説明

ガス化ガス生成システムおよびガス化ガス生成方法

【課題】特段の費用を要することなくガス化効率を向上することができるガス化ガス生成システムおよびガス化ガス生成方法を提供する。
【解決手段】流動媒体を流動層化するとともに、投入されたガス化原料を流動媒体が有する熱でガス化させてガス化ガスを生成するガス化炉4と、ガス化炉4から排出される流動媒体およびガス化原料の残渣が導かれ、流動媒体を加熱するとともにガス化原料の残渣を燃焼する燃焼炉2と、燃焼炉2における燃焼作用によってガス化原料の残渣から生成された灰を凝集して灰凝集触媒を生成する灰凝集触媒生成部13と、灰凝集触媒生成部13で生成された灰凝集触媒を燃焼炉2に導入する導入部14と、導入部14から燃焼炉2に導入された灰凝集触媒および燃焼炉2で加熱された流動媒体をガス化炉4に供給する供給部6と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動媒体を利用するガス化炉を備えたガス化ガス生成システムおよびガス化ガス生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、石油に代えて、石炭やバイオマス、タイヤチップ等のガス化原料をガス化してガス化ガスを生成する技術が開発されている。このようにして生成されたガス化ガスは、石炭ガス化複合発電(IGCC: Integrated coal Gasification Combined Cycle)といった効率的な発電システムや、水素の製造、合成燃料(合成石油)の製造、化学肥料(尿素)等の化学製品の製造等に利用されている。ガス化ガスの原料となるガス化原料のうち、特に石炭は、可採年数が150年程度と、石油の可採年数の3倍以上であり、また、石油と比較して埋蔵地が偏在していないため、長期に亘り安定供給が可能な天然資源として期待されている。
【0003】
上記のように、ガス化原料をガス化してガス化ガスを生成する方法として、例えば、特許文献1〜3に示されるものが知られている。これらのガス化ガス生成方法においては、例えば800℃以上の高温を有する砂等の流動媒体をガス化炉に供給するとともに、当該ガス化炉の下部から水蒸気、空気、酸素、二酸化炭素等のガス化剤を供給して流動層を形成する。そして、流動層が形成されたガス化炉に、ガス化原料を投入して流動加熱することにより、ガス化ガスを生成するようにしている。
【0004】
このとき、特許文献1〜3に示されるガス化ガス生成方法においては、ガス化原料とともに石灰石やドロマイトといった触媒をガス化炉に導入することで、ガス化効率を向上するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−40886号公報
【特許文献2】特開2010−222517号公報
【特許文献3】特開2011−26490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のガス化ガス生成方法によれば、ガス化炉に触媒を導入することにより、ガス化効率を向上することが可能となるが、その一方では、触媒の購入費用や搬送費用がかかってしまうという実態があり、ガス化ガスの生成にあたって一層の対費用効果向上が望まれている。
【0007】
本発明は、触媒の購入費用や搬送費用を要することなくガス化効率を向上することができるガス化ガス生成システムおよびガス化ガス生成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のガス化ガス生成システムは、流動媒体を流動層化するとともに、投入されたガス化原料を前記流動媒体が有する熱でガス化させてガス化ガスを生成するガス化炉と、前記ガス化炉から排出される流動媒体および前記ガス化原料の残渣が導かれ、前記流動媒体を加熱するとともに前記ガス化原料の残渣を燃焼する燃焼炉と、前記燃焼炉における燃焼作用によって前記ガス化原料の残渣から生成され、前記ガス化を促進する触媒を含む灰を凝集して灰凝集触媒を生成する灰凝集触媒生成部と、前記灰凝集触媒生成部で生成された灰凝集触媒を前記燃焼炉に導入する導入部と、前記導入部から前記燃焼炉に導入された灰凝集触媒および前記燃焼炉で加熱された前記流動媒体を前記ガス化炉に供給する供給部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のガス化ガス生成システムは、前記供給部が、前記燃焼炉から導かれる燃焼排ガスおよび前記ガス化原料の残渣から生成された灰と、前記流動媒体および前記灰凝集触媒とを分離するとともに、前記燃焼排ガスおよび前記灰を前記灰凝集触媒生成部に導き、前記流動媒体および前記灰凝集触媒を前記ガス化炉に供給する分離装置を備えてもよい。
【0010】
また、本発明のガス化ガス生成システムは、流動媒体を流動層化するとともに、投入されたガス化原料を前記流動媒体が有する熱でガス化させてガス化ガスを生成するガス化炉と、前記ガス化炉から排出される流動媒体および前記ガス化原料の残渣が導かれ、前記流動媒体を加熱するとともに前記ガス化原料の残渣を燃焼する燃焼炉と、前記燃焼炉で加熱された前記流動媒体を前記ガス化炉に供給する供給部と、前記燃焼炉における燃焼作用によって前記ガス化原料の残渣から生成され、前記ガス化を促進する触媒を含む灰を凝集して灰凝集触媒を生成する灰凝集触媒生成部と、前記灰凝集触媒生成部で生成された灰凝集触媒を前記ガス化炉に導入する導入部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明のガス化ガス生成システムは、前記ガス化炉に水蒸気を供給して前記流動媒体を流動層化する水蒸気供給手段をさらに備えてもよい。
【0012】
また、本発明のガス化ガス生成システムは、前記導入部が、前記灰凝集触媒の導入量を調整する調整手段を備えてもよい。
【0013】
また、本発明のガス化ガス生成方法は、ガス化炉において流動媒体を流動層化するとともに、投入されたガス化原料を前記流動媒体が有する熱でガス化させてガス化ガスを生成する工程と、燃焼炉において前記ガス化炉から排出される前記流動媒体を加熱するとともに前記ガス化原料の残渣を燃焼する工程と、前記燃焼炉における燃焼作用によって前記ガス化原料の残渣から生成され、前記ガス化を促進する触媒を含む灰を凝集して灰凝集触媒を生成する工程と、生成された灰凝集触媒を前記燃焼炉に導入する工程と、前記燃焼炉に導入された灰凝集触媒および前記燃焼炉で加熱された前記流動媒体を前記ガス化炉に供給する工程と、を含む。
【0014】
また、本発明のガス化ガス生成方法は、ガス化炉において流動媒体を流動層化するとともに、投入されたガス化原料を前記流動媒体が有する熱でガス化させてガス化ガスを生成する工程と、燃焼炉において前記ガス化炉から排出される前記流動媒体を加熱するとともに前記ガス化原料の残渣を燃焼する工程と、前記燃焼炉で加熱された前記流動媒体を前記ガス化炉に供給する工程と、前記燃焼炉における燃焼作用によって前記ガス化原料の残渣から生成され、前記ガス化を促進する触媒を含む灰を凝集して灰凝集触媒を生成する工程と、生成された灰凝集触媒を前記ガス化炉に導入する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ガス化原料の残渣から生成される灰凝集触媒がガス化炉に循環して導入されるので、触媒の購入費用や搬送費用等を要することなくガス化効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態にかかるガス化ガス生成システムの具体的な構成を説明するための説明図である。
【図2】第2実施形態にかかるガス化ガス生成システムの具体的な構成を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0018】
図1は、第1実施形態にかかるガス化ガス生成システム1の具体的な構成を説明するための説明図である。ガス化ガス生成システム1では、全体として、粒径が300μm程度の硅砂(珪砂)等の砂で構成される流動媒体を熱媒体として循環させている。具体的には、まず、流動媒体は、燃焼炉2で1000℃程度に加熱され、燃焼排ガスと共に媒体分離装置3(分離装置)に導入される。媒体分離装置3においては、高温の流動媒体と燃焼排ガスとが分離され、当該分離された高温の流動媒体がガス化炉4に供給される。そして、ガス化炉4に流動媒体が供給されると、水蒸気貯留部5からガス化剤として水蒸気が導入され、これによって流動層が形成されることとなる。以下に、ガス化ガス生成システム1を構成する各装置について具体的に説明する。
【0019】
ガス化炉4は、供給通路6(供給部)を介して媒体分離装置3に連通しており、媒体分離装置3によって燃焼排ガスと分離された流動媒体が、供給通路6からガス化炉4内に供給されるようになっている。ガス化炉4の下方には水蒸気貯留部5が設けられており、水蒸気供給源7から供給された水蒸気が、水蒸気貯留部5に一時的に貯留され、この水蒸気貯留部5に貯留された水蒸気が、ガス化炉4の底面から当該ガス化炉4内に導入されている。このように、高温の流動媒体に水蒸気を導入することにより、ガス化炉4内において流動層が形成されることとなる。
【0020】
また、ガス化炉4には、上記の流動層に、褐炭等の石炭、石油コークス(ペトロコークス)、バイオマス、タイヤチップ等のガス化原料を投入するためのガス化原料投入部4aが設けられている。このガス化原料投入部4aから投入されたガス化原料は、水蒸気によって流動層化した流動媒体が有する700℃〜900℃程度の熱によってガス化し、これによってガス化ガスが生成されることとなる。
【0021】
このようにして生成されたガス化ガスは、ガス化炉4に設けられたガス化ガス導出部4bから導出された後、不図示の回収装置によって回収されることとなる。また、ガス化炉4は、連通路8を介して燃焼炉2に連通している。この連通路8は、供給通路6が接続される側壁と対向する側壁に接続されている。したがって、供給通路6からガス化炉4内に供給された流動媒体は、ガス化炉4内において連通路8に向かって流動した後に、連通路8を介して燃焼炉2へと排出されることとなる。
【0022】
このとき、ガス化炉4内においては、投入されたガス化原料の一部が未反応となり、ガス化原料の残渣が、流動媒体とともに燃焼炉2に排出される。なお、上記したように、流動層を形成するために供給されるガス化剤としては、水蒸気、空気、酸素、二酸化炭素等を用いることが可能である。本実施形態のように、水蒸気をガス化剤として利用した場合には、ガス化原料の残渣が固体として燃焼炉2に排出される。また、ガス化剤として、例えば、1300℃〜1500℃程度の高温の酸素を用いた場合には、投入されたガス化原料がほぼ完全燃焼すると考えられるが、炉内温度やガス化原料の状態等によっては、ガス化原料の一部が不完全燃焼となり、固体として燃焼炉2に排出され得る。
【0023】
上記のようにして、連通路8を介してガス化炉4から燃焼炉2に排出されたガス化原料の残渣および流動媒体は、燃焼炉2内において1000℃程度に加熱される。これにより、ガス化原料の残渣は燃焼し、ガス化炉4におけるガス化を促進する触媒を含む灰となる。また、燃焼炉2内では、下方から上方に向かって燃焼排ガスの流れが生じており、この流れによって、ガス化原料の残渣から生成される灰と、1000℃程度に加熱された流動媒体とが、燃焼排ガスとともに接続路9を介して媒体分離装置3に導出されることとなる。
【0024】
媒体分離装置3は、接続路9から導かれた燃焼排ガス、灰、流動媒体の混合物質を旋回させる。このとき、混合物質中の灰は、流動媒体に比べて軽く、粒径も小さい。したがって、灰は燃焼排ガスとともにガス管路10に、流動媒体は供給通路6へと分離される。これにより、燃焼炉2で加熱された高温の流動媒体は、供給通路6を介して再びガス化炉4に供給され、以後、上記の循環を繰り返すこととなる。
【0025】
一方、ガス管路10は、熱交換器11を介して灰集塵機12に接続されており、ガス管路10に導かれた燃焼排ガスおよび灰は、熱交換器11において冷却された後に、灰集塵機12において燃焼排ガスと灰とに分離される。ここで分離された燃焼排ガスは、不図示の配管等から大気に放出され、また、集塵された灰は灰凝集触媒生成部13に送られる。
【0026】
灰凝集触媒生成部13は、周知の造粒装置によって構成されており、灰集塵機12によって集塵された灰を、圧縮造粒や溶融造粒等によって造粒(凝集)して灰触媒粒子(灰凝集触媒)を生成する。ここで、石炭やバイオマス等のガス化原料に含まれる灰成分は、それ自身がガス化および燃焼するものではなく、また、ガス化原料の残渣から生成される灰には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、遷移金属等の成分が含まれている。これらの成分は、ガス化反応を促進するものとして知られており、したがって、灰凝集触媒生成部13は、ガス化反応を促進する触媒としての灰触媒粒子を生成することとなる。
【0027】
なお、灰凝集触媒生成部13によって生成される灰触媒粒子は、上記した媒体分離装置3において、流動媒体とともに供給通路6側に分離可能な質量、形状、粒径であればよいが、ガス化炉4において、流動媒体と同様の挙動となる質量、形状、粒径であることがより好ましい。また、灰触媒粒子の造粒の際に、有機物や他の成分を添加して灰触媒粒子を生成することとしてもよい。
【0028】
そして、上記の灰凝集触媒生成部13は、触媒導入路14(導入部)を介して燃焼炉2に接続されており、生成した灰触媒粒子が触媒導入路14を介して燃焼炉2に導入されることとなる。なお、触媒導入路14には、灰凝集触媒生成部13から燃焼炉2への灰触媒粒子の導入量を調整する調整手段15が設けられている。この調整手段15は、例えば、触媒導入路14を連通させたり、あるいはその連通を遮断したりする開閉バルブや、灰触媒粒子を送風によって燃焼炉2に導入するファン、あるいは圧送ポンプ等によって構成されている。
【0029】
ガス化ガス生成システム1においては、ガス化炉4に投入されるガス化原料の量や、ガス化ガスの生成量等を検出する不図示の検出手段や、各検出手段の検出結果に基づいて調整手段15を制御する不図示の制御手段が設けられている。つまり、調整手段15は、ガス化炉4におけるガス化効率に応じて、燃焼炉2への灰触媒粒子の導入量を調整することとなる。
【0030】
上記のようにして燃焼炉2に導入された灰触媒粒子は、燃焼炉2内で加熱されるとともに、流動媒体、ガス化原料の残渣から生成された灰、燃焼排ガスとともに、接続路9を介して媒体分離装置3に導かれる。つまり、触媒導入路14から燃焼炉2内に灰触媒粒子が導入される場合には、流動媒体、ガス化原料の残渣から生成された灰、燃焼排ガスおよび灰触媒粒子によって上記の混合物質が構成されることとなる。
【0031】
そして、混合物質に含まれる灰触媒粒子は、媒体分離装置3において流動媒体とともに供給通路6に分離され、ガス化炉4へと供給されることとなる。このように、ガス化ガス生成システム1の循環過程において灰触媒粒子がガス化炉4に供給されることにより、ガス化炉4内でのガス化効率を向上することが可能となる。しかも、灰触媒粒子は、燃焼炉2において酸素と反応し、活性化してガス化炉4に供給されるので、触媒機能を一層向上することができる。
【0032】
図2は、第2実施形態にかかるガス化ガス生成システム20の具体的な構成を説明するための説明図である。なお、この第2実施形態のガス化ガス生成システム20は、灰凝集触媒生成部13で生成された灰触媒粒子をガス化炉4に導入する点のみが上記第1実施形態と異なり、その他の構成は上記第1実施形態と同じである。したがって、ここでは、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付するとともに、その詳細な説明は省略し、上記第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0033】
ガス化ガス生成システム20は、灰凝集触媒生成部13とガス化炉4とが触媒導入路21を介して接続されている。この触媒導入路21には、上記と同様に、調整手段15が設けられており、この調整手段15によって調整された導入量の灰触媒粒子がガス化炉4に導入されることとなる。したがって、第2実施形態のガス化ガス生成システム20における各物質の流れは次のようになる。
【0034】
すなわち、ガス化炉4にガス化原料が投入されると、ガス化炉4内で流動層を形成する流動媒体の熱によりガス化ガスが生成され、生成されたガス化ガスは、ガス化ガス導出部4bから回収装置に導かれる。また、ガス化炉4で流動層を形成する流動媒体は、ガス化炉4で未反応のガス化原料の残渣とともに燃焼炉2に排出される。燃焼炉2では、流動媒体が加熱されるとともに、ガス化原料の残渣が燃焼作用によって、ガス化を促進する触媒を含む灰となり、こうした流動媒体および灰が、燃焼排ガスとともに媒体分離装置3に導かれる。
【0035】
媒体分離装置3では、燃焼排ガスおよび灰と、流動媒体とが分離され、流動媒体は供給通路6を介してガス化炉4に供給される。一方、燃焼排ガスおよび灰は、ガス管路10を介して熱交換器11および灰集塵機12に導かれ、燃焼排ガスは灰集塵機12から不図示の配管を介して大気に放出され、灰は灰凝集触媒生成部13に導かれる。そして、灰凝集触媒生成部13で生成された灰触媒粒子は、触媒導入路21を介してガス化炉4に導入される。このように、第2実施形態のガス化ガス生成システム20によっても、循環過程においてガス化炉4内でのガス化効率を向上することが可能となる。
【0036】
なお、上記各実施形態においては、ガス化ガスを生成するシステムについて説明したが、上記の説明は、ガス化ガス生成方法として捉えることもできる。この場合、上記の各工程を実行することができれば、各装置の具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0037】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、流動媒体を利用するガス化炉を備えたガス化ガス生成システムおよびガス化ガス生成方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1、20…ガス化ガス生成システム
2…燃焼炉
3…媒体分離装置
4…ガス化炉
6…供給通路
7…水蒸気供給源
13…灰凝集触媒生成部
14、21…触媒導入路
15…調整手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動媒体を流動層化するとともに、投入されたガス化原料を前記流動媒体が有する熱でガス化させてガス化ガスを生成するガス化炉と、
前記ガス化炉から排出される流動媒体および前記ガス化原料の残渣が導かれ、前記流動媒体を加熱するとともに前記ガス化原料の残渣を燃焼する燃焼炉と、
前記燃焼炉における燃焼作用によって前記ガス化原料の残渣から生成され、前記ガス化を促進する触媒を含む灰を凝集して灰凝集触媒を生成する灰凝集触媒生成部と、
前記灰凝集触媒生成部で生成された灰凝集触媒を前記燃焼炉に導入する導入部と、
前記導入部から前記燃焼炉に導入された灰凝集触媒および前記燃焼炉で加熱された前記流動媒体を前記ガス化炉に供給する供給部と、を備えたことを特徴とするガス化ガス生成システム。
【請求項2】
前記供給部は、
前記燃焼炉から導かれる燃焼排ガスおよび前記ガス化原料の残渣から生成された灰と、前記流動媒体および前記灰凝集触媒とを分離するとともに、前記燃焼排ガスおよび前記灰を前記灰凝集触媒生成部に導き、前記流動媒体および前記灰凝集触媒を前記ガス化炉に供給する分離装置を備えていることを特徴とする請求項1記載のガス化ガス生成システム。
【請求項3】
流動媒体を流動層化するとともに、投入されたガス化原料を前記流動媒体が有する熱でガス化させてガス化ガスを生成するガス化炉と、
前記ガス化炉から排出される流動媒体および前記ガス化原料の残渣が導かれ、前記流動媒体を加熱するとともに前記ガス化原料の残渣を燃焼する燃焼炉と、
前記燃焼炉で加熱された前記流動媒体を前記ガス化炉に供給する供給部と、
前記燃焼炉における燃焼作用によって前記ガス化原料の残渣から生成され、前記ガス化を促進する触媒を含む灰を凝集して灰凝集触媒を生成する灰凝集触媒生成部と、
前記灰凝集触媒生成部で生成された灰凝集触媒を前記ガス化炉に導入する導入部と、を備えたことを特徴とするガス化ガス生成システム。
【請求項4】
前記ガス化炉に水蒸気を供給して前記流動媒体を流動層化する水蒸気供給手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス化ガス生成システム。
【請求項5】
前記灰凝集触媒の導入量を調整する調整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス化ガス生成システム。
【請求項6】
ガス化炉において流動媒体を流動層化するとともに、投入されたガス化原料を前記流動媒体が有する熱でガス化させてガス化ガスを生成する工程と、
燃焼炉において前記ガス化炉から排出される前記流動媒体を加熱するとともに前記ガス化原料の残渣を燃焼する工程と、
前記燃焼炉における燃焼作用によって前記ガス化原料の残渣から生成され、前記ガス化を促進する触媒を含む灰を凝集して灰凝集触媒を生成する工程と、
生成された灰凝集触媒を前記燃焼炉に導入する工程と、
前記燃焼炉に導入された灰凝集触媒および前記燃焼炉で加熱された前記流動媒体を前記ガス化炉に供給する工程と、を含むガス化ガス生成方法。
【請求項7】
ガス化炉において流動媒体を流動層化するとともに、投入されたガス化原料を前記流動媒体が有する熱でガス化させてガス化ガスを生成する工程と、
燃焼炉において前記ガス化炉から排出される前記流動媒体を加熱するとともに前記ガス化原料の残渣を燃焼する工程と、
前記燃焼炉で加熱された前記流動媒体を前記ガス化炉に供給する工程と、
前記燃焼炉における燃焼作用によって前記ガス化原料の残渣から生成され、前記ガス化を促進する触媒を含む灰を凝集して灰凝集触媒を生成する工程と、
生成された灰凝集触媒を前記ガス化炉に導入する工程と、を含むガス化ガス生成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−255114(P2012−255114A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129691(P2011−129691)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)