説明

ガスタービンシステム

【課題】化石燃料を使用することなく、アンモニアを効率良く燃焼させて動力に変換することができるガスタービンシステムを提供する。
【解決手段】燃焼器で燃料を燃焼させ、発生した燃焼熱をタービンの動力に変換するガスタービンにおいて、アンモニアの改質反応により水素含有ガスを生成する改質器9と、該改質器によって生成した水素含有ガスを、上記燃焼器に供給する改質ガス供給路17とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質器によって生成された水素含有ガスを燃料として運転されるガスタービンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化に影響を及ぼしているCOを削減することは、地球環境を保護する上で早急に解決しなければならない課題であり、また、そのCOの発生原因となっている化石燃料も将来、枯渇することが明らかになっていることから、COを発生せず、化石燃料にも頼らない原子力発電が今日、普及している。
【0003】
原子力発電は、火力発電のように天然ガス、重油、石炭等の化石燃料を使用しないためCOを発生することがなく、また、水力発電のように天候に左右されることがないため、電力を安定して供給することができるという利点がある。
【0004】
しかしながら、原子力発電は事故や災害によって甚大な損害を発生する場合があることから、その依存度を少なくすることも検討されている。
【0005】
そこで、CO等の温室効果ガスの排出を抑制することができ、安全な発電システムとして、アンモニアを燃料として運転されるガスタービンシステムが提案されている。
【0006】
上記ガスタービンシステムは、主にアンモニアを燃料として駆動するように構成されており、ガスタービンの冷間始動時および始動直後や停止直前等のようにガスタービンの通常運転に比べアンモニアの燃焼性が悪化する燃焼性悪化運転領域では、通常運転時に比べ、ガスタービンに供給する燃料中の補助的に供給する燃焼性の高い化石燃料の割合を増大させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−19195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、アンモニアは難燃性であるため容易には燃焼しない。具体的には、アンモニアの着火に必要な最小点火エネルギーは680mJであり、水素の0.02mJ、LNGの0.2mJと比べて格段に高く、また、可燃範囲(燃焼可能な温度範囲)は15%〜28%であり、水素の4〜75%、DMEの3.4〜27%と比べて非常に狭い。
【0009】
さらにまた、アンモニアの気化熱は非常に大きいため、タービン始動時には燃焼器に供給する空気が冷却されてしまい不完全燃焼が生じるという問題もある。
【0010】
アンモニアを燃料として使用する場合、これらの課題を克服しなければならず、このことが、これまでアンモニアをガスタービン等の燃料として殆ど使用してこなかった理由である。
【0011】
本発明は以上のような従来のアンモニアを燃料とするガスタービンシステムにおける課題を考慮してなされたものであり、貯蔵状態では安定した液体のアンモニアであり、燃焼させる際にはアンモニアから改質器を介して燃焼効率の高い水素含有ガスを生成し、燃料としてガスタービンの燃焼器に供給することができるガスタービンシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、燃焼器で燃料を燃焼させ、発生した燃焼熱をタービンの動力に変換するガスタービンにおいて、
アンモニアを改質して水素含有ガスを生成する改質器と、
上記改質器によって生成された水素含有ガスを、上記燃焼器に供給する改質ガス供給路とを有するガスタービンシステムである。
【0013】
本発明の改質器におけるアンモニア改質率は15〜100%の範囲であることが好ましく、50〜100%の範囲内であることがさらに好ましく、70〜100%の範囲内であることが最も好ましい。
【0014】
本発明において、上改質ガス供給路とは別に、上記燃焼器にアンモニアを供給するアンモニア供給路を接続することができる。
【0015】
本発明において、上記燃焼器に供給される全燃料中のアンモニア、水素、空気の割合は、
水素混合比αがrH2/(rH2+rNH3)で表されるとき、0<α≦0.6の範囲内であり、且つ
アンモニアの当量比φが(rNH3×StNH3)/(rAir−rH2×StH2)で表されるとき、0.6≦φ≦1.0の範囲内、ただし、アンモニア、水素、空気のモル分率はそれぞれrNH3、rH2、rAirとし、rNH3+rH2+rAir=1である。また、アンモニア、水素の理論空燃比をそれぞれStNH3、StH2とする。
【0016】
本発明において、上記タービンの排熱を上記改質器に供給する排熱供給路を備え、アンモニアの改質反応に必要な反応熱を上記改質器に与えるように構成することが好ましい。
【0017】
本発明において、上記改質器にアンモニアを供給する第二のアンモニア供給路と、
上記第二のアンモニア供給路に空気を供給し混合する空気供給路および空気流量を制御する制御弁、制御コントローラとを有し、
上記制御コントローラは、ガスタービン始動時などの排熱による上記改質器への反応熱の供給が不足する場合には、上記改質器にアンモニアと空気の混合ガスを供給することにより、アンモニアの一部を燃焼させ、アンモニアの改質反応に必要な反応熱を得るように構成することができる。
【0018】
本発明において、上記燃焼器により得られた燃焼ガスによってタービン翼車を駆動させ、動力を取り出すように構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、化石燃料を使用することなく、改質器によってアンモニアから生成された水素含有ガスを燃料として運転することができるガスタービンシステムを提供することができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るガスタービンシステムのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係るガスタービンシステムの一実施形態を示すフロー図である。
同図において、ガスタービンシステム1は、ガスタービン2と、そのガスタービン2と流路を介して接続された排熱回収部3とを備えている。
【0023】
1 ガスタービン
ガスタービン2は、大気圧の空気を昇圧して圧縮空気を生成する圧縮機4と、その圧縮機4から送り込まれる圧縮空気によってタービン燃料を燃焼させる燃焼器5と、その燃焼器5で発生した燃焼ガスが導入されることにより駆動するタービン6とから主として構成されており、そのタービン6の出力軸7に発電機8が連結されている。
上記ガスタービン2は、天然ガスをタービン燃料として使用する従来のガスタービンと基本的に同じ構成である。
【0024】
2 排熱回収部
排熱回収部3は、アンモニアを改質して得られる水素含有ガスを、タービン燃料として上記燃焼器5に供給する改質器9と、タービン6の排熱が改質器9に供給され、必要な反応熱を改質器9に与えた後、その改質器9から排出される排ガス中に含まれるNOxを浄化する排ガス処理器10とから主として構成されている。
【0025】
上記改質器9には、タービン6から排出されるタービン排ガスtegが排熱供給路11を通じて供給され、改質器9内で熱交換されることにより、アンモニア供給路(第二のアンモニア供給路)19を通じて導入されるアンモニアの改質反応熱として供給される。
【0026】
2.1 改質器
改質器9は、ガスタービン始動時などの排熱による改質器への反応熱の供給が不足する際には、空気を供給してアンモニアの一部を燃焼させ、アンモニアの改質反応に必要な反応熱を得るATR(オートサーマルリフォーマー)として機能し、排熱による改質器への反応熱の供給が十分な場合には、熱交換型の改質器として機能するようになっている。
【0027】
ATRはアンモニアと所定量の空気(酸素)を混合して反応ガスとし、その反応ガスをアンモニア燃焼触媒と接触させ、上記酸素を燃焼反応により実質的に完全に燃焼させて燃焼熱を得て、この燃焼熱を利用し、アンモニア分解触媒によりアンモニアを改質して、点火特性および燃焼特性の高い水素含有ガスを生成するものである。
【0028】
アンモニア分解反応は吸熱反応であり、吸熱反応を効率良く進行させるには、外部から熱を供給することが必要である。
【0029】
ATRでは、アンモニア分解反応に先立ち、アンモニアと所定量の空気(酸素)を混合して反応ガスとし、その反応ガスをアンモニア燃焼触媒と接触させ、燃焼反応により上記酸素を消費させてアンモニアの分解に必要な燃焼熱を得ている。
【0030】
上記アンモニア燃焼触媒とは、触媒の処理流れにおいて前段側に設けられ、50〜300℃の温度条件下でアンモニア燃焼反応を進行させ、供給酸素の実質的全量を消費できる触媒性能を有するものであれば、どのようなものでも使用することができるが、貴金属系の触媒、例えば、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム等を用いることができる。貴金属系の触媒は、貴金属を担体に担持させて用いることができ、担体としては、α−アルミナ、γ−アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア等の金属酸化物を用いることができる。
【0031】
上記アンモニア燃焼触媒としては、遷移金属系の触媒、例えば、コバルト、ニッケル、バナジウム、マンガン等を用いることもできる。
【0032】
上記アンモニア分解触媒とは、触媒の処理流れにおいて後段側に設けられ、周期表の6〜10族に属する遷移金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含有するものであり、中でもモリブデン、鉄、コバルト、ニッケルを含有するものが好ましい。この種のアンモニア分解触媒は、それ単独で使用することもできるが、担体に担持させて用いることもできる。その担体としては、α−アルミナ、γ−アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、酸化ランタン、マグネシア、カルシア等の金属酸化物を用いることができる。
【0033】
また、上記アンモニア燃焼触媒、アンモニア分解触媒は一定の形に成型され、成型体の形状としては、リング状、馬蹄形、ハニカム状等が例示される。
【0034】
運転中のタービン6から排出されるタービン排ガスtegの温度は600℃以上であり、アンモニアを100%分解するのに必要な理論上の分解温度は約400℃である。したがって、タービン運転中については、タービン排ガスtegを改質器9に導入し、空気(酸素)の供給を止めてタービン排ガスtegを改質器9に導入すれば、熱交換によりアンモニアの改質反応に必要な熱を供給することができ、アンモニアを連続して分解することができる。
【0035】
一方、ガスタービン2の始動直後や停止直前等のように、ガスタービン2が通常運転されている場合に比べ、タービン排ガスtegの温度が低く、改質器9におけるアンモニア分解反応に必要な反応熱を供給することができない場合には、一定濃度の水素を得ることができなくなる。
【0036】
そこで、改質器9をATRとして機能させることにより、ガスタービン2の始動時には改質器9に対し、図示しないブロアで昇圧された空気を、空気供給路12を通じて供給することにより、アンモニアの分解に必要な燃焼熱を確保することができ、ガスタービン2を安定して始動させることができるようになる。
【0037】
一方、ガスタービン2が連続運転に入ると、改質器9への空気の供給は不要になる。
【0038】
そのため、アンモニア供給路19へ空気を供給する空気供給路12に電磁弁(制御弁)13を設けるとともに、タービン排ガスtegの排熱供給路11に温度計14を設け、この温度計14から出力される温度信号に基づいて制御コントローラ15がその電磁弁13を制御するようにしている。
【0039】
詳しくは、制御コントローラ15は、例えば、温度400℃を閾値として記憶しており、ガスタービン2の始動時において、温度計14が検知した温度がその閾値に達しない場合は、空気供給路12を通じて空気をアンモニア供給路19に供給し、改質器9に供給したアンモニアと空気の混合ガスを燃焼させる。また、ガスタービン2の運転が定常状態になり、温度計14の検知した温度が閾値を超える(600℃以上)と、空気供給路12を遮断してアンモニアのみを改質器9に供給する。それにより、アンモニアは空気の供給を伴わずに分解され水素含有ガスを生成する。
【0040】
2.2 タービン燃料
ガスタービン2がマイクロタービンのように小規模である場合は、アンモニアの全量を改質器9に供給して水素含有ガスに改質することも可能であるが、特に、ガスタービン2の規模が大きくなると、必要な改質器9の処理能力が大きくなるため、実質的に非常に大きな改質器9を備えることになる。そこで、上記アンモニア供給路19とは別のアンモニア供給路16を通じ、アンモニアを直接、燃焼器5に供給することになる。すなわち、水素含有ガスとアンモニアとの混合ガスを燃焼器5に供給する。
【0041】
この場合、タービン燃料である混合ガス中のアンモニア、水素、空気の割合は、
水素混合比αがrH2/(rH2+rNH3)で表されるとき、0<α≦0.6の範囲内であり、且つ
アンモニアの当量比φが(rNH3×StNH3)/(rAir−rH2×StH2)で表されるとき、0.6≦φ≦1.0の範囲内である。
ただし、アンモニア、水素、空気のモル分率をそれぞれrNH3、rH2、rAirとする。なお、rNH3+rH2+rAir=1であり、アンモニア、水素の理論空燃比をそれぞれStNH3、StH2とする。
【0042】
本発明において、タービン燃料である混合ガス中の上記水素混合比(α)が0.6を超えると、改質器9より供給する水素含有ガスの量が多くなり、より大きな改質器を備える必要があるため、コストが高くなる虞がある。
【0043】
上記水素混合比(α)は、0.1≦α≦0.5の範囲内であることがさらに好ましく、0.2≦α≦0.4の範囲内が最も好ましい。
【0044】
また、上記アンモニアの当量比(φ)が0.6未満であると、タービン燃料の燃焼速度が遅くなる虞があり、1.0を超えるとタービン燃料において未燃のアンモニアが残存する虞がある。
【0045】
したがって、上記アンモニアの当量比(φ)は、0.7≦φ≦1.0の範囲内であることがさらに好ましく、0.8≦φ≦1.0の範囲内が最も好ましい。
【0046】
アンモニア、水素、空気の割合を特定するには、例えば、改質器9と燃焼器5とを接続している改質ガス供給路17に例えばアンモニアセンサを設け、そのアンモニアセンサから出力されるアンモニア濃度に応じて別のアンモニア供給路16を流れるアンモニアの供給量を調節すればよい。なお、改質器9によって生成される水素、アンモニアの割合は改質器9の性能によって決まるため、アンモニアの濃度を測定すれば、水素濃度も推定することができる。
【0047】
また、改質器9に供給するアンモニアは、図示しないアンモニアタンクに液体の状態で貯蔵されたアンモニアを気化して使用するようになっており、気化されたアンモニアは、圧縮機4によって昇圧された空気の圧力とほぼ同じ圧力となるように、圧縮機18によって昇圧され、アンモニア供給路19と、上記燃焼器5に通じる別のアンモニア供給路16とに分配される。
【0048】
2.3 排ガス処理器
改質器9から排出される排ガスegは排ガス処理器10に送られ、排ガス中に含まれるNOxが浄化され冷却された後、大気に放出される。上記排ガス処理器10としては従来公知のSCR(選択的触媒還元)装置を使用することができる。この際に用いられる還元剤としては、アンモニアをそのまま使用することができる。
なお、排ガス処理器10の後段において回収される熱は、ガスタービンシステム外で利用することができる。
【0049】
3 ガスタービンシステムの動作
次に、上記構成を有するガスタービンシステムの動作について説明する。
【0050】
3.1 ガスタービン始動時
ガスタービン始動時には温度計14から出力される温度が、アンモニアの分解温度400℃に達していないため、制御コントローラ15は電磁弁13を制御してアンモニア供給路19に空気を供給するとともに、圧縮機18によって昇圧されたアンモニアが改質器9に供給される。
【0051】
改質器9では、アンモニアと空気(酸素)の混合ガスがアンモニア燃焼触媒と接触し、燃焼反応によりアンモニアの分解に必要な燃焼熱が確保される。
【0052】
その結果、生成した水素含有ガス(アンモニア、水蒸気を含む)が燃焼器5に供給される。
【0053】
一方、燃焼器5には別のアンモニア供給路16からもアンモニアが供給されており、供給されたアンモニアは上記水素含有ガスと混合されて燃焼される。
【0054】
このように、燃焼器5は水素含有ガスとアンモニアを燃料として燃焼し、発生した燃焼ガスをタービン6に導入する。
【0055】
タービン6は、その燃焼ガスによって出力軸7を回転させ、発電機8を駆動させる。
【0056】
3.2 ガスタービン定常運転時
ガスタービン2が定常運転に入り、温度計14から信号出力される温度が閾値を超えると、制御コントローラ15は電磁弁13を切替制御して空気の供給を遮断し、それにより、アンモニア供給路19から供給されるアンモニアのみが改質器9に供給され、改質器9にて水素含有ガスに改質され燃焼器5に供給される。別のアンモニア供給路16からもアンモニアが燃焼器5に供給され、供給されたアンモニアは上記水素含有ガスと混合されて燃焼される。
【0057】
タービン6から排出されるタービン排ガスtegは改質器9に供給され、改質器9から排出された排ガスegは排ガス処理器10によって浄化され、浄化された排ガス(N+HO)は100℃以下に冷却されて大気に放出される。
【0058】
3.3 ガスタービン停止時
タービン停止時において、タービン燃料が絞られると、温度計14から出力される温度が低下する。この場合もタービン始動時と同様に、制御コントローラ15は電磁弁13を制御して改質器9に空気を供給し、燃焼器5の燃焼を安定させる。
【符号の説明】
【0059】
1 ガスタービンシステム
2 ガスタービン
3 排熱回収部
4 圧縮機
5 燃焼器
6 タービン
7 出力軸
8 発電機
9 改質器
10 排ガス処理器
11 排熱供給路
12 空気供給路
13 電磁弁(制御弁)
14 温度計
15 制御コントローラ
16 別のアンモニア供給路
17 改質ガス供給路
18 圧縮機
19 アンモニア供給路(第二のアンモニア供給路)
eg 排ガス
teg タービン排ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器で燃料を燃焼させ、発生した燃焼熱をタービンの動力に変換するガスタービンにおいて、
アンモニアの改質反応により水素含有ガスを生成する改質器と、
上記改質器によって生成した水素含有ガスを、上記燃焼器に供給する改質ガス供給路とを有することを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項2】
上改質ガス供給路とは別に、上記燃焼器にアンモニアを供給するアンモニア供給路が接続されている請求項1に記載のガスタービンシステム。
【請求項3】
上記燃焼器に供給される全燃料中のアンモニア、水素、空気の割合は、
水素混合比αがrH2/(rH2+rNH3)で表されるとき、0<α≦0.6の範囲内であり、且つ
アンモニアの当量比φが(rNH3×StNH3)/(rAir−rH2×StH2)で表されるとき、0.6≦φ≦1.0の範囲内である請求項2に記載のガスタービンシステム。
ただし、アンモニア、水素、空気のモル分率をそれぞれrNH3、rH2、rAirとし、rNH3+rH2+rAir=1であり、アンモニア、水素の理論空燃比をそれぞれStNH3、StH2とする。
【請求項4】
上記タービンの排熱を上記改質器に供給する排熱供給路を備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスタービンシステム。
【請求項5】
上記改質器にアンモニアを供給する第二のアンモニア供給路と、その第二のアンモニア供給路に制御弁を介して接続される空気供給路と、上記制御弁を制御する制御コントローラとを有し、
該制御コントローラは、上記タービンの排熱温度が低い場合に、上記空気供給路を通じて改質器に空気を供給することにより、アンモニアの一部を燃焼させ、上記改質反応の反応熱を得るように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスタービンシステム。
【請求項6】
上記燃焼器により得られた燃焼ガスによってタービン翼車を駆動させ、動力を取り出すように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスタービンシステム。

【図1】
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