説明

ガス発生方法、ガス発生炉、ガス処理方法並びにガス処理システム

【課題】 明確に区分された可燃ガスと燃焼ガスの共存状態を簡易な構造の単炉により創出し、この共存状態による相乗効果を積極的に利用することができるガス発生炉を提供する。
【解決手段】 ガス発生炉は、可燃ガス発生部としての濃厚流動層202と、可燃ガスを排出口204aを通じて炉外へと導く可燃ガス室204と、燃焼反応により燃焼ガスを発生させ、燃焼ガスを排出口205aを通じて炉外へと導く燃焼ガス室205とを備える。可燃ガス室204と燃焼ガス室205とは仕切壁203によりフリーボード部の全部にわたって区画され、仕切壁203の下端は濃厚流動層202の上部界面よりも下方に位置する。燃焼反応に必要な酸素を含むガス107が濃厚流動層202に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス発生方法およびガス発生炉に係り、特に発熱量を有する固体状もしくは液体状の原料の熱分解またはガス化により可燃ガスを発生させるガス発生方法およびガス発生炉に関するものである。また、本発明は、かかるガス発生炉により生成されたガスの処理方法および処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内部循環型の統合型ガス化炉(例えば、特許文献1参照)や二塔循環型ガス化炉などのガス化炉や、ガス化炉と燃焼炉とがそれぞれ独立して同一サイトに設置されるような場合などにおいては、可燃ガスと燃焼ガスが明確に区分された状態で一つのサイトに同時に存在することはあり得るが、複雑な構造を有する炉であったり、複雑な粒子循環を伴うプロセスであったり、もしくは、ガス化炉と燃焼炉をそれぞれ別々に存在させたりする必要があり、簡易な構造の単炉のみによりその状態が創出されるものではなかった。
【0003】
また、例えば、生成した可燃ガス中に含まれるタール分が可燃ガス温度の低下に伴って凝縮すると、プロセス中の様々なトラブルの原因となる。このようなトラブルを防止するため、もしくは可燃ガスを改質するために、従来技術においては、可燃ガス中の可燃成分の一部を他の可燃ガスと分離しない状態で燃焼させ、その燃焼熱により可燃ガス全体を高温に維持したり、可燃ガスの温度をさらに上昇させたりしている。また、特に可燃ガスの温度低下の防止を目的とする場合には、水蒸気や電気など外部の熱源を用いたヒート・トレースなどが利用される。
【0004】
しかしながら、可燃ガスの一部を燃焼させる場合には、可燃ガスが希釈され、単位量あたりの可燃ガスが有する発熱量が低下し、その結果、可燃ガスの利用に際し制約が生じたり、可燃ガスそのものの価値が低下したりすることになる。また、水蒸気や電気等外部からの熱源によるヒート・トレースを利用する場合においては、それらの別熱源が必要となる。
【0005】
また、従来のガス処理方法においては、可燃ガスの湿式ガス洗浄プロセスからの排水はいわゆる排水処理装置にて処理されており、排水処理装置および排水処理プロセスが別途必要となる。
【0006】
さらに、従来のガス発生プロセスまたは方法においては、例えば、パージ用ガス、原料の気流搬送用のガス、酸素供給時の酸素希釈用ガスなど、ガス発生炉周辺のプロセスで必要で且つ最終的にガス発生炉内に供給される不活性ガスとして、窒素や水蒸気などが使用されているが、このような窒素や水蒸気などのためのユーティリティが別途必要になる。
【特許文献1】国際公開第99/31202号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4341598号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、「明確に区分された可燃ガスと燃焼ガスの共存状態」を簡易な構造の単炉にて創出し、この共存状態による相乗効果を積極的に利用することができるガス発生方法およびガス発生炉を提供することを第1の目的とする。
【0008】
また、本発明は、上記「明確に区分された可燃ガスと燃焼ガスの共存状態」による相乗効果を積極的に利用するガス処理方法およびガス処理システムを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様によれば、可燃ガスを生成し、上記可燃ガスの一部を分離し、該分離した可燃ガスの一部を燃焼して燃焼ガスを生成して、上記可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成することを特徴とするガス発生方法が提供される。ここで、本願における「燃焼ガス」とは、燃焼により発熱量が消費された後の、発熱量を有しないガスをいい、「可燃ガス」とは、ガス状の可燃成分を含有し、発熱量を有するガスをいう。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、可燃ガスを生成する可燃ガス発生部と、上記可燃ガス発生部で発生した可燃ガスを炉外に排出するための排出口を有し、可燃ガスを炉外へ導出する可燃ガス室と、上記可燃ガス発生部で発生した可燃ガスが炉外に排出される前に該可燃ガスを燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼ガス室と、ガス発生炉の内部を上記可燃ガス室と上記燃焼ガス室とに区画する仕切壁とを備えたことを特徴とするガス発生炉が提供される。
【0011】
本発明の好ましい一態様によれば、上記可燃ガス発生部は流動層式ガス発生炉の濃厚流動層により構成され、上記流動層式ガス発生炉のフリーボード部の一部または全部が上記仕切壁により区画される。また、本発明の好ましい他の一態様によれば、上記仕切壁の下端が、上記濃厚流動層の上部界面よりも下方に位置する。
【0012】
本発明の好ましい一態様によれば、上記燃焼反応に必要な酸素を含むガスを上記濃厚流動層に供給する含酸素ガス供給部を備えている。
【0013】
本発明の第1または第2の態様によれば、可燃ガスと燃焼ガスとを明確に区別された状態で簡易な構造の単炉によって生成することができる。すなわち、「明確に区分された可燃ガスと燃焼ガスの共存状態」を簡易な構造の単炉によって創出し、この共存状態による相乗効果を積極的に利用することができる。
【0014】
また、仕切壁の下端を濃厚流動層の上部界面よりも下方に位置させているので、可燃ガス室と燃焼ガス室のフリーボード部全体を仕切壁により区画することができる。したがって、含酸素ガス供給部の位置が燃焼ガス室のフリーボード部のどの位置であっても、燃焼ガスと可燃ガスとの混合を効果的に防止することができる。
【0015】
本発明の好ましい一態様によれば、上記含酸素ガス供給部は、上記仕切壁の下端よりも上方に位置する。このような構成により、燃焼ガス室で発生する燃焼ガスと可燃ガス室の可燃ガスとをより明確に分離することができる。
【0016】
本発明の好ましい一態様によれば、上記含酸素ガスの少なくとも一部を供給する供給部が、ガス発生炉の底部に設けられる。このような構成により、含酸素ガスを上記濃厚流動層の流動化ガスとしても作用させることができる。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成し、上記可燃ガスと上記燃焼ガスとの間で間接熱交換を行い、上記燃焼ガスから上記可燃ガスへの熱移動を生じさせることを特徴とするガス処理方法が提供される。すなわち、本発明のガス処理システムは、可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成する少なくとも1つのガス発生炉と、上記可燃ガスと上記燃焼ガスとの間で間接熱交換を行い、上記燃焼ガスから上記可燃ガスへの熱移動を生じさせる熱交換部とを備えている。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、上述した「明確に区分された可燃ガスと燃焼ガスの共存状態」による相乗効果を積極的に利用することができる。すなわち、相対的に高温な燃焼ガスから相対的に低温な可燃ガスへの熱移動を生じさせることができ、燃焼ガスの有する顕熱を有効利用しながら可燃ガスの温度維持もしくは改質を行うことができる。したがって、水蒸気や電気など別の熱源を必要とせずに、ヒート・トレースと同様の効果により、可燃ガスの温度が低下することを防止または、更なる高温化を行うとともに、燃焼ガスが有する顕熱を有効に利用することができる。上記可燃ガスの温度は、ガス化温度よりも100℃低い温度以上、より好ましくはガス化温度よりも50℃低い温度以上、理想的にはガス化温度と同等かそれ以上に維持することがタール凝縮を防止する上で好ましい。
【0019】
本発明の第4の態様によれば、可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成し、上記可燃ガスに対して湿式洗浄を行い、上記湿式洗浄における排水を上記燃焼ガスに噴霧することを特徴とするガス処理方法が提供される。すなわち、本発明のガス処理システムは、可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成する少なくとも1つのガス発生炉と、上記可燃ガスに対して湿式洗浄を行う湿式洗浄装置と、上記湿式洗浄装置から排出される排水を上記燃焼ガスに噴霧するガス冷却装置とを備えている。
【0020】
本発明の第4の態様によれば、上述した「明確に区分された可燃ガスと燃焼ガスの共存状態」による相乗効果を積極的に利用するとともに、可燃ガスの湿式洗浄後の排水を燃焼ガスに噴霧して処理することができる。すなわち、排水処理装置および排水処理プロセスを別途設けることなく、湿式ガス洗浄プロセスを行うことができる。洗浄排水中に可燃成分を比較的多く含む場合は、それらを完全燃焼させるために、燃焼ガス中の高温域(好ましくは800℃以上)に噴霧することが好ましい。
【0021】
本発明の第5の態様によれば、少なくとも1つのガス発生炉において可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成し、上記燃焼ガスの一部または全部を上記ガス発生炉に戻して循環利用することを特徴とするガス処理方法が提供される。すなわち、本発明のガス処理システムは、可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成する少なくとも1つのガス発生炉と、上記燃焼ガスの一部または全部を上記ガス発生炉に戻す循環経路とを備えている。
【0022】
本発明の第5の態様によれば、パージ用ガスとして、原料の気流搬送用ガスとして、または、酸素希釈用ガスとして、窒素や水蒸気などの不活性ガスを新たに可燃ガス発生炉に供給する必要がなくなるので、ユーティリティ・コストの削減が可能となる。また、燃焼ガスの全部を循環利用する場合には、燃焼ガスを外部に排出するための煙突をなくすことも可能である。
【0023】
また、本発明の好ましい一態様によれば、上記可燃ガスの一部を分離し、該分離した可燃ガスを燃焼して上記燃焼ガスを生成して、上記可燃ガスと上記燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成する。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、本発明によれば、「明確に区分された可燃ガスと燃焼ガスの共存状態」を簡易な単炉により創出し、この共存状態による相乗効果を積極的に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係るガス処理システムの実施形態について図1から図11を参照して詳細に説明する。なお、図1から図11において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施形態におけるガス処理システムを示すブロック図である。図1に示すように、このガス処理システムは、可燃ガスを生成する可燃ガス発生炉1と、可燃ガス発生炉1で発生した可燃ガス10の一部11を燃焼して燃焼ガス20を生成する燃焼ガス発生部2とを備えている。すなわち、可燃ガス発生炉1で発生した可燃ガス10のうち必要な量を分岐して、この分岐した可燃ガス11に含酸素ガスを供給して燃焼ガス発生部2で燃焼させることにより燃焼ガス20を生成する。このように、本実施形態のガス処理システムによれば、可燃ガス12と燃焼ガス20とが明確に区別された状態で生成される。
【0027】
可燃ガス発生炉1で生成された可燃ガス12および燃焼ガス発生部2で生成された燃焼ガス20は、可燃ガス12と燃焼ガス20との間で熱交換を行う熱交換部としてのシェル・アンド・チューブ型熱交換器3に導かれる。この熱交換器3により、相対的に高温な燃焼ガス20から相対的に低温な可燃ガス12への熱移動を生じさせ、燃焼ガス20の有する顕熱を有効利用しながら可燃ガス12の改質を行っている。
【0028】
なお、図1では、シェル内の流路に燃焼ガス20を流し、チューブ内の流路に可燃ガス12を流す例を示しているが、シェル内の流路に可燃ガス12を流し、チューブ内の流路に燃焼ガス20を流してもよい。可燃ガス中に多くのダスト分が含有され、これらがチューブ内のベンド部等に堆積するおそれがある場合には、シェル内の流路に可燃ガス12を流すのが好ましい。また、熱交換器3の種類もシェル・アンド・チューブ型熱交換器に限られるものではなく、他の種類の間接熱交換器を用いることもできる。例えば、パネル式の熱交換器などを用いることができる。
【0029】
なお、図1に示すように、可燃ガス12の改質反応に必要な量の水蒸気13等を熱交換器3の上流または熱交換器3の内部で可燃ガス12中に供給してもよい。改質に必要なだけの熱交換が熱交換器3内で行われるように燃焼ガス20の温度や発生流量を調整できる場合には、そのような調整を行うことが好ましい。また、可燃ガス12を流すチューブ内に改質触媒を充填してもよい。例えば、触媒としては、タール分解やガス改質の効果が期待されるCa系触媒等を利用することができる。
【0030】
シェル・アンド・チューブ型熱交換器3を通過した可燃ガス14は、湿式洗浄プロセスを行う湿式洗浄装置としてのスクラバ4に送られる。図1に示すように、このスクラバ4には洗浄水40が供給されており、可燃ガス14はこの洗浄水40により冷却されるとともに、可燃ガス14中の有害物質(酸性ガス、タールなど)が洗浄除去される。スクラバ4からの排水41は、ガス冷却装置5に送られ、シェル・アンド・チューブ型熱交換器3を通過した燃焼ガス21に噴霧される。このスクラバ排水41の噴霧により燃焼ガス21が冷却される。一方、スクラバ4から排出された可燃ガス15は、可燃ガス利用装置100に送られ、ここで例えばボイラやキルンなどにおける燃料ガスとして利用される。
【0031】
ここで、燃焼ガス21が有する熱流量を、噴霧されたスクラバ排水41のすべてを気化するのに十分な熱流量にできれば、スクラバ排水41のための別途の排水処理装置が必要なくなり、乾式のプロセスを実現することができる。また、噴霧するスクラバ排水41の流量と燃焼ガス21が保有する熱流量とのバランスを最適化できる場合、例えば、燃焼ガス21の冷却に必要な量だけのスクラバ排水41を噴霧することができる、あるいは、噴霧されるスクラバ排水41の気化に必要なだけの熱流量を有する燃焼ガス21を生成できる場合には、スクラバ排水41を気化すると同時に、その気化熱によって燃焼ガス21を冷却することができるので、ガス冷却装置5から排出される燃焼ガス50をさらに冷却するためのプロセスが別途必要なくなる。
【0032】
可燃ガス14から除去された固体粒子成分や塩素等の有害物質はスクラバ排水41とともにガス冷却装置5内に噴霧され、ガス冷却装置5から排出される燃焼ガス50中に混入するが、燃焼ガス50への消石灰51等の噴霧、バグフィルタ6や活性炭塔7等のプロセスを通じて、燃焼ガスが系外に放出される以前に回収される。なお、スクラバ排水41が燃焼ガス21に噴霧される前に、上記スクラバ排水41中の有害物質を沈殿や濾過その他の手段によりスクラバ排水41中から除去することとしてもよい。
【0033】
ここで、可燃ガス発生炉1で生成された可燃ガス10から分岐させる可燃ガス11の量は、上述した観点から、ガス冷却装置5において必要な燃焼ガス21の流量(もしくは燃焼ガス21が有する熱流量)を実現するだけの量が最適であり、この可燃ガス11の量はダンパ8の開度を調整することによって調整できる。また、可燃ガスの分岐は、図1に示すように、可燃ガス発生炉1を出た直後で行ってもよいし、あるいは、洗浄後の可燃ガス15を図1のAで示す位置で分岐してもよい。
【0034】
本実施形態では、バグフィルタ6および活性炭塔7により有害物質が除去された燃焼ガス52の一部53が、ガス循環ブロア9により循環経路90を通って可燃ガス発生炉1に戻され、循環利用される。燃焼ガス52の残りは煙突54から系外に排出される。可燃ガス発生炉1に戻される燃焼ガス53は、例えば、炉内計装用ノズルなどにおけるパージガスとして、原料を可燃ガス発生炉1に供給するときの気流搬送用ガスとして、可燃ガス発生炉1内に供給される酸素55を希釈するためのガスとして、あるいは、可燃ガス発生炉1が流動層式である場合には流動化ガスとして用いることができる。
【0035】
なお、燃焼ガス52の全部を可燃ガス発生炉1に戻してもよく、そのような場合には燃焼排ガス52が系外に排出されないので、煙突54が不要となる。また、燃焼ガスの循環利用に必要な流量に応じて、可燃ガス発生炉1に戻す燃焼ガス53の流量を調整することができる場合には、そのような調整を行うことが好ましい。
【0036】
このように、燃焼ガス52の一部または全部を可燃ガス発生炉1に戻して循環利用することにより、窒素や水蒸気などの不活性ガスを新たに可燃ガス発生炉1に供給する必要がなくなるので、ユーティリティ・コストの削減が可能となる。また、燃焼ガス52の全部を循環利用する場合には、上述したように、煙突54を設ける必要がなくなる。
【0037】
上述したように、本実施形態のガス処理システムでは、「可燃ガスと燃焼ガスとが明確に区分された状態で同時に存在する状態」を敢えて創出して、「明確に区分された可燃ガスと燃焼ガスの共存状態」による相乗効果を積極的に利用している。このように、可燃ガスとして取り出されたガスを、そのまま全量を可燃ガス利用装置100に導入せずに、その一部11をわざわざ燃焼させ、ガスとしては低価値の燃焼ガス20として用いることは、従来の価値観とは異なるものである。
【0038】
図2は、本発明の第2の実施形態におけるガス処理システムを示すブロック図である。図2に示すように、このガスシステムは、図1に示す可燃ガス発生炉1と燃焼ガス発生部2とに代えて、1つの可燃ガス発生炉101を備えている。この可燃ガス発生炉101は流動層ガス発生炉で構成されている。この流動層ガス発生炉の内部には、流動化された流動媒体によって流動層が形成されており、濃厚流動層部における熱分解またはガス化反応により可燃ガスを生成する可燃ガス発生部102が形成されている。ガス発生炉101の内部には、天井から下方に延びる仕切壁103が設けられており、この仕切壁103により可燃ガス発生炉101の内部に可燃ガス室104と燃焼ガス室105とが形成されている。可燃ガス室104と燃焼ガス室105はそれぞれ炉外への排出口104a,105aを備えている。本実施形態における仕切壁103の下端は、ガス発生炉101のフリーボード部に位置している。
【0039】
本実施形態においては、ガス発生炉101の可燃ガス発生部102で可燃ガス106が発生し、発生した可燃ガス106は、可燃ガス室104および燃焼ガス室105のフリーボード部にそれぞれ導かれる。可燃ガス室104のフリーボード部を通過した可燃ガス110は、第1の実施形態の可燃ガス12と同様に熱交換器3に送られる。一方、燃焼ガス室105のフリーボード部には含酸素ガス供給部を介して燃焼用含酸素ガス107が供給されており、可燃ガス発生部102で発生した可燃ガス106が燃焼ガス室105のフリーボード部で燃焼して燃焼ガス120が生成される。このようにして、ガス発生炉101では、可燃ガス110と燃焼ガス120とが明確に区別された状態で生成される。燃焼用含酸素ガス107としては、具体的には、空気、酸素富化空気、酸素などを用いることができる。以降のプロセスは、上述した第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。なお、燃焼に用いる含酸素ガス107は、燃焼ガス110と可燃ガス120の混合を防ぐ観点から、仕切壁103の下端より上方の位置から可燃ガス106中に供給されることが好ましい。また、燃焼ガス120の生成流量は、図1に示す実施形態と同様に、ダンパ8の開度によって調整され、必要な量だけの燃焼ガス120を発生させることができる。
【0040】
このように、本実施形態においては、ガス発生炉101内で発生した可燃ガス106の一部が、ガス発生炉101から出る以前に仕切壁103により分離され、燃焼されて燃焼ガス120として取り出される点において、図1に示す第1の実施形態とは異なっている。すなわち、本実施形態は、図1に示す実施形態と比べると、別途燃焼ガス発生部2(図1参照)を設置する必要がなくなる点で効果的である。
【0041】
図3は、本発明の第3の実施形態におけるガス発生炉201を示す模式図である。図3に示すように、このガス発生炉201は、第2の実施形態におけるガス発生炉101と同様に、天井から下方に延びる仕切壁203によりガス発生炉201の内部に可燃ガス室204と燃焼ガス室205とが形成されているが、本実施形態においては、ガス発生炉201内の仕切壁203の下端が濃厚流動層(可燃ガス発生部)202の上部界面より下方に位置している。また、可燃ガス室204と燃焼ガス室205はそれぞれ炉外への排出口204a,205aを備えている。その他の点は、図2に示されたガス発生炉101と同様である。
【0042】
このように、本実施形態では、仕切壁203の下端を濃厚流動層202の上部界面より下方に位置させているので、可燃ガス室204と燃焼ガス室205とがフリーボード部全体にわたって仕切壁203により区画される。したがって、燃焼用含酸素ガス107の供給位置が燃焼ガス室205のフリーボード部のどの位置であっても、燃焼ガス110と可燃ガス120との混合を効果的に防止することができる。
【0043】
図4は、本発明の第4の実施形態におけるガス発生炉301を示す模式図である。図3に示す第3の実施形態では、燃焼用含酸素ガス107を燃焼ガス室205のフリーボード部から供給しているが、本実施形態では、図4に示すように、燃焼ガス室205の濃厚流動層202内の含酸素ガス供給部から燃焼用含酸素ガス107を供給している。その他の点は、図3に示されたガス発生炉201と同様である。
【0044】
上述した第3の実施形態では、濃厚流動層202で発生した可燃ガス106を、仕切壁203によって区画された燃焼ガス室205のフリーボード部で燃焼させていたのに対し、本実施例形態では、燃焼ガス室205内の濃厚流動層202の一部においても、酸化雰囲気下で含酸素ガス307による燃焼が生じ、燃焼ガス120が発生する。この燃焼発熱の一部が流動層を構成する流動媒体を加温することに用いられ、これが濃厚流動層202の層温維持に貢献する。なお、流動層の温度範囲は、400〜1000℃、好ましくは550〜800℃であり、被処理物のガス化特性や被処理物の灰分や金属類の融点・気化温度などによって決まる。
【0045】
図4に示す実施形態においては、フリーボード部だけではなく、濃厚流動層202において、積極的に燃焼を生じさせるため、発生した可燃ガスだけでなく、濃厚流動層202内に存在するチャー等の固体可燃物やタール等の液状可燃物も燃焼される。したがって、層内におけるチャーやタールの堆積を防止することができる。
【0046】
また、含酸素ガス107の供給位置は、仕切壁203の下端よりも上方であって、濃厚流動層202の上部界面よりも下方であることが好ましい。このように、燃焼ガス室205内の濃厚流動層202内において含酸素ガス107の供給位置を仕切壁203の下端よりも上方とすることで、発生する燃焼ガス120と可燃ガス110とをより明確に分離することができる。なお、フリーボード部にも含酸素ガス107を供給することとしてもよい。
【0047】
仕切壁203の下端は濃厚流動層202の上部界面より下方に位置しているが、炉底にまでは達していない。すなわち、濃厚流動層202内には、可燃ガス室204と燃焼ガス室205との間で流動媒体が流通する開口部(連通部)308が形成されている。これにより、燃焼ガス室205の燃焼発熱により加温された流動媒体を可燃ガス室204に移動させ、この加温された流動媒体を可燃ガス106の発生プロセスに必要な熱源とすることができる。また、可燃ガス室204で生じたチャーやタール分を流動媒体とともに燃焼ガス室205に移動させ、燃焼によって層内から除去することができる。
【0048】
上述した流動媒体の流通は、マクロ的に明確な方向性を有しない、単なる拡散によるものであってもよいし、あるいは、仕切壁203の近傍で濃厚流動層202の流動状態を意図的に不均一としたり、差を設けたりすることによって、積極的に明確な方向性を有する流動媒体の流れを生じさせた結果によるものであってもよい。流動状態に差を設ける場合には、一般的には、相対的に流動状態が緩慢な部分から相対的に流動状態が激しい部分に向かって流動媒体のマクロな流れが生じることを利用する。
【0049】
ここで、このような流動媒体のマクロの流れを意図的に生じさせる具体例について説明する。図5(a)は、上述したガス発生炉301内の仕切壁203aの一例を示す立面図である。図5(a)に示す例では、仕切壁203aの下方に、水平方向に連続した開口部(連通部)308aが形成されている。例えば、図5(b)に示すように、可燃ガス室204と燃焼ガス室205のそれぞれにおいて、仕切壁203aの近傍を水平方向に2つに分割し、一方を強流動化領域Fsとし、他方を弱流動化領域Fwとする。そして、可燃ガス室204の強流動化領域Fsと燃焼ガス室205の弱流動化領域Fw、および可燃ガス室204の弱流動化領域Fwと燃焼ガス室205の強流動化領域Fsとがそれぞれ対向するように配置する。このような構成により、可燃ガス室204から燃焼ガス室205に向かう流れF1と、燃焼ガス室205から可燃ガス室204に向かう流れF2とを形成することができる。また、強流動化領域Fsと弱流動化領域Fwを図5(c)に示すように配置して、可燃ガス室204から燃焼ガス室205に向かう流れF3,F4と、燃焼ガス室205から可燃ガス室204に向かう流れF5とを形成してもよい。
【0050】
図6(a)に示す例では、仕切壁203bの下部に2つの開口部(連通部)308bが形成されている。例えば、図6(b)に示すように、可燃ガス室204と燃焼ガス室205のそれぞれにおいて、開口部308bの近傍の領域の一方を強流動化領域Fsとし、他方を弱流動化領域Fwとし、可燃ガス室204の強流動化領域Fsと燃焼ガス室205の弱流動化領域Fw、および可燃ガス室204の弱流動化領域Fwと燃焼ガス室205の強流動化領域Fsとがそれぞれ対向するように配置する。このような構成により、可燃ガス室204から燃焼ガス室205に向かう流れF6と、燃焼ガス室205から可燃ガス室204に向かう流れF7とを形成することができる。
【0051】
図5、図6で説明した仕切壁開口部を通過する流動媒体の移動を生じさせる、別の手段として、仕切壁開口部周辺の炉底、もしくは、炉底近傍において、流動媒体を移動させたい方向に向けて、流動ガスなどを強く吹くためのガス供給ノズルを設置することが可能である。
【0052】
図7は、本発明の第5の実施形態におけるガス発生炉401を示す模式図である。本実施形態では、含酸素ガス407を燃焼ガス室205の炉底の含酸素ガス供給部から供給しており、含酸素ガス407を濃厚流動層202の流動化ガスとしても作用させている。また、可燃ガス室204には、蒸気、循環燃焼ガス、ガス化剤ガスなどの流動化ガス408が炉底から供給されている。
【0053】
図4に示すガス発生炉301と比べて、含酸素ガスの供給位置が仕切壁203の下端よりも下方となっているので、燃焼ガス120と可燃ガス106の分離が不明確となり、発生した燃焼ガス120の一部が可燃ガス室204に流入して、可燃ガス106を希釈するおそれがある。しかしながら、供給された含酸素ガス407の鉛直上方向への流速に対して、含酸素ガス407の供給位置と連通部(流通部)308との水平距離が十分に大きければ、供給された含酸素ガス407および発生した燃焼ガス120の可燃ガス室204へ流入が問題になることはない。例えば、鉛直方向の開口部高さH、連通部308から分散ノズル(含酸素ガス407の供給位置)までの水平方向の距離Lとの比H/Lの値は、0.2〜1.0の範囲とするのがよい。すなわち、流動化を確保するなどの運転上の問題が生じさせないために0.2以上とすることが好ましく、また、供給された含酸素ガス及び燃焼ガスの可燃室への混入を防止しつつ炉内の運転管理上の問題を生じさせない観点からはH/L値を1.0以下とすることが好ましいことによる。
【0054】
図8は、本発明の第6の実施形態におけるガス発生炉501を示す模式図である。本実施形態では、燃焼用含酸素ガスを含む流動化ガス407の燃焼ガス室205内での供給位置を、仕切壁203の下方の連通部(流通部)308から水平方向に距離をおくとともに、仕切壁203を越えた位置にまで可燃ガス室204の流動化ガス408を供給することにより、流動層全体の流動化を維持しつつ、含酸素ガスおよび燃焼ガスの可燃ガス室204への流入を回避することができる。
【0055】
また、燃焼用含酸素ガスを含む流動化ガス407の燃焼ガス室205内での供給位置を、仕切壁203の下方の連通部(流通部)308から水平方向に距離を置くとともに、仕切壁203と流動化ガスの供給位置の間の炉底から、窒素や蒸気等の不活性ガスを供給することで、含酸素ガスおよび燃焼ガスの可燃ガス室204への流入を回避することができる。
【0056】
図9は、本発明の第7の実施形態におけるガス発生炉601を示す模式図である。本実施形態では、燃焼ガス室205において、仕切壁203の下方の連通部(流通部)308から離れた位置に供給される流動化ガス407にのみ含酸素ガス607を混ぜることによっても、上述と同様の効果を得ることができる。なお、含酸素ガス607を混ぜる割合は、残酸素濃度を1〜10%、好ましくは5〜6%とし、COを発生させずに安定した燃焼を維持できる割合とするのが好ましい。
【0057】
図3から図9に示す実施形態においては、可燃ガス室と燃焼ガス室との間に仕切壁が存在する。この仕切壁は、金属材料だけで構成するか、もしくは、金属材料と非金属の耐熱材料で構成することができる。また、仕切壁を構成する金属材料を保護するために冷却流体(水、空気など)を用いた冷却構造とするのがよい。冷却構造は、水冷管メンブレン、空冷管メンブレン、水冷ジャケットおよび空冷ジャケットの少なくともいずれか一つとする。冷却方式は、低温の冷却媒体が強制的に供給される強制冷却方式か、もしくは、低温の冷却流体を強制的に供給せず、冷却流体が自然対流する冷却方式のいずれでもよい。また、仕切壁を構成する金属材料が高温に耐えるものであれば、冷却構造としないでおくことにより、燃焼ガス室から可燃ガス室へ仕切壁を介して多量の高温顕熱を移動させることができる。
【0058】
ここで、図1および図2に示す例では、燃焼ガスから可燃ガスへの熱移動を生じさせるために、熱交換器3を用いたが、これに限られるものではない。図10(a)は、本発明の第8の実施形態におけるガス処理システムを示す模式図である。図10(a)に示すように、このガス処理システムにおいては、ガス化炉701で発生した可燃ガス110と燃焼ガス120とが二重管703を通ってそれぞれ可燃ガス利用装置100と燃焼ガス利用装置200に送られる。なお、図10(a)において、可燃ガス利用装置100と燃焼ガス利用装置200は同一のものであってもよい。
【0059】
図10(a)に示す例では、可燃ガス110は二重管703の内管704の内部空間を流れ、燃焼ガス120は内管704と外管705との間の空間を流れるようになっている。このような二重管703の構造により、相対的に高温の燃焼ガス120と相対的に低温の可燃ガス110との間で内管704を伝熱面とした間接熱交換が行われ、燃焼ガス120から可燃ガス110への熱移動が生じる。これにより、別途水蒸気(図1の符号13)や電気などを用いて熱源を供給しなくても、ヒート・トレースと同様の効果により、可燃ガス110の温度が低下することを防止するとともに、燃焼ガスが有する顕熱を有効に利用することができる。このような構成は、可燃ガス110と燃焼ガス120が明確に区別された状態で、ガス発生炉701で発生するタール分を含む可燃ガス110を可燃ガス利用装置100に導入するまでに一定距離以上流す必要がある場合に特に有効である。
【0060】
ここで、可燃ガス110と燃焼ガス120との間の熱伝達効率を向上させるために、図10(b)に示すように、内管704の外周面にフィン706を設けて伝熱面積を増加させてもよい。また、図10(c)に示すように、内管704の内周面にフィン707を設けてもよい。あるいは、内管704の外周面と内周面の双方にフィンを設けてもよい。図10(c)に示すように、フィン707を内管704の内周面に設けることにより、内管704の管壁の温度を、より低温である可燃ガス110に近づけることができるので、内管704の構造強度維持などの観点から好ましい。
【0061】
図11は、本発明の第9の実施形態におけるガス処理システムを示す模式図である。この実施形態は、上述した各実施形態を組み合わせたものである。すなわち、図2に示すガス処理システムにおけるガス発生炉として、図7に示すガス発生炉401を用い、図2に示す熱交換器3に代えて図10(a)に示す二重管703を用いたものである。なお、図2における活性炭塔7およびダンパ8は図11においては図示を省略している。
【0062】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるガス処理システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態におけるガス処理システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施形態におけるガス発生炉を示す模式図である。
【図4】本発明の第4の実施形態におけるガス発生炉を示す模式図である。
【図5】図5(a)は図4のガス発生炉内の仕切壁の一例を示す立面図、図5(b)および図5(c)は図5(a)の仕切壁を用いた場合の流動媒体の流れの例を示す平面図である。
【図6】図6(a)は図4のガス発生炉内の仕切壁の一例を示す立面図、図6(b)は図6(a)の仕切壁を用いた場合の流動媒体の流れの例を示す平面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態におけるガス発生炉を示す模式図である。
【図8】本発明の第6の実施形態におけるガス発生炉を示す模式図である。
【図9】本発明の第7の実施形態におけるガス発生炉を示す模式図である。
【図10】図10(a)は本発明の第8の実施形態におけるガス処理システムを示す模式図、図10(b)および図10(c)は図10(a)のガス処理システムにおける二重管の例を示す断面図である。
【図11】本発明の第9の実施形態におけるガス処理システムを示す模式図である。
【符号の説明】
【0064】
1,101,201,301,401,501,601,701 可燃ガス発生炉
2 燃焼ガス発生部
3 熱交換器
4 スクラバ
5 ガス冷却装置
6 バグフィルタ
7 活性炭塔
8 ダンパ
9 ガス循環ブロア
10,11,12,14,15,106,110 可燃ガス
20,21,50,52,53,120 燃焼ガス
40 洗浄水
41 スクラバ排水
54 煙突
90 循環経路
100 可燃ガス利用装置
102,202 可燃ガス発生部
103,203,203a,203b 仕切壁
104,204 可燃ガス室
104a,105a,204a,205a 排出口
105,205 燃焼ガス室
107,307,407,607 燃焼用含酸素ガス
200 燃焼ガス利用装置
308 開口部(連通部)
703 二重管
704 内管
705 外管
706,707 フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃ガスを生成し、
前記可燃ガスの一部を分離し、
該分離した可燃ガスの一部を燃焼して燃焼ガスを生成して、前記可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成することを特徴とするガス発生方法。
【請求項2】
前記可燃ガスと前記燃焼ガスとの生成を、
流動層式ガス発生炉の濃厚流動層により構成され、熱分解またはガス化反応により可燃ガスを発生させる可燃ガス発生部と、
炉外への排出口を有し、前記可燃ガスを前記排出口を通じて炉外へと導く可燃ガス室と、
炉外への排出口を有し、燃焼反応により燃焼ガスを発生させ、前記燃焼ガスを前記排出口を通じて炉外へと導く燃焼ガス室と、
その下端が前記濃厚流動層の上部界面よりも下方に位置し、前記流動層式ガス発生炉のフリーボード部の全部を前記可燃ガス室と前記燃焼ガス室とに区画する仕切壁と、
前記燃焼反応に必要な酸素を含むガスを前記濃厚流動層に供給する含酸素ガス供給部と、
を備えたガス発生炉で行うことを特徴とする請求項1に記載のガス発生方法。
【請求項3】
前記含酸素ガス供給部は、前記仕切壁の下端よりも上方に位置することを特徴とする請求項2に記載のガス発生方法。
【請求項4】
前記含酸素ガスの少なくとも一部を供給する供給部が、ガス発生炉の底部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のガス発生方法。
【請求項5】
可燃ガスを生成する可燃ガス発生部と、
前記可燃ガス発生部で発生した可燃ガスを炉外に排出する可燃ガス室と、
前記可燃ガス発生部で発生した可燃ガスが炉外に排出される前に該可燃ガスを燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼ガス室と、
ガス発生炉の内部を前記可燃ガス室と前記燃焼ガス室とに区画する仕切壁と、
を備えたことを特徴とするガス発生炉。
【請求項6】
前記可燃ガス発生部は流動層式ガス発生炉の濃厚流動層により構成され、
前記流動層式ガス発生炉のフリーボード部の一部または全部が前記仕切壁により区画されることを特徴とする請求項5に記載のガス発生炉。
【請求項7】
前記仕切壁の下端が、前記濃厚流動層の上部界面よりも下方に位置することを特徴とする請求項6に記載のガス発生炉。
【請求項8】
前記燃焼反応に必要な酸素を含むガスを前記濃厚流動層に供給する含酸素ガス供給部と、
を備えたことを特徴とする請求項7に記載のガス発生炉。
【請求項9】
前記含酸素ガス供給部は、前記仕切壁の下端よりも上方に位置することを特徴とする請求項8に記載のガス発生炉。
【請求項10】
前記含酸素ガスの少なくとも一部を供給する供給部が、ガス発生炉の底部に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のガス発生炉。
【請求項11】
可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成し、
前記可燃ガスと前記燃焼ガスとの間で間接熱交換を行い、前記燃焼ガスから前記可燃ガスへの熱移動を生じさせることを特徴とするガス処理方法。
【請求項12】
可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成し、
前記可燃ガスに対して湿式洗浄を行い、
前記湿式洗浄における排水を前記燃焼ガスに噴霧することを特徴とするガス処理方法。
【請求項13】
少なくとも1つのガス発生炉において可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成し、
前記燃焼ガスの一部または全部を前記ガス発生炉に戻して循環利用することを特徴とするガス処理方法。
【請求項14】
前記可燃ガスと前記燃焼ガスとの生成を、
流動層式ガス発生炉の濃厚流動層により構成され、熱分解またはガス化反応により可燃ガスを発生させる可燃ガス発生部と、
炉外への排出口を有し、前記可燃ガスを前記排出口を通じて炉外へと導く可燃ガス室と、
炉外への排出口を有し、燃焼反応により燃焼ガスを発生させ、前記燃焼ガスを前記排出口を通じて炉外へと導く燃焼ガス室と、
その下端が前記濃厚流動層の上部界面よりも下方に位置し、前記流動層式ガス発生炉のフリーボード部の全部を前記可燃ガス室と前記燃焼ガス室とに区画する仕切壁と、
前記燃焼反応に必要な酸素を含むガスを前記濃厚流動層に供給する含酸素ガス供給部と、
を備えたガス発生炉で行うことを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載のガス処理方法。
【請求項15】
前記含酸素ガス供給部は、前記仕切壁の下端よりも上方に位置することを特徴とする請求項14に記載のガス処理方法。
【請求項16】
前記含酸素ガスの少なくとも一部を供給する供給部が、ガス発生炉の底部に設けられていることを特徴とする請求項14に記載のガス処理方法。
【請求項17】
前記可燃ガスの一部を分離し、
該分離した可燃ガスを燃焼して前記燃焼ガスを生成して、前記可燃ガスと前記燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成することを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載のガス処理方法。
【請求項18】
可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成する少なくとも1つのガス発生炉と、
前記可燃ガスと前記燃焼ガスとの間で間接熱交換を行い、前記燃焼ガスから前記可燃ガスへの熱移動を生じさせる熱交換部と、
を備えたことを特徴とするガス処理システム。
【請求項19】
可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成する少なくとも1つのガス発生炉と、
前記可燃ガスに対して湿式洗浄を行う湿式洗浄装置と、
前記湿式洗浄装置から排出される排水を前記燃焼ガスに噴霧するガス冷却装置と、
を備えたことを特徴とするガス処理システム。
【請求項20】
可燃ガスと燃焼ガスとを互いに明確に区別された状態で生成する少なくとも1つのガス発生炉と、
前記燃焼ガスの一部または全部を前記ガス発生炉に戻す循環経路と、
を備えたことを特徴とするガス処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−56954(P2006−56954A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−238889(P2004−238889)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)