説明

キ−ボ−ド装置

【目的】 情報処理装置の入力に用いるキ−ボ−ド装置において、未使用時にはキ−トップを押し下げて、装置の厚さを薄くして、持ち運び性を良くし、使用時にはキ−トップを持ち上げて、十分なキ−ストロ−クを確保し、操作感を良くするものである。
【構成】 板バネシ−ト21に復帰バネと接点押下バネを一体に形成し、この板バネシ−ト21を、表示装置14を有する蓋の開閉に連動するスライド機構(偏心カム26、スタッド21F、つりバネ27)によってスライドさせ、キ−トップ19の高さを変えるようにするものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は情報処理装置の入力に用いるキ−ボ−ド装置に関するものであり、特に、持ち運びが容易で、かつ薄方の要求の強い可搬形のラップトップパ−ソナルコンピュ−タやワ−ドプロセッサ等に用いられるキ−ボ−ド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図25は従来のキ−ボ−ド装置を示す側面断面図であり、特にメンブレン接点を用いたキ−ボ−ド装置である。図において、1は下部にキ−プランジャ2を備えたキ−トップ、3はこのキ−プランジャ2を取り囲むように取り付けたコイル状の復帰バネ、4はキ−トップ1を上下動自在に支持するキ−スイッチケ−ス、5はキ−プランジャ2のバネガイド2Aに取り付けた接点押下バネ、6は可動接点7および図示せぬ配列パタ−ンを導電性インクで印刷したポリエステルフィルムからなる可動接点フィルム、8は固定接点9および図示せぬ配列パタ−ンを導電性インクで印刷したポリエステルフィルムからなる固定接点フィルム、10はこの可動接点フィルム6と固定接点フィルム8間に粘着剤等で接合され、可動接点7と固定接点9が対抗する部分に切欠き11を有するスペ−サ、12はこの固定接点フィルム8の下部に設けた補強板である。
【0003】なお、上記接点押下バネ5は可動接点7および固定接点9の上方に配置されている。また、可動接点7を設けた可動接点フィルム6、固定接点9を設けた固定接点フィルム8、スペ−サ10によりメンブレン接点部13を構成する。
【0004】次に上記構成によるキ−ボ−ド装置の動作について説明する。まず、キ−トップ1を指で押下すると、キ−プランジャ2および接点押下バネ5が下がる。そして、この接点押下バネ5は可動接点フィルム6に接し、さらに可動接点フィルム6をたわませる。このため、可動接点7が固定接点フィルム8の固定接点9に接触し接点が開成する。さらにキ−トップ1を押し下げると、キ−プランジャ2は下降するが、接点押下バネ5は可動接点7と固定接点9が接触しているため下降せずに縮み、そのバネ力により可動接点フィルム6を押圧する。そして、キ−トップ1から指を離すと、キ−プランジャ2は復帰バネ3によって上昇し、接点押下バネ5は可動接点フィルム6から離れる。それに伴って、可動接点7は固定接点フィルム8の固定接点9から離れ、接点は開離する。
【0005】ところで、可搬形のパ−ソナルコンピュ−タやワ−プロにもこの種のキ−ボ−ド装置が用いられるが、可搬形ということで装置自身を軽く、しかも薄くする要望が多く、特に図26に示す様に、表示装置14が使用していない場合、その表示装置が蓋となる構造のパソコン等においては、収納したときに装置が薄くなることが要求される。
【0006】図27は従来の他のキ−ボ−ド装置を示す断面図であり、図28はその分解斜視図である。図において、15は摺動ピン15Aと爪15Bを備えたキ−トップ、16はカップゴム、17はキ−トップ15の摺動ピン15Aを上下動自在に支持するガイド17Aおよびキ−トップ15の爪15Bとそれをクランプするクランプ部17Bからなるキ−スイッチ部17Cを複数個一体で成形したキ−スイッチベ−スである。また、可動接点7と固定接点9とを有するメンブレン接点部13、および補強板12が止めネジ18によりキ−スイッチベ−ス17の下方に固定されている。
【0007】次に、上記構成によるキ−ボ−ド装置の動作について説明する。まず、図27に示すように、キ−トップ15を押下する前の状態ではキ−トップ15はカップゴム16により上方へ押し上げられており、爪15Bによりキ−スイッチ部17Cにクランプされている。このとき、摺動ピン15Aは摺動ガイド17Aに、ある任意量だけ挿入されている。そして、キ−トップ15を押していくと摺動ピン15Aは摺動ガイド17Aに沿って下降していき、図29に示すようにキ−トップ15が完全に押し下げられると、摺動ピン15Aの先端がメンブレン接点13の可動接点7を押し下げ、固定接点9に接触し、スイッチを閉じることができる。このとき、キ−トップ15が動く量、すなわちストロ−ク量と摺動ピン15Aが動く量は等しいものとなっている。そして、キ−トップ15を押下する力を取り去ると、キ−トップ15は図27に示す状態となりスイッチはひらかれる。この様に、キ−トップ15が良好な動きをするためには、摺同ピン15Aと摺動17Aの初期挿入量はある一定以上の量が必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成のキ−ボ−ド装置、特に図25に示すキ−ボ−ド装置を可搬形のパ−ソナルコンピュ−タやワ−プロに使用した場合、蓋を閉めたとき、表示装置がキ−トップを押し下げてしまうことがあった。そのため装置を使用しない間、キ−トップが下降して接点押下バネが押されることによりメンブレン接点が撓んだ状態のまま長時間保持され、やがて変形し、キ−トップの押下を解除しても接点が閉じたままになってしまったり、また、表示装置のガラス面でキ−トップを押し下げるために、運搬時の振動でガラスに傷をつけてしまうという問題点があった。
【0009】さらに、図27に示すキ−ボ−ド装置では、全高を単純に低くした場合、摺動ピンと摺動ガイドとの初期の挿入量、すなわち初期摺動長を十分に得ることができず、ストロ−ク量が小さくなり、良好な操作感触を得ることができないという問題点があった。
【0010】本発明は以上述べた表示装置等で、蓋をして収納する可搬形のパソコン等において、未使用時に蓋をして収納したときに、メンブレン接点部が変形して接点を閉じたままにしたり、また、キ−ボ−ド全高を低くしたときに十分なストロ−ク量を持つと動作が悪くなり、動作を良くするとストロ−ク量が少なくなる等の問題点を除去するため、キ−トップの復旧バネと接点押下バネを板バネで形成し、蓋の収納時には、この板バネをスライドさせてキ−ボ−ド装置の高さを低くできるようにし、また、キ−トップを含むキ−スイッチベ−スを上下に移動することによりキ−ボ−ド全高およびキ−ストロ−ク量を変えることができる、小型で携帯性が良く、かつ操作時に良好な操作感を持った優れたキ−ボ−ド装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るキ−ボ−ド装置は、板バネシ−トに復帰バネと接点押圧バネを一体に形成し、この板バネシ−トをスライド機構によってスライドさせてキ−トップの高さを変えるものである。
【0012】また、キ−トップを含むキ−スイッチベ−スをスライドバ−のスライド操作によって上下に移動させ、キ−トップの全高およびストロ−ク量を変えるものである。
【0013】更に本発明に係るキ−ボ−ド装置は、複数のキ−接点部を有するシ−ト部材と、点部に対応するようにシ−ト部材上に設けられた複数のキ−スイッチ部と、シ−ト部材の回りに形成されたカバ−と、カバ−の一端に回動自在に設けられ、突出した押圧部材を有する蓋と、シ−ト部材を上方向に押圧するバネとから構成され、前記蓋を開閉してシ−ト部材を上下に移動することによりキ−ボ−ド全高を変更可能とするものである。
【0014】
【実施例】図1は本発明に係るキ−ボ−ド装置の一実施例を示す一部破断した概略分解斜視図、図2は図1の要部断面図、図3は図1の要部の分解斜視図である。一例として、可搬形パソコン等に実施した場合を示す。図において、19はその詳細な構成を図2、図3および図4に示すように、突起19A、幅W1のスライドガイド19Bおよび抜け止め用の爪を持った摺動レバ−19Cを有するキ−トップ、20はその詳細な構成を図2および図3に示すように、摺動レバ−19Cが摺動する摺動穴20A、ガイド穴20Bおよびガイドボス20Cを有するスイッチハウジング、21はその詳細な構成を図2、図3および図5に示すように、復帰バネ21A、接点押下バネ21B、ガイド長穴21C、スライド溝21D、ストッパ部21E、およびスタッド21Fを有する板バネシ−ト、22は図3に示すように、ガイド穴22Aを有するメンブレン接点部、23は図3に示すように、ネジ穴23Aを有する補強板、24は止めネジ(図3参照)、25は表示装置14を有する蓋の開閉により回転する回転軸、26はこの回転軸25の回動により回動し、その外周面につりバネ27により板バネシ−ト21のスタッド21Fが接触する偏心カムである。
【0015】次に、上記構成によるキ−ボ−ド装置の組立ておよびスイッチ動作について説明する。
【0016】(A)キ−ボ−ドの装置の組立てについて補強版23上にメンブレン接点部22を載置し、その上に板バネシ−ト21を置く。そして、この板バネシ−ト21の上にスイッチハウジング20を載置する。このとき、補強版23のネジ穴23A、メンブレン接点部22のガイド穴22a、板バネシ−ト21のガイド長穴21Cを一致させて、図6に示すように、スイッチハウジング20のガイドボス20Cを挿入し、止めネジ24をしめて、一体に固定する。このとき、このスイッチハウジング20のガイドボス20Cの長さは、板バネシ−ト21とメンブレン接点部22の厚みより少し長くしてあるため、上下方向にはわずかなすき間があり、板バネシ−ト21はガイド長穴21Cにより、その穴の長手方向には自由に動くことができる。
【0017】なお、ネジ穴23A、ガイド穴22A、ガイド長穴21Cおよびガイドボス20Cは1ケ所しか図示(図6参照)していないが、複数個設けていることはもちろんである。
【0018】(B)表示装置14を有する蓋をしめたときのキ−スイッチ部、特にキ−トップの動作について説明する。
【0019】まず、表示装置14を有する蓋をしめると、回転軸25が回動し、偏心カム26が回動する。この偏心カム26の径の小さい部分の外周面につりバネ27により強制的にスタッド21Fが接触するため、板バネシ−ト21は左方にスライド動作する。このため、接点押下バネ21bは図7に示すように、メンブレン接点部22から離れる。
【0020】また、キ−トップ19の2つの突起19A(図4では一方の突起のみ図示)はそれぞれ復帰バネ21Aに当接し、スライドガイド19Bは接点押下バネ21Bに当接している。なお、このスライドガイド19Bの幅W1は復帰バネ21Aのスライド溝21Dの幅W2よりやや小さい(W2>W1>W3)。さらに、この復帰バネ21Aのスライド溝21Dはつけ根の方で幅がせまくなったストッパ部21Eを持っており、表示装置14を有する蓋を閉じた状態では、板バネシ−ト21が左方にスライドしているので、そのストッパ部21Eはキ−トップ19のスライドガイド19Bに係合して、キ−トップ19は上方向への動きが止まり、図7の状態で保持することができる。
【0021】(c)表示装置14を有する蓋を開いたときのキ−スイッチ部、特にキ−トップの動作について説明する。
【0022】まず、表示装置14を有する蓋を開くと、回転軸25が回動し、偏心カム26が回動する。この偏心カム26の径の大きい部分の外周面に、つりバネ27により強制的にスタッド21Fが接触するため、板バネシ−ト21は右方にスライド動作する。このため、復帰バネ21Aおよび接点押下バネ21Bは図2に示すように、初期状態にもどすことができる。この初期状態では、指でキ−トップ19を押し始めるとき、初期圧が必要であり、キ−トップ19の突起19Aが復帰バネ21Aに当接して、初期状態においても、復帰バネ21Aをたわめている。
【0023】そこで、キ−トップ19を押下すると、図8R>8に示すように、キ−トップ19の突起19Aが復帰バネ21Aをたわめ、この復帰バネ21Aと一体に形成された接点押下バネ21Bもたわんで、メンブレン接点部22を押圧し、接点を閉じることができる。さらに、キ−トップ19を押下すると、復帰バネ21Aと接点押下バネ21Bはさらにたわんで、図示していないが、キ−トップ19とキ−ハウジング20が当接してとまる。
【0024】なお、キ−トップ19から指を離すと、上述の説明とは逆の順序でメンブレン接点部22の接点は開離し、キ−トップ19は復帰バネ21Aの力で元の位置に復帰することができる。
【0025】また、キ−トップ19の復帰バネ21Aとの係合部を図9に示す構造にすると、復帰バネ21Aの傾斜の任意の位置で、キ−トップ19は復帰バネ21Aを押下することが可能になる。
【0026】図10は本発明に係るキ−ボ−ド装置の他の実施例を可搬形パソコン等に実施した場合の斜視図であり、図11はその一部詳細な斜視図である。図において、28はノブ、29はこのノブ28を回すことにより回転する回転軸、30は一端がこの回転軸29に固着し、他端が板バネシ−ト21に固着し、ノブ28を回すことにより回転軸29のまわりに巻回されるスチ−ルベルトである。
【0027】この構成によるキ−ボ−ド装置では、オペレ−タがノブ28を回すことにより、回転軸29を介してスチ−ルベルト30が巻回され、板バネシ−ト21がスライドする。したがって、この板バネシ−ト21のスライド量はノブ28の回転量に依存するため、オペレ−タは任意の量だけ、ノブ28を回転することにより、キ−トップ19の高さを自由に変えることができる。
【0028】また、表示装置14を有する蓋を閉じるときには、ノブ28を回すことにより、上述の動作をへて、キ−トップ19の高さを低くすることができる。
【0029】なお、操作中に、板バネシ−ト21が振動等で、スライドしないようにするためには、例えばノブ28の側面に複数個の突起31を設け、ケ−ス側にこの突起31と係合する穴(図示せず)を設けて、ストップさせてもよいことはもちろんである。
【0030】図12は本発明に係るキ−ボ−ド装置の更に他の実施例をパソコン等に実施した場合の一部破断した斜視図、図13は図12の分解斜視図である。図において、32はアッパ−カバ−、33は前カバ−、34および35はそれぞれ傾斜穴34A、34Bおよび35A、35B、摺動溝34Cおよび35Cを有し、各一端が前カバ−33に固着したスライドバ−、36は摺動穴36Aおよび36B、スライドピン37A〜37D、キ−トップ19を含むキ−スイッチ部38、および補助カバ−39を有するキ−スイッチベ−ス、40はこのキ−スイッチベ−ス36の摺動穴36A、36Bに挿入される固定ピン41Aおよび41Bが固定された基板、42はこの基板40をネジ43で取り付けられるロアカバ−である。
【0031】なお、図14は前記スライドバ−34および35、キ−スイッチベ−ス36の関係を示す分解斜視図であり、図15はその一部詳細な斜視図である。また、基板40に固定された固定ピン41Aおよび41Bがそれぞれキ−スイッチベ−ス36の摺動穴36Aおよび36Bに挿入されている。また、キ−スイッチベ−ス36の両サイドに突出したスライドピン37A〜37Dが、それぞれスライドバ−34および35の傾斜穴34A、34Bおよび35A、35Bに挿入される。また、基板40の両サイドがスライドバ−34および35の摺動溝34Cおよび35C内を摺動するようにはめ込まれ、スライドバ−34および35がスライド運動することができる。また、このスライドバ−34および35の傾斜穴34A、34Bおよび35A、35Bにはそれぞれ下方摺動部34A1、34B1および35A1、35B1と、上方摺動部34A2、34B2および35A2、35B2を有する。また、44はカップゴムである。
【0032】次に、上記構成によるキ−ボ−ド装置の動作について、図16〜図20を参照して説明する。
【0033】まず(A)、キ−トップ19を強制的に押し下げて、キ−スイッチ部を未使用の状態にする操作について、図16(A)、図16(B)およびず17を参照して説明する。前カバ−33を右方向(図16(A)参照)に押し込むと、スライドバ−34および35は、その摺動溝34Cおよび35Cに基板40の両サイドがはめ込まれているので、右方向にスライド動作する。このため、スライドバ−34および35の傾斜穴34A、34Bおよび35A、35Bの下方摺動部34A1、34B1および35A1、35B1に、キ−スイッチベ−ス36のスライドピン37A、37B、37Cおよび37Dが位置する。このとき、キ−スイッチベ−ス36はその摺動穴36A、36Bに挿入された固定ピン41A、41Bをガイドにして下方に移動するからである。
【0034】このように、キ−スイッチベ−ス36は図1717に示すように下方に位置決めすることができる。このとき、キ−スイッチベ−ス36と基板40とのすき間はほとんどなく、キ−トップ19を押下しても、摺動ピン19Aがメンブレン接点部22にすぐ当たり、キ−トップ19はほとんど動くことはない。しかも、キ−スイッチのストロ−クとしては、1mm以下であり、良好な操作感触とはいえない。
【0035】(B)、キ−トップ19を押下可能な状態に押し上げて、キ−スイッチ部を使用可能な状態にする動作について図18(A)、図18(B)、図19および図20を参照して説明する。前カバ−33を左方(図1818(A)参照)に引き出すと、スライドバ−34および35は、その摺動溝34Cおよび35Cに基板40の両サイドがはめ込まれているので、左方向にスライド動作する。このため、スライドバ−34および35の傾斜穴34A、34Bおよび35A、35Bの上方摺動部34A2、34B2および35A2、35B2に、キ−スイッチベ−ス36のスライドピン37A、37B、37Cおよび37Dが位置する。このとき、キ−スイッチベ−ス36はその摺動穴36A、36Bに挿入された固定ピン41A、41Bをガイドにして上方に移動するからである。
【0036】このため、キ−スイッチベ−ス36は図19R>9に示すように上方に位置決めすることができる。このとき、キ−トップ19はカップゴム44の力により上方に押し上げられる。そこで、図20に示すように、キ−トップ19を押下すると、摺動ピン19Aが下方に移動し、メンブレン接点22を押下し、接点を閉じることができる。
【0037】なお、スライド部とキ−ボ−ド装置の前部筐体を一体で形成することにより、キ−ボ−ド装置の前高を増すために、前部筐体を手前に引くと、この前部筐体がキ−操作時のア−ムレストとして使用できることはもちろんである。
【0038】図21は本発明に係るキ−ボ−ド装置の更に他の実施例をパソコン等に実施した場合の分解斜視図である。51は両サイドに複数の押下ピン51Aを有する蓋、52は蓋を閉めたときに押下ピン51Aが挿入可能に設けられた貫通穴52Aおよびキ−スイッチベ−ス係合部52C内に略コの字形に形成された複数の摺動穴52B(一方のみ図示)を有するアッパ−カバ−、53はキ−スイッチ部54とアッパ−カバ−の貫通穴52Aに対応するように設けられた貫通穴53Aおよび摺動穴52Bに係合する様に設けられた支持部53Bとを有するキ−スイッチベ−ス、55はアッパ−カバ−の貫通穴52Aに対応するように設けられた貫通穴55Aおよび凹部55Bとバネ部55Cを有する補強板、56はコイルスプリング等のバネ部材により上下動可能な左右位置決めピン56Aおよび前後位置決めピン56Bを有するロアカバ−である。
【0039】ここで、図22および図23に従って、図2121の装置の動作について説明する。図22(A)、図2323(A)は、蓋の開閉時における貫通穴52A付近の断面を示す要部詳細図、図22(B)、図23(B)は、蓋の開閉時におけるキ−スイッチ部54付近の断面を示す要部詳細図、図22(C)、図23(C)は、蓋の開閉時におけるキ−スイッチ部54付近の断面を示す要部詳細図である。図において、蓋51が閉じられている状態では、蓋51に設けられた押下ピン51Aが貫通穴52Aに挿入されることによりキ−スイッチベ−ス53を押下し、さらに押下ピンの先端部51A1がキ−スイッチベ−ス53に設けられた貫通穴53Aに挿入されることにより左右位置決めピン56Aを押下している。ここで、キ−スイッチベ−ス53はバネ部55Cにより上方向に押圧されているが、押下ピン51Aによりその動きを抑制される。また、キ−スイッチベ−ス53の前後端面に設けられた支持部53Bは凹部52Bに挿入され、図22Cに示す様に、その底部52C1に位置している。次に、ユ−ザが蓋51を開けて使用する場合について説明する。何等かの方法で固定されていた蓋を開けることにより押下ピン51Aが上方向に持ち上げられ、キ−スイッチベ−ス53はバネ部55Cの働きによって上方向に持ち上げられる。このとき、キ−スイッチベ−ス53に設けられた支持部53Bがアッパカバ−52の凹部52Bの内壁に沿って上昇するため、キ−スイッチベ−ス53も同様の動きをしつつ上昇し、また、ロアカバ−56に設けられた左右位置決めピン56Aもバネ部材等により上方向へ移動する。さらに蓋がある程度開けられると、押下ピン51Aはキ−スイッチべ−ス53から完全に離れ、キ−スイッチベ−ス53はバネ部55Cにより更に上昇を続け、支持部53Bが凹部52Bの上端52B2に位置するまで上昇する。また、左右位置決めピン56Aは上方向に移動し、キ−スイッチベ−ス53の貫通穴53Aに挿入される。これより、キ−スイッチベ−ス53は、前後方向に対しては支持部53Bと凹部の上端52B2によって支持され、左右方向に対しては左右位置決めピン56Aにより位置が決定され、キ−スイッチ部53は固定されたと同等の状態となり、ユ−ザが装置を使用しても問題がない状態となる。
【0040】また、図24は蓋51に設けられた押下ピン51Aの先端部51A1が、キ−スイッチベ−ス53の貫通穴53Aに挿入される動作を示す図であり、先端部51A1は、蓋51が閉められる際、キ−スイッチベ−ス53が凹部52Bの内壁に沿って上昇できるように、図に示す様なテ−パ−を有する形状をしている。ここで、装置使用後に蓋51を閉める場合、まず押下ピン51Aの先端部51A1により左右位置決めピン56Aが押下される(図24(b))。さらに蓋51を閉めていくと、先端部51A1のテ−パ−部がキ−スイッチベ−ス53に接触し、そのテ−パ−部によりキ−スイッチベ−ス53は右方向に移動させられる(図24(c))。この移動により、キ−スイッチベ−ス53に設けられた支持部53Bは凹部52Bの上端52B2からはずされ、キ−スイッチベ−ス52が押下されていく(図24(d))。また、蓋51を開けた場合は、この逆の仮定を経てキ−スイッチベ−ス52が上昇していく。
【0041】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明に係るキ−ボ−ド装置によれば、収納時にはキ−トップを押し下げてキ−ボ−ドの厚さを薄くでき、使用時にはキ−トップを持ち上げて使用できるようにしたため、運搬時には装置の厚みを薄くでき、持ち運びに優れ、使用時にはキ−またはキ−スイッチベ−スを持ち上げて十分なキ−ストロ−クが確保できるため、特に、可搬形の情報処理装置のキ−ボ−ド装置に優れた操作性を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキ−ボ−ド装置の一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】図1の要部の分解斜視図である。
【図4】図1のキ−トップを示す詳細な斜視図である。
【図5】図1の板バネシ−トの要部を示す平面図である。
【図6】図1のガイドボス周辺の断面図である。
【図7】キ−スイッチ部の収納時の状態を示す断面図である。
【図8】キ−スイッチ部の動作時の状態を示す断面図である。
【図9】図4のキ−トップの突起の他の実施例を示す斜視図である。
【図10】本発明に係るキ−ボ−ド装置の他の実施例を可搬形パソコン等に実施した斜視図である。
【図11】図10の板バネシ−トおよびそのスライド機構を示す斜視図である。
【図12】本発明に係るキ−ボ−ド装置の更に他の実施例をパソコン等に実施した場合の一部破断した斜視図である。
【図13】図12の分解斜視図である。
【図14】図13におけるスライドバ−とキ−スイッチベ−スの関係を示す分解斜視図である。
【図15】図14の一部詳細な斜視図である。
【図16】未使用状態におけるスライドバ−とキ−スイッチベ−スの関係を示す図である。
【図17】図16におけるキ−スイッチ部の断面図である。
【図18】使用状態におけるスライドバ−とキ−スイッチベ−スの関係を示す図である。
【図19】図18におけるキ−スイッチ部の断面図である。
【図20】キ−スイッチ部の動作状態を示す断面図である。
【図21】本発明に係るキ−ボ−ド装置の更に他の実施例をパソコン等に実施した場合の斜視図である。
【図22】蓋を閉じた状態における要部詳細図である。
【図23】蓋を開けた状態における要部詳細図である。
【図24】押下ピンの先端部がキ−スイッチベ−スに挿入される際の動作を示す図である。
【図25】従来のキ−ボ−ド装置を示す断面図である。
【図26】従来のキ−ボ−ド装置を備えた可搬形ワ−ドプロセッサを示す斜視図である。
【図27】従来の他のキ−ボ−ド装置を示す断面図である。
【図28】図27の分解斜視図である。
【図29】図27の動作を説明するための断面図である。
【符号の説明】
19 キ−トップ
20 スイッチハウジング
21 板バネシ−ト
22 メンブレン接点部
26 偏心カム
28 ノブ
30 スチ−ルベルト
34,35 スライドバ−
36 キ−スイッチベ−ス
40 基板
44 カップゴム
51A 押下ピン
52B 凹部
53 キ−スイッチベ−ス
53B 支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 情報処理装置の入力に用いるキ−ボ−ド装置において、板バネシ−トに復帰バネと接点押圧バネを一体に形成し、この板バネシ−トをスライド機構によってスライドさせ、キ−トップの高さを変えてなるキ−ボ−ド装置。
【請求項2】 前記スライド機構は装置の蓋の開閉に連動してなる請求項1記載のキ−ボ−ド装置。
【請求項3】 前記スライド機構は装置に設けたノブの回転に連動し、その回転量によりキ−トップの高さを任意に設定可能にしてなる請求項1記載のキ−ボ−ド装置。
【請求項4】 情報処理装置の入力に用いるキ−ボ−ド装置において、キ−トップを含むキ−スイッチベ−スを、スライドバ−のスライド操作によって上下に移動し、キ−ボ−ド全高およびストロ−ク量を変えてなるキ−ボ−ド装置。
【請求項5】 情報処理装置の入力に用いるキ−ボ−ド装置において、複数のキ−接点部を有するシ−ト部材と、キ−接点部に対応するようにシ−ト部材上に設けられた複数のキ−スイッチ部と、シ−ト部材の回りに形成されたカバ−とから構成され、当該シ−ト部材が上下に移動することによりキ−ボ−ド全高を変更可能としたことを特徴とするキ−ボ−ド装置。
【請求項6】 情報処理装置の入力に用いるキ−ボ−ド装置において、複数のキ−接点部を有するシ−ト部材と、シ−ト部材の両端に突出して設けられたスライド部材と、キ−接点部に対応するようにシ−ト部材上に設けられた複数のキ−スイッチ部と、シ−ト部材の回りに形成され、スライド部材が係合する摺動溝を有するカバ−とから構成され、当該スライド部材をスライドさせてシ−ト部材を上下に移動することによりキ−ボ−ド全高を変更可能としたことを特徴とするキ−ボ−ド装置。
【請求項7】 情報処理装置の入力に用いるキ−ボ−ド装置において、複数のキ−接点部を有するシ−ト部材と、キ−接点部に対応するようにシ−ト部材上に設けられた複数のキ−スイッチ部と、シ−ト部材の回りに形成されたカバ−と、カバ−の一端に回動自在に設けられ、突出した押圧部材を有する蓋と、シ−ト部材を上方向に押圧するバネとから構成され、前記蓋を開閉してシ−ト部材を上下に移動することによりキ−ボ−ド全高を変更可能としたことを特徴とするキ−ボ−ド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図18】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図24】
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【図29】
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