説明

ガス・イオン化センサ

コロナ、グロー、アーク又はそれらと類似の電気的放電(25)のための電力を与える、AC又はDC電圧(21)に接続可能な電極(11,12)を有するセンサ(10)。分析電圧に接続可能な追加の電極(13,14)が、放電を提供する電極(11,12)に近接している。放電(25)は、電極(11,12,13,14)が位置するチャネル(17)を通って流れ、化学的組成が変化するサンプル流体をイオン化する。放電は、粒子フィルタ、ガス・クロマトグラフ(GC)セパレータ、熱伝導度検出器(TCD)、光センサ、及び光イオン化検出器(PID)から、追加のマイクロ放電デバイス(MDD)、及び質量分光器、及び/又は流体組成についての結果及び情報を得るために分析及び処理を行うプロセッサへ流れる流体を検知する1群のセンサの一部で行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年1月15日に出願され、発明の名称が「フェーズドIIIセンサ(PHASED−III SENSOR)」である同時係属中の米国仮特許出願No.60/440,108についての優先権を、米国特許法35U.S.C.§119(e)(1)の下で主張するものであり、この文献を本明細書に援用する。本出願はまた、2003年9月4日に出願され、発明の名称が「フェーズドV、VIセンサ・システム(PHASED V, VI SENSOR SYSTEM)」である同時係属中の米国仮特許出願No.60/500,821についての優先権を、米国特許法35U.S.C.§119(e)(1)の下で主張するものであり、この文献を本明細書に援用する。本出願は、2003年9月26日に出願され、発明の名称が「フェーズド・マイクロ分析器V、VI(PHASED MICRO ANALYZER V, VI)」である同時係属中の仮出願ではない米国特許出願No.10/672,483についての一部継続として優先権を主張するものであり、その米国特許出願No.10/672,483は、2002年9月27日に出願された米国仮特許出願No.60/414,211の利益を主張するものであり、同時係属中の米国特許出願No.10/672,483を本明細書に援用する。本発明は、2003年9月26日に出願され、発明の名称が「フェーズド・マイクロ分析器III、IIIA(PHASED MICRO ANALYZER III, IIIA)」である同時係属中の仮出願ではない米国特許出願No.10/671,930についての一部継続として優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は流体の検出に関する。特に、本発明は、イオン化構造に関し、より詳細には、流体の成分の識別及び定量化のためのセンサとして上記構造を適用することに関する。用語「流体」は、気体及び液体を種として含む総称的な用語として用いられる。例えば、空気、ガス、水及び油は、流体である。
【背景技術】
【0003】
流体分析器に関連した構造及びプロセスの態様が、2002年5月28日にUlrich Bonneその他に対して発行され、発明の名称が「感度を増大するフェーズド・ヒータを有するガス・センサ(Gas Sensors with Phased Heaters for Increased Sensitivity)」である米国特許No.6,393,894に開示されており、この文献を本明細書に援用する。また、流体分析器に関連した構造及びプロセスの態様は、2001年10月30日にUlrich Bonneその他に対して発行され、発明の名称が「自己正規化フロー・センサ及びそのセンサのための方法(Self−Normalizing Flow Sensor and Method for the Same)」である米国特許No.6,308,553 B1に開示されており、この文献を本明細書に援用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在入手可能な気体成分分析器は、選択性があり感度が高いが、未知の成分を有するサンプル・ガス混合物の成分(1または複数)を識別する能力に欠けており、また、一般的に寸法が大きくてコストが高い。最新の技術の組み合わせ分析器GC−GC及びGC−MS(ガス・クロマトグラフ−質量分析器)は、望ましい選択性、感度及び明晰さを組み合わせたものに近づいているが、まだ寸法が大きく、コストが高く、遅く、そしてバッテリ給電される応用には不適当である。GC−AED(ガス・クロマトグラフ−原子放出検出器(gas chromatograph−atomic emission detector)においては、AED単独で100ワットより多い電力を用い、そのマイクロ波放電を冷却するために水を用い、そして、コストが高い。
【0005】
マイクロ・ガス・クロマトグラフィ(μGC)検出器は、応答が速くて(<1ミリ秒)感度が高いものとされているが、特定の化合物に対しての選択性がなく、簡素な構成で無く、低コストで無く、コンパクトで無く、低パワー(〜mW)でも無い。現在入手可能な又は考えられるμGC検出器は、例えば、熱伝導度センサのような非常に高い感度(分析物の10から100ppm以上)では無いか、又は、例えば、蛍光検出器や電子捕獲型検出器のように特定の化合物に対して選択が限定され過ぎているか、又は、例えば、約600ドル、3000ドル及びそれより上といった多くのGC検出器の2003年の典型的な価格のように低コストで無いか、又は、スペクトル分析を介してマイクロ放電装置(MDD)を監視するときに、汚れた光学系に起因してドリフトを生じがちであるか、又は、前述のように、AEDのように低電力で無いかの何れかである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この検出器システムは、光イオン化検出器(PID)の感度(下は10ppb)、TCD、PID及びプラズマ・マイクロ放電装置(MDD)の非限定性、低電力消費(mW)、短い応答時間(<1ミリ秒)、及び簡素で低コストの設計を組み合わせ、それにより、複雑な設計や光検出器のマイクロ処理の必要性無しで、MEMS共平面製作及びμGC部品との統合を可能にし、なおも堅牢性及び信頼性を提供することにより、高温において動作することを可能にし、また、光学系エレメントの汚損に対して比較的高い不感受性を有するようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の本質は、例えば、GC又はμGCの出口で生じるサンプル・ガス・ストリームのガス組成の変化の検出のために、グロー放電プラズマにおいて発生された電荷キャリヤと、放電のUVスペクトル放出の光電効果により更に発生された電荷キャリヤとの両方を利用することにある。
【0008】
この検出器は、前に提案又は提供された気体組成検知デバイスを越えた次の利点を有する。この検出器は、前に考慮された他のデバイスや手法よりも、望ましい検出器属性(低電力、高速度、堅牢、高信頼性、コンパクトさ、PHASEDのようなMEMSデバイスとの統合化の可能性、簡素で低コストの設計、ドリフト傾向のある光学コンポーネントが不要)の有利な組み合わせを有する。更に、この検出器は、管状放電デバイスに基づく設計よりも、共平面で簡素で低コストの設計である。この検出器は、AEDのような従来のGC放電検出器よりも消費するエネルギが少なく、そして、光検出器、TCD又は炎イオン化検出器(FID)を含む他のデバイスよりも温度変化に対する耐性が高い。FID用にHが必要であるのとは異なり、Hのような検出器ガス貯蔵タンクは、この検出器に対しては必要でない。また、10から12eVのUV窓を必要としない。なぜなら、ソース及びイオン化試験気体が、共に近接しているか、又は、特にUV透過型放電ガス(UV−transmissive discharge gas)の小さい流れが与えられる場合には、層構造が保証されることにより、窓なしで分離された状態に保たれる。
【0009】
このMDDイオン化の組み合わせは、マクロ放電デバイスよりも、(再放電の古いプラズマ・ガスより、)放電の高電力密度(イリノイ大学によれば10−10W/cm)と、短いパージ時定数、従って、新しい通過するガスのピークに対する短い応答と、それらの組成に対する大きい感度とを可能にする。本デバイスは、管状構造の放電デバイス(例えば、オゾン発生器の放電デバイスのようなもの)よりも製造し易い。また、自己発生される酸化物コーティングを有するイオン化電極材料を有利に使用でき得る。
【0010】
図1A及び図1Bは、例えば、ガス・クロマトグラフ(GC)のための、矩形フロー・チャネルの中の空洞カソード放電プラズマ及び光イオン化検出器を示す。これらの図は、GCのような分析器システムのためのプラズマ−光イオン化検出器10を表す。それは、プラズマ・グロー放電25を与える放電電極11及び12を有するマイクロ放電装置(MDD)10である。電源21は、動作電圧より高い電圧、例えば、100から800VACを与え得るものであり、その動作電圧より高い電圧は、放電25の点火又は開始のため必要とされ得るものであり、そして、放電25の開始後の放電電極11及び12に対する電圧及びその電流は、それぞれ、負荷抵抗18により低下され制限されて、散逸電力を0.01から1mWという低い範囲として(約100VACで)放電装置10を動作させる。その動作は、電極11と12との間で約20kHzから20MHzの周波数で起こる容量性放電(capasitive discharge)を含む。電極12は、低い導電率のシリコン・チップ基板材料15を含み得る。イオン化電流(ionization current)は、60VDC未満の電圧源22を有する比較的低電圧のDC回路を介して測定され得る。そのようなDC回路は、放電及び電流の測定の2つの回路間の干渉を最小にし得る。
【0011】
図2の装置は、電極12を、絶縁フィルム28(例えば、SiO、Si、MgO)の空洞を形成された範囲27の中に被着し、そのような絶縁誘電体を用いて電極を同様に覆うことを除いて、図1A及び図1Bの設計と類似の設計を用いている。両方の装置10及び20において、電極11、12、13、14、従って、それらへのリード線が、ウェーハ15及び16に配されることが注目され得る。電極11及び12は、底部ウェーハ15上にある。電極13及び14は、上部ウェーハに取り付けられる。装置10及び20の両方において、上部ウェーハ16は、サンプル・ガスの流れ29のための、分離カラムのガス・フロー・チャネル17を形成し、そして底部ウェーハ15は、PHASEDセンサの状況においては、カラム・ヒータを支持する。
【0012】
図3及び図4における装置30及び40は、共平面の電極構造を用いており、そこにおいて、検出器30の収集電極31、32及び放電電極33、34は、同じウェーハ又は基板、例えば、ウェーハ又は基板15に被着される。同様に、収集電極41、42及び放電電極43、44は、検出器40の同じウェーハ又は基板15に被着される。検出器30と40との間の寸法及び配置の相違は、上記の2つの回路(放電及びイオン化)間の高い電界(e−field)領域を最小にすること、及びイオン+電子の収集電極31、32のフィールドが、放電電極33と34との間のフィールドよりも低いことを保証することを含む。装置30の収集電極31、32の一方は、他方より小さい。装置40の収集電極41及び42は、ほぼ同じサイズでありる。装置30の放電電極33及び34は、装置40の電極43及び44よりも電極間の距離がおおきくとられ、より大きい放電が起きるようにする。
【0013】
フォト及びプラズマ・イオン化装置50は、マイクロ放電の高い電力密度(W/cm)及び輝度、即ち、マクロ放電装置のそれよりも高く維持しつつ、上記の装置10、20、30及び40の出力に比べてイオン+電子+光子の合計出力を増大させる。放電電極53及び54は、より大きく且つより強度の高い放電25を与えられるように、大きい電極対電極の範囲を得るために、かみ合ったプロング状(prong−like)又はフィンガ状(即ち、インターディジタル形状)の設計を有し得る。収集電極51及び52及び放電電極53及び54を、チャネル又はカラムの更に下流の位置に配置して、高いサンプル・ガスの流れ29(約100から200cm/s)においての収集を最適化することができる。共平面電極51、52、53及び54は、ヒータ・ウェーハ15上に配置され得る。
【0014】
図6A、図6B、図6C及び図6Dは、マクロ放電組立体である容量性グロー放電装置60を示す。それは、オゾン発生器に基づいている構成である。図6Aは、チャネル61の側面図であって、ガスの流れ29がチャネル61を通る状態を示している。チャネル61は、SiOを含む約2.54cm(1インチ)×2.54cm(1インチ)のチャネルである。チャネル61の中に放電装置60の側面が位置しており、この放電装置60は、図6Bの側面図に詳細に示されている。装置60は、約0.5mm(19.7ミル)の厚さを有し、Alを含む基板層62を有する。基板層62の裏側の一部の上には、Cuの層がある。層62の前側には層64があり、層64は、0.75mm×32mmの寸法を有する薄い電極である。電極64のかなりの部分の上には、電極カバー・フィルム65がある。電極カバー・フィルム65は、例えば、MgO、SiO又はSiを含み得る。フィルム65上には、放電領域66がある。領域66は、約20KHzで6.8kVの放電を維持できる。図6Cは装置60の軸方向の図であり、放電領域66が、前側にあり且つチャネル61の中に位置しているる。図6Dは、チャネル61の中に位置している装置60の上面図である。
【0015】
MDD10、20、30、40又は50の予期されるスペクトル出力は、キャリヤ・ガスとして通常の空気におけるN、O及びOH、及び他の分析物プラズマ反応の生成物を対象として含む。図6A、図6B、図6C及び図6Dに示されるマクロ放電組立体60を用いて得られ、「相対強度」対「波長」で示す図7、図8及び図9のそれぞれにおけるこれらの流体のスペクトルに注目することができる。サンプル流体29のイオン化センサは、スペクトル・センサ及び他のセンサの組の一部であり、これら全てのセンサは、特に、サンプル・ガスの組成が変わったときに、MDDの放電電流、放電により誘発された光イオン化、及びスペクトル放出の出力が同時に及び/又は相互に関連して検出されることができる場合に、流体中の対象とする分析物の検出及び定量化の信頼性を最大にするように適応させられる。
【0016】
図7は、バルーンからの純粋なNにおけるマクロ放電に関する。図8は、バルーンからの吐出された息におけるマクロ放電に関する。図9は、バルーンからの自動車の排気におけるマクロ放電に関する。図7から図9のデータは、キャビトン社(Caviton Inc.)により記録された。人は、247.2又は258.8±1.4nmでのNO放出の、及び336.9又は357.5±2nmでの基準Nの様々な波長に注目するであろう。OH、C及びCHの他の帯域は、炎光スペクトルから知られ得る。更に他のものが、NH、CO、SO及びそれらと類似のものの吸収率測定から知られ得る。CO、CO、CH、CnHm等のGCピークが抽出されると、より多くの「イオン+電子」及び異なるスペクトル放出帯域が発生される傾向にあり、その全てが、測定可能なイオン化電流の同時に起こる変化(一般的には増大)に寄与する。放電の中のガスの組成が時間につれて変化すると、ガス・クロマトグラフィ分析器から抽出する濃度ピークに従って、放電電流の測定可能な変化が存在し得る。
【0017】
本発明の幾つかの特徴は、共平面のMEMS MDD及びイオン化検知電極と、両方における高パワー密度(即ち、輝度及び高いUV及び「イオン+電子」出力)を達成するための互いにかみあわされた(インターディジタルの)MDDと、サンプル・ガスに対する感度の点で有利に働く、マイクロ放電の短い拡散距離(10から100マイクロメートル)に起因した短い滞留時間と、高い合計パワー及びイオン化信号及び早い応答とを含む。これらは、全て、共平面イオン化収集電極と共にある。速いガスの流れ(100から200cm/s)の中でイオンを最適に収集するために、イオン化収集電極の位置を下流に移すこともできる。DCイオン化収集電圧の印加は、電荷キャリヤ発生回路とその測定回路との間の最小の干渉のためなされ得る。
【0018】
ガス混合成分を間違って識別する確率Pを最小にするために、分析物の出来るだけ多くの独立した測定値を得ることが望ましい。GC−MS(MS=質量分析器)、GC−GC、及びGC−GC−MDDによる測定値が注目される。ポイントは、MDDのスペクトル放出を、イオン化電流の特徴と共に検知することにより、Pを低減する助けになる、ということである。そのような特徴とは、AC及びDCの測定値、電荷キャリヤの既知の発生に関係するイオン・ドリフト(即ち、イオン化電流)の位相遅れ、及び、炎光整流回路(flame rectification circuits)で実施されるような、似ていない電極の使用により可能とされる整流効果であり得る。
【0019】
1対の等しい電極と、イオン発生周波数に結びつけられている位相ロック増幅器とを用いてACイオン化収集電圧を印加して、イオン化の振幅及び位相シフトの測定を可能にでき、その測定値は、イオン・ドリフト分光器における場合のように、イオンのサイズ及び極性と関連する。他方、1対の等しくない電極と、イオン発生周波数に結びつけられている位相ロック増幅器とを用いてACイオン化収集電圧を印加して、イオン化の振幅、位相シフト及び整流の測定を可能にでき、その測定値は、イオンのサイズ及び極性をより良好に定量化し、更にPを低減し得る。
【0020】
差動イオン化(実際には電荷キャリヤ)収集回路を使用することができ、この回路では、定常状態の入力サンプル・ガスのイオン化は、分離したガス構成成分ピークを特徴とするGCから出るガスのイオン化と比較される。また、Pを低減するために、MDDスペクトル出力及びイオン化電流に加えて、印加された電圧及び周波数に対しての、MDDの電力及び/又は電流及び/又はイオン化の全てを検知することができる。
【0021】
このイオン化ガス検出器は、次の事項を含み得る。未知のガス混合サンプルのスペクトル放出を介したガス検知のための、プラズマ空洞カソード・マイクロ・グロー放電装置(MDD)を使用して、特に低いイオン化電位のガス混合成分(即ち、分析物)の、イオン及び電子の対及び追加の対を、光イオン化を介して発生することができる。また、MEMS MDDのために共平面電極(例えば、アルミナ上のPt厚膜)を使用することもできるが、その場合は追加の共平面イオン化検知電極を用いる。
【0022】
図10は、マイクロ・ガス装置115の或る詳細を表す。サンプル・ストリーム125は、パイプ又は管119から投入ポート134へ入る。排気からすすのようなごみを除去するため、およびマイクロ・ガス装置115に入ることになる流体125のストリームから他の粒子を除去するための、粒子フィルタ143がある。この除去は、装置115の保護のためであり、そして、そのフィルタリングは、流体125の組成を正確に分析する装置の能力を低減すべきでない。汚れた流体(懸濁物質や、液体の不揮発性粒子を有する)は、適正なセンサ機能を損ない得る。流体125の一部29は、差動熱伝導度検出器(TCD、又は化学センサ、又は光イオン化センサ/検出器(PID)、又は他のデバイス)227の第1の脚部を流れ、また、流体125の一部147は、管149を通ってポンプ151へ流れる。入り口29に隣接して「T」管を配置することにより、比較的高い流れ147のため、最小の時間遅れでサンプリングが達成され得、それによりフィルタ・パージ時間を短縮することを助ける。ポンプ151は、流体147が、粒子フィルタ143の出口から管149を通って流れてポンプ151から出るようにする。ポンプ153は、流体29がセンサを介して管157を通って流れるようにする。検出器227から、流体29は、イオナイザ224、フロー・センサ225、セパレータ226、及び検出器228(検出器227と同様のものであり得る)を通って、ポンプ153へ流れる。セパレータ226は、特に、サンプル流体29がガス混合物である場合に、サンプル流体29の個々のガス構成成分を分離するためのものである。図10におけるシステム115に関して、ポンプの数を追加又は減少させたり、様々な管や配管の構成又は形態とすることができる。検出器227及び228、フロー・センサ225、イオナイザ224、及びセパレータ226からのデータは、コントローラ230に送られて、流体29についての処理がなされ、分析及び結果が生成される。
【0023】
本発明を、少なくとも1つの例示的な実施形態に関して説明したが、当業者には、この明細書を読むと多くの変形例及び変更例が明らかになるであろう。従って、特許請求の範囲は、全てのそのような変形例及び変更例を含むように従来技術に鑑みて出来るかぎり広く解釈されるべきであることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1A及び図1Bは、矩形フロー・チャネルの中の空洞カソード放電プラズマ及び光イオン化検出器を示す。
【図2】図2は、空洞カソード「電極無し」AC放電プラズマ及び光イオン化検出器の図である。
【図3】図3は、共平面設計を有するイオン化検出器の電極レイアウトを示す。
【図4】図4は、別の共平面設計を有するイオン化検出器の電極レイアウトを示す。
【図5】図5は、プロング型又はインターディジタルの指型の共平面電極を有するイオン化検出器の図を示す。
【図6】図6A、図6B、図6C及び図6Dは、容量性放電デバイス又はACデバイスを示す。
【図7】図7は、バルーンからの純粋Nのマクロ放電に関する、マイクロ放電のスペクトル放出強度出力対波長を示す。
【図8】図8は、バルーンからの吐出された息のマクロ放電に関する、マイクロ放電のスペクトル放出強度出力対波長を示す。
【図9】図9は、バルーンからの自動車排気のマクロ放電に関する、マイクロ放電のスペクトル放出強度出力対波長を示す。
【図10】図10は、ガス・イオン化センサの上流に接続され得るマイクロ・ガス分析器システムを示す。
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン化センサであって、
第1の平面に位置した第1の電極と、
前記第1の平面に位置した第2の電極と、
第2の平面に位置した第3の電極と、
第3の平面に位置した第4の電極と
を備え、
前記第2の平面が、前記第1の平面とほぼ平行であり、
前記第1の電極及び前記第2の電極が、前記第3の電極及び前記第4の電極に近接している、
イオン化センサ。
【請求項2】
請求項1記載のイオン化センサであって、
前記第1の電極及び前記第2の電極が、第1の電源への接続のための第1の端子及び第2の端子を有し、
前記第3の電極及び前記第4の電極が、第2の電源への接続のための第1の端子及び第2の端子を有する、
イオン化センサ。
【請求項3】
請求項2記載のイオン化センサであって、前記第3の電極及び前記第4の電極が、電気的放電ギャップを形成する、イオン化センサ。
【請求項4】
請求項3記載のイオン化センサであって、前記第1の平面、前記第2の平面及び前記第3の平面が、ほぼ同じ平面にある、イオン化センサ。
【請求項5】
請求項3記載のイオン化センサであって、
前記第1の平面が、第1のウェーハの第1の表面に位置し、
前記第2の平面が、第2のウェーハの第2の表面に位置し、
前記第1のウェーハと前記第2のウェーハとが、流体の流れるチャネルを形成する、
イオン化センサ。
【請求項6】
イオン化センサであって、
ほぼ1つの平面に位置した第1の複数のプロングを有する第1の電極と、
ほぼ前記平面に位置し且つ前記第1の複数のプロングに近接して位置した第2の複数のプロングを有する第2の電極であって、前記第1の電極と前記第2の電極との間に複数の電気的放電ギャップを形成する、第2の電極と
を備えるイオン化センサ。
【請求項7】
請求項6記載のイオン化センサであって、チャネルを更に備え、前記チャネルが、前記第1の電極及び前記第2の電極を備える、イオン化センサ。
【請求項8】
請求項7記載のイオン化センサであって、前記チャネルが、流体の流れるチャネルである、イオン化センサ。
【請求項9】
請求項8記載のイオン化センサであって、前記複数の電気的放電ギャップに光学的に結合された分光器を更に備える、イオン化センサ。
【請求項10】
請求項9記載のイオン化センサであって、前記平面が、前記チャネルの流体の流れの方向にほぼ平行である、イオン化センサ。
【請求項11】
請求項9記載のイオン化センサであって、
ほぼ前記平面に位置し且つ前記第1の電極及び前記第2の電極に近接して位置した第3の電極と、
ほぼ前記平面に位置し且つ前記第1の電極及び前記第2の電極に近接して位置した第4の電極と、
を更に備えるイオン化センサ。
【請求項12】
請求項11記載のイオン化センサであって、
AC電圧供給手段が、前記第1の電極及び前記第2の電極に接続され、
DC電圧供給手段が、前記第3の電極及び前記第4の電極に接続される、
イオン化センサ。
【請求項13】
請求項12記載のイオン化センサであって、前記第1の電極及び前記第2の電極が、誘電性コーティングを有する、イオン化センサ。
【請求項14】
請求項13記載のイオン化センサであって、前記第3の電極及び前記第4の電極が、誘電性コーティングを有さない、イオン化センサ。
【請求項15】
請求項9記載のイオン化センサであって、前記分光器に接続されたプロセッサを更に備える、イオン化センサ。
【請求項16】
イオン化検知装置であって、
流体の流れを運ぶ手段と、
流体の流れを運ぶ前記手段に位置したイオン化電気的放電を提供する手段と、
を備えるイオン化検知装置。
【請求項17】
請求項16記載のイオン化検知装置であって、前記流体が気体である、イオン化検知装置。
【請求項18】
請求項17記載のイオン化検知装置であって、前記電気的放電の中の気体の組成が時間と共に変わるにつれて、可変の放電電流の測定を可能にする手段を更に備えるイオン化検知装置。
【請求項19】
請求項18記載のイオン化検知装置であって、前記電気的放電の中の気体の組成が、ガス・クロマトグラフィ分析器から抽出する濃度ピークに従って、時間とともに変わる、イオン化検知装置。
【請求項20】
請求項16記載のイオン化検知装置であって、前記チャネルに光学的に結合された分光器を更に備えるイオン化検知装置。
【請求項21】
請求項16記載のイオン化検知装置であって、前記流体が気体混合物である場合に、サンプリングされた前記流体の個々の気体成分を分離する手段を更に備えるイオン化検知装置。
【請求項22】
請求項21記載のイオン化検知装置であって、前記分離する手段に接続された熱伝導度を決定する手段を更に備えるイオン化検知装置。
【請求項23】
請求項22記載のイオン化検知装置であって、前記分離する手段に近接して位置し、流体の流れを決定する手段を更に備えるイオン化検知装置。
【請求項24】
イオン化を検知する方法であって、
流体の流れのためチャネルを設けるステップと、
前記チャネルの中にイオン化電気的放電を与えるステップと
を備える方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法であって、前記チャネルの中の光のスペクトル分析を提供するステップを更に備える方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法であって、偽陽性を最小限にとどめるために、前記チャネルの中の光のスペクトル分析を用いて複数回の測定を行うステップを備える方法。
【請求項27】
請求項25記載の方法であって、
前記チャネルの中の流れの検知を提供するステップと、
前記チャネルの近傍において熱伝導度の検出を提供するステップと
を更に備える方法
【請求項28】
請求項27記載の方法であって、前記チャネルにおいて分離することを提供するステップを更に備える方法。
【請求項29】
気体イオン化センサであって、
平面に位置した第1の電極と、
前記平面に位置した第2の電極と、
を備え、
前記第1の電極及び前記第2の電極が、放電電力電極であり、
前記第1の電極及び前記第2の電極が、放電電流検知電極である、
気体イオン化センサ。
【請求項30】
請求項29記載の気体イオン化センサであって、前記第1の電極及び前記第2の電極が、前記電極に近接した気体の中の分析物の存在及び変化を検知する、気体イオン化センサ。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−517220(P2007−517220A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547143(P2006−547143)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/042272
【国際公開番号】WO2005/066620
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】