説明

キャビネットの枠体取り付け構造

【課題】本発明は、簡単な構造で枠体の着脱作業が容易にできるキャビネット1を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明に係るキャビネット1は、枠体4には箱体本体3を固定するための螺子挿通孔10を設けると共に、枠体4を箱体本体3に取り付けるためのねじ14を勘合させる勘合切り欠きと、勘合切り欠きの端部に勘合つめを形成した枠体取り付けクリート11は、勘合つめを螺子挿通孔15に挿通し勘合させて取り付け、箱体本体3には枠体4を取り付けるための枠体取り付け金具8が立設され、枠体取り付け金具8のねじ挿入部9にはねじ穴10を設け、ねじ挿入部9はテーパー状に形成し、ねじ14を勘合切り欠きと螺子挿通孔15とねじ穴10とにそれぞれ挿通し、ねじ14がねじ挿入部9に対して直角となる角度から枠体4を箱体本体3に固定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面に開口を有する箱体本体と、開口周縁部に取り付けられる枠体と、開口を施蓋し回動動作により開閉可能な扉体とから構成される、各種電気機器を収納するためのキャビネットの枠体取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5に示すように、箱体本体31には枠体取り付け金具32を設け、枠体取り付け金具32に枠体33をねじ止めしていた。枠体取り付け金具32には取り付け穴34が設けられていて、この取り付け穴34に対向する位置に枠体33に穴加工を施している。枠体33の上方よりねじ35を箱体本体31の深さ方向へ締め付け、枠体取り付け金具32と枠体33とを固定し、箱体本体31に枠体33を取り付けていた。
【0003】
また、キャビネットが大型化すると、キャビネットの辺の途中にも枠体取り付け金具を設け、枠体をねじ止めしていた。
【非特許文献1】2004カワムラカタログ電設資材編NO.34改訂版平成16年4月1日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャビネットは分電盤に用いられることが多く、一般的に縦方向が長辺となるよう構成している。その際、長辺が一定の長さを超えた場合、長辺にも取り付けねじにより扉体を取り付けていた。そのため、枠体のねじ止めのねじの着脱時に扉体が邪魔になり、扉体を取り外してから作業するか、扉体が付いた状態で無理矢理ねじの着脱を行っており、非常に施工性の悪いものとなっていた。
【0005】
また、ねじの脱着の際、ねじの頭部が扉体に干渉し、扉体に傷を付けてしまう虞等の欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、簡単な構造で枠体の着脱作業が容易にできるキャビネットを提供することを目的とし、その構造は、枠体には箱体本体を固定するための螺子挿通孔を設けると共に、枠体を箱体本体に取り付けるためのねじを勘合させる勘合切り欠きと、勘合切り欠きの端部に勘合つめを形成した枠体取り付けクリートは、勘合つめを螺子挿通孔に挿通し勘合させて取り付け、箱体本体には枠体を取り付けるための枠体取り付け金具が立設され、枠体取り付け金具のねじ挿入部にはねじ穴を設け、ねじ挿入部はテーパー状に形成し、ねじを勘合切り欠きと螺子挿通孔とねじ穴とにそれぞれ挿通し、ねじがねじ挿入部に対して直角となる角度から枠体を箱体本体に固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るキャビネットの枠体取り付け構造は、枠体には箱体本体を固定するための螺子挿通孔を設けると共に、枠体を箱体本体に取り付けるためのねじを勘合させる勘合切り欠きと、勘合切り欠きの端部に勘合つめを形成した枠体取り付けクリートは、勘合つめを螺子挿通孔に挿通し勘合させて取り付け、箱体本体には枠体を取り付けるための枠体取り付け金具が立設され、枠体取り付け金具のねじ挿入部にはねじ穴を設け、ねじ挿入部はテーパー状に形成し、ねじを勘合切り欠きと螺子挿通孔とねじ穴とにそれぞれ挿通し、ねじがねじ挿入部に対して直角となる角度から枠体を箱体本体に固定するため、作業時、ドライバー等の工具を持った手が扉体と干渉せず、また、ねじの頭部が枠体の延長線から突出しないので、ねじも扉体に干渉せず、枠体の脱着が非常に容易になり、施工性が向上する。また、ねじの着脱時にも扉体に干渉せず、扉体に傷をつけずに作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
キャビネットの箱体本体と枠体との取り付けを容易で確実に行うという目的を、最小の部品と加工で、施工性の良さを損なわずに実現した。
【実施例1】
【0009】
本発明に係るキャビネットの実施例を図1〜図3の添付図面に基づいて説明する。
【0010】
本発明の実施例1に係るキャビネット1は、前面に開口2を有する箱体本体3と、開口2の周縁に取り付けられる枠体4と、開口2を施蓋する扉体5とで構成される。箱体本体3には、本体取り付け部6と枠体取り付け部7とが形成されている枠体取り付け金具8が取り付けられていて、枠体取り付け金具8にはねじ挿入部9が形成されている。
【0011】
断面図によると、枠体4は外側が高く、内側の扉体5が閉まるところは低く折曲形成されている。枠体4の低い部分には、ねじ穴10を設けると共に枠体取り付けクリート11を取り付ける。枠体取り付けクリート11には、ねじ穴10に対向する位置に勘合切り欠き12を形成すると共に、勘合切り欠き12の周縁部はねじ頭が乗るように薄く形成する。また、勘合切り欠き12の端部から勘合つめ13を形成し、枠体4を箱体本体3に取り付けるときに勘合つめ13はねじ穴10に差し込む。
【0012】
枠体取り付け金具8のねじ挿入部9は、テーパー状に形成する。また、枠体取り付けクリート11も枠体取り付け金具8に対向させてテーパー状に形成する。
【0013】
枠体4に枠体取り付けクリート11を取り付け、枠体4を箱体本体3にセットする。ねじ14を枠体取り付けクリート11に設けられた勘合切り欠き12と、枠体4に設けられたねじ穴10と、箱体本体3に取り付けられた枠体取付金具8に設けられたねじ挿入部9の螺子挿通孔15とにそれぞれ挿通する。
【0014】
ねじ挿入部9と枠体取り付けクリート11とは傾斜がつけられているので、ねじ14はねじ挿入部9と枠体取り付けクリート11のテーパー面に対して垂直に、また、枠体4に対しては斜めに締め付け固定される。
【0015】
箱体本体3の開口2は扉体5で施蓋する。扉体5が取り付けられた状態のときでも、ねじが矢印A方向に着脱するため、ドライバーを持った手が扉体5につかえることなく、枠体4の取り付け取り外し作業が容易に行える。
【産業上の利用可能性】
【0016】
枠体の箱体本体への取り付け部をテーパー状に形成し、ねじの頭部も突出しないため扉体に干渉することなく、扉体の開閉頻度が多いキャビネットや枠体の脱着が多いキャビネットへ適用すると効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るキャビネットの箱体本体を示す正面図である。(実施例1)
【図2】本発明に係るキャビネットの枠体取り付け構造を示す説明図である。(実施例1)
【図3】本発明に係るキャビネットの枠体の取り付け状態を示す断面図である。(実施例1)
【図4】従来のキャビネットの枠体の取り付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 キャビネット
2 開口
3 箱体本体
4 枠体
5 扉体
6 本体取り付け部
7 枠取り付け部
8 枠体取り付け金具
9 ねじ挿入部
10 ねじ穴
11 枠体取り付けクリート
12 勘合切り欠き
13 勘合つめ
14 ねじ
15 螺子挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口を有する箱体本体と、前記開口周縁部に取り付けられる枠体と、前記開口を施蓋し回動動作により開閉可能な扉体とから構成される、各種電気機器を収納するためのキャビネットの枠体取付け構造において、前記枠体には前記箱体本体を固定するための螺子挿通孔を設けると共に、前記枠体を前記箱体本体に取り付けるためのねじを勘合させる勘合切り欠きと、該勘合切り欠きの端部に勘合つめを形成した枠体取り付けクリートは、前記勘合つめを前記螺子挿通孔に挿通し勘合させて取り付け、前記箱体本体には前記枠体を取り付けるための枠体取り付け金具が立設され、該枠体取り付け金具のねじ挿入部にはねじ穴を設け、前記ねじ挿入部はテーパー状に形成し、前記ねじを前記勘合切り欠きと螺子挿通孔とねじ穴とにそれぞれ挿通し、前記ねじが前記ねじ挿入部に対して直角となる角度から前記枠体を前記箱体本体に固定することを特徴とするキャビネットの枠体取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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