説明

キャンドル

【課題】 座金を底面に設置しなくても芯が倒れにくい芯構造体を埋設したキャンドルを提供する。
【解決手段】 座金と、前記座金の上部に取り付けられた芯と、前記芯に通したガラス管と、前記座金の下部に取り付けられたプラスチック皿とからなる芯構造体を、2層又は3層以上のワックス層に埋設してキャンドルを構成する。
そして、プラスチック皿は、外周の縁が上に向いて内側に折り、中央に設けたスリット部分で座金の下部を挟み込んで固定する。
更に、芯構造体は、他のワックス層よりも高融点のワックス層の上に載置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
座金をキャンドル底面に設置しなくても芯が倒れにくい芯構造体のキャンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のキャンドルは、点灯後芯が途中で倒れて消えないよう芯を座金に固定して、該構造の座金が、キャンドルを構成するワックス層内の底面に埋設されている。
また、透明のワックス層下部にマスコットや石等を埋設して視覚的にも楽しめるキャンドルが増えてきている。
【特許文献1】実開平7−33960
【特許文献2】特開2006−22292
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ワックス層が透明であれば、マスコットや石等に混じって芯や座金の部分が見えてしまい、視覚性が損なわれる問題が生じていた。
【0004】
また、従来の構造のままで座金をワックス層の中央付近に埋設すれば、座金より下層部分の視覚性は解消できるが、キャンドルの炎で座金周辺のワックスが溶け始めると忽ち不安定になり、芯が傾く恐れがあった。
【0005】
そこで、座金をキャンドル底面に設置しなくても芯が倒れにくい芯構造体をもつキャンドルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、
座金と、前記座金の上部に取り付けられた芯と、前記芯に通したガラス管と、前記座金の下部に取り付けられたプラスチック皿とからなる芯構造体が、2層又は3層以上のワックス層に埋設されていることを特徴とするキャンドル。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものであって、
プラスチック皿は、外周の縁が上に向いて内側に折れており、前記プラスチック皿中央に設けたスリット部分で座金の下部を挟み込んで固定できることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1乃至請求項2記載のものであって、
芯構造体は、他のワックス層よりも高融点のワックス層の上に載置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以上説明したような形態で実施され、次のような効果を有する。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、座金をキャンドル底面に設置せず、ワックス中層付近に埋設しても芯が倒れにくい。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、
座金よりも面積の広いプラスチック皿の外周端が上向きに内側の折れていることにより、浮力が増すことで沈み込みを防ぐことが出来、スリット部分で固定することで、接着剤固定した場合に生じる、キャンドルの炎の熱により、固定部分が取れてしまうことを防ぐことが出来る。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、
芯構造体を高融点ワックス層の上に設置することで、芯構造体付近は溶けにくく、芯が傾かず、更に芯構造体設置面より下層は、視覚性に優れた効果を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
座金と、前記座金の上部に取り付けられた芯と、前記芯に通したガラス管と、前記座金の下部に取り付けられたプラスチック皿とからなる芯構造体を、2層又は3層以上のワックス層に埋設してキャンドルを構成する。
そして、プラスチック皿は、外周の縁が上に向いて内側に折り、且つ中央に設けたスリット部分で座金の下部を挟み込んで固定する。
更に、芯構造体は、他のワックス層よりも高融点のワックス層の上に載置する。
【実施例】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明のキャンドルの断面である。図2は、芯構造体の断面図である。図3は、プラスチック皿のスリット部分の図面である。
【0015】
まず、キャンドル容器1の半分付近までワックスを注ぎ、土台としての下部ワックス層2を形成する。次に下部ワックス層2よりも高融点のワックスで中層3を形成する。
【0016】
そして、該中層表面に芯構造体4をのせ、キャンドル容器1の上部まで高融点ワックスより低融点のワックスで該芯構造体を埋設し上部ワックス層5を形成する。
【0017】
このとき、下部ワックス層2は、無色透明、有色透明または有色でも構わないが、透明の場合、マスコット、石、造花などを埋設すれば、視覚性に優れたキャンドルを構成できる。
【0018】
また、中層3は、それほど厚く形成する必要はなく、ワックスの色は有色でも下部ワックス層にあわせても構わない。
【0019】
なお、本実施例では、3層からなるワックス層の中層部分を高融点のワックスにしたキャンドルについて述べているが、2層からなるワックス層にした場合、下層部分をすべて高融点のワックス層にしても本発明の効果を満たされる。
【0020】
そして、芯構造体4は、ガラス管6に通した芯7を座金8に取り付け、該座金下部を外周端が上向きで内側に折れたプラスチック皿9のスリット部分10に挟み込んで固定したものである。
【0021】
ここで、プラスチック皿9は、断面図のように外周端が上向きに内側に折れた構造にすることで浮力を増し、キャンドルの炎で外周端が変形してもその浮力を保つことが出来る。
【0022】
なお、プラスチック皿9の平面形状は、円形が一番安定するが、中心から外周までの長さがほぼ一定で安定するものであれば、楕円形や多角形でも構わない。
【0023】
更に、プラスチック皿9の平面面積も特に限定しないが、座金底面の面積の9倍以上が望ましく、また、ガラス管の重さでプラスチック皿9の底が浮き上がらないようガラス管の長さを調整する必要がある。
【0024】
また、スリット部分10は、図3のようにプラスチック皿9のほぼ中心位置に2ヶ所入れ、座金の平面の両端をスリット部分に差し込み、両スリットで挟み込んで固定し、芯構造体4の重心が中心に残るようにする。
【0025】
このように、スリット部分10に挟み込んで固定することは、ボンド等接着剤固定した場合に生じる、キャンドルの炎の熱により、固定部分が取れてしまうことを防ぐ役割を持っている。
【0026】
なお、プラスチック皿9やガラス管6は、無色透明にすれば、上層のワックスが有色、無色透明又は有色透明でも透けて見えて目立つことは少ないが、逆に有色にしたり、石や図柄等でデコレートして上層ワックスを無色透明又は有色透明にしても良い。
【0027】
ここまで、実施例を通してキャンドル容器内に芯構造体を埋設したキャンドルの説明をしたが、キャンドルの炎で溶けない部分で壁面を成形できる場合は、容器を用いずとも良い。
【0028】
以上説明したように、好ましい実施例を挙げて本考案を説明したが、本考案はその実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨の範囲内で種々に改変できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】断面図
【図2】芯構造体
【図3】プラスチック皿のスリット部分
【符号の説明】
【0030】
1 キャンドル容器
2 下部ワックス層
3 中層
4 芯構造体
5 上部ワックス層
6 ガラス管
7 芯
8 座金
9 プラスチック皿
10 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座金と、前記座金の上部に取り付けられた芯と、前記芯に通したガラス管と、前記座金の下部に取り付けられたプラスチック皿とからなる芯構造体が、2層又は3層以上のワックス層に埋設されていることを特徴とするキャンドル。
【請求項2】
請求項1に記載のものであって、プラスチック皿は、外周の縁が上に向いて内側に折れており、前記プラスチック皿中央に設けたスリット部分で座金の下部を挟み込んで固定できることを特徴とするキャンドル。
【請求項3】
請求項1乃至請求項2に記載のものであって、芯構造体は、他のワックス層よりも高融点のワックス層の上に載置されていることを特徴とするキャンドル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−242048(P2010−242048A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106987(P2009−106987)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(598152884)株式会社ノルコーポレーション (7)
【Fターム(参考)】