説明

ガスレートジャイロ

【課題】従来のガスレートジャイロは、1軸又は2軸の角速度を検出する構成であるので、3軸の角速度を検出するためには複数個必要となり、設置スペースが狭い対象には適用できないこともある。
【解決手段】本発明によるガスレートジャイロは、ケーシング1の中心にリング部2を設け、このリング部2に気体ポンプ3を取り付けるとともに、前記リング部2の外周側に前記リング部2の周方向に互いに90°ずらして第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4を配置し、前記リング部2の吸排気孔2aから排出されノズル孔5を通して流入するガス流9の偏向を前記第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4内の空間部6に設けた検出手段8により検出し、前記ケーシング1に加わった互いに直交する3軸の角速度を検出するようにした構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスレートジャイロに関し、特に、ケーシングの中心にリング部を設け、このリング部に気体ポンプを取り付けるとともに、前記リング部の外周側に前記リング部の周方向に互いに90°ずらして第1〜第4検出ブロックを配置し、前記リング部の吸排気孔から排出されノズル孔を通して流入するガス流の偏向を前記第1〜第4検出ブロック内の空間部に設けた検出手段により検出し、前記ケーシングに加わった互いに直交する3軸の角速度を検出するようにすることで、単体で3軸の角速度を検出でき、設置スペースが狭い対象にもより確実に適用できるようにするための新規な改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来用いられていたこの種のガスレートジャイロとしては、例えば、特許文献1及び非特許文献1等に開示された構成を挙げることができる。図9は、従来のガスレートジャイロを示す構成図である。図において、空間部6を有するケーシング1には、ガスが密封されている。このガスは、前記ケーシング1の下部に設けられた気体ポンプ3によって、ガス流9として空間部6に供給される。前記空間部6の一端には、ノズル板20が取り付けられており、該ノズル板20には、前記ガス流9を前記空間部6に案内するノズル孔5が設けられている。前記空間部6の内部には、前記ノズル板20に対向して電極ホルダ21が配置されており、該電極ホルダ21には、前記ケーシング1に加えられる角速度を検出するための検出手段8が設けられている。
【0003】
次に、図10は、図9の検出手段8を拡大して示す斜視図である。図において、検出手段8は、電極ホルダ21上に各々独立して植設されたピン状の第1〜第4電極E1〜E4と、第1及び第2電極E1,E2間に張設され該各電極E1,E2に溶接等で一体接続された第1ホットワイヤH1と、第3及び第4電極E3,E4間に張設され該各電極E3,E4に溶接等で一体接続された第2ホットワイヤH2とから構成されている。尚、各電極E1〜E4は、ガス流9の中心(ノズル孔5の中心領域に対向する位置)から所定距離離れた位置に配置されている。図示はしないが、第1及び第2ホットワイヤH1,H2は、第1及び第2抵抗R1,R2を含むブリッジ回路に組み込まれている。
【0004】
次に、動作について説明する。各ホットワイヤH1,H2に電流が流された状態下で、空間部6内にガス流9が供給される。このとき、ケーシング1に角速度が加えられると該ガス流9が偏向する。この角速度が図9に示すX軸周りの角速度ωxである場合、このガス流9の偏向によって各ホットワイヤH1,H2の冷却に不均衡が生じ、ホットワイヤH1,H2間に温度差が生じる。この温度差の状態が、各ホットワイヤH1,H2の抵抗値変化としてブリッジ回路によって検出され、この出力変化に基づいて前記X軸周りの角速度ωxの大きさが求められる。なお、図示はしないが、周知のように、X軸に直交するY軸の角速度を検出するために、検出手段8を2軸構成にすることも可能である。すなわち、従来のガスレートセンサは、1方向のガス流9を発生させ、このガス流9により1軸又は2軸の角速度を検出する構成である。
【0005】
【特許文献1】特開平1−167671号公報
【非特許文献1】ジャイロ活用技術入門(多摩川精機株式会社編、平成14年工業調査会発行)の56頁の2、2、4(1)のガスレートセンサ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来のガスレートジャイロでは、1軸又は2軸の角速度を検出する構成であるので、3軸の角速度を検出するためには複数個必要となる。このため、設置スペースが狭い対象には適用することができないこともある。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、単体でも3軸の角速度を検出でき、設置スペースが狭い対象にもより確実に適用できるガスレートジャイロを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るガスレートジャイロは、外周壁、底部、及び蓋部により構成されたケーシングと、前記外周壁よりも小径に設けられるとともに、前記ケーシングの内部で前記外周壁と同軸に配置された環状のリング部と、前記リング部に設けられるとともに、前記リング部の周方向に互いに90°ずれて配置され、前記リング部の内外を連通する複数の吸排気孔と、前記ケーシング内で前記リング部の上部に設けられた気体ポンプと、前記外周壁と前記リング部との間に設けられるとともに、前記リング部の周方向に関して前記吸排気孔と同位置に配置された複数の第1通風路と、前記各第1通風路間に設けられるとともに、前記リング部の周方向に互いに90°ずれて配置された第1〜第4検出ブロックと、前記第1〜第4検出ブロックと前記外周壁との間に設けられた輪状の第2通風路と、前記第1〜第4検出ブロックの前記外周壁側に設けられたノズル孔と、前記第1〜第4検出ブロック内に設けられ、前記ノズル孔により前記第2通風路に連通された空間部と、前記第1〜第4検出ブロックの前記空間部と前記リング部との間に設けられ、前記空間部と前記第1通風路とを連通する排気通路と、前記第1〜第4検出ブロックの前記空間部に設けられた検出手段とを備え、前記気体ポンプの動作により、前記ケーシング内のガスが、前記吸排気孔から前記リング部内に吸入されるとともに、前記吸排気孔から前記リング部外にガス流として排出され、前記ガス流が、前記第1通風路を通って前記外周壁側まで案内されるとともに、前記第2通風路及び前記ノズル孔を通って前記第1〜第4検出ブロックの前記空間部内に流入され、前記ガス流の偏向を前記検出手段により検出し、前記ケーシングに加わった互いに直交する3軸の角速度を検出するように構成されている。
【0009】
また、前記検出手段は、前記第1〜第4検出ブロックの少なくとも1つの空間部に設けられるとともに、該第1〜第4検出ブロックの前記ノズル孔と前記リング部の中心とを通る直線の両側に分けて配置された第1及び第2X軸ホットワイヤと、互いに対向する前記第1及び第3検出ブロックの空間部に分けて設けられるとともに、前記リング部の中心軸に沿う前記第1及び第3検出ブロックの上下方向に関して、互いに同じ側に配置された第1及び第2Y軸ホットワイヤと、互いに対向する前記第2及び第4検出ブロックの空間部に分けて設けられるとともに、前記リング部の中心軸に沿う前記第2及び第4検出ブロックの上下方向に関して、互いに同じ側に配置された第1及び第2Z軸ホットワイヤとを有している。
【0010】
さらに、前記検出手段は、前記第1〜第4検出ブロックの少なくとも1つの空間部に設けられるとともに、該第1〜第4検出ブロックの前記ノズル孔と前記リング部の中心とを通る直線の両側に分けて配置された第1及び第2X軸ホットワイヤと、前記第1検出ブロックの空間部に設けられるとともに、前記リング部の中心軸に沿う前記第1検出ブロックの上下に分けて配置された第1及び第2Y軸ホットワイヤと、前記第1検出ブロックに対して90°ずれた前記第2検出ブロックの空間部に設けられるとともに、前記リング部の中心軸に沿う前記第2検出ブロックの上下に分けて配置された第1及び第2Z軸ホットワイヤとを有している。
また、前記検出手段は、前記第1検出ブロックに対向する前記第3検出ブロックの空間部に設けられるとともに、前記リング部の中心軸に沿う前記第3検出ブロックの上下に分けて配置された第3及び第4Y軸ホットワイヤと、前記第2検出ブロックに対向する前記第4検出ブロックの空間部に設けられるとともに、前記リング部の中心軸に沿う前記第4検出ブロックの上下に分けて配置された第3及び第4Z軸ホットワイヤとをさらに有してもよい。
【0011】
さらにまた、前記ノズル孔は、前記第1〜第4検出ブロックの上部に設けられている。
また、前記ノズル孔は、前記第1〜第4検出ブロックの高さ方向の中間位置に設けられていてもよい。
さらに、前記ノズル孔は、前記第1〜第4検出ブロックの上部から下部まで高さ方向に沿って延在されていてもよい。
【0012】
また、前記ケーシングには、前記第1〜第4検出ブロック、前記第1通風路、前記第2通風路、及び前記排気通路の上方を覆うカバー部が設けられており、前記気体ポンプは、前記外周壁の内側全体を覆うように、前記リング部の上部に設けられている。
【発明の効果】
【0013】
本発明のガスレートジャイロによれば、ケーシングの中心にリング部を設け、このリング部の上部に気体ポンプを設けるとともに、このリング部の外周側に前記リング部の周方向に互いに90°ずらして第1〜第4検出ブロックを配置し、前記リング部の第1〜第4吸排気孔から排出されるガス流の偏向を前記第1〜第4検出ブロック内の空間部に設けた検出手段により検出し、前記ケーシングに加わった互いに直交する3軸の角速度を検出するように構成されているので、単体で3軸回りの角速度を検出でき、設置スペースが狭い対象にもより確実に適用できる。
【0014】
また、前記検出手段は、前記第1〜第4検出ブロックの少なくとも1つの空間部に設けられた第1及び第2X軸ホットワイヤと、互いに対向する前記第1及び第3検出ブロックの空間部に分けて設けられた第1及び第2Y軸ホットワイヤと、互いに対向する前記第2及び第4検出ブロックの空間部に分けて設けられた第1及び第2Z軸ホットワイヤとを有しているので、より確実に3軸の角速度を検出できる。
【0015】
さらに、前記検出手段は、前記第1〜第4検出ブロックの少なくとも1つの空間部に設けられた第1及び第2X軸ホットワイヤと、前記第1検出ブロックの上下に分けて配置された第1及び第2Y軸ホットワイヤと、前記第2検出ブロックの上下に分けて配置された第1及び第2Z軸ホットワイヤとを有しているので、Y軸及びZ軸ホットワイヤを第1及び第3検出ブロックと第2及び第4検出ブロックとにわけて配置する場合と同様に、より確実に3軸の角速度を検出できる。また、前記第3検出ブロックの上下に分けて第3及び第4Y軸ホットワイヤを配置し、前記第4検出ブロックの上下に分けて第3及び第4Z軸ホットワイヤを配置することで、冗長系を構成でき、角速度検出の信頼性を向上できる。
【0016】
さらにまた、前記ノズル孔が前記第1〜第4検出ブロックの上部に設けられるので、前記ノズル孔を形成する加工を容易にでき、コストを低減できる。
また、前記ノズル孔は、前記第1〜第4検出ブロックの高さ方向の中間位置に設けられるので、前記ノズル孔からのガス流を検出部に均等に供給でき、角速度検出の信頼性を向上できる。
さらに、前記ノズル孔は、前記第1〜第4検出ブロックの上部から下部まで高さ方向に沿って延在されるので、前記ノズル孔を形成する加工を容易にでき、コストを低減できる。
【0017】
また、前記ケーシングには、前記第1〜第4検出ブロック、前記第1通風路、前記第2通風路、及び前記排気通路の上方を覆うカバー部が設けられており、前記気体ポンプは、前記外周壁の内側全体を覆うように、前記リング部の上部に設けられるので、リング部の寸法を気体ポンプの大きさに合わせる必要性を無くすことができる。これにより、前記リング部2の直径を小さくでき、ガスレートジャイロ全体としての寸法を小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるガスレートジャイロを示す分解斜視図である。なお、従来のガスレートジャイロと同一又は同等部分については同一の符号を用いて説明する。図において、ケーシング1には円環状の外周壁1aが設けられている。図1では示さないが、この外周壁1aには、外周壁1aの上下の開口を塞ぐ底部1b及び蓋部1cが設けられる(図3参照)。すなわち、ケーシング1は、外周壁1a、底部1b、及び蓋部1cにより構成されている。
【0019】
前記外周壁1a内の中央には、円環状のリング部2が設けられている。このリング部2は、前記外周壁1aよりも小径に設けられており、前記外周壁1aと同軸に配置されている。このリング部2の上部には、例えば圧電素子等からなるリング状の気体ポンプ3が設けられる。なお図示はしないが、気体ポンプ3がリング部2に取り付けられた後に前記蓋部1cが設けられる。すなわち、気体ポンプ3は、ケーシング1内に設けられる。気体ポンプ3の直径は、リング部2の直径と同じである。また、前記リング部2には、前記リング部2の周方向に互いに90°ずれて配置された複数の吸排気孔2aが設けられており、この吸排気孔2aは、前記リング部2の内外を連通している。
【0020】
前記外周壁1aと前記リング部2との間には、前記リング部2の周方向に関して前記吸排気孔2aと同位置に配置された複数の第1通風路4aが設けられている。これら第1通風路4a間には、全体として扇形の第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4が配置されている。すなわち、これら第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4は、前記リング部2の周方向に関して互いに90°ずらして配置されるとともに、第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4の中心軸は、前記リング部2の周方向に関して前記吸排気孔2aから45°ずらされている。なお、第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4の中心軸は、前記リング部2の中心Oと、後に説明するノズル孔5とを結ぶ直線に沿う軸である。
【0021】
前記各検出ブロックDB1〜DB4と前記外周壁1aとの間には輪状の第2通風路4bが設けられているおり、前記各検出ブロックDB1〜DB4の外周側にはノズル孔5が設けられている。また、前記各検出ブロックDB1〜DB4内には空間部6が設けられており、この空間部6は、前記ノズル孔5によって前記第2通風路4bと連通されている。また、前記各検出ブロックDB1〜DB4と前記リング部2との間には、前記空間部6と前記第1通風路4aとに連通された排気通路7が設けられている。なお、後に図示するが、ノズル孔5は、前記リング部2の中心軸に沿う各検出ブロックDB1〜DB4の上下方向に関して、上側にのみ設けられている(図3参照)。
【0022】
ここで、外周壁1a、底部1b(図3参照)、リング部2、及び第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4は、シリコンウエハーをMEMS技術で加工して形成されたものであり、互いに一体に設けられている。つまり、前記第2通風路4bは円柱状のシリコンウエハーの外周側に設けられた大径の溝であり、前記排気通路7は前記シリコンウエハーの内周側に設けられた小径の溝である。また、前記リング部2は、該リング部2の内側と前記第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4の内径側とを隔てる円弧状の隔壁であり、前記第1通風路4aは、前記吸排気孔2aが前記シリコンウエハーの径方向に沿って前記第2通風路4bまで延長された直線状の溝である。蓋部1c(図3参照)は、例えばOリング等のシール部材を介して前記外周壁1aに取り付けられる。なお、前述の外周壁1a等は、シリコンウエハーから形成されると説明したが、例えば樹脂等の他の素材で形成してもよい。
【0023】
前記ケーシング1内にはガスが封入されており、前記気体ポンプ3の動作により、前記ケーシング1内のガスが、前記吸排気孔2aから前記リング部2内に吸入されるとともに、前記吸排気孔2aから前記リング部2外にガス流9として排出される。前記第1通風路4aは前記排気通路7よりも広い幅を有しており、前記ガス流9は前記第1通風路4aを通って前記外周壁1a側まで案内される。また、ガス流9は、前記第2通風路4bを通って前記ノズル孔5まで案内されるとともに、前記ノズル孔5を通って前記第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4の前記空間部6内に流入される。さらに、ガス流9は、前記空間部6を通過した後に、前記排気通路7を通って前記第1通風路4aまで案内される。
【0024】
前記各検出ブロックDB1〜DB4の空間部6には、検出手段8が設けられている。この検出手段8は、前記ガス流9の偏向を検出することで、ケーシング1に加わったX,Y,Z軸の角速度ωx,ωy,ωzを検出するものである。但し、この実施の形態では、前記リング部2の中心軸をX軸と呼び、第2及び第4検出ブロックDB2,DB4のノズル孔5と前記リング部2の中心Oを通る直線をY軸と呼び、第1及び第3検出ブロックDB1,DB3のノズル孔5と前記リング部2の中心Oを通る直線をZ軸と呼ぶ。
【0025】
前記検出手段8は、第1及び第2X軸ホットワイヤHX1,HX2と、第1及び第2Y軸ホットワイヤHY1,HY2と、第1及び第2Z軸ホットワイヤHZ1,HZ2とから構成されている。
【0026】
第1及び第2X軸ホットワイヤHX1,HX2は、各検出ブロックDB1〜DB4の空間部6に各々設けられたU字状の熱線であり、各空間部6で前記Y軸又はZ軸を挟むように前記Y軸又はZ軸の両側に分けて配置されている。
【0027】
第1及び第2Y軸ホットワイヤHY1,HY2は、互いに対向する前記第1及び第3検出ブロックDB1,DB3の空間部6に分けて設けられた直線状の熱線であり、前記X軸に沿う前記第1及び第3検出ブロックDB1,DB3の上下方向に関して互いに同じ側に配置されている。
【0028】
第1及び第2Z軸ホットワイヤHZ1,HZ2は、互いに対向する前記第2及び第4検出ブロックDB2,DB4の空間部6に分けて設けられた直線状の熱線であり、前記X軸に沿う前記第2及び第4検出ブロックDB2,DB4の上下方向に関して互いに同じ側に配置されている。この実施の形態1では、第1及び第2Y軸ホットワイヤHY1,HY2と、第1及び第2Z軸ホットワイヤHZ1,HZ2とは、各検出ブロックDB1〜DB4の上側に配置されている。
【0029】
次に、図2は、図1の第1検出ブロックDB1を示す平面図であり、X軸周りのガス流9の偏向を示している。図において実線で示すように、ガス流9は、X軸周りの角速度ωxがケーシング1に加わっていない場合に、ノズル孔5から真っ直ぐに吹き出る。このとき、ガス流9による第1及び第2X軸ホットワイヤHX1,HX2の冷却は、互いに同程度である。これに対して、前記角速度ωxがケーシング1に加わった場合には、ガス流9は、破線で示すように第1及び第2X軸ホットワイヤHX1,HX2のいずれか一方に向けて偏向する。すなわち、ケーシング1に前記角速度ωxが加わった場合には、ガス流9による第1及び第2X軸ホットワイヤHX1,HX2の冷却に不均衡が生じ、第1及び第2X軸ホットワイヤHX1,HX2の抵抗値に差が生じる。この抵抗値の差が周知のようにブリッジ回路等により検出されて、前記角速度ωxの大きさが検出される。
【0030】
なお、この角速度ωxによるガス流9の偏向は、第1検出ブロックDB1に限らず、その他の検出ブロックDB2〜DB4でも同様に発生する。すなわち、この実施の形態1では、すべての検出ブロックDB1〜DB4に第1及び第2X軸ホットワイヤHX1,HX2を設けると説明しているが、第1及び第2X軸ホットワイヤは少なくとも1つの検出ブロックに設けられていればよい。
【0031】
次に、図3は、図2の第1検出ブロックDB1の断面図であり、Y軸周りのガス流9の偏向を示している。図において、ノズル孔5は、第1検出ブロックDB1の上側にのみ設けられている。この第1検出ブロックDB1では、ガス流9は、実線で示すように、Y軸周りの角速度ωyがケーシング1に加わっていないとき、及びY軸に沿う時計回りの角速度ωyがケーシング1に加わったときに、第1検出ブロックDB1の上側を進む。これに対して、ガス流9は、破線で示すように、Y軸に沿う反時計回りの角速度ωyがケーシング1に加わったときに、第1検出ブロックDB1の下側に偏向する。
【0032】
一方、前記第1検出ブロックDB1に対向する第3検出ブロックDB3では、角速度ωyがガス流9に逆向きに作用する。すなわち、図示はしないが、第3検出ブロックDB3では、ガス流9は、Y軸周りの角速度ωyがケーシング1に加わっていないとき、及びY軸に沿う反時計回りの角速度ωyがケーシング1に加わったときに、第3検出ブロックDB3の上側を進む。また、第3検出ブロックDB3では、ガス流9は、Y軸に沿う時計回りの角速度ωyがケーシング1に加わったときに、第3検出ブロックDB3の下側に偏向する。
【0033】
すなわち、ケーシング1に前記角速度ωyが加わった場合には、ガス流9による第1及び第2Y軸ホットワイヤHY1,HY2の冷却に不均衡が生じ、第1及び第2Y軸ホットワイヤHY1,HY2の抵抗値に差が生じる。この抵抗値の差がブリッジ回路等により検出されて、前記角速度ωyの大きさが検出される。
【0034】
なお、Z軸周りの角速度ωzによるガス流9の偏向は、このY軸周りの角速度ωyによるガス流9の偏向と同様である。すなわち、ケーシング1に前記角速度ωzが加わった場合に、ガス流9による第1及び第2Z軸ホットワイヤHZ1,HZ2の冷却に不均衡が生じ、第1及び第2Z軸ホットワイヤHZ1,HZ2の抵抗値に差が生じる。この抵抗値の差がブリッジ回路等により検出されて、前記角速度ωzの大きさが検出される。
【0035】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2による3軸ガスレートジャイロの要部の断面図である。なお、実施の形態1の3軸ガスレートジャイロと同一又は同等部分については同一の符号を用いて説明する。実施の形態1では、第1及び第2Y軸ホットワイヤHY1,HY2は、互いに対向する第1及び第3検出ブロックDB1,DB3に分けて設けられると説明したが、図4に示すように、第1及び第2Y軸ホットワイヤHY1,HY2を前記第1検出ブロックDB1の空間部6にまとめて設けてもよい。この場合、第1及び第2Y軸ホットワイヤHY1,HY2は、前記第1検出ブロックDB1の上下に分けて配置される。これにより、実施の形態1と同様に、Y軸に沿う角速度ωyを検出することができる。この場合、第1及び第2Y軸ホットワイヤHY1,HY2と同様に、第3検出ブロックDB3に第3及び第4ホットワイヤHY3,HY4を設けてもよい。これら第3及び第4ホットワイヤHY3,HY4を設けることで、冗長系を構成でき、角速度検出の信頼性を向上できる。
【0036】
同様に、第1及び第2Z軸ホットワイヤHZ1,HZ2を前記第2検出ブロックDB2の空間部6にまとめて設けてもよい。また、第3及び第4Z軸ホットワイヤHZ3,HZ4を前記第4検出ブロックDB4の空間部6にさらに設けてもよい。これにより、実施の形態1と同様に、Z軸に沿う角速度ωzを検出することができるとともに、冗長系を構成できる。
【0037】
従って、実施の形態2での検出手段8は、前記第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4の少なくとも1つの空間部6に設けられるとともに、該第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4の前記ノズル孔5と前記リング部2の中心Oとを通る直線の両側に分けて配置された第1及び第2X軸ホットワイヤHX1,HX2と、前記第1検出ブロックDB1の空間部6に設けられるとともに、前記リング部2の中心軸に沿う前記第1検出ブロックDB1の上下に分けて配置された第1及び第2Y軸ホットワイヤHY1,HY2と、前記第1検出ブロックDB1に対して90°ずれた前記第2検出ブロックDB2の空間部6に設けられるとともに、前記リング部2の中心軸に沿う前記第2検出ブロックDB2の上下に分けて配置された第1及び第2Z軸ホットワイヤHZ1,HZ2とを有しており、
前記第1検出ブロックDB1に対向する前記第3検出ブロックDB3の空間部6に設けられるとともに、前記リング部2の中心軸に沿う前記第3検出ブロックDB3の上下に分けて配置された第3及び第4Y軸ホットワイヤHY3,HY4と、前記第2検出ブロックDB2に対向する前記第4検出ブロックDB4の空間部6に設けられるとともに、前記リング部2の中心軸に沿う前記第4検出ブロックDB4の上下に分けて配置された第3及び第4Z軸ホットワイヤHZ3,HZ4とをさらに有している。
【0038】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3による3軸ガスレートジャイロの要部の断面図である。なお、実施の形態1の3軸ガスレートジャイロと同一又は同等部分については同一の符号を用いて説明する。実施の形態1では、ノズル孔5は、各検出ブロックDB1〜DB4の上部に設けられるように説明したが、この実施の形態3では、ノズル孔5は、各検出ブロックDB1〜DB4の高さ方向の中間位置に設けられている。
【0039】
図において、ケーシング1にY軸周りの角速度ωyが加わっていないときには、ガス流9の中心は、実線で示すように、第1検出ブロックDB1の高さ方向の中間位置を進む。一方、Y軸に沿う時計回りの角速度ωyがケーシング1に加わると、ガス流9は、破線で示すように、第1検出ブロックDB1の上側に偏向する。すなわち、Y軸に沿う時計回りの角速度ωyがケーシング1に加わったときにのみ、第1Y軸ホットワイヤHY1が前記ガス流9の中心で冷却される。ガス流9の挙動は、実施の形態1で説明したように偏向が発生する角速度の向きに違いは有るものの、他の検出ブロックDB2〜DB4においても同様である。その他の構成は、実施の形態1の構成と同様である。
【0040】
このような3軸ガスレートジャイロでは、ノズル孔5が各検出ブロックDB1〜DB4の高さ方向の中間位置に設けられているので、検出部8にガス流9を偏ることなく均等に供給でき、角速度検出の信頼性を向上できる。また、定常時(ケーシング1に角速度が加わっていないとき)に、各ホットワイヤHX1,HX2,HY1〜HY4,HZ1〜HZ4からガス流9の中心を逸らすことができ、消費電力を低減できる。
【0041】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4による3軸ガスレートジャイロの要部の断面図である。なお、実施の形態1の3軸ガスレートジャイロと同一又は同等部分については同一の符号を用いて説明する。実施の形態1では、ノズル孔5は、各検出ブロックDB1〜DB4の高さ方向の一部(上部又は中間位置)に設けられるように説明したが、この実施の形態4では、図6に示すように、ノズル孔5は、各検出ブロックDB1〜DB4の上部から下部まで高さ方向に沿って延在されている。すなわち、この実施の形態4におけるノズル孔5は、各検出ブロックDB1〜DB4の高さ方向に沿って延びるスリット孔である。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0042】
このような3軸ガスレートジャイロでは、ノズル孔5が各検出ブロックDB1〜DB4の上部から下部まで高さ方向に沿って延在されているので、ノズル孔5を形成する加工を容易にすることができ、コストを低減できる。
【0043】
実施の形態5.
図7は、本発明の実施の形態5による3軸ガスレートジャイロを示す斜視図であり、図8は、図7のケーシング1の一部を切り欠いて示す斜視図である。なお、図8では各ホットワイヤHX1,HX2,HY1〜HY4,HZ1〜HZ4の図示は省略されている。また、実施の形態1の3軸ガスレートジャイロと同一又は同等部分については同一の符号を用いて説明する。
実施の形態1では、気体ポンプ3の直径は前記リング部2の直径と同じであると説明したが、この実施の形態5では、気体ポンプ3の直径は前記外周壁1aの直径と同じである。すなわち、この実施の形態5では、円板状の気体ポンプ3が、前記外周壁1aの内側(前記ケーシング1の内部)全体を覆うように、前記リング部2の上部に設けられている。円板状の気体ポンプ3が前記外周壁1aの内側全体を覆うように設けられる場合、前記気体ポンプ3は前記蓋部1cを兼ねてもよい。
【0044】
また、実施の形態1では、第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4、第1通風路4a、第2通風路4b、及び排気通路7は、上部開口状の凹部として設けられていたが(図1参照)、この実施の形態では、第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4、第1通風路4a、第2通風路4b、及び排気通路7は、部屋状に設けられている。すなわち、ケーシング1には、第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4、第1通風路4a、第2通風路4b、及び排気通路7の上方を覆うカバー部15が設けられており(特に図8参照)、これら第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4、第1通風路4a、第2通風路4b、及び排気通路7は、前記リング部2の上部開口2bを通してのみ外部に連通されている。換言すると、前記気体ポンプ3が発生する圧力は、前記上部開口2bを通してのみ前記第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4等に伝えられる。なお、第3検出ブロックDB3内に示されている曲線は、Z軸に沿うガス流9の速度分布を示している。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0045】
ここで、ガス流9の流速を大きくするためには、気体ポンプ3の直径を大きくする必要がある。実施の形態1の構成では、気体ポンプ3の直径を大きくすると前記リング部2の直径も大きくする必要があり、ジャイロ全体としての小型化に制限がある。
これに対して、実施の形態5のような3軸ガスレートジャイロでは、第1〜第4検出ブロックDB1〜DB4、第1通風路4a、第2通風路4b、及び排気通路7の上部がカバー部15によって覆われるとともに、気体ポンプ3が、前記外周壁1aの内側全体を覆うように前記リング部2の上部に設けられているので、リング部の大きさを気体ポンプの大きさに合わせる必要性を無くすことができる。これにより、前記リング部2の直径を小さくでき、ガスレートジャイロ全体としての大きさを小さくできる。
【0046】
なお、実施の形態5(図7及び図8)では、ノズル孔5は、各検出ブロックDB1〜DB4の高さ方向の中間位置に設けられるように説明しているが、ノズル孔は、各検出ブロックの上部のみに設けられていてもよく、各検出ブロックの上部から下部まで高さ方向に沿って延在されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1によるガスレートジャイロを示す分解斜視図である。
【図2】図1の第1検出ブロックを示す平面図である。
【図3】図2の第1検出ブロックの断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2による3軸ガスレートジャイロの要部の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3による3軸ガスレートジャイロの要部の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態4による3軸ガスレートジャイロの要部の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態5による3軸ガスレートジャイロを示す斜視図である。
【図8】図7のケーシング1の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図9】従来のガスレートジャイロを示す構成図である。
【図10】図9の検出手段を拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ケーシング
1a 外周壁
1b 底部
1c 蓋部
2 リング部
2a 吸排気孔
3 気体ポンプ
4a 第1通風路
4b 第2通風路
5 ノズル孔
6 空間部
7 排気通路
8 検出手段
9 ガス流
15 カバー部
DB1〜DB4 第1〜第4検出ブロック
HX1,HX2 第1及び第2X軸ホットワイヤ
HY1〜HY4 第1〜第4Y軸ホットワイヤ
HZ1〜HZ4 第1〜第4Z軸ホットワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周壁(1a)、底部(1b)、及び蓋部(1c)により構成されたケーシング(1)と、
前記外周壁(1a)よりも小径に設けられるとともに、前記ケーシング(1)の内部で前記外周壁(1a)と同軸に配置された環状のリング部(2)と、
前記リング部(2)に設けられるとともに、前記リング部(2)の周方向に互いに90°ずれて配置され、前記リング部(2)の内外を連通する複数の吸排気孔(2a)と、
前記ケーシング(1)内で前記リング部(2)の上部に設けられた気体ポンプ(3)と、
前記外周壁(1a)と前記リング部(2)との間に設けられるとともに、前記リング部(2)の周方向に関して前記吸排気孔(2a)と同位置に配置された複数の第1通風路(4a)と、
前記各第1通風路(4a)間に設けられるとともに、前記リング部(2)の周方向に互いに90°ずれて配置された第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)と、
前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)と前記外周壁(1a)との間に設けられた輪状の第2通風路(4b)と、
前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の前記外周壁(1a)側に設けられたノズル孔(5)と、
前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)内に設けられ、前記ノズル孔(5)により前記第2通風路(4b)に連通された空間部(6)と、
前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の前記空間部(6)と前記リング部(2)との間に設けられ、前記空間部(6)と前記第1通風路(4a)とを連通する排気通路(7)と、
前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の前記空間部(6)に設けられた検出手段(8)と
を備え、
前記気体ポンプ(3)の動作により、前記ケーシング(1)内のガスが、前記吸排気孔(2a)から前記リング部(2)内に吸入されるとともに、前記吸排気孔(2a)から前記リング部(2)外にガス流(9)として排出され、
前記ガス流(9)が、前記第1通風路(4a)を通って前記外周壁(1a)側まで案内されるとともに、前記第2通風路(4b)及び前記ノズル孔(5)を通って前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の前記空間部(6)内に流入され、
前記ガス流(9)の偏向を前記検出手段(8)により検出し、前記ケーシング(1)に加わった互いに直交する3軸の角速度(ωx,ωy,ωz)を検出するように構成されていることを特徴とするガスレートジャイロ。
【請求項2】
前記検出手段(8)は、
前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の少なくとも1つの空間部(6)に設けられるとともに、該第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の前記ノズル孔(5)と前記リング部(2)の中心(O)とを通る直線の両側に分けて配置された第1及び第2X軸ホットワイヤ(HX1,HX2)と、
互いに対向する前記第1及び第3検出ブロック(DB1,DB3)の空間部(6)に分けて設けられるとともに、前記リング部(2)の中心軸に沿う前記第1及び第3検出ブロック(DB1,DB3)の上下方向に関して、互いに同じ側に配置された第1及び第2Y軸ホットワイヤ(HY1,HY2)と、
互いに対向する前記第2及び第4検出ブロック(DB2,DB4)の空間部(6)に分けて設けられるとともに、前記リング部(2)の中心軸に沿う前記第2及び第4検出ブロック(DB2,DB4)の上下方向に関して、互いに同じ側に配置された第1及び第2Z軸ホットワイヤ(HZ1,HZ2)とを有していることを特徴とする請求項1記載のガスレートジャイロ。
【請求項3】
前記検出手段(8)は、
前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の少なくとも1つの空間部(6)に設けられるとともに、該第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の前記ノズル孔(5)と前記リング部(2)の中心(O)とを通る直線の両側に分けて配置された第1及び第2X軸ホットワイヤ(HX1,HX2)と、
前記第1検出ブロック(DB1)の空間部(6)に設けられるとともに、前記リング部(2)の中心軸に沿う前記第1検出ブロック(DB1)の上下に分けて配置された第1及び第2Y軸ホットワイヤ(HY1,HY2)と、
前記第1検出ブロック(DB1)に対して90°ずれた前記第2検出ブロック(DB2)の空間部(6)に設けられるとともに、前記リング部(2)の中心軸に沿う前記第2検出ブロック(DB2)の上下に分けて配置された第1及び第2Z軸ホットワイヤ(HZ1,HZ2)とを有していることを特徴とする請求項1記載のガスレートジャイロ。
【請求項4】
前記検出手段(8)は、
前記第1検出ブロック(DB1)に対向する前記第3検出ブロック(DB3)の空間部(6)に設けられるとともに、前記リング部(2)の中心軸に沿う前記第3検出ブロック(DB3)の上下に分けて配置された第3及び第4Y軸ホットワイヤ(HY3,HY4)と、
前記第2検出ブロック(DB2)に対向する前記第4検出ブロック(DB4)の空間部(6)に設けられるとともに、前記リング部(2)の中心軸に沿う前記第4検出ブロック(DB4)の上下に分けて配置された第3及び第4Z軸ホットワイヤ(HZ3,HZ4)とをさらに有していることを特徴とする請求項3記載のガスレートジャイロ。
【請求項5】
前記ノズル孔(5)は、前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の上部に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のガスレートジャイロ。
【請求項6】
前記ノズル孔(5)は、前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の高さ方向の中間位置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のガスレートジャイロ。
【請求項7】
前記ノズル孔(5)は、前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)の上部から下部まで前記高さ方向に沿って延在されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のガスレートジャイロ。
【請求項8】
前記ケーシング(1)には、前記第1〜第4検出ブロック(DB1〜DB4)、前記第1通風路(4a)、前記第2通風路(4b)、及び前記排気通路(7)の上方を覆うカバー部(15)が設けられており、
前記気体ポンプ(3)は、前記外周壁(1a)の内側全体を覆うように、前記リング部(2)の上部に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のガスレートジャイロ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−38817(P2010−38817A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204156(P2008−204156)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)