説明

ガス式熱溶着テープ結束手段及びガス式テープ熱溶着機

【課題】電源がなくてもテープを熱溶着して結束できる熱溶着結束具を提供する。
【解決手段】ガス式テープ熱溶着機の本体Hは、テープ保持部10と、テープ誘導アーム20と、テープクランプ部32と燃料保持容器Gと燃料保持容器Gからの気体燃料を燃焼させる燃焼部G3とその熱を出力させるテープ加熱部G4で形成されたテープ結束アーム30と、テープ結束アーム30の回動を制御するアーム制御レバー40と、アーム制御レバー40の近傍に設けられ本体Hを作動させるために設けた把持部H4とで構成されている。テープ誘導アーム20とアーム制御レバー40の間に被結束物を捕捉すると、捕捉した被結束物の動きを利用して引き出され2重になった熱溶着テープをテープ出口部23の近傍に設けたテープ押圧部24とテープ加熱部G4で押圧されることで熱溶着され被結束物は結束される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線状物または棒状物またはこれらの組合せである被結束物を熱溶着テープと熱溶着手段を用いて結束する手段において、前記熱溶着テープ結束手段の熱源が気体燃料による燃焼熱であることを特徴とする、ガス式熱溶着テープ結束手段及びガス式テープ熱溶着機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、線状物や棒状物やこれらの組合せを結束する手段としては、例えば梨、葡萄、キウイ等の果樹の蔓や枝等、胡瓜、メロン、キュウリ、トマト、ナス等の農作物の茎を、支柱等に結束したり、支柱や棚に沿わせるための結束作業に用いる結束手段や、例えば電気配線の工事中に配線を一時的に結束する作業に用いる結束手段や、例えば屋外イベント等の照明や音響に使用する電力線や信号線等を結束する作業に用いる結束手段が知られているが、上述した複数の線状物または複数の棒状物またはこれらの組合せである被結束物を熱溶着テープを熱溶着させて結束する熱溶着結束具の開発例が少なかった。
【0003】
そこで、本願発明者は、平成21年7月30日に、本体の構造が簡単で、部品点数が少なく、軽量なので片手での連続使用が可能で、結束用の材料の選択肢が比較的多く、作業性を向上させた熱溶着結束具の提供を課題としその実現を図るために成された開発案件で、発明の名称が「作業性を向上させた熱溶着結束具」(詳細は、特開2011−031982号公報を参照すること)として特許出願を行なった。
【0004】
その後、特開2011−031982号公報に記載された技術で試作した熱溶着結束具を比較的規模の大きい複数の果樹園や複数の農場での試験作業を実施した結果、すなわち比較的規模の大きい複数の果樹園や複数の農場での果樹や農作物や棚などに存在する複数の線状物または複数の棒状物またはこれらの組合せである被結束物を当該試作熱溶着結束具による結束作業を実施した結果、比較的規模の大きい果樹園や農場で利用する場合には、当該試作熱溶着結束具は、比較的使いづらいという指摘を受けたのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、特開2011−031982号公報に記載された技術で試作した熱溶着結束具による結束作業の動作分析を行なった結果、比較的規模の大きい複数の果樹園や複数の農場での果樹や農作物や棚などに存在する複数の線状物または複数の棒状物またはこれらの組合せである被結束物を当該試作熱溶着結束具による結束作業を実施した場合には、当該試作熱溶着結束具に接続された電気コードの存在や電源の確保が障害になっているという問題点が明らかになった。例えば、比較的規模の大きい果樹園や農場では電源の確保が容易でなく、したがって規模に応じて電気設備や発電機の設置が必要となる。その場合にここで使用される熱溶着結束具は結束作業を行なう人数分必要となり、その分の電源の確保や配線の煩雑さや当該試作熱溶着結束具に接続された電気コードが多数必要となったり、結束作業の妨げとなる場合が多くなることが見出された。
【0006】
ところが、特開2011−031982号公報の「作業性を向上させた熱溶着結束具」の特徴の一つであるテープ加熱部に関しては、電気ヒータ手段、超音波加熱手段、高周波加熱手段、赤外線加熱手段、などから選択して用いることができるように記述されていて、そのため例えば電気ヒータ手段に関しては、電気ヒータ部(金属製またはセラミック製)と電源部とで構成され、該電源部は直流電源または交流電源を選択でき、また直流電源の場合は一次電池または二次電池を使用して電池収納手段を前記結束具に外付けできるか前記結束具に内蔵できるように選択でき、また、該電源部に交流電源を選択した場合は、当該熱溶着結束具の近傍に設置してある、電力会社から供給されるタイプの電源または移動可能な交流発電機から供給されるタイプの中から選択して電気コードを介して用いればよく、この場合電気コードを介して当該熱溶着結束具が制御される構造になっている。したがって、電気コードを用いないで当該熱溶着結束具を制御する場合は、一次電池または二次電池の使用も選択できるが、現時点では性能や重量やコストの問題で使い勝手はよくないことが知られており、高性能で小型で計量でかつ経済的な一次電池または二次電池の開発がすすまなければ、特開2011−031982号公報の開発の目的を達成するのは容易ではないという指摘を受けた。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決しようとするものであり、少なくとも一つの線状物または棒状物またはこれらの組合せである被結束物を熱溶着テープと熱溶着手段を用いて結束する手段において、新規手段を用いた熱溶着テープ結束手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するための第一の手段(請求項1)は、少なくとも一つの線状物または棒状物またはこれらの組合せである被結束物を熱溶着テープと熱溶着手段を用いて結束する手段において、前記熱溶着テープ結束手段の熱源が気体燃料による燃焼熱であることを特徴とする、ガス式熱溶着テープ結束手段を提供することである。
【0009】
課題を解決するための第一の手段で記述した被結束物に関しては、例えば、果樹園や園芸農園等における植物の蔓や茎や枝であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束したり枝止め作業したりするための材料としての支柱や針金や紐であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束するための棚の構成材料であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束するためのネットであったり、また例えば、電気配線の工事に用いる電気コードであったり、屋外や屋内のイベント等の照明や音響に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、家庭内の家電やパソコンや電話(FAX)に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、店舗内の照明やAV装置に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、会社内の事務機器に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、工場内の照明や機械類に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、することを想定しているものである。
【0010】
課題を解決するための第一の手段で記述した熱溶着テープに関しては、テープ素材が熱溶着性プラスチックスであるタイプ、テープ素材が非熱溶着性プラスチックスであるが片面または両面に熱溶融性材料を付着させたタイプ、テープ素材が紙製であるが片面または両面に熱溶融性材料を付着させたタイプ、テープ素材が熱溶融性の合成繊維製の織布または編布であるタイプ、テープ素材が天然繊維製の織布または編布であるが片面または両面に熱融着材料を付着させたタイプ、テープ素材が熱溶融性の合成繊維製の不織布であるタイプ、テープ素材がセルロース製の不織布であるが片面または両面に熱融着材料を付着させたタイプ、などの中から選択して単独または組合わせて用いられることを可能とする。
【0011】
前記熱溶着テープの素材が熱溶着性プラスチックスであるタイプに関しては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素樹脂、などから選択して用いることができる。前記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ウレタン、などが知られており、これらの中から選択して用いることができる。また、近年ポリオレフィン系樹脂の中では生分解性を有するタイプの開発もなされているので、生分解性のポリエチレン、生分解性のポリプロピレン、生分解性のナイロン、生分解性のウレタン、などから選択して用いることも可能である。また、前記ポリオレフィン系樹脂の中に、でんぷん(原料は特に制限は設けない)やトウモロコシ粉や穀物粉などの生分解性粉体を単体または組合わせて1〜20重量%混入させて生分解性を持たせるようにしてもよい。この場合前記生分解性粉体の混入率の上限に関しては、前記生分解性粉体を混入させることで強度や熱溶着性が実用上十分であることをテストして用いることが好ましい。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、などが知られており、これらの中から選択して用いることができる。また、近年ポリエステル系樹脂の中では生分解性を有するタイプの開発もなされているので、生分解性のポリエチレンテレフタレート、生分解性のポリブチレンテレフタレート、生分解性のポリエステル、などから選択して用いることも可能である。また、前記ポリエステル系樹脂の中に、でんぷん(原料は特に制限は設けない)やトウモロコシ粉や穀物粉などの生分解性粉体を単体または組合わせて1〜20重量%混入させて生分解性を持たせるようにしてもよい。この場合前記生分解性粉体の混入率の上限に関しては、前記生分解性粉体を混入させることで強度や熱溶着性が実用上十分であることをテストして用いることが好ましい。前記フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、PTFE、などが知られており、これらの中から選択して用いることができる。また、近年フッ素樹脂の中では生分解性を有するタイプの開発もなされているので、生分解性のPFA、生分解性のETFE、生分解性のFEP、生分解性のPCTFE、生分解性のECTFE、生分解性のPVdF、生分解性のPVF、生分解性のPTFE、などから選択して用いることも可能である。また、前記フッ素樹脂の中に、でんぷん(原料は特に制限は設けない)やトウモロコシ粉や穀物粉などの生分解性粉体を単体または組合わせて1〜20重量%混入させて生分解性を持たせるようにしてもよい。この場合前記生分解性粉体の混入率の上限に関しては、前記生分解性粉体を混入させることで強度や熱溶着性が実用上十分であることをテストして用いることが好ましい。
【0012】
また、前記熱溶着テープのテープ素材が非熱溶着性プラスチックスであるが片面または両面に付着させた熱溶融性材料に関しては、本明細書で記載した熱溶融性材料などから選択して単独または組合わせて用いることが可能である。また前記非熱溶着性プラスチックスに関しては、一般的に知られた非熱溶着性のプラスチックスであれば制限なく用いることが可能である。
また、前記熱溶着テープのテープ素材が紙製であるが片面または両面に付着させた熱溶融性材料に関しては、テープ状に形成した紙類に本明細書で記載した熱溶融性材料などから選択して単独または組合わせた熱溶融性材料を付着させることが可能である。また、テープ状に形成した紙類に前記熱溶融性材料を付着させる手段に関しては、本明細書で記載した熱溶融性材料などから選択して単独または組合わせた材料を公知のコーティング手段を介して付着させる手段や、前記熱溶融性材料を公知の吹付け手段を介して付着させる手段や、薄膜状に形成した前記熱溶融性材料を前記テープ素材に積層させる手段や、シート状に形成した前記熱溶融性材料を前記素材に積層させる手段などから、選択して単独または組合わせて用いることができる。
また、前記熱溶着テープのテープ素材が熱溶融性の合成繊維製の織布または編布であるタイプに関しては、本明細書で記載した熱溶融性材料などから選択して単独または組合わせた熱溶融性材料を維製状に形成して後に織布または編布に形成させた後にテープ状に形成させたものである。
また、前記熱溶着テープのテープ素材が天然繊維製の織布または編布であるが片面または両面に熱融着材料を付着させたタイプに関しては、テープ状に形成した天然繊維製の織布または編布に本明細書で記載した熱溶融性材料などから選択して単独または組合わせて用いることが可能である。またテープ状に形成した天然繊維製の織布または編布に本明細書で記載した熱溶融性材料などから選択して単独または組合わせた熱溶融性材料を付着させることが可能である。また、テープ状に形成した天然繊維製の織布または編布に前記熱溶融性材料を付着させる手段に関しては、本明細書で記載した熱溶融性材料などから選択して単独または組合わせた材料を公知のコーティング手段を介して付着させる手段や、前記熱溶融性材料を公知の吹付け手段を介して付着させる手段や、薄膜状に形成した前記熱溶融性材料を前記テープ素材に積層させる手段や、シート状に形成した前記熱溶融性材料を前記素材に積層させる手段などから、選択して単独または組合わせて用いることができる。
【0013】
また前記熱溶着テープのテープ形状に関しては、結束用として用いることのできる寸法と形状を有するものであれば、テープ状以外の素材でも利用は可能であり、例えば、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、なども利用可能であり、その厚さは、10μm〜1000μm、幅は3〜30mmのものが好適である。例えば、熱溶着フィルムをテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、熱溶着シートをテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、熱溶着樹脂製織布をテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、熱溶着樹脂製編布をテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、熱溶着樹脂製不織布をテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、熱溶着樹脂製複層フェルトをテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、などから選択して使用することができる。
【0014】
課題を解決するための第一の手段で記述した前記熱溶着テープ結束手段の熱源に関しては、従来から、電気ヒータ加熱手段、超音波加熱手段、高周波加熱手段、などが知られていて、いずれも直流電源または交流電源を必要とするものであり、直流電源の場合は一次電池または二次電池または移動可能な直流発電機を使用したり、交流電源の場合は、電力会社から供給される電力または移動可能な交流発電機から供給される電力を使用するものであり、本発明で使用する前記熱溶着テープ結束手段の熱源は上述した電力を用いないことを特徴とする。
【0015】
課題を解決するための第一の手段で記述した気体燃料に関しては、天然ガス、液化石油ガス、ジメチルエーテル、液体燃料を気化させた気化ガス、水素ガス(H)などから選択して単独または組合わせて用いることが可能である。
また天然ガス(Natural gas)に関しては、一般に天然に産する化石燃料である炭化水素ガスのことを指しその組成として、メタン(CH)・エタン(C)・プロパン(C)・ブタン(C10)・ペンタンなどの炭素化合物や窒素が含まれ、産出する場所によってその割合は少しずつ異なる。天然ガスの特性として、揮発性が高く常温では急速に蒸発し、空気よりも軽いため大気中に拡散するので、常温で空気より重く低い場所に滞留しやすいプロパンやブタンガスに比べれば安全性が高いといえる。天然ガスに含まれる主なガスの物性としては、例えばメタンは分子式CHであり分子量は16.04であり毒性なしで腐蝕性なしであることが知られており、例えばエタンは分子式Cであり分子量30.07であり毒性なしで腐蝕性なしであることが知られており、例えばプロパンは分子式Cであり分子量44.09であり毒性なしで腐蝕性なしであることが知られており、例えばノルマルブタンまたはイソブタンは分子式C10であり分子量58.12であり毒性なしで腐蝕性なしであることが知られている。
また液化石油ガスに関しては、一般的には、プロパンガス(Propangas)、LP(Liquefied petroleum)ガス、LPG(Liquefied petroleum gas)と呼ばれ、プロパン(C)またはブタン(C10)またはプロパン(C)とブタン(C10)の混合ガスなどを主成分とし、圧縮することにより常温で容易に液化できる気体燃料のことで、天然ガス随伴など石油由来以外のものも世界的に約半分を占め、多様なエネルギーソースを持つガス体燃料であることが知られている。油田・天然ガス田または製油施設などの副生ガスから不純物を取り除き、簡単な圧縮装置や冷却容器で液化する。20℃での圧縮圧力はブタン0.21MPa(約2.1気圧)、プロパン0.86MPa(約8.5気圧)で容易に液化でき、体積は気化ガス時の250分の1になり、可搬性に優れ、このときのガス自体は無色、無臭の気体であるので、耐圧の低いタンクで貯蔵・輸送が可能である。また、ガスが漏れると爆発を起こしやすく危険なことや、さらに、比重が空気より重く下に滞留するためガスが漏れた際に感知できるようメルカプタン等を添加して着臭した後に最終消費者へ供給される。小分け配送の場合10キロから50キロのボンベに詰められ、例えば携帯用燃焼機器用には専用容器に充填して販売され、例えば土木工事用の加熱バーナーの燃料としての用途や携帯用燃焼機器用(カセットコンロ・発電機・ライターガスなど)の用途が知られ、この場合の主成分はブタンである場合が多いことが知られている。
またジメチルエーテル(dimethyl ether)に関しては、別名(IUPAC組織名)としてはメトキシメタン(methoxymethane)や略称としてはDMEとして呼ばれていて、分子式はCOで、分子量は46.07g/molで、無色の気体であり、エーテルの一種で最も単純なものであることが知られている。近年では液化石油ガス(LPG)の代替燃料として、民生用、自動車用、都市ガス原料用としての開発が進められている。ジメチルエーテルの性質は、水素結合を形成するものの、分子の幾何学的構造により、水素結合の強度が弱いため、沸点や融点は低いが毒性はそれほど高くはない。また、一般的なエーテル類が空気と反応して生じる過酸化物は、ジメチルエーテルでは生じない点では炭素数が多い他のエーテル類より優位である。LPGを構成するプロパン(沸点−42.1℃)ほど低い温度にせずとも液化し(−23.6℃)、また常温でもより低圧で液化する(25℃でプロパン9.1気圧に対しDME6.1気圧)ことから、LPG代替燃料としての用途が有望視されていることが知られていて、例えば、LPG対比で、液化に関する特性がタンカーやタンクローリーでの輸送において用いられる低温容器がより低強度の容器での輸入・輸送を可能にする点が経済性の面で注目されている。例えばスプレー用や燃料用としての用途が知られており、LPGより引火性が低く、ドライヤー使用時など引火しやすい環境で使うスプレーに使われ、ほぼ無臭のものが多いフロン類と違い、やや臭いがあるが、あまり気にならない範囲であるのでエアダスターなどにも使用され、例えばセタン価が高くディーゼルエンジン向きであり、酸素含有率が高く黒煙が出ないため、環境負荷の少ない低公害のディーゼル燃料として期待されている。
また液体燃料を気化させた気化ガスに関しては、一般的には液体燃料容器に設けたポンピング手段によってバーナーから液体燃料を気化させた気化ガスを放出し燃焼させるキャンプ用のコンロに用いられており、用いる液体燃料としては、軽質油、ガソリン、灯油、軽油、エタノール、メタノール、などが知られている。
【0016】
課題を解決するための第一の手段で記述した液体燃料に関しては、軽質油、ガソリン、灯油、軽油、エタノール、メタノール、ベンジン、などから選択して単独または組合わせて用いることが可能である。
また上述した、メタン(CH)・エタン(C)・プロパン(C)・ブタン(C10)・ペンタンなどに関しては、化学合成して得た場合でも微生物発酵して得た場合でも本発明で用いることは可能である。
また、本明細書で記載した気体燃料を液化して用いる場合は液化気体燃料として本発明で用いることは可能である。
【0017】
課題を解決するための第一の手段で記述した燃焼熱に関しては、まず燃焼(combustion)とは、発熱を伴う激しい物質の化学反応のことで、一般的には可燃物質(本明細書で記載した気体燃料や液体燃料)と酸素の化合の内、発熱と発光を伴う火炎が生じるものを火炎燃焼といい、白金(プラチナ)、パラジウム、ロジウム、等を触媒とした燃焼で火炎が生じないものを触媒燃焼といい、次に熱とは、本明細書では熱力学における熱を指し、一つの物体や系から別の物体や系への熱接触によるエネルギー伝達の過程であり、ある物体に熱力学的な仕事をすることでその物体に伝達されたエネルギーと定義され、物体間の熱によるエネルギー伝達は、熱放射、熱伝導、熱対流、に分類される。本発明では、火炎燃焼や触媒燃焼を単独で用いたり組合わせて用いるものとし、これらの熱放射や熱伝導や熱対流も単独で用いたり組合わせて用いるものとする。
【0018】
課題を解決するための第二の手段(請求項2)は、課題を解決するための第一の手段に記載のガス式熱溶着テープ結束手段は、熱溶着テープの保持部、気体燃料を保持する容器、前記燃料保持容器からの気体燃料を燃焼させる燃焼部、前記燃焼部による燃焼熱で前記テープ保持部からの熱溶着テープを加熱するテープ加熱部、より構成されることを特徴とする、ガス式テープ熱溶着機を提供することである。
【0019】
課題を解決するための第二の手段で記述した熱溶着テープの保持部に関しては、本明細書で記載した熱溶着テープに一般的に市販されている例えばロール式になっているタイプを用いる場合はロール式熱溶着テープを前記ガス式テープ熱溶着機の本体の任意部位に回動可能に保持するように形成されていればどんな構造でも構わない。
課題を解決するための第二の手段で記述した燃料保持容器に関しては、本明細書で記載した気体燃料を燃焼させる燃焼部に提供するように形成され、かつ前記ガス式テープ熱溶着機の本体の任意部位に設けるようになっていれば特に制限はなくどんな手段でも用いても構わないものとする。
課題を解決するための第二の手段で記述した前記気体燃料を燃焼させる燃焼部に関しては、本明細書で記載した火炎燃焼や触媒燃焼を実施可能に通常の技術的手段であればどんな手段でも使用可能であり、また前記ガス式テープ熱溶着機の本体の任意部位に設けるようになっていれば特に制限はなくどんな手段でも用いても構わないものとする。
【0020】
課題を解決するための第二の手段で記述した前記燃焼部からの燃焼熱で前記テープ保持部からの熱溶着テープを加熱するテープ加熱部に関しては、熱溶着テープと熱溶着テープを熱溶着させて上述した被結束物を結束する手段として用いるためには、耐熱性があり熱伝導性を備えた材料でテープ加熱部が形成されていることが好ましく、そのためにはセラミックスまたは金属製またはこれらの組合せであることが好ましい。また前記テープ加熱部の形状に関しては熱溶着テープと熱溶着テープを熱溶着できるようになっていればどんな形状でも構わないものとする。
【0021】
課題を解決するための第三の手段(請求項3)は、前記燃料保持容器は、前記ガス式テープ熱溶着機から着脱可能になる手段または/及び気体燃料の補充可能手段を備えたことを特徴とする、課題を解決するための第一の手段または課題を解決するための第二の手段に記載のガス式テープ熱溶着機を提供することである。
【0022】
課題を解決するための第三の手段で記述した燃料保持容器に関しては、本明細書で記載した気体燃料を所定圧力(JIS基準または当該業界が定める基準を参照する)で密封可能な容器であればJIS基準を参照して任意に設計・製作すればよい。またその寸法や材質に関してはJIS基準を参照して任意に選択すればよい。
課題を解決するための第三の手段で記述した燃料保持容器は前記ガス式テープ熱溶着機から着脱可能になる手段に関しては、本明細書で記載するガス式テープ熱溶着機の任意の部位に着脱可能になる一般的に知られた技術的手段であればどんな手段を用いても構わない。
課題を解決するための第三の手段で記述した前記燃料保持容器は気体燃料の補充可能手段を備えたことに関しては、本明細書で記載した気体燃料を所定圧力(JIS基準または当該業界が定める基準を参照する)になるよう補充可能な手段であればどんな技術手段や構造でも構わない。
【0023】
課題を解決するための第四の手段(請求項4)は、前記ガス式テープ熱溶着機の基体には、前記テープ保持部、前記テープ保持部からの熱溶着テープを誘導するテープ誘導アーム、前記テープ加熱部を備えたテープ結束アームが設けられ、前記テープ誘導アームの一端部は前記基体の任意部位に係着され、前記テープ結束アームの一端部は前記基体の任意部位には回動可能に軸着され、前記テープ誘導アームの他端部にはテープ保持部からのテープの先端を繰出すように形成されたテープ出口部が設けられ、前記テープ結束アームの他端部には前記テープ先端を掴まえて挟持するように形成されたテープクランプ部を設け、前記テープ結束アームの一端部と前記テープクランプ部の間には前記燃料保持容器と前記燃焼部と前記テープ加熱部が設けられ、前記テープ出口部の近傍でかつ前記テープ加熱部に対向する部位には前記テープ加熱部を押圧できるように形成したテープ押圧部とテープ切断部を設けたことを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第三の手段のいずれかに記載のガス式テープ熱溶着機を提供することである。
【0024】
課題を解決するための第四の手段で記述したテープ保持部に関しては、本明細書で記載した熱溶着テープに一般的に市販されている例えばロール式になっているタイプを用いる場合はロール式熱溶着テープを回動可能に保持するように形成されていればどんな構造でも構わない。
課題を解決するための第四の手段で記述したテープ誘導アームに関しては、前記テープ保持部に保持されている熱溶着テープを誘導してテープ誘導アームの他端部に出力するように形成されていれば、形状や構造に関して特に制限はなく、材質に関しても強度や耐久性が十分であれば何を用いても構わない。
課題を解決するための第四の手段で記述したテープ結束アームに関しては、記テープ加熱部を備えられるようになっていれば、形状や構造に関して特に制限はなく、材質に関しても強度や耐久性が十分であれば何を用いても構わない。
【0025】
課題を解決するための第四の手段で記述したテープ出口部に関しては、前記テープ誘導アームの他端部すなわち前記テープ保持部に対向する位置に前記テープ保持部から繰出される熱溶着テープの先端を所定の位置にセットさせるように形成されればどんな形状や構造でも構わない。
課題を解決するための第四の手段で記述した前記テープ結束アームの他端部には前記テープ先端を掴まえて挟持するように形成されたテープクランプ部を設けることに関しては、前記テープ出口部からセットされる熱溶着テープの先端を掴まえて挟持するように形成できればこの挟持手段に関してはどんな手段を用いても構わないが、一例として前記テープクランプ部が固定挟持部と可動挟持部で一対に形成され、固定挟持部の一端が前記テープ加熱部の近傍に固着され、可動挟持部は一端が前記固定挟持部の近傍に回動可能かつ張着され、この張着手段を制御することで、前記固定挟持部の他端と前記可動挟持部の他端が前記テープ出口部から繰出される熱溶着テープの先端を挟持したり解放したりするように形成するような手段を用いても構わない。
【0026】
課題を解決するための第四の手段で記述した前記テープ結束アームの一端部と前記テープクランプ部の間には前記燃料保持容器と前記燃焼部と前記テープ加熱部が設けられることに関しては、保持手段や収納手段に関しては特に条件は設けないものとする。とにかく前記燃料保持容器からの気体燃料が前記燃焼部で燃焼しその燃焼熱が前記テープ加熱部に伝導すればどんな構造でも構わない。前記テープ加熱部の温度に関しては前記熱溶着テープ同士が熱溶着される温度であれば何℃の設定でも構わないものとするが約80℃〜約160℃の範囲が好ましい。例えば前記テープ加熱部の温度が約80℃以下では熱溶着性能に問題が生じ、また例えば約160℃以上では安全性に問題点が生じる可能性が高い。
課題を解決するための第四の手段で記述した前記テープ誘導アームには前記テープ出口部の近傍で前記テープ加熱部に対向する部位に前記テープ加熱部を押圧するように形成したテープ押圧部を設けることに関しては、前記熱溶着テープ同士が確実に熱溶着されるには前記熱溶着テープ同士が前記加熱条件で加熱されると同時に押圧する必要があり、前記テープ押圧部がそのように形成されていれば構造や材質に特に制限はないものとする。
【0027】
課題を解決するための第四の手段で記述した前記テープ出口部の近傍にはテープ切断部を設けることに関しては、前記熱溶着テープ同士が前記加熱条件で加熱され前記テープ押圧部によるテープ押圧手段によって前記熱溶着テープが熱溶着され押圧合掌貼りされると、連動して前記テープ切断部が作動し押圧合掌貼りされた所定部位を切断するように形成されることができれば、前記テープ切断部の構造や寸法や材質に関しては特に制限はないが、例えば前記テープ切断部が前記テープ出口部の近傍に可動可能に埋設されていることが好ましく、前記テープ結束アームの作動と連動して前記テープ押圧部と前記テープ加熱部が熱溶着テープを押圧し加熱押圧された前記熱溶着テープが熱溶着され押圧合掌貼りされた時に、前記テープ切断部が協働して埋設されている位置から対向するテープクランプの方向に向かって摺動し前記テープ切断部が所定の前記押圧合掌貼り部位を切断するようになっていても構わない。
【0028】
課題を解決するための第五の手段(請求項5)は、前記ガス式テープ熱溶着機の本体で前記テープ結束アームまたは前記テープ誘導アームの近傍には把持部が設けられ、前記把持部には前記テープ結束アームまたは/及び前記テープ誘導アームの回動を制御できるように形成したアーム制御レバーを設けることを特徴とする、課題を解決するための第四の手段に記載のガス式テープ熱溶着機を提供することである。
【0029】
課題を解決するための第五の手段で記述した前記把持部には前記テープ結束アームの回動を制御できるように形成したアーム制御レバーを設けることに関しては、例えば、テープ誘導アームの一端部が前記ガス式テープ熱溶着機の本体の任意部位に係着され、テープ結束アームの一端部は前記本体の任意部位には回動可能に軸着されている場合において、前記テープ結束アームの回動を制御して前記テープ誘導アームの他端部と前記テープ結束アームの他端部が当接したり開いたりするように形成されていれば、前記アーム制御レバーの位置や構造や形状や寸法や材質は任意である。また、テープ結束アームの一端部が前記本体の任意部位に回動可能に張着されている場合では、前記テープ誘導アームの他端部と前記テープ結束アームの他端部が張力により常時開いている状態であり、前記テープ結束アームの回動を制御して前記テープ誘導アームの他端部と前記テープ結束アームの他端部が当接したり開いたりするように形成されていれば、前記アーム制御レバーの位置や構造や形状や寸法や材質は任意である。
【0030】
課題を解決するための第五の手段で記述した前記把持部には前記テープ誘導アームの回動を制御できるように形成したアーム制御レバーを設けることに関しては、例えば、テープ結束アームの一端部が前記ガス式テープ熱溶着機の本体の任意部位に係着され、テープ誘導アームの一端部は前記本体の任意部位には回動可能に軸着されている場合において、前記テープ誘導アームの回動を制御して前記テープ結束アームの他端部と前記テープ誘導アームの他端部が当接したり開いたりするように形成されていれば、前記アーム制御レバーの位置や構造や形状や寸法や材質は任意である。また、テープ誘導アームの一端部が前記本体の任意部位に回動可能に張着されている場合では、前記テープ結束アームの他端部と前記テープ誘導アームの他端部が張力により常時開いている状態であり、前記テープ誘導アームの回動を制御して前記テープ結束アームの他端部と前記テープ誘導アームの他端部が当接したり開いたりするように形成されていれば、前記アーム制御レバーの位置や構造や形状や寸法や材質は任意である。
【0031】
課題を解決するための第五の手段で記述した前記把持部には前記テープ結束アーム及び前記テープ誘導アームの回動を制御できるように形成したアーム制御レバーを設けることに関しては、例えば、テープ誘導アームの一端部及びテープ結束アームの一端部が前記本体の任意部位に回動可能に軸着されている場合において、前記テープ誘導アームまたは前記テープ結束アームの回動を制御して前記テープ誘導アームの他端部と前記テープ結束アームの他端部が当接したり開いたりするように形成されていれば、前記アーム制御レバーの位置や構造や形状や寸法や材質は任意である。また、テープ誘導アームの一端部及びテープ結束アームの一端部が前記本体の任意部位に回動可能に張着されている場合では、前記テープ誘導アームの他端部と前記テープ結束アームの他端部が張力により常時開いている状態であり、前記テープ誘導アームまたは前記テープ結束アームの回動を制御して前記テープ誘導アームの他端部と前記テープ結束アームの他端部が当接したり開いたりするように形成されていれば、前記アーム制御レバーの位置や構造や形状や寸法や材質は任意である。
【発明の効果】
【0032】
本発明のガス式熱溶着テープ結束手段及びガス式テープ熱溶着機を提供できることで、従来の熱溶着結束具(電気ヒータ手段、超音波加熱手段、高周波加熱手段、赤外線加熱手段、など)の中でも、電気エネルギーの供給に電気コードの接続を必要とするタイプの問題点の一つであった、電気エネルギーを供給する電気コードの存在が不要になり、例えば果樹園や園芸農園や農場等での植物の蔓や茎や枝などの結束作業や、これら植物の蔓や茎や枝とひもやネットや支柱や棚との結束作業において、作業効率の向上が図れる。
【0033】
また本発明のガス式熱溶着テープ結束手段及びガス式テープ熱溶着機を提供できることによって、例えば被結束物が、電気配線の工事に用いる電気コードであったり、屋外や屋内のイベント等の照明や音響に使用する電気コードや信号線やケーブルであったりする場合には、従来の熱溶着結束具(電気ヒータ手段、超音波加熱手段、高周波加熱手段、赤外線加熱手段、など)の中でも、電気エネルギーの供給に電気コードの接続を必要とするタイプの問題点の一つであった、電気エネルギーを供給する電気コードの存在が不要になることで、前記被結束物の結束作業効率の向上が図れる。
【0034】
また本発明のガス式熱溶着テープ結束手段及びガス式テープ熱溶着機を提供できることによって、例えば結束作業の現場が、大規模の果樹園や園芸農園や農場等である場合に、従来の熱溶着結束具(電気ヒータ手段、超音波加熱手段、高周波加熱手段、赤外線加熱手段、など)の中でも、電気エネルギーの供給に電気コードの接続を必要とするタイプを使用する場合では、上述した現場内に多数の電源供給手段の存在が不可欠であり、現場が大規模である程この問題は深刻になるのだが、電気エネルギーを供給する電気コードの存在が不要になることで、上述した現場内での多数の電源供給手段の存在が不要になる。
【0035】
また本発明のガス式熱溶着テープ結束手段及びガス式テープ熱溶着機を提供できることによって、例えば結束作業の現場が、屋外や屋内での大規模イベント会場で、被結束物が電気配線の工事に用いる電気コードや照明や音響に使用する電気コードや信号線やケーブルであったりする場合には、従来の熱溶着結束具(電気ヒータ手段、超音波加熱手段、高周波加熱手段、赤外線加熱手段、など)の中でも、電気エネルギーの供給に電気コードの接続を必要とするタイプを使用する場合では、上述した現場内に多数の電源供給手段の存在が不可欠であり、現場が大規模である程この問題は深刻になるのだが、電気エネルギーを供給する電気コードの存在が不要になることで、上述した現場内での多数の電源供給手段の存在が不要になる。
【0036】
本発明のガス式熱溶着テープ結束手段及びガス式テープ熱溶着機を提供できることで、従来の熱溶着結束具(電気ヒータ手段、超音波加熱手段、高周波加熱手段、赤外線加熱手段、など)の中でも、電気エネルギーの供給に一次電池または二次電池を使用するタイプの問題点である本体の重量に関して、本発明では熱エネルギーの発生手段が一次電池または二次電池よりも軽量なので、本体の重量という問題が改善され、例えば果樹園や園芸農園や農場等での植物の蔓や茎や枝などの結束作業や、これら植物の蔓や茎や枝とひもやネットや支柱や棚との結束作業においての作業性が改善される。また、例えば屋外や屋内での大規模イベント会場で、被結束物が電気配線の工事に用いる電気コードや照明や音響に使用する電気コードや信号線やケーブルであったりする場合でも、結束作業においての作業性が改善される。
【0037】
本発明のガス式熱溶着テープ結束手段及びガス式テープ熱溶着機を提供できることで、従来の熱溶着結束具(電気ヒータ手段、超音波加熱手段、高周波加熱手段、赤外線加熱手段、など)の中でも、電気エネルギーの供給に一次電池又は二次電池を使用するタイプの問題点の一つとして、結束作業中での一次電池又は二次電池の交換は容易ではなく、また結束作業中での二次電池の充電は実用上無駄が多いが、本発明では結束作業中での気体燃料の補充は容易に行なえるので、例えば比較的規模が大きい果樹園や園芸農園や農場等での植物の蔓や茎や枝などの結束作業や、これら植物の蔓や茎や枝とひもやネットや支柱や棚との結束作業においての作業性が改善される。また、例えば屋外や屋内での大規模イベント会場で、被結束物が電気配線の工事に用いる電気コードや照明や音響に使用する電気コードや信号線やケーブルであったりする場合でも、結束作業においての作業性が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明のガス式テープ熱溶着機の実施の形態について、図1〜図6に基づいて説明する。
図1は本発明に係るガス式テープ熱溶着機の結束作業の開始状態を示す概略説明図であり、図2はアーム制御レバーを制御してテープ結束アームとテープ誘導アームを閉じた状態を示す概略説明図であり、図3はテープクランプ部が熱溶着テープの先端を挟持しテープ出口部から引き出した状態を示す概略説明図であり、図4はテープ出口部から引き出された熱溶着テープで被結束物を捕捉した状態を示す概略説明図であり、図5は被結束物を捕捉し結束した熱溶着テープを熱溶着した後に熱溶着された部位を切断している状態を示す概略説明図であり、図6は熱溶着された部位を切断した被結束物を排出している状態を示す概略説明図である。
【実施例1】
【0039】
図1から図6に示された本発明のガス式テープ熱溶着機の実施例を説明する。
Hは本発明のガス式テープ熱溶着機の本体であり、本明細書で記載した被結束物Bを熱溶着テープで捕捉し気体燃料を熱源とする燃焼熱で結束し結束物B1にするように形成されている。H1は本体Hの一端部であり、H2は本体Hの他端部である。Tはロール状に形成されている熱溶着テープであり本体一端部H1に保持手段を介して着脱可能に装着されている。10は熱溶着テープTを本体一端部H1に回動可能かつ着脱可能に設けられるテープ保持部である。20はテープ保持部10からの熱溶着テープTを誘導するように形成されたテープ誘導アームであり、テープ誘導アーム20によってテープ保持部10から引き出された熱溶着テープTは熱溶着テープT1となり、熱溶着テープT1がテープ誘導アーム20の内部に誘導されている状態を熱溶着テープT2として示すものとする。21はテープ誘導アーム20の一端部でありテープ誘導アーム一端部21は本体他端部H2に係着されるが、この実施例では固着される。22はテープ誘導アーム20の他端部でありテープ誘導アーム他端部22には熱溶着テープT2の先端を繰出すように形成されたテープ出口部23が設けられ、テープ出口部23から繰出された熱溶着テープT2の先端は所定の位置にセットされ熱溶着テープT3として示す。30はテープ誘導アーム20に対向するように設けられ、テープ出口部23から繰出される熱溶着テープT3を介して被結束物Bを結束するように形成させたテープ結束アームであり、31はテープ結束アーム30の一端部が本体他端部H2の近傍に回動可能に軸着される回動部である。H3は回動部31の近傍に設けられテープ結束アーム30の一端部と張着される張着部であり、テープ結束アーム30の他端部とテープ誘導アーム他端部22とが図1と図3と図6に示す通り常時開いている状態を形成させる。32はテープ結束アーム30の他端部に熱溶着テープT3を掴まえて挟持するように形成されたテープクランプ部であり、テープクランプ部32は固定挟持部32aと可動挟持部32bで一対に形成され、固定挟持部32aはテープ出口部23に対向する位置に固着され、固定挟持部32aの一端と可動挟持部32bの一端は回動可能に連結され、また固定挟持部32aの一端と可動挟持部32bの一端は張着され、この張着手段がテープ結束アーム30の他端部とテープ誘導アーム他端部22の作動状態によって制御されることで、固定挟持部32aの他端と可動挟持部32bの他端が熱溶着テープT3を挟持したり解放したりするように形成されている。また、テープクランプ部32によって挟持された熱溶着テープT3が被結束物Bを結束するためにテープ出口部23から引き出された状態を熱溶着テープT4として示す。テープ結束アーム30の一端部または回動部31からテープクランプ部32の間には燃料保持容器Gと燃料制御部G1と燃料供給部G2と燃焼部G3とテープ加熱部G4が設けられるように形成する。燃料保持容器Gはテープ結束アーム30の一端部または回動部31の近傍に係着手段によって設けられた燃料容器係着部33に着脱可能に保持され、燃料制御部G1は燃料保持容器Gからの気体燃料を着火したり消火したりまた量を制御する手段であり燃料保持容器Gの所定の位置に設けられ、燃料供給部G2は燃料保持容器Gからの気体燃料を燃焼部G3に安全に確実に提供できれば構造や材質は任意である。燃焼部G3は燃料保持容器Gからの気体燃料を燃焼し燃焼熱を発生させるように形成され、テープ結束アーム30の燃料供給部G2の近傍には燃料供給部G2を保持する供給部保持部34が設けられる。テープ加熱部G4は燃焼部G3からの燃焼熱によって熱溶着テープT4を加熱するように形成される。24はテープ出口部23の近傍でかつテープ加熱部35に対向する部位でテープ加熱部G4を熱溶着テープT4を介して押圧できるように形成したテープ押圧部である。このとき熱溶着テープT4が被結束物Bを捕捉しテープ加熱部G4とテープ押圧部24で押圧され熱溶着されると押圧合掌貼りされる部位を熱溶着テープT5と示すものとする。25は、テープ押圧部24の近傍に設け熱溶着テープT4が熱溶着テープT5に変化した後速やかに所定の部位を切断するように形成されたテープ切断部であり、テープ切断部25は熱溶着テープT4が被結束物Bを捕捉し結束することで2重になり、この2重になった部位をテープ加熱部G4とテープ押圧部24で押圧し熱溶着し押圧合掌貼りされると連動してテープ切断部25が作動し熱溶着テープT5の所定部位を切断するように形成される。また、図4と図5と図6に示す通り、被結束物Bが熱溶着テープT5で結束された状態を結束物B1と示すものとする。H4は、本体一端部H1と本体他端部H2の間に設けられ、本発明の利用者が片手で本体Hを保持できるように本体Hの下部かつテープ結束アーム30よりも下部になるように形成された把持部であり、把持部H4には、テープ結束アーム30の回動を制御できるように形成したアーム制御レバー40を設ける。アーム制御レバー40は、テープ結束アーム30の回動を制御するためにテープ結束アーム30に当接し摺動するように形成した当接部41と、当接部41の動作を回動可能に制御するために形成したレバー回動部42と、レバー回動部42の動作を制御するために形成したレバー制御部43とで構成される。
【実施例2】
【0040】
次に図1に示す本発明のガス式テープ熱溶着機の結束作業の開始状態を実施例1を参照しながら説明する。
まず、ガス式テープ熱溶着機の本体Hにロール状に形成されている熱溶着テープTと気体燃料が充填された燃料保持容器Gを装着または燃料保持容器Gに本明細書で記載した気体燃料を充填する。熱溶着テープTはテープ保持部10に装着し先端を引き出すことで熱溶着テープT1となり、熱溶着テープT1はテープ誘導アーム20に誘導することで熱溶着テープT2となり、熱溶着テープT2がテープ出口部23から引き出されることで熱溶着テープT3となり、熱溶着テープT3はテープ出口部23から約2mmから約10mm程度繰出されるように制御される。また、テープ誘導アーム他端部22とテープ結束アーム30の他端部は張着部H3により常時開いている状態を示している。この状態を確認したら、燃料制御部G1で制御しながら燃焼部G3を作動する。また、このとき当接部41はテープ結束アーム30の回動部31の近傍に常時当接した状態になっている。
【実施例3】
【0041】
次に図2に示した本発明のアーム制御レバー40を制御してテープ結束アーム30とテープ誘導アーム20を閉じた状態を図1と図3と実施例1と実施例2を参照しながら説明する。
本体Hの利用者が片手で把持部H4を把持し指でレバー制御部43を当接部41がテープ結束アーム30の他端部の方向に摺動するように作動させるとテープクランプ部32がテープ出口部23に接近したときに固定挟持部32aと可動挟持部32bで熱溶着テープT3を捕捉し、テープ加熱部G4とテープ押圧部24が当接したときには固定挟持部32aと可動挟持部32bは熱溶着テープT3を挟持するように形成されている。
【実施例4】
【0042】
次に図3に示したテープクランプ部32が熱溶着テープT3を挟持しテープ出口部23から引き出した状態を図2と図4と実施例1と実施例3を参照しながら説明する。
本体Hの利用者がレバー制御部43から指を離すことで、張着部H3の張力により当接部41が図2に示した位置まで戻るので、張着部H3の張力によりテープ誘導アーム他端部22とテープ結束アーム30の他端部は開こうとする力が働いて、この力によって固定挟持部32aと可動挟持部32bで挟持された熱溶着テープT3はテープ出口部23から引き出され、熱溶着テープT3が熱溶着テープT4となる状態を示している。熱溶着テープT4の状態になることで図4に示した被結束物Bを捕捉する準備が整ったことになる。
【実施例5】
【0043】
次に図4に示した熱溶着テープT4で被結束物Bを捕捉した状態を図2と図5と実施例1と実施例4を参照しながら説明する。
熱溶着テープT4で被結束物Bを捕捉し、熱溶着テープT4で捕捉された被結束物Bをテープ誘導アーム他端部22とテープ結束アーム30の他端部の間から回動部31の方向に向かって誘導することで、熱溶着テープT3がテープクランプ部32で挟持されているので熱溶着テープT4はテープ出口部23から引き出される。熱溶着テープT4で捕捉された被結束物Bがテープ加熱部G4とテープ押圧部24を過ぎた辺りが熱溶着テープT4をテープ加熱部G4とテープ押圧部24で押圧して加熱する準備が整ったことになる。
【実施例6】
【0044】
次に図5に示した被結束物Bを捕捉し結束した熱溶着テープT4を熱溶着した後に熱溶着された部位である熱溶着テープT5の所定部位を切断している状態を図4と図6と実施例1と実施例5を参照しながら説明する。
熱溶着テープT4で捕捉された被結束物Bがテープ加熱部G4とテープ押圧部24を過ぎた辺りで、本体Hの利用者が片手で把持部H4を把持しながら指でレバー制御部43を当接部41がテープ結束アーム30の他端部の方向に摺動するように作動させると、テープ加熱部G4とテープ押圧部24が被結束物Bを捕捉し結束することで熱溶着テープT4の2重になった部位を押圧するように作動する。このときテープ加熱部G4は熱溶着テープT4を熱溶着できる温度に加熱されているので、熱溶着テープT4の2重になった部位で押圧合掌貼りされている部位は熱溶着され熱溶着テープT5に形成される、と同時にテープ切断部25が作動し熱溶着テープT5の所定部位を切断するものとする。このとき、固定挟持部32aと可動挟持部32bは開放され挟持されていた熱溶着テープT3はテープクランプ部32から排除される。
【実施例7】
【0045】
次に図6に示した熱溶着テープT5の所定部位を切断することで結束された被結束物Bがテープ誘導アーム他端部22とテープ結束アーム30の他端部の間から排出されている状態を図5と図1と実施例1を参照しながら説明する。
テープ切断部25により熱溶着テープT5の所定部位が切断され、本体Hの利用者がレバー制御部43から指を離すことで、張着部H3の張力により当接部41が図1に示した位置まで戻るので、張着部H3の張力によりテープ誘導アーム他端部22とテープ結束アーム30の他端部も図1に示した位置まで戻ることになる。このとき結束された被結束物Bは結束物B1となり、テープ誘導アーム他端部22とテープ結束アーム30の他端部の間から排出され、熱溶着テープT5の所定部位が切断されることで、テープ出口部23には新たに熱溶着テープT3が形成され、本発明のガス式テープ熱溶着機を用いた結束作業の一つのサイクルが終了することになり、すなわち図1に示した本発明のガス式テープ熱溶着機の結束作業の開始状態に戻ることを示している。
【0047】
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のガス式熱溶着テープ結束手段及びガス式テープ熱溶着機を利用することによって熱溶着テープを用いる結束作業においては、本明細書で記載した被結束物を、電気配線または電池なしでの結束を可能とするので、産業上の利用可能性は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係るガス式テープ熱溶着機の開始状態を示す概略説明図。
【図2】本発明に係るアーム制御レバーを制御してテープ結束アームとテープ誘導アームを閉じた状態を示す概略説明図。
【図3】本発明に係るテープクランプ部が熱溶着テープの先端を挟持しテープ出口部から引き出した状態を示す概略説明図。
【図4】本発明に係るテープ出口部から引き出された熱溶着テープで被結束物を捕捉した状態を示す概略説明図。
【図5】本発明に係る被結束物を捕捉し結束した熱溶着テープを熱溶着した後に熱溶着された部位を切断している状態を示す概略説明図。
【図6】本発明に係る熱溶着された部位を切断した被結束物を排出している状態を示す概略説明図。
【符号の説明】
【0050】
H:本体 H1:本体一端部 H2:本体他端部
H3:張着部 H4:把持部
B:被結束物 B1:結束物
T,T1,T2,T3,T4,T5:熱溶着テープ
10:テープ保持部
20:テープ誘導アーム 21:テープ誘導アーム一端部
22:テープ誘導アーム他端部 23:テープ出口部
24:テープ押圧部 25:テープ切断部
30:テープ結束アーム 31:回動部
32:テープクランプ部
32a:固定挟持部 32b:可動挟持部
33:燃料容器係着部 34:燃焼部保持部
G:燃料保持容器 G1:燃料制御部
G2:燃料供給部 G3:燃焼部 G4:テープ加熱部
40:アーム制御レバー 41:当接部
42:レバー回動部 43:レバー制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの線状物または棒状物またはこれらの組合せである被結束物を熱溶着テープと熱溶着手段を用いて結束する手段において、前記熱溶着テープ結束手段の熱源が気体燃料による燃焼熱であることを特徴とする、ガス式熱溶着テープ結束手段。
【請求項2】
請求項1に記載のガス式熱溶着テープ結束手段は、熱溶着テープの保持部、気体燃料を保持する容器、前記燃料保持容器からの気体燃料を燃焼させる燃焼部、前記燃焼部による燃焼熱で前記テープ保持部からの熱溶着テープを加熱するテープ加熱部、より構成されることを特徴とする、ガス式テープ熱溶着機。
【請求項3】
前記燃料保持容器は、前記ガス式テープ熱溶着機から着脱可能になる手段または/及び気体燃料の補充可能手段を備えたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のガス式テープ熱溶着機。
【請求項4】
前記ガス式テープ熱溶着機の本体には、前記テープ保持部、前記テープ保持部からの熱溶着テープを誘導するテープ誘導アーム、前記テープ加熱部を備えたテープ結束アームが設けられ、前記テープ誘導アームの一端部は前記本体の任意部位に係着され、前記テープ結束アームの一端部は前記本体の任意部位には回動可能に軸着され、前記テープ誘導アームの他端部にはテープ保持部からのテープの先端を繰出すように形成されたテープ出口部が設けられ、前記テープ結束アームの他端部には前記テープ先端を掴まえて挟持するように形成されたテープクランプ部を設け、前記テープ結束アームの一端部と前記テープクランプ部の間には前記燃料保持容器と前記燃焼部と前記テープ加熱部が設けられ、前記テープ出口部の近傍でかつ前記テープ加熱部に対向する部位には前記テープ加熱部を押圧できるように形成したテープ押圧部とテープ切断部を設けたことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のガス式テープ熱溶着機。
【請求項5】
前記ガス式テープ熱溶着機の本体で前記テープ結束アームまたは前記テープ誘導アームの近傍には把持部が設けられ、前記把持部には前記テープ結束アームまたは/及び前記テープ誘導アームの回動を制御できるように形成したアーム制御レバーを設けることを特徴とする、請求項4に記載のガス式テープ熱溶着機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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