説明

ガスハイドレートペレット成形装置及びガスハイドレートペレット成形方法

【課題】 ガスハイドレート脱水工程とGHペレットの成形工程とを単一の装置で行って、GHペレットの形成の効率化を図るガスハイドレートペレット成形装置及びガスハイドレートペレット成形方法を提供する。
【解決手段】 多孔板からなる内筒3の内部をダイプレート4とで圧搾室5とペレット受入室6とに区画し、これら室5、6に圧搾プランジャ7とダイ開閉プランジャ9を摺動可能にそれぞれ配する。ダイ開閉プランジャ9をダイプレート4に押圧させて閉止し、圧搾プランジャ7を前進させて圧搾室5に供給したGHスラリーを加圧して水を搾り出す。排出水は内筒3の透孔から排水室3aに流出する。ダイプレート4を開放し、前記圧搾プランジャ7をさらに前進させて、GHスラリーをダイプレート4から押し出してGHペレットを形成し、搬送手段により次工程へ搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、海底下等に存在している天然ガスハイドレートや人工的に製造したガスハイドレート(天然ガスハイドレート、CO2ハイドレート)を輸送や貯蔵等に適した状態に生成するガスハイドレートペレット成形装置であって、具体的にはスラリー状のガスハイドレートから水分を除去しながらペレットを成形するガスハイドレートペレット成形装置と成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シベリアやカナダ、アラスカ等の凍土地帯や大陸周辺部における水深500m以下の海底下には、主成分がメタンである天然ガスハイドレート(NGH)が存在している。このNGHは、メタン等のガス分子と水分子とから構成される低温高圧下で安定した水状固体物質あるいは包接水和物であり、二酸化炭素や大気汚染物質の排出量が少ないクリーンエネルギとして着目されている。
【0003】
天然ガスは液化された後、貯蔵されてエネルギとして利用されているが、その製造や貯蔵は−162℃の極低温において行われている。これに対して天然ガスハイドレートは、−20℃で分解せずに安定した性質を示し、固体として扱うことができる等の利点を備えている。このような性質から、特に世界中に存在している採算面等の理由から未開発の中小ガス田におけるガス資源を有効に利用することができる手段として、あるいは大ガス田からの近距離、小口輸送手段として、天然ガスをハイドレート化して輸送する方式(NGH輸送)が期待されている。
【0004】
NGH輸送では、中小ガス田等のNGH出荷基地において、輸送や貯蔵に適したNGHを生成後、場合によっては成形し、輸送船や車両等によって所望のNGH受入基地まで輸送される。一方、NGH受入基地では輸送されたNGHを貯蔵し、必要に応じてガス化してエネルギ源として利用したり、NGHのままさらに車両等による小口輸送を行うことになる。図11は、前記NGH出荷基地に利用されるガスハイドレートの生成プラントの構成の一例を説明する概略のブロック図である。採掘された原料ガスは高圧反応容器である生成器41において、水と十分に混合されてハイドレート化され、低濃度のガスハイドレート(GH)スラリーが生成される。生成されたGHスラリーは供給ポンプ42によって脱水器43に供給されて、脱水された高濃度のGHスラリーを生成する。このとき、脱水器43へは該脱水器43の最下部に供給される。供給されたGHスラリーは脱水器43を徐々に上昇しながら脱水されて、脱水器43の上端部から取り出される。取り出されたガスハイドレートは、例えば脱水されてパウダー状となったGHパウダーとして取り出される。このGHパウダーがペレット成形器44に供給されて造粒され、輸送や貯蔵等にとって適宜な大きさのGHペレットが形成される。次いで、常圧下においても分解しない温度まで冷却機45により冷却された後、脱圧装置46に供給される。すなわち、前記生成器41から冷却機45に至るまでは、ガスハイドレート生成条件(例えば、NGHの場合、5MPa、8℃)において処理がなされ、冷却機45と脱圧装置46とにより、常圧下でも分解し難い温度(例えば、NGHの場合、−20℃)に処理される。その後、生成されたGHペレットは貯蔵槽に給送されて貯蔵される。
【0005】
ところで、本願出願人は、貯蔵性に優れたペレットを低コストで製造できるガスハイドレートペレットの製造方法及び製造装置を提案している(特許文献1参照)。このガスハイドレートペレットの製造方法は、ガスハイドレートをその生成条件下において圧縮成形手段により脱水するとともに、ペレットに成形するようにしたものである。また、前記圧縮成形手段として、外周面に複数のペレットの成形型を有し、互いに逆方向に回転する一対のロールからなるブリケッティングロールとしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−270029
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の工程では、脱水器43とペレット成形器44とのそれぞれの装置を必要としており、ガスハイドレート生成プラントを大型化させてしまうため、その小型化が望まれていた。
【0008】
一方、特許文献1に記載されたガスハイドレートペレットの製造装置では、脱水とペレット成形とを圧縮成形手段により行うようにしたため、脱水器を個別に配設する必要がないものの、大量生産を想定した場合、設備が大規模になるという課題があった。また、特許文献1には、往復動式のペレット製造装置が開示されている。この往復動式のものでは圧縮しながら脱水と成形を確実に行うことができるが、この方式ではいわゆるバッチ処理であるため、前述と同様の課題がある。
【0009】
そこで、この発明は、脱水とペレット成形とを単独の装置により行うことができ、しかも、大量生産に好適なガスハイドレートペレット成形装置及びガスハイドレート成形方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置は、ガスハイドレートスラリーから水分を除去しながら圧縮してペレットに成形するガスハイドレートペレット成形装置であって、外筒と内筒とを備え、前記内筒を多孔板により形成し、前記内筒の長手方向の適宜位置にダイプレートを配置して、該ダイプレートを境にして、ガスハイドレートスラリーを供給する圧搾室と、該ガスハイドレートスラリーから生成したペレットを収容するペレット受入室とに区画し、前記圧搾室に摺動自在に圧搾プランジャ設け、前記ペレット受入室に前記ダイプレートを開閉するダイ開閉手段を設け、前記ペレット受入室に搬送手段を接続させ、前記ダイ開閉手段により前記ダイプレートの出口側を開閉し、前記圧搾プランジャの摺動で、内筒内のガスハイドレートスラリーを前記ダイプレートに押圧し、前記ペレット受入室に収容させたペレットを前記搬送手段に供するようにしたことを特徴としている。
【0011】
前記圧搾プランジャがダイプレートから最も離隔した状態、すなわち最後部まで後退している位置にある状態で、前記圧搾室にガスハイドレート(GH)スラリーが供給されると、該GHスラリーに随伴された水分が、前記内筒の透孔を通過して外筒内に排出され、GHスラリーの濃度が高められる。なお、GHスラリーは、原料ガスと水とを生成器に供給して高圧下で反応させて生成したものや、海底より採取した天然ガスハイドレートが、前記圧搾室に供給される。圧搾室へのGHスラリーの供給時には、前記ダイ開閉手段の動作によりダイプレートが閉塞されている。このため、GHスラリーがペレット受入室に流入することはない。所望量のGHスラリーが供給されたならば、GHスラリーの供給を停止して、前記圧搾プランジャをダイプレートに向けて摺動させることにより前進させる。これにより、供給されたGHスラリーが圧搾されて、水がさらに搾り出される。GHスラリーが所望の濃度まで高められると、前記ダイ開閉手段を動作させてダイプレートを開放し、圧搾室とペレット受入室とを連通させる。この状態で、さらに前記圧搾プランジャを前進させると、ほぼ固形状となったGHスラリーがダイプレートからペレット受入室に押し出されることになる。このため、ペレット受入室にはダイプレートを通過して棒状となったGHスラリーが押し出され、適宜な長さで自重により切断されてペレットに成形される。このペレットが前記搬送手段により次工程へ給送される。
【0012】
また、請求項2の発明に係るガスハイドレートペレット成形装置は、前記ダイ開閉手段を、前記ペレット受入室に摺動自在に設けたダイ開閉プランジャにより構成し、前記ダイ開閉プランジャの摺動により前記ダイプレートの出口側を開閉することを特徴としている。
【0013】
すなわち、前記ダイ開閉プランジャを前進させてダイプレートの出口側に押圧することによりダイプレートを閉塞し、ダイプレートから後退させることによりダイプレートを開放するようにしたものである。
【0014】
また、請求項3の発明に係るガスハイドレートペレット成形装置は、前記ダイ開閉手段を、一部に球面により形成した閉塞面部を有する回転弁と、前記ダイプレートの出口側を該閉塞面部に一致する球面で構成し、前記ダイプレートが、前記回転弁の閉塞面部とダイプレートの出口側の球面とが対向した状態で閉塞され、閉塞面部以外の開放面部が対向した状態で開放されることを特徴としている。
【0015】
前記回転弁を回転させることによりダイプレートが開閉されるようにしたものである。ダイプレートに回転弁の前記閉塞面部が対向した場合にダイプレートが閉塞された状態となり、前記開放面部が対向した状態でダイプレートが開放される。また、ペレットをダイプレートからダイプレート受入室に押し出す際には、回転弁を連続して回転させるようにすれば、ダイプレートの出口側に対向した部分が開放面部から閉塞面部に移行する際に、ダイプレートから押し出された棒状のペレットが切断されることになる。
【0016】
また、請求項4の発明に係るガスハイドレートペレット成形装置は、前記回転弁の閉塞面部と開放面部との境界部で切断部を形成し、前記ダイプレートの出口側をこの境界部が通過する際に、ダイプレートから押し出されたペレットを切断することを特徴としている。
【0017】
前述したように、回転弁の回転により棒状のペレットを切断することができるが、前記切断部を設けることにより、より確実に切断でき、ペレットの形状・寸法の均一化を図れる。
【0018】
また、請求項5の発明に係るガスハイドレートペレット成形装置は、前記外筒に、該外筒の長手方向に排水室を並設すると共に、これらの排水室を集合部に集合させ、該集合部に排水弁を設けたことを特徴としている。
【0019】
すなわち、外筒内の搾水は前記排出部を通って前記集合部に至り、前記排水弁が開放されている場合には該集合部から排出される。他方、排水弁が閉止されている場合には、全ての前記排出部が連通している状態にある。なお、所望量のGHスラリーを供給した後には、GHスラリーの供給は停止される。このため、圧搾プランジャの摺動により該圧搾プランジャの進行方向前側に生じる圧力が、排水部と集合部を介して進行方向後側の部分に加えられる。例えば、GHスラリーを圧搾する際には、これにより圧搾室の前記ダイプレート側の部分、すなわち前側室が高圧となり、搾水が排水部と集合部を通って圧搾室の後側室に流入する。これにより、排水時とは逆方向の流れが生じる。この逆流によって、内筒の透孔内に残留したGHスラリーの粒子分が内筒内に押し戻されて、内筒の透孔を目詰まらせることが防止されると共に、前側室と後側室との圧力の均衡が図られて、圧搾プランジャの円滑な摺動が確保される。他方、圧搾プランジャの後退時には、後側室が高圧となって前側室に搾水が流入することにより、内筒の透孔が逆洗されると共に、前側室と後側室との圧力の均衡が図られる。
【0020】
また、請求項6の発明に係るガスハイドレートペレット成形装置は、前述した構造を備えたペレット成形装置のいずれかを、前記圧搾プランジャの軸方向に対称となる位置関係で並設させ、並設させた一対のペレット成形装置の圧搾プランジャの駆動ロッドを共通にして、該圧搾プランジャの摺動により、それぞれのペレット成形装置における動作の位相をずらしてあることを特徴としている。
【0021】
いわゆるタンデムで運転することができるようにペレット成形装置を配設したものである。圧搾プランジャの駆動ロッドの方向に並設することにより、圧搾プランジャの摺動方向の一方の方向で、一対のペレット成形装置の一方で圧搾プランジャを前進させてGHスラリーの圧搾を行い、他方の圧搾プランジャを後退させて、GHスラリーの圧搾室への供給を行うようにしたものである。
【0022】
また、単独の装置によりガスハイドレートのペレットを大量に生産する場合に適したガスハイドレート成形方法として、ガスハイドレートスラリーから水分を除去しながら圧縮してペレットに成形するガスハイドレートペレット成形方法であって、圧力容器である外筒と、壁体の一部が外筒の内部に連通している連通部を有する内筒との二重構造の筒体を備えたペレット成形装置の、前記内筒にダイプレートを具備させて、該ダイプレートを挟んで一方の側を圧搾室とし、他方の側をペレット受入室とし、前記圧搾室に前記ダイプレートに対して進退する圧搾プランジャを、前記ペレット受入室にダイプレートを開閉するダイ開閉手段を、それぞれ設けてあり、前記ダイ開閉手段でダイプレートを閉塞させ、前記圧搾プランジャをダイプレートから離隔した位置まで後退させた状態で、該圧搾室にガスハイドレートスラリーを供給しながら、ガスハイドレートに随伴された水分をろ過して前記前記内筒から排出させるろ過工程と、前記圧搾室へのガスハイドレートの充填後に、前記圧搾プランジャをダイプレートに向けて前進させて、ガスハイドレートに加圧して搾水する圧搾工程と、ガスハイドレートの水分が適宜な状態まで搾水された後、前記ダイ開閉手段を動作させてダイプレートを開放させ、前記圧搾プランジャの前進により、ガスハイドレートをダイプレートから前記ペレット受入室に押し出してガスハイドレートペレットを成形するペレット成形工程と、ペレットの成形後に、前記圧搾プランジャを後退させて、外筒に滞留した水を前記連通部から内筒へ流入させる逆先工程とを順次繰り返してガスハイドレートペレットを成形することを特徴としている。
【0023】
ガスハイドレートスラリーは原料ガス等と水とを反応させて生成されるため、大量に水を含んだ状態で供給されることになる。このため、供給されたガスハイドレートスラリーに随伴された水を除去するろ過工程に供される。随伴された水が十分にろ過されたならば、さらにガスハイドレートスラリーに加圧しながら水分を除去する圧搾工程に供される。ガスハイドレートスラリーの濃度が十分に高くなった状態で、圧搾されたガスハイドレートスラリーのブロックをダイプレートを通過させてペレットにするペレット成形工程に供される。ペレットの成形が完了したならば、前記ろ過工程及び圧搾工程で除去された水とガスハイドレートスラリーとによって、ろ過のために排水する部位が目詰まりを生じる場合がある。この目詰まりを解消するために、連通部にろ過工程と圧搾工程の場合とは逆方向に水を通過させて逆洗する逆先工程を行う。
【0024】
前記圧搾工程とペレット成形工程とを行う機構として、ペレット成形装置内を往復移動する圧搾プランジャを用いたものである。しかも、圧搾プランジャがペレット成形工程の完了後に、次のろ過工程の準備のためには、ガスハイドレートスラリーを加圧する方向とは逆方向に移動する必要があり、この逆方向への移動時には、圧搾工程時とは逆側を加圧することになるため、その際に生じる圧搾プランジャを挟む両側の差圧により、前記逆先工程を行わせることができる。
【0025】
また、請求項8に記載のガスハイドレート成形方法は、前記ペレット成形装置を一対にして配設し、一方のペレット成形装置の圧搾プランジャの駆動ロッドと他方のペレット成形装置の圧搾プランジャの駆動ロッドとを共有させて、該共有した駆動ロッドのそれぞれの端部にそれぞれの圧搾プランジャを連繋させることにより、一対のペレット成形装置の前記ろ過工程と圧搾工程、ペレット成形工程、逆洗工程との作業工程の位相をずらして、前記一対のペレット成形装置を動作させることを特徴としている。
【0026】
すなわち、一対のペレット成形装置をいわゆるタンデム運転させることにより、ガスハイドレートペレットを成形する方法である。一方のペレット成形層が圧搾工程にある場合には、他方のペレット成形装置は逆先工程にあり、一方がペレット成形装置の完了まで他方は逆洗工程が継続される。他方がろ過工程を完了するまで一方はペレット成形工程の完了した状態を維持し、他方が圧搾工程を開始すると、一方は逆洗工程を開始するようにしたものである。
【発明の効果】
【0027】
この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置またはガスハイドレートペレット成形方法によれば、GHスラリーからの搾水とペレットの成形とを連続して行うことができ、筒状の構造であるため、装置の大型化が容易である。したがって、大量生産する設備において好適に用いることができる。
【0028】
また、請求項5の発明に係るガスハイドレートペレット成形装置によれば、このペレット成形装置の定常の運転により、内筒を形成する多孔板の目詰まりを抑制できるから、常時安定した運転を行って確実にGHのペレットを生成することができる。したがって、高い運転効率でペレット成形を行うことができる。
【0029】
また、請求項6の発明に係るガスハイドレートペレット成形装置または請求項8の発明に係るガスハイドレート成形方法によれば、連続してGHペレットを生成することができるので、一層効率よく連続運転することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明に係るガスハイドレート生成プラントにおけるペレット成形装置の概略の構造を示す断面図である。
【図2】ペレット成形装置の作用を説明する図であり、ペレット成形装置の概略構造を示す断面図で、ガスハイドレートスラリーを供給して水を除去するろ過工程にある状態を示している。
【図3】ペレット成形装置の作用を説明する図であり、ペレット成形装置の概略構造を示す断面図で、ガスハイドレートスラリーを圧潰して水を搾り出す圧搾工程にある状態を示している。
【図4】ペレット成形装置の作用を説明する図であり、ペレット成形装置の概略構造を示す断面図で、水が除去されたガスハイドレートスラリーからガスハイドレートペレットを成形するペレット成形工程を示している。
【図5】ペレット成形装置の作用を説明する図であり、ペレット成形装置の概略構造を示す断面図で、ペレット成形工程が終了して図2に示すろ過工程に戻る途中の状態を示している。
【図6】ペレットを成形する際に、ダイプレートから棒状となって押し出されたペレットを切断するチョッパーの概略構造を説明する図で、図4におけるA−A線に沿って切断した断面図である。
【図7】この発明の他の実施形態に係るペレット成形装置を示す図で、概略構造を示す側面図である。
【図8】図7に示すペレット成形装置の平面図である。
【図9】この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置に用いられるダイ開閉手段の他の実施形態を簡略化して示す図で、(a)はペレット成形装置がろ過工程と圧搾工程にある場合の状態を、(b)はペレット成形工程にある場合の状態を示している。
【図10】この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置に用いられるダイ開閉手段の別の実施形態を簡略化して示す図で、(a)はペレット成形装置がろ過工程と圧搾工程にある場合の状態を、(b)はペレット成形工程にある場合の状態を示している。
【図11】天然ガスハイドレートの出荷基地に利用される、従来のガスハイドレートの生成プラントの構成の一例を説明する概略のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置を具体的に説明し、併せてガスハイドレートペレット成形方法を説明する。
【0032】
図1は、この発明に係るペレット成形装置1の概略の構造を説明する断面図である。このペレット成形装置1は、圧力容器からなる外筒2と該外筒2の内部に収容された内筒3とを備えている。内筒3は、パンチングメタル等の多孔板により形成されている。この多孔板に形成された透孔により、内筒3の内部と外筒2の内部とを連通させる連通部としてある。また、外筒2と内筒3との間には排水室3aが、適宜の数設けた仕切壁3bによって仕切られて設けられている。なお、図1では仕切壁3bが円筒の長手方向に沿って、ダイプレートに向かって間隔が狭くなるように設けられているが、これに限らず等間隔でもよい。また、多孔板の穴の密度は、円筒の長手方向に等間隔でも良いが、後述するダイプレート側をより高密度とすることが好ましい。
【0033】
前記内筒3の内部であって、中央部から一方の端部側に偏倚した位置には、GHのペレットを成形するための多数の成形孔が形成されているダイプレート4が嵌合させてあり、このダイプレート4の一方の側であって、容積の大きい側が圧搾室5と、同じく小さい側がペレット受入室6とされている。前記圧搾室5の内筒3には圧搾プランジャ7が配されており、この圧搾プランジャ7は油圧シリンダ等からなる圧搾シリンダ8の作動による駆動ロッド8aの往復動により、内筒3の軸方向に摺動可能とされている。また、前記ペレット受入室にはダイ開閉手段としてのダイ開閉プランジャ9が配されており、このダイ開閉プランジャ9は油圧シリンダ等からなる開閉シリンダ10の作動による駆動ロッド10aの往復動により、内筒3の軸方向に摺動可能とされている。前記圧搾プランジャ7はその摺動によって、ダイプレート4の入口側面に接近し、ダイプレート4から離隔するよう進退する。また、前記ダイ開閉プランジャ9は、ダイプレート4の出口側面に押圧された位置と、ダイプレート4から離隔した位置との間で進退する。なお、前記ダイプレート4の入口側面は、図1に示すように、中央部が凹となった逆円錐形に形成されており、圧搾プランジャ7がダイプレート4に押圧された状態であっても、該圧搾プランジャ7の一部がダイプレート4から離隔した状態となるようにしてある。また、この実施形態では、前記入口側面を逆円錐形としてあるが、中央部が圧縮室5側に凸となった円錐形に形成されたものであっても、あるいは、平面に形成されたものであっても構わない。平面に形成された場合には、後述する作用を果たす上で、圧縮プランジャ7の前進端においては、該圧縮プランジャ7がダイプレート4から僅かに離隔した位置とすることが好ましい。
【0034】
前記ペレット受入室6の下部には、搬送手段としてのスクリューコンベヤ11が配されている。なお、搬送手段はこれに限らず、単に下向きに傾斜させた配管を設け、その内壁に沿って滑落させてペレットを下流設備に送るようにするものでも構わない。
【0035】
図2〜図5は、前記ペレット成形装置1を簡略化した断面図であるが、これらの図に示すように、前記圧搾室5には供給管12が接続されて、GHスラリーが供給されるようにしてある。前記供給管12には供給弁12aが接続されており、この供給弁12aの開閉によって、GHスラリーの供給と停止とが行われる。また、外筒2には排出部としての適宜本数の排出管13が接続されている。なお、この実施形態を説明する図2〜図5には7本の排出管13が設けられており、それぞれに添え字を付して、排出管13a、…、13gとしてある。これら排出管13a、…、13gは、集合部としての集合管14に接続されており、それぞれの排出管13aはこの集合管14を介して連通されている。さらに、この集合管14には排水弁15が設けられている。
【0036】
以上により構成されたこの発明に係るガスハイドレート生成プラントにおけるペレット成形装置1の作用を、以下に説明する。
【0037】
図2は、このペレット成形装置1が、GHスラリーを圧搾室5に供給しながら該GHスラリー(例えば、5%スラリー)に随伴された水をろ過するろ過工程にある状態を示している。前記供給弁12aと排水弁15とは開放された状態にある。前記圧搾プランジャ7は後退してダイプレート4から最も離隔したスラリー受入位置にあり、前記ダイ開閉プランジャ9はダイプレート4の出口側面に押圧されて該ダイプレート4を閉成した状態にある。この状態で、GHスラリーを圧搾室5に圧入しながら供給しつづけると、該GHスラリーを生成する際に反応に供されずにGHスラリーに含有された水が、内筒3の透孔を通過して排水室3a内に流出することによりろ過脱水される。流出した水は前記排出管13から集合管14に至り、開放された排水弁15を通って排出される。なお、排出された水は回収されて、再度GHスラリーの生成に用いることもできる。
【0038】
水がある程度分離されて(例えば、30%スラリー)、圧搾室5がGHスラリーで充満されたならば、前記供給弁12aと排水弁15とを閉止して圧搾室5を密閉し、圧搾工程に移る。圧搾工程では、図3に示すように、圧搾室5が密閉された状態で、前記圧搾プランジャ7を前進させてGHスラリーを加圧しながら搾水する。ここでは、GHスラリーが圧搾プランジャ7の前進により加圧され、GHスラリーに残存している水が搾り出される。圧搾された水は、内筒3の透孔を通過して排水室3aに流出し、前記排出管13から集合管14に至ることになる。このとき、前記排水弁15が閉止されているから、集合管14に至った水は、他の排出管13を通って外筒3に流入することになる。例えば、圧搾プランジャ7が、図3に示すように、配水管13eと13fとの間に位置している場合には、該圧搾プランジャ7の進行方向の前側のダイプレート側室の圧力が、後側のGHスラリー供給側室の圧力よりも大きくなる。このため、圧搾された水は、前記排出管13f、13gから排出され、集合管14を通って排出管13a〜13eから前記GHスラリー供給側室に流入することになる。このとき、水は内筒3の透孔を通過することにより、該透孔内に詰まったGHスラリーの粒子分を圧搾室5に押し戻すことになり、透孔の目詰まりが除去されることになる。また、圧搾プランジャ7の前後の室の圧力が均衡することになるため、圧搾プランジャ7の円滑な摺動が損なわれることがない。ここで、圧搾プランジャ7のダイプレート4とは反対側の圧搾室5の内部に逆流によるGHスラリーが蓄積した場合は、図示しない給排水管からの洗浄水で置換すればよい。
【0039】
圧搾工程では、GHスラリー濃度が、例えば、約90%まで搾水し、次いで、図4に示すペレット成形工程に移る。このペレット成形工程では、前記ダイ開閉プランジャ9が後退してダイプレート4から離隔した状態となり、前記供給弁12aを開放して、GHスラリーの供給が行われる。この状態で前記圧搾プランジャ7がさらに前進すると、圧搾されたGHスラリーがダイプレート4に押圧されて、該ダイプレート4の出口側から棒状となってペレット受入室6に押し出される。押し出されて適宜長さとなると、その自重により切断されてペレットPが成形され、前記スクリューコンベヤ11に落下することになる。落下したペレットPは、スクリューコンベヤ11で次工程へ搬送される。
【0040】
また、圧搾プランジャ7が最前部まで前進した場合に、前記ダイプレート4の入口側面が逆円錐形あるいは円錐形に形成されている場合には、該ダイプレート4に当接した状態でも圧搾プランジャ7とダイプレート4とに間隙が形成された状態となる。このため、ダイプレート4の成形孔にGHスラリーが詰まった状態となって、ダイプレート4の成形孔がGHスラリーにより閉塞された状態に維持される。これにより、圧搾室5とペレット受入室6とが連通することがなく、圧搾室5内の圧力が維持される。また、前記供給弁12aを開放してGHスラリーを供給することにより、圧搾プランジャ7によって押し出されたGHスラリーの容積に相当する量のGHスラリーを供給することにより、圧縮室5内の内容量がほぼ一定に保たれ、圧力が維持される。
【0041】
成形工程が終了すると、逆洗工程に移る。この逆先工程では、圧搾プランジャ7が後退を開始するが、この後退に先立って、前記ダイ開閉プランジャ4を前進させてダイプレート4に押圧することにより、ダイプレート4を閉塞すると共に、前記供給弁12aを閉止しておく。この状態を図5に示してある。圧搾プランジャ7が後退すると、該圧搾プランジャ7が進行する方向のGHスラリー供給側室の圧力がダイプレート側室の圧力より高くなる。このため、GHスラリー供給側室内の水が、例えば図5において、排出管13a〜13cから集合管14を通り、排出管13d〜13gを通って、ダイプレート側室に流入することになり、その過程において、内筒3の透孔に詰まったGHスラリーの粒子を除去することができる。
【0042】
圧搾プランジャ7がスラリー受入位置まで後退したならば、前記供給弁12aを開放してGHスラリーを供給する前述したろ過工程に戻って、以上の処理工程を繰り返すことになる。
【0043】
前述したペレット成形工程において、ペレット受入室6にペレットPが押し出される際には、その自重により切断されるものとして説明したが、この場合には、ペレットPの寸法・形状が一定とならないおそれがある。そのため、ダイプレート4の出口側にチョッパーを設けて、棒状のペレットPを一定の長さで切断して寸法・形状を揃えるようにすることもできる。例えば、図6に示すように、ダイプレート4の出口側の面に沿って昇降するチョッパー17を設けた構造とすることもできる。すなわち、チョッパー17の両端部にチョッパー駆動シリンダ18のピストンロッド18aを連繋させ、所望の周期で昇降させて、ダイプレート4から押し出されたペレットPを切断するようにしたものである。なお、チョッパー17は上下のそれぞれに刃が形成されて、昇降動作にいずれの方向であってもペレットPを切断できるようにすることが好ましい。
【0044】
また、前述したペレット成形装置1の多数基を配設して、それらの各工程の位相をずらすことにより、ペレットPの成形を連続的に行うことができるから、次工程における処理も連続して行うことができる。複数基のペレット成形装置1を効率よく運転するためには、図7及び図8に示すように、一対のペレット成形装置1を、いわゆるタンデム形式とすることが好ましい。一対のペレット成形装置1を、それらの前記圧搾室5が隣接した状態に配置させ、前記圧搾プランジャ7の駆動ロッド21を共通のものとしてある。駆動ロッド21には連繋ブラケット22を介して駆動シリンダ23のピストンロッド23aが連繋されている。このため、駆動シリンダ23が作動してピストンロッド23aが摺動することにより駆動ロッド21が摺動する。この駆動ロッド21の摺動によって、一対のペレット成形装置1のそれぞれの圧搾プランジャ7がそれぞれの圧搾室5内を摺動することになる。このとき、それぞれの圧搾プランジャ7は同方向に摺動することになるから、ペレット成形装置1の一方ではペレット成形工程が行われ、他方ではろ過工程が行われることになり、処理工程の位相が180°でずれた状態となる。このため、ペレットPの成形が連続的となる。これら一対のペレット成形装置1を複数対にして具備することにより、ペレットPの成形をより連続的に行うことができる。
【0045】
以上に説明した実施形態では、圧搾プランジャ7とダイ開閉プランジャ9とが水平方向に摺動する横型とした場合のペレット成形装置1として説明したが、これらプランジャ7、9が鉛直方向に摺動することによりペレットの成形を行う縦型のペレット成形装置とすることもできる。縦型の構造を採用する場合には、ダイプレートから押し出されて成形されたペレットは、ダイ開閉プランジャ9の上面に落下するから、この上面から搬送装置へ掻き出す必要があり、例えば、該上面に沿って水平方向に移動しながらペレットを掻き出す掻き出し装置を設けることが望ましい。なお、ダイプレートから押し出されるペレットを切断するチョッパーを設ける場合には、該チョッパーと前記掻き出し装置とを連繋させて動作させる構造を採用することもできる。
【0046】
次に、図9に示すダイ開閉手段の他の実施形態について説明する。なお、図1に示す実施形態と同一の部位には同一の符号を付してあり、図を簡略化して示してある。この図9に示すペレット成形装置30が具備しているダイ開閉手段は、紙面を貫く方向の軸31cを中心として回転する回転弁31と、ダイプレート32の出口側面をこの回転弁31の一部により閉塞される形状に形成された構造としてある。すなわち、回転弁31の一部は球面により閉塞面部31aが形成され、それ以外の部分は表面を窪ませた開放面部31bとされている。前記ダイプレート32の出口側面は、前記閉塞面部31aと一致する形状の球面に形成されており、この出口側面と閉塞面部31aとが対向した位置に回転弁31が位置している場合には、ダイプレート32は閉塞された状態にある。また、前記閉塞面部31aと開放面部32aとの境界部は、図9に示すように、閉塞面部31aの端縁が開放面部31bに被さる状態に突出して、先端が鋭角とされた切断部31dが形成されている。前記回転弁31の回転軸31cは図示しない駆動手段に連繋されており、この駆動手段には制動手段が備えられて、該駆動手段の停止時には回転軸31cが不用意に回転することがないようにしてある。あるいは、回転軸31cに制動機構を施して、停止時の回転が阻止されるようにしてある。さらに、圧搾プランジャ7により回転弁31は加圧されるから、この圧力を受けた場合であっても閉塞面部31aがダイプレート32の出口側面から離隔することがないように、回転軸31cの図示しない軸受を強固なものとしてある。
【0047】
この図9に示す実施形態では、ペレット成形装置30がろ過工程と圧搾工程にある場合には、同図(a)に示すように、前記回転弁31は閉塞面部31aがダイプレート32に対向した状態にあり、この状態では回転弁31が停止してダイプレート32が閉塞されている。なお、このとき、回転軸31cや駆動源に対する制動力と回転軸31cの軸受の強固さにより、閉塞面部31aがダイプレート32から離隔することがない。ペレット成形装置30がペレット成形工程にある状態では、回転弁31が回転軸31cを中心として回転する。この回転弁31の回転により、図9(b)に示すように、回転弁31の開放面部31bがダイプレート32の出口側面に対向した状態となると、ダイからペレットがペレット受入室6に押し出されることになる。このとき、回転弁31の回転により前記切断部31dがダイから押し出された棒状のペレットを切断することになり、適宜な形状・寸法のペレットが成形される。また、切断されたペレットは開放面部31bの窪みに落下し、さらに回転弁31の回転によりこの窪みが下方を指向した際に、ペレットがスクリューコンベヤ11に落下し、次工程へ搬送されることになる。
【0048】
また、図10には、図9に示す回転弁31と異なる実施形態を示しており、このペレット成形装置35のダイ開閉手段を構成する回転弁36は、球面により形成された閉塞面部36aとそれ以外の開放面部36bとを具備している。なお、図1に示す実施形態と同一の部位は同一の符号を付してあり、図を簡略化して示してある。前記開放面部36bの一部には、閉塞面部36aと同様に球面により形成された支持面部36cが形成されている。なお、この回転弁35は図10の上下方向を軸として回動するようにしてある。また、ダイプレート37の出口側面は閉塞面部36aと一致する球面により形成されている。そして、図10(a)に示すように、閉塞面部36aがダイプレート37に対向している状態では、前記支持面部36cがペレット受入室6の底面に当接するようにしてある。
【0049】
この図10に示す実施形態では、ペレット成形装置35がろ過工程と圧搾工程にある場合には、同図(a)に示すように、回転弁36の閉塞面部36aがダイプレート37に対向した状態にあり、圧搾プランジャ8による加圧力は、回転弁36の前記支持面部36cがペレット受入室6の底面に押圧されることで対抗させる。そして、ペレット成形装置35がペレット成形工程にある場合には、図10(b)に示すように、回転弁36が回転して開放面部36bがダイプレート37に対向した状態でペレットが押し出され、スクリューコンベヤ11に落下して次工程へ搬送されることになる。
【0050】
また、図9および図10に示すペレット成形装置30、35を縦型とする場合には、前記ペレット成形装置1を縦型とする場合のような掻き出し装置を必要とすることなく、ペレットをスクリューコンベヤ11に落下させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置及びガスハイドレートペレット成形方法によれば、従来のGH生成プラントにおける脱水処理工程とペレットの成形工程とを単一の装置により連続して行うことができ、しかも大量生産に好適であるから、プラントの小型化を促進でき、製造コストと共にランニングコストを減じることができ、経済性を向上させて、従来において採算面で不利なガス田の有効利用の促進化に寄与する。
【符号の説明】
【0052】
P ペレット
1 ペレット成形装置
2 外筒
3 内筒
3a 排水室
3b 仕切壁
4 ダイプレート
5 圧搾室
6 ペレット受入室
7 圧搾プランジャ
8 圧搾シリンダ
9 ダイ開閉プランジャ(ダイ開閉手段)
10 開閉シリンダ
11 スクリューコンベヤ(搬送手段)
12 供給管
12a 供給弁
13 排出管(排出部)
14 集合管(集合部)
15 排水弁
17 チョッパー
21 駆動ロッド
22 連繋ブラケット
23 駆動シリンダ
30 ペレット成形装置
31 回転弁(ダイ開閉手段)
31a 閉塞面部
31b 開放面部
31d 切断部
32 ダイプレート
35 ペレット形成装置
36 回転弁(ダイ開閉手段)
36a 閉塞面部
36b 開放面部
36c 支持面部
37 ダイプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスハイドレートスラリーから水分を除去しながら圧縮してペレットに成形するガスハイドレートペレット成形装置であって、
外筒と内筒とを備え、
前記内筒を多孔板により形成し、
前記内筒の長手方向の適宜位置にダイプレートを配置して、該ダイプレートを境にして、ガスハイドレートスラリーを供給する圧搾室と、該ガスハイドレートスラリーから生成したペレットを収容するペレット受入室とに区画し、
前記圧搾室に摺動自在に圧搾プランジャ設け、
前記ペレット受入室に前記ダイプレートを開閉するダイ開閉手段を設け、
前記ペレット受入室に搬送手段を接続させ、
前記ダイ開閉手段により前記ダイプレートの出口側を開閉し、
前記圧搾プランジャの摺動で、内筒内のガスハイドレートスラリーを前記ダイプレートに押圧し、
前記ペレット受入室に収容させたペレットを前記搬送手段に供するようにしたことを特徴とするガスハイドレートペレット成形装置。
【請求項2】
前記ダイ開閉手段を、前記ペレット受入室に摺動自在に設けたダイ開閉プランジャにより構成し、
前記ダイ開閉プランジャの摺動により前記ダイプレートの出口側を開閉することを特徴とする請求項1に記載のガスハイドレートペレット成形装置。
【請求項3】
前記ダイ開閉手段を、一部に球面により形成した閉塞面部を有する回転弁と、前記ダイプレートの出口側を該閉塞面部に一致する球面で構成し、
前記ダイプレートが、前記回転弁の閉塞面部とダイプレートの出口側の球面とが対向した状態で閉塞され、閉塞面部以外の開放面部が対向した状態で開放されることを特徴とする請求項1に記載のガスハイドレートペレット成形装置。
【請求項4】
前記回転弁の閉塞面部と開放面部との境界部で切断部を形成し、前記ダイプレートの出口側をこの境界部が通過する際に、ダイプレートから押し出されたペレットを切断することを特徴とする請求項3に記載のガスハイドレートペレット成形装置。
【請求項5】
前記外筒に、該外筒の長手方向に排水室を並設すると共に、これらの排水室を集合部に集合させ、該集合部に排水弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載のガスハイドレート生成プラントにおけるペレット成形装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載のペレット成形装置を、前記圧搾プランジャの軸方向に対称となる位置関係で並設させ、
並設させた一対のペレット成形装置の圧搾プランジャの駆動ロッドを共通にして、
該圧搾プランジャの摺動により、それぞれのペレット成形装置における動作の位相をずらしてあることを特徴とするガスハイドレート生成プラントにおけるペレット成形装置。
【請求項7】
ガスハイドレートスラリーから水分を除去しながら圧縮してペレットに成形するガスハイドレートペレット成形方法であって、
圧力容器である外筒と、壁体の一部が外筒の内部に連通している連通部を有する内筒との二重構造の筒体を備えたペレット成形装置の、前記内筒にダイプレートを具備させて、該ダイプレートを挟んで一方の側を圧搾室とし、他方の側をペレット受入室とし、前記圧搾室に前記ダイプレートに対して進退する圧搾プランジャを、前記ペレット受入室にダイプレートを開閉するダイ開閉手段を、それぞれ設けてあり、
前記ダイ開閉手段でダイプレートを閉塞させ、前記圧搾プランジャをダイプレートから離隔した位置まで後退させた状態で、該圧搾室にガスハイドレートスラリーを供給しながら、ガスハイドレートに随伴された水分をろ過して前記前記内筒から排出させるろ過工程と、
前記圧搾室へのガスハイドレートの充填後に、前記圧搾プランジャをダイプレートに向けて前進させて、ガスハイドレートに加圧して搾水する圧搾工程と、
ガスハイドレートの水分が適宜な状態まで搾水された後、前記ダイ開閉手段を動作させてダイプレートを開放させ、前記圧搾プランジャの前進により、ガスハイドレートをダイプレートから前記ペレット受入室に押し出してガスハイドレートペレットを成形するペレット成形工程と、
ペレットの成形後に、前記圧搾プランジャを後退させて、外筒に滞留した水を前記連通部から内筒へ流入させる逆先工程とを順次繰り返してガスハイドレートペレットを成形することを特徴とするガスハイドレートペレット成形方法。
【請求項8】
請求項7に記載のペレット成形装置を一対にして配設し、一方のペレット成形装置の圧搾プランジャの駆動ロッドと他方のペレット成形装置の圧搾プランジャの駆動ロッドとを共有させて、該共有した駆動ロッドのそれぞれの端部にそれぞれの圧搾プランジャを連繋させることにより、一対のペレット成形装置の前記ろ過工程と圧搾工程、ペレット成形工程、逆洗工程との作業工程の位相をずらして、前記一対のペレット成形装置を動作させることを特徴とするガスハイドレートペレット成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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