説明

ガース的に調整可能な靴構造

靴のガース的寸法の調整のために改善された手段を提供する靴構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのガース(足の甲部の回りとその寸法)の細かい調整において靴の横軸の中心におかれた足を保持する手段を提供するとともに、それらの双方の上下側分部に沿うことを含んで、その中に適度に足をフィットさせるために靴のガースを効果的に調整するための改善された手段とを備える靴構造を含む。
【背景技術】
【0002】
着用者の足に靴を最適にフィットさせるためには、適切な長さだけでなく、快適にぴったりとしたフィット性を提供するために、適度に効果的なガースも必要であることは、よく知られている。初期の頃、これは、多くの場合、多少の特定のいわゆる注文靴屋が後から加わって、有能な靴直し職人によって靴をオーダーメイドをしてきたことによりほとんど取り組まれていた。産業革命により、および特に19世紀後半において、そのような注文靴は、主として低価で製造された靴によって大いに取って代わられるようになり、多くの場合歴代のガースの範囲において、最初は限られた数の基本的なスタイルで入手可能になり、その後各々の長さ寸法のためにいっそう不正確な「幅(Widths)」と呼ばれた。(一般に、そのような歴代のガースの間の差は、靴の寸法の範囲およびその製造業者の好みに左右されて、3/16”から1/4”まで変動する。)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のこれらの取り組みのどれも、特にそのフィットクリティカル(Fit Critical)な長手方向の中央部内の靴の双方の上下側において、靴のガース的の最大限の調整にする要求に最大限に適応していないことは、注目されるべきである。
【0004】
さらに、20世紀になると、売られている靴のスタイルの外見は絶えず増加する多様化を含み、特にこの産業界の経済状態は、格安店の在庫から供されるスタイルの最大の取り揃えへの各々の長さ寸法向けに、1つだけの中くらいの幅の大部分の靴のスタイルを普通に供する、現在では一般的なしきたりを取り入れる小売り業者に結びついた。この取り組みは、一般に中くらいのガース以外の足を持った着用者のための、および特にこの明細書に開示されているローファー(従来の構造においてガースの調整手段を有していない)を含む大衆的なカジュアルシューズのスタイルにおいて、ガース的にフィットさせる問題を示している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、そのすべての足の甲部の回りの細かい寸法調整での靴の横軸の中心におかれた足を保持しながら、着用者の足の甲に対して靴の足の甲のガースの関係に対して特有のボール(足の親指の付け根と、小指の付け根の最も突出したところ)の調整を含む、そのようなガースの調整手段とを備える。
【0006】
関連する先行技術に関しては、現在まで、それらの大量生産の価値があるような十分にフィットする最適のガース的な靴にとって不可欠な上述の基準を、どれも明らかに満たすことができていない。そのような先行技術は、以下の米国特許番号を含むが、これらに限定されない。米国特許2,691,227号、3,404,468号、3,442,031号、3,541,078号、3,618,235号、3,686,777号、4,279,083号、4,858,341号、4,967,492号、4,969,277号、5,060,402号、5,123,181号、5,153,237号、5,203,096号、5,241,762号、5,325,514号、5,384,970号、6,725,575号B2、および6,883,254号B2。
【0007】
上述した、および他の関連する先行技術の欠点は、本発明の改善されたガースの調整手段により、本明細書で対処されている。
本発明は、さらにそのガースのすべての細かい調整での靴の横軸の中心においた足を保持しながら双方の上下側部分を含む、靴の中の足に最適なフィット性のために靴のガースを効果的に調整するための手段を改善したガースを調整可能な靴構造を対象にする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】靴20の長手方向の中心線に沿って得られた、本発明の原理を具体的に表現する靴20の側面の正面断面図である。
【図2】図1の線2−2および線3−3に沿って得られた図1の靴20の要素の平面図を示し、より大きなガースに調整された靴20により見えるようにこれらの要素を示す。
【図3】図1の線2−2および線3−3に沿って得られた図1の靴20の要素の平面図を示し、ガースへのそれらの細かい調整を示す。
【図4】図1の線4−4および線5−5に沿って得られた図1の靴20の直角正面断面図を示し、より大きなガースに調整された靴20の断面図を示す。
【図5】図1の線4−4および線5−5に沿って得られた図1の靴20の直角正面断面図を示し、ガースへのその細かい調整を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の定義が、この明細書の開示において使用される用語と語句を参照して使用される。
「自動的なガース調整」・・・靴のガースの効果的な自動調整。
「足の甲のガース比率に対するボール」・・・着用者の足の甲部分に対する、ボールの着用者の足の効果的なガースの比率。
「底部品」・・・その中の主に足の下の靴部品。
「直接モールド成形」・・・ユニットソールが同一の成形作業内の靴の上部アセンブリに成型され取り付けられている靴製造工程。
「効果的なガース的寸法」・・・靴の最も内側の部品の最大限のガース的寸法。
「弾性のゴア(Elastic gore)」・・・ゴム糸で織った織地ゴア(またはゴアの)テープ。
「フィットクリティカル(Fit critical)」・・・靴の中の足に対する靴の最適なフィット性のための本質的要素。
「固定された靴の内底」・・・靴の隣接した部品に十分に固定して取り付けられた靴の内底部品。
「ガースの調整可能な」・・・効果的なガース的寸法で調整可能な。
「ヒールスリップ(Heel−slip)」・・・ストライドの間に生じてもよいような、着用者の足の隣接したヒールに関連する靴の裏部の鉛直移動。
「靴の内底」・・・靴の足の下および靴の他の部品上に配置された靴の下部部品。
「ライニング(Lining)」・・・靴の外部の上部/底部品の内に配置された靴の部品、主としてシート材料。
「ルーズ(Loose)」・・・靴の隣接した部品に対して決して連続的な取り付けでない。
「下側部分」・・・足または靴のより低い1〜3cmの側部分。
「中央部分(Midportional)」・・・特にそれに隣接したボール、胴部、および足の甲部分およびエリアの足または靴の縦方向に比較的中心に集められた位置。
「シャンク(Shank)」・・・その足の甲とヒールの部分間に配置された足または靴の尻部底部分。
「靴(Shoe)」・・・靴を表す一般的用語。
「スパンデックス織物」・・・弾性のスパンデックス成分を組み込む織物。
「張力に調整可能」・・・張力の適用によりその上に調整可能。
「トップライン(Topline)」・・・靴の上部の部品の一番上のエッジ領域。
「上側部分」・・・下側部分上に配置された足または靴の側部分。
「ユニットソール(Unitsole)」・・・靴の単一の一番底の部品。
「硫黄で処理された靴構造」・・・従来の靴を作る処理であって、ラテックス系接着材および靴の底/上部の部品が、加熱接着によって、最終のゴム成分に硬化させられる。
【0010】
図面を参照して、従来のレースまたはストラップと共にそれらのものを含む他の靴設計に適用可能な、本発明の原理を具体的に表現する構造において典型的な靴設計が示される。
【0011】
図1は、カウントステッチ38によって靴の甲皮24の裏部に付けられたカウンタ36と同様に、手縫いの縫い目28によるようなプラグ26に取り付けられた靴の甲皮24、および袖口ステッチ32、およびさらにトップラインステッチ34によって靴の甲皮24にその下に(後の図で最も見られたように)付けられた袖口30を含む上部アセンブリ22を備える、人気のある手縫いのローファースタイルのカジュアルシューズ20を示している。図1は、さらに中央部分のフレキシブルテープ40を調整するガースを示している。フレキシブルテープ40(それらは好ましくは織り込まれて非弾性の織物である)は、弾性の、好ましくはスパンデックス織物のその下のルーズライニング42と共に、靴の甲皮24のトップラインに縫い合わされる。ルーズライニング42は緩い靴の内底44の天面にわたって後ろに伸び、複数の靴の内底がその下にある。示されるように、3つの付加的な靴の内底46、48および50は、ルーズ靴の内底44の下に、およびユニットソール52の上にある。ルーズライニングは、靴20の側部分に張力を及ぼす。張力は、一般に、着用者によって好ましいガースおよび張力に左右されて、そのつま先と踵との部分間に、靴20の長手方向のインチ当たり約8〜約12オンスに変化するであろう。
【0012】
示されるように、図1は、靴の内底48および50(所望すれば、それらは単一部品に結合することができる)を固定されるとともに、ルーズ靴の内底44(靴が設計される最小のガースを規定する、最も狭い靴の内底)、およびルーズ靴の内底46(それは靴が設計される最大限の最大幅を有する)を示している。
【0013】
靴20のための手動のガース調整手段が、靴の内底の内に組み込まれる。ガース調整手段は、好ましくはステンレス鋼の手動で調整する調整ネジ54と組み合わせて靴の内底46の内に固定された上に設置されるまたは内部に埋め込まれるステンレス鋼円形カム56を好ましくは備える。ユニットソール52の底のシャンク面内への挿入が示された、調整ネジ54は、固定された靴の内底48の縦スロット62を介して下方へ伸ばすひも穴60を内蔵している可変的に丸みをつけたカムスロット58を含む円形カム56に固定して取り付けられている。縦スロット62は、ひも穴60の調整を可能にし、調節ネジ54のシャンクを保持する。ひも穴60は、ひも穴60のしっかり固定された端部の上の座金64によって保持される。図2〜図3で良く理解されるように、胴のひも穴は、テープ40の下端へのその取り付けに、靴の内底46および48を結合する中心線の胴部ひも穴68に対しておよび胴のまわりで、そこから伸びるガースを調節するひも66を固定し調整する。
【0014】
示されるように、単一のひもを備えたカムシステムは、約3(3)標準の幅/ガースの靴ガースの調整を可能にする。より大きなガース調整を取得するために、2倍のひもが使用されてもよい。
【0015】
図2および図3は、ノット70または同等の手段によるような前記テープ40のより低い胴部部分に対するひも66の端部の取り付けに、靴の内底46および48を結合する胴の中心線の胴部ひも穴68の胴に対しておよびその周りでそこから伸びるガース調整可能なひも66と共に、靴の内底46の天面から取られ可変的に丸みをつけられたカムスロット58およびひも穴60をその中に含むステンレス鋼円形カム56を示す、靴20の部品の平面図を示している。
(靴の中に挿入された足と接触する)最上部の靴の内底44は、(a)調整可能なガースの靴が設計されている最大のガースの足にフィットする単独のガースの靴において使用されるであろう靴の内底のように実質的に同一の寸法および形状のつま先と踵部分と、(b)調整可能なガースの靴が設計されている最小のガースの足をフィットする側部分(特に、ボール、胴部、および足の甲のエリア)とを有する。靴の内底44の狭くなった側部分は、靴20のすべてのガース調整での水平の体重の負荷がかかる底面のフルサポートをする。
【0016】
その結果、靴20の靴のすべての内底は、靴20内の横軸の中心においた足を安全に保持する役目をする、すべてのガース調整にてマッチする長手方向の中心線と、主として比較的非弾性の上部の部品を備えた従来の靴においてこれまでに利用不可能であった、および特に運動競技および他のアクティブな着用の使用のために必要とされる、靴構造における重要な改良とを有している。
【0017】
図4および図5は、手縫いの縫い目28によるプラグ26に取り付けられた靴の甲皮24と、縫い目34による靴の甲皮24のトップラインに取り付けられたガース調節するテープ40およびルーズライニング42とともに、上部アセンブリ22を含む、図1の靴20の部品を示す双方の断面図により、図1の線4−4と線5−5とに沿って得られた図1の靴20の断面図を示している。ルーズライニング42は、従来の直接的な靴底成形手段によるような上部アセンブリ22に取り付けられているユニットソール52にわたって、それにしたがって靴の内底44、46および48と、バットステッチ手段54によって後方に取り付けられた靴の甲皮24とともに、好ましくはルーズ靴の内底44の天面に接合される。
【0018】
本発明による靴構造の改善されたガース調整手段は、そのすべてのガース調整で中心にある足を安全に保持しながら着用者の足の特有のガースの関係に、ボール、胴部、および足の甲のガースを自動的に調整する一方、足の双方の上下側部分の以下のフィット性を提供して、歴代のガースの範囲にわたってその中の足を快適にフィットするためにガースおよび靴の張力の両方を調整する手動で操作可能なガース調整手段を備える。
原資料と原典に関しては、革は、メイン州ベリックのプライム・タンニング(Prime Tanning)社から可能である。合成皮革および他のシート材料は、マサチューセッツ州ニューベリーポートのStarensier社から可能である。弾性のスパンデックス織物およびゴアは、ロードアイランド州ウェスタリーのGeo.C.Moore社から可能かもしれない。セルローズファイバーボード靴の内底材料は、マサチューセッツ州ローレンスのDerTex社から可能である。非弾性の柔軟な織地テープおよびダクロンを編んだガースの調節ひもは、ニューハンプシャー州ゴニックのテキスタイル・テープス(Textile Tapes)社から可能かもしれない。ひも穴と座金は、マサチューセッツ州セーレムのTrendward/Goldberg Footwear Components社によって提供されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部、底、およびライニング要素を有する靴と、
前記靴の横軸の中心においた足を保持しながら着用者の前記足に対して快適にぴったりとしたガース的フィット性を提供するための前記靴の部品の(a)上側部分と(b)下側部分との効果的なガースの調整を可能にするために配置されたガース調整手段と
を備えることを特徴とするガース的に調整可能な靴構造。
【請求項2】
前記靴の前記効果的なガースは、手動で調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の靴構造。
【請求項3】
前記ガース調整手段は、その中の前記足の上の前記靴の張力を調整することを特徴とする請求項2に記載の靴構造。
【請求項4】
前記靴の前記効果的なガースは、自動的に調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の靴構造。
【請求項5】
前記靴の前記ボール、胴部、および足の甲部分の前記ガース関係は、前記着用者の前記足のそれらのものに対して自動的に調節することを特徴とする請求項1に記載の靴構造。
【請求項6】
前記靴の前記効果的なガースの調整は、前記靴のガース調整幅にわたって限りなく調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の靴構造。
【請求項7】
前記ガース調整手段は、前記靴の底のシャンク面内に挿入された縦スロットと手動で調整可能なネジとを組み合わせて、可変的に丸みをつけたカムスロットを備えることを特徴とする請求項1に記載の靴構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−501207(P2012−501207A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524985(P2011−524985)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/004823
【国際公開番号】WO2010/024877
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(500256761)
【Fターム(参考)】