに維持するための1つまたはそれ以上のスリーブ61を備えている。同様の結果として、円盤はこれに接続され、かつガイド19に向かってのびる1つまたはそれ以上の支柱64を有している。この点に関しては、図8を参照されたい。図6に示されたような構成は、管状のハウジング13を必要としないことかわかるであろう。実際、ハウジング13は種々の形状とすることが可能であり、可動式分離ユニット16はそれに対応して類似のエッジ37を備える。
【0022】
ハウジング13は、1つまたはそれ以上のバイパスライン67を備え得る。バイパスライン67は第1の端部70および第2の端部73を有しており、バイパスライン67の両端部はハウジング13に接続されている。それによって可動式分離ユニット16のエッジ37が第1および第2の端部70、73の間に位置するとき、ガスがバイパスライン67を通過し得る。こうして可動式分離ユニット16がバンパ46の一方に達したとき、ガスが可動式分離ユニット16によってバイパスライン67を通過し得る。逆止め弁76がバイパスライン67中に配置されて、バイパスライン67を通過するガス流が1方向に向かうことを保証する。バイパスライン67は、余分な吸入ガス(または排出ガス)が可動式分離ユニット16をバイパスして別のガス流と混じり合うことを可能とするが、可動式分離ユニット16がバンパ46に当接するときにのみそれがなされるように動作する。
【0023】
別の実施例では、バイパスライン67の2つの端部70、73は、ハウジング13に接続され、それによって、可動式分離ユニット16のエッジ37がバイパスライン67の一方の端部70、73と整列したときに、ガスがバイパスライン67を通過し得るようになっている。この構成において、たとえ、エッジ37がバイパスライン67の両端部70、73の間に位置していなくても、バイパスライン67の使用が開始される。
【0024】
本発明は、幾つかの場面で使用される。たとえば本発明は、機械的なベンチレータと再呼吸回路との間のインターフェイスのために使用可能である。再呼吸回路はCO2 吸収装置おいて含み得る。この点について図9を参照されたい。本発明を利用する別の方法は、同時的な呼吸の間にCO2 吸収装置に含む再呼吸回路とフレッシュガス供給源との間のインターフェイスとして使用するという方法である。この点については、図10を参照されたい。本発明を利用するさらに別の方法として、同時的な再呼吸の間の患者に対するフレッシュガス供給源と、計量された吸入治療薬の簡単な適用を目的とするスペーサとの間のインターフェイスとして使用する方法が挙げられる。この点については、図11を参照されたい。本発明の分離器の別の用途としてフレッシュガス供給源と計量吸入器との間のインターフェイスのために用いるという方法が考えられる。この点については、図12を参照されたい。
【0025】
本発明は、ガスを部分的に分離する方法としての実施例も有している。図13はこの方法のステップを示したものである。本発明の方法によれば、ハウジングが準備される(100)。ハウジングは、内側面、および患者に対して通気可能に接続される第1オリフィス、およびガス供給源に対して通気可能に接続される第2オリフィスを備えている。上述のような可動式分離ユニットがハウジング内に設けられる(103)。ガスが第1オリフィスを通じてハウジング外に流出せしめられ(106)、ガスがハウジング外に流出する間に、可動式分離ユニットは第1オリフィスに向かって動き(109)、一定量のガスが可動式分離ユニットの第2の側から第1の側に向かって流れる(112)。このような動作が、患者による吸気動作の間に実行される。このような動作は、ガスが第2オリフイスを通じてハウジング内に流入せしめられる間にも実行される。
【0026】
本発明による方法は、患者による呼気動作の間にも逆のステップとして実行される。図14はこのようなプロセスを示したものである。例えば、ガスが第1オリフイスを通じてハウジング内に流入せしめられる(115)。ガスがハウジング内に流入する間に、可動式分離ユニットは第2オリフィスに向かって動き(118)、一定量のガスが可動式分離ユニットの第1の側から第2の側に向かって流れる(121)。さらに、このような動作は、ガスが第2オリフィスを通じてハウジング外に流出する間にも実行される。
【0027】
ハウジングは、その内部に患者の呼吸時のガス流を数倍越える量のガスを収容し得る。例えば、0.5リッターのガス流は、0から10歳までの大抵の子供の呼吸時のガス量に対応する。
【0028】
これまで、1つまたはそれ以上の特定の実施例に関して本発明の構成が説明されてきたが、本発明のさらに別の実施例が本発明の構成の範囲内において実現可能であることが理解されるであろう。したがって、本発明は請求の範囲に記載された構成にのみ限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による分離器の構成を示す平面図である。
【図2】本発明による分離器の、固定式分離ユニットおよび可動式分離ユニットおよび2つのバンパを示すためにハウジングの一部が取り除かれた状態を示す側面図である。
【図3】ベンチレータおよび循環回路に接続された本発明による分離器を示す平面図である。
【図4】本発明による分離器の分解斜視図である。
【図5】本発明による分離器を示した図である。
【図6】本発明による分離器を示した図である。
【図7】スリーブを備えた円盤の側面図である。
【図8】支柱を備えた円盤の側面図である。
【図9】ベンチレータとともに使用される本発明による分離器の図である。
【図10】フレッシュガス供給源とともに使用される本発明の分離器の図である。
【図11】計量式吸入器とともに使用される本発明による分離器の図である。
【図12】計量式吸入器とともに使用される本発明による分離器の図である。
【図13】本発明による方法の各ステップを示す図である。
【図14】本発明による各ステップを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側面と、患者に対して通気可能に接続される第1オリフィスと、ガス供給源に対して通気可能に接続される第2オリフィスとを備えたハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、第1の側および第2の側および、前記第1および第2の側の間にあるエッジを備えた可動式分離ユニットとを備え、
前記可動式分離ユニットのエッジは、前記ハウジングの内側面に近接して配置され、前記可動式分離ユニットの一方の側から他方の側へのガスの流れを制限するが、妨げないようになっており、さらに、
前記ハウジング内に収容され、前記可動式分離ユニットに接続されて、前記可動式分離ユニットを、患者の吸気動作の間に前記第1オリフィスに向かって動くが、患者の呼気動作の間には前記第2オリフィス側に向かって動くようにし、かつ前記エッジを前記ハウジングの内側面に近接した状態に維持するガイドを備えていることを特徴とするガス分離器。
【請求項2】
前記内側面からのびているとともに、前記第1オリフィスおよび第2オリフィスとの間に配置された固定式分離ユニットをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の分離器。
【請求項3】
前記ガイドは、前記可動式分離ユニットおよび前記固定式分離ユニットとヒンジをなすように連結された支柱からなっていることを特徴とする請求項2に記載の分離器。
【請求項4】
前記ガイドは、前記可動式分離ユニットとヒンジをなすように連結された支柱からなっていることを特徴とする請求項1に記載の分離器。
【請求項5】
前記ハウジング内に収容されたバンパは、前記可動式分離ユニットの運動を制限するとともに、前記第1オリフィスからのガスが、前記第2オリフィスに到達する前に、前記エッジおよび前記ハウジングの間を通過するようにせしめることを特徴とする請求項1に記載の分離器。
【請求項6】
前記ハウジング内に収容されたバンパをさらに備えており、前記バンパは、前記可動式分離ユニットの運動を制限するとともに、前記第2オリフィスからのガスが、前記第1オリフィスに到達する前に、前記エッジおよび前記ハウジング間を通過するようにせしめることを特徴とする請求項1に記載の分離器。
【請求項7】
前記内側面の少なくとも一部が円弧状になっていることを特徴とする請求項1に記載の分離器。
【請求項8】
前記内側面が円筒面からなっていることを特徴とする請求項7に記載の分離器。
【請求項9】
前記可動式分離ユニットが長方形状を有していることを特徴とする請求項7に記載の分離器。
【請求項10】
前記可動式分離ユニットが球形状を有していることを特徴とする請求項7に記載の分離器。
【請求項11】
前記可動式分離ユニットが円盤形状を有していることを特徴とする請求項7に記載の分離器。
【請求項12】
前記円盤は1つのオリフィスを有しており、前記ガイドはそのオリフィスを貫通する1本のワイヤからなっていることを特徴とする請求項11に記載の分離器。
【請求項13】
前記円盤に接続され、前記ガイドのまわりを取り巻くスリーブをさらに備えていることを特徴とする請求項11に記載の分離器。
【請求項14】
前記円盤に接続され、前記ガイドに向かってのびる支柱を備えていることを特徴とする請求項11に記載の分離器。
【請求項15】
第1の端部および第2の端部を有するバイパスラインをさらに備えており、前記バイパスラインの両端部は、前記ハウジングに接続されていて、前記可動式分離ユニットのエッジが前記第1および第2の端部の間に位置するとき、ガスが前記ハイパスラインを通過し得るようになっていることを特徴とする請求項1に記載の分離器。
【請求項16】
前記バイパスライン中に配置された逆止め弁をさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の分離器。
【請求項17】
第1の端部および第2の端部を有するバイパスラインをさらに備えており、前記バイパスラインの両端部は、前記ハウジングに接続されていて、前記可動式分離ユニットのエッジが前記バイパスラインの一方の端部と整列したとき、ガスが前記バイパスラインを通過し得るようになっていることを特徴とする請求項1に記載の分離器。
【請求項18】
前記バイパスライン中に配置された逆止め弁をさらに備えていることを特徴とする請求項17に記載の分離器。
【請求項19】
内側面と、患者に対して通気可能に接続される第1オリフィスと、ガス供給源に対して通気可能に接続される第2オリフィスとを備えたハウジングと、
前記ハウジング内に収容された可動式分離ユニットと、を備えており、
前記可動式分離ユニットは、前記ハウジングの内側面に近接して配置されて、前記可動式分離ユニットを通過するガスの流れを制御するが、妨げないようにする面を備え、前記可動式分離ユニットは前記内側面に対して、前記可動式分離ユニットが患者の吸気動作の間に前記第1オリフィスに向かって動く一方、患者の呼気動作の間に前記第2オリフィスに向かって動き得るような大きさに形成されていることを特徴とするガス分離器。
【請求項20】
前記可動式分離ユニットは球形状を有していることを特徴とする請求項19に記載の分離器。
【請求項21】
前記ハウジング内に収容されたバンパをさらに備えており、前記バンパは、前記可動式分離ユニットの運動を制限するとともに、前記第1オリフィスからのガスが、前記第2オリフィスに到達する前に、前記エッジおよび前記ハウジングの間を通過するようにせしめることを特徴とする請求項19に記載の分離器。
【請求項22】
前記ハウジング内に収容されたバンパをさらに備えており、前記バンパは、前記可動式分離ユニットの運動を制限するとともに、前記第2オリフィスからのガスが、前記第1オリフィスに到達する前に、前記エッジおよび前記ハウジングの間を通過するようにせしめることを特徴とする請求項19に記載の分離器。
【請求項23】
内側面と、患者に対して通気可能に接続される第1オリフィスと、ガス供給源に対して通気可能に接続される第2オリフィスとを備えたハウジングを準備するステップと、
前記ハウジング内に可動式分離ユニットを配置するステップとを有し、
前記可動式分離ユニットは、第1の側および第2の側および、前記第1および第2の側の間に配置されエッジを備え、かつ前記エッジが前記ハウジングの内側面に近接して配置されることによって前記一方の側から他方の側へのガスの流れを制限するが、妨げるないようにし、
前記ハウジング外にガスを流出させて、前記可動式分離ユニットを前記第1オリフィスに向かって動かし、ガスが前記第2の側から前記第1の側に向かって流れるようにするステップをさらに有していることを特徴とするガスを部分的に分離する方法。
【請求項24】
前記ハウジング内にガスを流入させて、前記可動式分離ユニットを前記第2オリフィスに向かって動かし、ガスが前記第1の側から前記第2の側に向かって流れるようにするステップをさらに有していることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記患者に対してガス流を供給可能としつつ麻酔薬を適用するステップをさらに有していることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1オリフィスをフレッシュガス供給源に対して通気可能に接続するステップをさらに有していることを特徴とする請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−520257(P2007−520257A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534115(P2006−534115)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/032248
【国際公開番号】WO2005/033002
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506194117)ザ リサーチ ファウンデイション オブ ステイト ユニバーシティー オブ ニューヨーク (11)