説明

キャプチャ画像の転送処理方法

【課題】近接無線通信方式によるデバイス間におけるキャプチャ画像の転送を簡単な操作で実行させることのできる情報処理装置を提供する。
【解決手段】近接無線通信用のアンテナ(カプラ)201a,104aを接触させるように、携帯電話機200をPC100にかざすタッチ操作を行うだけで、PC100と携帯電話機200との間のデータ転送を実行させることができる。携帯電話機200は、デバイス間でデータを送受信するためのプロトコルに規定された、データの転送を要求するコマンドであって、要求するデータの属性として画像を指定するパラメータを付加したコマンドを、キャプチャ要求としてPC100に送信する。一方、このパラメータが付加されたコマンドを受信すると、PC100は、キャプチャ要求がなされたと解釈して、表示画面の画像データ(キャプチャ画像)を取得して携帯電話機200に返送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、近接無線通信方式で通信を行う情報処理装置に好適なキャプチャ画像の転送処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、NFC(Near Field Communication)のような無線通信が利用され始めている。この無線通信の普及により、ユーザは、IC(Integrated Circuit)カードや携帯電話機などをホスト装置のリーダ/ライタ部にかざすといった操作を行うだけで、認証処理、課金等のための通信を容易に行えるようになっている。
【0003】
また、最近では、より高速の通信が可能な新たな近接無線通信技術の開発が進められている。この新たな近接無線通信技術は、デバイス同士を近づけるだけで、認証、課金サービスのみならず、文書データ、画像データ、オーディオデータといったデータファイルをそれらデバイス間で送受信することを可能にする。
【0004】
例えば特許文献1には、2台のデバイス間において、一方のデバイスに保持された複数の画像データの中から目的の画像データのみを近距離無線により他方のデバイスに容易に転送することを可能とする仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−20094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インターネットの利用が一般化している今日では、ブラウザ(閲覧ソフトウェア)を用いることにより、インターネット上で公開されている様々なWebページを閲覧して種々の情報を入手することができる。そのため、2台のデバイス間において、一方のデバイスにデータファイルとして保持された画像データのみならず、その表示画面を画像データとして他方のデバイスに容易に転送することができれば、例えば、目的地への地図が掲載されたWebページを表示させたPC(Personal Computer)に携帯電話機を近づけるだけで、その地図の画像データを携帯電話機に取り込むことができるようになる等、より利便性を高めることが実現される。
【0007】
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、近接無線通信方式によるデバイス間におけるキャプチャ画像の転送を簡単な操作で実行させることのできるキャプチャ画像の転送処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、近接無線通信を実行する通信モジュールを具備する情報処理装置におけるキャプチャ画像の転送処理方法は、前記通信モジュールと外部デバイスとの間の接続を確立し、前記通信モジュールと前記外部デバイスとの間の接続が確立された状態において、前記通信モジュールと前記外部デバイスとの間でデータを送受信するためのプロトコルで規定された、デフォルトオブジェクトの取得を要求するコマンドであって、要求するデータの属性が画像であることを指定するパラメータが付加された、OBEX(OBject EXchange)プロトコルのプッシュプロトコルクラスに規定されたGet Default Objectコマンドを前記外部デバイスから受信した場合、表示装置上に表示された画面の画像データを生成して、前記Get Default Objectコマンドに対する応答として前記外部デバイスに転送する。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、近接無線通信方式によるデバイス間におけるキャプチャ画像の転送を簡単な操作で実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る近接無線通信システムのシステム構成および当該近接無線通信システムにおいて2つのデバイス間で実行される近接無線通信の概要を示す第1の図。
【図2】同実施形態の近接無線通信システムのシステム構成および当該近接無線通信システムにおいて2つのデバイス間で実行される近接無線通信の概要を示す第2の図。
【図3】同実施形態の近接無線通信システムにおけるPCおよび携帯電話機間でのキャプチャ画像転送の概略的なシーケンスを示す図。
【図4】同実施形態の近接無線通信システムの一要素であるPCの構成を示す図。
【図5】同実施形態の近接無線システムが適用する近接無線通信を制御するためのソフトウェアアーキテクチャを説明するための図。
【図6】同実施形態の近接無線システムにおいてOBEXプロトコルを利用してクライアントとサーバとの間で実行されるファイル転送のシーケンスを示す図。
【図7】同実施形態の近接無線システムにおいて利用するOBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスで使用されるオペレーションを示す図。
【図8】同実施形態の近接無線システムにおいて利用するOBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスで使用されるHeader IDを示す図。
【図9】同実施形態の近接無線システムにおいて利用するOBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスによりサービスを提供する手続きを示す図。
【図10】同実施形態の近接無線システムにおいて利用するOBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスの「Connect」手続きを示す図。
【図11】同実施形態の近接無線システムにおいて利用するOBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスの「Get Capabilities」手続きを示す図。
【図12】同実施形態の近接無線システムにおいて利用するOBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスの「Set Path」手続きを示す図。
【図13】同実施形態の近接無線システムにおいて利用するOBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスの「Push Object」手続きを示す図。
【図14】同実施形態の近接無線システムにおいて利用するOBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスの「Get Default Object」手続きを示す図。
【図15】同実施形態の近接無線システムにおいて利用するOBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスの「Disconnect」手続きを示す図。
【図16】同実施形態の近接無線通信システムのキャプチャ画像の転送に係わる機能ブロックを示す図。
【図17】同実施形態の近接無線通信システムにおけるキャプチャ画像の転送処理に係わる携帯電話機の動作手順を示すフローチャート。
【図18】同実施形態の近接無線通信システムにおけるキャプチャ画像の転送処理に係わるPCの動作手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態を説明する。
【0012】
図1および図2は、本発明の実施形態に係る近接無線通信システムのシステム構成および当該近接無線通信システムにおいて2つのデバイス間で実行される近接無線通信の概要を示す図である。
【0013】
図1および図2に示すように、本実施形態の近接無線通信システムは、ノートブックタイプのPC100と携帯電話機(モバイル機器)200とによって構成される。PC100および携帯電話機200には、近接無線通信用のアンテナ(カプラ)104a,201aがそれぞれ設けられており、このカプラ104a,201aを接触させるように、携帯電話機200をPC100にかざすタッチ操作を行うだけで、PC100と携帯電話機200との間のデータ転送を実行させることができる。
【0014】
そして、本実施形態の近接無線通信システムは、この”かざす”という直感的な操作のみでデータ転送を実行させることができるという利点をさらに活用すべく、PC100に携帯電話機200をかざすだけで、PC100で表示中の画面の画像データ(キャプチャ画像)を携帯電話機200に取り込めるようにしたものである。図1は、PC100の表示画面全域(a1)を範囲とした画像データを携帯電話機200に取り込む形態を示している。一方、図2は、表示画面上に開かれている複数のウィンドウ(b1〜b3)の中のアクティブ状態にあるウィンドウ(b3)内の領域を範囲とした画像データを携帯電話機200に取り込む形態を示している。
【0015】
図3に、本実施形態の近接無線通信システムにおけるPC100および携帯電話機200間でのキャプチャ画像転送の概略的なシーケンスを示す。
【0016】
例えば、Webページを表示中のPC100の表示画面を携帯電話機200に画像データとして取り込みたいと考えているユーザは、まず、携帯電話機200上で、PC100に対してキャプチャ画像の転送を要求する(キャプチャ要求)ためのキャプチャアプリケーションプログラムを起動し(図3の(1))、このキャプチャアプリケーションプログラムを起動した携帯電話機200をPC100に接近させる(図3の(2))。なお、キャプチャアプリケーションプログラムの起動と、携帯電話機200のPC100への接近とは、その順序を逆転させても構わない。
【0017】
(カプラ104a,201aが設けられた)PC100と携帯電話機200とが近接状態となると、PC100と携帯電話機200との間の無線接続が行われ、キャプチャアプリケーションプログラムが起動された携帯電話機200からは、キャプチャ要求がPC100に対して送信される(図3の(3))。
【0018】
一方、このキャプチャ要求を受信したPC100は、表示中の画面をキャプチャしてその画像データ(キャプチャ画像)を生成し(図3の(4))、この生成したキャプチャ画像を携帯電話機200に送信する(図3の(5))。そして、携帯電話機200上で起動されたキャプチャアプリケーションプログラムは、キャプチャ要求の応答として転送されてくるキャプチャ画像を受信して記憶装置に格納する(図3の(6))。
【0019】
このように、本実施形態の近接無線通信システムは、(キャプチャアプリケーションプログラムを起動し、PC100に接触させるという)携帯電話機200側の簡単な操作だけで、PC100で表示中の画面の画像データ(キャプチャ画像)を携帯電話機200に取り込むことを可能とする。
【0020】
図4は、以上のような携帯電話機200に対するキャプチャ画像の転送処理を実行するPC100の構成を示す図である。
【0021】
図4に示すように、PC100は、システム制御部101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、近接無線通信デバイス104、電源制御部105、AC(Alternating Current)アダプタ106、バッテリ107、表示部108等を備える。
【0022】
システム制御部101は、PC100内の各部の動作を制御する。システム制御部101は、CPU(Central Processing Unit)101aを備え、ROM102、RAM103、近接無線通信デバイス104、電源制御部105、表示部108に接続される。
【0023】
CPU101aは、ROM102に格納された命令群およびデータをRAM103へロードし、必要な処理を実行するプロセッサである。RAM103には、近接無線通信を制御するための近接無線通信制御プログラム103aや各種アプリケーションプログラム103bがロードされる。CPU101aは、RAM103にロードされた近接無線通信制御プログラム103aを実行して、近接無線通信デバイス104を制御する。
【0024】
近接無線通信デバイス104は、近接無線通信を実行する通信モジュールである。近接無線通信デバイス104は、近接無線通信デバイス104から所定の距離内に存在する、近接無線通信機能を有する携帯電話機200等の他のデバイス(外部デバイス)との無線接続を確立し、データファイル送受信等の通信を実行する。近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の近接無線通信は、ピアツーピア形式で実行される。通信可能距離は例えば3cmである。つまり、近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の距離が例えば3cm以内に接近した場合にのみ、近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の無線接続が可能となる。近接無線通信デバイス104と外部デバイスとが通信可能距離以内に接近した時、近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の無線接続が確立される。そして、例えばユーザによって明示的に指定されたデータファイルや予め決められた同期対象データファイル等のデータの伝送が近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間で実行される。本実施形態の近接無線通信システムでは、外部デバイスからのキャプチャ要求に応答してキャプチャ画像の転送が実行される。
【0025】
近接無線通信においては、誘導電界が用いられる。近接無線通信方式としては、例えばTransferJetを使用し得る。TransferJetは、UWB(Ultra WideBand)を利用した近接無線通信方式であり、高速データ転送を実現することができる。
【0026】
近接無線通信デバイス104はアンテナ104aに接続されている。アンテナ104aはカプラと称される電極であり、誘導電界を用いた無線信号により、外部デバイスに対するデータの送受信を行う。外部デバイスがアンテナ104aから通信可能距離(例えば3cm)以内の範囲内に接近した場合、近接無線通信デバイス104および外部デバイスそれぞれのアンテナ(カプラ)間が誘導電界によって結合され、これによって近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の無線通信が実行可能となる。なお、近接無線通信デバイス104およびアンテナ104aは、一つのモジュールとして実現し得る。
【0027】
電源制御部105は、ACアダプタ106を介して外部から供給される電力またはバッテリ107から供給される電力を用いて、PC100内の各部に電力を供給する。換言すれば、PC100は、AC商用電源のような外部電源またはバッテリ107によって駆動される。ACアダプタ106はPC100内に設けることもできる。
【0028】
そして、表示部108は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、システム制御部101のCPU101aが描画した画像データを表示する。
【0029】
なお、携帯電話機200も、図4に示すPC100と略同等の構成を有し、近接無線通信制御プログラム103aをCPU101aによって実行することによって近接無線通信を実現するものとして、その詳細な説明を省略する。前述した、携帯電話機200上で起動される、PC100に対してキャプチャ画像の転送を要求する(キャプチャ要求)ためのキャプチャアプリケーションプログラムは、各種アプリケーションプログラム103bの1つとして存在する。
【0030】
次に、図5を参照して、本実施形態における近接無線通信を制御するためのソフトウェアアーキテクチャについて説明する。
【0031】
図5に示すソフトウェアアーキテクチャは、近接無線通信を制御するためのプロトコルスタックの階層構造を示している。プロトコルスタックは、物理層(PHY)10、コネクション層(CNL)20、プロトコル変換層30、アプリケーション層40から構成されている。プロトコル変換層30は、PCL(Protocol Conversion Layer)コントローラ31およびPCL OBEX(OBject EXchange)アダプタ32を含み、アプリケーション層40は、アプリケーションマネージャ41およびOBEXプロトコル42を含んでいる。コネクション層(CNL)20、プロトコル変換層30、アプリケーション層40は、近接無線通信制御プログラム103aによって実現し得る。
【0032】
物理層(PHY)10は、物理的なデータ転送を制御する層であり、OSI参照モデル内の物理層に対応する。物理層(PHY)10の一部または全ての機能は、近接無線通信デバイス104内のハードウェアを用いて実現することもできる。物理層(PHY)10は、コネクション層(CNL)20からのデータを無線信号に変換する。
【0033】
コネクション層(CNL)20は、OSI参照モデル内のデータリンク層およびトランスポート層に対応しており、物理層(PHY)10を制御してデータ通信を実行する。コネクション層(CNL)20は、プロトコル変換層30(PCLコントローラ31)からの接続要求または外部デバイスからの接続要求に応じて、近接状態に設定されている近接無線通信デバイス104と外部デバイスとの間の接続(CNL接続)を確立する処理を実行する。
【0034】
プロトコル変換層30は、OSI参照モデル内のセッション層およびプレゼンテーション層に対応しており、アプリケーション層40とコネクション層(CNL)20との間に位置する。PCLコントローラ31は、コネクション層(CNL)20によるCNL接続の確立および解除を制御する。PCL OBEXアダプタ32は、通信プログラムである各種アプリケーションプログラム103bが扱うアプリケーションプロトコル(例えばOBEXプロトコル42、SCSI、その他の汎用プロトコル等)に対応したデータ(ユーザデータ)を特定の伝送用データ形式に変換するための変換処理を実行する。この変換処理により、どのアプリケーションプロトコルを扱う通信プログラムにより送受信されるデータであっても、コネクション層(CNL)20が扱うことが可能なパケット(特定の伝送用データ形式のデータ)に変換される。つまり、プロトコル変換層30のPCL OBEXアダプタ32は、様々なアプリケーションプロトコルを近接無線通信で利用することを可能にする。
【0035】
また、プロトコル変換層30のPCLコントローラ31は、通信相手の外部デバイスとの間でサービス情報(各デバイスが提供可能なサービスを示す情報)およびセッション情報(確立/切断対象のセッションに関する情報)を交換する処理、さらに、アプリケーションの起動、コネクションの管理、およびセッションの管理等を行う。このPCLコントローラ31の働きにより、キャプチャ要求の受信を契機に、キャプチャ画像の転送処理を行うためのキャプチャアプリケーションプログラムが自動的に起動される。このPC100側のキャプチャアプリケーションプログラムも、各種アプリケーションプログラム103bの1つとして存在する。
【0036】
アプリケーション層40は、プログラム間でのデータ転送を制御する層であり、OSI参照モデル内のアプリケーション層に対応する。ここでは、OBEXプロトコル42によってデータが送受信される場合について説明する。
【0037】
OBEXプロトコル42は、アプリケーションマネージャ41で制御されるPCLコントローラ31により、CNL接続確立を行い、PCL OBEXアダプタ32を通して通信を行う。OBEXプロトコル42では、OBEXアプリケーションが相互にデータの送受信を実行可能とするためのアプリケーション規定(プロトコルクラス)が定義されている。各種アプリケーションプログラム103bは、このプロトコルクラスに従ったOBEXプロトコル手順を利用することで、データファイル等のオブジェクトの送受信を行うことができる。本実施形態におけるOBEXプロトコル42では、基本プロトコルクラスとして、ファイルトランスファープロトコルクラス421とプッシュプロトコルクラス422とが定義されている。図示のように、ファイルトランスファープロトコルクラス421は、プッシュプロトコルクラス422を包含する関係にある。
【0038】
プッシュプロトコルクラス422は、クライアントからサーバへ1つまたは複数のファイルを送信するために使用される。プッシュプロトコルクラス422では、クライアント(ここでは携帯電話機200)が任意のファイルをPUTし、サーバ(ここではPC100)に渡すための手続きが定義されている。プッシュプロトコルクラス422では、近接無線通信(TransferJet)によってファイルを送信する前に必要な手続きを簡略化して、ユーザによる操作負担を軽減すると共に、高速なデータ通信を実現することができる。プッシュプロトコルクラス422におけるINBOXサービス422aは、既知の「IrDA Object Exchange Protocol Version 1.4」の仕様書に記載のINBOXサービス(INBOX Service)をベースにした手続きを実行するものとして詳細な説明を省略する。キャパビリティサービス422bは、サーバ側の能力を示すデータを取得するために使用される。
【0039】
また、ファイルトランスファープロトコルクラス421は、クライアントとサーバとの間で1つまたは複数のファイルの送信/受信を行うために使用される。ファイルトランスファープロトコルクラス421は、FTP(File Transfer Protocol)相当のファイル転送およびファイル・フォルダ操作をサポートするための手続きが規定されている。
【0040】
ファイルトランスファープロトコルクラス421では、プッシュプロトコルクラス422を利用したファイルの転送とは異なり、ファイルを送信する前にファイルの送信先(サーバ)のフォルダおよびファイルを示すデータ(フォルダ情報)を、フォルダブラウジングサービス421aによりサーバから取得する。そして、フォルダ情報に基づきファイルの送信先に対してフォルダの移動(作成)を行い、ファイルを送信することができる。ファイルトランスファープロトコルクラス421は、既知の「IrDA Object Exchange Protocol Version 1.4」に記載のフォルダブラウジングサービス(Folder Browsing Service)をベースにした手続きを実行するものとして詳細な説明を省略する。
【0041】
なお、前述したように、ファイルトランスファープロトコルクラス421は、プッシュプロトコルクラス422を包含する関係にあり、ファイルトランスファープロトコルクラス421を利用したファイルの送信時においても、INBOXサービス422aおよびキャパビリティサービス422bを使用することが可能である。
【0042】
OBEXプロトコル42に対応する各種アプリケーションプログラム103bは、このOBEXプロトコル42を通じて、プロトコル変換層30のPCLコントローラ31に対してセッションの開始/終了を要求する処理と、プロトコル変換層30のPCL OBEXアダプタ32を介してデータを送受信する処理とを実行する。つまり、各種アプリケーションプログラム103bは、OBEXプロトコル42のファイルトランスファープロトコルクラス421を利用して1つまたは複数のファイルをサーバとの間で送信/受信し、または、OBEXプロトコル42のプッシュプロトコルクラス422を利用して1つまたは複数のファイルをサーバに送信する。本実施形態の近接無線通信システムにおけるキャプチャ画像の転送処理は、OBEXプロトコル42のプッシュプロトコルクラス422に規定された手続きを利用することによって実現される。
【0043】
図6に、OBEXプロトコル42を利用してクライアントとサーバとの間で実行されるファイル転送のシーケンスを示す。図中、左側がクライアントを表し、右側がサーバを表している。
【0044】
クライアント側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42は、サーバ側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42への送信対象とするファイルの選択と送信要求がユーザ操作に応じて実行されると(S1)、PCLコントローラ31に対して、プッシュプロトコルクラス422によるファイルの送信を要求する(S2)。すると、クライアントは、サーバとの間で近接無線通信が可能となるまで接続待機状態となる。サーバも、近接無線通信による接続待機状態にあるものとする。
【0045】
ここで、ユーザによって、クライアント側のデバイスをサーバ側のデバイスに近接させるタッチ操作が行われたものとする(S3)。近接無線通信が可能な状態になると、クライアント側のPCLコントローラ31とサーバ側のPCLコントローラ31との間で、物理的な接続の確立と、アプリケーションプログラム103bのプロトコルに対応したPCL OBEXアダプタ32(通信アダプタ)の種類の調整が行われる(S4)。
【0046】
即ち、クライアント側のPCLコントローラ31は、コネクション層(CNL)20を用いて、近接状態にあるサーバとの間の物理的な接続を確立する処理を実行し、サーバ側のPCLコントローラ31も、クライアントとの間の物理的な接続を確立する処理を実行する。
【0047】
また、クライアント側のPCLコントローラ31は、いわゆるネゴシエーション処理を実行して、確立すべきセッションに関するセッション情報、例えば、使用される通信アダプタを示す情報、アプリケーションプログラム103bが伝送するデータの属性を示す情報、およびアプリケーションプログラム103bを識別する情報等を含むセッション情報をサーバ側のPCLコントローラ31に送信する。一方、サーバ側のPCLコントローラ31は、クライアント側のPCLコントローラ31からのセッション情報に基づいて、新規セッション開始要求を送信したアプリケーションプログラム103bのプロトコルに対応した通信アダプタ(ここではPCL OBEXアダプタ32)を起動して、アプリケーションプログラム103bが近接無線通信デバイス104を介してクライアント側のアプリケーションプログラム103bと通信するために使用されるセッションを確立する。
【0048】
サーバ側のPCLコントローラ31は、セッションが確立されると、アプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42に対して、プッシュプロトコルクラス422によるファイルの(送)受信を要求する(S5)。また、PCLコントローラ31は、PCL OBEXアダプタ32に対して、OBEXプロトコル42による通信開始を要求する(S6)。同様に、クライアント側においても、セッションが確立されると、PCLコントローラ31が、PCL OBEXアダプタ32に対して、OBEXプロトコル42による通信開始を要求する(S7)。
【0049】
図7には、近距離無線通信によりデータ通信を行うクライアントとサーバのそれぞれにおいて、OBEXプロトコル42で定義されるプッシュプロトコルクラス422で使用されるオペレーションが示されており、図8には、Header IDが示されている。
【0050】
また、図9には、このプッシュプロトコルクラス422によりサービスを提供する手続き(コマンド)が示されており、図10〜図15には、図9に示される各手続きにおけるシーケンス例が示されている。以下、本実施形態の近接無線通信システムがキャプチャ画像の転送処理に利用するプッシュプロトコルクラス422に規定された手続きによるファイル転送を例に説明を進める。
【0051】
クライアント側およびサーバ側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42は、図10に示すCONNECTオペレーションによる「Connect」手続きを実行し(S8〜S11)、以降、図9に示すプッシュプロトコルクラス422によるサービスを提供する手続きに従って動作する。
【0052】
即ち、クライアント側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42は、サーバ側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42から、図11に示すGETオペレーションによる「Get Capabilities」手続きによりサーバ能力の取得を行う(S12)。この「Get Capabilities」手続きは、任意に実行されるものである。
【0053】
また、クライアント側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42は、送信しようとするファイルを識別するためのデータをサーバに送信するために、図12に示すSETPATHオペレーションによる「Set Path」手続きを行う(S13)。SETPATHオペレーションでは、ファイル(オブジェクト)を識別するためのデータとして、例えば、ヘッダデータとして「フォルダネーム」をサーバに通知する。サーバ側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42は、このSETPATHオペレーションに対して、常に、SUCCESSオペレーションにより応答する。なお、SETPATHオペレーションは、サーバに対してフォルダ作成を強制するものではない。
【0054】
クライアント側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42は、SETPATHオペレーションの後、サーバ側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42に通知した「フォルダネーム」に対応する共通グループ(フォルダ)のファイルを、図13に示すPUTオペレーションによる「Push Object」手続きにより送信する(S14)。共通グループに複数のファイルが存在する場合には、各ファイルに対するPUTオペレーション(ファイル送信)を繰り返して実行する(S15)。その他、複数のグループについてファイルを送信する場合など、必要に応じて、SETPATHオペレーションとPUTオペレーション(ファイル送信)とを繰り返して実行する。
【0055】
また、クライアント側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42は、必要に応じて、図14に示すGETオペレーションにより「Get Default Object」手続きを実行する。プッシュプロトコルクラス422は、GETオペレーションのタイプヘッダにより、取得要求の対象とするデータ(オブジェクト)を指定する。これにより、サーバは、指定されたタイプヘッダに応じて適切なオブジェクトを決定して、クライアントに対して送信する。そして、本実施形態の近接無線通信システムは、この「Get Default Object」手続きを利用して、キャプチャ画像の転送処理を実現する。
【0056】
より具体的には、クライアントは、サーバ側の表示画面のキャプチャ画像を取得しようとする場合、「Get Default Object」手続き、つまり「Get Default Object」コマンドを、要求するデータの属性が画像であることを指定するパラメータ(例えば図9に示す"image/jpeg")を付加した上で送信する。一方、サーバは、このパラメータが付加された「Get Default Object」コマンドを受信すると、キャプチャ画像の転送が要求されたものと解釈して、表示画面のキャプチャ画像を生成して返送する。即ち、キャプチャ画像を要求する専用のコマンドを新設することなく、所定のパラメータを付加することで、既存のコマンドを、キャプチャ画像を要求するコマンドとして援用する。
【0057】
クライアント側からサーバ側へのファイルの送信が完了すると、クライアント側およびサーバ側のアプリケーションプログラム103b/OBEXプロトコル42は、PCL OBEXアダプタ32を介して、図15に示すDISCONNECTオペレーションによる「Disconnect」手続きを実行する(S16〜S20)。
【0058】
また、クライアント側のPCLコントローラ31は、PCL OBEXアダプタ32に対して、OBEXプロトコル42による通信終了を要求する(S21)。同様に、サーバ側においても、PCLコントローラ31が、PCL OBEXアダプタ32に対して、OBEXプロトコル42による通信終了を要求する(S22)。そして、クライアント側およびサーバ側のPCLコントローラ31の間で、アプリケーションプログラム103bのプロトコルに対応した通信アダプタ(ここではPCL OBEXアダプタ32)を停止させ、近距離無線通信を切断する(S23)。
【0059】
図16は、図5を参照して説明した近接無線通信を制御するためのソフトウェアアーキテクチャ、および、図6を参照して説明したOBEXプロトコル(のプッシュプロトコルクラス)を利用してクライアントとサーバとの間で実行されるファイル転送のシーケンスに準拠した、本実施形態の近接無線通信システムのキャプチャ画像の転送に係わる機能ブロックを示す図である。
【0060】
図16に示すように、(ユーザによって起動される)各種アプリケーションプログラム103bの1つとして存在する携帯電話機200側のキャプチャアプリケーションプログラムは、キャプチャアプリケーション部211を有し、携帯電話機200には、このキャプチャアプリケーションプログラムによって取得されたキャプチャ画像を格納するためのキャプチャ画像データベース212が構築される。一方、(キャプチャ要求の受信を契機に自動的に起動される)同じく各種アプリケーションプログラム103bの1つとして存在するPC100側のキャプチャアプリケーションプログラムは、画面キャプチャ部111とキャプチャ画像生成部112とを有し、PC100には、画面キャプチャ部111およびキャプチャ画像生成部112が協働することによって生成されるキャプチャ画像を一時的に格納するためのキャプチャ画像バッファ113が構築される。PC100では、所定のパラメータが付加された「Get Default Object」コマンドを受信した際に、(キャプチャ要求を受け付けたと解釈されて)キャプチャアプリケーションプログラムが自動的に起動されるように、プロトコル変換層30(PCLコントローラ31)の設定がなされている。
【0061】
キャプチャアプリケーション部211は、OBEXプロトコル42のプッシュプロトコルクラス422に規定された「Get Default Object」コマンドを、要求するデータの属性が画像であることを指定するパラメータを付加した上で送信することによってキャプチャ要求を送信し、PC100の表示画面の画像データ(キャプチャ画像)を取得するためのモジュールであり、取得したキャプチャ画像をキャプチャ画像データベース212に格納する。
【0062】
一方、画面キャプチャ部111は、OBEXプロトコル42のプッシュプロトコルクラス422に規定された「Get Default Object」コマンドであって、要求するデータの属性が画像であることを指定するパラメータが付加されたコマンドの受信によりキャプチャ要求を受信したと解釈された際、表示画面をキャプチャするためのモジュールであり、また、キャプチャ画像生成部112は、画面キャプチャ部111によってキャプチャされた表示画面の画像データを(近接無線通信の)パケット単位に変換するモジュールである。画面キャプチャ部111は、表示画面のキャプチャ対象範囲(図1のa1,または、図2のb3)をユーザが設定できるようにするためのユーザインタフェースも提供する。
【0063】
キャプチャ画像生成部112によって生成されたパケット単位の画像データは、キャプチャ画像バッファ113に一時的に格納され、OBEXプロトコル42のプッシュプロトコルクラス422に規定された(属性を指定するパラメータ付きの)「Get Default Object」コマンドによるキャプチャ要求のレスポンスデータとして順次読み出されて携帯電話機200側に転送される。
【0064】
このように、各種サービスを提供する手続きを規定する、OBEXプロトコル42で定義されるプッシュプロトコルクラス422の「Get Default Object」手続きを所定のパラメータを付加して利用することにより、(ユーザによって起動される)携帯電話機200のキャプチャアプリケーション部211は、キャプチャ要求をPC100に対して送信する。そして、PC100は、この所定のパラメータが付加された「Get Default Object」手続きによるキャプチャ要求の受け付けを契機に、画面キャプチャ部111およびキャプチャ画像生成部112が起動され、表示画面の画像データ(キャプチャ画像)を生成して、この所定のパラメータが付加された「Get Default Object」手続きによって受け付けたキャプチャ要求のレスポンスデータとして、生成したキャプチャ画像を携帯電話機200に返送する。
【0065】
これにより、ユーザは、(キャプチャアプリケーションプログラムを起動し、PC100に接触させるという)携帯電話機200側の簡単な操作だけで、PC100で表示中の画面の画像データを携帯電話機200に取り込むことができる。
【0066】
図17は、本実施形態の近接無線通信システムにおけるキャプチャ画像の転送処理に係わる携帯電話機200の動作手順を示すフローチャートである。
【0067】
キャプチャアプリケーションプログラムが起動されると(ステップA1)、近接無線通信の接続待ちの状態となり(ステップA2)、PC100と近接状態である場合(ステップA3のYES)、OBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスで規定される、要求するデータの属性が画像であることを指定するパラメータを付加した「Get Default Object」コマンドを、キャプチャ要求としてPC100に送信する(ステップA4)。
【0068】
その後、この「Get Default Object」コマンドに対するレスポンスを待機し(ステップA5)、キャプチャ画像の返送があれば(ステップA6のYES)、このキャプチャ画像の受信を実行して(ステップA7)、通信を終了する。一方、PC100と近接状態でない場合(ステップA3のNO)、および、キャプチャ画像の返送がない場合(ステップA6のNO)、タイムアウト処理を実行して(ステップA8)、通信を終了する。
【0069】
また、図18は、本実施形態の近接無線通信システムにおけるキャプチャ画像の転送処理に係わるPC100の動作手順を示すフローチャートである。
【0070】
近接無線通信の接続待ちの状態にあるとき(ステップB1)、(携帯電話機200と近接状態となって)OBEXプロトコルで定義されるプッシュプロトコルクラスで規定される、要求するデータの属性が画像であることを指定するパラメータが付加された「Get Default Object」コマンドを受信すると、キャプチャ要求を受信したものと解釈し(ステップB2)、表示画面のキャプチャ画像を生成する(ステップB3)。
【0071】
このキャプチャ画像の生成後、携帯電話機200と近接状態である場合(ステップB4のYES)、キャプチャ画像を携帯電話機200に返送して(ステップB5)、ステップB1の近接無線通信の接続待ちの状態に復帰する。一方、携帯電話機200と近接状態でない場合(ステップB4のNO)、タイムアウト処理を実行して(ステップB6)、通信を終了する。
【0072】
以上のように、本実施形態の近接無線通信システムによれば、近接無線通信方式によるデバイス間におけるキャプチャ画像の転送を簡単な操作で実行させることを可能とする。
【0073】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0074】
10…物理層(PHY)、20…コネクション層(CNL)、30…プロトコル変換層、31…PCLコントローラ、32…PCL OBEXアダプタ、40…アプリケーション層、41…アプリケーションマネージャ、42…OBEXプロトコル、100…情報処理装置(PC)、101…システム制御部、101a…CPU、102…ROM、103…RAM、103a…近接無線通信制御プログラム、103b…各種アプリケーションプログラム、104…近接無線通信デバイス、104a,201a…アンテナ(カプラ)、105…電源制御部、106…ACアダプタ、107…バッテリ、108…表示部、111…画面キャプチャ部、112…キャプチャ画像生成部、113…キャプチャ画像バッファ、200…携帯電話機(モバイル機器)、211…キャプチャアプリケーション部、212…キャプチャ画像データベース、421…ファイルトランスファープロトコルクラス、421a…フォルダブラウジングサービス、422…プッシュプロトコルクラス、422a…INBOXサービス、422b…キャパビリティサービス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接無線通信を実行する通信モジュールを具備する情報処理装置におけるキャプチャ画像の転送処理方法であって、
前記通信モジュールと外部デバイスとの間の接続を確立し、
前記通信モジュールと前記外部デバイスとの間の接続が確立された状態において、前記通信モジュールと前記外部デバイスとの間でデータを送受信するためのプロトコルで規定された、デフォルトオブジェクトの取得を要求するコマンドであって、要求するデータの属性が画像であることを指定するパラメータが付加された、OBEX(OBject EXchange)プロトコルのプッシュプロトコルクラスに規定されたGet Default Objectコマンドを前記外部デバイスから受信した場合、表示装置上に表示された画面の画像データを生成して、前記Get Default Objectコマンドに対する応答として前記外部デバイスに転送する、
キャプチャ画像の転送処理方法。
【請求項2】
前記画像データを前記外部デバイスに転送することは、表示画面全域を範囲とした画像データを生成する請求項1記載のキャプチャ画像の転送処理方法。
【請求項3】
前記画像データを前記外部デバイスに転送することは、表示画面中のアクティブ状態にあるウィンドウの領域を範囲とした画像データを生成する請求項1記載のキャプチャ画像の転送処理方法。
【請求項4】
さらに、表示画面全域または表示画面中のアクティブ状態にあるウィンドウの領域のいずれかを前記画像データの生成対象範囲に設定する請求項1記載のキャプチャ画像の転送処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−142641(P2011−142641A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8658(P2011−8658)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【分割の表示】特願2009−156275(P2009−156275)の分割
【原出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】