説明

キャンドル、及び、該キャンドルを照射する照射構造

【課題】 本発明は、簡易な構造であり低コストで、多色発光の装飾を発揮することができるキャンドル、及び該キャンドルを照射する照射構造を提供する。
【解決手段】 キャンドル1は、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部2を備えてなる。また、照射構造は、キャンドル1に設けられ、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部2と、キャンドル1に形成される中空部13と、該中空部13内に配置され、紫外線を前記発光部2に照射する紫外線照射部3とを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光装飾性を有するキャンドル、及び該キャンドルに対して光を照射する照射構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャンドルに光の装飾性を付与するための照射構造として、キャンドルの内部に形成された投光空間凹部と、一又は複数の光源を有して前記凹部内に配置される発光ユニットと、該発光ユニット及び前記凹部の間に配置され、光透過性のある所要の文字等が形成されてなる光透過性フィルムとを備える、キャンドルに対して光を照射する照射構造(以下、キャンドル照射構造という)が知られている(特許文献1)。
【0003】
該キャンドル照射構造では、発光ユニットの光源から光を光透過性フィルムに向けて照射して光透過性フィルムの文字等の部分に光を透過させることによって、キャンドルの表面において、前記所要の文字等を光で表現(発光)させて装飾効果を発揮することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3097455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のキャンドル照射構造では、発光ユニットが一の光源を備えて構成される場合、光透過性フィルムの文字等の部分を透過する光は、前記一の光源による一色の光であるから、キャンドルの表面には、前記所要の文字等が単色発光されるだけであり、光の装飾性に乏しい。
【0006】
そこで、上記従来のキャンドル照射構造では、光源を、互いに異なる色の光を出す複数の光源とし、これらの光源からの光で前記所要の文字等を多色発光させて、よりカラフルな光の装飾を得ることができるようにしている。
【0007】
しかし、この場合、多種類の光源を多数用意しなければならず、しかも、それらの光源を、前記所要の文字等に対して各光源からの光が各々適切な範囲で照射されるように適切に設置しなければならない。従って、キャンドルに多色発光の装飾を付与する場合には、構造が複雑となってコストが増加するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、簡易な構造であり低コストで、多色発光の装飾を発揮することができるキャンドル、及び該キャンドルを照射する照射構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るキャンドルは、上記課題を解決するためになされたもので、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部を備えることを特徴とする。
【0010】
かかるキャンドルにあっては、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部を備えているため、該発光部に対して紫外線を照射することによって、発光部から多色発光がなされてカラフルな装飾を発揮することができる。
【0011】
また、本発明に係る照射構造は、キャンドルに設けられ、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部と、キャンドルに形成される中空部と、該中空部内に配置され、紫外線を前記発光部に照射する紫外線照射部とを備えてなることを特徴とする。
【0012】
かかる照射構造にあっては、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部がキャンドルに設けられ、キャンドルに形成される中空部内に紫外線照射部が配置されているため、当該紫外線照射部を用いて、中空部内から発光部に対して紫外線を照射することによって、該紫外線が照射された発光部から多色発光がなされてカラフルな装飾を発揮することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明に係るキャンドルによれば、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部を備えることを特徴としているため、簡易な構造であり低コストで、多色発光の装飾を発揮することができる。
【0014】
また、本発明に係る照射構造によれば、キャンドルに設けられ、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部に対して、キャンドルに形成される中空部内に配置される紫外線照射部から紫外線を照射することを特徴としているため、簡易な構造であり低コストで、多色発光の装飾を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るキャンドル、及び、該キャンドルを照射する照射構造の一実施形態を示す図であって、(a)は概略断面図であり、(b)は概略外形図であり、(c)は(a)のA−A線断面図を示す。
【図2】他実施形態に係るキャンドルの正面図であって、(a)は卵型形状のキャンドルの正面図であり、(b)は球型形状のキャンドルの正面図を示す。
【図3】他実施形態に係るキャンドルの正面図であって、(a)は円錐型形状のキャンドルの正面図であり、(b)は三角錐型形状のキャンドルの正面図であり、(c)は四角錐型形状のキャンドルの正面図を示す。
【図4】他実施形態に係るキャンドルの正面図であって、(a)はテーパ型形状のキャンドルの正面図、(b)はスパイラル型形状のキャンドルの正面図を示す。
【図5】本発明に係る照射構造を応用した参考例である団扇の正面図を示す。
【図6】本発明に係る照射構造を応用した参考例である花の正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るキャンドル、及び、該キャンドルを照射する照射構造の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。
【0017】
本実施形態に係るキャンドルは、図1に示すように、本体1と、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部2とからなる。
【0018】
キャンドルの本体1は、蝋からなるロウ体11と点火可能に構成される芯12とを有する。ロウ体11は、中心軸線aが直線状で、外径が一定の円柱状をなし、内部に中空部13が形成されてなる。
【0019】
中空部13は、キャンドルのロウ体11に形成される孔である。本実施形態では、中空部13は、ロウ体11の下面から長手方向に沿って上面にまでは至らない位置まで形成され、ロウ体11の外径よりも小径の円柱状空間(即ち、中心軸線bが直線状で、内径が一定の空間)である。換言すると、ロウ体11は、中空部13が形成されている長手方向途中部分から下端部に至るまでは円筒形状であり、中空部13より上側の上端部が円柱形状であり、要するに、筒状の上面が閉塞され、下面が開口したような形状となっている。また、本体1と中空部13の中心軸線a,bとは一致している。
【0020】
また、本体1には、紫外線が本体1に対して照射された際に、本体1自体の発色を抑制する発色抑制手段が施されている。本実施形態では、発色抑制手段は、紫外線を吸収して青白い光に変える性質を有する蛍光増白剤がロウ体11に対して用いられないことであって、即ち、本実施形態に係るロウ体11は、発色蛍光増白剤を含まない蝋(ろう)が固化したものである。
【0021】
芯12は、火が付けられるように構成され、ロウ体11の上面から突出するように該ロウ体11に埋設されている。本実施形態では、芯12は、例えば綿子やイグサ等からなる紐状体であり、上端部がロウ体11の上面中央部から、長手方向外側に向かって突出するように、芯12の上端部より下側の部分がロウ体11内に埋設されている。
【0022】
キャンドルの発光部2は、紫外線が照射されることによって多色発光可能に構成される発光手段と、キャンドル本体1に取付可能に構成される取付手段とを有してなる。
【0023】
発光手段は、紫外線が照射されることによって、該紫外線を吸収して種々な色の可視光を発光するインク層である。このインク層を形成するための塗料は、紫外線を吸収すると所定の色の可視光を発光する塗料であり、インク層が多色発光となるように複数種類用いられる。取付手段は、例えばキャンドル本体1に接着可能な接着剤である。
【0024】
本実施形態に係る発光部2は、シールであり、透明な合成樹脂フィルムであるシール基材と、該シール基材の表面に形成され、紫外線の照射によって多色発光する発光手段としての所要の文字『2010 Congratulations graduation』と、シール基材の裏面に設けられる取付手段としての接着剤層とを備える。発光手段としての前記所要の文字は、例えば、図1(b)において、『2010』の部分が紫外線照射によって青色発光し、『Congratulations』の部分が紫外線照射によって赤色発光し、『graduation』の部分が紫外線照射によって黄色発光するように、塗料が使い分けられて構成される。このような発光部2は、裏面側の接着剤層をキャンドル本体1(ロウ体11)の外側面に貼り付けて取付けられている。
【0025】
また、本実施形態に係る照射構造は、前記キャンドルを照射する構造であって、図1に示すように、前記キャンドルの本体1に設けられ、紫外線が照射されることによって多色発光する前記発光部2と、前記キャンドルに形成される前記中空部13と、該中空部13内に配置され、紫外線を前記発光部2に照射する紫外線照射部3と、該紫外線照射部3を支持する支持部4と、紫外線照射部3を操作する操作手段5と、キャンドル台6とを備えて構成される。
【0026】
紫外線照射部3は、紫外線を発光部2に対して照射するように構成される。本実施形態では、紫外線照射部3は、紫外線を出す光源31と、該光源31を機能させるべく、光源31に送電するための電源32と、前記光源31及び電源32を接続するリード線7とからなる。
【0027】
光源31は、紫外線を放つLEDであり、例えば、円柱体で、先端がドーム状に形成されてなる筐体と、該筐体の内部に収納される半導体素子と、前記筐体の下面から延出される陰極と陽極の端子とからなる。光源31は、陰極に対し陽極に正電圧を加えることによって、半導体素子から紫外線を照射するように構成されている。
【0028】
電源32は、光源31に送電可能な電池と、該電池を収納する電池ボックスとからなる。電源32は、光源31(端子)と電源32とを電気的に接続するリード線7を介して、光源31に送電するように構成される。
【0029】
支持部4は、紫外線照射部3によってキャンドルの発光部2が照射されるように、紫外線照射部3を支持して、該紫外線照射部3を発光部2に対して位置決めをするように構成される。本実施形態では、支持部4は、中空の四角柱の形状をなし、各側面において、光源31を発光部2に対して位置決めしている。具体的には、支持部4は、各側面から外向きに紫外線が照射されるように光源31を支持しており、本実施形態では、各側面において長手方向に沿って所定の間隔で四つの光源31が配置されている。また、支持部4は、光源31に接続されるリード線7を内部(中空)に収納している。
【0030】
尚、複数の光源31(LED)による発光部2への照射は、均一な照射であることが好ましく、例えば、各光源31の照射範囲が発光部2において一部オーバーラップするように、支持部4を用いて紫外線照射部3を発光部2に対して位置決めする。
【0031】
操作手段5は、紫外線照射部3からの紫外線の照射を操作可能に構成される。本実施形態では、操作手段5は紫外線照射部3からの紫外線の照射を操作するために、電源32を制御する(即ち電源32から光源31に送られる電流を調整する)ように構成される。具体的には、操作手段5は、電源32から光源31への送電制御に関して、例えば、電源32のオン/オフの切り替え制御(送電量がゼロの状態又は一の所定量の状態となるように、送電量を切り替える制御)や、送電量の調整制御(送電量がゼロの状態又は複数の所定量の状態となるように、送電量を段階的に切り替える制御)を選択して行うためのコントローラ(例えば、所定のボタンが設けられたコントローラであって、遠隔操作可能なリモートコントローラなど)である。
【0032】
キャンドル台6は、キャンドル本体1及び支持部4を載置可能に構成される。本実施形態では、キャンドル台6は、グラス61と、グラス61内に配置された平板62とからなる。
【0033】
グラス61は、透明なカクテルグラス状をなし、自立して立つことができる足部61aと、該足部61aの上端に設けられ、上方に向かって拡径する断面略円形状の器部61bとを有してなる。尚、器部61bの下部には、紫外線照射部3のリード線7用の穿孔が設けられている。
【0034】
平板62は、円盤状の扁平な薄板であり、グラス61の器部61bの途中部分に水平に嵌入されている。そして、該平板62の上面中央部に、支持部4とキャンドル本体1とが載置されている。具体的には、支持部4は、平板62の上面中央部に立設固定されており、キャンドル本体1は、支持部4及び該支持部4に設けられた光源31(即ち、紫外線照射部3の一部)が中空部13内に配置されるように平板62上面に立設固定されている。
【0035】
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係るキャンドル、及び、該キャンドルを照射する照射構造の動作について説明する。
【0036】
操作手段5が操作(例えば、所定のボタンが押下)されると、電源32から光源31に電流が送られる。そして、送電された光源31からは、紫外線が照射される。該紫外線は、キャンドルの中空部13から本体1(ロウ体11)を透過して、本体1(ロウ体11)の外側面に設けられた発光部2に至り、発光部2の発光手段は、ロウ体11の内部から透過してきた紫外線を吸収して多色発光をする。具体的には、『2010 Congratulations graduation』からなる文字のうち、『2010』の部分が青色発光、『Congratulations』の部分が赤色発光、『graduation』の部分が黄色発光する。
【0037】
以上のように、本実施形態に係るキャンドルによれば、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部2を備えているため、該発光部2に対して紫外線を照射することによって、発光部2の発光手段である所要の文字が多色発光してカラフルな光の装飾を発揮することができる。
【0038】
また、キャンドルには発色抑制手段が施されている、即ち、ロウ体11は蛍光増白剤を含まないため、中空部13内に配置された紫外線照射部3から本体1外表面の発光部2に対して紫外線が照射される際、照射された紫外線がロウ体11によって吸収されるのを抑制することができ、紫外線が発光部2に確実に照射される。また、ロウ体11の紫外線吸収を抑制することで、ロウ体11自体が青白く発光することを抑制することができ、発光部2からの多色発光を際立たせることができる。
【0039】
また、発光部2は、取付手段を有するため、キャンドル本体1に容易に取付けることができる。
【0040】
また、キャンドルは、中空部13を有するため、中空部13内に紫外線照射部3を配置することができ、従って、中空部13内から発光部2に対して紫外線の照射をすることができると共に、キャンドルの外部に紫外線照射部3を配置する場所を要さず、照射構造のコンパクト化を図ることができる。また、中空部13内に紫外線照射部3を配置することで、光源31を発光部2に近づけて配置することができ、鮮明に発光部2を発光させることができる。また、紫外線照射部3を外部に見せないため、照射構造のデザイン性も向上できる。
【0041】
また、本実施形態に係る照射構造によれば、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部2がキャンドルに設けられ、キャンドルに形成される中空部13内に紫外線照射部3が配置されているため、当該紫外線照射部3を用いて、中空部13内から発光部2に対して紫外線を照射することによって、該紫外線が照射された発光部2の発光手段である所要の文字が多色発光してカラフルな装飾を発揮することができる。
【0042】
また、照射構造は、紫外線照射部3が支持される支持部4を有しているため、紫外線照射部3を発光部2に対して適切に位置決めすることができ、紫外線照射部3からの紫外線を発光部2に対して適切に照射することができる。
【0043】
また、支持部4は、四角柱の形状からなり、四つの各側面に、四つの紫外線照射部3が所定間隔で設けられているため、紫外線照射部3からの紫外線を広範囲に亘って照射することができる。
【0044】
また、照射構造は、紫外線照射部3からの紫外線照射を操作する操作手段5を有しているため、紫外線照射部3から紫外線を発光部2に照射させる操作を容易に行うことができる。また、操作手段5は、電源32から光源31への送電量を調整できるように構成されているため、光源31の強度を調整、即ち、発光部2に照射される紫外線量を調整することによって、発光部2からの多色発光の強度を変更することができる。
【0045】
尚、本発明に係るキャンドル、及び、該キャンドルを照射する照射構造は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0046】
例えば、本実施形態では、ロウ体11の形状が円柱形状である場合について説明したが、これに限らず、ロウ体の形状は、三角柱や四角柱などの多角柱形状とすることも可能である。
【0047】
また、ロウ体11の形状は、角を有さない丸みを帯びた形状をなすようにしても好い。この場合、キャンドルは、ロウ体11の形状が、例えば、垂直方向の断面が略楕円形状の卵型形状(図2(a)参照)、又は、垂直方向の断面が略円形状の球型形状(図2(b)参照)となるように構成することができる。
【0048】
更に、ロウ体11の形状は錐体となるように構成することもできる。この場合、ロウ体11の形状が、例えば、円錐型形状(図3(a)参照)、三角錐型形状(図3(b)参照)、四角錐型形状(図3(c)参照)となるように構成することが可能である。
【0049】
或いは、ロウ体11は、先端にかけて先細りするテーパ型形状(図4(a)参照)、先端側が螺旋形状をなすスパイラル型形状(図4(b)参照)とすることも可能である。
【0050】
また、本実施形態では、ロウ体11に蛍光増白剤を含まない場合について説明したが、これに限らず、照射される紫外線の全てが本体によって遮断されない程度(即ち、照射される紫外線の少なくとも一部が本体を透過する程度)に蛍光増白剤を含んでいてもよい。或いは、ロウ体11に発光抑制手段13を施さなくてもよい。
【0051】
また、本実施形態では、発光部2の発光手段が所要の文字である場合について説明したが、これに限らず、発光手段は、図形や記号、イラスト、或いはこれらの組合せとすることも可能である。
【0052】
また、本実施形態では、発光部2は、本体1の外側面に設けられる場合について説明したが、これに限らず、発光部は、本体の上面(芯が突出する中央部を除く)に設けられてもよい。また、中空部13内に設けることも可能である。
【0053】
また、本実施形態では、紫外線照射部3は、その一部である光源31がキャンドルの中空部13に配置される場合について説明したが、これに限らず、紫外線照射部3の全て、即ち、光源31と電源32とリード線7とがキャンドルの中空部13内に配置されてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、紫外線照射部3は、光源31と電源32とリード線7とからなる場合について説明したが、これに限らず、紫外線照射部は、例えば支持部4に電源を内蔵した場合のように、リード線を省略して光源と電源とを一体化した構成を採用することも可能である。
【0055】
また、本実施形態では、支持部4は、中空の四角柱の形状からなる場合について説明したが、これに限らず、支持部は、例えば円柱や錐体、或いは球体などの形状とすることが可能である。
【0056】
また、支持部4は、各側面において、紫外線照射部3が長手方向に沿って所定間隔で四つ配置される場合について説明したが、これに限らず、支持部は、紫外線照射部によって発光部2が照射されるような態様なら何でもよく、例えば各側面(全ての側面)に紫外線照射部を設けずとも、一側面だけに紫外線照射部を設けることも可能であり、また、一側面に設けられる紫外線照射部(光源)の数も、四つである必要はなく、例えば一つでもよいし、二つや三つ、或いは五つ以上であってもよい。
【0057】
また、本実施形態では、操作手段5は、遠隔操作可能なリモートコントローラからなる場合について説明したが、これに限らず、操作手段は、例えば電源(例えば電池を収納する電池ボックス)に一体的に設けられ、電源をオン/オフに切り替えたり、電源から光源への送電量を多段階的に切り替えるスイッチとして構成されることも可能である。
【0058】
また、本実施形態では、キャンドル台6は、グラス61と平板62とから構成される場合について説明したが、これに限らず、キャンドル台は、装飾用の台やテーブルとして構成されてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、照射構造は、支持部4と操作手段5とキャンドル台6とを備える場合について説明したが、これに限らず、照射構造は、支持部と操作手段とキャンドル台の少なくとも一つを備えて構成されることも可能であり、或いは、支持部と操作手段とキャンドル台とをいずれも備えないで構成されることも可能である。
【0060】
次に、本発明に係る照射構造を、団扇や花(造花、生花)に応用した参考例について、図5,6を参酌して説明する。
【0061】
まず、団扇について説明すると、かかる団扇は、図5に示すように、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部8を有する扇部81と、該扇部81の基部82から延設され、把持可能に構成される把持部83と、前記扇部81の基部82側に設けられ、紫外線を発光部8に照射する紫外線照射部84と、紫外線照射部84からの紫外線照射を操作する操作手段85とを備えてなる。
【0062】
ここで、発光部8は、『Happy Birthday!!』の文字と、クラッカーの図形が紫外線の照射によって多色発光されるように構成されている。また、紫外線照射部84は、発光部8に対して紫外線を出す光源86と、該光源86に電流を送るための電源87と、前記光源86及び電源87を接続するリード線88とからなり、操作手段85は、電源87から光源86への送電を制御するように、電源87をオン/オフに切り替えするスイッチからなる。
【0063】
かかる団扇によれば、操作手段85を用いて、紫外線照射部84から発光部8に対して紫外線を照射させて、発光部8を多色発光させるため、簡易な構造であり低コストで、多色発光の装飾を発揮することができる。
【0064】
次に、花について説明すると、かかる花は、図6に示すように、紫外線が照射されることによって単色又は多色発光する発光部9を有する花弁91と、花弁91の基部92側が植設される茎部93と、前記茎部93に設けられ、紫外線を発光部9に照射する紫外線照射部94とを備えてなる。
【0065】
ここで、発光部9は、花弁91全体が紫外線の照射によって単色又は多色発光されるように、或いは、花弁91に形成された所要の文字等が紫外線の照射によって単色又は多色発光されるように構成されている。また、紫外線照射部94は、発光部9に対して紫外線を出す光源95と、該光源に電流を送るための電源96とが一体的に構成されてなる。
【0066】
かかる花によれば、紫外線照射部94から発光部9に対して紫外線を照射させて、発光部9を多色発光させるため、簡易な構造であり低コストで、単色又は多色発光の装飾を発揮することができる。
【0067】
尚、上記花は、茎部を有さず、発光部を有する花弁と紫外線照射部とから構成することも可能であり、この場合、例えば受け皿を用意して、該受け皿の底面に紫外線照射部を配置した状態で、花弁を受け皿に飾りつけ、紫外線照射部から花弁に対して紫外線を照射することによって、例えば当初白色であった花弁を赤色や青色、黄色等の単色、若しくは、虹色等の混色に発光させることができ、単色又は多色発光の装飾を発揮することができる。さらに、花弁に単色又は多色発光する所要の文字等を形成した場合には、該所要の文字等による単色又は多色発光の装飾を発揮することができる。
【0068】
また、上記花は、紫外線照射部94からの紫外線照射を操作する操作手段を備えて構成することもできる。また、上記花は、紫外線照射部94が光源95と電源96とを接続するリード線を備えて構成されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…本体、2…発光部、3…紫外線照射部、4…支持部、5…操作手段、6…キャンドル台、7…リード線、11…ロウ体、12…芯、13…中空部、31…光源、32…電源、61…グラス、61a…足部、61b…器部、62…平板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線が照射されることによって多色発光する発光部を備えることを特徴とするキャンドル。
【請求項2】
キャンドルに設けられ、紫外線が照射されることによって多色発光する発光部と、キャンドルに形成される中空部と、該中空部内に配置され、紫外線を前記発光部に照射する紫外線照射部とを備えてなることを特徴とする照射構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−1726(P2013−1726A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131242(P2011−131242)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000136365)株式会社フジカ (13)
【Fターム(参考)】