説明

ガスコンロ

【課題】ガスコンロの五徳に調理容器が異常な状態で配置されたり、不使用のガスバーナが蓋体で覆われたりする場合には、ガスバーナを点火できないようにし、調理容器が正常な状態で五徳上に配置されているときにガスバーナを点火することができるガスコンロを提供する。
【解決手段】調理容器検知手段6は、ガスバーナ2におけるバーナ部21の中央部において上方に向けて付勢されて上下動可能に配置される移動体と、五徳31上に配置された調理容器Aの底面が正常位置であるときの前記底面に移動体が押し下げられて作動する第1スイッチ71と、前記正常位置よりも低い異常位置まで移動体が移動したときに作動する第2スイッチ72とを有する。制御装置4は、第1スイッチ71が作動したときはガスバーナを燃焼可能状態とし、第2スイッチ72が作動したときはガスバーナへのガス供給を遮断するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、五徳上に配置された調理容器の有無を検知して、ガスバーナの燃焼を制御するガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、五徳上に配置された調理容器の底部の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の構成部に設けられて調理容器の有無を検知する調理容器検知手段とを備えたガスコンロがあり(特許文献1)、ガスバーナへの点火操作中、および、燃焼中に調理容器無しが検知された場合は、ガスバーナの火力を制限するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−46799号公報
【特許文献2】実用新案登録第3150737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、調理容器検知手段が、調理容器有りを検知した場合でも、調理容器が外径の小さい丸底鍋の場合には、五徳上に安定して配置できず、しかも、鍋底がガスバーナのバーナキャップに異常に接近してしまい、このバーナキャップの空気取り入れ穴を覆ってしまう可能性がある。バーナキャップの空気取り入れ穴が覆われてしまうと燃焼不良が生じるし、また、鍋底がバーナ部に近すぎてバーナ部の周囲に熱が篭ってしまい、調理容器の底部温度を的確に検知できず、温度検出手段が誤作動を起こす可能性もある。
【0005】
また、使用していないガスバーナに対して、ガスコンロの内部に油や調理くずが入り込まないようにするために、ガスコンロの天板上に、ガスバーナ及び五徳を覆う蓋体を着脱可能に配置したものが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、蓋体を配置した状態で、誤ってガスバーナを点火してしまった場合には、ガスバーナが蓋体で覆われた状態で燃焼してしまい、使用者には、燃焼していることが分からず、蓋体が過熱され、さらに、燃焼不良が生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガスコンロの五徳に調理容器が異常な状態で配置されたり、不使用のガスバーナが蓋体で覆われたりする場合には、ガスバーナを点火できないようにし、調理容器が正常な状態で五徳上に配置されているときにガスバーナを点火することができるガスコンロを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るガスコンロは、ガスバーナ及び五徳を備えるガスコンロにおいて、
五徳上に配置された調理容器の有無を検知する調理容器検知手段と、
ガスバーナへのガス供給量を制御する制御手段とを備え、
調理容器検知手段は、
ガスバーナにおいて上方に向けて付勢されて上下動可能に配置される移動体と、五徳上に配置された調理容器の底面が正常位置であるときの前記底面により移動体が押し下げられて作動する第1スイッチと、前記正常位置よりも低い異常位置まで移動体が移動したときに作動する第2スイッチとを有し、
制御手段は、
調理容器検知手段の第1スイッチが作動したときはガスバーナを燃焼可能状態とし、第2スイッチが作動したときはガスバーナへのガス供給を遮断するように制御することを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、外径の小さい丸底鍋などのように、調理容器検知手段の移動体を第1スイッチが作動する正常位置よりも下方の異常位置に移動させる特殊な調理容器を用いて調理しようとすると、調理容器検知手段の第2スイッチが作動して、制御手段によりガスバーナへのガス供給が遮断される。従って、前記特殊な調理容器を用いる場合は、ガスバーナが点火されることはなく、燃焼不良が生じたり、バーナ部の周囲に熱が篭ってしまうことを阻止できる。
そして、通常の調理容器が正常な状態で五徳上に配置されて第1スイッチが作動したときのみ、ガスバーナを燃焼させることができるので、調理容器の底部温度を検出する温度検出器を設けている場合、温度検出器が誤作動を起こすようなことはなく、調理容器をガスバーナの燃焼により適正な温度で加熱することができる。
【0009】
さらに、本発明に係るガスコンロは、少なくともガスバーナの天板上から突出する部分を覆うように着脱可能に配置される蓋体を備え、蓋体は、ガスバーナを覆った状態で配置したときに調理容器検知手段の移動体を異常位置まで移動させる押圧部を有する構成とすることが好ましい。
【0010】
このような構成により、ガスバーナの不使用時には、蓋体によってガスコンロの内部に水や油や調理くずなどが入り込まないようにすることができる。そして、ガスバーナを覆う蓋体を配置したときには、蓋体の押圧部により移動体を第2スイッチが作動する異常位置まで押し下げるので、制御手段により、ガスバーナへのガス供給が遮断される。従って、使用者が誤って蓋体が配置された状態でガスバーナを点火操作しても、ガスバーナの点火を阻止できる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、調理容器検知手段が、調理容器有りを検知した場合でも、外径の小さい丸底鍋などのように特殊な調理容器が五徳上に配置された場合には、第2スイッチが作動して、制御手段によりガスバーナへのガス供給が遮断されるので、ガスバーナが点火されることはなく、燃焼不良が生じたり、バーナ部の周囲に熱が篭ってしまうことを阻止できる。
そして、通常の調理容器が正常な状態で五徳上に配置された場合には、第1スイッチのみが作動してガスバーナを燃焼させることができるので、調理容器の底部温度を検出する温度検出器を設けている場合、温度検出器が誤作動を起こすようなことはなく、調理容器をガスバーナの燃焼により適正な温度で加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1によるガスコンロの外観構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態1によるガスコンロの要部拡大断面図であって、五徳上に調理容器が配置されていない状態を示す。
【図3】実施形態1によるガスコンロの調理容器検出手段の断面図である。
【図4】実施形態1によるガスコンロの要部拡大断面図であって、鍋底の位置が正常位置のときの五徳上に調理容器が配置されている状態を示す。
【図5】実施形態1によるガスコンロの要部拡大断面図であって、鍋底の位置が異常位置のときの五徳上に調理容器が配置されている状態を示す。
【図6】実施形態1によるガスコンロの要部拡大断面図であって、バーナキャップ及びバーナ部が取り除かれた状態で、ガスバーナ上に蓋体が配置されている状態を示す。
【図7】本発明の実施形態2によるガスコンロの外観構成を示す斜視図である。
【図8】実施形態2によるガスコンロの要部拡大断面図であって、ガスバーナ及び五徳を覆うように蓋体が配置されている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
以下に、本発明の実施形態1について添付図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態1に係るガスコンロ1aは、ビルトインタイプに適用したものであり、ガスバーナ2と、ガスバーナ2の周囲に配置される五徳31と、ガスバーナ2が収納されるコンロ本体部32と、コンロ本体部32の上部開口部を覆う天板33とを備える。コンロ本体部32は、図示していない上方が開放された矩形箱状のキャビネット内に収納される。なお、ガスコンロ1aは、図1のように、コンロ本体部32にガスバーナが1つ設けられたものでもよいし、複数設けられたものでもよい。
【0014】
ガスコンロ1aは、図1及び図2に示すように、コンロ本体部32の上方開放部がガラス製又はホーロー製などの天板33で被覆され、天板33の所定の位置に、ガスバーナ2のバーナ部21を臨ませる開口部33aが形成されている。
【0015】
本実施形態に係るガスコンロ1aは、ガスコンロ1aの動作を制御するマイクロコンピュータ等で構成された制御装置4を備えている。制御装置4は、後述する調理容器検知手段6により五徳31の上に調理容器Aが無いことが検出されている場合にはガスバーナ2を点火させない制御を行なう。また、調理容器検知手段6により五徳31の上に調理容器Aが配置されていることが検出されていても、調理容器Aの底面が五徳31の上端よりかなり低い異常位置になる場合にも、ガスバーナ2を点火させない制御を行なう。
【0016】
天板33における、使用者側となる正面側の端部には、ガスバーナ2の点火・消火などの操作を行なうための操作部33bが設けられている。この操作部33bは、タッチパネル式になっており、図示していないが、電源スイッチ、ガスバーナ2を点火及び消火させるための指令情報(例えば、静電容量式などのタッチスイッチの電気信号による指令情報)を制御装置4に送る点消火キー、ガスバーナ2の燃焼量を調節するための指令情報を制御装置4に送るバーナ火力調整キー等が設けられている。
【0017】
さらに、操作部33bには、五徳31の上に調理容器Aが無い状態でもガスバーナ2を点火させることができるようにする解除キーを設けており、解除キーの操作により、使用者の意思で五徳31の上に調理容器Aを置かない状態でもガスバーナ2を点火させることができるようになっている。
【0018】
ガスバーナ2は、図2に示すように、バーナ部21と、このバーナ部21にガス燃料と空気との混合ガスを供給する混合管22とを備える。
混合管22は、上流側が図示しない器具栓に接続され、下流側が上下方向に延びる内管22aと外管22bで形成したドーナツ状の環状パイプに形成されている。
【0019】
バーナ部21は、混合管22を構成する外管22bの内側に嵌合される円筒状のバーナヘッド21aと、バーナヘッド21aの内壁と混合管22を構成する内管22aの外周面との間に形成される環状の上部開口部を覆い、中心部に開口を有するバーナキャップ21bとから構成されている。バーナヘッド21aの上部外周には多数の炎孔が形成されて、バーナヘッド21aの内壁と混合管22の内管22aの外周面との間に形成される空間を流れる混合ガスが炎孔から排出される。バーナヘッド21aの周囲に図示しない点火電極及び炎検知器が外付けされている。
【0020】
又、図1及び図2に示すように天板33に形成した開口部33aには、中心部にバーナ部21が挿通される孔34aを有するバーナリング34が配置される。このバーナリング34は、天板33の開口部33aに嵌め合わされるように設置される。
五徳31は、バーナリング34の外周縁に着脱可能に嵌められ、五徳31の上端の高さは、バーナリング34に装着したときにガスバーナ2のバーナキャップ21bよりも高くなるように形成されている。
【0021】
又、ガスバーナ2における混合管22の内管22aの内方には、調理容器Aの底部温度を検出する温度センサ5を兼ね備え、五徳31上に調理容器Aが配置されているか否かを検出する調理容器検知手段6を設けている。
【0022】
調理容器検知手段6は、調理容器Aの底部に接触させる接触体65を有するヘッド部63と、調理容器が載置されずヘッド部63が開放状態の時にオン状態となりヘッド部63が下方に押圧されることによりオフ動作する第1スイッチ71と、ヘッド部63が下方に押圧されることによりオン動作する第2スイッチ72とを備える。接触体65には感熱素子51が内蔵されており、この感熱素子51により温度センサ5を構成する。
【0023】
調理容器検知手段6は、コンロ本体部32内に設ける図示しない支持部材で支持されており、その上端部となるヘッド部63は、開放状態で五徳31よりも上方に突出するようになっている。
【0024】
調理容器検知手段6は、図2及び図3に示すように、バーナ部21の内方空間に上部が配置されるL字状に屈曲した支持パイプ61と、支持パイプ61内をパイプ軸方向に摺動可能に配置される2本のリード線62と、各リード線62の上端に接続される感熱素子51が内蔵されたヘッド部63と、リード線62の動きを検出する近接スイッチからなる第1スイッチ71及び第2スイッチ72とを備える。
【0025】
各リード線62は、束ねられた状態で保護チューブ67によって覆われ、保護チューブ67と共に支持パイプ61内を移動する。保護チューブ67における下方水平部分に対応する箇所には、保護チューブ67を覆う磁性体68が装着されている。この磁性体68は、第1スイッチ71又は第2スイッチ72に近接すると、第1スイッチ71又は第2スイッチ72をオン動作させるようになっている。
【0026】
ヘッド部63は、内筒64aと外筒64bとから成るカバー体64と、内筒64aの上端に固定される感熱素子51が内蔵された上面が円形平面の接触体65と、この接触体65と支持パイプ61の上端との間に介在される接触体65を上方に付勢するコイルばね66とから構成される。コイルばね66の内方に一対のリード線62が配置される。
【0027】
接触体65が、コイルばね66の付勢力に抗して押し下げられると、支持パイプ61内に配置される各リード線62も保護チューブ67及び磁性体68と共に押し下げる方向に移動する。そして、接触体65への押圧が解除されると、コイルばね66の復帰により、接触体65、各リード線62、保護チューブ67及び磁性体68が上方に向けて移動する。
【0028】
また、支持パイプ61における水平部分の外面近くには、図3に詳記するように、保護チューブ67に取り付けられる磁性体68を感知して作動する近接スイッチからなる第1スイッチ71及び第2スイッチ72が軸方向にずらして設けられている。第1スイッチ71及び第2スイッチ72は、リード線62を介して制御装置4に接続される。磁性体68、第1スイッチ71及び第2スイッチ72は、ガスバーナ2の熱の影響を受けないようにするために、ガスバーナ2のバーナ部21から離れた位置に設けられている。
【0029】
第1スイッチ71は、図2に示すように、調理容器が載置されずヘッド部63が開放状態の時の磁性体68がある位置に対向して設けられる。第1スイッチ71が磁性体68と対向している状態では、第1スイッチ71はこの磁性体68によりオン状態になっている。そして、図4に示すように、例えば五徳31上に通常の平底鍋が載置されて調理容器Aの自重によってコイルばね66に抗してヘッド部63が押し下げられて停止すると、即ち、調理容器Aの底部の位置が五徳31の上端と略同じ位置になる正常な状態で五徳31上に調理容器Aが載置されてヘッド部63が押し下げられて停止すると、ヘッド部63の動きに伴い移動した磁性体68が第1スイッチ71から離れて第1スイッチ71はオフ動作する。第1スイッチ71のオフ動作により、制御装置4は、調理容器Aが正常な状態で五徳31上に配置されたと判断して図示しないバルブを開弁してガスバーナ2にガスを供給するように制御し、ガスバーナ2が燃焼可能な状態になる。
【0030】
第2スイッチ72は、図5に示すように、例えば五徳31上に外径が非常に小さい丸底の特殊調理容器A′が載置されて、この特殊調理容器A′の自重によってコイルばね66に抗してヘッド部63が五徳31の上端の位置よりかなり下方の位置まで押し下げられて停止した状態、即ち、特殊調理容器A′の底部が五徳31よりもかなり低い異常位置になる状態で五徳31上に特殊調理容器A′が載置されたときに、ヘッド部63の動きに伴い磁性体68が移動して停止した位置に対向して設けられる。磁性体68が、第1スイッチ71を通過して、第2スイッチ72まで移動したとき、第1スイッチ71は、磁性体68が通過することによりオフ状態になり、第2スイッチ72がオン動作する。第2スイッチ72がオン動作すると、制御装置4は、特殊調理容器A′が異常な状態で五徳31上に配置されたと判断して、図示しないバルブを閉弁状態にしてガスバーナ2へのガスの供給を遮断するように制御し、ガスバーナ2は点火できない状態になる。
【0031】
なお、本実施形態1のガスコンロ1aは、ヘッド部63、リード線62、保護チューブ67、磁性体68により本発明の移動体を構成している。
【0032】
また、五徳31上に調理容器Aが載せられると、接触体65が調理容器Aの底部に当接し、接触体65に内蔵される温度センサ5の感熱素子51に調理容器Aの底部温度が伝熱される。感熱素子51からリード線62を介して制御装置4に温度検出結果が出力され、制御装置4は、温度センサ5の温度検出結果に基づいてガスバーナ2の火力を調整する制御を行なう。
【0033】
このように制御装置4は、第1スイッチ71がオン状態からオフ動作し、第2スイッチ72もオフ状態である場合には、五徳31上に正常な状態で調理容器Aが載置されたと判断して、ガスバーナ2にガスを供給し、点火電極を火花放電させることによりガスバーナ2を点火させるように制御する。また、制御装置4は、第1スイッチ71がオン状態で第2スイッチ72がオフ状態の場合には、解除キーが入力されていないかぎり、五徳31上に調理容器Aが無いと判断してガスバーナ2を点火させないようにバルブを閉弁してガスバーナ2へのガス供給を遮断するように制御する。又、五徳31上に調理容器が配置されていても第2スイッチ72がオン動作したときは、特殊調理容器A′が五徳31上に異常な状態で配置されたと判断し、ガスバーナ2を点火させないようにガスバーナ2へのガス供給を遮断するように制御する。
【0034】
本実施形態1に係るガスコンロ1aによれば、外径の小さい丸底鍋などの特殊調理容器A′を五徳31上に載置したときに、ヘッド部63を五徳31の上端からかなり低い位置に押し下げてしまう場合には、調理容器検知手段6の第2スイッチ72がオン動作して、制御装置4によりガスバーナ2へのガス供給が遮断されるので、ガスバーナ2は点火されることはなく、燃焼不良が生じることもなく、バーナ部21の周囲に熱が篭ってしまうことも阻止できる。
【0035】
つまり、調理容器Aが正常な状態で五徳31上に配置された場合には、第1スイッチ71及び第2スイッチ72がオフ状態となるので、制御装置4は、ガスバーナ2にガスを供給する制御を行なって、ガスバーナ2を燃焼可能な状態にする。その結果、特殊調理容器A′が異常な状態で五徳31上に配置されたときは、ガスバーナ2の点火は阻止され、通常の調理容器Aが正常な状態で配置されたときのみ、ガスバーナ2が点火されるので、調理容器Aの底部温度を検出する温度センサ5は誤作動を起こすようなことはなく、調理容器Aをガスバーナ2の燃焼により適正な温度で加熱することができる。
【0036】
また、本実施形態1に係るガスコンロ1aは、図6に示すように、天板33の水洗いによる清掃を行なう場合には、ガスバーナ2のバーナキャップ21b及びバーナヘッド21aを取り外し、混合管22を覆うようにバーナリング34に蓋体となる保護キャップ8を装着することができる。
【0037】
この保護キャップ8は、上面が球面状になっており、下面側に凹部81が形成されており、保護キャップ8をバーナリング34に装着したとき、この凹部81の上部が調理容器検知手段6を構成するヘッド部63を押し下げるように構成されている。この凹部81におけるヘッド部63の接触体65と対向する部分が押圧部82となり、押圧部82が接触体65に接触して、ヘッド部63が押し下げられて、磁性体68が第2スイッチ72に対向する位置まで移動して、第2スイッチ72がオン動作する。
【0038】
このように、天板33を水で洗い流して清掃する場合に、バーナキャップ21b及びバーナヘッド21aを取り外しても保護キャップ8をバーナリング34に装着するので、天板33の開口部33aから水や異物が入り込むのを阻止できる。さらに、保護キャップ8の装着によりヘッド部63は第2スイッチ72がオン動作するまで押し下げられるので、保護キャップ8を装着しているときに、誤ってガスバーナ2が点火してしまうのを阻止することもできる。
【0039】
(実施形態2)
また、本発明に係る実施形態2のガスコンロ1bは、図7及び図8に示すように、コンロ本体部32に、天板33と略同じ面積を有する蓋体9を、ヒンジ95により揺動可能に取り付けている。蓋体9は、天板33をガスバーナ2及び五徳31と共に覆うように、コンロ本体部32の後方部に取り付けている。
【0040】
実施形態2に係るガスコンロ1bは、蓋体9及びヒンジ95の構成を除き、他の構成部材は、実施形態1と同じ構成であるので、同じ構成部分については、同じ符号とし、説明を省略する。
【0041】
蓋体9は、天板33より広い面積を有する平面部91と、この平面部91の前後両端部に天板33側に向けて屈曲する前方屈曲部92及び後方屈曲部93とを有する。
後方屈曲部93にヒンジ95が取り付けられており、平面部91を天板33に対して略垂直になるように配置した状態と、天板33と平行な状態に配置した状態とに揺動できるようになっている。
【0042】
さらに、平面部91における天板33との対向面には、蓋体9で天板33を覆ったときに、調理容器検知手段6のヘッド部63に接触し、このヘッド部63を第2スイッチ72がオン動作する位置まで押し下げるピン状の押圧部94が突設されている。なお、押圧部94は、図7に示すように常時突設させた状態にすることもできるし、蓋体9を開いているときに押圧部94が押圧部94の自重により根元部から折り曲がり、蓋体9を閉じたときに突設状態になるように構成することもできる。
【0043】
そして、ガスコンロ1bを使用するときは、蓋体9を開き、ガスコンロ1bを使用しないときには、蓋体9をガスバーナ2を覆うようにして閉めることにより、この蓋体9を調理台として使用できるので調理スペースを広くすることができる。さらに、この蓋体9により、天板33の開口部33aから水、油、調理くずなどが入り込むのを阻止することができる。
【0044】
(その他)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく本発明の範囲内で種々の変更を施すことができる。
第1スイッチ71及び第2スイッチ72を近接スイッチにより構成する場合、第1スイッチは、調理容器が五徳上に配置されていないときにオフ状態で、五徳上に底面が正常な状態の調理容器が配置されると底面によりヘッド部(移動体)が押し下げられて磁性体によりオン動作するようにしてもよい。この場合、制御装置は、第1スイッチがオン動作したときにガスバーナを燃焼可能状態とし、第2スイッチがオン動作したときにガスバーナへのガス供給を遮断するように制御することができる。
本実施形態では、第1スイッチ71及び第2スイッチ72は近接スイッチにより構成したが、マイクロスイッチにより構成することもできる。
さらに、前記実施形態1では、保護キャップ8がガスバーナ2のバーナキャップ21b及びバーナヘッド21aを取り外した状態で装着されたが、保護キャップ8はバーナキャップ21b及びバーナヘッド21aも覆うように構成してもよい。この場合の保護キャップ8はバーナキャップ21bの上面と略同じ高さになるように押圧部を形成する。
【符号の説明】
【0045】
1a,1b ガスコンロ
2 ガスバーナ
4 制御装置
5 温度センサ
6 調理容器検知手段
8 保護キャップ
9 蓋体
21 バーナ部
31 五徳
61 支持パイプ
62 リード線
63 ヘッド部
65 接触体
66 コイルばね
67 保護チューブ
68 磁性体
71 第1スイッチ
72 第2スイッチ
81 凹部
82 押圧部
91 平面部
92 前方屈曲部
93 後方屈曲部
94 押圧部
95 ヒンジ
A,A′ 調理容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスバーナ及び五徳を備えるガスコンロにおいて、
五徳上に配置された調理容器の有無を検知する調理容器検知手段と、
ガスバーナへのガス供給量を制御する制御手段とを備え、
調理容器検知手段は、
ガスバーナにおいて上方に向けて付勢されて上下動可能に配置される移動体と、五徳上に配置された調理容器の底面が正常位置であるときの前記底面により移動体が押し下げられて作動する第1スイッチと、前記正常位置よりも低い異常位置まで移動体が移動したときに作動する第2スイッチとを有し、
制御手段は、
調理容器検知手段の第1スイッチが作動したときはガスバーナを燃焼可能状態とし、第2スイッチが作動したときはガスバーナへのガス供給を遮断するように制御することを特徴とするガスコンロ。
【請求項2】
請求項1に記載のガスコンロにおいて、
少なくともガスバーナの天板上から突出する部分を覆うように着脱可能に配置される蓋体を備え、
蓋体は、ガスバーナを覆った状態で配置したときに調理容器検知手段の移動体を異常位置まで移動させる押圧部を有していることを特徴とするガスコンロ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−83085(P2012−83085A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231960(P2010−231960)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)