説明

ガスセンサユニット

【課題】ケーシングの嵌合部の隙間を低減して内部への樹脂の流入を抑制したガスセンサユニットを提供する。
【解決手段】
回路基板3とガスセンサ素子とを有するセンサ部9と、ケーシング19とを備え、ケーシングは開口部35を有する樹脂製の第一ケーシング部23と、該開口部の内周面35aに接するシール側面21aを有して第一ケーシング部に内嵌めされる樹脂製の第二ケーシング部21とを有し、各ケーシング部の嵌合部Fの外側は、第二ケーシング部の周縁に形成された段部39と開口部の内周面とで囲まれる溝部50を構成し、該溝部に樹脂の硬化物6が充填され、開口部の内周面に第一テーパー面35aが形成され、シール側面に第二テーパー面21aが形成され、第一テーパー面の溝部とは反対側の第一テーパー角Tと第二テーパー面の溝部側の第二テーパー角Tとの関係がT≧Tを満たし各テーパー面が接するガスセンサユニット1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーシング内部にガスセンサ素子を封入してなり、車両等に搭載されて特定ガス濃度を検出するガスセンサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の室内へ外気を導入する際の外気の汚染度や、室内空気の汚染度等を測定するため、ガスセンサユニットが自動車に搭載されている(特許文献1)。このガスセンサユニットは車両の外部に搭載されるため、ガスセンサ素子の防水性を確保できるよう、ケーシング内部にガスセンサ素子を封入している。
例えば、図5に示すように、従来のガスセンサユニットは、ガスセンサ素子からの出力を処理する処理回路部が実装された回路基板300にセンサ素子モジュール(ガスセンサ素子を内蔵している)500を組み付けたセンサ部900を、樹脂製のケーシング190の内部に封入している。このケーシング190は、開口部を有するケーシング箱230と、開口部の内周面350aに内嵌めされるケーシング蓋210からなる。そして、センサ部900を収容したケーシング箱230にケーシング蓋210を嵌合し、嵌合部の外側から樹脂を充填して硬化させることで嵌合部を封止し、ケーシング190内部のセンサ部900の防水性を確保している。
そして、ガスセンサ素子は、ケーシング190のガス導入開口部130を介して被検知ガスと接触し、又、ガスセンサ素子からの出力信号はケーシング190に設けられた端子コネクタ部150から外部に取り出される。
【0003】
ここで、ケーシング箱230やケーシング蓋210の成型寸法の誤差を見越して、ケーシング蓋210の側面210aがケーシング箱230の開口部の内周面350aに隙間Gを介して嵌合され、この隙間を埋めるように樹脂の硬化物600が充填されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-318217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、樹脂硬化物600によりケーシング190の嵌合部を封止した場合、樹脂の硬化過程で樹脂がゲル化して粘度が低下し、嵌合部の隙間Gから樹脂がケーシング190内部に流れ込むことがある。この場合、樹脂の硬化不良や充填量不足が生じ、嵌合部の接合強度や防水性の低下を招くと共に、ケーシング190内部に流入した樹脂が硬化する際にガスが発生し、ガスセンサ素子に付着して、ガス検知性能に悪影響を与えるおそれがある。
そこで、本発明は、ケーシングの嵌合部の隙間を低減してケーシング内部への樹脂の流入を抑制し、嵌合部の接合強度や防水性を向上させることができるガスセンサユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係るガスセンサユニットは、回路基板と、該回路基板に組み付けられるガスセンサ素子とを有するセンサ部と、内部が前記センサ部の封入空間とされ、前記ガスセンサ素子が被検知ガスと接触することを許容するためのガス導入開口部を有するケーシングとを備え、前記ケーシングは、箱状をなすと共に開口部を有する樹脂製の第一ケーシング部と、該開口部の内周面に接するシール側面を有して前記第一ケーシング部に内嵌めされる樹脂製の第二ケーシング部とを有し、前記第一ケーシング部と前記第二ケーシング部とを嵌合させて前記封入空間が構成され、前記第一ケーシング部と前記第二ケーシング部との嵌合部の外側は、前記第二ケーシング部の周縁の一部を切り欠いて形成された段部と前記開口部の内周面とで囲まれる溝部を構成し、該溝部に樹脂の硬化物が充填され、前記開口部の内周面に第一テーパー面が形成され、前記シール側面には前記第一テーパー面と同じ向きに傾斜させた第二テーパー面が形成され、前記第一テーパー面の前記溝部とは反対側の第一テーパー角Tと前記第二テーパー面の前記溝部側の第二テーパー角Tとの関係がT≧Tを満たしつつ、前記第一テーパー面と前記第二テーパー面とが接している。
このようにすると、少なくとも第二テーパー面の先細り側が第一テーパー面に接し、両者が密着した嵌合部が形成される。そのため、嵌合部の外側の溝部に充填された樹脂が嵌合部より内部に流れ込むことを抑制し、樹脂の硬化不良や充填量不足を防止して嵌合部の接合強度や防水性を向上させることができる。
【0007】
又、本発明の第2の態様に係るガスセンサユニットは、回路基板と、該回路基板に組み付けられるガスセンサ素子とを有するセンサ部と、内部が前記センサ部の封入空間とされ、前記ガスセンサ素子が被検知ガスと接触することを許容するためのガス導入開口部を有するケーシングとを備え、前記ケーシングは、箱状をなすと共に開口部を有する樹脂製の第一ケーシング部と、該開口部の内周面に接するシール側面を有して前記第一ケーシング部に内嵌めされる樹脂製の第二ケーシング部とを有し、前記第一ケーシング部と前記第二ケーシング部とを嵌合させて前記封入空間が構成され、前記第一ケーシング部と前記第二ケーシング部との嵌合部の外側は、前記第二ケーシング部の周縁の一部を切り欠いて形成された段部と前記開口部の内周面とで囲まれる溝部を構成し、該溝部に樹脂の硬化物が充填され、前記シール側面が前記開口部の内周面の全周に渡って接している。
このようにすると、シール側面が開口部の内周面の全周に渡って接し、両者が密着した嵌合部が形成される。そのため、嵌合部の外側の溝部に充填された樹脂が嵌合部より内部に流れ込むことを抑制し、樹脂の硬化不良や充填量不足を防止して嵌合部の接合強度や防水性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ガスセンサユニットにおけるケーシングの嵌合部の隙間を低減してケーシング内部への樹脂の流入を抑制し、嵌合部の接合強度や防水性を向上させることができる。また、この発明によれば、樹脂が嵌合部より内部に流れないので、ケーシング内部に流入した樹脂が硬化する際にガスが発生し、ガスセンサ素子等に付着するような事象の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るガスセンサユニットの概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う部分破断断面図である。
【図3】嵌合部近傍の部分拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の態様に係るガスセンサユニットの嵌合部近傍の部分拡大断面図である。
【図5】従来のガスセンサユニットの概略構成を示す部分破断断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るガスセンサユニット1の概略構成を示す分解斜視図である。ガスセンサユニット1は、車両に取り付けられて車両内の空気や外気の特定ガスによる汚染度を検出するものである。
ガスセンサユニット1は、センサ部9とケーシング19との2つの部分から主として構成されている。センサ部9は、回路基板3と、回路基板3に一体的に組み付けられる(実装される)センサ素子モジュール5と、センサ出力処理回路部7とを有している。
【0011】
センサ素子モジュール5は、被検知ガス取入口が形成された樹脂製の円筒状キャップの内部に、ガスセンサ素子(図示せず)が配置されて構成されている。ガスセンサ素子は、詳細は図示しないが、排気ガス成分(NOxなどの酸化性ガス成分やCO,HCなどの還元性ガス成分)の吸着により電気抵抗値を変化させるSnOやWOといった金属酸化物半導体膜をガス検知層として絶縁性基体上に設けた公知の構成をなしている。
センサ出力処理回路部7は回路基板3上に実装され、ガスセンサ素子の電気抵抗値変化を検出し、所定のガス濃度信号(特定ガスによる濃度変化の度合を示す信号)を出力するが、その構成は公知であるので詳細な説明を省略する。
【0012】
ケーシング19は、開口部35を有する矩形箱状の第一ケーシング部23と、第一ケーシング部23に内嵌めされる第二ケーシング部21とを有している。そして、第二ケーシング部21の端子コネクタ部15を構成する図示しない端子ピンにセンサ部9(詳細には回路基板3)を接合した後、その状態の第二ケーシング部21第一ケーシング部23に嵌合し、嵌合部外側に形成された溝部50に樹脂の硬化物6を充填して封止する(図2参照)ことにより、両者で構成される封入空間17内にセンサ部9を封入するようになっている。なお、第一ケーシング部21、第二ケーシング部23は、それぞれナイロン6,6等の熱可塑性樹脂で構成することができるが、他の樹脂で構成してもよい。
【0013】
第一ケーシング部23は、封入空間17を区画する矩形の底部31、及び底部31の外縁から立ち上がる側壁部33とを有し、側壁部33の端部側が開口部35とされている。又、側壁部33の内面には、第二ケーシング部21の後述する下面周縁に当接してこれを支持する支持段41が側壁部33の内側へ向かって段状に形成されている。さらに、側壁部33の内面のうち、支持段41より底部31側の内面には、センサ部9(詳細には回路基板3)の裏面周縁に当接してこれを支持するセンサ部支持段43が側壁部33の内側へ向かって段状に形成されている。
【0014】
第二ケーシング部21は、矩形板状の蓋面21Sの表面に、センサ素子モジュール5の一部を収容するための円筒状のモジュール収容部19Cと、楕円筒状の端子コネクタ部15とが突出し、蓋面21Sの裏面を第一ケーシング部23の開口部35側に向けて該開口部35を閉塞するようになっている。又、蓋面21Sの側面は、開口部35の内周面35aに接するシール側面21aを形成している。さらに、第二ケーシング部21の蓋面21Sの周縁の一部(表面側)を切り欠き、蓋面21Sの中心側から周縁へ向かって立ち下がる段部39を形成している。なお、端子コネクタ部15には、図示しないが、センサ部9及び外部回路との電気的接続を図るための端子ピンが複数設けられている。
そして、蓋面21Sのシール側面21aを開口部35の内周面35aに接しさせ、第二ケーシング部21を第一ケーシング部23に内嵌めして封入空間17内にセンサ部9を封入する。
蓋面21Sの裏面の周縁よりやや内側の4隅にはガイド柱47が立設し、さらに蓋面21Sの長辺側の裏面の周縁よりやや内側の中央にはガイド片48が立設している。そして、第二ケーシング部21のセンサ部支持段43でセンサ部9の裏面周縁を支持しつつ、蓋面21Sを内嵌めすると、ガイド柱47及びガイド片48がセンサ部9の表面周縁に当接する。従って、センサ部支持段43と、ガイド柱47及びガイド片48との間にセンサ部9を挟んで安定的に固定することができる。
【0015】
そして、第一ケーシング部23と第二ケーシング部21との嵌合部の外側に位置する溝部50を樹脂の硬化物6で封止するが、その硬化物6による封止の詳細については後述する。
【0016】
一方、モジュール収容部19Cの頂上部は段状に縮径され、縮径部分の側壁に複数のガス導入開口部13が形成されている。そして、センサ素子モジュール5の円筒状キャップの一部をモジュール収容部19Cの内部に収容した状態で、ガス導入開口部13、さらには上記縮径部分の内壁に溶着されたフィルタ14であって、通気性と撥水性を兼ね備えるフィルタ14を介し、センサ素子モジュール5のガスセンサ素子が外部の被検知ガスと接触するようになっている。
なお、本発明において、第二ケーシング部21が端子コネクタ部15を有することは必須ではなく、例えば、第一ケーシング部23の側壁を貫通する形態で回路基板3に接続される信号線を第1ケーシング部23の外部に引き出し、この引き出したリード線に外部回路接続用のコネクタを設けるようにしてもよい。
【0017】
次に、本発明の特徴部分である、第一ケーシング部23と第二ケーシング部21との嵌合部Fの構成について、図2、図3を参照して説明する。なお、図2、図3は本発明の第1の態様を示し、図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。
図2において、第一ケーシング部23のセンサ部支持段43によってセンサ部9の裏面が支持されると共に、第二ケーシング部21のガイド柱47及びガイド片48がセンサ部9の表面周縁を押圧し、センサ部9がケーシング19に固定されている。ここで、第二ケーシング部21を第一ケーシング部23に内嵌めした際、支持段41に蓋面21Sの裏面が当接し、蓋面21Sが第二ケーシング部23の内側に落ち込まないので、嵌合作業を容易かつ確実に行なうことができる。
そして、第一ケーシング部23と第二ケーシング部21との間に嵌合部Fが形成され、嵌合部Fの外側に形成された溝部50(後述)に未硬化の樹脂(例えばエポキシ系樹脂)を流し込んで充填し、樹脂の硬化物6により嵌合部Fの封止がされている。
【0018】
図3は、嵌合部F近傍の部分拡大図である。嵌合部Fの外側は、第二ケーシング部21の段部39と開口部35の内周面35aとで囲まれる溝部50を構成している。そして、この溝部50に樹脂を充填することで、樹脂を確実かつ容易に嵌合部Fに充填することができる。
又、開口部35の内周面35aは第一テーパー角Tを有する第一テーパー面をなし、シール側面21aは第一テーパー面と同じ向きに傾斜させた第二テーパー角Tを有する第二テーパー面をなしている。そして、両テーパー角T,Tは、T>Tの関係になっている。なお、第一テーパー角Tは溝部50とは反対側(図3の下側)の角度に相当し、第二テーパー角Tは溝部50側(図3の上側)の角度に相当する。
このようなテーパー角を有する第一ケーシング部23と第二ケーシング部21とを嵌合すると、第二テーパー面(シール側面)21aの方が第一テーパー面(内周面)35aより垂直に近い(傾斜度合が大きい)ので、第二テーパー面21aの先細り側(蓋面21Sの表側)が必ず第一テーパー面35aに当接し、両者が密着した嵌合部Fが形成される。そのため、嵌合部Fの外側の溝部50に充填された未硬化の樹脂が嵌合部Fより内部に流れ込むことを抑制することができる。又、ケーシング内部に流入した未硬化の樹脂が硬化する際にガスが発生し、ガスセンサ素子に付着してガス検知性能に悪影響を与えることを抑制する。さらに、ケーシング内部への流れ込みを見越して樹脂の充填量を多くすることが不要となり、樹脂の使用量を低減できる。
【0019】
又、この実施形態では、各テーパー面が溝部50側に向けて内側に傾斜するテーパーになっている。このため、第一ケーシング部23に第二ケーシング部21を内嵌めする際、開口部35の内側寸法より蓋面21Sの外周寸法が大きく、第二ケーシング部21を第一ケーシング部23に押し込むと、第二テーパー面21aが第一テーパー面35aを押圧し、嵌合部Fの密着力(嵌合力)が高くなり、嵌合部Fのシール性が向上する。
一方、T>Tであるため嵌合部Fより内側では第一ケーシング部23と第二ケーシング部21の間に隙間G1が生じるが、充填された樹脂は嵌合部Fでシールされるのでケーシング内部に流れ込むことが抑制される。
ここで、支持段41のうち、第一テーパー面35aの基端(溝部50とは反対側)に接続する部分が凹んで逃げ部35bを形成している。さらに、第一テーパー面35aと逃げ部35bとの隅部は滑らかな曲面とされており、第一テーパー面35aが第二テーパー面21aと当って撓んだ際、この隅部に応力が集中して隅部が割れることを防止している。
【0020】
なお、嵌合前のテーパー角がT=Tである第一ケーシング部23と第二ケーシング部21とを用いて嵌合を行った場合は、第一テーパー面35aと第二テーパー面21aが平行であるので両者が広い面で密着し易くなる。又、嵌合前にもともとT>Tである第一ケーシング部23と第二ケーシング部21とを用いて嵌合を行った場合であっても、第二テーパー面21aが第一テーパー面35aを押し広げるので、嵌合後の嵌合部Fを見るとT=Tになることがある。このように、本発明の第1の態様においては、第一テーパー面35aと第二テーパー面21aがT>Tである場合と、T=Tである場合とが含まれる。
【0021】
なお、各テーパー面が溝部50側に向かって外側に傾斜するテーパーである場合であっても、第一ケーシング部23に第二ケーシング部21を内嵌めした際、第二ケーシング部21を深く挿入することで、第二テーパー面21aが第一テーパー面35aを押し広げ、広がった開口部35が弾性力で元に戻る際に第二テーパー面21aを挟み込み、嵌合部Fを強固に密着させることができる。
【0022】
次に、図4を参照して本発明の第2の態様に係るガスセンサユニットについて説明する。なお、本発明の第2の態様は、第一ケーシング部23と第二ケーシング部21との嵌合部F2の構成が異なること以外は、第1の態様と同様であるので、同一部分についての説明を省略する。又、図4は、第1の態様の図3に対応する断面図である。
図4において、開口部35の内周面36aは側壁33と平行な垂直面をなしている。一方、蓋面21Sの外周縁は、中央部から先細る薄肉部21tを形成している。又、嵌合前の蓋面21Sの外側寸法は、開口部35の内周面36aの内側寸法より大きい。従って、第一ケーシング部23に第二ケーシング部21を内嵌めした際、開口部35の内周面36aの内側寸法より大きい外側寸法が大きい薄肉部21tが変形しつつ内周面35aに密着して嵌合部F2を形成し、嵌合部F2における薄肉部21tがシール側面22aを形成することになる。
このようにして、変形した薄肉部21t(シール側面22a)によって嵌合部F2がシールされ、嵌合部F2の外側の溝部50に充填された未硬化の樹脂が内部に流れ込むことを抑制することができ、溝部50に樹脂の硬化物6を良好に充填させることができる。
【0023】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
例えば、第一ケーシング部や第二ケーシング部の形状は限定されず、第一ケーシング部の開口部の形状や、第二ケーシング部のシール側面の形状も限定されない。
【符号の説明】
【0024】
1 ガスセンサユニット
3 回路基板
6 樹脂の硬化物
9 センサ部
13 ガス導入開口部
15 端子コネクタ部
17 封入空間
19 ケーシング
21 第二ケーシング部
21a シール側面(第二テーパー面)
22a シール側面
23 第一ケーシング部
35 開口部
35a 開口部の内周面(第一テーパー面)
36a 開口部の内周面
39 第二ケーシング部の段部
50 溝部
F、F2 嵌合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、該回路基板に組み付けられるガスセンサ素子とを有するセンサ部と、
内部が前記センサ部の封入空間とされ、前記ガスセンサ素子が被検知ガスと接触することを許容するためのガス導入開口部を有するケーシングとを備え、
前記ケーシングは、箱状をなすと共に開口部を有する樹脂製の第一ケーシング部と、該開口部の内周面に接するシール側面を有して前記第一ケーシング部に内嵌めされる樹脂製の第二ケーシング部とを有し、前記第一ケーシング部と前記第二ケーシング部とを嵌合させて前記封入空間が構成され、
前記第一ケーシング部と前記第二ケーシング部との嵌合部の外側は、前記第二ケーシング部の周縁の一部を切り欠いて形成された段部と前記開口部の内周面とで囲まれる溝部を構成し、該溝部に樹脂の硬化物が充填され、
前記開口部の内周面に第一テーパー面が形成され、前記シール側面には前記第一テーパー面と同じ向きに傾斜させた第二テーパー面が形成され、前記第一テーパー面の前記溝部とは反対側の第一テーパー角Tと前記第二テーパー面の前記溝部側の第二テーパー角Tとの関係がT≧Tを満たしつつ、前記第一テーパー面と前記第二テーパー面とが接しているガスセンサユニット。
【請求項2】
回路基板と、該回路基板に組み付けられるガスセンサ素子とを有するセンサ部と、
内部が前記センサ部の封入空間とされ、前記ガスセンサ素子が被検知ガスと接触することを許容するためのガス導入開口部を有するケーシングとを備え、
前記ケーシングは、箱状をなすと共に開口部を有する樹脂製の第一ケーシング部と、該開口部の内周面に接するシール側面を有して前記第一ケーシング部に内嵌めされる樹脂製の第二ケーシング部とを有し、前記第一ケーシング部と前記第二ケーシング部とを嵌合させて前記封入空間が構成され、
前記第一ケーシング部と前記第二ケーシング部との嵌合部の外側は、前記第二ケーシング部の周縁の一部を切り欠いて形成された段部と前記開口部の内周面とで囲まれる溝部を構成し、該溝部に樹脂の硬化物が充填され、
前記シール側面が前記開口部の内周面の全周に渡って接しているガスセンサユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−53123(P2011−53123A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203298(P2009−203298)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】