説明

キメラエンドヌクレアーゼおよびその使用

本発明は、エンドヌクレアーゼおよび異種DNA結合ドメインを含むキメラエンドヌクレアーゼ、ならびにキメラエンドヌクレアーゼを用いたポリヌクレオチドの標的組み込み、標的欠失もしくは標的変異の方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
DNA二本鎖の切断を引き起こす活性を有する少なくとも1つのエンドヌクレアーゼ、および少なくとも1つの異種DNA結合ドメインを含有する、キメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項2】
少なくとも1つのエンドヌクレアーゼがI-SceI、I-CreI、I-CeuI、I-ChuI、I-DmoI、Pi-SceI、I-MsoI、もしくはI-AniI、またはこれらのいずれか1つに対して少なくとも45%のアミノ酸配列同一性を有するLAGLIDADGエンドヌクレアーゼである、請求項1に記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項3】
LAGLIDADGエンドヌクレアーゼが、配列番号1、2、3、もしくは159で表されるポリペプチドに対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項1または2に記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項4】
転写因子もしくは不活性ヌクレアーゼに由来する異種DNA結合ドメイン、または転写因子もしくはヌクレアーゼのDNA結合ドメインを有する断片を含有する、請求項1〜3のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項5】
少なくとも1つの異種DNA結合ドメインが、不活性なI-SceI、I-CreI、I-CeuI、I-ChuI、I-DmoI、Pi-SceI、I-MsoI、もしくはI-AniIである、またはI-SceI、I-CreI、I-CeuI、I-ChuI、I-DmoI、Pi-SceI、I-MsoI、もしくはI-AniIに対して少なくとも45%のアミノ酸配列同一性を有するこれらの不活性なホモログである、請求項1〜4のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項6】
キメラエンドヌクレアーゼが、遺伝子操作されたエンドヌクレアーゼ、または最適化されたエンドヌクレアーゼ、または遺伝子操作された最適化エンドヌクレアーゼである、請求項1〜5のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項7】
少なくとも1つの異種DNA結合ドメインが、転写因子である、またはHTHドメインを含有する転写因子のDNA結合ドメインである、請求項1〜6のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項8】
少なくとも1つの転写因子、または転写因子のDNA結合ドメインが、配列番号91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、もしくは119で表され、好ましくは配列番号91、92、93、94、95、112、113、114、115、116、117、118、もしくは119で表される、少なくとも1つのアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含むHTHドメインを含有する、請求項1〜6のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項9】
異種DNA結合ドメインが、配列番号6もしくは7で表されるポリペプチドに対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドを含有する、請求項1〜7のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項10】
DNA二本鎖切断を引き起こす活性を有するエンドヌクレアーゼ、および異種DNA結合ドメインがリンカーポリペプチドを介して連結される、請求項1〜9のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項11】
異種DNA結合ドメインのDNA結合活性が誘導性である、請求項1〜10のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項12】
異種DNA結合ドメインのDNA結合活性が、
a. インデューサー分子の結合、
b. DNA結合ドメインのもう1つの単量体の結合、
c. リン酸化、もしくは脱リン酸化、
d. 温度上昇、または温度低下、
からなる一群から選択される、少なくとも1つのメカニズムによって誘導可能である、請求項1〜11のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項13】
エンドヌクレアーゼのDNA二本鎖切断を引き起こす活性が、ホモもしくはヘテロ二量体エンドヌクレアーゼの、もう1つの単量体の発現によって誘導可能である、請求項1〜12のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項14】
少なくとも1つのNLS配列、または1つもしくは複数のSecIIIもしくはSecIV分泌シグナル、または1つもしくは複数のNLS配列および1つもしくは複数のSecIIIもしくはSecIV分泌シグナルの組み合わせ、または1つもしくは複数のSecIIIおよびSecIV分泌シグナルと1つもしくは複数のNLS配列との組み合わせを含有する、請求項1〜13のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼをコードするヌクレオチド配列を含有する、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項16】
請求項15に記載のヌクレオチド配列を含有する単離されたポリヌクレオチドであって、その単離されたポリヌクレオチドの配列は、
a. コドン最適化されている、
b. RNA不安定モチーフの含有量が少ない、
c. コドンリピートの含有量が少ない、
d. 潜在性スプライス部位の含有量が少ない、
e. 代替的開始コドンの含有量が少ない、
f. 制限酵素部位の含有量が少ない、
g. RNA二次構造の含有量が少ない、
h. a)、b)、c)、d)、e)、f)、またはg)の任意の組み合わせを有する、
前記の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項17】
請求項15または16に記載の単離されたポリヌクレオチドを、プロモーターおよびターミネーター配列とともに機能するように組み合わせて含有する、発現カセット。
【請求項18】
約15から約300ヌクレオチドの長さのキメラ認識配列であって、
a. エンドヌクレアーゼの認識配列、および
b. 異種DNA結合ドメインの認識配列
を含有する前記キメラ認識配列を含有する、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項19】
エンドヌクレアーゼの認識配列が、LAGLIDADGエンドヌクレアーゼの認識配列である、請求項18に記載のキメラ認識配列を含有する、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項20】
a. I-SceIのDNA認識配列、
b. scTetもしくはscArcの認識配列、および
c. I-SceIのDNA認識配列とscTetもしくはscArcの認識配列とをつなぐ、0から10ヌクレオチドのリンカー配列
を含有する、請求項18または19に記載の、キメラ認識配列を含有する単離されたポリヌクレオチド。
【請求項21】
配列番号14、15、16,17、18、19、もしくは20のいずれか1つで表されるポリヌクレオチド配列を含有する、請求項18〜20のいずれか1つに記載のキメラ認識配列を含有する単離されたポリヌクレオチド。
【請求項22】
a. 請求項1〜14のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチド、または
b. 請求項16に記載の発現カセット、または
c. 請求項17に記載の発現カセット、または
d. 請求項18〜21のいずれか1つに記載のキメラ認識配列を含有する、単離されたポリヌクレオチド、または
e. a)、b)、c)、およびd)の任意の組み合わせ、
を含有する、ベクター、宿主細胞、または非ヒト生物。
【請求項23】
非ヒト生物が植物である、請求項22に記載の非ヒト生物。
【請求項24】
キメラエンドヌクレアーゼを提供するための方法であって、
a. 少なくとも1つのエンドヌクレアーゼコード領域を提供するステップ、
b. 少なくとも1つの異種DNA結合ドメインコード領域を提供するステップ、
c. ステップa)の1つもしくは複数のエンドヌクレアーゼの、1つもしくは複数の潜在的DNA認識配列を有し、かつ、ステップb)の1つもしくは複数の異種DNA結合ドメインの、1つもしくは複数の潜在的認識配列を有する、ポリヌクレオチドを提供するステップ、
d. ステップa)のすべてのエンドヌクレアーゼのコード領域、およびステップb)のすべての異種DNA結合ドメインの翻訳融合物を作製するステップ、
e. ステップd)で作製された翻訳融合物からキメラエンドヌクレアーゼを発現させるステップ、
f. ステップc)のポリヌクレオチドの切断について、ステップe)で発現されたキメラエンドヌクレアーゼをテストするステップ、
を含む、前記方法。
【請求項25】
ポリヌクレオチドの相同組み換えのための方法であって、
a. 相同組み換えに適した細胞を提供すること、
b. 配列Aおよび配列Bが両側に配置された、請求項18〜21のいずれか1つに記載の単離されたポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを提供すること、
c. 配列A'およびB'を含んでなるポリヌクレオチドであって、配列Aおよび配列Bに対して十分長くて相同的であり、前記細胞における相同組み換えを可能にする前記ポリヌクレオチドを提供すること、
d. 請求項1〜14のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ、または請求項17に記載の発現カセットを提供すること、
e. 前記細胞においてb)、c)のポリヌクレオチドと、d)のキメラエンドヌクレアーゼを組み合わせること、ならびに
f. b)とc)の組み換えられたポリヌクレオチドを検出する、またはb)とc)の組み換えられたポリヌクレオチドを含有する細胞を選択する、および/または増殖させること
を含む、前記方法。
【請求項26】
請求項25に記載のポリヌクレオチドの相同組み換えのための方法であって、相同組み換えの際に、ステップa)のコンピテント細胞に含まれるポリヌクレオチド配列がステップf)の増殖細胞のゲノムから欠失する、前記方法。
【請求項27】
ポリヌクレオチドの標的変異のための方法であって、
a. キメラ認識部位もしくはDNA認識部位を含有するポリヌクレオチドを含む細胞を提供すること、
b. ステップa)のキメラ認識部位もしくはDNA認識部位を切断することができる、請求項1〜14のいずれか1つに記載のキメラエンドヌクレアーゼ、または請求項17に記載の発現カセットを提供すること、
c. 前記細胞においてa)のポリヌクレオチドとb)のキメラエンドヌクレアーゼを組み合わせること、ならびに
d. 変異したポリヌクレオチドを検出する、または変異したポリヌクレオチドを含有する細胞を選択する、もしくは増殖させること、
を含む、前記方法。
【請求項28】
請求項25〜27のいずれか1つに記載の相同組み換え、または標的変異のための方法であって、生物の交雑によって、または形質転換によって、またはキメラエンドヌクレアーゼと融合されたSec IIIもしくはSecIVペプチドを介した輸送によって、キメラエンドヌクレアーゼおよびキメラ認識部位を少なくとも1つの細胞内で組み合わせる、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−511979(P2013−511979A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540534(P2012−540534)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055453
【国際公開番号】WO2011/064751
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512005634)ビーエーエスエフ プラント サイエンス カンパニー ゲーエムベーハー (8)
【Fターム(参考)】