説明

キャンピロバクター対策用組成物、飼料用添加剤及び飼料、並びにβ−1,4−マンノビオース含有組成物の使用方法

【課題】 安全かつ簡便に、動物腸内でのキャンピロバクター菌の定着を抑制し、キャンピロバクター菌を体外へ効率的に排出させることのできるキャンピロバクター対策用組成物、飼料用添加剤及び飼料、並びにこれらの使用方法を提供することにある。
【解決手段】 β−1,4−マンノビオースを含有する、キャンピロバクター対策用組成物、飼料用添加剤及び飼料、並びにβ−1,4−含有組成物の使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンピロバクター対策用組成物、飼料用添加剤及び飼料、並びにβ−1,4−マンノビオース含有組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パーム核ミール、コプラミール、グアーミール等には、マンノースを構成糖とするマンナンが豊富に含有されることが知られており、これら天然原料に酵素を作用させてマンノース、マンノオリゴ糖、マンノース多糖類を生成させる方法が種々提案されている。
【0003】
また、このようなマンノース類が添加された飼料は、有害細菌であるサルモネラ菌の動物腸内での定着を抑制し体外へ排出する排菌効果(サルモネラ菌定着抑制効果)を有することが知られており、この効果を利用した技術も種々提案されている(非特許文献1)。
【0004】
例えば、グアーミールやコプラミールなどマンナンを含む素材を酵素分解して得られる、マンノビオース及びマンノトリオースを主成分とし単糖類が混合したマンノオリゴ糖類が配合された飼料は、鶏の卵の品質を向上させることができるとともに、マンノオリゴ糖類がサルモネラ菌の家畜腸内での定着防止に有用である可能性があることが報告されている(特許文献1)。
【0005】
また、マンノビオース、メチル−α−マンノシド、マンノオリゴ糖やグアーガム、ローカストビーンガム又は酵母から得られるマンナンの酵素及び/又は酸による加水分解物等のマンノース類を配合する飼料が、サルモネラ菌などの有害細菌の感染予防に有用であることが報告されている(特許文献2)。
【0006】
さらには、マンノースの繰り返し単位が40〜100の多糖を中心(30〜80%)とし、オリゴ糖も(5〜30%)混在するマンノース系多糖体を配合する家畜用飼料が、サルモネラ菌の家畜腸内での定着防止に効果があることが報告されている(特許文献3)。
【0007】
また、パーム核ミールやグアーミール等のマンナンリッチな原料に酵素を作用させてマンノオリゴ糖に分解したものを配合した飼料や、コプラミールに酵素を作用させたマンノース及び/又はマンノオリゴ糖の製造方法も報告されている(特許文献4乃至6)。
【0008】
さらに、マンノースが、腸内細菌類により簡単に資化される、或いは、家畜自身によって消化吸収・排出される、生菌剤が投与された場合に分解し易いやすくなるといった問題に対して、マンノオリゴ糖であるマンノビオースが、マンノースに比べサルモネラ菌定着抑制効果を有効に奏し得ることが報告されている(特許文献7)。
【非特許文献1】Poultly Science, 68, p.1357, 1989
【特許文献1】特開平8−38064号公報
【特許文献2】特開平7−236429号公報
【特許文献3】特開平8−173055号公報
【特許文献4】国際公開第95/17103号パンフレット
【特許文献5】国際公開第99/08544号パンフレット
【特許文献6】特開2001−231591号公報
【特許文献7】国際公開第2004/048587号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、サルモネラ菌や、腸炎ビブリオ菌、黄色ブドウ球菌などと共に発生頻度の高い食中毒の原因菌として、キャンピロバクター菌が知られている。例えば、平成15年度の病因物質別食中毒発生状況(厚生労働省統計)によれば、食中毒の事件件数としては、キャンピロバクター菌を原因菌とするものが最も多くなっている。また、その原因食品としては、鶏肉に関連するものが約80%と最も多く、加熱が不十分な鶏肉を喫食したことにより発生する場合が多くなっている。キャンピロバクター菌自体は、鶏肉及び食鳥処理施設において高い頻度で分離されており、市販の食肉の70%程度から検出されたとの報告もある。
【0010】
このようなキャンピロバクター菌による食肉の汚染を防ぐ有効な手段としては、ブロイラーなど食鳥そのものの汚染を防止することが考えられるが、安全かつ簡便な手段は未だ見つかっていない。
【0011】
本発明の課題は、安全かつ簡便に、動物腸内でのキャンピロバクター菌の定着を抑制し、キャンピロバクター菌を体外へ効率的に排出させることのできるキャンピロバクター対策用組成物、飼料用添加剤及び飼料、並びにこれらの使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、鋭意研究の結果、β−1,4−マンノビオースに対し、キャンピロバクター認識活性があることを見出すとともに、家畜腸内の細菌類によって資化されにくく、キャンピロバクター菌定着抑制においては有効に働くとの知見を得、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明のキャンピロバクター対策用組成物は、β−1,4−マンノビオースを含有するものであって、キャンピロバクター対策用として用いられるものである。
【0014】
この組成物において、β−1,4−マンノビオースは、マンナン含有天然物由来であってもよい。また、マンナン含有天然物は、椰子科植物由来であってもよい。さらに、β−1,4−マンノビオースは、マンナン含有天然物にマンナン分解酵素を作用させて生成したものであってもよい。また、マンノースをさらに含有するとともに、β−1,4−マンノビオースはマンノースより多く含まれてもよい。
【0015】
本発明のキャンピロバクター対策用の飼料用添加剤は、上記キャンピロバクター対策用組成物を含むものである。
【0016】
本発明のキャンピロバクター対策用飼料は、上記キャンピロバクター対策用組成物又は飼料用添加剤を含むものである。
【0017】
本発明のβ−1,4−マンノビオース含有組成物の使用方法は、キャンピロバクター菌により感染した家畜に対しβ−1,4−マンノビオース含有組成物を給餌するステップを含む。
【0018】
また、本発明の他のβ−1,4−マンノビオース含有組成物の使用方法は、家畜を搬送する前にβ−1,4−マンノビオース含有組成物を給餌するステップを含む。
これらの使用方法において、家畜はブロイラーであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、β−1,4−マンノビオースのキャンピロバクター認識活性及びβ−1,4−マンノビオースが家畜腸内の細菌類によって資化されにくいことにより、キャンピロバクター菌の家畜腸内への定着を有効に抑制できる。したがって、ここでは、キャンピロバクター菌を原因として家畜に生じる影響に対し、安全かつ簡便な手段で対処することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のキャンピロバクター対策用組成物は、β−1,4−マンノビオース(以下、単にマンノビオースともいう)を含有するものであって、キャンピロバクター対策用として用いられるものである。
【0021】
本発明において、β−1,4−マンノビオースは、マンノース2分子がβ-1,4-グリコシド結合してなるものである。本発明で用いられるβ−1,4−マンノビオースは、例えば、マンノースから合成する方法や、β-1,4-マンナン(以下、単にマンナンともいう)を分解する方法により得ることができる。
【0022】
β-1,4-マンナンを分解する方法は、原料の資源性及び反応効率の点でより好ましく、より簡便にβ−1,4−マンノビオースを得ることができる。この方法では、例えば、マンナンを豊富に含有するパーム核ミール、コプラミール、グアーガム、ローカストビーンガムなどのマンナン含有天然物又はこれら天然物から抽出したマンナンに、マンナン分解酵素を作用させて、β−1,4−マンノビオースを得ることができる。
【0023】
また、この方法において使用されるマンナン分解酵素としては、マンナナーゼ、マンノシダーゼ、ヘミセルラーゼ等、マンナンを分解してマンノビオースを生成する活性を有するものであればいずれでもよいが、Aspergillus niger由来のもので、市販されているもの(例えばヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製)、スミチームACH(新日本化学工業株式会社製)、セルロシンGM5(阪急バイオインダストリー株式会社)等を好ましく使用できる。また、これらのほか、キシラナーゼ、セルラーゼとして市販されているものであっても、当該加水分解活性を有するものも使用でき、例えば、セルラーゼY-NC(ヤクルト薬品工業株式会社製)を使用できる。特に、マンノシダーゼ(exo型)活性が低く、マンナナーゼ(endo型)活性が高いヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製)、スミチームACH(新日本化学工業株式会社製)が、マンノースの生成を抑え、多量にマンノビオースを生成させることができる点で好ましい。
【0024】
さらに、この方法では、マンナン分解酵素は、水に溶解又は分散させた酵素液として、マンナン含有天然物又はこれから抽出したマンナンに作用させる。そして、マンナン含有天然物を用いる場合において効率的な反応を行うためには、マンナン含有天然物、マンナン分解酵素及び水からなる反応系における水分の調整が重要である。水分調整のための水の添加量としては、マンナン100重量部に対して、50〜10000重量部であることが好ましく、50〜1500重量部であることがより好ましい。水の添加量をこのような範囲とすることにより、十分な水分の存在下で、マンナン類の繊維質を十分に膨潤させ、酵素液を接触しやすくすることができる。しかしながら、必要以上の水分量は、酵素濃度を希釈する結果、却って反応効率を低下させるばかりでなく、乾燥させる場合には、乾燥工程における乾燥コストの上昇を招く。したがって、以上を考慮すれば、マンナン類100重量部に対して、好ましくは50〜500重量部の水を添加するのが適当である。
【0025】
また、酵素量、反応時間としては、生成するマンノビオースが分解前のマンナンに対し、少なくとも10重量%、好ましくは、加水分解により生成するマンノビオースが分解前のマンナンに対し10〜80重量%程度となるものであれば特にされず、かかる条件下では湿潤な酵素処理物を得ることができる。しかし、マンナナーゼ(endo型)活性が高い酵素は、通常、マンノシダーゼ(exo型)活性をも有していることから、酵素反応の時間が長すぎると、マンノビオースが分解されてマンノース量が増加してしまうため、反応時間は必要以上に長い時間としないことが好ましい。これら酵素反応条件は、マンノビオースの生成量ができるだけ多くなるように適宜設定される。この場合、β−1,4−マンノビオースがマンノースより多く含まれるよう設定するのが好ましく、例えば、β−1,4−マンノビオースに対するマンノースの割合が、60重量%以下であるのがより好ましく、20重量%以下であるのが特に好ましい。
【0026】
以上のようにして、例えば、原料としてパームカーネルミール(マンナン含有量は、およそ36%)を用いて3〜36時間反応させた場合、マンノビオース量は、使用する酵素の種類や量、時間にもよるが、原料100重量部に対して、6〜17重量部程度まで生成させることができる。
【0027】
このようにして生成したマンノビオースを含有する酵素処理物又は酵素処理物の水抽出物(β−1,4−マンノビオース含有組成物)は、家畜腸内におけるキャンピロバクター菌の定着を抑制するため、添加成分を配合して飼料用添加剤として使用したり、そのまま飼料に配合して使用したりすることができ、例えば、当該組成物が水抽出物である場合は、飲料に添加して使用することができる。なお、当該水抽出物は、マンノビオースの他にマンノースやマンノオリゴ糖類なども含有するが、特にマンノビオースのみを抽出、精製する必要はなく、むしろこれらが含まれていることが好ましい。
【0028】
本発明のキャンピロバクター対策用の飼料用添加剤は、β−1,4−マンノビオース含有組成物に保存剤等の添加成分が配合されたものであってもよく、キャンピロバクター対策用として用いられるものである。このような飼料用添加剤を使用する場合は、大量の水分が含まれていることから黴、菌類が発生するおそれがあるため、流動層乾燥、真空乾燥等の方法によって、水分が10%以下となるように乾燥させることが好ましい。
【0029】
本発明のキャンピロバクター対策用飼料は、上記組成物又は飼料用添加剤が配合されてなる飼料であり、キャンピロバクター対策用として用いられるものである。この飼料は、例えば、β−1,4−マンノビオース含有コプラミールが、そのまま飼料として用いられてもよく、その他の飼料に配合されたものであっても良い。配合飼料に、β−1,4−マンノビオース含有コプラミールを添加する場合、配合飼料中のβ−1,4−マンノビース含量が、0.001〜0.6重量%となる量、通常、配合飼料に対してβ−1,4−マンノビオース含有コプラミールを0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%添加することが望ましい。このような飼料は、家畜に、固体状又は液状で給餌することにより、動物体内のキャンピロバクター菌の定着を抑制して、キャンピロバクター菌を体外へ効率的に排出させることができる。なお、家畜には、ブロイラー(食用の若鶏)等の家禽も含まれる。
【0030】
なお、本発明において、キャンピロバクター対策用組成物、飼料用添加剤及び飼料は、家畜腸内に、少なくともキャンピロバクター菌が存在する可能性のある状況下で使用されればよく、サルモネラ菌等の他の菌が併存する状況下で使用されても良い。
【0031】
次に、β−1,4−マンノビオース含有組成物の使用方法について説明する。
本発明のβ−1,4−マンノビオース含有組成物の使用方法は、キャンピロバクター菌により感染した家畜に対し、β−1,4−マンノビオース含有組成物を給餌するステップを含み、これにより、キャンピロバクター菌に感染した家畜を治療することができる。ここで、β−1,4−マンノビオース含有組成物を給餌するとは、β−1,4−マンノビオース組成物をそのまま給餌することに限定されず、β−1,4−マンノビオース組成物が配合された飼料用添加剤や飼料として給餌することも含まれる。
【0032】
また、この方法とは別に又はこの方法と併せて、家畜を搬送する前にβ−1,4−マンノビオース含有組成物を給餌するステップを含むことも可能である。この場合は、家畜を搬送する前に、キャンピロバクター菌により汚染された家畜のクリーンアップや、家畜のキャンピロバクター菌による感染予防を図ることができる。ここで、搬送という場合は、市場への出荷や、異なる飼育場への移動等が挙げられる。また、搬送する前という場合は、数時間程度前のような直前であっても、数日前のような比較的長い期間の前であっても良い。
【0033】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例中の「部」、「%」は、特に断りがない限りそれぞれ「重量部」、「重量%」を表す。
【実施例1】
【0034】
コプラミール(マンナン含有量30%、水分4.2%)100部に、酵素ヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製)0.25部を溶解した酵素液150部を、60℃で12時間作用させた後、流動層乾燥装置(大河原製作所製)にて水分9.3%まで乾燥させ、乾燥粉体106部を得た。この乾燥粉体のマンノース含有量及びβ−1,4−マンノビオース含有量をイオン交換クロマトグラフィ法で測定したところ、マンノースが1.36部、β−1,4−マンノビオースが13.35部(マンナンに対し44.5%)が生成していた。
【比較例1】
【0035】
パームカーネルミール(マンナン含有量38%、水分4.5%)100部に、酵素セルロシンGM5(エイチビィアイ株式会社製)0.3部を溶解した酵素液150部を、60℃で72時間作用させた後、流動層乾燥装置にて水分7.8%まで乾燥させ、乾燥粉体100部を得た。この乾燥粉体のマンノース含有量及びβ−1,4−マンノビオース含有量を測定したところ、マンノースが11.52部、β−1,4−マンノビオースが2.57部(マンナンに対し7.14%)が生成していた。
【実施例2】
【0036】
(動物試験1)
市販のブロイラー初生メスヒナ30羽を、無添加対照区、実施例区及び比較例区に3分し、それぞれ市販のブロイラー用配合飼料により、不断給餌、自由飲水にて飼育した。7日齢で、キャンピロバクター菌(Campylobacter jejuni、以下CJ)、1×109CFU/羽を経口接種させ、30日齢で、各区につき1羽ずつ解剖し、盲腸内容中のCJ数を測定し、感染を確認した。さらに、35日齢からは、飼料を、区ごとに異なる下記試験飼料に切り替えた。
【0037】
無添加対照区の10羽には、そのまま無添加の配合飼料を給与するとともに、実施例区の10羽には、配合飼料に、実施例1で得られた乾燥粉体を0.1%添加した飼料を給与し、比較例区の10羽には、比較例1で得られた乾燥粉体を0.1%添加した飼料を給与した。その後36日齢、38日齢、41日齢で、各区につき2羽ずつ剖検し、盲腸内容中のCJ数(対数)を調べた。
【0038】
その結果を図1に示す。図示されるように、実施例区のみ、試験飼料に切り替えた直後の36日齢から菌数が減少するとともに、38日齢、41日齢では著しく菌数が低下し、CJの腸内壁への定着抑制に優れた効果を示していることが分かる。
【0039】
また、各メスヒナの盲腸内容物中のCJ数(logCFU/g)の推移を、表1に示す。
【0040】
【表1】

【実施例3】
【0041】
(動物試験2)
市販ブロイラー初生メスヒナ80羽を搬入し、市販のγ線滅菌済みブロイラー用飼料および井水にて不断給餌により飼育した。0日齢でナリジクス酸耐性サルモネラ菌(Salmonella Enteritidis、以下SE)6.7×106CFU/羽およびカンピロバクター菌(CJ)1.1×107CFU/羽を同時に経口接種させた。7日齢で体重が近似した60羽を選定し、SE9.2×108CFU/羽およびCJ1.0×109CFU/羽を同時に再度経口接種させた。さらに20日齢で50羽を選抜し、12羽ずつ4群、2試験区に2群ずつ割り当てた。21日齢で再々度SE8.6×108CFU/羽およびCJ1.0×109CFU/羽を同時に経口接種させた。試験区に属さない残り2羽を27日齢で採材し、盲腸内容のSE、CJの定量を行ない各群の初期汚染濃度とした。そして2つの試験区の一方は陽性対照(無添加対照区)とし、34日齢となる試験終了まで前述市販飼料を給与し続け、他方の試験区(実施例区)には、27日齢より34日齢まで市販飼料に実施例1で得られた乾燥粉体(酵素処理コプラミール、βマンノビオース型)0.1%を添加して給与した。試験試料を給与開始して1日後(28日齢)、3日後(30日齢)、7日後(34日齢)において各群3羽(各区6羽)ずつ無作為に選定し、盲腸内容を採取し、SE、CJを定量した。
その結果を図2に示す。実施例区では、給与開始翌日より、SEおよびCJが共に無添加対照区より低下しており、2種の食中毒原因菌が同時に感染した場合においても本発明品が有効に作用することがわかる。
また、各メスヒナの盲腸内容物の各菌数(logCFU/g)の推移を、表2に示す。
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例2における所定日齢でのメスヒナの盲腸内CJ数(logCFU/g)を示すグラフ。
【図2】実施例3における所定日齢でのメスヒナの盲腸内各菌数(logCFU/g)を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
β−1,4−マンノビオースを含有する、キャンピロバクター対策用組成物。
【請求項2】
β−1,4−マンノビオースがマンナン含有天然物由来である、請求項1に記載のキャンピロバクター対策用組成物。
【請求項3】
マンナン含有天然物が椰子科植物由来である、請求項2に記載のキャンピロバクター対策用組成物。
【請求項4】
β−1,4−マンノビオースは、マンナン含有天然物にマンナン分解酵素を作用させて生成したものである、請求項1に記載のキャンピロバクター対策用組成物。
【請求項5】
マンノースをさらに含有するとともに、β−1,4−マンノビオースはマンノースより多く含まれる、請求項1に記載のキャンピロバクター対策用組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のキャンピロバクター対策用組成物を含む、キャンピロバクター対策用の飼料用添加剤。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載のキャンピロバクター対策用組成物又は請求項6に記載のキャンピロバクター対策用の飼料用添加剤を含む、キャンピロバクター対策用飼料。
【請求項8】
キャンピロバクター菌により感染した家畜に対しβ−1,4−マンノビオース含有組成物を給餌するステップを含む、β−1,4−マンノビオース含有組成物の使用方法。
【請求項9】
家畜を搬送する前にβ−1,4−マンノビオース含有組成物を給餌するステップを含む、β−1,4−マンノビオース含有組成物の使用方法。
【請求項10】
家畜はブロイラーである、請求項8又は9に記載のβ−1,4−マンノビオース含有組成物の使用方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−325587(P2006−325587A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124206(P2006−124206)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000236768)不二製油株式会社 (386)
【Fターム(参考)】