説明

キャップ開閉装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内容物の流出状態を調整する流出調整枠部を有する容器開口部にヒンジ式に開閉するキャップを設けてなる容器のキャップ開閉装置に関し、特には、押しボタン等の押圧部によってキャップを開閉操作するようにしたキャップ開閉装置に関する。
【従来の技術】従来、振出容器等のキャップ開閉装置において、キャップに開き方向のバネ弾力を与えておき、開放用の押しボタンを押すとキャップが開き、閉じるときにはキャップをバネ弾力に抗して閉じるものが知られている。また、従来のこの種のキャップ開閉装置を具備する容器の開口部に、キャップ開閉装置とは無関係に内容物の流量及び流出方向等を調整する絞り手段を設けたものも知られている。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の振出容器等のキャップ開閉装置におけるキャップ開閉手段は、容器開口部からの内容物の流出の邪魔にならないように開口部を避けてその周辺部に設けるのが常識であり、そのため、キャップ開閉手段のために十分なスペースをとることができず、前述の如く、キャップに開き方向のバネ弾力を与えておき、開放用の押しボタンを押すとキャップが開き、閉じるときにはキャップを直接にバネ弾力に抗して閉じるような単純な構成のものになっていた。しかし、このような従来装置の場合、キャップを開く操作と閉じる操作が異なるため、例えば、調味料や香辛料等の振りかけ容器を片手でもった状態でキャップを開くことができたとしても閉じることはできない等の問題があり、仮に、キャップを押しボタン等を押し込むことによってワンタッチで開き、そのまま内容物を振りかけ、また、閉じるときも容器を持ち変えることなくそのまま押しボタンを押して閉操作するようにしたキャップ開閉装置があれば、キャップを開く操作と内容物を取り出す操作と閉じる操作を同じ容器の持ち方で連続的にできて便利である。また、従来のこの種のキャップ開閉装置を具備する容器の開口部に、内容物の流量及び流出方向等を調整する絞り手段は、単に絞り手段のためのみ設けたもので、キャップ開閉装置として利用できるものではなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、内容物の流出状態を調整する流出調整枠部を有する容器開口部にヒンジ式に開閉するキャップを設けてなる容器のキャップ開閉装置であって、前記流出調整枠部を貫通して、押しボタン等からなる押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置又は閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。また、本発明は、上記のキャップ開閉装置であって、流出調整枠部を貫通して、一つの押しボタン等からなる単一の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置又は閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。また、本発明は、前記のキャップ開閉装置であって、流出調整枠部を貫通して、開き用の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置に回動すると共に、閉じ用の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。また、本発明は、前記のキャップ開閉装置であって、キャップ回動手段の開き用と閉じ用の押圧部が、中間部に設けた回動支点を中心に一方を押すと他方が復帰するシーソー形式の押圧部からなることを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。また、本発明は、内容物の流出状態を調整する流出調整枠部を有する容器開口部にヒンジ式に開閉するキャップを設けてなる容器のキャップ開閉装置であって、前記流出調整枠部を貫通して、押しボタン等の押圧部に連動する押し棒手段によりキャップを開き位置又は閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けると共に、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段を設ける一方、キャップに開閉回動行程の中間部を境に開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。また、本発明は、上記のキャップ開閉装置であって、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段と、キャップに開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段が実質的に同じ一つの弾力部材からなることを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。
【0004】また、本発明は、前記のキャップ開閉装置であって、キャップ回動手段が、ヒンジ連結部の軸心を中心に回転して、キャップの閉じ位置で前記押圧部に近い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に遠い距離に位置する開き溝と、キャップの閉じ位置で前記押圧部に遠い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に近い距離に位置する閉じ溝とを具備すると共に、キャップの開閉に伴って前記開き用押圧部の押し棒手段が閉じ状態のキャップの開き溝に相対し、且つ前記閉じ用押圧部の押し棒手段の先端が開き状態のキャップの閉じ溝に相対して位置する構成を具備するキャップ開閉装置を提供するものである。また、本発明は、前記のキャップ開閉装置であって、キャップ回動手段が、ヒンジ連結部の軸心を中心に回転して、キャップの閉じ位置で前記押圧部に近い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に遠い距離に位置する開き溝と、該開き溝と段部をもって連続してキャップの閉じ位置で前記押圧部に遠い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に近い距離に位置する閉じ溝とを具備すると共に、前記押し棒手段の先端部をキャップの開閉に伴って閉じ状態のキャップの開き溝と開き状態のキャップの閉じ溝に切り換えて係合させる開閉切り換え手段を具備するキャップ開閉装置を提供するものである。また、本発明は、前記のキャップ開閉装置であって、開閉切り換え手段を前記開き溝と閉じ溝とを隔てる段部によって構成したことを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。また、本発明は、前記のキャップ開閉装置であって、キャップに、ヒンジ連結部を中心にキャップの閉じ位置で開き溝の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝の反対側に位置するキャップ開閉旋回部を設け、該キャップ開閉旋回部と押し棒手段との間に、押し棒手段の先端部を、閉じ状態のキャップの開き溝内に導入すると共に、開き状態の閉じ溝内に導入する弾力部材からなる開閉切り換え手段を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。
【0005】また、本発明は、前記のキャップ開閉装置であって、キャップに、ヒンジ連結部を中心にキャップの閉じ位置で開き溝の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝の反対側に位置するキャップ開閉旋回部を設け、一端部をキャップ開閉旋回部に係合せしめると共に、他端部を押し棒手段に沿って摺動自在に係合せしめた開閉切り換え手段を設け、該開閉切り換え手段に押圧部との間に前記押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段を設け、該復帰弾力手段の弾圧力によって開閉切り換え手段を介して押し棒手段の先端部を、閉じ状態のキャップの開き溝内に導入すると共に、開き状態の閉じ溝内に導入するように構成したことを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。また、本発明は、前記のキャップ開閉装置であって、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段と、キャップに開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段と、開閉切り換え手段が実質的に同じ一つの弾力部材からなることを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。また、本発明は、前記のキャップ開閉装置において、容器開口部にヒンジ式に開口横断方向に開閉するキャップを設けたことを特徴とするキャップ開閉装置を提供するものである。
【0006】
【作用】上記の構成からなる本発明に係るキャップ開閉装置によれば、ヒンジ式に開閉するキャップを設けてなる容器の開口部に、内容物の流出状態を調整する流出調整枠部を有するから、該流出調整枠部が開口部を横断していても、開口部の一側部に沿って位置していても、内容物の流出量、流出方向、流出速度等の流出状態を調整することができるのみならず、内容物の流出の邪魔にならない流出調整枠部を貫通して、押しボタン等からなる押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置又は閉じ位置に回動する等の簡素又は複雑な種々の構成のキャップ回動手段を設けることができ、また、流出調整枠部を貫通して前記キャップ開閉手段を設けたことにより、キャップの閉じ状態において、押しボタン等の押圧部を押し込むと、この押圧部の押し込み作動に連動して該キャップを開き位置に回動することができ、ワンタッチでキャップを開くことができ、また、そのまま内容物を開口から外部に取り出すことができ、また、キャップの開き状態において、押しボタン等の押圧部を押し込むと、この押圧部の押し込み作動に連動して該キャップを閉じ位置に回動することができる等の、ワンタッチでキャップを開閉することができるキャップ開閉装置を提供することができる。また、本発明に係るキャップ開閉装置によれば、一つの押しボタン等からなる単一の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置又は閉じ位置に回動することができる。また、本発明のキャップ開閉装置によれば、開くときは、開き用の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置に回動することができると共に、閉じるときは、閉じ用の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを閉じ位置に回動して、キャップを開閉することができる。また、本発明のキャップ開閉装置によれば、キャップ回動手段の開き用と閉じ用の押圧部が、中間部に設けた回動支点を中心に一方を押すと他方が復帰するシーソー形式の押圧部を交互に押圧することによって、キャップを開閉することができる。
【0007】また、本発明のキャップ開閉装置によれば、キャップの閉じ状態において、復帰弾力に抗して押しボタン等の押圧部を押し込むと、この押圧部の押し込み作動に連動して該キャップを開き位置に回動することができると共に、押しボタン等の押圧部から手を放すと押圧部は復帰弾力によって元位置に復帰し、キャップの開き状態において、押圧部を復帰弾力に抗して押し込むと、この押圧部の押し込み作動に連動して該キャップを閉じ位置に回動することができることとなり、ワンタッチでキャップを開き且つ閉じることができると共に、本発明のキャップに開閉回動行程の中間部を境に開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段を設けたキャップ開閉装置によれば、押しボタン等の押圧部を途中まで押し込み、キャップを開閉回動行程の中間部まで開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動すると、キャップは開閉弾力手段により、自動的に開閉することとなる。
【0008】また、本発明のキャップ開閉装置においては、実質的に同じ一つの弾力手段で、押圧部に復帰弾力を付与する前記復帰弾力手段と、キャップに開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する前記開閉弾力手段を簡素に構成することができる。また、本発明に係るキャップ開閉装置によれば、キャップの閉じ状態で、開き用押しボタンを押し込むと、これに連動する開き用押し棒手段が近くに位置する開き溝を押し回してキャップを開き位置に回動し、キャップを開くことができると共に、キャップの開き状態で、閉じ用押しボタン等からなる押圧部を押し込むと、これに連動する閉じ用押し棒手段が近くに位置する閉じ溝を押し回してキャップを閉じ位置に回動し、キャップを閉じることができる。
【0009】また、本発明に係るキャップ開閉装置によれば、キャップの閉じ状態で、押しボタン等からなる押圧部を押し込むと、これに連動する押し棒手段が近くに位置する開き溝を押し回してキャップを開き位置に回動し、キャップを開くことができると共に、このときキャップの開放にともなって、閉じ溝を押し棒手段に近い位置に回動し、同時に開閉切り換え手段が押し棒手段の先端部を閉じ溝に係合させる。このキャップの開き状態で、押しボタン等からなる押圧部を押し込むと、これに連動する押し棒手段が近くに位置する閉じ溝を押し回してキャップを閉じ位置に回動し、キャップを閉じることができ、このときキャップの閉成に伴って、開き溝を押し棒手段に近い位置に回動し、同時に開閉切り換え手段が押し棒手段の先端部を開き溝に係合させ、押圧部を押し込めば、前記の如くキャップは開放することとなる。また、本発明に係る前記開き溝と閉じ溝とを隔てる前記段部によって開閉切り換え手段を構成したキャップ開閉装置においては、キャップの開き状態では、押し棒手段の先端が段部を境に該段部に隔てられて閉じ溝に相対し、キャップの閉じ状態では、押し棒手段の先端が段部を境に該段部によって閉じ溝から隔てられて開き溝に相対することとなる。
【0010】また、本発明に係るキャップ開閉装置によれば、キャップの閉じ状態において、ヒンジ連結部を中心に開き溝の反対側に位置するキャップ開閉旋回部と、押し棒手段との間に設けた弾力部材からなる開閉切り換え手段によって、押し棒手段の先端部を、キャップの開き溝内に導入するから、押圧部を押し込めば、押し棒手段によって開き溝を押し回してキャップを開くことができる一方、キャップの開き状態において、ヒンジ連結部を中心に閉じ溝の反対側に位置するキャップ開閉旋回部と、押し棒手段との間に設けた弾力部材からなる開閉切り換え手段によって、押し棒手段の先端部を、キャップの閉じ溝内に導入するから、押圧部を押し込めば、押し棒手段によって閉じ溝を押し回してキャップを閉じることができる。
【0011】また、本発明に係るキャップ開閉装置によれば、キャップの閉じ状態において、復帰弾力に抗して押圧部を押し込むと、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段の弾圧力を受けた開閉切り換え手段によって押し棒手段の先端部が、閉じ状態のキャップの開き溝内に導入されているから、押し棒手段によって開き溝を押し回してキャップを開くことができる一方、キャップの開き状態において、復帰弾力に抗して押圧部を押し込むと、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段の弾圧力を受けた開閉切り換え手段によって押し棒手段の先端部が、開き状態のキャップの閉じ溝内に導入されているから、押し棒手段によって閉じ溝を押し回してキャップを閉じることができる。このとき、キャップの開き状態においては、復帰弾力手段の弾圧力を受けた開閉切り換え手段は、ヒンジ連結部を中心に開き溝の反対側に位置するキャップ開閉旋回部と押し棒手段との間にあって、押し棒手段の先端部を、開き状態のキャップの閉じ溝内に導入する一方、閉じ状態においては、復帰弾力手段の弾圧力を受けた開閉切り換え手段は、ヒンジ連結部を中心に閉じ溝の反対側に位置するキャップ開閉旋回部と押し棒手段との間にあって、押し棒手段の先端部を、閉じ状態のキャップの開き溝内に導入することとなる。また、本発明は、前記のキャップ開閉装置であって、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段と、キャップに開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段と、開閉切り換え手段が実質的に同じ一つの弾力部材からなり、前記キャップ開閉手段の構成を簡素化することができる。また、本発明は、前記のキャップ開閉装置において、容器開口部に起伏方向に開閉するキャップを設けたものの他に、開口横断方向に開閉するキャップを設けたキャップ開閉装置をも提供するものである。
【0012】
【実施例】以下図示する実施例により、本発明に係るキャップ開閉装置を説明すると、図1〜図5に記載の第1の実施例の装置において、1は容器開口部にねじ込み式に固定されて位置する開口基体で、ねじ部の上方に開口部12を形成する内筒部20とその外周に位置する外筒部21を具備している。22は、内容物の流出状態を調整する流出調整枠部で、実施例の場合、内筒部20を横断して設けてある。23は開口基体1の上部に固定したキャップ固定体で、前記開口器体前記内筒部20の外周に密封状に嵌着する内部固定筒部24と外筒部21の内側に嵌着する外部固定筒部25を具備すると共に、前記開口部12に連通して振出孔26を具備している。開口基体1のキャップ固定体23には、従来公知の手段からなるヒンジ連結部により軸心2を中心にヒンジ式に開閉するようにキャップ3が設けてある。前記内筒部20を横断して設けた流出調整枠22は、その両端が前記外筒部21に向かって貫通しており、その一端部側には外筒部21に押し込み可能に設けた押しボタン5が位置している一方、他端部側にはキャップ固定体23とキャップ3とのヒンジ連結部が位置している。そして、本発明装置は、流出調整枠部22を貫通して、押しボタン5等からなる押圧部の押し込み作動に連動してキャップ3を開き位置又は閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けたことを特徴とする。即ち、キャップ3の開閉先端側に位置する開口基体1には、前記押しボタン5がコイルスプリング等からなる弾力部材4の復帰弾力に抗してヒンジ連結部側に向かって押し込み可能に設けてある。ここで、押しボタン5は本発明に係る押圧部を構成し、弾力部材4は本発明に係る押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段を構成している。また、キャップ3のヒンジ連結部側には、図3に示すように、キャップ3の閉じ位置で前記押しボタン5に近い距離に位置すると共に、図4及び図5で示すように、キャップ3の開き位置で前記押しボタン5に遠い距離に位置する開き溝6と、図3に示すように、該開き溝6と段部11をもって連続してキャップ3の閉じ位置で前記押しボタン5に遠い距離に位置すると共に、図4及び図5で示すように、キャップの開き位置で、前記押しボタン5に近い距離に位置する閉じ溝7が設けてある。8は押しボタン5とキャップ3との間に設けた押し棒部材で、一端8aを押しボタン5に揺動可能に連結してあると共に、その先端8bを、図3及び図5に示すように、押しボタン5の復帰位置において近い距離位置に位置する閉じ状態のキャップ3の開き溝6または開き状態のキャップ3の閉じ溝7に係合可能に設けてある。前記押し棒部材8は、本発明に係る押し棒手段を構成している。また、前記押しボタン5等からなる押圧部、押し棒部材8からなる押し棒手段、キャップ3に設けた開き溝6及び閉じ溝7は、本発明に係るキャップ回動手段を構成している。
【0013】9は、前記押し棒部材8の先端8bをキャップ3の開閉に伴って閉じ状態のキャップの開き溝6と開き状態のキャップの閉じ溝7に切り換えて係合させる開閉切り換え部材である。前記開閉切り換え部材9は本発明に係る開閉切り換え手段を構成している。図示の実施例の場合、開閉切り換え部材9は、その先端部9aを押し棒部材8の中間部に沿って設けた係合溝8cに摺動自在に係合せしめてある一方、他端部9bをヒンジ連結部の軸心2を中心にキャップ3の閉じ位置で開き溝6の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝7の反対側に位置する連結軸10に旋回可能に連結してある。実施例の場合、前記押しボタン5に復帰弾力を付与する弾力部材4は、押しボタン5と開閉切り換え部材9との間に弾発力を付与して設けてあり、該弾力部材4の弾圧力によって、開閉切り換え部材9の先端部9aを介して押し棒部材8の先端8bを、閉じ状態のキャップ3の開き溝6内に導入すると共に、開き状態の閉じ溝7内に導入するように構成してある。
【0014】即ち、キャップ3の閉じ状態においては、図3に示すように、開閉切り換え部材9の他端部9bがヒンジ連結部の軸心2を中心に開き溝6の反対側に位置すると同時に、その先端部9aが押し棒部材8の係合溝8cを押し上げる方向に位置することによって、前記弾力部材4の弾圧力は押し棒部材8の先端8bを、閉じ状態のキャップ3の開き溝6内に導入する方向に作用すると共に、キャップ3の開き状態においては、図5に示すように、開閉切り換え部材9の他端部9bがヒンジ連結部の軸心2を中心に閉じ溝7の反対側に位置すると同時に、その先端部9aが押し棒部材8の係合溝8cを押し下げる方向に位置することによって、前記弾力部材4の弾圧力は押し棒部材8の先端8bを、開き状態のキャップ3の閉じ溝7内に導入する方向に作用するように構成してある。また、前記押しボタン5と開閉切り換え部材9との間に弾発力を付与する弾力部材4は、開閉切り換え部材9の他端部9bを介して、ヒンジ連結部の軸心2を中心にキャップ3の閉じ位置で開き溝6の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝7の反対側に位置する連結軸10に弾発力を付与するから、キャップ3の閉じ状態においては、図3に示すように、キャップ3の閉じ状態を維持する閉じ方向に向かった回動弾力をキャップ3に付与し、図5に示すように、キャップ3の開き状態を維持する開き方向に向かった回動弾力をキャップ3に付与することにより、連結軸10を介してキャップ3に開閉回動行程の中間部を境に開き方向又は閉じ方向に向かって回動弾力を付与する開閉弾力手段を構成している。ここで、前記キャップ3の連結軸10は、ヒンジ連結部の軸心2を中心にキャップ3の閉じ位置で開き溝6の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝7の反対側に位置する本発明に係るキャップ開閉旋回部を構成している。また、上記のキャップ開閉装置において、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段と、キャップに開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与するキャップ開閉弾力手段が同じ一つの弾力部材4からなり、同一の弾力手段が、押圧部の復帰弾力手段と、キャップ開閉弾力手段と、前記開閉切り換え手段の弾力手段を構成している。
【0015】上記の構成からなる本発明に係る実施例のキャップ開閉装置において、まず、図3のキャップの閉じ状態において、押しボタン5を弾力部材4の復帰弾力に抗してヒンジ連結部側に向かって押し込むと、押しボタン5に揺動可能に連結した押し棒部材8の先端8bが該ボタン5に近い距離位置にある開き溝6を押圧して、図4に示すように、遠い位置まで押し込みながらキャップ3をヒンジ連結部の軸心2を中心に図3上時計方向に回転して開放する。キャップ3の開き位置において、押しボタン5から手を放すと、復帰弾力によって押しボタン5は元のキャップの開閉先端側に位置すると共にキャップ3は開き状態に維持されると同時に、図5に示すように、押し棒部材8の先端8bが前記開き溝6と段部11をもって連続し押しボタン5に近い距離に位置する閉じ溝7に係合する。ここで、押しボタン5を再度復帰弾力に抗してヒンジ連結部側に向かって押し込むと、押し棒部材8の先端8bが閉じ溝7を押圧して、遠い位置まで押し込みながらキャップ3をヒンジ連結部の軸心2を中心に、図3上、反時計方向に回転して閉じる。キャップ3の閉じ位置において、押しボタン5から手を放すと復帰弾力によって、押しボタン5は元のキャップ3の開閉先端側に位置すると共にキャップ3は閉じ状態に維持されると同時に、押し棒部材8の先端8bが前記閉じ溝7と段部11をもって連続してキャップの閉じ位置で前記押しボタン5に近い距離に位置する開き溝6に係合する。このとき、前述の如く、開閉切り換え部材9が、前記押し棒部材8の先端8bをキャップ3の開閉に伴って閉じ状態のキャップ3の開き溝6又は開き状態のキャップ3の閉じ溝7に切り換えて係合させることとなる。
【0016】図6及び図7に記載の第2の実施例の装置は、容器開口部12にヒンジ式に開口横断方向に開閉するキャップ3を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置を示すものである。開口基体1には、従来公知の手段からなるヒンジ連結部により軸心2を中心にヒンジ式に開口横断方向に開閉するようにキャップ3が設けてある。即ち、キャップ3が図1〜図5の第1の実施例のように起伏方向に開閉するのに対して、この第2の実施例では、開口横断方向に開閉する点が異なるだけで、他の構成、作用、効果は、第1の実施例と同様であり、図において同一の符号を付して、先の実施例の説明を参照すれば容易に理解できるので、詳細な説明は重複を避けて省略してある。なお、第1実施例及び第2実施例の容器開口部12は、図6及び図7に図示の如く、キャップ回動手段を構成する弾力部材4、押し棒部材8、開閉切り換え部材9等の占位する中央部を避けてその両側に設けてある。
【0017】図8〜図10に記載の第3の実施例の装置は、容器開口部12にヒンジ式に開閉するキャップ3に、開き用の押圧部5aの押し込み作動に連動してキャップ3を開き位置に回動すると共に、閉じ用の押圧部5bの押し込み作動に連動してキャップ3を閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けてなるキャップ開閉装置である。開口基体1には、従来公知の手段からなるヒンジ連結部により軸心2を中心にヒンジ式に開閉するようにキャップ3が設けてある。開き用及び閉じ用の押しボタン5a、5bには、それぞれ開き用及び閉じ用の押し棒部材8が設けてあり、開き用押し棒部材8の先端8bは、キャップ3の閉じ位置で前記開き用押しボタン5aに近い距離に位置すると共に、開き位置で前記押しボタン5aに遠い距離に位置する開き溝6に相対して設けてあり、閉じ用押し棒部材8の先端8bは、キャップ3の開き位置で前記閉じ用押しボタン5bに近い距離に位置すると共に、閉じ位置で前記押しボタン5bに遠い距離に位置する閉じ溝7に相対して設けてある。また、開き用及び閉じ用の押しボタン5a、5bと、開口基体1との間には、それぞれコイルスプリング等からなる弾力部材4が設けてある。ここで、押しボタン5a、5bは本発明に係る押圧部を構成し、弾力部材4は本発明に係る押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段を構成し、前記押し棒部材8は、本発明に係る押し棒手段を構成している。
【0018】また、前記押しボタン5等からなる押圧部、押し棒部材8からなる押し棒手段、キャップ3に設けた開き溝6及び閉じ溝7は、本発明に係るキャップ回動手段を構成している。13は、キャップ3の回動方向をキャップ3の回動行程の中間部を境に開き方向又は閉じ方向に切り換えるキャップ開閉方向切り換え部材である。図示の実施例の場合、キャップ開閉方向切り換え部材13は、その先端部13aを容器基体1の中間部に沿って設けた係合溝13cに摺動自在に係合せしめてある一方、他端部13bをヒンジ連結部の軸心2を中心にキャップ3の閉じ位置で開き溝6の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝7の反対側に位置する連結軸10に旋回可能に連結してある。ここで、前記キャップ3の連結軸10は、ヒンジ連結部の軸心2を中心にキャップ3の閉じ位置で開き溝6の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝7の反対側に位置する本発明に係るキャップ開閉旋回部を構成している。また、前記連結軸10の先端部13aと容器基体1との間に弾発力を付与する弾力部材14は、キャップ開閉方向切り換え部材13の他端部13bを介して、ヒンジ連結部の軸心2を中心にキャップ3の閉じ位置で開き溝6の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝7の反対側に位置する連結軸10に弾発力を付与するから、キャップ3の閉じ状態においては、図10に示すように、キャップ3の閉じ状態を維持する閉じ方向に向かった回動弾力をキャップ3に付与し、逆にキャップ3の開き状態においてはキャップ3の開き状態を維持する開き方向に向かった回動弾力をキャップ3に付与することにより、連結軸10を介してキャップ3に開閉回動行程の中間部を境に開き方向又は閉じ方向に向かって回動弾力を付与する開閉弾力手段を構成している。
【0019】上記の開き用の押しボタン5aと閉じ用の押しボタン5bの二つの押圧部を有する本発明に係るキャップ開閉装置によれば、開き用の押圧部の押し込み作動に連動してキャップ3を開き位置に回動することができると共に、閉じ用の押圧部5bの押し込み作動に連動してキャップ3を閉じ位置に回動することができる。従って、この実施例では、一つの押圧部を有する先の実施例のような開閉切り換え部材9は不用とすることができる。図11〜図13に記載の第4の実施例の装置は、容器開口部12にヒンジ式に開閉するキャップ3に、開き用の押圧部5aの押し込み作動に連動してキャップ3を開き位置に回動すると共に、閉じ用の押圧部5bの押し込み作動に連動してキャップ3を閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けてなる前記第3の実施例によるキャップ開閉装置において、キャップ回動手段の開き用と閉じ用の押圧部5a、5bが、中間部に設けた回動支点15を中心に一方を押すと他方が復帰するシーソー形式の押圧部5からなることを特徴とするキャップ開閉装置である。この実施例の場合、開き用と閉じ用の押圧部5a、5bが、キャップ開閉にともなって交互に押し込み位置と復帰位置に移動するから、先の実施例の弾力部材4のような押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段を不用にすることができる。この第4の実施例では、第3の実施例に対して上記キャップ回動手段の開き用と閉じ用の押圧部5a、5bが、中間部に設けた回動支点15を中心に一方を押すと他方が復帰するシーソー形式の点が異なるだけで、他の構成、作用、効果は、第3の実施例と同様であり、図において同一の符号を付して、先の実施例の説明を参照すれば容易に理解できるので、詳細な説明は重複を避けて省略してある。なお、図11において、16は、押圧部5a、5bを押し込み位置に維持するための従来周知のバネ部材である。
【0020】図14〜図16に示す第5の実施例は、押し棒手段を構成する押し棒手段と、キャップの開閉旋回部との間に設けた弾力部材によって、第1の実施例と同等の機能を達成し得る本発明に係るキャップ開閉装置を開示するものである。この第5の実施例の場合、開口基体1には、第1の実施例と同様に、ヒンジ連結部により軸心2を中心にヒンジ式に開閉するようにキャップ3が設けてある。また、キャップ3のヒンジ連結部側には、図14に示すように、キャップ3の閉じ位置で前記押しボタン5に近い距離に位置すると共に、図15及び図16R>6で示すように、キャップ3の開き位置で前記押しボタン5に遠い距離に位置する開き溝6と、該開き溝6と段部11をもって連続し、キャップ3の閉じ位置で前記押しボタン5に遠い距離に位置すると共にキャップの開き位置で、前記押しボタン5に近い距離に位置する閉じ溝7が設けてある。更に、押しボタン5とキャップ3との間に設けた押し棒部材8は、一端8aを押しボタン5に揺動可能に連結してあると共に、その先端8bを、図14R>4及び図16に示すように、押しボタン5の復帰位置において近い距離位置に位置する、閉じ状態のキャップ3の開き溝6、または開き状態のキャップ3の閉じ溝7に係合可能に設けてある。更にまた、ヒンジ連結部の軸心2を中心にキャップ3の閉じ位置で開き溝6の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝7の反対側に位置するキャップ開閉旋回部10が設けてある。
【0021】ここで、上記第5の実施例は、押し棒部材の中間部とキャップ開閉旋回部の間に、拡張弾力を付与した弾力部材4を設けてある。弾力部材4は、押しボタン5に復帰弾力を付与する復帰弾力手段を構成すると共に、その先端部4aを押し棒部材8の中間部に係合せしめてある一方、他端部4bをヒンジ連結部の軸心2を中心にキャップ3の閉じ位置で開き溝6の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝7の反対側に位置するキャップ開閉旋回部10に旋回可能に連結した構成によって、該弾力部材4の弾圧力によって、押し棒部材8の先端8bを、閉じ状態のキャップ3の開き溝6内に導入すると共に、開き状態の閉じ溝7内に導入するキャップ開閉切り換え手段を構成している。更に、弾力部材4は、他端部4bを介して、ヒンジ連結部の軸心2を中心に、キャップ3の閉じ状態においては、図14に示すように、キャップ3の閉じ状態を維持する閉じ方向に向かった回動弾力をキャップ3に付与し、キャップ3の開き状態においては、図16に示すように、キャップ3の開き状態を維持する開き方向に向かった回動弾力をキャップ3に付与し、これにより、キャップ3に開閉回動行程の中間部を境に開き方向又は閉じ方向に向かって回動弾力を付与する開閉弾力手段を構成している。
【0022】図17〜図19に示す第6の実施例は、簡素な構成によって、第1の実施例と同等の機能を達成し得る本発明に係るキャップ開閉装置を開示するものである。この第6の実施例の場合、開口基体1には、第1の実施例と同様に、ヒンジ連結部により軸心2を中心にヒンジ式に開閉するようにキャップ3が設けてある。また、キャップ3のヒンジ連結部側には、図17に示すように、キャップ3の閉じ位置で前記押しボタン5に近い距離に位置すると共に、図18及び図19で示すように、キャップ3の開き位置で前記押しボタン5に遠い距離に位置する開き溝6と、該開き溝6と段部11をもって連続し、キャップ3の閉じ位置で前記押しボタン5に遠い距離に位置すると共にキャップの開き位置で、前記押しボタン5に近い距離に位置する閉じ溝7が設けてある。更に、押しボタン5とキャップ3との間に設けた押し棒部材8は、一端8aを押しボタン5に揺動可能に連結してあると共に、その先端8bを、図17及び図19に示すように、押しボタン5の復帰位置において近い距離位置に位置する、閉じ状態のキャップ3の開き溝6、または開き状態のキャップ3の閉じ溝7に係合可能に設けてある。また、押しボタン5と容器基体1との間には、押しボタン5に押し込み作動に抗して復帰弾力を付与する弾力部材4からなる復帰弾力手段が設けてあると共に、キャップ3と容器基体1との間には、ヒンジ連結部の軸心2を中心に、キャップ3の閉じ状態においては、図17に示すように、キャップ3の閉じ状態を維持する閉じ方向に向かった回動弾力をキャップ3に付与し、キャップ3の開き状態においては、図19に示すように、キャップ3の開き状態を維持する開き方向に向かった回動弾力をキャップ3に付与し、これにより、キャップ3に開閉回動行程の中間部を境に開き方向又は閉じ方向に向かって回動弾力を付与するバネ部材17等からなる開閉弾力手段を設けてある。
【0023】ここで、上記第6の実施例は、前記開き溝6と閉じ溝7とを隔てる前記段部11によって、前記押し棒部材8の先端部8bをキャップの開閉に伴って、閉じ状態のキャップ3の開き溝6と開き状態のキャップ3の閉じ溝7に切り換えて係合させることによって、開閉切り換え手段を構成している。即ち、図18に示すように、前記押し棒部材8を押し込んでキャップ3を開いた状態にした直後に、押しボタン5が復帰弾力により元位置に復帰すると、押し棒部材8の先端部8bは、開き溝6から避退して段部11を乗り越えて図19に示すように、閉じ溝7に係合し、次いで、押し棒部材8を押し込んでキャップ3を閉じた状態にした後に、押しボタン5が復帰弾力により元位置に復帰すると、押し棒部材8の先端部8bは、閉じ溝7から避退して段部11を乗り越えて図17に示す開き溝6に係合することとなり、押し棒部材8の先端8bをキャップ3の開閉に伴って、閉じ状態のキャップ3の開き溝6と開き状態のキャップ3の閉じ溝7に切り換えて係合させることによって、開閉切り換え手段を構成している。
【0024】
【効果】以上の通り、本発明に係るキャップ開閉装置によれば、ヒンジ式に開閉するキャップを設けてなる容器の開口部に、内容物の流出状態を調整する流出調整枠部を有するから、該流出調整枠部が開口部を横断していても、開口部の一側部に沿って位置していても、内容物の流出量、流出方向、流出速度等の流出状態を調整することができるのみならず、内容物の流出の邪魔にならない流出調整枠部を貫通して、押しボタン等からなる押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置又は閉じ位置に回動する等の簡素又は複雑な種々の構成のキャップ回動手段を設けることができ、また、流出調整枠部を貫通して前記キャップ開閉手段を設けたことにより、キャップの閉じ状態において、押しボタン等の押圧部を押し込むと、この押圧部の押し込み作動に連動して該キャップを開き位置に回動することができ、ワンタッチでキャップを開くことができ、また、そのまま内容物を開口から外部に取り出すことができ、また、キャップの開き状態において、押しボタン等の押圧部を押し込むと、この押圧部の押し込み作動に連動して該キャップを閉じ位置に回動することができる等の、ワンタッチでキャップを開閉することができるキャップ開閉装置を提供する効果がある。また、本発明に係る前記流出調整枠部を貫通して一つの押しボタン等からなる単一の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置又は閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けてなるキャップ開閉装置によれば、単一の押しボタン等を押すだけで、振りかけ容器等のキャップを開閉できるから、容器を持ち変える面倒がない効果がある。
【0025】また、本発明に係る前記流出調整枠部を貫通して、開き用の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置に回動すると共に、閉じ用の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けてなるキャップ開閉装置によれば、押しボタン等からなる押圧部が開き用と閉じ用に分かれているから、開閉操作が分かりやすく、不用意に押しボタンを押して意に反してキャップを開閉してしまう誤操作を防止できる効果がある。また、本発明の前記流出調整枠部を貫通して設けたキャップ開閉装置において、キャップ回動手段の開き用と閉じ用の押圧部が、中間部に設けた回動支点を中心に一方を押すと他方が復帰するシーソー形式の押圧部からなることを特徴とする構成によれば、一方を押すと他方が復帰するシーソー形式の押圧部を交互に押圧することによって、キャップを開閉することができ、押圧部に復帰弾力手段を設けること無くキャップの開閉を円滑にできる効果がある。
【0026】また、本発明の前記流出調整枠部を貫通して設けたキャップ開閉装置において、押圧部に連動する押し棒手段によりキャップを開き位置又は閉じ位置に回動するキャップ開閉装置によれば、押し棒手段が押し込み力に強く、耐久性に優れると共に、押圧部の押し込み作動力を直接的に強力に伝達してキャップを開閉することができる効果があると共に、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段を設けた構成によれば、押し込み操作後に押しボタン等の押圧部から手を放すと押圧部は復帰弾力によって元位置に復帰し、直ちに次の押し込み操作ができるから、ワンタッチでキャップを開き且つ閉じることが円滑にできる効果があり、また、キャップに開閉回動行程の中間部を境に開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段を設けた構成を有する本発明キャップ開閉装置によれば、押しボタン等の押圧部を途中まで押し込み、キャップを開閉回動行程の中間部まで開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動すると、キャップは開閉弾力手段により、自動的に開閉することとなるから、押圧部の押し込み操作を軽減すると共に、キャップの開閉を軽快にし、且つ、キャップを開閉位置に安定して維持する等の効果がある。
【0027】また、本発明の前記流出調整枠部を貫通して設けたキャップ開閉装置において、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段と、キャップに開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段が実質的に同じ一つの弾力部材からなる本発明キャップ開閉装置によれば、前記復帰弾力手段と前記開閉弾力手段を一つの弾力部材で簡素に構成することができる効果がある。
【0028】また、本発明の前記流出調整枠部を貫通して設けたキャップ開閉装置において、キャップ回動手段が、ヒンジ連結部の軸心を中心に回転して、キャップの閉じ位置で前記押圧部に近い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に遠い距離に位置する開き溝と、キャップの閉じ位置で前記押圧部に遠い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に近い距離に位置する閉じ溝とを具備すると共に、キャップの開閉に伴って前記開き用押圧部の押し棒手段が閉じ状態のキャップの開き溝に相対し、且つ前記閉じ用押圧部の押し棒手段の先端が開き状態のキャップの閉じ溝に相対して位置する構成を具備する本発明キャップ開閉装置によれば、キャップの閉じ状態で、開き用押しボタンを押し込むと、これに連動する開き用押し棒手段が近くに位置する開き溝を押し回してキャップを開き位置に回動し、キャップを開くことができると共に、キャップの開き状態で、閉じ用押しボタン等からなる押圧部を押し込むと、これに連動する閉じ用押し棒手段が近くに位置する閉じ溝を押し回してキャップを閉じ位置に回動し、キャップを閉じることができるから、押し棒手段が押し込み力に強く、耐久性に優れると共に、押圧部の押し込み作動力を直接的に強力に伝達してキャップを開閉することができる効果があると共に、開閉操作が分かりやすく、不用意に押しボタンを押して意に反してキャップを開閉してしまう誤操作を防止できる効果がある。
【0029】また、本発明の前記流出調整枠部を貫通して設けたキャップ開閉装置において、前記キャップ回動手段が、ヒンジ連結部の軸心を中心に回転して、キャップの閉じ位置で前記押圧部に近い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に遠い距離に位置する開き溝と、該開き溝と段部をもって連続してキャップの閉じ位置で前記押圧部に遠い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に近い距離に位置する閉じ溝とを具備すると共に、前記押し棒手段の先端部をキャップの開閉に伴って閉じ状態のキャップの開き溝と開き状態のキャップの閉じ溝に切り換えて係合させる開閉切り換え手段を具備する本発明キャップ開閉装置によれば、キャップの開閉に伴って、開閉切り換え手段が押し棒手段の先端部を開き溝又は閉じ溝に係合させ、押圧部を押し込めば、キャップを開閉することができることにより、キャップを開く動作と閉じる動作とを同じ押しボタンの押し込み操作で行うことができるから、例えば、調味料や香辛料等の振りかけ容器を片手でもった状態でキャップを開くことができると共に、閉じることもでき、キャップの開閉を片手のワンタッチで容易且つ迅速に行うことができる効果がある。上記のキャップ開閉装置において、開閉切り換え手段を前記開き溝と閉じ溝とを隔てる前記段部によって構成した本発明キャップ開閉装置によれば、キャップの開き状態では、押し棒手段の先端が段部を境に該段部に隔てられて閉じ溝に相対し、キャップの閉じ状態では、押し棒手段の先端が段部を境に該段部によって閉じ溝から隔てられて開き溝に相対することとなるから、簡便に開閉切り換え手段を構成することができる効果がある。
【0030】また、本発明の前記流出調整枠部を貫通して設けたキャップ開閉装置において、キャップに、ヒンジ連結部を中心にキャップの閉じ位置で開き溝の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝の反対側に位置するキャップ開閉旋回部を設け、該キャップ開閉旋回部と押し棒手段との間に、押し棒手段の先端部を、閉じ状態のキャップの開き溝内に導入すると共に、開き状態の閉じ溝内に導入する弾力部材からなる開閉切り換え手段を設けた本発明キャップ開閉装置によれば、キャップの開閉に伴ってヒンジ連結部を中心に旋回するキャップ開閉旋回部と、押し棒手段との間に弾圧力をもって設けた弾力部材からなる開閉切り換え手段によって、押し棒手段の先端部を、キャップの開き溝又は閉じ溝内に導入することができるから、簡便に開閉切り換え手段を構成することができる効果があると共に、弾力部材からなる開閉切り換え部材は、押し棒部材を介して押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段と、キャップ開閉旋回部を介してキャップに開閉回動行程の中間部を境に開き方向又は閉じ方向に向かって回動弾力を付与する開閉弾力手段とを構成する効果がある。また、本発明の前記流出調整枠部を貫通して設けた上記のキャップ開閉装置において、キャップに、ヒンジ連結部を中心にキャップの閉じ位置で開き溝の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝の反対側に位置するキャップ開閉旋回部を設け、一端部をキャップ開閉旋回部に係合せしめると共に、他端部を押し棒手段に沿って摺動自在に係合せしめた開閉切り換え手段を設け、該開閉切り換え手段に押圧部との間に前記押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段を設け、該復帰弾力手段の弾圧力によって開閉切り換え手段を介して押し棒手段の先端部を、閉じ状態のキャップの開き溝内に導入すると共に、開き状態の閉じ溝内に導入するようにしてなる本発明キャップ開閉装置によれば、キャップを開く動作と閉じる動作とを同じ押しボタン等の押圧部の押し込み操作で行うことができるから、例えば、調味料や香辛料等の振りかけ容器を片手でもった状態でキャップを開閉することができ、キャップの開閉を片手のワンタッチで容易且つ迅速に行うことができる効果がある。また、本発明の前記流出調整枠部を貫通して設けた上記のキャップ開閉装置において、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段と、キャップに開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段と、開閉切り換え手段が実質的に同じ一つの弾力部材からなるキャップ開閉装置によれば、キャップ開閉手段を簡素化する効果がある。また、本発明の前記流出調整枠部を貫通して設けた上記のキャップ開閉装置において、容器開口部にヒンジ式に開口横断方向に開閉するキャップを設けた本発明キャップ開閉装置によれば、キャップを起伏式に開閉するキャップ開閉装置の他に、キャップを開口を横断して、水平又は斜めに傾斜した面に沿って開閉する前記キャップ装置を提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャップ開閉装置の第1の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略横断正面図。
【図2】図1の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略平面図。
【図3】図1の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略縦断説明図。
【図4】図1の実施例のキャップの開放後の押しボタンの復帰途中における要部を示す概略縦断説明図。
【図5】図1の実施例のキャップの開き状態における要部を示す概略縦断説明図。
【図6】本発明に係るキャップ開閉装置の第2の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略横断説明図。
【図7】図6の実施例のキャップの開き状態における要部を示す概略横断説明図。
【図8】本発明に係るキャップ開閉装置の第3の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略横断平面図。
【図9】図8の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略正面図。
【図10】図8の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略縦断説明図。
【図11】本発明に係るキャップ開閉装置の第4の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略横断平面図。
【図12】図11の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略正面図。
【図13】図11の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略縦断説明図。
【図14】本発明に係るキャップ開閉装置の第5の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略縦断説明図。
【図15】図14の実施例のキャップの開放後の押しボタンの復帰途中における要部を示す概略縦断説明図。
【図16】図14の実施例のキャップの開き状態における要部を示す概略縦断説明図。
【図17】本発明に係るキャップ開閉装置の第6の実施例のキャップの閉じ状態における要部を示す概略縦断説明図。
【図18】図17の実施例のキャップの開放後の押しボタンの復帰途中における要部を示す概略縦断説明図。
【図19】図17の実施例のキャップの開き状態における要部を示す概略縦断説明図。
【符号の説明】
1・・・・開口基体
2・・・・ヒンジ連結部の軸心
3・・・・キャップ
4・・・・弾力部材(復帰弾力手段)
5・・・・押しボタン(押圧部)
6・・・・開き溝
7・・・・閉じ溝
8・・・・押し棒部材(押し棒手段)
9・・・・開閉切り換え部材(開閉切り換え手段)
10・・・連結軸(キャップ開閉旋回部)
11・・・段部
12・・・開口部
13・・・キャップ開閉方向切り換え部材
14・・・弾力部材
15・・・回動支点
16・・・バネ部材
17・・・バネ部材(開閉弾力手段)
20・・・内筒部
21・・・外筒部
22・・・流出調整枠部
23・・・キャップ固定体
24・・・内部固定筒部
25・・・外部固定筒部
26・・・振出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】 内容物の流出状態を調整する流出調整枠部を有する容器開口部にヒンジ式に開閉するキャップを設けてなる容器のキャップ開閉装置であって、前記流出調整枠部を貫通して、押しボタン等からなる押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置又は閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置
【請求項2】 請求項1に記載のキャップ開閉装置であって、流出調整枠部を貫通して、一つの押しボタン等からなる単一の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置又は閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置
【請求項3】 請求項1に記載のキャップ開閉装置であって、流出調整枠部を貫通して、開き用の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを開き位置に回動すると共に、閉じ用の押圧部の押し込み作動に連動してキャップを閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置
【請求項4】 請求項3に記載のキャップ開閉装置であって、キャップ回動手段の開き用と閉じ用の押圧部が、中間部に設けた回動支点を中心に一方を押すと他方が復帰するシーソー形式の押圧部からなることを特徴とするキャップ開閉装置
【請求項5】 内容物の流出状態を調整する流出調整枠部を有する容器開口部にヒンジ式に開閉するキャップを設けてなる容器のキャップ開閉装置であって、前記流出調整枠部を貫通して、押しボタン等の押圧部に連動する押し棒手段によりキャップを開き位置又は閉じ位置に回動するキャップ回動手段を設けると共に、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段を設ける一方、キャップに開閉回動行程の中間部を境に開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置
【請求項6】 請求項5に記載のキャップ開閉装置であって、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段と、キャップに開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段が実質的に同じ一つの弾力部材からなることを特徴とするキャップ開閉装置
【請求項7】 請求項5に記載のキャップ開閉装置であって、キャップ回動手段が、ヒンジ連結部の軸心を中心に回転して、キャップの閉じ位置で前記押圧部に近い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に遠い距離に位置する開き溝と、キャップの閉じ位置で前記押圧部に遠い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に近い距離に位置する閉じ溝とを具備すると共に、キャップの開閉に伴って前記開き用押圧部の押し棒手段が閉じ状態のキャップの開き溝に相対し、且つ前記閉じ用押圧部の押し棒手段の先端が開き状態のキャップの閉じ溝に相対して位置する構成を具備するキャップ開閉装置
【請求項8】 請求項5に記載のキャップ開閉装置であって、キャップ回動手段が、ヒンジ連結部の軸心を中心に回転して、キャップの閉じ位置で前記押圧部に近い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に遠い距離に位置する開き溝と、該開き溝と段部をもって連続してキャップの閉じ位置で前記押圧部に遠い距離に位置すると共にキャップの開き位置で前記押圧部に近い距離に位置する閉じ溝とを具備すると共に、前記押し棒手段の先端部をキャップの開閉に伴って閉じ状態のキャップの開き溝と開き状態のキャップの閉じ溝に切り換えて係合させる開閉切り換え手段を具備するキャップ開閉装置
【請求項9】 請求項8に記載のキャップ開閉装置であって、開閉切り換え手段を前記開き溝と閉じ溝とを隔てる段部によって構成したことを特徴とするキャップ開閉装置
【請求項10】 請求項8に記載のキャップ開閉装置であって、キャップに、ヒンジ連結部を中心にキャップの閉じ位置で開き溝の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝の反対側に位置するキャップ開閉旋回部を設け、該キャップ開閉旋回部と押し棒手段との間に、押し棒手段の先端部を、閉じ状態のキャップの開き溝内に導入すると共に、開き状態の閉じ溝内に導入する弾力部材からなる開閉切り換え手段を設けたことを特徴とするキャップ開閉装置
【請求項11】 請求項8に記載のキャップ開閉装置であって、キャップに、ヒンジ連結部を中心にキャップの閉じ位置で開き溝の反対側に位置すると共に開き位置で閉じ溝の反対側に位置するキャップ開閉旋回部を設け、一端部をキャップ開閉旋回部に係合せしめると共に、他端部を押し棒手段に沿って摺動自在に係合せしめた開閉切り換え手段を設け、該開閉切り換え手段に押圧部との間に前記押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段を設け、該復帰弾力手段の弾圧力によって開閉切り換え手段を介して押し棒手段の先端部を、閉じ状態のキャップの開き溝内に導入すると共に、開き状態の閉じ溝内に導入するように構成したことを特徴とするキャップ開閉装置
【請求項12】 請求項11に記載のキャップ開閉装置であって、押圧部に復帰弾力を付与する復帰弾力手段と、キャップに開き位置方向又は閉じ位置方向に向かって回動する回動弾力を付与する開閉弾力手段と、開閉切り換え手段が実質的に同じ一つの弾力部材からなることを特徴とするキャップ開閉装置
【請求項13】 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12に記載のキャップ開閉装置において、容器開口部にヒンジ式に開口横断方向に開閉するキャップを設けたことを特徴とするキャップ開閉装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図12】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【特許番号】第2707038号
【登録日】平成9年(1997)10月17日
【発行日】平成10年(1998)1月28日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−24644
【出願日】平成5年(1993)1月20日
【公開番号】特開平6−227555
【公開日】平成6年(1994)8月16日
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【出願人】(000234627)シロウマサイエンス株式会社 (40)
【参考文献】
【文献】実開 昭61−83549(JP,U)
【文献】実開 平2−47916(JP,U)
【文献】実開 昭60−92965(JP,U)