説明

キッチンカウンタにおける調理器の取付構造

【課題】トッププレートとその周囲のカウンタ天板との高さが同じであると共に、その境界部分の高さも同じにすることが可能であり、かつ、調理器本体のケーシングとトッププレートとの密着性に優れたキッチンカウンタにおける調理器の取付構造を提供すること。
【解決手段】調理器5をカウンタ天板2の取付穴20に挿入し、トッププレート50の外周部55を段部22に収容してある。カウンタ天板2とトッププレート50の高さは同じである。トッププレート50の外周側端部には、上面角部に傾斜面(被係合部)56を設けてある。ケーシング6には外周フランジ部61が設けられており、外周側端部に折り返されると共に傾斜面56に係合する係合部71を有している。係合部71の上端位置はトッププレート50の上面と同じ又はそれより低い位置に設定されている。係合部71とカウンタ天板2との間の隙間は、シーリング材81又はスペーサによって埋められている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器のトッププレートとキッチンカウンタのカウンタ天板の高さを同じにしてあるキッチンカウンタにおける調理器の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンカウンタとしては、その上面に配されるカウンタ天板に調理器用の取付穴を設け、これに落とし込む形で調理器を設置したタイプのものがある。この場合の従来の調理器の取付構造91としては、例えば、図10に示すごとく、調理器5のトッププレート50の外周部55をカウンタ天板2の上面に載せて吊り下げる構造が多用されている(例えば特許文献1参照)。また、調理器本体を収容したケーシング6の上面外周部には、上記トッププレート50の裏面に当接する外周フランジ部61が設けられている。従来構造では、この外周フランジ部61から延設されてトッププレート50の上面まで回り込んで当接する枠体部915を設け、ケーシング6とトッププレート50との密着性を高める工夫がなされている。
【0003】
一方、キッチンカウンタの意匠性向上を目的として、調理器のトッププレートの高さとキッチンカウンタのカウンタ天板の高さを揃えたいわゆるフラットキッチンカウンタが検討されてきた。
従来のフラットキッチンカウンタにおける調理器の取付構造92は、図11に示すごとく、キッチンカウンタのカウンタ天板2の取付穴の外周縁部に最表面から一段下がった段部22を設け、ここにトッププレート50の外周部55を収容する構造が取られている。この従来のフラットキッチンカウンタにおける調理器5の取付構造92においても、上記と同様に、外周フランジ部61から延設されてトッププレート50の上面及びカウンタ天板の上面の両方に被さる枠体部925が設けられる。
【0004】
このように、従来の取付構造92においては、トッププレート50とカウンタ天板2との高さを同じにすることはできても、上記枠体925がトッププレート50及びその周囲のカウンタ天板2よりも上方にはみ出た状態となってしまう。ここで、上記枠体925を無くしてしまうことも考えられるが、この場合には、ケーシング6とトッププレート50との密着性が低下してしまったり、トッププレート50とカウンタ天板2との間から異物が内部に侵入するおそれがあるので、従来の構造では困難である。
【0005】
【特許文献1】特開2002−5455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、トッププレートとその周囲のカウンタ天板との高さが同じであると共に、その境界部分の高さも同じにすることが可能であり、かつ、調理器本体のケーシングとトッププレートとの密着性が構造的に保証されたキッチンカウンタにおける調理器の取付構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、トッププレートの下方に調理器本体を配設してなる調理器を、キッチンカウンタのカウンタ天板の取付穴に挿入し、上記トッププレートの外周部を上記取付穴の外周縁部に設けた段部に収容することによって、上記カウンタ天板と上記トッププレートの高さを同じとするよう構成してなるキッチンカウンタにおける調理器の取付構造であって、
上記調理器本体を収容したケーシングの上面外周部には、上記トッププレートの裏面に当接する外周フランジ部が設けられており、
該外周フランジ部の少なくとも一部は、上記トッププレートの裏面から外周側端部に折り返されると共に、上記トッププレートの外周側端部の少なくとも一部に設けられた被係合部に係合する係合部を有しており、
該係合部の上端位置は、上記トッププレートの上面と同じ又はそれより低い位置に設定されており、
かつ、少なくとも上記係合部と上記カウンタ天板との間の隙間は、シーリング材又は/及びスペーサによって埋められていることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造にある(請求項1)。
【0008】
本発明のキッチンカウンタにおける調理器の取付構造は、上記のごとく、上記取付穴の外周縁部における段部に上記トッププレートの外周部を収容することによって、上記カウンタ天板とトッププレートの高さを同じとするよう構成したものである。そして、ここで注目すべき点は、上記トッププレートの外周側端部の少なくとも一部に、上記被係合部を積極的に設け、かつ、その被係合部に係合すると共にその上端位置を上記のごとく制限した上記係合部を上記外周フランジ部に設けた点である。
【0009】
本発明では、上記係合部を上記被係合部に係合させることによって、上記外周フランジ部を有するケーシングとトッププレートの密着性を構造的に確保できる。すなわち、外周フランジ部とトッププレートとの間が開く方向の外力が働いても、上記被係合部への係合部の係合によって、それを阻止することができる。それ故、従来のようなトッププレートの上面に回り込むような枠体を設ける必要がない。
また、上記係合部の上端位置を、上記のごとく、上記トッププレートの上面と同じ又はそれより低い位置に設定することにより、トッププレートとカウンタ天板との間の境界部分に、これらの上面位置より上方に突出する要素を排除することができる。
【0010】
また、少なくとも上記係合部と上記カウンタ天板との間の隙間は、シーリング材又はスペーサあるいは両方によって埋める構造をとることにより、トッププレートとカウンタ天板との間から異物が侵入することを防止することもできる。そして、上記係合部の上端位置がトッププレートの上面と同じでない場合には、そのギャップを上記シーリング材やスペーサによって埋めることができ、トッププレートとカウンタ天板との間の境界部分の高さも両者と同じに設定することができる。
【0011】
このように、本発明によれば、トッププレートとその周囲のカウンタ天板との高さが同じであると共に、その境界部分の高さも同じにすることが可能であり、かつ、調理器本体のケーシングとトッププレートとの密着性に優れたキッチンカウンタにおける調理器の取付構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のキッチンカウンタにおける調理器の取付構造においては、上記のごとく、上記ケーシングの外周フランジ部に上記係合部を設ける。この係合部は、外周フランジ部から延設されるが、必ずしも一体物である必要はなく、別途作製した部品を接合して(例えば溶接)して一体化したものでもよい。
【0013】
また、上記被係合部は、上記トッププレートの外周側端部において下方に行くにしたがって外方に拡がるように傾斜した傾斜面よりなることが好ましい(請求項2)。この傾斜面は、トッププレートの外周側端部の上面角部に設けてもよいし、厚み方向途中の部分に設けてもよい。
また、この場合、上記係合部の形状としては、上記傾斜面と当接する部分が点状または線状の形状とすることもできるが、面状とする方が安定するため好ましい。
【0014】
すなわち、上記係合部は、上記傾斜面に対面する対向面を形成する傾斜当接片部を有していることが好ましい(請求項3)。この場合には、当接面積が多くなり、より安定的な係合状態が得られる。なお、上記傾斜面と傾斜当接片部との間には、両者を接着する接着剤等を介在させることもできる。
【0015】
また、上記係合部は、上記トッププレートの裏面から略垂直に立ち上がった垂直立設片部と、該垂直立設片部の上端において略直角に折り曲げられて上記トッププレートの上記傾斜面に向かう上端フラット片部と、さらに上記傾斜面に対面して上記垂直立設片部に近づくように傾斜した上記傾斜当接片部とを有することが好ましい(請求項4)。この場合には、まず、上記垂直立設片部の存在によって隣接するカウンタ天板との間の間隔を少なくすることができる。また、上記上端フラット片部の存在によって、係合部の高さとトッププレートとの高さを同じにするか、その差を小さくすることができる。また、上記傾斜当接片部の存在によって、上記傾斜面との係合関係を強固に維持することができる。
【0016】
また、上記上端フラット片部は、上記トッププレートの上面と面一となって表面に露出するよう設けられていることが好ましい(請求項5)。この場合には、上端フラット片部の上にシーリング材又はスペーサを配設することなく面一状態を形成することができるので、構成をより簡易化することができると共に、上記上端フラット片部の露出による意匠効果を得ることができる場合もある。
【0017】
また、上記上端フラット片部は、上記トッププレートの上面よりも下方に位置するよう配設されており、その上面はシーリング材又は/及びスペーサにより覆われている構成をとることもできる(請求項6)。この場合には、上記係合部が外部から見えないようにすることができ、上記シーリング材又は/及びスペーサによって意匠性を調整することが可能となる。
【0018】
また、上記係合部は、上記トッププレートの裏面から直接的に上記傾斜面と同じ角度に折り曲げられた上記傾斜当接片部を有しており、該傾斜当接片部の上方はシーリング材又は/及びスペーサにより覆われている構成を取ることもできる(請求項7)。この場合には、上記係合部に必要な機能を十分に維持したまま非常に簡単な構成とすることができる。
【0019】
また、上記傾斜面は平面状であることが好ましい(請求項8)。この場合には、上記傾斜面の形成が比較的容易となる。なお、この平面状傾斜面の傾斜角度は、0°超え90°未満の範囲から選択可能であるが、上記係合部との係合によるトッププレートとケーシングとの密着性向上効果を十分に発揮可能な範囲で設定することが好ましい。
最も好ましくは、上記傾斜角度は、30°〜60°の範囲にあることがよい(請求項9)。この範囲内とすることによって、上記密着性の向上を確実に図ることができる。
【0020】
また、上記傾斜面は曲面状であってもよい(請求項10)。曲面状としては、下に凹曲面状、凸曲面状等がある。
【0021】
また、上記被係合部は、上記トッププレートの外周側端部において外方から内方へ窪んだ凹部よりなり、上記係合部は上記凹部に収容される凸部を有していることも好ましい(請求項11)。この場合にも、上記被係合部として上記傾斜面を設けた場合と同様の作用効果が得られる。
【0022】
また、上記被係合部は、上記トッププレートの外周側端部において外方へ突出した突出部よりなり、上記係合部は上記突出部を収容する収容部を有していることも好ましい(請求項12)。この場合にも、上記被係合部として上記傾斜面を設けた場合と同様の作用効果が得られる。
【0023】
また、上記係合部及び被係合部の形状が上記凸部及び凹部あるいは収容部及び突出部の組み合わせの場合においても、上記トッププレートの外周側端部の上記被係合部に上記係合部が係合している部位における、上記トッププレートの上面高さまでの間隙の少なくとも上面部分は、シーリング材又は/及びスペーサによって埋められていることが好ましい(請求項13)。
いずれの場合においても、スペーサを用いる場合には、その配置スペースに対応する形状を有するものであってサイズの異なる複数のものを準備しておくことが好ましい。これにより、トッププレートの寸法公差によるばらつき等が生じた場合に、これをスペーサ寸法によって吸収することができ、よりいっそうフラット感を高めることができる。
【0024】
また、上記トッププレートは、厚み2mm〜8mmの結晶化ガラスよりなることが好ましい(請求項14)。最近のキッチンカウンタに組み付ける調理器としては、そのトッププレートとして、意匠性、耐熱性、耐汚れ性、耐久性等に優れた結晶化ガラスよりなるトッププレートが採用されてきている。とくにこのような結晶化ガラスのトッププレートの場合には、基本的にこれ1枚でトッププレートとしての機能を果たすので、その厚みを上記厚みに限定した上で、その外周側端部の少なくとも一部に上記傾斜面を設けることによって、上述した本発明の優れた効果を得ることができる。
【0025】
上記結晶化ガラスの厚みが2mm未満の場合には、衝撃強度及び静荷重強度が低下して破損しやすいという問題があり、一方、8mmを超える場合には、製品重量の増大、コスト高、センシング機能の低下等の問題がある。
また、上記結晶化ガラスとしては、例えば、日本電気硝子製の「ネオセラム」等がある。
【0026】
また、上記係合部と上記カウンタ天板との間の隙間を埋めるためにスペーサを用いる場合には、その材質は様々な材質を選択することができる。例えば、人造大理石、結晶化ガラス、ほう珪酸ガラス、ホーロー、耐熱樹脂等がある。また、スペーサの材質は、上記カウンタ天板の材質と同じであることが好ましく、この場合には、トッププレートとカウンタ天板とが直接的につながっているような意匠性を出すこともでき、よりいっそうフラットな感じを醸し出すことができる。
また、上記シーリング材としては、例えば、変性シリコン系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、シリコン系、ポリサルファイド系等がある。
【実施例】
【0027】
(実施例1)
本発明の実施例に係るキッチンカウンタにおける調理器の取付構造につき、図1、図2を用いて説明する。
本例のキッチンカウンタにおける調理器の取付構造1は、図1、図2に示すごとく、トッププレート50の下方に調理器本体(図示略)を配設してなる調理器5を、キッチンカウンタのカウンタ天板2の取付穴20に挿入し、上記トッププレート50の外周部55を上記取付穴20の外周縁部に設けた段部22に収容することによって、カウンタ天板2とトッププレート50の高さを同じとするよう構成してなる取付構造である。
【0028】
トッププレート50の外周側端部55の少なくとも一部には、その上面角部に、下方に行くに従って外方に拡がるように傾斜した傾斜面(被係合部)41を設けてある。
また、調理器本体を収容したケーシング6の上面外周部には、上記トッププレート50の裏面に当接する外周フランジ部61が設けられている。
外周フランジ部61の少なくとも一部は、トッププレート50の裏面から外周側端部に折り返されると共に傾斜面41に係合する係合部71を有している。
係合部71の上端位置は、トッププレート50の上面と同じに設定されており、かつ、少なくとも係合部71とカウンタ天板2との間の隙間は、シーリング材81によって埋められている。
【0029】
以下、これをさらに詳説する。
調理器5は、図2に示すごとく、カウンタ天板2に設けた四角形状の取付穴20に挿入配設されるものであり、上面にトッププレート50を備えると共に、奥側表面には、換気口部58を備えている。本例では、トッププレート50がカウンタ天板2との境界部まで存在する部位におけるカウンタ天板2との境界領域Aの部位に上記取付構造1を採用し、境界領域Bの部位は、換気口部58を構成する金属部材がカウンタ天板2の上面に被さる別の取付構造を採用した。なお、取付構造1を採用する部位については、トッププレート50とカウンタ天板2との境界部の一部のみとしてもよく、要求意匠特性に応じて範囲を狭めたり拡げたりすることができる。上記取付構造1を採用しない部位については、従来の取付構造(図11参照)などを採用してもよい。
【0030】
上記トッププレート50は、厚み4mmの結晶化ガラスよりなり、上記境界領域Aに面する外周側端部に、上記傾斜面41を設けてある。傾斜面41は、トッププレート50の厚み方向の寸法の50%以上の範囲に設けてあり、その傾斜角度αは45°に設定した。
また、カウンタ天板2は、人造大理石よりなり、上記段部22の上面からの深さは、上記トッププレート50及びその裏面に位置する代襲外周フランジ部61等を合わせた厚みに相当する寸法に設定した。なお、この段部22は、本例ではカウンタ天板2に一体的に設けたが、別体で作製したものをカウンタ天板2の端部とずらして配設することによって上記段部22とすることも可能である。
【0031】
また、図1に示すごとく、上記調理器5の調理器本体を収容するケーシング6は、ステンレス鋼板よりなり、上述したごとく、その上面に上記トッププレート50の裏面に当接する外周フランジ部61を備えている。外周フランジ部61は、その外周端において折り曲げられて上記係合部71を一体的に有している。
【0032】
係合部71は、同図に示すごとく、トッププレート20の裏面から略垂直に立ち上がった垂直立設片部711と、この垂直立設片部711の上端において略直角に折り曲げられてトッププレート50の傾斜面41に向かう上端フラット片部712と、さらに傾斜面41に対面して垂直立設片部711に近づくように傾斜した上記傾斜当接片部713とを有している。本例では、傾斜当接片部713の先端が垂直立設片部711に当接して、係合部71全体の剛性を高めている。
【0033】
また、上端フラット片部712は、トッププレート50の上面と面一となって表面に露出するよう設けられている。また、傾斜面41と傾斜当接片部713との間には、両者を接合する接着剤83を介在させてある。
また、係合部71の垂直立設片部711とカウンタ天板2の端面201との間の間隙は、シーリング材81により埋めて閉塞してある。
【0034】
以上のように、本例のキッチンカウンタにおける調理器の取付構造1は、トッププレート50の外周側端部に、傾斜面41を積極的に設け、かつ、その傾斜面41に係合すると共にその上端位置を上記のごとく制限した係合部71を外周フランジ部61に設けている。そのため、係合部71を傾斜面41に係合させることによって、外周フランジ部61を有するケーシング6とトッププレート50の密着性を十分に確保できる。すなわち、外周フランジ部61とトッププレート50との間が開く方向の外力が働いても、上記傾斜面41への係合部71の係合によって、それを阻止することができる。それ故、従来のようなトッププレート50の上面に回り込むような枠体を設ける必要がない。
【0035】
また、係合部71の上端位置を、上記のごとく、トッププレート50の上面と同じ位置に設定することにより、トッププレート50とカウンタ天板2との間の境界部分に、これらの上面位置より上方に突出する要素を排除することができる。
また、係合部71とカウンタ天板2との間の隙間は、シーリング材81によって埋める構造をとることにより、トッププレート50とカウンタ天板2との間から異物が侵入することを防止することもできる。
【0036】
このように、本例によれば、トッププレート50とその周囲のカウンタ天板2との高さが同じであると共に、その境界部分の高さも同じにすることが可能であり、かつ、調理器本体のケーシング6とトッププレート50との密着性に優れたキッチンカウンタにおける調理器の取付構造1を提供することができる。
【0037】
(実施例2)
本例は、図3に示すごとく、係合部72の形状を実施例1のものとは異なる形状に変更すると共にスペーサ82を採用した例である。
すなわち、同図に示すごとく、本例の係合部72は、トッププレート50の裏面から略垂直に立ち上がった垂直立設片部721と、垂直立設片部721の上端において略直角に折り曲げられてトッププレート50の傾斜面41に向かう上端フラット片部722と、さらに傾斜面41に対面して垂直立設片部721に近づくように傾斜した傾斜当接片部723とを有する。そして、上端フラット片部722は、トッププレート50の上面よりも下方に位置するよう配設されており、その上面はスペーサ82により覆われている。また、傾斜面41と傾斜当接片部721との間には、両者を接合する接着剤83を介在させてある。
【0038】
スペーサ82の形状は、トッププレート50の傾斜面41、カウンタ天板2の端面201、係合部72の上端フラット片部722、及びトッププレート50とカウンタ天板2の上面位置によって囲まれる断面台形状の形状に対応した形状を有している。そして、このスペーサ82は、シーリング材81を介して接合されている。また、スペーサ82の材質は、カウンタ天板2と同じ人造大理石とした。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0039】
本例の場合には、係合部72の上面フラット部722の高さをトッププレート50の高さよりも低くし、係合部72全体をスペーサ82により覆った。また、スペーサ82の材質をカウンタ天板2と同じとした。これにより、トッププレート50とカウンタ天板2とが連続して配設されたような外観が得られ、よりいっそうフラット感の高い意匠性を得ることができた。なお、上記スペーサとしては、サイズの異なる複数のものを準備しておき、トッププレートの寸法公差によるばらつきを吸収できて最もフラット感の出るものを採用した。その他、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0040】
(実施例3)
本例は、図4に示すごとく、係合部73の構造を実施例1と変更すると共にスペーサ822を採用した例である。
すなわち、同図に示すごとく、本例の係合部73は、トッププレート50の裏面から直接的に傾斜面41と同じ角度に折り曲げられた傾斜当接片部731を有しており、傾斜当接片部731の上方はスペーサ822により覆われている。また、傾斜面41と傾斜当接片部731との間には、両者を接合する接着剤83を介在させてある。
【0041】
スペーサ822の形状は、トッププレート50の傾斜面41、カウンタ天板2の端面201、係合部73の上端フラット片部722、及びトッププレート50とカウンタ天板2の上面位置によって囲まれる断面形状の形状にほぼ対応した形状を有している。そして、このスペーサ822は、シーリング材81を介して接合されている。また、スペーサ822の材質は、実施例2の場合と同様にカウンタ天板2と同じ人造大理石とした。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0042】
本例の場合には、係合部73の構成を実施例1、2と比べて簡単にして製造を容易化することができる。また、係合部73全体をスペーサ822により覆ったので、実施例2の場合と同様に、よりいっそうフラット感の高い意匠性を得ることができた。なお、本例でも、上記スペーサとしては、サイズの異なる複数のものを準備しておき、トッププレートの寸法公差によるばらつきを吸収できて最もフラット感の出るものを採用した。その他、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0043】
(実施例4)
本例は、図5に示すごとく、被係合部として傾斜面44を採用したが、これをトッププレート50の上面から一段下げて設けた例である。具体的には、トッププレート50の裏面の外周側端部の角から略鉛直方向に設けた角側面部441を設け、その下から徐々に外方に拡がるように傾斜した傾斜面44を設けた。
【0044】
一方、係合部74は、トッププレート50の裏面から直接的に傾斜面44と同じ角度に折り曲げられた傾斜当接片部741を有しており、傾斜当接片部741の上方はスペーサ823により覆われている。また、傾斜面44と傾斜当接片部741との間には、両者を接合する接着剤83を介在させてある。
【0045】
スペーサ823の形状は、トッププレート50の傾斜面44、カウンタ天板2の端面201、係合部74の傾斜当接片部741、及びトッププレート50とカウンタ天板2の上面位置によって囲まれる断面台形状の形状に対応した形状を有している。そして、このスペーサ823は、シーリング材81を介して接合されている。また、スペーサ823の材質は、カウンタ天板2と同じ人造大理石とした。
その他の構成は実施例1と同様である。
本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0046】
(実施例5)
本例は、図6に示すごとく、被係合部として、トッププレート50の裏面の外周側端部の角から徐々に外方に拡がるように、かつ、滑らかにカーブしながら傾斜した曲面状傾斜面45を設けた。
【0047】
一方、係合部75は、トッププレート50の裏面から直接的に曲面状傾斜面45と同じ曲面状にカーブしながら傾斜させた傾斜当接片部751を有しており、傾斜当接片部751の上方はスペーサ824により覆われている。また、曲面状傾斜面45と傾斜当接片部751との間には、両者を接合する接着剤83を介在させてある。
【0048】
スペーサ824の形状は、トッププレート50の曲面状傾斜面45、カウンタ天板2の端面201、係合部75の傾斜当接片部751、及びトッププレート50とカウンタ天板2の上面位置によって囲まれる断面形状の形状に対応した形状を有している。そして、このスペーサ824は、シーリング材81を介して接合されている。また、スペーサ823の材質は、カウンタ天板2と同じ人造大理石とした。
その他の構成は実施例1と同様である。
本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0049】
(実施例6)
本例は、図7に示すごとく、係合部と被係合部の形状を実施例1のものとは大きく異なる形状に変更した例である。
すなわち、同図に示すごとく、本例の被係合部は、トッププレート50の外周側端部において外方から内方へ窪んだ凹部46よりなる。一方、係合部76はトッププレート20の裏面から略垂直に立ち上がった垂直立設片部761と、この垂直立設片部761の上端において略直角に折り曲げられてトッププレート50の凹部46に収容される上端フラット片部762よりなる凸部を有している。上端フラット片部762の上記凹部46に収容されていない部分の上方はスペーサ825により覆われている。
【0050】
スペーサ825の形状は、トッププレート50の外周側端部、カウンタ天板2の端面201、係合部74の上端フラット片部762、及びトッププレート50とカウンタ天板2の上面位置によって囲まれる断面四角形状の形状に対応した形状を有している。そして、このスペーサ825は、シーリング材81を介して接合されている。また、凹部46と上端フラット片部762よりなる凸部との間の隙間もシーリング材81が充填されている。また、スペーサ825材質は、カウンタ天板2と同じ人造大理石とした。
その他の構成は実施例1と同様である。
本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0051】
(実施例7)
本例は、図8に示すごとく、係合部と被係合部の形状を実施例1のものとは異なる形状に変更した例である。
すなわち、同図に示すごとく、本例の被係合部は、トッププレート50の外周側端部において外方から内方へ窪んだ凹部47よりなる。この凹部47は、トッププレート50の上角から内方に向けて徐々に下がるように傾斜した傾斜面471と、内方から外方向けて徐々に下がるように傾斜した傾斜面472とを組み合わせて形成してある。
【0052】
一方、係合部77は、トッププレート50の裏面から直接的に傾斜面472と同じ角度に折り曲げられ上記凹部47に収容されると共に上記傾斜面472に対面する対向面を形成する傾斜当接片部(凸部)771を有しており、凸部771の上方はスペーサ826により覆われている。また、傾斜面472と傾斜当接片部771との間には、両者を接合する接着剤83を介在させてある。
【0053】
スペーサ826の形状は、トッププレート50の傾斜面471、係合部77の凸部771、トッププレート50とカウンタ天板2の上面位置、及びカウンタ天板2の上角部202と接する傾斜面471と略平行な面によって囲まれる断面形状の形状にほぼ対応した形状を有している。そして、このスペーサ826は、シーリング材81を介して接合されている。また、スペーサ826の材質は、実施例2の場合と同様にカウンタ天板2と同じ人造大理石とした。
その他の構成は実施例1と同様である。
本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0054】
(実施例8)
本例は、図9に示すごとく、係合部と被係合部の形状を実施例1のものとは大幅に異なる形状に変更した例である。
すなわち、同図に示すごとく、本例の被係合部は、トッププレート50の外周側端部において外方へ突出した突出部48よりなる。一方、係合部78はトッププレート20の裏面に当接した外周フランジ61に溶接によって接合され、突出部48を収容する収容部781を有するステンレス製のフレーム782を有している。そして、フレーム782の上方は、スペーサ827により覆われている。
【0055】
スペーサ827の形状は、トッププレート50の外周端面、カウンタ天板2の端面201、係合部73の上端、及びトッププレート50とカウンタ天板2の上面位置によって囲まれる断面四角形状の形状にほぼ対応した形状を有している。そして、このスペーサ827は、シーリング材81を介して接合されている。また、スペーサ827の材質は、実施例2の場合と同様にカウンタ天板2と同じ人造大理石とした。
その他の構成は実施例1と同様である。
本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1における、キッチンカウンタにおける調理器の取付構造を示す説明図。
【図2】実施例1における、キッチンカウンタにおける調理器の配置状態を示す説明図。
【図3】実施例2における、キッチンカウンタにおける調理器の取付構造を示す説明図。
【図4】実施例3における、キッチンカウンタにおける調理器の取付構造を示す説明図。
【図5】実施例4における、キッチンカウンタにおける調理器の取付構造を示す説明図。
【図6】実施例5における、キッチンカウンタにおける調理器の取付構造を示す説明図。
【図7】実施例6における、キッチンカウンタにおける調理器の取付構造を示す説明図。
【図8】実施例7における、キッチンカウンタにおける調理器の取付構造を示す説明図。
【図9】実施例8における、キッチンカウンタにおける調理器の取付構造を示す説明図。
【図10】従来例における、キッチンカウンタにおける調理器の取付構造を示す説明図。
【図11】従来例における、キッチンカウンタにおける調理器の取付構造の別例を示す説明図。
【符号の説明】
【0057】
1 キッチンカウンタにおける調理器の取付構造
2 カウンタ天板
20 取付穴
22 段部
41、44 被係合部(傾斜面)
45 被係合部(曲面状傾斜面)
46、47 被係合部(凹部)
48 被係合部(突出部)
50 トッププレート、
55 外周部、
71、72、73 係合部、
711、721 垂直立設片部、
712、722 上端フラット片部、
713、723、731傾斜当接片部、
81 シーリング材、
82、822 スペーサ
83 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トッププレートの下方に調理器本体を配設してなる調理器を、キッチンカウンタのカウンタ天板の取付穴に挿入し、上記トッププレートの外周部を上記取付穴の外周縁部に設けた段部に収容することによって、上記カウンタ天板と上記トッププレートの高さを同じとするよう構成してなるキッチンカウンタにおける調理器の取付構造であって、
上記調理器本体を収容したケーシングの上面外周部には、上記トッププレートの裏面に当接する外周フランジ部が設けられており、
該外周フランジ部の少なくとも一部は、上記トッププレートの裏面から外周側端部に折り返されると共に、上記トッププレートの外周側端部の少なくとも一部に設けられた被係合部に係合する係合部を有しており、
該係合部の上端位置は、上記トッププレートの上面と同じ又はそれより低い位置に設定されており、
かつ、少なくとも上記係合部と上記カウンタ天板との間の隙間は、シーリング材又は/及びスペーサによって埋められていることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項2】
請求項1にいて、上記被係合部は、上記トッププレートの外周側端部において下方に行くにしたがって外方に拡がるように傾斜した傾斜面よりなることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項3】
請求項2において、上記係合部は、上記傾斜面に対面する対向面を形成する傾斜当接片部を有していることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項4】
請求項3において、上記係合部は、上記トッププレートの裏面から略垂直に立ち上がった垂直立設片部と、該垂直立設片部の上端において略直角に折り曲げられて上記トッププレートの上記傾斜面に向かう上端フラット片部と、さらに上記傾斜面に対面して上記垂直立設片部に近づくように傾斜した上記傾斜当接片部とを有することを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項5】
請求項4において、上記上端フラット片部は、上記トッププレートの上面と面一となって表面に露出するよう設けられていることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項6】
請求項4において、上記上端フラット片部は、上記トッププレートの上面よりも下方に位置するよう配設されており、その上面はシーリング材又は/及びスペーサにより覆われていることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項7】
請求項3において、上記係合部は、上記トッププレートの裏面から直接的に上記傾斜面と同じ角度に折り曲げられた上記傾斜当接片部を有しており、該傾斜当接片部の上方はシーリング材又は/及びスペーサにより覆われていることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか1項において、上記傾斜面は平面状であることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項9】
請求項8において、上記傾斜角度は、30°〜60°の範囲にあることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取り付け構造。
【請求項10】
請求項2から7のいずれか1項において、上記傾斜面は曲面状であることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項11】
請求項1において、上記被係合部は、上記トッププレートの外周側端部において外方から内方へ窪んだ凹部よりなり、上記係合部は上記凹部に収容される凸部を有していることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項12】
請求項1において、上記被係合部は、上記トッププレートの外周側端部において外方へ突出した突出部よりなり、上記係合部は上記突出部を収容する収容部を有していることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項13】
請求項11又は12において、上記トッププレートの外周側端部の上記被係合部に上記係合部が係合している部位における、上記トッププレートの上面高さまでの間隙の少なくとも上面部分は、シーリング材又は/及びスペーサによって埋められていることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項において、上記トッププレートは、厚み2mm〜8mmの結晶化ガラスよりなることを特徴とするキッチンカウンタにおける調理器の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−161280(P2008−161280A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351615(P2006−351615)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【特許番号】特許第3961013号(P3961013)
【特許公報発行日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【出願人】(000244305)鳴海製陶株式会社 (35)
【Fターム(参考)】