説明

キーワード付与装置、プログラム及び情報記憶媒体

【課題】 キーワードの分類頻度に応じて、入力画像に付与するキーワードの階層を変更することで、ユーザーの嗜好等を反映したキーワード付与を行うキーワード付与装置、プログラム及び情報記憶媒体等を提供すること。
【解決手段】 キーワード付与装置はキーワードが第1〜第Nの階層からなる複数のクラスに分類されている場合に、対応クラスを特定するクラス特定部16と、各クラスに対して分類頻度の計測を行う分類頻度計測部19と、参照対象階層を決定する参照対象階層決定部20と、最終的な参照対象階層における対応クラスのキーワードを、表示キーワードとするキーワード決定部23とを含み、参照対象階層決定部20は、第jの階層における分類頻度の値に基づいて、上位の階層である第kの階層への参照が必要であると判定された場合には、第kの階層を次の参照対象階層とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーワード付与装置、プログラム及び情報記憶媒体等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メモリ等の記録媒体の大容量化に伴い、デジタルカメラで撮影した画像がデジタルカメラ内に大量に蓄積されるようになってきている。また、そのような撮影した画像は、パソコン等の外部機器に転送して蓄積され、更にインターネット等を介して収集した画像も蓄積されることとなっている。
【0003】
そこで、各画像にキーワードを付与しておき、キーワード検索を行うことによって大量に蓄積されている画像の中から、ユーザーが所望の画像を容易に検索できるようにすることが行われている。
【0004】
しかし、ユーザーが撮影または収集した画像に手動でキーワードを付与することは、手間や時間がかかりユーザーにとって負担となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−063172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、キーワード付与の対象となる画像に類似する類似画像を検索し、抽出された類似画像に付与されているキーワードを対象画像に付与する。
【0007】
しかし、ユーザーの趣味や嗜好はある特定の分野に偏る事が多い為、その分野に関するキーワードが付与された画像ばかりが膨大な量になり、キーワードによって画像を区別する事は容易ではない。その結果、画像の検索や整理が困難になるという課題が上げられる。
【0008】
本発明の幾つかの態様によれば、キーワードの分類頻度に応じて、入力画像に付与するキーワードの階層を変更することで、ユーザーの嗜好等を反映したキーワード付与を行うキーワード付与装置、プログラム及び情報記憶媒体等を提供することができる。
【0009】
また、本発明の幾つかの態様によれば、ユーザーの興味が高いと思われるカテゴリにはより詳細なキーワードを付与し、興味が低いと思われるカテゴリにはより概略的なキーワードを付与することで、ユーザーの趣味や撮影被写体の傾向に応じたキーワード付与を行うことができるキーワード付与装置、プログラム及び情報記憶媒体等を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、複数のキーワードが第1〜第N(Nは2以上の整数)の階層からなる複数のクラスに分類されている場合に、入力画像から抽出した特徴量に基づいて、前記入力画像に対応するクラスである対応クラスを特定するクラス特定部と、前記複数のクラスの各クラスに対して分類頻度の計測を行う分類頻度計測部と、前記分類頻度の参照を行う階層である参照対象階層を決定する参照対象階層決定部と、前記参照対象階層決定部により最終的に参照された前記参照対象階層における前記対応クラスのキーワードを、前記入力画像に付与する表示キーワードとして決定するキーワード決定部と、を含み、前記参照対象階層決定部は、第j(jは1≦j≦Nの整数)の階層が現在の前記参照対象階層であるときに、第jの階層における前記対応クラスの前記分類頻度の値に基づいて、前記第jの階層よりも上位の階層である第k(kは1≦k<jの整数)の階層への参照が必要であるか否かの判定を行い、参照が必要と判定された場合には、前記第kの階層を次の参照対象階層として決定するキーワード付与装置に関係する。
【0011】
本発明の一態様では、階層的なクラス分類がされている場合に、参照対象階層を決定し、参照対象階層における分類頻度の値に基づいて、より上位の階層を参照するか否かを決定することができる。これにより、最初の参照対象階層からより上位の階層へと連鎖的に参照を重ねて行くこと等が可能となる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記参照対象階層決定部は、前記第jの階層における前記分類頻度の値に基づいて、前記第jの階層よりも上位の階層への参照が必要ないと判定された場合には、前記第jの階層を最終的な前記参照対象階層として決定し、前記キーワード決定部は、前記第jの階層における、前記対応クラスのキーワードを、前記入力画像に付与する表示キーワードとして決定してもよい。
【0013】
これにより、上位階層への参照を途中で終了すること等が可能になる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記参照対象階層決定部は、最も下の階層である第Nの階層を、最初の前記参照対象階層として決定するとともに、第Nの階層における前記分類頻度の値に基づいて、第Nの階層よりも上位の階層への参照が必要か否かの判定を行い、前記第Nの階層よりも上位の階層への参照が必要な場合には、前記参照対象階層決定部は、前記上位の階層を次の前記参照対象階層として決定し、前記第Nの階層よりも上位の階層への参照が必要でない場合には、前記参照対象階層決定部は、前記第Nの階層を最終的な前記参照対象階層として決定し、前記キーワード決定部は、前記第Nの階層における、前記対応クラスのキーワードを、前記入力画像に付与する表示キーワードとして決定してもよい。
【0015】
これにより、最も下の階層を参照処理の開始階層として決定することが可能になるため、任意の階層に属する対応クラスのキーワードを表示キーワードとして入力画像に付与すること等が可能になる。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記第jの階層における、前記対応クラスの分類頻度の値が所与の閾値よりも小さい場合には、前記参照対象階層決定部は、前記第jの階層よりも上位の階層である前記第kの階層を次の前記参照対象階層として決定し、前記第jの階層における、前記対応クラスの分類頻度の値が所与の閾値よりも大きい場合には、前記参照対象階層決定部は、上位の階層への参照を終了し、前記第jの階層を最終的な前記参照対象階層として決定してもよい。
【0017】
これにより、閾値との比較により、上位の階層への参照が必要か否かの判定を行うこと等が可能になる。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記クラス特定部において、複数の前記入力画像の各入力画像に対して、1又は複数の対応クラスが特定され、前記参照対象階層に属する複数のクラスのクラス特定回数の総和をmとし、分類頻度参照対象クラスのクラス特定回数をnとした場合に、前記分類頻度計測部は、前記分類頻度を、n/mに基づいて求めてもよい。
【0019】
これにより、簡単な処理で分類頻度を求めることが可能になる。
【0020】
また、本発明の一態様では、前記キーワード決定部で決定したキーワードを表示するキーワード表示部を含んでもよい。
【0021】
これにより、入力画像に対して付与したキーワードを表示すること等が可能になる。
【0022】
また、本発明の一態様では、前記キーワード表示部は、前記参照対象階層決定部で参照された階層以外の階層における対応クラスのキーワードも候補として提示してもよい。
【0023】
これにより、参照した階層以外の階層のキーワードを表示することができるため、柔軟なキーワード表示等が可能になる。
【0024】
また、本発明の一態様では、前記第jの階層に属するクラスのキーワードは、前記第jの階層よりも上位の階層である前記第kの階層に属するクラスのキーワードに比べて、詳細なキーワードであってもよい。
【0025】
これにより、詳細なキーワードから荒いキーワードへと参照を行っていくこと等が可能になる。
【0026】
本発明の他の態様は、複数のキーワードが第1〜第N(Nは2以上の整数)の階層からなる複数のクラスに分類されている場合に、入力画像から抽出した特徴量に基づいて、前記入力画像に対応するクラスである対応クラスを特定するクラス特定手順と、前記複数のクラスの各クラスに対して分類頻度の計測を行う分類頻度計測手順と、前記分類頻度の参照を行う階層である参照対象階層を決定する参照対象階層決定手順と、前記参照対象階層決定手順で最終的に参照された前記参照対象階層における前記対応クラスのキーワードを、前記入力画像に付与する表示キーワードとして決定するキーワード決定手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記参照対象階層決定手順では、第j(jは1≦j≦Nの整数)の階層における前記分類頻度の値に基づいて、前記第jの階層よりも上位の階層である第k(kは1≦k<jの整数)の階層への参照が必要と判定された場合には、前記第kの階層を次の参照対象階層として決定するプログラムに関係する。また、本発明は、上記プログラムを記憶する情報記憶媒体に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態のシステム構成例。
【図2】本実施形態のキーワード付与処理を説明するためのフローチャート。
【図3】上位の階層への参照処理を説明するためのフローチャート。
【図4】特徴空間とクラス分類の例。
【図5】分類木を用いてクラス分類を説明した例。
【図6】入力画像の例。
【図7】クラス分類結果を特徴空間で示した図。
【図8】第3階層における分類頻度と閾値の例。
【図9】第2階層における分類頻度と閾値の例。
【図10】第3階層の対応クラスと付与するキーワードとの対応を説明する図。
【図11】対応クラスから表示キーワードを決定する手法を説明する図。
【図12】検索の際に表示するキーワードの決定処理を説明するためのフローチャート。
【図13】1つの下位階層に対して複数の上位階層が対応する例。
【発明を実施するための形態】
【0028】
1.本実施形態の手法
【0029】
まず、本実施形態の手法について説明する。近年、メモリの大容量化、低価格化に伴い、デジタルカメラ等の撮像装置において大量の写真データが取得、蓄積されるようになっている。そのため、撮像装置内で所望の画像データを探し出すことが非常に困難である。また、PC等にデータを写すことを考えれば、インターネットからダウンロードされた画像データ等も混在することになり、画像データの検索はより困難になる。
【0030】
上述の問題に対応するために、画像データに対してメタデータとしてキーワードを付与することが考えられる。例えば、後述する図6のような画像データに対しては、“犬”“猫”“風景”等のキーワードを付与する。そして、画像検索の際には、キーワードによる分類やフィルタリング等を行うことで、目的の画像データを検索しやすくする。
【0031】
しかし、単純なキーワード付与には、ユーザーの嗜好を反映しないという問題が残る。つまり、猫を撮影することが好きなユーザーの所有する画像データは、猫の画像が大半を占めることが考えられる。その際、“猫”というキーワードを付与しても検索にはあまり有用ではない。つまり、全画像データの80%が猫を写していたとしたら、“猫”というキーワードでフィルタリングを行ったとしても、不要データは20パーセントしか取り除けない。そのため、結局大量の画像データの中から所望の画像データを探すことになってしまい、キーワードを付与するメリットは少なくなってしまう。
【0032】
そこで本出願人は、ユーザーの嗜好を反映したキーワード付与の手法を提案する。具体的には、ユーザーの興味のある分野においては、より細かいキーワードを付与し、あまり興味のない分野においては、荒いキーワードを付与する。つまり、上述の猫が好きなユーザーの場合であれば、猫の画像データに対して付与するキーワードは、“日本猫”“ペルシャ”“アビシニアン”といったように、より細かいものにする。それに対して、ユーザーの関心が薄い鳥の画像に対しては“鳥”といった荒いキーワードの付与を行う。このようにすることで、特定のキーワードに画像が集中することを抑止することができる。よって、キーワード付与の効果を高めることが可能になり、画像検索の効率を向上させることができる。
【0033】
具体的な手法については後述する。以下、構成例及び処理の詳細を説明し、次にクラス分類について説明する。そして、上位階層への参照手法とその具体例について述べた後、検索に応用する例について触れ、最後に変形例を説明する。
【0034】
なお、以下の例においては、後述する図5のクラス分類を用いて説明する。つまり、第1の階層〜第3の階層の3層構造の例を用いるが、これに限定されないことは言うまでもない。つまり、広義には第1〜第N(Nは2以上の整数)の階層からなるクラス構造に対しても、本実施形態の手法は適用可能である。
【0035】
2.構成例及び処理の詳細
【0036】
図1は本実施形態の処理系を示し、図2はその全体の処理の流れを示したフローチャートである。以下、図1のような構成における動作を、図2のフローチャートに沿って説明する。
【0037】
画像取得部14は、メモリ12からキーワード付与の対象となる画像を読み出し、読み出した対象画像(入力画像)を、特徴量抽出部15へ入力する(S201)。
【0038】
次に、特徴量抽出部15に入力された画像から特徴量(ベクトル)を抽出し、その抽出した特徴量を、クラス特定部16へ入力する(S202)。
【0039】
次に、クラス特定部16において、抽出した特徴量(ベクトル)の特徴空間でのクラス分類を行い、入力画像に対応するクラスである対応クラスを特定する。そして、対応クラスの特定結果を、画像枚数測定部18及びメモリ12へ入力する(S203)。なお、1枚の画像に複数の対象が含まれる場合、抽出される特徴量(ベクトル)は1つとは限らず、複数の特徴量(ベクトル)が抽出されることもある。複数の特徴量(ベクトル)が抽出された場合は、1枚の画像から同一階層において複数の対応クラスが特定されることになる。
【0040】
ここで、対応クラスとは例えば、第1〜第3階層(広義には第1〜第N階層)の全てから選択されるものとする。例えば、入力画像に日本猫が含まれていた場合には、第3階層において、「日本猫」クラスが特定される。それと同時に、「日本猫」の上位クラスである第2階層の「猫」及び第1階層の「動物」も対応クラスとして特定される。そして、後述するように下位階層の対応クラスに対して参照必要性が判定され、参照が必要な場合は、上位階層の対応クラスを参照し処理が行われることになる。ただし、本実施形態においては、「下位階層の対応クラス」と「前記下位階層の対応クラスとツリー構造で結ばれている上位階層のクラス」との関連づけができれば十分であり、それは学習により取得した図5のようなツリー構造データを保持しておけば足りる。よって、対応クラスは最も下のクラスから選択され、上位階層のクラスからは選択されないものとしてもよい。
【0041】
画像枚数測定部18は、クラス特定部16から入力される信号より、何枚の入力画像が処理されたかを測定している。この画像枚数測定部18の測定結果により、所定数枚、ここでは100の倍数枚の対象画像を処理したかどうか判別する(S204)。まだ100の倍数枚の対象画像を処理していない場合には、下記S208へ進み、第3階層のクラスに対応するキーワードを表示キーワードとして選択する。
【0042】
次に、最初の参照対象階層を第3階層に決定し(S205)、分類頻度計測部19で、メモリ12に蓄積されているクラス特定済みの画像から、各クラスの分類頻度Zを計測する(S206)。分類頻度計測部19では、既にクラス特定済みの全画像における全体の特徴量の数をmとし、クラス内の特徴量の数をnとし、下式(1)により、クラス毎に分類頻度Z[%]を計測する(S206)。
【0043】
Z=100×n/m ・・・・・(1)
【0044】
具体的には、100枚の画像において各クラスが特定された回数の総和がmに対応し、分類頻度計測対象クラスが特定された回数がnになる。さらに具体的には例えば、100枚の画像において、300回クラスが特定された(のべ300個の特徴量が抽出された)場合にm=300となる。また、その中で、分類頻度計測対象クラスが特定された回数がnとなる。そのため、例えば「日本猫」が特定された回数が60回だった(60回「日本猫」に対応する特徴量が抽出された)場合には、n=60となり、「日本猫」の分類頻度はZ=100×n/m=100×60/300=20[%]となる。
【0045】
なお、分類頻度の計測は階層ごとに行われる。図5の例で言えば、まず、第3階層において各クラスの分類頻度が計測される。そして、第2階層は第2階層で分類頻度が計測される。第2階層における分類頻度の計測は、第3階層の計測結果を用いることが可能である。つまり例えば、「チワワ」「ダルメシアン」「柴犬」のクラス特定回数の総和を「犬」のクラス特定回数として用いればよい。もっと簡単に、「チワワ」「ダルメシアン」「柴犬」の分類頻度の和を「犬」の分類頻度としてもよい。ただし、このような処理は、下位階層のクラスにより、上位階層のクラスが網羅されている必要があることに注意が必要である。つまり、「犬」に属しつつ「チワワ」にも「ダルメシアン」にも「柴犬」にも属さないような特徴量が抽出され、かつ、そのような特徴量を「チワワ」「ダルメシアン」「柴犬」のいずれかに強制的に割り振るよう設定されていなければ、下位階層のクラスのクラス特定回数の和と上位階層のクラスのクラス特定回数が一致しなくなる可能性がある。
【0046】
こうして計測された各クラスの分類頻度は、参照する階層を決定し、他階層の参照が必要であるか否かを判断する参照対象階層決定部20へ入力される。
【0047】
次に、参照対象階層決定部20で、現在参照している階層における分類頻度に基づいて、上位階層の参照が必要であるか否かを判定する(S207)。上位階層の参照が必要であるか否かは、クラス毎に分類頻度がある所定の値α未満であるか否かを計測することによって判定される。このαの値は、全クラスの分類頻度の平均値よりも大きい値が好適である。
【0048】
分類頻度がα未満であるクラスが存在する場合は、上位の階層の参照を行う。具体的には、上位の階層を次の参照対象階層として決定する。そして、上位の階層における分類頻度と閾値α(上述のαとは別の値であってもよい)との比較を行い、さらに上位の階層の参照が必要であるか否かを判断する。
【0049】
また上位の階層の参照が必要でないと判断されたクラスは、キーワード決定部23において、現在参照している階層のクラスに対応するキーワードを表示キーワードとして決定する(S210)。
【0050】
キーワード決定部23で決定されたキーワード情報はキーワード表示部24へ入力され、メモリ12から入力された入力画像と併せて表示される(S211)。
【0051】
ここで、分類頻度計測部19では、全てのクラスに対して処理が行われ、その結果がメモリ12に記憶される。つまり、日本猫の画像が入力され、「日本猫」クラスについて処理が行われるような場合にも、分類頻度の計測は「日本猫」のみに限定する必要はない。同時に「チワワ」「ダルメシアン」他、全てのクラス(上位階層のクラスを含む)について分類頻度の計測を行っておけば、他の入力画像が入力された場合にも、再度分類頻度の計測処理を行うことなく、キーワードを付与することができる。
【0052】
また、参照対象階層決定部20での処理も、全てのクラスに対して行われてもよい。各クラスの分類頻度が計測されれば、閾値αは設定により定められるため、現在の入力画像とは無関係に全てのクラスの参照関係を決定することができる。つまり、「日本猫」については分類頻度が高いので“日本猫”をキーワードとして付与する。「ダルメシアン」は第2階層まで参照して“犬”をキーワードとして付与する。「田舎町」は第2階層の参照でも足りず、第1階層を参照して“風景”がキーワードとして付与される等の対応付けを決定することが可能である。このようにしておけば、入力画像が入力された際に、改めて参照必要性の判定を行う必要がない。例えば、「ダルメシアン」「日本猫」「田舎町」が第3階層の対応クラスとして特定されるような入力画像に対しては、参照必要性を再度判定することなく、“犬”“日本猫”“風景”といったキーワードを付与することができる。
【0053】
3.クラス分類について
【0054】
ここで、クラス分類について、詳細に説明する。クラス特定部16は、予め設定されたクラス分類を学習している。その学習過程では、先ず、予め人間によって正しいキーワードを付与された画像(学習データ)を用意し、これらの画像から特徴量(ベクトル)を抽出して、クラス特定部16に入力する。ここで、特徴量は、色相、彩度、輝度、形状、大きさ、位置、など画像自体に含まれる様々の特徴量や、Exif情報に含まれるISO感度等の撮影情報のような画像に付加されている様々の特徴量の中から、学習データの分類に適した如何なる特徴量を用いても良い。なお、上記特徴量抽出部15は、この学習過程で採用した特徴量を抽出するものとなっている。
【0055】
そして、クラス特定部16では、入力された画像(学習データ)の特徴量(ベクトル)を、図4に示すように特徴空間に配置し、同じキーワードを付与された画像が特徴空間で同じクラスに分類されるよう、分類境界を形成する。このクラス分類には如何なる手法を用いても良いが、例えばk−近傍法を用いる。なお、図4の特徴空間は、簡略化のために2次元空間として示しているだけであり、実際にはN次元空間である。ここでNは任意の自然数を表している。
【0056】
図4において、黒い丸で示された印が入力画像のデータに対応し、閉領域が各キーワードに対応するクラスの分類境界を表す。実線で描かれた閉領域がクラス分類で用いられ、点線で描かれた閉領域は後述の図5に示す分類木との対応をわかりやすくするために示したものである。
【0057】
また、人間が画像に付与するキーワードは、例えば図5に示すような階層構造を持っており、上位の階層のキーワードは特徴空間においてより大きな領域を占め、下位の階層のキーワードの領域を包含する。なお、図5に示す分類木は一例に過ぎず、キーワードや階層数はこれに限定されない。
【0058】
4.上位階層の参照
【0059】
ここで、図2のフローチャートのS209の上位階層の参照について、詳細に説明する。またクラスが図5に示すような3階層の階層構造を持つ場合について、キーワード参照の詳細な流れを図3に示す。
【0060】
第3階層および第2階層のクラスの分類頻度をそれぞれZ3、Z2とし、第3階層および第2階層での閾値をα3、α2とする。
【0061】
参照対象階層決定部20(S207)で第3階層のクラスの分類頻度Z3が閾値α3未満であり、キーワードの参照が必要と判断された場合、さらに第2階層のクラスの分類頻度Z2が閾値α2未満であるかどうかを判定する(S2091)。この際、第2階層のクラスの分類頻度Z2は、第2階層に包含される第3階層の全てのクラスの特徴量の数を総和した数を用いる。ある第2階層に包含される第3階層の各クラスの特徴量の数がそれぞれa1、a2、…anであったとすると、この第2階層のクラスの特徴量の数n2[個]は、下式(2)のようになる。
【数1】

【0062】
よって、第2階層全体の特徴量の数をm2[個]とすると、分類頻度Z2は、下式(3)のようになる。
【0063】
Z2=100×n2/m2 ・・・・・(3)
【0064】
第2階層の分類頻度Z2が閾値α2未満でない場合は、第2階層のキーワードが参照され(S2092)、第2階層の分類頻度Z2が閾値α2未満である場合は、第1階層のキーワードが参照される(S2093)。なお、閾値α3、α2は、大小関係が必ずしもα3>α2となるとは限らない。
【0065】
5.上位階層の参照の具体例
【0066】
画像が入力されて、キーワードが表示されるまでの流れの具体例を説明する。図6のような画像が入力されたとし、クラス分類結果を特徴空間で示したものが図7、キーワードを分類木で示したものが図5とする。
【0067】
まず、入力画像から特徴量が抽出され、図4に示すクラス構造に基づいて対応クラスが特定される。図7にクラス特定の結果を特徴空間で示したものを示す。
【0068】
クラス特定の結果、入力画像から抽出された特徴量に対応する対応クラスは、「ダルメシアン」、「日本猫」、「海」、「山」、「空」、「田舎町」の各クラスであると特定される。
【0069】
次に、蓄積された画像の枚数xが100の倍数であるとすると、各クラスの分類頻度Z3がそれぞれ計測される。計測結果のグラフを図8に示す。○で囲まれたクラスが、対応クラスである。また、閾値α3をα3=40とし、グラフ上に点線で示した。
【0070】
図8より、○で囲まれたクラスのうちZ3<α3を満たさないのは、「日本猫」のクラスである。よって、「日本猫」のクラスは現在の参照対象階層の対応クラスのキーワードである“日本猫”が表示キーワードとして決定される。
【0071】
また、○で囲まれた対応クラスのうち、Z3<α3を満たすクラスは「ダルメシアン」、「海」、「山」、「空」、「田舎町」である。これらの5つの対応クラスについてはこの時点では表示キーワードは決定されず、上位の階層である第2階層の参照が行われる。
【0072】
次に、第2階層のクラスの出現頻度Z2が計測される。計測結果のグラフを図9に示す。○で囲まれたクラスが、第2階層における対応クラスである。第2階層の閾値α2をα2=30とし、グラフ上に点線で示した。
【0073】
「ダルメシアン」の第2階層のクラスは図5より「犬」であり、図9より「犬」はZ2<α2を満たすため、ここでも表示キーワードは決定されず、さらに上位階層である第1階層の対応クラス「動物」が参照される。
【0074】
「海」、「山」、「空」の第2階層のクラスは「自然」であり、図9より「自然」はZ2<α2を満たさないため、第2階層のクラスのキーワード“自然”が表示キーワードとして決定される。
【0075】
「田舎町」の第2階層の対応クラスは「街」であり、図9より「街」はZ2<α2を満たすため、ここでも表示キーワードは決定されず、さらに上位階層である第1階層の対応クラス「風景」が参照される。
【0076】
これらより、結果として図10に示したように、対応クラス「ダルメシアン」、「日本猫」、「海」、「山」、「空」、「田舎町」から、“動物”、“日本猫”、“自然”、“風景”が表示キーワードとして決定され、入力画像と併せて画面に表示される。なお、以上の処理における図8、図9をより詳細に説明した図が図11である。
【0077】
また、この状態は次の分類頻度計測処理が行われるまでメモリに記憶される。蓄積された画像の枚数が100の倍数でない場合、分類頻度計測処理は行われず、クラス分類の結果より第3階層の対応クラスに基づいて、メモリに記憶されている参照処理に基づいて表示キーワードが決定される。
【0078】
6.検索に応用した場合の具体例
【0079】
ユーザーがキーワードを入力または選択をして所望の画像を検索する場合も、キーワード付与時と同様に、蓄積された撮影画像の分類頻度に応じて検索キーワードは異なる。蓄積された撮影画像から、ユーザーの興味が高いと思われるカテゴリほどより詳細なキーワードが検索キーワードとして表示される。
【0080】
検索に用いるキーワードは図5に示すような階層構造で、第1階層のクラスのキーワードからユーザーが選択するとし、ユーザーが検索キーワードを入力してから画像が表示されるまでの処理の流れを図12に示す。
【0081】
まず、ユーザーにより選択された第1階層のクラスのキーワードが入力される(S101)。次に、入力されたキーワードの第3階層のクラスを選択する(S102)。この際、入力されたキーワードの第3階層全てのクラスに対して処理を行う。
【0082】
次に、キーワード付与時に第3階層の対応クラスのキーワードが付与されたか否かを判断する(S103)。第3階層の対応クラスのキーワードが付与された場合は第3階層を指定し(S104)、第2階層および第1階層のキーワードが付与された場合は第2階層を指定する(S105)。
【0083】
こうして指定された階層全てのキーワードを検索候補キーワードとし(S106)、表示する(S107)。
【0084】
さらにユーザーにより表示されたキーワードの中から検索キーワードが選択され(S108)、選択された検索キーワードを用いて画像検索処理が実施される(S109)。
【0085】
例えば、ユーザーが「動物」というキーワードを選択した場合、図5よりまず第3階層の「チワワ」、「ダルメシアン」、「柴犬」、「ペルシャ」、「アビシニアン」、「日本猫」、「インコ」、「鳩」のクラスが選択される。この全てのクラスに対して、どの階層のキーワードが付与されたかを判断する。「日本猫」のみが第3階層を参照されたとすると、「日本猫」のみ第3階層が指定され、その他のクラスは第2階層が指定されるため、“犬”、“猫”、“日本猫”、“鳥”というキーワードが検索キーワードとして表示される。
【0086】
また、第3階層の「ペルシャ」と「アビシニアン」をまとめて“その他の猫”として検索キーワードに追加してもよい。“日本猫”が検索キーワードとして用いられている以上、日本猫の画像は多数あることが想定される。そのため、“日本猫”の上位概念である“猫”をキーワードとして検索しても、多数の日本猫画像を含む大量の猫画像がヒットしてしまい、目的の画像を見つけることが困難である。つまり、下位概念の“日本猫”と上位概念の“猫”が同時に現れた場合には、上位概念の“猫”は“日本猫”以外の下位概念に起因するキーワードであると判断することができる。よってこの場合、「ペルシャ」「アビシニアン」に対応するキーワードとして“その他の猫”を検索キーワードに表示することで、“日本猫”を検索対象から除外することができるため、より効率的な検索が可能となる。
【0087】
7.変形例
【0088】
クラス(キーワード)の階層構造は、ある1つのクラスに対して上位階層のクラスが複数候補ある場合もある。各階層は独立しており、分類頻度により上位階層クラスのキーワードを参照する場合は、全ての階層のクラスのキーワードを参照する。
【0089】
例えば、図13は「動物」の階層とは別に「色」の階層がある場合を示し、「日本猫」のクラスを例にすると、上位階層が参照された場合、“猫”と“白”が参照される。
【0090】
以上の本実施形態では、図1に示したように、キーワード付与装置は、複数のキーワードが第1〜第Nの階層からなるクラスに分類(例えば図5のような分類)されている場合に入力画像の特徴量に基づいて対応クラスを特定するクラス特定部16と、複数のクラスの各クラスに対して分類頻度の計測を行う分類頻度計測部19と、参照対象階層を決定する参照対象階層決定部20と、参照対象階層決定部20により最終的に参照された参照対象階層における対応クラスのキーワードを表示キーワードとして決定するキーワード決定部23と、を含む。そして、参照対象階層決定部20は、第j(jは1≦j≦Nの整数)の階層における分類頻度の値に基づいて、第jの階層よりも上位の階層である第k(kは1≦k<jの整数)の階層への参照が必要であるか否かの判定を行い、参照が必要と判定された場合には、第kの階層を次の参照対象階層として決定する。
【0091】
ここで、対応クラスとは、入力画像に対応するクラスのことである。例えば、図6のような入力画像が得られ、クラス分類が図5であるような場合には、「ダルメシアン」、「日本猫」、「海」、「山」、「空」、「田舎町」が第3階層の対応クラスとなる。なお、本実施形態では上位階層である第2階層の「犬」、「猫」、「自然」、「街」及び第1階層の「動物」、「風景」も対応クラスとして取り扱う。また、参照対象階層とは、分類頻度の参照を行う階層のことである。上述したように、所定枚数(例えば100枚)の画像が取得された時点で、全てのクラスに対して分類頻度が計測される。分類頻度は階層ごとに計測されるものであり、参照対象階層とは、どの階層における分類頻度を処理に用いるかを表すものである。
【0092】
これにより、各クラスで分類頻度を計測し、その中で特定の階層を参照対象階層として、参照対象階層について、計測した分類頻度を用いて処理を行うことができる。具体的には参照対象階層における分類頻度に基づいて、さらに上位の階層を参照する必要があるかどうかの判定を行い、参照の必要がある場合には上位の階層を次の参照対象階層として参照する。よって、分類頻度に基づいて、必要に応じて、下の階層から上の階層へ参照を行って行くことが可能になる。最終的に参照した階層におけるキーワードが表示キーワードとして決定されることに鑑みれば、下位の階層におけるキーワードを優先しつつ、かつ、上位の階層におけるキーワードも必要に応じて付与することが可能なキーワード付与装置を実現することができる。
【0093】
また、参照対象階層決定部20は、第jの階層における分類頻度に基づいて、第jの階層よりも上位の階層への参照が必要ないと判定された場合には、第jの階層を最終的な参照対象階層として決定する。そして、キーワード決定部23は、第jの階層における対応クラスのキーワードを入力画像の付与する表示キーワードとして決定する。
【0094】
これにより、上位の階層の参照が必要ないと判定された場合には、上位の階層への参照処理を終了して、そのときの参照対象階層を最終的な参照対象階層として決定することができる。つまり、下位の階層からスタートして、より上位の階層へと移行して行く参照処理を途中で止めることができるため、任意の階層におけるキーワードを表示キーワードとして決定することが可能になる。
【0095】
また、参照対象階層決定部20は、最も下の階層である第Nの階層を最初の参照対象階層として決定するとともに、第Nの階層における分類頻度に基づいて、第Nの階層よりも上位の階層への参照が必要か否かの判定を行う。図5の例であれば、第3階層を最初の参照対象階層として決定する。そして、上位階層の参照が必要な場合は、上位の階層を次の参照対象階層として決定する。参照が必要でない場合は、第Nの階層を最終的な参照対象階層として決定し、第Nの階層における対応クラスのキーワードを、入力画像に付与する表示キーワードとして決定する。
【0096】
これにより、最も下の階層を参照処理のスタートとして用いることが可能になる。参照処理は専ら下から上への方向で行われるため、開始を中位の階層にしたのでは、それより下の階層への参照はできなくなってしまう。そのため、最も下の階層から処理を開始することは任意の階層の参照を可能にするという観点から非常に重要である。
【0097】
また、第jの階層における、対応クラスの分類頻度の値が所与の閾値よりも小さい場合には、参照対象階層決定部20は上位の階層である第kの階層を次の参照対象階層として決定してもよい。また、第jの階層における、対応クラスの分類頻度の値が所与の閾値よりも大きい場合には、参照対象階層決定部20は上位の階層への参照を終了して、第jの階層を最終的な参照対象階層として決定してもよい。
【0098】
これにより、上位の階層への参照が必要か否かを閾値との比較処理により行うことが可能になる。閾値よりも小さい場合に上位階層の参照を行い、閾値よりも大きい場合に参照を行わないようにすることで、頻度の高いものについては下位階層のキーワードが付与され、頻度の低いものについては上位階層のキーワードが付与されることになる。この際、第jの階層における閾値と、第kの階層における閾値とを異ならせることにより、さらに柔軟な処理が可能になる。
【0099】
また、クラス特定部16において、複数の入力画像の各入力画像に対して、1又は複数の対応クラスが特定された場合に、分類頻度は以下のようにして求められる。すなわち、所与の階層に属する全てのクラスのクラス特定回数の総和をmとし、分類頻度参照対象クラスのクラス特定回数をnとしたときに、分類頻度はn/mに基づいて求められる。
【0100】
ここで、クラス特定回数とは、各クラスがクラス特定部16において特定された回数のことである。図6の画像が入力された場合には、「ダルメシアン」、「日本猫」、「海」、「山」、「空」、「田舎町」が対応クラスとして特定されるため、この6つのクラスのクラス特定回数が1増えることになる。
【0101】
これにより、簡単な式により分類頻度を求めることが可能になるため、処理を容易にすることができる。入力画像が入力された際には、キーワード付与のために対応クラスを特定する処理は必ず必要である。よって、分類頻度計測のために特有の処理を行う必要がなく、キーワード付与処理の中で自然に分類頻度を求めることができる。
【0102】
また、キーワード付与装置は、図1に示したように、キーワード決定部23で決定したキーワードを表示するキーワード表示部24を含んでもよい。そして、キーワード表示部24は、参照対象階層決定部20で参照された階層以外の対応クラスのキーワードを候補として提示してもよい。
【0103】
これにより、キーワードを表示することが可能になる。また、本実施形態の手法では、下位概念となるキーワードと、その下位概念を包含する上位概念となるキーワードが同時に付与されるようなケースが考えられる。そのため、上位概念のキーワードを表示する有効性に乏しい可能性がある。上述した例では図6の画像に対して“日本猫”と“動物”というキーワードが付与されるが、“動物”というキーワードは検索に用いたとしてもあまり有用ではない(たくさんの日本猫の画像も“動物”に該当してしまうため)。よって、この“動物”は「ダルメシアン」に起因することを考えれば、あえて“動物”の下位概念である“犬”をキーワードとして表示した方が、検索をスムーズにすることができる。
【0104】
また、第1〜第Nの階層からなるクラスは、下位の階層に行くに従い、より詳細なキーワードに対応してもよい。
【0105】
これにより、下位の階層が下位概念であり、上位の階層が上位概念となるクラス分類を構成することができる。よって、上述したように、頻度が高ければ下位の階層のキーワードを付与し、頻度が低ければ上位の階層のキーワードを付与するキーワード付与装置においては、頻度が高ければ詳細なキーワードが付与され、頻度が低ければ荒いキーワードが付与されることになる。そのため、ユーザーの嗜好等を反映したキーワード付与が可能になる。
【0106】
また、本実施形態の手法は、複数のキーワードが第1〜第Nの階層からなるクラスに分類(例えば図5のような分類)されている場合に入力画像の特徴量に基づいて対応クラスを特定するクラス特定手順と、複数のクラスの各クラスに対して分類頻度の計測を行う分類頻度計測手順と、参照対象階層を決定する参照対象階層決定手順と、参照対象階層決定部20により最終的に参照された参照対象階層における対応クラスのキーワードを表示キーワードとして決定するキーワード決定手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムにも適用できる。そして、参照対象階層決定手順では、第j(jは1≦j≦Nの整数)の階層における分類頻度の値に基づいて、第jの階層よりも上位の階層である第k(kは1≦k<jの整数)の階層への参照が必要であるか否かの判定を行い、参照が必要と判定された場合には、第kの階層を次の参照対象階層として決定する。
【0107】
これにより、本実施形態は、撮像装置のように、画像を取得し、システム内でキーワード付与処理を行うものに限定されず、例えば、まず画像データを蓄積し、その後、蓄積された画像データに対してPC等のコンピューターシステムでソフトウェア的に処理を行うものにも適用することが可能になる。そして、上記プログラムは、情報記憶媒体に記録される。ここで、情報記録媒体としては、DVDやCD等の光ディスク、光磁気ディスク、ハードディスク(HDD)、不揮発性メモリやRAM等のメモリなど、光学式検出システムによって読み取り可能な種々の記録媒体を想定できる。
【0108】
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またキーワード付与装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0109】
12 メモリ、14 画像取得部、15 特徴量抽出部、16 クラス特定部、
18 画像枚数測定部、19 分類頻度計測部、20 参照対象階層決定部、
23 キーワード決定部、24 キーワード表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーワードが第1〜第N(Nは2以上の整数)の階層からなる複数のクラスに分類されている場合に、入力画像から抽出した特徴量に基づいて、前記入力画像に対応するクラスである対応クラスを特定するクラス特定部と、
前記複数のクラスの各クラスに対して分類頻度の計測を行う分類頻度計測部と、
前記分類頻度の参照を行う階層である参照対象階層を決定する参照対象階層決定部と、
前記参照対象階層決定部により最終的に参照された前記参照対象階層における前記対応クラスのキーワードを、前記入力画像に付与する表示キーワードとして決定するキーワード決定部と、
を含み、
前記参照対象階層決定部は、
第j(jは1≦j≦Nの整数)の階層が現在の前記参照対象階層であるときに、第jの階層における前記対応クラスの前記分類頻度の値に基づいて、前記第jの階層よりも上位の階層である第k(kは1≦k<jの整数)の階層への参照が必要であるか否かの判定を行い、参照が必要と判定された場合には、前記第kの階層を次の参照対象階層として決定することを特徴とするキーワード付与装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記参照対象階層決定部は、
前記第jの階層における前記分類頻度の値に基づいて、前記第jの階層よりも上位の階層への参照が必要ないと判定された場合には、前記第jの階層を最終的な前記参照対象階層として決定し、
前記キーワード決定部は、
前記第jの階層における、前記対応クラスのキーワードを、前記入力画像に付与する表示キーワードとして決定することを特徴とするキーワード付与装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記参照対象階層決定部は、
最も下の階層である第Nの階層を、最初の前記参照対象階層として決定するとともに、
第Nの階層における前記分類頻度の値に基づいて、第Nの階層よりも上位の階層への参照が必要か否かの判定を行い、
前記第Nの階層よりも上位の階層への参照が必要な場合には、
前記参照対象階層決定部は、
前記上位の階層を次の前記参照対象階層として決定し、
前記第Nの階層よりも上位の階層への参照が必要でない場合には、
前記参照対象階層決定部は、
前記第Nの階層を最終的な前記参照対象階層として決定し、
前記キーワード決定部は、
前記第Nの階層における、前記対応クラスのキーワードを、前記入力画像に付与する表示キーワードとして決定することを特徴とするキーワード付与装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第jの階層における、前記対応クラスの分類頻度の値が所与の閾値よりも小さい場合には、
前記参照対象階層決定部は、
前記第jの階層よりも上位の階層である前記第kの階層を次の前記参照対象階層として決定し、
前記第jの階層における、前記対応クラスの分類頻度の値が所与の閾値よりも大きい場合には、
前記参照対象階層決定部は、
上位の階層への参照を終了し、前記第jの階層を最終的な前記参照対象階層として決定することを特徴とするキーワード付与装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記クラス特定部において、複数の前記入力画像の各入力画像に対して、1又は複数の対応クラスが特定され、前記参照対象階層に属する複数のクラスのクラス特定回数の総和をmとし、分類頻度参照対象クラスのクラス特定回数をnとした場合に、
前記分類頻度計測部は、
前記分類頻度を、n/mに基づいて求めることを特徴とするキーワード付与装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記キーワード決定部で決定したキーワードを表示するキーワード表示部を含むことを特徴とするキーワード付与装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記キーワード表示部は、
前記参照対象階層決定部で参照された階層以外の階層における対応クラスのキーワードも候補として提示することを特徴とするキーワード付与装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記第jの階層に属するクラスのキーワードは、
前記第jの階層よりも上位の階層である前記第kの階層に属するクラスのキーワードに比べて、詳細なキーワードであることを特徴とするキーワード付与装置。
【請求項9】
複数のキーワードが第1〜第N(Nは2以上の整数)の階層からなる複数のクラスに分類されている場合に、入力画像から抽出した特徴量に基づいて、前記入力画像に対応するクラスである対応クラスを特定するクラス特定手順と、
前記複数のクラスの各クラスに対して分類頻度の計測を行う分類頻度計測手順と、
前記分類頻度の参照を行う階層である参照対象階層を決定する参照対象階層決定手順と、
前記参照対象階層決定手順で最終的に参照された前記参照対象階層における前記対応クラスのキーワードを、前記入力画像に付与する表示キーワードとして決定するキーワード決定手順と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記参照対象階層決定手順では、
第j(jは1≦j≦Nの整数)の階層における前記分類頻度の値に基づいて、前記第jの階層よりも上位の階層である第k(kは1≦k<jの整数)の階層への参照が必要と判定された場合には、前記第kの階層を次の参照対象階層として決定することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項9に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−155524(P2012−155524A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13967(P2011−13967)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】