説明

ガラス管の加工方法および蛍光ランプ

【課題】ソーダガラスからなるガラス管の矯正処理と強化処理の両方を経済的にすることができる加工方法を提供することにある。
【解決手段】略水平に保持された石英ガラスからなる円筒体14に、加工対象であるソーダガラスからなるガラス管12を略平行に挿入して円筒体14内面に載置し、円筒体14をその軸心周り矢印Rの向きに回転させながら、ガラス管12をその軟化点よりも60℃〜120℃低い温度に加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス管の加工方法、および当該加工方法で加工されたガラス管を用いたガラスバルブを有する蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光ランプの中でも、管状をしたガラスバルブの内面側に蛍光体層が形成され、両端部に内部電極として冷陰極が設けられてなる冷陰極蛍光ランプは、細径化に適している。このため、薄型化(小型化)が要求されるバックライトユニットの光源として好適に用いられている。
細径の蛍光ランプのガラスバルブに用いられるガラス管の材料として、従来、強度の点で優れているホウ珪酸ガラスが使用されている。
【0003】
ガラス管には、ダンナー法やベロー法等の管引き成形法によって形成されたガラス管を適当な長さ寸法に切断したものが用いられる(特許文献1,2)。また、ガラス管は、その製法上の理由から、若干弓なりに湾曲している。蛍光体層を形成するために、湾曲したまま、蛍光体を含む塗布液を塗布すると、最終的に得られる蛍光体層の厚みにむらが生じ、点灯させたときの輝度むらとなって現れる。そこで、輝度の均一性が厳しく要求されるバックライト用の光源として用いる場合には、湾曲したガラス管は真っ直ぐに矯正される。この矯正は、以下のようにして実施される。
【0004】
先ず、矯正対象であるホウ珪酸ガラスからなるガラス管(以下、「ホウ珪酸ガラス管」と言う。)を、この外径よりも十分に大きな内径を有し、加熱炉中に水平に保持された石英ガラスからなる直管(以下、「石英管」と言う。)内に挿入する。そして、石英管をその軸心周りに回転させながら、加熱炉内の温度を、ホウ珪酸ガラス管の表面が560〜660℃になる程度に昇温させ、この温度で一定時間保持する。このようにすることにより、ホウ珪酸ガラス管は、石英管内で自転しながら、自重によって徐々に真っ直ぐに矯正されることとなる。なお、上記原理に鑑みると、ホウ珪酸ガラス管の表面は、軟化点である780℃近傍まで上げればよいように思われるが、660℃を超えると、却って、石英管の中でホウ珪酸ガラス管が不規則に湾曲してしまうことが認められている。
【特許文献1】特開平8−283031号公報
【特許文献2】特開2005−162532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、現在、冷陰極蛍光ランプを構成するガラスバルブに使用されるガラス管の材料は、上記したように強度面からホウ珪酸ガラスが主流であるが、コスト面からソーダガラスを使用したいといった要請がある。
ソーダガラスは、現在、室内照明等の一般照明用の蛍光ランプにおけるバルブ材料として用いられている。一般照明に用いる場合には、バックライトに用いるほど厳しく輝度の均一性が要求されないので、上記した矯正処理はなされていないのであるが、バックライトに用いるに際しては、ホウ珪酸ガラスと同様、この矯正処理が必要となってくる。
【0006】
加えて、ソーダガラスを用いる場合には、当該ソーダガラスからなるガラス管(以下、「ソーダガラス管」と言う。)を強化する必要がある。この強化法として、ガラス管を軟化点近傍まで昇温させる方法がある(以下、「加熱強化処理」と称する。)。上記管引き成形法によって製造されたガラス管は、その表面に、マイクロクラックと称される微小な傷が入っており、当該マイクロクラックが、ガラス管の強度を弱くしている主な要因である。そこで、ガラス管を軟化点近傍まで昇温させることにより、ガラス管表面が軟化してマイクロクラックが塞がり、強度が向上することとなる。なお、ホウ珪酸ガラス管では、素材自体が十分な強度を有しているので、(マイクロクラックがあっても)加熱強化処理は不要とされている。
【0007】
しかしながら、コストダウンを目的として、ソーダガラス管を用いるにも関わらず、ホウ珪酸ガラス管を用いる場合には不要な加熱強化処理工程が増設されてしまうのでは、ソーダガラス管を採用する意義が没却されてしまう。
本発明は、上記した課題に鑑み、ソーダガラスを用いてコストダウンの図れるガラス管加工法を提供することを目的とする。また、そのような加工法で加工されたガラス管を用いたガラスバルブを有する蛍光ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明に係るガラス管の加工方法は、ソーダガラスからなるガラス管の加工方法であって、ソーダガラスよりも軟化点の高い材料からなり、略水平に保持された円筒体に前記ガラス管を挿入して前記円筒体内面に載置し、当該円筒体をその軸心周りに回転させながら、前記ガラス管をその軟化点よりも60℃〜120℃低い温度に加熱することを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明に係る蛍光ランプは、上記の加工方法によって加工されたガラス管の両端部が封着されてなるガラスバルブを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る上記した加工方法によれば、ソーダガラスからなるガラス管が、その軟化点よりも60℃〜120℃低いといった、軟化点に比較的近い温度で加熱されるので、その表面に存するマイクロクラックが塞がれて、強度が向上する(強化される)こととなる。また、ソーダガラスからなるガラス管にあっては、回転する円筒体内に載置して上記温度に加熱した場合に、ホウ珪酸ガラスで見られたように不規則に湾曲することなく、問題なく矯正がなされることが実験により認められた。すなわち、一の工程で強化処理と矯正処理とができることとなるので、経済的であり、ソーダガラスからなるガラス管をもちいることによるコストダウンの実効性が確保できることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、蛍光ランプの一製造工程で使用されるガラス管加工装置10の一部を示す斜視図である。加工装置10は、ダンナー法やベロー法等の管引き成形法によって成形されたガラス管を真っ直ぐに矯正する(以下、「矯正処理」と言う。)ための装置である。
本実施の形態で使用するガラス管は、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ソーダライムガラスその他のソーダガラスからなる。ソーダガラスは、酸化ナトリウム(NaO)を5mol%以上20mol%以下の範囲で含有するガラス材料である。本例では、鉛フリーガラス(NaO含有率5〜12mol%)を用いており、その軟化点は680℃である。鉛フリーガラスを用いるのは、自然環境保護を考慮しているからである。ただ、鉛フリーガラスといえども、製造過程で不純物として鉛を含んでしまう場合がある。そこで、0.1Wt%以下といった不純物レベルで鉛を含有するガラスも鉛フリーガラスと定義することとする。
【0012】
加工装置10は、加工対象であるガラス管12の外径よりも十分に大きな内径を有し、ガラス管12よりも長い円筒体14を備えている。円筒体14は、ガラス管12よりも十分に軟化点の高いガラス材料で形成されている。本例では、円筒体14は、石英ガラス(軟化点:1000℃)で形成されている。
円筒体14は、不図示の搬送機構により水平に保持された状態を維持して不図示の連続炉内に投入され、当該連続炉内を搬送される。また、円筒体14は、前記搬送機構によって搬送されながら、不図示の回転駆動機構によってその軸心周り矢印Rの向きに回転される。
【0013】
連続炉外に在る円筒体14内に、ガラス管12を略平行に挿入して、円筒体14内面に載置すると、ガラス管12は、回転する円筒体14に従動して自転しながら、連続炉内へと搬入され、当該連続炉を通過する間、所定温度に加熱された後、連続炉外へと搬出される。この間、ガラス管12は、室温から前記所定温度まで昇温されて一定時間その所定温度に維持された後、再び室温まで自然冷却されることとなる。ここで、所定温度は、加工対象であるガラス管12(ガラス材料)の表面における温度であり、その軟化点よりも60℃〜120℃(60℃を含み、120℃を含まない)低い温度である。本例では、ガラス管12の軟化点は、上記したように680℃なので、当該所定温度(以下、「加工温度」と称する。)Xは、560℃<X≦620℃の範囲となる。なお、同じソーダガラスの分類に入るガラス材料であっても、その軟化点は成分組成比等によって異なる値をとるので、加工温度も異なる。
【0014】
ガラス管12は、加工装置10による上記した加工処理を受けることにより(製造工程を経ることにより)、真っ直ぐに矯正されると共に、その表面に存するマイクロクラックが塞がれて、強度が高められることとなる(強化されることとなる)。なお、軟化点よりも60℃〜120℃(60℃を含み、120℃を含まない)低い温度で加熱すれば、矯正と強化が良好になされるのであるが、強化の点を考慮に入れた場合、加工温度は、軟化点よりも60℃〜100℃(60℃と100℃を含む)低い範囲で設定することが好ましい。
【0015】
加熱強化処理のためには、ガラス管の加熱温度(加工温度)を軟化点近傍に設定することが必要とされるが、ホウ珪酸ガラスの場合には、[背景技術]の欄でも述べたように、加工装置10を用いて加熱強化処理をしようとすると、ガラス管が却って不規則に湾曲してしまうことが認められていた。そこで、ソーダガラスの場合にも、加工装置10による矯正処理とは、別個に加熱強化処理をしなければならないことが予想された。しかし、ソーダガラスの場合には、加工装置10において、ガラス管表面の温度を軟化点近傍(軟化点よりも60℃〜120℃低い温度)に昇温しても、湾曲しないことは勿論、真っ直ぐに矯正することができることを、本願の発明者が見出した。もちろん、この矯正処理と同時に、加熱強化処理もなされることとなる。
【0016】
すなわち、矯正処理と加熱強化処理とが同時になされることになるので、ガラス管の材料として、ソーダガラスを用いたとしても、当初予想された工数(加熱強化処理工数)が増加することなく、冷陰極蛍光ランプに適した細径で必要な強度を備えたガラス管を得ることが可能となった。
また、加工装置10によればガラス管は回転されながら加熱されるので、その表面が均一に加熱されることとなる。その結果、ガラス管表面に分布するマイクロクラック部分が隈なく加熱されることとなり、表面全体に渡って均一に強化される。したがって、ガラス管は、あらゆる方向の曲げに対して強くなるので、これを用いた蛍光ランプのバックライトユニットの製造工程における取扱いが容易になる。また、当該蛍光ランプは、完成品(バックライトユニット)の輸送中等の振動にも良く耐え得るものとなる。
【0017】
本願の発明者は、上記加熱強化処理を施したガラス管と未処理のガラス管とを破壊試験にかけて、両者の破壊強度を調べた。
破壊試験は、万能試験機を使用し、図2に示すように、50mmのスパンで支持されたガラス管の中央に集中荷重を与え、ガラス管に曲げ荷重を与える3点曲げ法によって行った。そして、ガラス管が破壊した時(割れた時)の荷重値[kgf]を破壊強度として記録した。なお、集中荷重を加えるための圧子の移動速度は1[mm/min]とした。
【0018】
いずれも、ガラス管は、外径が4.0[mm]で内径が3.0[mm]のものを用いた。また、参考のために、ホウ珪酸ガラスからなるガラス管についても破壊試験を行った。
試験に供したガラス管の種類は、以下の通りである。
(i) ガラス管A0…材料:ソーダガラス、加熱強化処理:無し
(ii) ガラス管A1…材料:ソーダガラス、加熱強化処理:有り(加熱温度620℃)
(iii)ガラス管B0…材料:ホウ珪酸ガラス、加熱強化処理:無し
(iv) ガラス管B1…材料:ホウ珪酸ガラス、加熱強化処理:有り(加熱温度665℃)
なお、ガラス管A0は矯正処理を施していないものであり、A1,B0,B1の各々は矯正処理を施したものである。また、言うまでもなく、ガラス管B1の加熱強化処理は加工装置10を用いて実施したものではない。
【0019】
上記4種類のガラス管の各々を、20本ずつ用意して試験を行った。試験結果を図3に示す。なお、図3に示すのは、各種ガラス管に対するワイブル判定における50%強度である。
ソーダガラスは、加工装置10によって、加熱強化処理を施すことで、破壊強度が、6.1から8.3へと向上している。破壊強度が8.3[kgf]であれば、液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いる蛍光ランプの強度として満足できるものである。
【0020】
元々、ホウ珪酸ガラスからなるガラス管は、素材自体が十分な強度を有しているので、バックライトユニットの蛍光ランプに用いる場合でも、加熱強化処理は施さないのであるが、今回、加熱強化処理を施してみたところ、却って破壊強度が低下することが判明した。この理由については、現時点では不明である。
また、加工装置10を用いて加工したソーダガラスからなるガラス管の矯正結果について説明する。
【0021】
加工前のガラス管(ガラス管S0)、640℃で加熱処理したガラス管(ガラス管S1)、620℃で加熱処理したガラス管(ガラス管S2)、および560℃で加熱処理したガラス管(ガラス管S3)を各々5本用意した。
ガラス管は、いずれも、外径が4.0[mm]、内径が3.0[mm]、全長が950[mm]のものである。
【0022】
そして、各ガラス管について直管度を調査した。調査方法を図4に示す。
ガラス管を両端から50mmの位置で2点支持した状態で、ガラス管を1回転させたときの半径方向の最大振れdを3箇所で測定した。測定は、ガラス管の一方端から、それぞれ、275mm(位置PL)、475mm(位置PC)、675mm(位置PR)の位置で行った。
【0023】
測定結果を図5に示す。なお、図中「最大」、「最小」は、各5本の内の振れdの最大値と最小値を示す。また、「平均」は各5本の平均値である。「σ」は測定値の標準偏差である。いずれも、単位はmmである。
ここで、問題とするのは最大値である。この最大値が、いずれの測定位置(PL,PC,PR)においても0.1mm以下であれば、蛍光体層を形成した場合に、バックライトユニット用としての必要な輝度均斉度が得られることがわかっている。
【0024】
図5に示すように、加工前のガラス管S0における最大値が0.1mmを大きく上回っているのに対し、ガラス管S2およびガラス管S3では、最大値が0.1mmを大きく下回って、良好な矯正がなされていることが分かる。なお、詳細なデータは省略するが、ガラス管S2およびガラス管S3は、いずれも、満足のいく破壊強度が得られている。
ガラス管S1の最大値は、加工前のガラス管S0の最大値とあまり変わらないか、測定位置によっては、かえって大きくなっている。これは、ソーダガラスであっても、加熱温度(加工温度)をあまり軟化点に近づけすぎると、矯正がうまくいかないことを示している。
【0025】
図6は、上記ソーダガラスからなるガラス管12を用いて作製された冷陰極蛍光ランプ20の概略構成を示す縦断面図である。
冷陰極蛍光ランプ20は、ガラス管の両端部が封着されてなるガラスバルブ22を有する。ガラスバルブ22の全長は950mm、外径は4mm、内径は3mm(厚みは0.5mm)である。なお、全長は、300〜1500mmの範囲で変更してもよい。本発明によれば、上述したように、優れた強化処理がなされ曲げに強くなるので、特に、900〜1500mmといった長尺のガラスバルブ(ガラス管)に好適である。また、ガラスバルブの内径は1.0〜10.0mm、厚みは0.2〜0.6mmの範囲で変更してもよい。
【0026】
また、ガラスバルブ22の内部には、約2mgの水銀(不図示)と、アルゴン(Ar)ガスとネオン(Ne)ガスといった複数種の希ガスからなる混合ガス(不図示)が封入されている。本例における混合希ガスは、アルゴン10%、ネオン90%の混合比で、50Torrの圧力で封入されている。
ガラスバルブ22の両端部には、リード線24,26が支持されている。リード線24,26は、それぞれ、ジュメット線からなる内部リード線24A,26Aとニッケルからなる外部リード線24B、26Bの継線である。ガラス管は両端部共、内部リード線24A,26A部分で気密封止されている。内部リード線24A,26A、外部リード線24B,26Bは、共に円形断面を有している。内部リード線24A,26Aの線径は1.0mm、全長は3.0mmで、外部リード線24B,26Bの線径は0.8mm、全長は3.0mmである。
【0027】
内部リード線24A、26Aのガラスバルブ22内部側端部には、それぞれ、電極28,30がレーザ溶接等によって接合されている。電極28.30は、有底筒状をしたいわゆるホロー型電極であり、ニオブ棒を加工したものである。電極28,30として、ホロー型の電極を採用したのは、ランプ点灯時の放電によって生じる電極におけるスパッタリングの抑制に有効であるからである(詳細は、特開2002−289138号公報等を参照。)。
【0028】
ガラスバルブ22内面には、保護膜32が形成されており、また、保護膜32に重ねて蛍光体層34が形成されている。
保護膜32は、SiO(シリカ)からなる。保護膜32は、ガラスバルブの成分であるナトリウムが放電空間へと溶出するのをブロックし、当該ナトリウムと水銀とが反応することによる水銀の消耗を防止するために設けられている。
【0029】
蛍光体層32は、青色発光する青色蛍光体粒子、緑色発光する緑色蛍光体粒子、および赤色発光する赤色蛍光体粒子を含み、全体として白色発光する。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態とすることもできる。
(1)上記実施の形態では、冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を例にとって説明したが、本発明は、これに限らず、いわゆる外部電極蛍光ランプにも適用可能である。外部電極蛍光ランプとは、内部電極に代えて、例えば、ガラスバルブの両端部分のガラスバルブ外周に外部電極を設け、ガラス管壁をキャパシタンスとして利用する誘電体バリア放電蛍光ランプ(EEFL:External Electrodes Fluorescent Lamp)である。
【0030】
外部電極蛍光ランプに適用した場合には、ガラスバルブがソーダガラスでできている関係上、バックライトユニットの光源として特に要求される暗黒始動性が改善される。すなわち、ソーダガラスは、酸化ナトリウム(NaO)を多く含むので、ナトリウム(Na)成分が時間の経過と共にガラスバルブ内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、(保護膜の形成されていない)ガラスバルブ内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与するものと思われるからである。
【0031】
また、本発明は、内部電極として熱陰極を有する熱陰極蛍光ランプにも適用可能である。
(2)上記実施の形態では、保護膜をシリカ(SiO)で形成したが、アルミナ(Al)で形成しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明に係るガラス管の加工方法は、例えば、バックライトユニットの光源として用いられる蛍光ランプに使用される比較的細い径のガラス管の矯正および強化処理に好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】加熱強化処理のための加工装置の一部を示す斜視図である。
【図2】破壊強度試験の方法を示す図である。
【図3】破壊強度試験の結果を示す図である。
【図4】直管度の測定方法を示す図である。
【図5】図4に示す測定方法による測定結果を示す図である。
【図6】実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプの縦断面図である。
【符号の説明】
【0034】
12 ガラス管
14 円筒体
20 冷陰極蛍光ランプ
22 ガラスバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーダガラスからなるガラス管の加工方法であって、
ソーダガラスよりも軟化点の高い材料からなり、略水平に保持された円筒体に前記ガラス管を挿入して前記円筒体内面に載置し、当該円筒体をその軸心周りに回転させながら、前記ガラス管をその軟化点よりも60℃〜120℃低い温度に加熱することを特徴とするガラス管の加工方法。
【請求項2】
請求項1記載の加工方法によって加工されたガラス管の両端部が封着されてなるガラスバルブを有することを特徴とする蛍光ランプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate