説明

ガスを除塵するための装置

【課題】フィルタの安定性、高い寿命ならびに高い温度および低い温度に対する耐性を提供し、容器内部で良好に浄化可能にする。
【解決手段】支持エレメント122が2つの線材織布123,124を有しており、濾過エレメント125が1つの線材織布を有しており、線材織布123,124が、メッシュと、該メッシュの間に存在する隙間とを有しており、該隙間が、支持エレメントおよび濾過エレメントのガス透過孔を形成しており、濾過エレメントの線材織布が、ガス透過性の周壁121の外面を形成し、さらに内側に位置する、支持エレメントに所属の各線材織布のガス透過孔のメッシュ内径よりも小さく形成されたメッシュ内径を有するガス透過孔を有しており、濾過エレメントの内面のほぼ全体が支持エレメントに接触しており、濾過エレメントの線材織布が支持エレメントの線材織布と焼結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを除塵するための装置であって、粗ガス室を仕切る容器と、粗ガス室に突入した少なくとも1つのフィルタと、粗ガス室からフィルタを通じてガスを案内するためのガス案内手段とが設けられており、各フィルタが、ガス透過孔を有する金属性の支持エレメントと、該支持エレメントを取り囲む濾過エレメントとを備えたガス透過性の周壁を有しており、該濾過エレメントが、前記支持エレメントによって支持されていて、内面と、粗ガス室に隣接した外面と、ガス透過孔とを有しており、該ガス透過孔が、前記支持エレメントのガス透過孔よりも小さな内径を有している形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
まず、以下において使用する用語「粗ガス室」および「純ガス室」について説明する。「粗ガス室」とは、濾過してかつ除塵したいガスを有する、少なくとも1つのフィルタに隣接した室を意味する。この粗ガス室からガスがフィルタに流入する。「純ガス室」とは、ガスがフィルタを貫流した後に流入する、前記少なくとも1つのフィルタに隣接した室を意味する。
【0003】
このような装置は、粗ガス室を取り囲む少なくとも1つの容器と、粗ガス室に突入した少なくとも1つのフィルタとを有している。このような装置は、たとえば原料容器を有していて、ガスを粗ガス室と、この粗ガス室内に存在する粒子状の原料とに通して案内して、この原料を運動させて処理するために形成されている。この場合、原料に、たとえばガスによって流動層を付与し、かつ/または原料を、粗ガス室を下側で仕切る、板を有するロータによって運動させることができる。このような装置はたとえば、少なくとも1種の製薬学的な作用物質、つまり生物学的な作用を生ぜしめる作用物質を有する医薬品を形成するために規定されている粒子状の原料を運動させかつ処理するために働くことができる。この作用物質は、たとえば固形の状態、乾燥した状態または湿った状態で原料容器に導入された粒子状の原料に含有されている。しかし、原料容器内で粒子状の原料に、場合によっては溶解された作用物質または分散された作用物質を含有する液体を噴霧することも可能である。この装置は原料容器に対して付加的に、または原料容器の代わりに後除塵器および/またはその他の濾過装置を有していてよい。この後除塵器および/またはその他の濾過装置の容器は、使用時に粒子状の原料自体は有しないが、しかしこの容器には、粒子状の原料を有する別の原料容器から、除塵したいガスが供給される。さらに、この装置は噴霧乾燥器として形成されていてもよい。
【0004】
米国特許第4645520号明細書に基づき公知の流動層装置の容器は、上側で、内側の壁部分によって仕切られた流動層・粗ガス室を有している。この内側の壁部分には、粗ガス室に突入したフィルタが固定されている。各フィルタは、ガス透過孔を有する円筒状の支持エレメントと、この支持エレメントの外側に配置されかつこの支持エレメントによって支持された濾過エレメントと、この濾過エレメントを前記支持エレメントに固定するために働くバンドとを備えた周壁を有している。濾過エレメントは、紙または繊維織布から成る、折り目(ひだ)を有するフレキシブルなチューブによって形成されている。各フィルタはフィルタ内室を仕切っており、このフィルタ内室は、内側の壁部分を貫通する通過部によって、内側の壁部分の上方に位置する純ガス室に接続されている。各フィルタのためには、浄化ガス入口が設けられており、この浄化ガス入口は純ガス室の側から前記通過部を通ってフィルタ内室に突入して、フィルタのほぼ下端部にまで延びている。この浄化ガス入口は前記通過部を選択的に閉鎖するための、膨張可能なベローズを有している。
【0005】
前記公知の装置には、次のような欠点が認められる。すなわち、紙または繊維織布から成る濾過エレメントが、小さな強度と短い寿命しか有しておらず、高い温度に対しても耐性を有していない。また特に、フィルタに浄化ガスを吹き付ける際に濾過エレメントが損傷を受ける、という大きな危険も生じる。したがって、浄化ガスは濾過エレメントに、比較的低い圧力しか加えることができない。しかし、低い浄化ガス圧では、濾過エレメントの不十分な浄化しか可能にならない。さらに、濾過エレメントの折り目(ひだ)が、濾過エレメントの浄化可能性を損なってしまう。この公知の装置はさらに、容器の内部でフィルタを洗浄するための装置をも有していない。また、この公知の装置のフィルタを容器の内部で、圧力下にある浄化液の噴霧によってきれいに洗浄することは、実質的にほとんど不可能である。なぜならば、これによって濾過エレメントの寿命が一層短縮されてしまうからである。したがって、フィルタは洗浄のためにその都度、容器から取り出されなければならず、このことは時間的に極めて大きな手間を要し、しかも周辺環境やオペレータ自身を汚染する恐れがある。
【0006】
米国特許第4645520号明細書に基づき公知の装置で使用されるベローズによって通過部を完全に閉鎖しようとする場合、このベローズを極めて強力に膨張させて、変形させなければならない。したがって、このベローズは通過部を実際には恐らく不十分にしか閉鎖していないので、フィルタの浄化時には、フィルタ内室に流入した浄化ガスのかなりの部分が、前記通過部を通って純ガス室に流入してしまい、フィルタの浄化のためには全く役立たない。ベローズは膨張時および引き続き行われる収縮時に著しく負荷され、かつ著しい摩耗にさらされるので、このベローズは恐らく既に比較的短い作動時間の後に交換されなければならない。さらに、恐らく天然ゴムおよび/または合成ゴムから成るベローズは高い温度に対してほとんど耐性を有しておらず、また低い温度では壊れやすくなる。さらに、米国特許第4645520号明細書に記載の構成による濾過エレメントおよびベローズは、場合によっては粗ガス室内で行われるダスト爆発および/または溶剤爆発に抵抗するための十分な耐圧性、耐熱性および耐火性を有していないので、この濾過エレメントおよびベローズはこのような爆発によって破壊され、フィルタを通じて爆発の伝播を可能にしてしまう。
【0007】
別の公知の流動層装置およびガスを除塵するためのその他の装置は、やはり紙または繊維材料から成るフレキシブルなチューブから成っていて、かつたいてい軸方向の円形または螺旋状の折り目(ひだ)を有している濾過エレメントを備えたフィルタを有している。このようなフィルタも、米国特許第4645520号明細書に基づき公知の前記フィルタとほとんど同様の欠点を有している。
【特許文献1】米国特許第4645520号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、冒頭で述べた形式の装置を改良して、公知の装置の欠点が回避され、しかも特に各フィルタが安定性、高い寿命ならびに高い温度および低い温度に対する耐性を有していて、容器内部で良好に浄化可能となるような装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために本発明の構成では、前記支持エレメントが少なくとも1つの線材織布を有しており、前記濾過エレメントが金属性であって、1つの線材織布を有しており、前記線材織布が、メッシュと、該メッシュの間に存在する隙間とを有しており、該隙間が、前記支持エレメントおよび前記濾過エレメントのガス透過孔を形成しており、前記濾過エレメントの線材織布が、ガス透過性の周壁の外面を形成していて、さらに内側に位置する、前記支持エレメントに所属の各線材織布のガス透過孔のメッシュ内径よりも小さく形成されたメッシュ内径を有するガス透過孔を有しており、前記濾過エレメントの内面のほぼ全体が、前記支持エレメントに接触して、該支持エレメントによって形状安定的に支持されており、前記濾過エレメントの線材織布が前記支持エレメントの線材織布と接触している接触個所で、前記濾過エレメントの線材織布が前記支持エレメントの線材織布と焼結されており、前記濾過エレメントが折り目(ひだ)および/または波状隆起部なしに形成されているようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィルタが安定性、耐久性ならびに高い温度および低い温度に対する耐性を有しているので、このフィルタは容器の内部で浄化ガスおよび浄化液によって良好に浄化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。
【0012】
図1に示した流動層装置1は、原料・流動層容器3を有しており、この原料・流動層容器3は一般に、鉛直な容器軸線4に対して回転対称的に形成されている。この原料・流動層容器3は壁5を有している。この壁5はフレーム(図示しない)に保持されている。壁5は、互いに密にかつ解離可能に結合された複数の壁部分を有しており、つまりたとえば下方から上方に向かって見て底壁部分6と、下側の円錐状の壁部分7と、上側の円錐状の壁部分8と、円筒状の壁部分9と、カバー壁部分10とを有している。底壁部分6の上端部には、原料・流動層容器3内で篩底部13が配置されており、この篩底部13は支承・旋回手段14によって支承されていて、水平な旋回軸線を中心として旋回可能で、かつ種々の旋回位置に位置固定可能となる。原料・流動層容器3はさらに、円筒状の壁部分9の上側の半部に配置された内側の容器部分もしくは内側の壁部分17を有しており、この内側の壁部分17は円筒状の壁部分9に固くかつ密に結合されていて、隔壁として働く。
【0013】
内側の壁部分17は少なくとも1つのフィルタ19を有しており、この実施例では複数のフィルタ19を有している。この場合、たとえば図2に示したように4つのフィルタ19が設けられており、これらのフィルタ19は原料・流動層容器3内で容器軸線4を取り囲むように分配されていて、かつ互いに間隔を置いて配置されている。各フィルタ19は内側の壁部分17に着脱可能に固定されていて、この内側の壁部分17から離れる方向で下方に向かって突出している。内側の壁部分17には、各フィルタ19のためにガス浄化装置20(図1に概略的に示す)が固定されている。このガス浄化装置20は閉鎖装置21と浄化ガス入口22とを備えている。内側の壁部分17はさらに、フィルタ19を湿式浄化するための湿式浄化手段をも保持している。この湿式浄化手段は少なくとも1つの湿式浄化装置もしくは洗浄装置、つまりこの実施例では4つの第1の湿式浄化装置23と、1つの大型の第2の湿式浄化装置25とを有している。
【0014】
前記壁部分6,7,8,9,10は一緒になって壁5の外壁を形成していて、内室27を周囲に対して密にシールしている。篩底部13と、隔壁として働く内側の壁部分17と、この内側の壁部分17に固定されたフィルタ19と、閉鎖装置21と、湿式浄化装置23,25とは、内室27を3つの部分に分割しており、つまり下方から上方に向かって見てガス分配室28と、流動層・粗ガス室29と、純ガス室30とに分割している。
【0015】
各湿式浄化装置23,25は、内側の壁部分17の上方で原料・流動層容器3内に位置するハウジングと、噴霧機構とを有している。各ハウジングは、純ガス室30に対して密に閉鎖されたハウジング内室を仕切っている。各湿式浄化装置23,25の噴霧機構は対応するハウジング内に、調節可能でかつ鉛直方向に移動可能に案内されていて、選択的に休止位置と浄化位置とにもたらされるようになっている。この噴霧機構は休止位置において、対応するハウジングの内部に位置していて、その場合、内側の壁部分17の下面とほぼ同一平面に位置するか、または正確に同一平面に位置している。噴霧機構は浄化位置においては少なくとも部分的に流動層・粗ガス室29内に位置している。噴霧機構に設けられた噴霧ノズルもしくは流出開口はこの場合、たとえばほぼフィルタ19の上側の端区分の高さに位置している。
【0016】
底壁部分6はガス入口33と、閉鎖可能な原料出口34とを備えている。さらに、噴霧装置43を設けることもできる。この噴霧装置43は、流動層・粗ガス室29内に配置された少なくとも1つの噴霧機構44を備えており、この噴霧機構44は結合剤または被覆材料を噴霧するための少なくとも1つのノズルを有している。円筒状の壁部分9は内側の壁部分17の上面の所定の周面個所において、選択的に開放・遮断可能な液体出口48を備えていて、さらに内側の壁部分17の上方にガス出口49を備えている。
【0017】
流動層装置1はさらに後除塵器51を有している。この後除塵器51は後除塵器容器53を有しており、この後除塵器容器53の壁55は一般に、鉛直な容器軸線54に対して回転対称的に形成されていて、互いに解離可能に結合された複数の壁部分を有しており、つまり下方に向かって先細りになったほぼ円錐状の底壁部分56と、円筒状の壁部分57と、カバー壁部分58とを有している。この後除塵器容器53には、内側の容器部分もしくは内側の壁部分61が固定されており、この内側の壁部分61は隔壁を形成している。内側の壁部分61には、フィルタ63が着脱可能に固定されている。このフィルタ63には、各1つのガス浄化装置64が対応しており、このガス浄化装置64は閉鎖装置65と浄化ガス入口66とを備えている。さらに、内側の壁部分61には、第1の湿式浄化装置もしくは洗浄装置67と、第2の湿式浄化装置もしくは洗浄装置68とが着脱可能に固定されている。
【0018】
前記壁部分56,57,58は一緒になって壁55の外壁を形成していて、内室69を周囲に対して密に閉鎖している。隔壁として働く内側の壁部分61と、この内側の壁部分61に固定されたフィルタ63と、ガス浄化装置64と、各湿式浄化装置67,68とは、内室69を粗ガス室70と純ガス室71とに分割している。この場合、粗ガス室70は内側の壁部分61の下方に位置しており、純ガス室71は内側の壁部分61の上方に位置している。後除塵器容器53は、粗ガス室70に開口したガス入口73と、底壁部分56の下端部に配置された、選択的に閉鎖・開放可能な出口74と、純ガス室71から導出されたガス出口75と、内側の壁部分61の上面の所定の周面個所に配置された、選択的に開放・遮断可能な液体出口78とを有している。
【0019】
前記両容器3;53の壁5;55は主として(つまり種々の壁部分の間に存在するシール部材や窓等は別として)金属性の材料から、つまりステンレス鋼から成っている。各窓はたとえば少なくとも1つのガラス板を有している。
【0020】
流動層装置1はさらに、プロセスガス、つまり空気を下方から上方に向かって両容器3,53に通して案内するためにガス案内手段81を有している。このガス案内手段81は、両容器3,53の周囲に対して開いた空気入口83を有している。この空気入口83はガス管路84と、遮断装置および/または制御装置85と、ダストフィルタ86と、ガス調製装置87とを介して、原料・流動層容器3のガス入口33に接続されている。ガス調製装置87は、たとえば加熱装置および/または冷却装置および/または除湿装置を有している。原料・流動層容器3のガス出口49はガス管路89を介して後除塵器容器53のガス入口73に接続されている。後除塵器容器53のガス出口75はガス管路91と吸込装置92とを介して、周囲に開口した空気出口93に接続されている。
【0021】
流動層装置1は、浄化ガス供給手段95(概略的にのみ図示する)を有しており、この浄化ガス供給手段95は少なくとも1つの圧縮ガス源を備えており、この圧縮ガス源は、たとえばフィルタと、圧縮機と、圧縮空気容器とを有している。浄化ガス供給手段95はさらに、各圧縮ガス源に接続された遮断装置、たとえば原料・流動層容器3の近くに配置された、電気的またはニューマチック的に操作可能な弁を有している。この弁の出口はガス管路(破線矢印で示す)によって浄化ガス入口22,66に接続されている。この場合、たとえばフィルタ19;63に対応する各浄化ガス入口22;66は別個の専用のガス管路を介して対応する弁に接続されているので、各フィルタには圧縮空気から成る浄化ガスを別個に供給することができる。しかし、2つまたはそれ以上の浄化ガス入口22;66を1つの共通のガス管路によって1つの共通の弁に接続することも可能である。
【0022】
流動層装置1はさらに、浄化液供給手段96(概略的にのみ図示する)を有している。この浄化液供給手段96は、たとえば少なくとも1つのポンプと、少なくとも1つの液体リザーバと、遮断装置、たとえば電気的またはニューマチック的に操作可能な弁とを有している。この弁は液体管路(破線矢印で示す)によって、両容器3,53に配置された各湿式浄化装置23,25,67,68に接続されている。
【0023】
引き続き、図3〜図5につきフィルタ19の構成を詳しく説明する。各フィルタ19のためには、スリーブ状の支持体113が設けられている。この支持体11はプレート111に設けられた孔111bを貫通して、このプレート111に固くかつ密に結合されており、つまり溶接されている。支持体113は鉛直方向の、ほぼ円筒状の孔113aを有しており、さらに支持体13の、プレート111の下方に位置する端部は、半径方向の平らな環状面と、この環状面から離れる方向で下方に突出したつばとを有しており、このつばには、半径方向外側に突出した複数のピン115が固定されている。支持体113の、プレート111の上方に位置する端部には、環状フランジ117が複数のねじ118によって着脱可能に固定されている。ホルダ119は2つまたはそれ以上の鉛直な脚部を備えた上側部分119aと、脚部の下端部を互いに結合する、ウェブまたは複数の半径方向のアームを有する結合部材と、この結合部材から離れる方向で鉛直方向に下方に向かって突出した軸部119bとを有している。軸部119bは雄ねじ山119cを備えている。
【0024】
各フィルタ19は、容器軸線4に対して平行な鉛直方向のフィルタ軸線120に対してほぼ回転対称的に形成されている。このフィルタ軸線120は孔111bおよび支持体113の軸線をも形成している。各フィルタ19はほぼ形状固定的なカートリッジフィルタとして形成されていて、フィルタ軸線120に対して同軸的でかつほぼ回転対称的な、つまりほぼ円筒状のガス透過性の周壁121を有している。この周壁121は内部に、図5に示したような中空の金属性の支持エレメント122を有している。この支持エレメント122は比較的粗い少なくとも1つの線材織布から成っており、つまり図示の実施例では内側の粗い方の線材織布123と、外側の微細な方の、比較的細い線材から形成された線材織布124とから成っている。周壁121はさらに、支持エレメント122を取り囲みかつこの支持エレメント122に接触した、周壁121の最も外側の制限部を形成する金属性の濾過エレメント125を有している。この濾過エレメント125は、支持エレメント122の外側の線材織布124よりも一層細い線材から形成された一層微細な線材織布から成っている。この線材織布のメッシュの間に存在する隙間はガス透過孔を形成している。支持エレメント122の内側の線材織布123は、たとえば約0.5〜1mmの直径を有する線材から成っていて、たとえば約5〜10mmのメッシュ内径(目開き)を有している。支持エレメント122の外側の線材織布124は、たとえば約0.3〜0.5mmの太さの線材から成っていて、たとえば約1〜3mmのメッシュ内径(目開き)を有している。支持エレメント122に形成されたガス透過孔の内径は、外側の、つまり微細な方の線材織布124のメッシュ内径(目開き)に等しい。濾過エレメント125は、たとえば0.01〜0.5mmの直径と、たとえば0.01〜0.5mmのメッシュ内径(目開き)とを有する線材織布によって形成されている。濾過エレメント125は、最も微細なガス透過孔が濾過エレメントの外面に配置されるように形成されていると有利である。これにより、フィルタ19の使用時ではダストが少なくとも大部分、実際には完全に、周壁121の最も外側の制限部を形成する、濾過エレメントの外面で分離される。前記3つの線材織布はステンレス鋼から成っている。同一の線材織布に所属の線材および種々異なる線材織布に所属の線材も、これらの線材が互いに交差して接触する接触個所において互いに解離不能に固く結合されている。つまりこれらの線材は互いに焼結されている。
【0025】
周壁121に設けられた支持エレメント122および濾過エレメント125は、周壁121の上端部で全周にわたって、金属性の、つまりステンレス鋼から成るリング127と溶接されているか、または場合によってはろう接されている。このリング127は各ピン115のためにリング内縁部でこのリングに突入した半径方向の切込み127aを備えている。ピン115および切込み127aは一緒になって、バヨネット結合に似た固定手段を形成している。ピン115および切込み127aは、内側の壁部分17にフィルタ19を固定するためにリング127を鉛直方向で上方に向かって移動させて、各ピン115を対応する切込み127aに嵌合させることができるように形成されている。この場合、各ピン115が、対応する切込み127aに嵌合させられた後に、フィルタをその鉛直方向の軸線を中心にして少しだけねじることができるので、ピン115はリング127の下端面に作用して、フィルタを一時的に緩くかつ軸方向の遊びを持って支持体113に保持する。
【0026】
周壁121の、リング127とは反対の側の下端部は、その全周にわたって、金属性の、たとえばステンレス鋼から成る板129と溶接されているか、または場合によってはろう接されている。この板129は中央部に、フィルタ軸線120に対して同軸的な、一貫して延びる孔129aを有している。さらに板129の上端面には、フィルタ軸線120と孔129aとから離れる方向で軽度の円錐状に下方に傾けられた円錐状面129bが設けられている。板129に設けられた孔129aには、フィルタ軸線120に対して同軸的なスリーブ130の上端部が差し込まれていて、この板129と溶接されているか、または場合によってはろう接されている。スリーブ130はこの板129から離れる方向で下方に向かって突出していて、しかも一貫して延びる軸方向の孔を有している。板129には、下方に向かって円錐状に先細りになったコンパクトな、つまり孔を有しない金属性の端壁131の上縁部が溶接されているか、またはろう接されており、この端壁131の下縁部はスリーブ130に溶接されているか、またはろう接されている。細長い固定エレメント132は、スリーブ130を貫通する円筒状の区分と、板129の上方に設けられた、少しだけ細い円筒状の端区分と、スリーブ130および固有のフィルタから突出した下端部に設けられた、スリーブ130の半径方向の端面に接触したつば132aと、スパナまたはその他の工具を係合させるための非回転対称的な工具作用面を有するヘッドとを有している。この固定エレメント132は、その上端面に開口した軸方向の盲孔132bを有しており、この盲孔132bは雌ねじ山132cを備えている。この雌ねじ山132cはホルダ119に設けられた雄ねじ山119cと螺合されている。ホルダ119と固定エレメント132とは、一緒になって固定装置を形成していて、板129の孔129aを通じてフィルタ19を支持体113に解離可能に結合しており、さらにフィルタ19のリング127を支持体113の、半径方向の平らな環状面に押圧している。支持体113とリング127とは、たとえばリング127に設けられた環状溝内に保持されたシール部材133によって互いにシールされている。さらに、固定エレメント132はスリーブ130に設けられた環状溝内に保持されたシール部材134によって、スリーブ130に対してシールされている。支持体113に設けられた軸方向の盲孔内に摺動可能に案内された、金属性の導電性のコンタクトピン135は、同じ盲孔内に配置されたばね136によってリング127に押圧されて、フィルタを内側の壁部分17に導電接続接続し、ひいてはこの壁部分17を介してフィルタをアースに接続する。周壁121とリング127と板129とは、一緒になってフィルタ19の中空のフィルタ内室137を仕切っている。この場合、周壁121の支持エレメント122の、フィルタ内室137を取り囲む内面は、いずれの場所でもホルダ119から間隔を置いて位置している。
【0027】
支持エレメント122は形状固定的である。濾過エレメント125は場合によってはそれ自体単独ではかなりフレキシブルに形成されている。しかしこの濾過エレメントはフィルタ軸線に対してほぼ回転対称的、つまり円筒状に形成されていて、折り目(ひだ)や波状隆起部を有しておらず、その内面全体にわたって支持エレメントの外面に接触しており、さらに全ての接触個所においてこの支持エレメントと焼結されている。したがって、濾過エレメント125は支持エレメント122によって支持されるので、濾過エレメント125も、ひいては周壁全体も、ほぼ形状固定的でかつ形状安定的に形成されている。支持エレメントの外面および内面ならびに濾過エレメント125の外面によって形成された周壁全体の外面は、ほぼ円筒状、つまり線材織布の、互いに巡り合うように曲げられた各線材は別として円筒状で、かつ横断面円形に形成されている。濾過エレメント125がほぼその内面全体で、かつ特に両端部でもその全周にわたって支持エレメント122に接触していること、支持エレメント122の両端部が、その全周にわたってリング127もしくは板129に接触していること、および支持エレメントと濾過エレメントとが全周にわたってリング127もしくは板129と溶接またはろう接されていることに基づき、支持エレメントならびに濾過エレメントと、リング127および板129との安定した耐久性の良い結合が得られる。支持体113に設けられた軸方向の孔113aと、この孔133aと合致した、環状フランジ117に設けられた軸方向の孔とは、一緒になって第1の通過部138を形成している。この第1の通過部138は内側の壁部分17を通じてフィルタ内室137を純ガス室30に接続する。この第1の通過部138は当該フィルタ19に対応する閉鎖装置21によって選択的に開閉され得る。
【0028】
図3に示したフィルタに対応するガス浄化装置20ならびにその閉鎖装置21は、同じく図3に示したように、フィルタ軸線120に対して同軸的なスリーブ141を有している。このスリーブ141は円筒状の周壁142と、板状の閉鎖エレメント143とを有している。この閉鎖エレメント143は周壁142の、フィルタ19とは反対の側の上端部で周壁142に固くかつ密に結合されている。周壁142と閉鎖エレメント143とは、たとえば互いに溶接された別個の金属性の部分から成っている。フィルタ軸線を中心にして分配されたL字形の3つの保持ロッドは、閉鎖エレメント143に固定された水平な脚部と、環状フランジ117に固定された鉛直な脚部とを有している。すなわち、環状フランジ117はフィルタ19を固定するためにも、ガス浄化装置20を固定するためにも働くわけである。周壁142の下端部は開いていて、環状フランジ117から間隔を置いて位置している。
【0029】
図3に示したガス浄化装置20の、フィルタ軸線121に対して同軸的な浄化ガス入口22は、浄化ガス供給手段95の管路(図示しない)に接続されていて、主構成要素として短い管148を有している。この短い管148はスリーブ141を貫通していて、上部および下部でこのスリーブ41から突出しており、さらに下端部で環状フランジ117の中央の孔に突入している。この管148は円筒状の2つの区分を有する段付けされた外面と、閉鎖エレメント143の半径方向の下面に接触した肩部面とを有していて、閉鎖エレメント143に設けられた孔を貫通しており、さらに閉鎖エレメント143にたとえば溶接によって密に固定されている。管148の、環状フランジ117に突入した区分の直径は、環状フランジ117の内径よりも著しく小さく形成されている。したがって、浄化ガス入口22の、第1の通過部138に突入した端区分は、この第1の通過部138の環状の自由空間範囲によって取り囲まれている。この管148は軸方向の円筒状の貫通孔を有していて、さらに閉鎖エレメント143のすぐ下方には少なくとも1つの半径方向の孔148a、有利には管148の周面に沿って分配された複数の孔148aを有している。管148の軸方向の貫通孔の下側の端区分は、雌ねじ山を備えており、この雌ねじ山には、軸方向の貫通孔を有するスリーブ状の絞り149が着脱可能にねじ込まれている。浄化ガス入口22の管148と絞り149とに設けられた軸方向の貫通孔は、一緒になって軸方向の第2の通過部151を形成している。この第2の通過部151は、絞り149に設けられた貫通孔によって形成された狭隘部152を有しており、この狭隘部152は孔148aと、第2の通過部151の、第1の通過部138に開口した端部との間に位置している。
【0030】
閉鎖機構155は、管148を取り囲みかつ管148によって移動可能に案内された中空のロッド156と、このロッド156の下端部に固定された、たとえば金属性の板157とを有している。板157の縁部の近くでは板157の下面に、環状の弾性変形可能なシール部材158が固定されている。板157の直径とシール部材158の直径とは、環状フランジ117の中心の孔の直径よりも少しだけ大きく形成されている。板157およびシール部材158は図3に示した、閉鎖機構155の作動位置において、環状フランジ117から間隔を置いて位置している。この閉鎖機構115は閉鎖位置へ移動させることができる(さらに詳しく説明する)。この閉鎖位置では、板157が、正確に言うとこの板157に固定されたシール部材158が、環状フランジ117の上端面に設けられた環状面に載置される。すなわち、環状フランジ117は弁座をも形成しているわけである。中空のロッド156の上端部には、金属性の環状の板から成るピストン159が、たとえば溶接によって密に固定されている。環状のピストン159はスリーブ141の、周壁142と管148との間に設けられた横断面環状の内室161に位置している。この内室161は閉鎖エレメント143とピストン159との間に存在する内室範囲162を有している。この内室範囲162には前記孔148aが開口している。ピストン159および中空のロッド156は管148もしくは周壁142に対して多くとも小さな半径遊びしか有していない。この場合、周壁142の内面とピストン159との間には、極めて小幅な、たとえば多くとも1mmまたは約1mmの幅を有する環状ギャップが存在していると有利である。ピストン159および中空のロッド156は容易に移動可能であって、内室範囲162を完全に密には閉鎖していないが、しかし純ガス室30の自由空間範囲に対しては内室範囲162を十分に密に閉鎖している。さらに、ピストン159および中空のロッド156を周壁142もしくは管148に対してシールするために、必要に応じてさらにシール部材を設けることができる。
【0031】
後除塵器51のフィルタ63と、ガス浄化装置64と、湿式浄化装置67,68とは、たとえば原料・流動層容器3に配置されたフィルタ19もしくはガス浄化装置20もしくは湿式浄化装置23,25と同じか、または類似して形成されている。
【0032】
各フィルタおよび各ガス浄化装置の金属性の周壁121および別の金属性の構成部分は、高い温度にまで耐熱性を有していて、当然ながら低い温度においても靭性および耐低温性を有している。シール部材133,134,158および場合によってはさらに設けられる別のシール部材も、これらのシール部材、ひいてはフィルタ全体ならびにガス浄化装置全体が少なくとも200℃の温度にまで耐熱性を有し、かつ0℃よりも低い温度でもまだ靭性および耐低温性を有して使用可能となるように形成されている。
【0033】
内側の壁部分17,61は図1では図面の簡略化のために平らでかつ水平方向に図示されている。しかし、内側の壁部分17,61およびその、純ガス室30,71に隣接した上面は、実際には正確に平らでかつ水平に形成されているのではなく(ガス浄化装置20,64、このガス浄化装置に所属の閉鎖装置21,65および湿式浄化装置23,25,67,68から成る部分の、純ガス室に隣接した上面も同様)、水平な平面に対して少なくとも軽度に傾けられて形成されており、つまりたとえば少なくとも部分的に平らでかつ傾けられて形成されており、かつ/または円錐状に形成されており、かつ/または湾曲させられて形成されており、この場合、湿式浄化時では、前記上面に到達した浄化液が液体出口に向かって迅速に流出して、この液体出口を通じて導出されるようになる。内側の壁部分17,61は、たとえば中央に向かって少なくとも部分的に僅かに上方に向かって湾曲させられ、かつさらに一般に少しだけ傾けられているので、内側の壁部分17,61の縁部によって規定される平面は、水平方向の平面と共に、たとえば約2゜または場合によっては最大約5゜の傾斜角度を形成しており、内側の壁部分17,61の上面の最も低い個所は液体出口48;78に位置している。したがって、内側の壁部分17の主構成要素を形成するプレート111および内側の壁部分61の主構成要素を形成する、対応するプレートは、やはり少なくとも部分的に僅かに湾曲させられていて、一般に少しだけ傾けられている(プレート111の、図3に認められる区分参照)。フィルタを支持するプレート区分の形状および傾斜角度は、種々のフィルタにおいて種々異なっていてよい。ガス浄化装置20の閉鎖装置21の、図3に認められる構成部分、つまり環状フランジ117と閉鎖エレメント143と閉鎖機構155との上面は、たとえば円錐状に外方に向かって、水平方向の平面に対して約2゜または少なくとも2゜の傾斜角度で下方に向かって傾けられている。それにもかかわらず、フィルタ19,63のフィルタ軸線は全て鉛直方向でかつ容器軸線4;54に対して平行に延びている。湿式浄化装置23,25,67,68の軸線は、内側の壁部分の、各湿式浄化装置を支持する区分に接線方向で接する平らな面に対してほぼ直角または正確に直角に延びている。
【0034】
次に、流動層装置1の運転に関して詳しく説明する。運転開始時では、まず、たとえば医薬品を形成するために役立つ粒子状の原料99のチャージが、たとえば閉鎖可能な原料入口(図示しない)を通じて流動層・粗ガス室29に導入される。
【0035】
粒子状の原料99を処理するための流動層装置の、以下にまず説明する「標準の」運転時では、ガス案内手段81によって、濾過されかつ調製された空気から成るプロセスガスが下方から上方に向かって、原料・流動層容器3と後除塵器容器53とを通って案内される。これによって、粒子状の原料99に流動層が付与されて、この原料99が処理される。このとき、たとえばまず噴霧機構44によって原料の粒子に液体が噴霧され、これにより粒子はより大きな粒子に凝集しかつ/または粒子に被覆体が付与される。引き続き、原料99は液体噴霧なしに流動層を付与されて、乾燥させられる。しかし原料はあらかじめ液体噴霧することなしに、単に乾燥させることもできる。
【0036】
フィルタの標準運転時では、フィルタに浄化ガスは供給されない。この場合、閉鎖装置21の閉鎖機構155は、吸込装置92によって原料・流動層容器3を通じて吸い込まれる空気によって持ち上げられて、図3に示した開放位置を取っている。フィルタの標準の運転時では、原料・流動層容器3内の空気が粗ガス室29からフィルタ19の周壁121を通ってフィルタ内室137に流入して、このフィルタ内室137から第1の通過部138を通って、全てのフィルタ19にとって共通の純ガス室30に流入する。後除塵器51では、同様に空気が粗ガス室70からフィルタ63の周壁を通って、フィルタ63内に存在するフィルタ内室に流入して、このフィルタ内室から純ガス室71に流入する。
【0037】
プロセスガスを形成する、流動層から上方に向かってフィルタ19に流入する空気は通常、ダスト、たとえば粒子状の原料の摩耗材料や、場合によっては噴霧された液体に溶けているか、または分散されている固形物の粒子をも含有している。この空気はフィルタ19の標準の運転時ではフィルタ19の周壁121によって濾過され、この場合、ダストは周壁121に外側で設けられた濾過エレメント125において、濾過エレメント125の外面で分離除去される。後除塵器51に流入するプロセスガスも、同じくまだ少しだけ微細ダストを含有している場合があり、その場合、ダストは後除塵器のフィルタ63によって分離除去される。
【0038】
フィルタ19,63によって空気から分離除去されて、フィルタの周壁121の外面に付着したダストは、フィルタの透過性を減少させる。したがって、各フィルタ19;63は原料99の流動層形成の間に時折、浄化ガスによって浄化される。この浄化ガスは、たとえば環境周囲から吸い込まれて濾過され、かつ浄化ガス供給手段95の圧縮機によって圧縮された空気から成っているので、圧力は周辺空気圧や、通常では周辺空気圧よりも少しだけ低い、粗ガス室29;70内の圧力よりも大きく形成されており、しかも有利には少なくとも100kPa、たとえば200kPa〜1000kPaだけ大きく形成されている。浄化ガス供給手段95がたとえば図3に示した浄化ガス入口22に、浄化ガスとして働く圧縮空気を供給すると、この圧縮空気の一部、たとえば圧縮空気の大部分は浄化ガス入口22に設けられた第2の通過部151を通じて、支持体113と環状フランジ117とによって仕切られた第1の通過部138に流入する。圧縮空気の供給の開始時では閉鎖機構155がまだ開放位置に位置しているので、浄化ガス入口22を通じて第1の通過部138に流入した空気は一部は純ガス室30に流入し、一部はフィルタ内室137に流入する。圧縮空気が浄化ガス入口22の第2の通過部151を通じて第1の通過部138に流入するとき、第2の通過部151、特にその狭隘部152には圧力低下が生じる。したがって、圧縮空気も浄化ガス入口の孔148aを通じてスリーブ141の内室範囲162に流入する。内室範囲162内の圧力は、スリーブ141の内室161の、純ガス室30に接続された残りの部分における圧力よりも大きく形成されるので、環状のピストン159は下方に向かって移動させられて、閉鎖機構155を閉鎖位置へ移動させ、さらにこの閉鎖機構155を環状フランジ117によって形成された座面に押圧する。このピストン159は、浄化ガス入口22に圧縮空気が供給される限り、閉鎖機構155を閉鎖位置に保持する。浄化ガス入口22に供給された圧縮空気は、ピストン159および閉鎖機構155において場合によって生じる小さな漏れ損失は別として、両通過部151,138を通じてフィルタ内室137に流入し、さらにフィルタ19のガス透過性の周壁121を通じて粗ガス室29に流入する。この場合、浄化ガスとして働く圧縮空気は、フィルタ19の周壁121の外面に付着したダストをほぼ完全にフィルタ19から離れる方向で流動層・粗ガス室29に吹き込む。閉鎖機構155がこの浄化過程の間に第1の通過部138を閉鎖し、かつ浄化ガスとして働く圧縮空気の圧力が、プロセスガスとして流動層・粗ガス室を通じて吸い込まれた空気の圧力よりも大きく形成されているので、フィルタへの浄化ガスの供給の間、プロセスガスは粗ガス室からフィルタ内に流入しない。したがって、フィルタから吹き付け除去されたダストは少なくとも部分的に流動層内へ降下し、(少なくとも、原料99の粒子がまだ湿っている場合には)原料99の粒子に固着する。浄化ガスとして働く圧縮空気が供給されないフィルタ19は、フィルタの浄化の間、プロセスガスを濾過する。
【0039】
フィルタへの浄化ガスの供給が中断されると、吸込装置の吸込作用に基づき閉鎖機構155が再び環状フランジ117から持ち上げられて、開放位置へ移動させられる。すなわち、フィルタの浄化ガス入口22に圧縮空気が供給されなくなると、当該フィルタに対応する閉鎖装置21は逆止弁のように働くわけである。
【0040】
浄化ガス供給手段95はフィルタの浄化の目的で連続的な浄化ガス脈動を発生させて、たとえば各フィルタ19に周期的に交互に浄化ガス脈動を供給する。このことは、プロセスガスが原料・流動層容器3および後除塵器容器53を通って案内される間の時間のほぼ全体にわたって行われる。こうして、全てのフィルタ19は個々に周期的に交互に吹き付け浄化される。場合によってはその代わりにフィルタ19のグループに同時に浄化ガス脈動を供給することもできる。しかし全てのフィルタ19または全てのフィルタ63に同時に浄化ガスを供給しないほうが望ましい。これにより、所定のフィルタ19またはフィルタ63の吹き付け浄化時には、別のフィルタ19;63が相変わらずプロセスガスの濾過のために使用可能となる。浄化ガス供給手段95は調節手段を有していると有利である。この調節手段により、約0.5s〜約5sの個々の脈動の長さもしくは時間および約0.5s〜10sまたは〜100sの、連続する脈動の間の時間間隔が調節可能となる。
【0041】
後除塵器51のフィルタ63は同様に交互に個々にまたはグループ毎に浄化ガスによって浄化することができる。後除塵器51に流入する空気は極めて少量のダストしか有しないので、後除塵器のフィルタは原料・流動層容器内に設けられたフィルタの場合ほど頻繁に浄化される必要はない。フィルタ63から吹き付け除去されたダストは後除塵器の底壁部分56に溜められて、時折、出口74を通じて後除塵器容器53から排出され得る。
【0042】
流動層装置を製造する場合、種々異なる内径を有する狭隘部152を形成する絞り149が製造される。絞り149は管148内に着脱可能にねじ込まれているので、この絞り149は簡単かつ迅速に交換することができる。したがって、浄化ガス入口22への圧縮空気の供給時に絞り149もしくは狭隘部152によって形成される圧力低下は、装置製造時に規定の装置寸法および規定の運転パラメータに合わせて容易に調整することができ、また必要に応じてあとから変えることもできる。
【0043】
粒子状の原料99のチャージの処理が終了すると、吸込装置92が遮断され、プロセスガスの圧送が終了され、原料99が原料・流動層容器3から取り出される。
【0044】
標準運転が終了して原料・流動層容器3が空にされた後に、フィルタ19,63およびその他の構成部分を湿式浄化に施すか、もしくは洗浄することができる。浄化液供給手段96は選択的に種々の湿式浄化装置23,25,67,68に浄化液を供給することができる。この浄化液の圧力は、たとえば200〜600kPaであり、浄化液の温度は0℃よりも高く、たとえば20〜100℃または場合によっては20〜150℃である。浄化液供給手段96が少なくとも1つの湿式浄化装置23;25に一時的に、圧力下にある浄化液を供給すると、当該湿式浄化装置の噴霧機構は粗ガス室29内へ移動させられて、浄化液を噴霧する。この浄化液は部分的にフィルタ19の、当該湿式浄化装置の近くに位置する周壁121に衝突する。フィルタへの液体噴霧時にこのフィルタには、浄化ガス供給手段95によって脈動的に周期的に交互に、ガス浄化装置20,64を介して浄化ガス、つまり圧縮空気が供給されるので、フィルタは間欠的に吹き付け浄化される。フィルタへの液体噴霧が終了すると、フィルタはやはりまだ規定の時間の間、浄化ガスによって間欠的または連続的に吹き付け浄化される。
【0045】
後除塵器51のフィルタ63は、原料・流動層容器内のフィルタと同様に湿式浄化に施すことができる。
【0046】
フィルタ19,63および特にこれらのフィルタの金属性の周壁は、安定的で、高い温度および低い温度に対して耐性を有し、しかも良好な耐久性を有している。したがって、このフィルタは、紙または繊維材料から成る濾過エレメントを有する公知のフィルタよりも著しく高い寿命を有している。さらに、周壁の安定した構成に基づき、フィルタが浄化ガスもしくは浄化液によって損傷されることなしに、良好な浄化のために役立つ比較的大きな圧力を用いる浄化において、浄化ガスと浄化液とを供給することが可能となる。
【0047】
フィルタ19,63の周壁121は、波形隆起部または折り目を有しない、濾過エレメント125によって形成された横断面円形の円筒状の外面を有していて、しかも流動層装置の標準運転時にダストがフィルタの周壁の外面に堆積されるように形成されているので、フィルタは浄化ガスを用いた乾式浄化の場合にも、浄化液を用いた浄化の場合にも、全ての場所で良好に浄化され得る。フィルタの周壁121の種々の線材織布の線材は交差個所において互いに焼結されているので、互いに交差する線材の間にダストが侵入することはない。このことは、フィルタの浄化において同じく、良好な浄化を可能にするために役立つ。
【0048】
フィルタの良好な浄化可能性および耐久性に基づき、このフィルタは浄化または検査または修理のために頻繁に分解される必要はない。このことは特に有毒物質またはその他の健康に有害な物質の処理において有利になる。なぜならば、フィルタの分解に伴う、環境周囲およびオペレータの汚染の危険がほぼ完全に回避されるからである。さらに、フィルタの浄化は十分に自動化することができる。このことは、製造された製品の不変の純度および品質ならびに装置の経済的な運転を得るために役立つ。
【0049】
フィルタの周壁および特にフィルタの濾過エレメントが金属性の材料から成り、かつ周壁が極めて安定的に形成されていて、しかも特に、極めて細い線材織布から成る濾過エレメント125の内面のほぼ全体が支持エレメント122に接触して、この支持エレメント122に結合されているので、装置の運転時では、場合によって生じる、粗ガス室中での爆発時に濾過エレメントが十分に損傷無く留まり、かつ爆発が純ガス室内へ伝播しないことを十分に保証することができる。
【0050】
フィルタの、上で説明したような着脱可能な固定は、流動層装置1の組立て時にフィルタを迅速かつ簡単に組み付けることを可能にする。同様に、フィルタの良好な浄化可能性および高い寿命にもかかわらず(希な事例において)、必要に応じてあとから僅かな時間をかけるだけでフィルタを一時的に原料・流動層容器3もしくは後除塵器容器53から取り外して、浄化しかつ/または検査するか、または交換することもできる。フィルタの組込みまたは取外しの際には、フィルタを固定するために唯一つの固定エレメント132しか必要とならず、またフィルタが組み付けられた状態で固定エレメント132がフィルタの下端部に位置しているので、この固定エレメントが粗ガス室の側から、つまり下方から良好に接近可能となることが特に有利である。
【0051】
図6には、内側の容器部分もしくは内側の壁部分251が示されている。この内側の壁部分251は原料・流動層容器または後除塵器容器の隔壁を形成していて、プレート253を有している。このプレート253は下面253aと、一貫して延びる円筒状の少なくとも1つの孔253bとを有している。内側の壁部分251は必要に応じて各孔253bにおいて、プレート253の上面に載置されかつたとえば溶接によりプレート253に固くかつ密に結合された補強リング254を備えている。この補強リング254に設けられた孔は孔253bと整合する。
【0052】
フィルタ255は各孔253bにおいて、内側の壁部分251に固定されている。フィルタ255は鉛直方向のフィルタ軸線256を規定していて、このフィルタ軸線256に対してほぼ回転対称的に形成されている。フィルタ255は横断面円形の円筒状の、形状固定的なガス透過性の周壁257を有している。この周壁257は図3に示した周壁121と同様に形成されていて、支持エレメントと濾過エレメントとを有している。このフィルタ255は、周壁257の下端部にたとえば溶接または場合によってはろう接により結合された、下方に向かって円錐状に先細りになった端壁259を有している。この端壁259は第1実施例によるフィルタ19の端壁131とは異なりガス透過性に形成されている。この端壁259は周壁257と同様に形成されていて、支持エレメントと、この支持エレメントの外面に接触した濾過エレメントととから成っている。この場合、支持エレメントと濾過エレメントとは水平方向の全ての横断面平面において円形に形成されている。端壁259の支持エレメントは、少なくとも1つの線材織布、有利には第1実施例による支持エレメント122と同様に内側の比較的粗い線材織布と、外側の比較的微細な線材織布とから成っている。端壁259の濾過エレメントは、端壁259の支持エレメントの内側の線材織布よりも一層微細な線材織布から成っている。したがって、濾過エレメントは支持エレメントよりも狭いガス透過孔を有している。種々の線材織布の線材は交差個所において、第1実施例による周壁121の場合と同様に互いに焼結されている。円錐状の端壁259の狭い下端部には、この端壁259にたとえば溶接または場合によってはろう接により固くかつ密に結合されたガス密な閉鎖エレメント260が設けられている。フィルタ255はさらにリング263を有しており、このリング263は内側の壁部分251の上側から、内側の壁部分251に補強リング254の孔とプレート253の孔253bとによって形成された孔に突入し、かつ場合によってはこの孔を貫く区分を備えている。この区分には、周壁257の上端部がその全周にわたって、たとえば溶接または場合によってはろう接により固定されている。リング263は補強リング254の上面に載置されたつばを有していて、このつばの全周にわたって分配された固定エレメントによって、つまり補強リングに設けられたねじ山付孔にねじ込まれたねじまたはねじ山付ピン264によって、下側の壁部分251に着脱可能に固定されて、さらにシール部材265によって下側の壁部分251に対してシールされている。
【0053】
さらに図6に示したように、ガス浄化装置266が設けられている。このガス浄化装置266は、リング263に、ひいては内側の壁部分251に着脱可能に固定された環状フランジ267を有している。このガス浄化装置266はその他の点では第1実施例によるガス浄化装置20と同様に形成されている。
【0054】
内側の壁部分251はプレート253の下面253aで粗ガス室269に隣接していて、この粗ガス室269を、内側の壁部分251の上方に位置する純ガス室270から隔離している。フィルタ255はフィルタ内室271を取り囲んでいる。このフィルタ内室271は、少なくとも部分的にリング263と環状フランジ267とによって仕切られた第1の通過部272によって純ガス室270に接続されている。ガス浄化装置266は、第1の通過部272に開口した第2の通過部を有する浄化ガス入口と、閉鎖装置とを有している。この閉鎖装置によって第1の通過部272を開閉することができる。
【0055】
第1実施例で使用されたフィルタ19は内側の壁部分17の下側からこの壁部分に取り付けられるのに対して、第2実施例によるフィルタ255は組付け時に内側の壁部分の上側から、この壁部分の孔に導入される。フィルタ255が使用されると、周壁257を通じても、端壁259を通じても、プロセスガスが粗ガス室169からフィルタ内室271へ流入する。その他の点において、フィルタ255は第1実施例で使用されたフィルタ19,63と同様の特性を有していて、第1実施例で使用されたフィルタ19,63と同様に使用される。
【0056】
フィルタの数およびフィルタを浄化するために働く湿式浄化装置の数は、図2に示した配置の場合よりも小さいか、または大きくてもよい。しかし、原料・流動層容器は少なくとも2つのフィルタを有していると有利である。それに対して、後除塵器容器は場合によっては1つのフィルタしか有しなくてもよい。
【0057】
流動層装置およびその運転形式はさらに別の点で変えることができる。たとえば、図3および図6に示したフィルタの特徴と、フィルタを固定するために働く固定手段の特徴とを組み合わせることができる。さらに、プレート253が十分な厚さを有している場合には、内側の壁部分251において補強リング254を場合によっては不要にすることもできる。
【0058】
さらに、浄化ガス入口はフィルタ内室にまで突入していてもよい。さらに、移動可能な閉鎖機構155に、環状フランジ117;267に向けられた力または環状フランジ117;267から離れる方向に向けられた力を加えるために、各閉鎖装置が場合によってはさらに少なくとも1つのばねを有していてもよい。
【0059】
さらに、フィルタと、各フィルタに対応するガス浄化装置と、湿式浄化装置とを、容器内に設けられた内側の壁部分に固定する代わりに、容器外壁に所属の壁部分、たとえば容器のカバー壁部分に固定することもできる。その場合、フィルタに対応する各ガス浄化装置を、カバーの上面に固定されたキャップによってカバーすることができる。このキャップは(当該の)フィルタに対応する純ガス室をも仕切る。
【0060】
さらに、プロセスガスおよび/または浄化ガスとして空気の代わりに別のガス、たとえば窒素を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】粒子状の原料を処理するための流動層装置の原料・流動層容器と後除塵器容器との鉛直方向断面図である。
【図2】図1のII―II線に沿った水平方向の断面図である。
【図3】図1および図2に示した原料・流動層容器内に配置されたフィルタと、対応する閉鎖装置との軸方向断面図である。
【図4】図3のIV―IV線に沿った断面図である。
【図5】図3および図4に示したフィルタの周壁の一部を拡大して示す軸方向断面図である。
【図6】フィルタの第2実施例を示す軸方向断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 流動層装置
3 原料・流動層容器
4 容器軸線
5 壁
6 底壁部分
7,8 円錐状の壁部分
9 円筒状の壁部分
10 カバー壁部分
13 篩底部
14 支承・旋回手段
17 内側の壁部分
19 フィルタ
20 ガス浄化装置
21 閉鎖装置
22 浄化ガス入口
23,25 湿式浄化装置
27 内室
28 ガス分配室
29 流動層・粗ガス室
30 純ガス室
33 ガス入口
34 原料出口
43 噴霧装置
44 噴霧機構
48 液体出口
49 ガス出口
51 後除塵器
53 後除塵器容器
54 容器軸線
55 壁
56 底壁部分
57 円筒状の壁部分
58 カバー壁部分
61 内側の壁部分
63 フィルタ
64 ガス浄化装置
65 閉鎖装置
66 浄化ガス入口
67,68 湿式浄化装置
69 内室
70 粗ガス室
71 純ガス室
73 ガス入口
74 出口
75 ガス出口
78 液体出口
81 ガス案内手段
83 空気入口
84 ガス管路
85 遮断装置および/または制御装置
86 ダストフィルタ
87 ガス調製装置
89,91 ガス管路
92 吸込装置
93 空気出口
95 浄化ガス供給手段
96 浄化液供給手段
99 原料
111 プレート
111b 孔
113 支持体
113a 孔
115 ピン
117 環状フランジ
118 ねじ
119 ホルダ
119a 上側部分
119b 軸部
119c 雄ねじ山
120 フィルタ軸線
121 周壁
122 支持エレメント
123,124 線材織布
125 濾過エレメント
127 リング
127a 切込み
129 板
129a 孔
129b 円錐状面
130 スリーブ
131 端壁
132 固定エレメント
132a つば
132b 盲孔
132c 雌ねじ山
133,134 シール部材
135 コンタクトピン
136 ばね
137 フィルタ内室
138 第1の通過部
141 スリーブ
142 周壁
143 閉鎖エレメント
148 管
148a 孔
149 絞り
151 第2の通過部
152 狭隘部
155 閉鎖機構
156 ロッド
157 板
158 シール部材
159 ピストン
161 内室
162 内室範囲
251 内側の壁部分
253 プレート
253a 下面
253b 孔
254 補強リング
255 フィルタ
256 フィルタ軸線
257 周壁
259 端壁
260 閉鎖エレメント
263 リング
264 ねじまたはねじ山付ピン
265 シール部材
266 ガス浄化装置
267 環状フランジ
269 粗ガス室
270 純ガス室
271 フィルタ内室
272 第1の通過部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを除塵するための装置であって、粗ガス室(29,70,269)を仕切る容器(3,53)と、粗ガス室(29,70,269)に突入した少なくとも1つのフィルタ(19,63,255)と、粗ガス室(29,70,269)からフィルタ(19,63,255)を通じてガスを案内するためのガス案内手段(81)とが設けられており、各フィルタ(19,63,255)が、ガス透過孔を有する金属性の支持エレメント(122)と、該支持エレメント(122)を取り囲む濾過エレメント(125)とを備えたガス透過性の周壁(121,257)を有しており、該濾過エレメント(125)が、前記支持エレメント(122)によって支持されていて、内面と、粗ガス室(29,70,269)に隣接した外面と、ガス透過孔とを有しており、該ガス透過孔が、前記支持エレメント(122)のガス透過孔よりも小さな内径を有している形式のものにおいて、前記支持エレメント(122)が少なくとも1つの線材織布(123,124)を有しており、前記濾過エレメント(125)が金属性であって、1つの線材織布を有しており、前記線材織布(123,124)が、メッシュと、該メッシュの間に存在する隙間とを有しており、該隙間が、前記支持エレメント(122)および前記濾過エレメント(125)のガス透過孔を形成しており、前記濾過エレメント(125)の線材織布が、ガス透過性の周壁(121,257)の外面を形成していて、さらに内側に位置する、前記支持エレメント(122)に所属の各線材織布(123,124)のガス透過孔のメッシュ内径よりも小さく形成されたメッシュ内径を有するガス透過孔を有しており、前記濾過エレメント(125)の内面のほぼ全体が、前記支持エレメント(122)に接触して、該支持エレメント(122)によって形状安定的に支持されており、前記濾過エレメント(125)の線材織布が前記支持エレメント(122)の線材織布(123)と接触している接触個所で、前記濾過エレメント(125)の線材織布が前記支持エレメント(122)の線材織布(123,124)と焼結されており、前記濾過エレメント(125)が折り目(ひだ)および/または波状隆起部なしに形成されていることを特徴とする、ガスを除塵するための装置。
【請求項2】
各フィルタ(19,63,255)が、フィルタ軸線(120,256)を規定していて、該フィルタ軸線(120,256)に対して前記支持エレメント(122)と前記濾過エレメント(125)とが、ほぼ回転対称的に形成されており、該濾過エレメント(125)がほぼその全周にわたって前記支持エレメント(122)に接触していて、該支持エレメント(122)と焼結されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
各フィルタ(19,63,255)の周壁(121,257)の前記支持エレメント(122)と前記濾過エレメント(125)とが、ほぼ円筒状に形成されている、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
各フィルタ(19,63,255)の周壁(121,257)の全ての線材織布(123,124)が、ステンレス鋼から成っている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記支持エレメント(122)が2つの線材織布(123,124)を有しており、前記濾過エレメント(125)が唯一つの線材織布を有しており、前記周壁(121,257)が合計3つの線材織布(123,124)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
濾過エレメント(125)の線材織布が、前記全ての接触個所で支持エレメント(122)と焼結されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
ガスを除塵するための装置であって、粗ガス室(29,70,269)を仕切る容器(3,53)と、粗ガス室(29,70,269)に突入した少なくとも1つのフィルタ(19,63,255)と、粗ガス室(29,70,269)からフィルタ(19,63,255)を通じてガスを案内するためのガス案内手段(81)とが設けられており、各フィルタ(19,63,255)が、ガス透過孔を有する金属性の支持エレメント(122)と、該支持エレメント(122)を取り囲む濾過エレメント(125)とを備えたガス透過性の周壁(121,257)を有しており、該濾過エレメント(125)が、前記支持エレメント(122)によって支持されていて、内面と、粗ガス室(29,70,269)に隣接した外面と、ガス透過孔とを有しており、該ガス透過孔が、前記支持エレメント(122)のガス透過孔よりも小さな内径を有している形式のものにおいて、前記支持エレメント(122)が、1つの内側の線材織布(123)と1つの外側の線材織布(124)とを有しており、前記濾過エレメント(125)が金属性であって、1つの線材織布を有しており、前記線材織布(123,124)が、メッシュと、該メッシュの間に存在する隙間とを有しており、該隙間が、前記支持エレメント(122)および前記濾過エレメント(125)のガス透過孔を形成しており、前記濾過エレメント(125)の線材織布が、ガス透過性の周壁(121,257)の外面を形成していて、さらに内側に位置する、前記支持エレメント(122)に所属の各線材織布(123,124)のガス透過孔のメッシュ内径よりも小さく形成されたメッシュ内径を有するガス透過孔を有しており、前記濾過エレメント(125)の内面のほぼ全体が、前記支持エレメント(122)に接触して、該支持エレメント(122)によって形状安定的に支持されており、前記濾過エレメント(125)の線材織布が前記支持エレメント(122)の外側の線材織布(124)と接触している接触個所で、前記濾過エレメント(125)の線材織布が前記支持エレメント(122)の線材織布(123,124)と焼結されており、前記濾過エレメント(125)が折り目(ひだ)および/または波状隆起部なしに形成されており、前記支持エレメント(122)の外側の線材織布(124)が、前記接触個所で前記支持エレメント(122)の内側の線材織布(123)と焼結されており、さらに前記支持エレメント(122)の外側の線材織布(124)が、前記支持エレメント(122)の内側の線材織布(123)よりも小さなメッシュ径(目開き)を有していて、かつ前記支持エレメント(122)の内側の線材織布(123)よりも細い線材から形成されていることを特徴とする、ガスを除塵するための装置。
【請求項8】
ガスを除塵するための装置であって、粗ガス室(29,70,269)を仕切る容器(3,53)と、粗ガス室(29,70,269)に突入した少なくとも1つのフィルタ(19,63,255)と、粗ガス室(29,70,269)からフィルタ(19,63,255)を通じてガスを案内するためのガス案内手段(81)とが設けられており、各フィルタ(19,63,255)が、ガス透過孔を有する金属性の支持エレメント(122)と、該支持エレメント(122)を取り囲む濾過エレメント(125)とを備えたガス透過性の周壁(121,257)を有しており、該濾過エレメント(125)が、前記支持エレメント(122)によって支持されていて、内面と、粗ガス室(29,70,269)に隣接した外面と、ガス透過孔とを有しており、該ガス透過孔が、前記支持エレメント(122)のガス透過孔よりも小さな内径を有している形式のものにおいて、前記支持エレメント(122)が少なくとも1つの線材織布(123,124)を有しており、前記濾過エレメント(125)が金属性であって、1つの線材織布を有しており、前記線材織布(123,124)が、メッシュと、該メッシュの間に存在する隙間とを有しており、該隙間が、前記支持エレメント(122)および前記濾過エレメント(125)のガス透過孔を形成しており、前記濾過エレメント(125)の線材織布が、ガス透過性の周壁(121,257)の外面を形成していて、さらに内側に位置する、前記支持エレメント(122)に所属の各線材織布(123,124)のガス透過孔のメッシュ内径よりも小さく形成されたメッシュ内径を有するガス透過孔を有しており、前記濾過エレメント(125)の内面のほぼ全体が、前記支持エレメント(122)に接触して、該支持エレメント(122)によって形状安定的に支持されており、前記濾過エレメント(125)の線材織布が前記支持エレメント(122)の線材織布(123)と接触している接触個所で、前記濾過エレメント(125)の線材織布が前記支持エレメント(122)の線材織布(123,124)と焼結されており、前記濾過エレメント(125)が折り目(ひだ)および/または波状隆起部なしに形成されており、各フィルタ(19,63,255)が、前記容器(3,53)の壁部分(17,61,251)に着脱可能に固定されていて、フィルタ内室(137,271)を仕切っており、該フィルタ内室(137,271)が、通過部(138,272)を介して、前記壁部分(17,61,251)の、粗ガス室(29,70,269)とは反対の側に位置する純ガス室(30,71,270)に接続されており、さらに、フィルタ内室(137,271)内に浄化ガスを一時的に導入しかつフィルタ内室(137,271)への浄化ガスの導入時に前記通過部(138,272)を閉鎖するために、各フィルタ(19,63,255)のために浄化ガス入口(22,66)と閉鎖装置(21,65)とを備えたガス浄化装置(20,64,266)が設けられていることを特徴とする、ガスを除塵するための装置。
【請求項9】
各ガス浄化装置(20,64,266)が、前記浄化ガス入口(22,66)を横断面で見て取り囲む周壁(142)と、該周壁(142)内で移動可能な、閉鎖機構(155)に結合されたピストン(159)とを有しており、各ガス浄化装置(20,64,266)の前記周壁(142)が、前記ピストン(159)の、フィルタ(19,63,255)とは反対の側で、閉鎖エレメント(143)によって密に閉鎖されており、前記浄化ガス入口(22,66)が、前記壁部分(17,61,251)に固く結合されていて、前記ピストン(159)と前記閉鎖機構(155)とを貫通していて、フィルタ内室(137,271)に接続された第2の通過部(151)を取り囲んでおり、さらに前記浄化ガス入口(22,66)が、少なくとも1つの孔(148a)を有しており、該孔(148a)が、前記第2の通過部(151)を、前記周壁(142)によって取り囲まれた、前記閉鎖エレメント(143)と前記ピストン(159)との間に設けられた内室範囲(162)に接続している、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記濾過エレメント(125)の外面に浄化液を噴霧するために、少なくとも1つの湿式浄化装置(23,25,67,68)が設けられており、前記壁部分(17,61,251)が、その上側に位置する、前記純ガス室(30,71,270)に隣接した面を有しており、前記閉鎖装置(21,65)と前記湿式浄化装置(23,25,67,68)とが、前記純ガス室(30,71,270)に隣接した、当該閉鎖装置(21,65)および湿式浄化装置(23,25,67,68)の一部の上側に位置する少なくとも1つの面を有しており、前記容器(3,53)が、遮断可能な液体出口(48,78)を備えており、前記純ガス室(30,71,270)に隣接した前記面が傾けられていて、場合によっては前記面に衝突する浄化液が、前記液体出口(48,78)に向かって流れて、該液体出口(48,78)を通じて導出されるようになっている、請求項8または9記載の装置。
【請求項11】
前記各ガス浄化装置(20,64,266)が無ばね式に形成されている、請求項8から10までのいずれか1項記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−245155(P2007−245155A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160414(P2007−160414)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【分割の表示】特願平9−351の分割
【原出願日】平成9年1月6日(1997.1.6)
【出願人】(390009438)グラット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (4)
【氏名又は名称原語表記】Glatt GmbH
【住所又は居所原語表記】Buehlmuehle, D−79589 Binzen, Germany
【Fターム(参考)】