説明

ガス検出装置

ガスの存在を検出するための装置及び方法が記載される。ガス検出装置(10,510)は、粒子検出システム(500)のダクト(504)と流体連通するように構成されたハウジング(30)と、ダクト(504)内を流れる空気サンプルの少なくとも一部における標的種の存在を検出するためにハウジング(30)と流体連通して配置される標的種に敏感に反応する少なくとも1つのガス検出器(42,43)とを有する。一形態において、ガス検出装置(10,510)は、粒子検出器(502)と、環境及び粒子検出器(504)と流体連通するダクトシステム(504)と、環境から粒子検出器(502)へ空気サンプル流れ(72)を取り出すための吸引器(518)とを有する環境の状態を検出するためのシステム(700)の一部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境の状態を検出することに関する。特に、本発明は、ガスの存在を検出するための装置及び方法に関する。好ましくは、本発明は、危険な状態、例えばガス漏れ又は火災を示すガスを検出するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス検出器は、ガス又は他の揮発性化合物の存在を検出してそれらの濃度を測定するために使用される。その他の使用として、ガス検出器は、例えば、以下の存在、すなわち、
(i)有毒ガス(例えば、(a)密閉空間に放出されたアンモニア、(b)燃料燃焼炉、ガス温水ヒータ、ガスストーブ、ガス乾燥機、室内暖房器、木炭グリル、暖炉、(駐車場に蓄積されたものを含む)車両及び芝刈り機などの制御された火災事象から作られる二酸化炭素又は一酸化炭素、及び(c)工業生産プラントから偶然に放出されたイソシアン酸メチルガス)
(ii)(火災を防止するために)可燃性ガス漏れ又は可燃性ガスの増加(例えば下水道システムにおけるメタン)、及び/又は、
(iii)迫り来る火災(すなわち、くすぶり又は溶けつつある物質)、又は事前火災(すなわち、燃焼物質)、あるいは火災の性質(例えば、燃焼している物質のタイプ)を示すガス又は他の揮発性化合物、
の存在を検出するために監視システムにおいて使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書では、ガス検出器は、理解しやすくするために最後のもの(すなわち、好ましくない火災事象の予防と検出)に関して主に記載されているが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。明らかに、ガス検出器は、他の状況においてもまた有用である。
【0004】
本発明の目的は、改良されたガス検出装置を提供することである。幾つかの態様において、本発明は、煙検出器を組み合わせる又は煙検出器とともに使用することができる改良されたガス検出装置を提供しようとするものである。幾つかの態様において、本発明は、関連するサンプリングパイプ網を備えた吸引煙検出器などの空気サンプリング汚染監視設備とともに使用することができる改良されたガス検出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
明細書では従来技術についての言及がなされていないが、この従来技術がオーストラリア又は他の管轄において共通一般知識の一部を形成する、あるいはこの従来技術が当業者によって確認され、理解され、関連があるとみなされると合理的に思うことができるという認識又はあらゆる形の示唆として受け取られるべきものではない。
【0006】
第1の態様では、空気サンプルが流れるダクトと、該ダクト内を流れる空気サンプルの少なくとも一部を分析するための粒子検出器とを有するタイプの空気サンプリング粒子検出システムとともに使用するためのガス検出装置であって、前記粒子検出システムのダクトと流体連通するように構成されたハウジングと、前記ダクト内を流れる空気サンプルの少なくとも一部における標的種の存在を検出するために前記ハウジングと流体連通して配置される標的種に敏感に反応する少なくとも1つのガス検出器とを有するガス検出装置が提供される。
【0007】
好ましくは、前記ガス検出装置のハウジングは、使用時に粒子検出システムのダクト内に挿入されるように構成されるダクト部分を有する。有利なことに、これは、粒子検出の既存のサンプリングダクトに前記ガス検出装置を組み込むことを可能にする。
【0008】
前記ガス検出装置はさらに、前記ガス検出装置によって分析するために前記粒子検出システムのダクト内又は前記ハウジングのダクト部分内を流れる空気サンプルから副サンプルを取り出すように配置された吸入ポートと、空気の副サンプルを排出するように配置された排出ポートと、前記吸入ポートから前記排出ポートに延びる流路と、前記副サンプル内の前記標的種の存在を検出するために前記流路と流体連通して配置された標的種に敏感に反応する少なくとも1つのガス検出器とを有することができる。
【0009】
前記検出装置はさらに、前記流路を規定するサンプル通路と、試験領域と、前記サンプル内の標的種が膜を通じて前記試験領域へ入ることができるように前記サンプル通路と前記試験領域との間に流体連通を付与する少なくとも1つの膜とを有している。この場合、前記サンプル通路は、前記サンプルガスの少なくとも一部を前記膜の方へ向けるために流れ制御構造を有することができる。
【0010】
前記流れ制御構造は、有利なことに、前記サンプル通路の湾曲部を規定し、前記膜は、前記湾曲部の外側部分に位置付けられ得る。
【0011】
前記流れ制御構造は、(i)前記サンプル通路の狭くなる部分、(ii)前記サンプル通路の壁を規定する表面からの球根状の突起部、(iii)前記サンプル通路を規定する表面の少なくとも1つから前記サンプル通路内へ延びるバッフル、及び、(iv)前記サンプル流れを妨害する前記サンプル通路内部の物体、のうちの何れか1つ又は複数を有することができる。
【0012】
好ましくは、前記吸入ポートは、前記空気サンプルから前記サンプル通路へ副サンプルを向けるために前記粒子検出システムのダクト内又は前記ハウジングのダクト部分内に延びる流れ指示要素を有する。最も好ましくは、前記流れ指示要素は、凹形状である。
【0013】
前記排出ポートはまた、好ましくは、前記副サンプルが前記粒子検出システムのダクト内の前記空気サンプル流れに戻されるように前記ダクトと流体連通している。
【0014】
好ましい形態では、前記吸入ポートと前記排出ポートは、前記吸入ポートと前記排出ポートの間における前記ダクト内の圧力降下が前記流路を通じて空気を取り出すのに役立つように前記ダクト内の気流内に位置付けられている。
【0015】
前記ガス検出装置はさらに、空気を前記吸入ポートへ取り出す手段を有することができ、例えばファン又はポンプを設けることができる。
【0016】
前記ガス検出装置はさらに、較正ガスを前記試験領域に供給するように構成された二次ガス吸入口を有することができる。好ましくは、前記二次ガス吸入口によって前記試験領域に供給されたガスは、前記試験領域から1つ又は複数の関連する膜を通じて前記流路内へ流される。
【0017】
幾つかの実施形態では、前記ガス検出装置は、前記流路内の粒子の存在を検出するように配置された粒子検出装置を有することができる。前記粒子検出装置は、好ましくは、当該検出装置の気流通路を通じて光線を伝達するように配置された比濁計である。
【0018】
好ましい実施形態では、前記ガス検出装置の流路は、粒子フィルタを備えていない。
【0019】
幾つかの実施形態の前記ガス検出装置は、防爆性を有するハウジング、1つ又は複数の火炎防止装置、及び本質的に安全な電気回路のうちの何れか1つ又は複数を有し得る。幾つかの実施形態の前記ガス検出装置は、本質的に安全であり得る。
【0020】
別の態様において、本発明は、環境の状態を検出するためのシステムであって、粒子検出器と、前記環境及び前記粒子検出器と流体連通するダクトシステムと、前記環境から前記粒子検出器への空気サンプル流れの取り出しを作り出す吸引器と、本明細書に記載されるタイプの少なくとも1つのガス検出装置と、を有するシステムを提供する。
【0021】
最も好ましくは、各ガス検出装置が専用モジュールを形成する。前記専用モジュールは好ましくは、前記粒子検出システムのダクトシステムの一部として配置するように構成されている。最も好ましくは、前記ガス検出装置は、前記ダクトシステムにおいて粒子検出器の上流に位置付けられている。
【0022】
好ましい形態では、前記ガス検出装置は、前記粒子検出器に前記空気サンプルを導入する前に前記空気サンプルから副サンプルを取り出すように配置することができる。前記ガス検出装置はまた、前記副サンプルを大気に排出するのではなく、前記副サンプルを前記ダクトシステムに戻すように構成することができる。前記ガス検出システムが前記粒子検出器の上流に位置付けられる状況では、このアプローチは、前記空気サンプリングダクト内の圧力損失を最小にする、及び/又は、前記ガス検出装置によって引き起こされる可能性がある移動時間遅延を最小にすることができる点で有利である。
【0023】
あるいは、前記ガス検出装置は、前記空気サンプルが前記粒子検出器から排出された後に前記空気サンプルから副サンプルを取り出すように配置されている。
【0024】
好ましくは、前記ダクトシステムは、前記ダクトに沿って順番に配置された複数の空気サンプル吸入口を有する少なくとも1つの空気サンプリングパイプを有し、前記ガス検出装置は、少なくとも2つの空気サンプル吸入口の下流の前記空気サンプリングパイプから副サンプルを取るように配置され、前記ガス検出装置の上流の前記空気サンプリングパイプにおける複数のサンプル吸入口の希釈効果を反映する希釈係数で較正される。
【0025】
幾つかの実施形態では、前記システムは、少なくとも2つのガス検出装置を有する。この場合、各ガス検出装置は、それぞれの位置において空気サンプリングパイプから副サンプルを取るように配置され、前記ガス検出装置のそれぞれの位置の上流の前記空気サンプリングパイプの前記サンプル吸入口の希釈効果を反映する対応する希釈係数で較正され得る。
【0026】
前記ダストシステムが、前記環境のそれぞれの部分から空気サンプルを取り出すように配置された少なくとも2つの空気サンプル吸入口を有するシステムでは、前記システムはさらに、それぞれの空気サンプル吸入口に隣接した前記環境の一部において検出される少なくとも1つの標的種に敏感に反応する少なくとも2つのガス検出装置を有することができる。
【0027】
前記システムでは、少なくとも2つのガス検出装置は、それぞれが、同一ではない空気サンプル吸入口の対応する部分集合から取り出された空気サンプル流れを含む前記ダクトから副サンプルを取り出すことができるように前記ダクトシステムに対して位置付けることができる。この場合、1つのガス検出装置に対応する空気サンプル吸入口の部分集合が、別の粒子検出装置の空気サンプル吸入口の部分集合に対して少なくとも1つの空気サンプル吸入口によって異なり得る。1つのガス検出装置に対応する空気サンプル吸入口の部分集合が、別の粒子検出装置に対応する空気サンプル吸入口の部分集合の一部を形成する空気サンプル吸入口を有していない。
【0028】
複数のガス検出装置を有する例示的システムでは、少なくとも2つのガス検出装置が、少なくとも1つの異なる標的種に敏感に反応することができる。
【0029】
幾つかのシステムでは、前記ガス検出装置は、本質的に安全であり得る。前記粒子検出器又は前記システムのあらゆる(場合によっては全ての)構成要素はまた、本質的に安全であり得る。
【0030】
前記システムは、本質的に安全な粒子検出器又は本質的に安全なガス検出装置の何れか又は両方、あるいは前記システムのあらゆる他の構成要素に電力を供給するためのバリア装置(barrier device)を有し得る。
【0031】
本発明者は、ガスサンプル領域から膜によって分離される検出器試験領域を有するガス検出装置において、サンプリングされたガスの少なくとも一部を前記膜の方へ向けるために流れ制御構造を有することが前記ガス検出装置の改良を引き起こすことを見出した。従って、本発明の更なる態様では、バルクガス(bulk gas)内部の標的種の存在を検出するためのガス検出装置であって、サンプル吸入口と、
−前記バルクガスの少なくとも一部であるサンプルガスが前記サンプル吸入口から流れるサンプル通路と、
−試験領域と、
−前記サンプル内の標的種が前記膜を通じて前記試験領域へ入ることができるように前記サンプル通路と前記試験領域との間に流体連通を付与する少なくとも1つの膜と、
−前記試験領域と流体連通する前記標的種に敏感に反応する少なくとも1つのガス検出器と、
を有し、前記サンプル通路が、前記サンプルガスの少なくとも一部を前記膜の方へ向けるために流れ制御構造を有する、
ガス検出装置が提供される。
【0032】
本発明の別の態様では、ガス検出装置においてバルクガス内部の標的種の存在を検出するための方法であって、
−前記バルクガスの少なくとも一部であるサンプルガスをサンプル吸入口を通じてサンプル通路へ取り出すステップと、
−前記サンプル通路と前記試験領域との間に流体連通を付与する少なくとも1つの膜を通じて少なくとも前記標的種を試験領域へ通すことを可能にするステップと、
−前記試験領域と流体連通する少なくとも1つのガス検出器を使用して前記試験領域内の前記標的種の存在を試験するステップと、
を有し、前記方法は、前記サンプル通路内の流れ制御構造によって前記サンプルガスの少なくとも一部を前記膜の方へ向けることを有する方法が提供される。
【0033】
前記サンプル通路内を流れるサンプルガスは、少なくとも第1の流れ方向(すなわち、第1の正味(net)の方向)を有する。さらに述べるように、幾つかの実施形態では、前記流れ制御構造によって、前記サンプル通路内を流れるサンプルガスが少なくとも第2の流れ方向を有することを引き起こす。この第2の流れ方向は、前記サンプルガス流れの一部のみ、前記サンプルガス流れの大部分、又は前記サンプルガス流れの本質的に全て(すなわち、第2の正味の方向)ということができる。
【0034】
前記流れ制御構造は、(別個の構造とは対照的に)前記サンプル通路を規定する1つ又は複数の表面であり得る。幾つかの実施形態では、前記サンプル通路は、前記サンプルガスが前記第1の流れ方向から前記第2の流れ方向に正味の流れ方向を変更するように形作られ、これらの実施形態では、膜は、前記第1の流れ方向が膜の方へ向けられるように配置され得る。例えば、前記流れ制御構造は、前記パイプの屈曲部又は湾曲部を規定することができ、前記屈曲部又は湾曲部の外側に膜が配置されている。
【0035】
別の実施形態では、前記第1の流れ方向は、前記膜に向かうのではない。これらの実施形態では、前記サンプル通路は、前記流れ制御構造としてのデフレクタを有し、前記サンプル通路の断面形状は、サンプル通路の長さに沿って変化する。前記デフレクタは、前記サンプル通路を規定する1つ又は複数の表面(i)と一体的にされ得る、(ii)に取り付けられ得る、又は(iii)から分離され得る。これらの実施形態では、前記サンプル通路を規定する1つ又は複数の表面は、第1の流れ方向を有するサンプルガスを引き起こす一方、前記デフレクタは、前記サンプルガスの少なくとも一部が前記膜に向かう少なくとも第2の流れ方向を有するように向け直されることを引き起こす。前記デフレクタは、向け直されたサンプルガスの少なくとも一部が前記膜に接触するように前記膜に必ず隣接している。
【0036】
好ましくは、前記デフレクタは、前記第2の流れ方向が前記膜に向かうように位置調整される表面又は物体である。これらの実施形態では、前記デフレクタは、前記膜に対して角度が付けられる(すなわち、前記サンプル通路にある前記膜の表面に平行ではない)。好ましくは、前記デフレクタは、前記膜から離れるよりもむしろ、前記膜の方へ傾斜している。例えば、前記デフレクタは、(i)サンプル通路を規定する1つ又は複数の表面の滑らかな又は急な狭くなる部分/収縮部、又は(ii)サンプル通路を規定する表面からの球根状の突起部((i)及び(ii)は、一体的なデフレクタの実施例である)、(iii)(付属デフレクタの実施例として)サンプル通路を規定する1つ又は複数の表面の少なくとも1つから延びる平らな又は湾曲したバッフル、あるいは(iv)(サンプル通路を規定する1つ又は複数の表面から分離したデフレクタの実施例として)サンプル通路内部にあるが、サンプル流れを妨害するサンプル通路を規定する1つ又は複数の表面に接続されない(ビードのような)物体であり得る。
【0037】
好ましくは、前記デフレクタは、前記膜を通過するサンプルガス流れの容積が低減されるようにサンプル通路を狭くする表面である。理論によって拘束されることを望まないならば、この狭くなる部分は、速度を増加させ、その領域におけるサンプルガス流れの乱流性を増加させると考えられる。乱流(及び速度)の増加に付随して、サンプル通路を規定する1つ又は複数の表面の方へ及び前記膜の方への前記サンプルガス分子の運動量流束/対流が増加する。すなわち、収縮部に入る前に第1の流れ方向に流れるある量のサンプルガス分子は、狭くなる部分によって前記膜に向かう第2の流れ方向に流れることを引き起こす(しかしながら、この量は、第1の流れ方向に流れたままであるサンプルガス分子の量と比べて小さいと予想される)。この前記膜の方に向けられるサンプルガス分子の量及び速度の増加は、(a)より多数のサンプルガス分子が前記膜を通じて試験領域を通ること、及び(b)前記膜を通じて試験領域へのサンプルガス分子のより速い拡散、を引き起こす。これらの要因はそれぞれ、低い活性化閾値(すなわち、あまり進行していない火災を検出することができる)と速い応答時間(すなわち、ガス検出装置の固有遅さに起因する警報遅延時間が低減される)とを有することによって、望ましくない火災事象をより早く検出することができるガス検出装置を引き起こす。
【0038】
乱流を増加させ、より多くのサンプルガス分子を前記膜の方へ向けるためにサンプル通路を狭くすることと同様に、デフレクタがまた、サンプルガス流れを前記膜の方へより明白に向けることが好ましい。すなわち、デフレクタは、第1の流れ方向に当初は流れるサンプルガス分子の相当の部分が、前記膜に向かう第2の流れ方向を有するように向け直されるようであることが好ましい。例えば、デフレクタは、サンプルガスの第1の流れへの乱れ及び前記膜に向かう前記第2の流れ方向を引き起こすために、サンプルガスの第1の流れ方向を横切って位置付けられるサンプル通路を規定する1つ又は複数の表面から延びる平らな又は湾曲した表面、又は分離した物体、例えば矩形柱、三角柱又は半円筒であり得る。すなわち、サンプルガス分子の流れは、デフレクタによって偏向され/向け直され/かき乱され/分裂させられ、前記膜の方へ流れるようにされる。
【0039】
本発明のガス検出装置はまた、サンプル通路と流体連通するサンプル吸入口を有している。サンプル吸入口はまた必ず、バルクガスと流体連通している。好ましくは、サンプル吸入口は、バルクガスダクト内のバルクガス流れ内に位置付けることができる。これらの実施形態では、サンプル吸入口は、バルクガスの流れをサンプル通路へ向けるように構成されている。これは、好ましくは、(バルクガスの流れの方向に対して)凹形状であるサンプル吸入口によって実現される。例えば、サンプル吸入口は、スコップ形状(scoop-shaped)である。バルクガスの一般流量は、約120リットル/分までである。あるいは、バルクガスが、サンプル吸入口へ供給されてもよい。これらの実施形態では、ポンプ/ファン/送風機が、バルクガスをサンプル吸入口へ向けるために設けられ得る。いずれの場合においても、サンプル通路内部のサンプルガスの好ましい流量は、約1リットル/分から約5リットル/分の範囲である。
【0040】
本発明のガス検出装置はまた、好ましくはサンプル通路と流体連通するサンプル排出口を有している。サンプル排出口は、サンプル吸入口と同じものであってもよいが、異なっていることが好ましい。より好ましくは、サンプル排出口は、ガス検出装置を通過したサンプルガスを元の源に戻すことができるようにバルクガスと流体連通している。この場合、サンプル排出口は、サンプルガスをバルクガスの流れへ向けるように構成されている。
【0041】
障害要素(例えば、ちり)を濾過するとともにサンプルガス/標的種の希釈を許容するためにガス検出器において膜が使用されることが多い。前記膜は、当技術分野で周知であるようにあらゆる好適な材料から作られる。例えば、前記膜は、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、ゴアテックス)又はジテックスであってもよい。好ましくは、前記膜は、ゴアテックスである。前記膜は、試験領域及びガス検出器までサンプルガス及び標的種が通過することができるように多孔性を有する必要がある。前記膜の寸法は、(試験ガス内のサンプルガス及び標的種の濃度が検出限界を超えるように)十分な量のサンプルガス及び標的種が通過することができ、許容時間枠内に(例えば、望ましくない火災事象の検出に適用するために迅速に)サンプルガス及び標的種の通過を許容するあらゆるものであり得る。好ましくは、前記膜を通過することができるサンプルガス及び標的種の量は、頻度は低いもののガス検出器交換が要求されるように前記検出器飽和状態より著しく少ない。好適な特性は、細孔径が約4ミクロンから約20ミクロン、膜厚が約0.28ミリメートルから約0.56ミリメートルであるが、本発明は、この特性に限定されるものではない。複数の膜であってもよい。
【0042】
ガス検出装置の試験領域は、試験ガス、すなわち1つ又は複数の検出器と直接接触するガスを含む。ガス検出装置の通常運転中に、試験ガスは、サンプル通路から前記膜を通過したサンプルガスである。しかしながら、較正の目的では、試験ガスは、(従来技術において知られているような)較正ガスであろう。較正ガスは、試験領域内の全サンプルガスが1つ又は複数の膜を通じて押し出されてサンプルチャネルへ戻るように試験領域に注入され、このプロセスは、膜からあらゆる破片を取り除くために膜のバックフラッシュ(back-flushing)、及び(ii)(試験ガスが較正ガスである場合)検出器の較正を効果的に付与する。バックフラッシュ及び較正は、ユーザ制御、間欠的プログラム制御、又は運転状態に対する自動応答であってもよい。当業者は、バックフラッシュが必要であるとともに較正を行う必要がある頻度を理解するであろう。
【0043】
1つ以上のガス検出器及び/又は検出器のタイプが存在し得る。好ましくは、2つのガス検出器が存在する。各ガス検出器は、それ自体に関連するデフレクタ及び/又は膜を有し得る、あるいは共通のデフレクタ及び/又は膜を共有し得る。
【0044】
応答時間及び検出限界を最大にするために、ガス検出器は、好ましくは膜に近接して位置付けられる。同様に、デフレクタは、好ましくは膜に近接して位置付けられる。
【0045】
ガス検出装置は、当技術分野で周知のあらゆるタイプの粒子検出器、例えば吸引煙検出器とともに作動され得る。また、粒子検出器は、本発明のガス検出装置内部に備えられてもよい。いずれの場合でも、煙及びガス検出器は好ましくは、例えばサンプリングパイプ網などの大気サンプリング汚染監視設備を用いて得られるバルクガスにアクセスすることができる。このような場合、バルクガスは、サンプル吸入口に入る前に粒子のために予め濾過され得る。
【0046】
従って、本発明の更なる態様では、空気体積内の異常状態を検出するための検出システムが提供され、該検出システムは、粒子検出段階と空気体積と流体連通するガス検出段階とを有する。ガス検出段階は好ましくは、本明細書に記載されるタイプからなる。粒子検出段階は好ましくは、光煙検出器を有し、例えばエクストラリス・プロプライエタリー・リミテッド(Xtralis Pty Ltd.)によって供給されるVESDA粒子検出器などを有している。好ましくは、前記検出システムは、空気サンプリング網によって空気体積と流体連通して保持される。
【0047】
本発明の例示的実施形態は、添付図面を参照しながら、限定されない実施例としてのみ
説明される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】バルクガスダクトに位置付けられたガス検出装置を示す本発明の実施形態を示す図である。
【図2】ガス検出器の内部配置、膜及び流れ制御構造を示す図1の実施形態から取られた断面図である。
【図3】ガス検出器の内部配置、膜及び流れ制御構造を示すガス検出装置の第2実施形態を横切って取られた断面斜視図である。
【図4】従来の空気サンプリング汚染監視システムを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るガス検出装置を用いて拡張された空気サンプリング汚染監視システムの第1実施形態を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るガス検出装置を用いて拡張された空気サンプリング汚染監視システムの第2実施形態を示す図である。
【図7】暖房、換気及び空調(HVAC)システムのダクトに取り付けられた本発明の実施形態に係るガス検出装置を示す図である。
【図8】本発明に係るガス検出装置の独立型吸引実施形態を示す図である。
【図9】複数のガス検出装置を有する本発明の実施形態に係る空気サンプリング汚染監視システムの更なる実施形態を示す図である。
【図10】複数のガス検出装置を有する本発明の実施形態に係る空気サンプリング汚染監視システムの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明は、現在好ましい実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより最も良く理解されるであろう。
【0050】
図1は、ガス検出装置10の外観図を示す。ガス検出装置10は、下部メインハウジング30と蓋部20とを有する。メインハウジング30の下端部は、バルクガスを受け入れることができるダクト70を規定する。使用時、バルクガスダクト70は、バルクガス源、例えば、吸引粒子検出システムのサンプリング網のパイプ形成部分、粒子検出器の吸入口又は排出口、HVACシステムのダクトと流体連通するガス供給プローブ、又は他の空気源に接続され得る、あるいは標的種を監視される空気体積と流体連通して単に配置され得る。
【0051】
バルクガスは、ガス検出装置10内部の1つ(又は複数)のガス検出器がバルクガス又はバルクガスから取られた副サンプル内の1つ又は複数の標的種のレベルを感知することができるようにダクト70内へ導入される。試験ガス又は較正ガスは、装置10に収容されたガス検出器の較正のために、また装置10のフィルタ膜をバックフラッシュするために試験領域62内に入力することができる。
【0052】
当然のことながら、前記システムは、火災警報システム、ビル監視、HVACなどの他のシステムとの通信を可能にするために、例えばUSB、イーサネットなどの通信インターフェースを有することができる。
【0053】
図2は、(後述されるような)より内部の詳細を示すとともに、さらにバルクガスダクト70との相互作用を明示する概略断面図を示している。図2に示すように、ガス検出装置10は、以下の主要構成要素を有している。
【0054】
・検出器の構成要素が収容される内部区画部31を規定するメインハウジング30。第1の端部において、ハウジング30は、使用時にバルクガスが流れるダクト70を規定する。このダクトは、取付中に更なるパイプ又は空気供給システムのダクトに接続することができる、あるいは実際には空気供給システムの一部であり得る。
【0055】
・メインハウジング30の上部を閉じる蓋20。蓋20は、ハウジング30の上部を閉じ、必要に応じてガス検出装置10の構成要素を修理する、取り替える又は交換することができるようにハウジング30から取り外し可能である。
【0056】
・ダクト70内へ延び、サンプルの流れを検出装置内部に規定されるサンプル通路56の方へ向けるためにスコップ状構造(サンプル吸入口54)を提供する中心インサート50。中心インサートの下流側は、分析後に空気サンプルを排出してダクト70内へ戻すようにダクト70内への排出口(サンプル排出口55)を規定する。圧力は、中心インサートによって形成される吸入口及び排出口に亘って降下し、ダクト70内へのインサートの突出は、更なるファンなしにサンプル通路56を通じて空気を取り出すのに十分である。
【0057】
中心インサート50はまた、サンプルが流れるサンプル通路の内壁の少なくとも一部を規定し、この実施例では、通路56内に所望の空気流れを設定するために、流れ制御構造、例えばデフレクタ52及び53を備えている。
【0058】
中心インサート50は、洗浄又は交換のために装置10から取り外し可能であり、好ましくは、(バルクガスダクト70が存在しない場合は)下方から又は(検出器カートリッジ40がない場合は)上方からメインハウジング30に挿入することができる。
【0059】
・通路規定インサート51。通路規定インサート51は、メインハウジング30の凹部内に取り外し可能に取り付けられ、サンプル通路56を規定するために中心インサート50と協働する。通路インサート51は、膜44及び45によって閉じられる1つ又は複数の開口部を有しており、膜44及び45を通じてガスは動作中に拡散する。通路規定インサート51は、前記ハウジングに取り付けられ、Oリングによってその周辺部のあたりがシールされる。
【0060】
1つ又は複数のガスセンサ42及び43を含み、メインハウジング30内部に取り外し可能に取り付けられるガス検出器カートリッジ40。検出器カートリッジ40は、その中に収容される検出器の修理交換又はアップグレードを可能にするために取り外し可能であるとともに取り換え可能である。ガス検出器カートリッジ40は、膜44,45とガス検出器カートリッジ40のガス検出器42,43との間に試験領域62を設けるために通路規定インサート51から間隔をあけて配置されるように取り付けられる。ハウジングはまた、試験領域62へ較正ガスを導入するために試験領域62と流体連通する試験吸入口60を備えている。ガス検出器カートリッジは、Oリングを用いてハウジング30に対してシールされる。
【0061】
ガス検出器42又は43は、当技術分野で周知であり得る。例えば、ガス検出器は、SO、NO、CL、CLO、CO、NH、HCl、HCN、NO、O、H、CO、HS又はCHなどの少なくとも1つの標的種の存在を検出するためのものであり得る。当技術分野で周知である他の揮発性有機化合物(VOCs)がまた、標的種であってもよい。異なるガス検出器は、異なるガスに反応することが知られている。好適な検出器のタイプは、電気化学センサ、触媒拡散センサ、爆発力計、赤外線ポイントセンサ、非分散型赤外線センサ、固体金属酸化物半導体、及び/又は光イオン化検出器であり得る。
【0062】
使用時、バルクガス72は、バルクガスダクト70に流れる。バルクガスがサンプル吸入口54に達すると、一部が、サンプルガス57となるためにサンプル通路56へ向け直される。サンプルガス57は、第1の流れ方向においてデフレクタ52の方へ引き込まれる。デフレクタ52と出会うと、サンプルガス57の少なくとも一部が、異なる第2の流れ方向を有するように向け直される。第2の流れ方向は、膜44に向かっている。次に、サンプルガス57の一部とその内部のあらゆる標的種とが、膜44を通過して試験領域62に入る。そこから、ガス混合物は、ガス検出器42と相互作用することができ(相互作用の正確な性質は検出器のタイプに依存する)、ガス混合物内のあらゆる標的種が検出される。
【0063】
流れは、特に流線、流脈及び流跡線によって記載することができる。流線は、流れの速度ベクトルの瞬間的な接線である曲線であり、流脈は、ある期間にわたって特定の空間点を通過した全ガス分子の軌跡であり、流跡線は、個別のガス分子が有する軌道である。パイプを通る層流では、(i)流線、流脈及び流跡線は同一であり、(ii)境界層はパイプに沿う速度がゼロに近づくところに存在し、(iii)高運動量の拡散であるが低運動量の対流がパイプの表面への方向において起こる。パイプを通る乱流では、混合は、著しく増加し、(i)流線、流脈及び流跡線は同一ではなく、(ii)よく解明されていないが比較的大きい境界層が存在し、(iii)高運動量の対流であるが低運動量の拡散がパイプの表面への方向において起こる。速度の増加は、特に層流から乱流への移行を引き起こす。
【0064】
サンプル通路の流れを想像してください。流れのあらゆる断面において、大部分の分子は、サンプル通路に沿うバルク方向に移動するであろう。しかしながら、一部の分子はまた、(主に層流の場合)「受動的に起こる」運動量拡散と(主に乱流の場合)「受動的に起こる」運動量対流とによって、サンプル通路を規定する1つ又は複数の表面の方へ(すなわち、流れのバルク方向を横切って)移動するであろう。「受動的に起こる」ことによって、流れ方向が本発明の流れ制御構造の結果としてではないことを意味している。このような「受動的に起こる」運動量拡散と運動量対流とは、本発明において理解されるように「膜に向かう」のではない。それに代えて、本発明では、「膜に向かう」とは、「流れ制御構造に由来する」運動量拡散、運動量対流及び/又はバルク流れ方向を意味することを理解すべきである。
【0065】
バルク方向の流れ、すなわちサンプル通路に沿った流れは、流れ制御構造が正味のバルク流れ方向を膜に近接した位置に変えるために使用される場合、膜に向かうと考えられ得る。例えば、サンプル通路が、エルボパイプを有し、膜がパイプのエルボの外側に位置付けられる場合、パイプ内の流れは、(層流又は乱流にかかわらず)エルボにおいて膜の方へ向けられ、エルボにおいて膜に衝突し、そのときエルボによって形成される角部のあたりで向け直される。パイプはバルク流れ方向をエルボ内の膜に向けるので、その流れは、「流れ制御構造に由来する」。膜がエルボに位置付けられず、その代わりに正味の流れ方向に変化を引き起こさない位置においてバルク流れ方向に平行な壁に単に位置付けられ、それ以外に流れ制御構造が存在しない場合、流れのバルク方向を横断する(すなわち、膜に向かう)方向におけるサンプルガス分子の「受動的に起こる」拡散及び対流が存在するのみである。この状況では、膜に向かう第2のバルク流れ方向を引き起こす流れ制御構造、すなわち「流れ制御構造に由来する」流れが必要である。
【0066】
理論に制約されることがなければ、このような膜に向かう「流れ制御構造に由来する」流れは、「受動的に起こる」流れにおいて起こるより大きいと考えられている。従って、本発明の流れ制御構造は、(i)(大部分は)運動量拡散による層流状態、又は(ii)(大部分は)運動量対流による乱流状態において起こるよりも大きい膜に向かう流れを提供するものであり、従って、サンプルガスと膜を通じて取り込まれた標的種の通路を向上させるものである。
【0067】
膜44及び45の周囲のサンプル流れにおいて好適な流れ状態を実現するために、種々の流れ制御構造が、インサート50の球状部52及び53の代わりに使用することができる。例えば、中心インサート50及びサンプル通路規定インサート51から分離した角度が付いたデフレクタを設けることができる。
【0068】
膜44を通じて検出器42に移動しないサンプルガス57の残りの部分は、サンプル通路56内に存続する。同様の状況が膜45及び検出器43において起こる得、そこでは、同一又は別の標的種を試験することができる。その後に、残りのサンプルガス57が、サンプル排出口55を通ってガス検出装置10から排出され、バルクガスダクト70に戻る。
【0069】
膜44及び45の較正及び/又はバックフラッシュのために、較正ガスが、試験吸入口60を通じて試験領域62に供給される。較正においては、試験ガス63は較正ガスであろう。バックフラッシュのみにおいては、試験ガス63は、較正ガス(これは一般に高価であるけれども)又は単なるフラッシュガス(例えば大気又は好ましくは濾過空気)とすることができる。
【0070】
較正を行うために、システムは、例えば1つ又は複数のソレノイドバルブを通じて較正ポート64を介して、試験吸入口60に取り付けられる較正ガス源、例えば1つ又は複数の好適な圧力調整器を備えた1つ又は複数のガス容器を必要とする。試験吸入口60には、ダックビルバルブ、例えばエラストマー材料から作られるダックビルバルブが位置付けられ、該ダックビルバルブは、幾つかの装置が同時に較正される場合にガスが試験領域62から試験吸入口60に戻ることを防止する。較正ガス供給システムは、各センサタイプにおいて要求されるゼロ又は期間の較正ガスを注入するために1つ又は複数のソレノイドバルブにエネルギーを付与することによって周期的に作動される。較正サイクルは、内部又は外部の手段によって制御することができ、自動的であってもよく、例えば所定のスケジュールにおいて、又はある性能基準が満たされる場合に作動してもよく、あるいはまた、ユーザ入力に応じた要求に応じて行われてもよい。
【0071】
この期間中の警報は抑制されるとともに、好適な時間遅延が、センサが処理することができるように導入される。較正の間、較正ガス63は、試験領域62を満たし、膜44及び45を通じて出て行く。この作用はまた、これらの膜をバックフラッシュするのに役立つ。較正時における各センサからの読み出しは、蓄えられ、その後にサンプル読み出しを調節するために使用される。
【0072】
前記ソレノイドはその後に、サンプルガス57が、再びサンプル室56から膜44及び45を通じて拡散し、試験領域62を満たすことができるように閉じられる。試験領域62は、高速応答のために低い死容積を有するように構成されている。
【0073】
前述した構成要素の配置は、好ましくは全サンプルガスをダクト70内のバルク流れに戻す密封空気流路を提供する。有利なことに、これは、サンプル空気がガス検出装置からの漏れによってシステムから失われないので、この実施形態の検出器を、例えば図6、9及び10の実施例に示されるように、粒子検出器の上流の位置において粒子検出システムの空気サンプリングダクト内に設置するのに特に適している。明らかに、このようなガス検出装置はまた、粒子検出器の排出において使用することができる。
【0074】
図3の実施形態は、任意の比濁計80、例えば光電煙検出器とファン74を更に備えていることを除き、図2の実施形態と同様である。
【0075】
比濁計80は、光源81を有する。好ましくは、光源は、サンプル通路56の上部を横切って中心インサート50の中央に規定されたチャネル61に沿って光ビームを放射するように構成されたレーザ(例えば約5mW)又はLED光源である。(図示されていない)光受信器、例えばSiフォトダイオード又は同種のものが、ビームに対して軸外に配置されており、粒子、例えばサンプル流れ57に取り込まれた煙から散乱される光を受信する。浮遊反射を最小にするために、チャネル61は、角度が付いた反射器82によって形成されるビームダンプで終端され、該反射器82は、戻り反射が比濁計80のフォトダイオードに作用することを防止する。
【0076】
バルクガスの既存流れが存在しない実施形態では、例えば独立型システム又は外部流が低いシステムでは、バルクガスダクト72内に取り付けられたファン74が備えられる。サンプル通路56はまた、フラッシュを引き起こすのに十分高い速度で、ファン74又は図示されない更なるファンを間欠的に作動することによってフラッシュされ得る。このファンの間欠作動、又はファンの間欠的な増加速度の動力は、アドレス可能な火災警報ループから取られ得る。
【0077】
ガス検出器の作動は、間欠的に又は連続的にユーザが制御することができる。動力を取ることを最小にするために、間欠動作が好ましい。好ましい実施形態では、システムの電力は、ガス検出装置がこのようなシステムを拡張するために使用される場合、装置10によって直接的に、又は関連する粒子検出システムを用いて、火災警報ループから取られる。
【0078】
この実施例では、ガス検出装置のダクト70は、縁部から中央に段階的に狭い部分を有している。この実施例では、ダクト70の最も外側の部分91は、ダクト70の内側に隣接する部分92に比べて相対的に大きい直径を有しており、該部分92は、より狭い内径を有している。中央部分93は、更に狭くなっている。この段階的配置は、同一のガス検出装置を、異なる外径を備えた空気サンプリングダクトを有する別の粒子検出システムに適合させることができるので、特に既存の粒子検出システムに対して改造する場合に、設置を容易にする。設置中に空気サンプリングダクトが、ガス検出装置のダクト70内へそこまで挿入されず、メイン空気サンプリングダクトがガス検出装置の空気流路56内への空気の進入を妨げないように、ダクトの隣接セグメント間の段部はまた、深さ停止部として機能することができる。先細りのダクトもまた使用することができる。
【0079】
図4は、従来の空気サンプリング粒子検出システム500を示す。システム500は、サンプルパイプ網504の形をしたダクトに連結された粒子検出器502を有する。サンプリングパイプ網は、複数の空気サンプル吸入口508を有する。使用時、空気は、空気サンプル吸入口508へ取り出され、粒子検出器502の一部を一般に形成する吸引器によって粒子検出器502へ取り込まれる。システム500を通じて取り出された空気は、排出ポート510を介して排出されて大気に戻される。
【0080】
この実施例の粒子検出器502は、吸入口514と排出ポート510の間に空気流れ流路512を有する。空気サンプルは、吸引器518によって空気サンプリングダクトに沿って検出器流路512内へ環境から取り出され、監視され始める。この空気サンプル流れの一部は次に、粒子検出室522に入る分析空気流路520内へ取り出される。検出室522を通過する空気は、空気内の粒子のレベルを決定するために分析される。検出される粒子レベル及び場合によって他の基準に応じて、検出器は、制御装置によって適用される警報及び/又は故障論理に従った出力を発生させるように構成される。
【0081】
検出器502はまた、限定するものではないが、粒子検出器を通過する空気の流量を決定するために使用される流量センサ524と、検出室522の内部の汚染を長期にわたって最小にする又は防止するために、例えばダストなどの不要な粒子を気流から取り除くのに役立つフィルタ526とを含む更なる構成要素を有することができる。
【0082】
検出室522は、限定するものではないが、光散乱、光掩蔽、イオン化などのあらゆる粒子検出原理を使用して作動することができる。例えば、粒子検出器は、エクストラリス・プロプライエタリー・リミテッドのVESDAレーザプラス検出器、又は、エクストラリス・プロプライエタリー・リミテッドのICAM IAS、あるいは他の検出器である。
【0083】
図5から図8は、本発明の実施形態のガス検出装置の幾つかの使用を示している。
【0084】
図4に示される空気サンプリング粒子検出システムのタイプは、本発明の実施形態に従って作られたガス検出装置を使用することによって拡張することができる。図5、図6、図9及び図10は、図4のものと同様の粒子検出システムが、ガス検出装置を含むように構成することができる種々の方法の2つを示している。これらの図では、図4に示されるシステムに共通の特徴は、共通の参照数字を共有している。
【0085】
図5は、サンプリングパイプ網504と流体連通する粒子検出器502を有する空気サンプリング粒子検出システム600を示す。この実施例では、粒子検出器502の排気510が前述したタイプのガス検出装置602に連結されている。粒子検出器502の排出から放出される空気は、最終的に排気604を用いて大気へ送り戻される前に、ガス検出器602に入る。
【0086】
図6は、本発明の好ましい形態の実施例を示す。この実施例では、基礎になる煙検出システムは、図4のものと一般に同じである。しかしながら、サンプルパイプ網504は、前記のように、分岐部の1つに沿って粒子検出器から上流に位置付けられるガス検出器702を有している。これに関して、サンプリングパイプ網504の第1分岐部504.1からの空気は、粒子検出器502へ直接的に取り出される一方、サンプルパイプ網504の第2分岐部504.2へ取り出された空気は第一に、粒子検出器502へ通過する前にガス分析のためのガス検出器702を通過する。このような実施形態は、局部的なガス放出が起こり得る状況において有益であり得る。例えば、一端に冷媒ユニットを備えた倉庫では、粒子検出器を使用して煙のために空間全体を監視する必要があるかもしれない。しかしながら、冷媒漏れを検出することは、冷媒ユニットに隣接する領域においてのみ必要であり、従って、前記704などの比較的局部的なガス検出器ユニットを設けることは有利である。
【0087】
図9及び図10は、ガス検出装置を含む2つの更なる例示的粒子検出システムを示す。第1に図9を参照すると、前記のような吸引粒子検出器502を含む粒子検出システム920が示されている。粒子検出器502は、4つの分岐部504.1,504.2,504.3及び504.4を有する空気サンプリング網504に接続され、各分岐部は、空気が引き出される複数のサンプリング点又は孔508を有する。ダクト物の各分岐部504.1,504.2,504.3及び504.4は、独自のガス検出装置922.1,922.2,922.3及び922.4を有する。各ガス検出装置922.1,922.2,922.3及び922.4は、設備の性質に応じて同一又は異なる標的種に敏感に反応することができる。重要なことに、各ガス検出装置922.1,922.2,922.3及び922.4は、前記システムのサンプリング孔508のそれぞれの部分集合からの空気を受け入れる。この場合、各ガス検出装置922.1,922.2,922.3及び922.4の上流のサンプリング点の部分集合は、ガス検出装置の上流に異なる数の空気サンプリング孔を有している。これは、(各サンプリング孔を通じて取り出されたサンプルへの)感度に影響を有し、従って、較正、検出器、検出設定及び/又は各検出器のための警報閾値に影響を有する。
【0088】
図10は、別の粒子検出システム940を示す。粒子検出器502は、樹状構造を有する空気サンプリング網504に接続されている。前記網504は、2つの中間分岐部504.5及び504.6を有し、該中間分岐部は次に、4つの分岐部504.1,504.2,504.3及び504.4に分岐し、該分岐部はそれぞれ、空気が取り出される複数のサンプリング点又は孔508を有している。ダクト物504の中間分岐部504.5,504.6のそれぞれは、ガス検出装置942.1及び942.2を有する。理解されるように、各ガス検出装置は、その上流に位置付けられた8つのサンプリング点のそれぞれの部分集合を通じて取り出された空気を受け入れる。
【0089】
図5及び図6のもののようなシステムを作動させる場合に説明される必要がある要因は、ガス検出ユニット602及び702の較正における相違が必要であることである。これは、これらの2つのシステムに存在する希釈率の違いに大いに起因する。図5のシステムでは、サンプルパイプ網504の8つのサンプリング孔のいずれかを通じて取り出された空気が、ガス検出器602を通過する。従って、ガスが、サンプル孔のいずれか1つに入る場合、サンプルパイプ網504のサンプリング孔の一組全体に入る空気によって7対1の割合で希釈される。一方、図6では、サンプルパイプ網504の第2アーム部504.2の孔に入る任意ガスは、3対1の割合でのみ希釈される。この場合、異なるガス検出閾値と飽和閾値をガス検出装置602及び702において設定する必要がある。
【0090】
従って、本発明の1つの態様は、1つ又は複数のシステム特性、例えばガス検出器が取り付けられるサンプリング網の形態、システムが取り付けられる場所、及び/又は、これに適したシステムの近くのガス源に基づいてガス検出器のための較正値を自動的に決定するソフトウェアを提供する。
【0091】
前記ソフトウェアは、吸引粒子検出システムにおいて使用される流れモデリングソフトウェア、例えばエクストラリス・プロプライエタリー・リミテッドのAspireと同様の方法で作動し得る。
【0092】
例えば、前記ソフトウェアは、特定のシステム形態においてガス警報の警報閾値を計算するように構成されている。前記システムがガスサンプルを希釈する場合、閾値計算は、サンプリング網によって導入される希釈補正に基づいている。
【0093】
ガス分布補正もまた行われ、適用の特定パラメータが説明される。例えば、駐車場では、CO分布は均一であり、従って、同様のレベルのガスが、サンプル孔ごとに導入される。このような場合、警報閾値の補正は必要ではない。
【0094】
警報閾値分析の結果は、オペレータが機器を構成するためのファイルとして提供することができる、あるいは検出装置に直接的にダウンロードすることができる。警報は、集中制御装置に組み込むことができる。あるいは各センサに分配することができる。
【0095】
好ましい実施形態のガス検出装置の密封形態により、ガス検出装置が、圧力、漏れ又は移送時間に関して不都合なしに粒子検出システムのダクトの上流の部分の一部を形成することができる。
【0096】
図7は、本発明のガス検出器の更なる実施形態を示しているが、今度はHVACシステムのダクトに取り付けられている。この実施例では、ガス検出システム800は、空気が矢印806の方向に流れるHVACダクト804に取り付けられたガス検出器802を有する。ガス検出器802は、上流吸入口810と下流排出口812を有するダクトプローブ808を備えている。吸入口810及び排出口812にわたる圧力差が、分析のためにガス検出器802を通る空気を吸引する。
【0097】
図8は、本発明の実施形態に従って作られたガス分析システムの別の実施形態を示している。このシステム900は、複数のサンプリング孔906を有するサンプリングパイプ904に直接的に連結されたガス検出器902を有する。この実施形態では、分離した粒子検出器が備えられていない。しかしながら、ガス検出器902は、前述したもののような内部粒子検出システムを備えていてもよい。このシステムでは、サンプルパイプ904を通じてガス検出器902に空気を取り出すことが必要である。この目的のために、ガス検出器902は、空気をガス検出器へ取り出すためにファン908を備えている。
【0098】
図2及び図3をまた参照すると、ガス検出器42及び43、並びに任意の比濁計80からの出力は、1つ又は複数の搭載データ処理システム、例えば制御システムに基づくマイクロプロセッサによって単独あるいは組み合わせて処理することができる、あるいは異常状態が監視される容積において存在するかを決定するために外部データ処理システムに伝達することができる。これに関して、前記処理システムは、異常ガス検出事象、煙検出事象、故障又は他の事象が生じたかどうか、また動作、例えば警報を発する、指示された脅威レベルを増大させる、抑制システムを作動させる、あるプラント及び設備などの運転を終了することを行う必要があるかどうかを決定するために、当業者には周知であるように警報及び/又は故障論理を作動させる。
【0099】
ガス検出装置の構造は、防爆性を有するように、又は爆発危険領域において使用するために構成するように好適な材料を用いて作ることができる。また、内部構成要素は、炎が外へ伝わることを防止するように好適な化合物を用いて注封することができる。このような実施形態では、この場合、膜44及び45は、制御エレクトロニクス及び検出器からサンプル通路56への火災伝播を防止するために、例えば好適なタイプ及び厚さの焼結材料から作られる、好ましくは火炎防止装置である。また、このタイプのガス検出器は、非常に低い電力要求を有するので、検出器は、本質的に安全に作ることができ、その結果、ガス検出器を危険領域において使用することができる。これは、特に、分離した吸引器又は比濁計を有しない実施形態、例えば図2に示す実施形態の場合である。
【0100】
本明細書に開示され規定される発明は、明細書又は図面において言及される又は明らかである2つ若しくはそれ以上の個別の特徴の全ての代替的な組合せに及ぶことが理解されるであろう。これらの異なる組合せの全ては、本発明の種々の代替的な態様を構成するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気サンプルが流れるダクトと該ダクト内を流れる空気サンプルの少なくとも一部を分析するための粒子検出器とを有するタイプの空気サンプリング粒子検出システムとともに使用するためのガス検出装置であって、
前記粒子検出システムのダクトと流体連通するように構成されたハウジングと、
前記ダクト内を流れる前記空気サンプルの少なくとも一部における標的種の存在を検出するために前記ハウジングと流体連通して配置される標的種に敏感に反応する少なくとも1つのガス検出器と、
を有することを特徴とするガス検出装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、使用時に粒子検出システムのダクト内に挿入されるように構成されるダクト部分を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のガス検出装置。
【請求項3】
前記ガス検出装置によって分析するために前記粒子検出システムのダクト内又は前記ハウジングのダクト部分内を流れる空気サンプルから副サンプルを取り出すように配置された吸入ポートと、
空気の副サンプルを排出するように配置された排出ポートと、
前記吸入ポートから前記排出ポートに延びる流路と、
前記副サンプル内の前記標的種の存在を検出するために前記流路と流体連通して配置された標的種に敏感に反応する少なくとも1つのガス検出器と、
をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス検出装置。
【請求項4】
前記検出装置は、
前記流路を規定するサンプル通路であって、
前記試験領域と、
前記サンプル内の標的種が膜を通じて前記試験領域へ入ることができるように前記サンプル通路と前記試験領域との間に流体連通を付与する少なくとも1つの膜と、をさらに有し、
前記サンプル通路が、前記サンプルガスの少なくとも一部を前記膜の方へ向けるために流れ制御構造を有する、サンプル通路を備えている、
ことを特徴とする請求項3に記載のガス検出装置。
【請求項5】
前記流れ制御構造は、前記サンプル通路の湾曲部を規定し、前記膜は、前記湾曲部の外側部分に位置付けられている、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のガス検出装置。
【請求項6】
前記流れ制御構造は、
(i)前記サンプル通路の狭くなる部分、
(ii)前記サンプル通路の壁を規定する表面からの球根状の突起部、
(iii)前記サンプル通路を規定する表面の少なくとも1つから前記サンプル通路内へ延びるバッフル、及び、
(iv)前記サンプル流れを妨害する前記サンプル通路内部の物体、
のうちの何れか1つ又は複数を有する、
ことを特徴とする請求項3から請求項5の何れか1項に記載のガス検出装置。
【請求項7】
前記吸入ポートは、前記空気サンプルから前記サンプル通路へ副サンプルを向けるために前記粒子検出システムのダクト内又は前記ハウジングのダクト部分内に延びる流れ指示要素を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載のガス検出装置。
【請求項8】
前記流れ指示要素は、凹形状である、
ことを特徴とする請求項7に記載のガス検出装置。
【請求項9】
前記排出ポートは、前記副サンプルが前記粒子検出システムのダクト内の前記空気サンプル流れに戻されるように前記ダクトと流体連通している、
ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載のガス検出装置。
【請求項10】
前記吸入ポートと前記排出ポートは、前記吸入ポートと前記排出ポートの間における前記ダクト内の圧力降下が前記流路を通じて空気を取り出すのに役立つように前記ダクト内の気流内に位置付けられている、
ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載のガス検出装置。
【請求項11】
空気を前記排出ポートへ取り出す手段をさらに有している、
ことを特徴とする請求項1から請求項10の何れか1項に記載のガス検出装置。
【請求項12】
較正ガスを前記試験領域に供給するように構成された二次ガス吸入口をさらに有している、
ことを特徴とする請求項1から請求項11の何れか1項に記載のガス検出装置。
【請求項13】
前記二次ガス吸入口によって前記試験領域に供給されたガスは、前記試験領域から1つ又は複数の関連する膜を通じて前記流路内へ流される、
ことを特徴とする請求項12に記載のガス検出装置。
【請求項14】
前記流路内の粒子の存在を検出するように配置された粒子検出装置をさらに有している、
ことを特徴とする請求項1から請求項13の何れか1項に記載のガス検出装置。
【請求項15】
前記流路は、粒子フィルタを備えていない、
ことを特徴とする請求項1から請求項14の何れか1項に記載のガス検出装置。
【請求項16】
環境の状態を検出するためのシステムであって、
粒子検出器と、
前記環境及び前記粒子検出器と流体連通するダクトシステムと、
前記環境から前記粒子検出器への空気サンプル流れの取り出しを作り出す吸引器と、
請求項1から請求項13の何れか1項に記載のタイプの少なくとも1つのガス検出装置と、
を有することを特徴とする環境の状態を検出するためのシステム。
【請求項17】
各ガス検出装置が専用モジュールを形成する、
ことを特徴とする請求項16に記載の環境の状態を検出するためのシステム。
【請求項18】
1つ又は複数のガス検出装置は、前記ダクトシステムにおいて粒子検出器の上流に位置付けられている、
ことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の環境の状態を検出するためのシステム。
【請求項19】
前記ガス検出装置は、前記粒子検出器に導入する前に前記空気サンプルから副サンプルを取り出すように配置されている、
ことを特徴とする請求項18に記載の環境の状態を検出するためのシステム。
【請求項20】
前記ガス検出装置は、前記空気サンプルが前記粒子検出器から排出された後に前記空気サンプルから副サンプルを取り出すように配置されている、
ことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の環境の状態を検出するためのシステム。
【請求項21】
前記ダクトシステムは、前記ダクトに沿って順番に配置された複数の空気サンプル吸入口を有する少なくとも1つの空気サンプリングパイプを有し、
前記ガス検出装置は、少なくとも2つの空気サンプル吸入口の下流の前記空気サンプリングパイプから副サンプルを取るように配置され、前記ガス検出装置の上流の前記空気サンプリングパイプにおける複数のサンプル吸入口の希釈効果を反映する希釈係数で較正される、
ことを特徴とする請求項16から請求項20の何れか1項に記載の環境の状態を検出するためのシステム。
【請求項22】
少なくとも2つのガス検出装置を有し、各ガス検出装置は、それぞれの位置において空気サンプリングパイプから副サンプルを取るように配置され、前記ガス検出装置のそれぞれの位置の上流の前記空気サンプリングパイプの前記サンプル吸入口の希釈効果を反映する対応する希釈係数で較正される、
ことを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ダストシステムは、前記環境のそれぞれの部分から空気サンプルを取り出すように配置された少なくとも2つの空気サンプル吸入口を有し、前記システムはさらに、それぞれの空気サンプル吸入口に隣接した前記環境の一部において検出される少なくとも1つの標的種に敏感に反応する少なくとも2つのガス検出装置を有する、
ことを特徴とする請求項16から請求項22の何れか1項に記載のシステム。
【請求項24】
少なくとも2つのガス検出装置は、それぞれが、同一ではない空気サンプル吸入口の対応する部分集合から取り出された空気サンプル流れを含む前記ダクトから副サンプルを取り出すことができるように前記ダクトシステムに対して位置付けられている、
ことを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項25】
1つのガス検出装置に対応する空気サンプル吸入口の部分集合が、別の粒子検出装置の空気サンプル吸入口の部分集合に対して少なくとも1つの空気サンプル吸入口によって異なっている、
ことを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
1つのガス検出装置に対応する空気サンプル吸入口の部分集合が、別の粒子検出装置に対応する空気サンプル吸入口の部分集合の一部を形成する空気サンプル吸入口を有していない、
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
少なくとも2つのガス検出装置が、少なくとも1つの異なる標的種に敏感に反応する、
ことを特徴とする請求項23から請求項26の何れか1項に記載のシステム。
【請求項28】
防爆性を有するハウジング、
1つ又は複数の火炎防止装置、及び、
本質的に安全な電気回路、のうちの何れか1つ又は複数を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項15の何れか1項に記載のガス検出装置。
【請求項29】
本質的に安全である、
ことを特徴とする請求項1から請求項15の何れか1項又は請求項28に記載のガス検出装置。
【請求項30】
請求項28又は請求項29に記載のガス検出装置を有する、
ことを特徴とする請求項16から請求項27の何れか1項に記載のシステム。
【請求項31】
本質的に安全な粒子検出器をさらに有する、
ことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
本質的に安全な粒子検出器又は本質的に安全なガス検出装置の何れか又は両方に電力を供給するためのバリア装置を有する、
ことを特徴とする請求項30又は請求項31に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−529097(P2012−529097A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513684(P2012−513684)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050938
【国際公開番号】WO2010/140001
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(507191599)エックストラリス・テクノロジーズ・リミテッド (9)
【Fターム(参考)】