説明

ギフト用包装キット

【課題】第三者にメッセージの内容を把握されることなく、意外性のある状態で相手に必要なメッセージを確実に伝えることのできるギフト用包装キットを提供する。
【解決手段】贈答品を収容する容器10と、一方の面に接着手段が設けられるとともに他方の面にメッセージを記入するための記入領域201が形成されたメッセージシール20とを備え、容器は、有底筒状の容器本体100と、容器本体に嵌合される蓋体110とを備え、メッセージシールは、容器本体に蓋体を嵌合したときに容器本体又は蓋体の何れか一方の外側を向いて相手側と対向することになる外側領域113に貼着するように構成されるとともに、外側領域に貼着して蓋体を容器本体に嵌合することで容器本体又は蓋体の何れか他方にメッセージが隠蔽されるように記入領域が設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、贈答品を包装するためのギフト用包装キットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、贈答品は、箱等の容器で包装した状態で相手に送られるが、その贈答品を送るに当たって、送り主のメッセージを記入したメッセージカードが添えられる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のようにメッセージカードを包装した贈答品に添えると、何人にもメッセージが添えられていることが把握される上に、メッセージの内容まで把握される虞があるため、第三者に知られたくない自分の気持ちをメッセージとして書くことができないといった問題がある。
【0004】
また、従来の方法では、第三者にメッセージの内容が把握されなかったとしても、贈答品を受ける者が一見してメッセージカードの存在を認識できてしまうため、贈答品を受ける者に対し、何らかのメッセージが添えられているかどうかといった期待感を与えたり、メッセージが添えられていないと思わせながらも開封時にメッセージが添えられていたことを認識させて驚きや感動を与えたりするといった演出ができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、第三者にメッセージの内容を把握されることなく、贈答品を受ける者に対して種々の演出を施しつつ必要なメッセージを確実に伝えることのできるギフト用包装キットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るギフト用包装キットは、贈答品を収容する容器と、一方の面に接着手段が設けられるとともに他方の面にメッセージを記入するための記入領域が形成されたメッセージシールとを備え、前記容器は、有底筒状の容器本体と、容器本体に嵌合される蓋体とを備え、前記メッセージシールは、容器本体に蓋体を嵌合したときに容器本体又は蓋体の何れか一方の外側を向いて相手側と対向することになる外側領域に貼着するように構成されるとともに、外側領域に貼着して蓋体を容器本体に嵌合することで容器本体又は蓋体の何れか他方にメッセージが隠蔽されるように記入領域が設定されていることを特徴とする。
【0007】
上記構成のギフト用包装キットによれば、メッセージを記入するための記入領域が形成されたメッセージシールを備えているため、メッセージシールの記入領域に自分の思いをメッセージとして自筆で記入できる。これにより、メッセージに味わいを出すことができ、自分の思いを相手に伝えることができる。また、メッセージシールは、一方の面に接着手段が設けられているので、容器本体に蓋体を嵌合したときに容器本体又は蓋体の何れか一方の外側を向いて相手側と対向することになる外側領域に貼着することができる。従って、容器本体又は蓋体に貼着する前、すなわち、メッセージを記入し易い状態で記入領域に必要なメッセージを記入することができる。そして、メッセージシールは、外側領域に貼着して蓋体を容器本体に嵌合することで容器本体又は蓋体の何れか他方にメッセージが隠蔽されるように記入領域が設定されているので、未開封状態で第三者にメッセージの内容が把握されることがない。また、上述の如くメッセージが隠蔽されることで、贈答品を受ける者に対し、何らかのメッセージが添えられているかどうかといった期待感を与えたり、メッセージが添えられていないと思わせながらも開封時にメッセージが添えられていたことを認識させて驚きや感動を与えたりするといった演出をすることができる。
【0008】
本発明の一態様として、一方の面に有色透明又は無色透明の接着層が形成されるとともに該接着層に対して離形紙が剥離可能に積層された有色透明又は無色透明の保護シールを更に備え、該保護シールは、記入領域を被覆可能なサイズに設定されていることが好ましい。このようにすれば、メッセージシールの記入領域を覆うように保護シールをメッセージシールに貼り付けることができ、容器本体に蓋体を嵌合するに際して外側領域と対向することになる容器本体又は蓋体(相手側)の内側に向いた面が接触しても直筆で記入したメッセージが保護シールに保護され、当該メッセージが掠れたり滲んだりしてしまうことを防止することができる。なお、ここで「離形紙」とは、接着層から剥離できるように表面にコーティング等が施されたシート状のものをいい、紙以外に樹脂製のシート等を基材とするものを含む概念である。
【0009】
本発明の他態様として、前記メッセージシールは、外側領域内に配置可能なサイズに形成され、外側領域に貼着する際に容器本体又は蓋体の何れか一方の開口端側に位置することになる端縁の少なくとも一部に折り返し可能な位置決め用突片が延設されていることが好ましい。このように位置決め用突片を設ければ、外側領域を有する容器本体又は蓋体の開口端部を巻き込むようにして位置決め用突片を折り返すことでメッセージシールが外側領域に対して位置決めされた状態となる。これにより、メッセージシールを容器本体と蓋体との重なりあった領域から外部にはみ出させることなく外側領域に対して貼着することができる。従って、メッセージの内容のみならずメッセージシールの存在も確実に隠蔽することができる。
【0010】
本発明の別の態様として、一方の面の全面に接着層が形成されるとともに該接着層に対して離形紙が剥離可能に積層されたシール体を備え、シール体は、少なくとも二つの領域が分離可能に構成され、該シール体から分離される領域が、嵌合した容器本体と蓋体とを貼着するための封印シール及び前記メッセージシールになるように構成されていることが好ましい。このようにすれば、一枚のシール体と容器とのセットとすることができ、部品点数を減らすことができる。また、シール体から分離した領域からなる封印シールで容器本体と蓋体とを貼着することで、容器本体に嵌合した蓋体が不用意に脱落することがなく、容器内に贈答品を収容した状態で確実に維持させることができ、また、外側領域に貼着したメッセージが不用意に露呈してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るギフト用包装キットによれば、第三者にメッセージの内容を把握されることなく、贈答品を受ける者に対して種々の演出を施しつつ必要なメッセージを確実に伝えることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係るギフト用包装キットについて、添付図面を参照しつつ説明する。
【0013】
本実施形態に係るギフト用包装キットは、図1に示す如く、贈答品(図示しない)を収容する容器10と、送り主のメッセージが記入されるメッセージシール20とを備えている。
【0014】
前記容器10は、有底筒状の容器本体100と、容器本体100に嵌合される蓋体110とを備えている。本実施形態に係る容器本体100は、円筒状の本体側胴部101と、該本体側胴部101の一端開口を閉塞した底部102とで構成されている。そして、本実施形態に係る本体側胴部101は、紙管で構成され、底部102は、本体側胴部101の開口形状に対応して平面視円形状に形成された厚紙により構成されている。そして、該容器本体100は、本体側胴部101の一端部が内側に向けてカール処理されており、他端開口側から嵌め込まれた底部102の外周縁部を本体側胴部101のカールした部位で受けることで有底円筒状に形成されている。
【0015】
これに対し、前記蓋体110は、円筒状の蓋側胴部111と、該蓋側胴部111の一端開口を閉塞した閉塞部112とで構成されている。前記蓋側胴部111は、紙管により構成され、閉塞部112は、蓋側胴部111の開口形状に対応して平面視円形状に形成された厚紙により構成されている。そして、該蓋体110は、蓋側胴部111の一端部が内側に向けてカール処理されており、他端開口側から嵌め込まれた閉塞部112の外周縁部を蓋側胴部111のカールした部位で受けることで、容器本体100と同様に有底円筒状に形成されている。
【0016】
本実施形態に係る容器10は、容器本体100の他端部に対して蓋体110を外嵌することで容器本体100の開口端を塞ぐようになっている。これに伴い、蓋側胴部111は、前記本体側胴部101よりも内径が大きく設定されており、容器本体100(本体側胴部101)に蓋体110(蓋側胴部111)を外嵌したときに互い対向する外側に向いた外側領域113(外周面)と内側に向いた内側領域(内週面)とが近接するようになっている。ここで、外側領域113と内側領域とが近接とは、両者間にメッセージシール20が介在できる状態で可能な限り接近している状態を意味する。すなわち、本体側胴部101の外径及び蓋側胴部111の内径が、互いに嵌合した状態でその間にメッセージシール20(本実施形態においてはメッセージシール20と後述する保護シール30)を介装することのできる微小な隙間が形成される寸法に設定されていることを意味する。
【0017】
前記メッセージシール20は、図2(a)及び図2(b)に示す如く、一方の面に接着手段200が設けられるとともに他方の面にメッセージを記入するための記入領域201が形成されている。該メッセージシール20は、容器本体100に蓋体110を嵌合したときに容器本体100又は蓋体110の何れか一方の外側を向いて相手側と対向することになる外側領域113に貼着するように構成されている。そして、該メッセージシール20は、外側領域113に貼着して蓋体110を容器本体100に嵌合することで容器本体100又は蓋体110の何れか他方にメッセージが隠蔽されるように記入領域201が設定されている。
【0018】
本実施形態においては、上述の如く、容器本体100の本体側胴部101に蓋体110の蓋側胴部111が外嵌されるように構成されているため、本体側胴部101の他端側の外周面が前記外側領域113となり、蓋側胴部111の内周面が内側領域となる(図1参照)。なお、図1においてクロスハッチングを付した領域が本実施形態における外側領域113を示している。
【0019】
本実施形態に係るメッセージシール20は、記入領域201が外側領域113内に収まるように形状及びサイズが設定されている。前記記入領域201は、メッセージシール20の全面としてもよいが、例えば、所定の領域を画定するよう、メッセージシール20にフレームを印刷し、そのフレーム内(所定の領域)を記入領域201とするようにしてもよい。本実施形態に係るメッセージシール20は、横長な長方形状に設定されるとともに、各端縁に沿うようにフレーム(図において三点鎖線で示す)が印刷されており、該フレーム内が記入領域201に設定されている。該メッセージシール20は、容器本体100(本体側胴部101)の周方向に長手を合わせるとともに、容器本体100の軸芯方向に短手(長手方向と直交する方向)を合わせることで、記入領域201を含む全体が外側領域113内に収まるサイズになっている。これにより、本体側胴部101に蓋側胴部111を外嵌したときに、外側領域113に貼着されたメッセージシール20全体が蓋側胴部111によって隠蔽されるようになっている。
【0020】
該メッセージシール20は、一方の面の全面に接着手段としての接着層200が積層されており、その接着層200に対して剥離可能に離形紙202が積層されている。このように離形紙202を積層しておくことで、メッセージシール20は、メッセージの記入時に机や台等に貼り付いてしまうことが防止される。なお、ここで「離形紙」とは、接着層200から剥離できるように表面にコーティング等が施されたシート状のものをいい、紙以外に樹脂製のシート等を基材とするものを含む概念である。
【0021】
本実施形態に係るギフト用包装キット1は、上記構成に加え、一方の面に有色透明又は無色透明の接着層300が形成されるとともに該接着層300に対して離形紙301が剥離可能に積層された有色透明又は無色透明の保護シール30を更に備えている。ここでも「離形紙」とは、接着層300から剥離できるように表面にコーティング等が施されたシート状のものをいい、紙以外に樹脂製のシート等を基材とするものを含む概念である。
【0022】
保護シール30は、柔軟な樹脂製シート302に接着層300を積層したもので、記入領域201に記入されたメッセージを保護すべく、記入領域201を被覆可能なサイズに設定されている。
【0023】
本実施形態に係る保護シール30は、メッセージシール20と一体的にして設けられている。すなわち、保護シール30は、メッセージシール20と同形で且つ同サイズに設定されており、何れか一端部を除いて離形紙301が積層されており、その一端部がメッセージシール20の他方の面に貼着されている。このようにすることで、保護シール30は一端部がメッセージシール20に固定されながらも離形紙301の存在する領域がメッセージシール20に貼着されず、その他端側から捲ってメッセージシール20の記入領域201にメッセージを記入でき、記入後に保護シール30から離形紙301を剥離して該保護シール30とメッセージシール20とを積層状態にして貼着させることができるようになっている。なお、各図においてドットの付した領域が記入領域201にメッセージを記入する前の状態(使用前の状態)のメッセージシール20と保護シール30とが貼着される領域を示している。
【0024】
また、本実施形態に係るギフト用包装キット1は、嵌合した容器本体100と蓋体110とを貼着するための封印シール400を備えている。本実施形態に係るギフト用包装キット1は、一方の面の全面に接着層401が形成されるとともに該接着層401に対して離形紙402が剥離可能に積層されたシール体40を備えており、メッセージシール20や封印シール400の使用時に、シール体40からメッセージシール20及び封印シール400を形成するようになっている。すなわち、シール体40は、少なくとも二つの領域A,Bが分離可能に構成され、その分離された領域A,Bが、封印シール400及び上記構成のメッセージシール20になるように構成されている。これにより、使用するまでの間、メッセージシール20及び封印シール400を別々にすることなく、一体的にしておくことができるようになっている。ここで、シール体40から各領域A,Bを分離させるには、例えば、対象となる領域を抜き取り可能としたり、切り取り可能としたりすればよく、また、少なくとも何れか一つの領域Aを切り取り可能とするとともに他の領域Bを抜き取り可能とすればよい。本実施形態に係るシール体40は、長方形状に形成されており、長手方向の一端側を残すように他端側の領域Aを切り取ることで該他端側の領域Aがメッセージシール20になり、残りの一端側の一部の領域Bを抜き取ることで、抜き取った領域Bが封印シール400になるように構成されている。
【0025】
本実施形態に係るギフト用包装キット1は、以上の構成からなり、図3(a)に示す如く、容器本体100内に贈答品(プレゼント)を収容するとともに、記入領域201にメッセージを記入したメッセージシール20を本体側胴部101の外側領域113に貼着した上で蓋体110を嵌合することで、贈答品を包装することができるとともにメッセージが隠蔽された状態になる。そして、封印シール400で容器本体100の本体側胴部101と蓋体110の蓋側胴部111とを貼着することにより、蓋体110の脱落が確実に防止され、贈答品の包装状態及びメッセージの隠蔽状態が確実に維持されることになる。
【0026】
これにより、相手にプレゼントを渡す際にメッセージの存外に気付かれることがなく、図3(b)に示す如く、開封時(容器本体100から蓋体110を外した時)にメッセージが露呈してその内容を相手に伝えることのできる状態となる。
【0027】
以上のように、本実施形態に係るギフト用包装キット1によれば、メッセージを記入するための記入領域201が形成されたメッセージシール20を備えているため、メッセージシール20の記入領域201に自分の思いをメッセージとして自筆で記入できる。これにより、メッセージに味わいを出すことができ、自分の思いを相手に確実に伝えることができる。
【0028】
また、メッセージシール20の一方の面に接着手段200が設けられているので、容器本体100に蓋体110を嵌合したときに外側を向いて相手側と対向することになる容器本体100の外側領域に貼着することができ、記入し易い状態で記入領域201に必要なメッセージを記入することができる。そして、メッセージシール20は、外側領域113に貼着して蓋体110を容器本体100に嵌合することで蓋体110にメッセージが隠蔽されるように記入領域201が設定されているので、未開封状態で第三者にメッセージの内容が把握されることがない。また、上述の如くメッセージが隠蔽されることで、贈答品を受ける者に対し、何らかのメッセージが添えられているかどうかといった期待感を与えたり、メッセージが添えられていないと思わせながらも開封時にメッセージが添えられていたことを認識させて驚きや感動を与えたりするといった演出をすることができる。
【0029】
従って、本実施形態に係るギフト用包装キット1は、第三者にメッセージの内容を把握されることなく、贈答品を受ける者に対して種々の演出を施しつつ必要なメッセージを確実に伝えることができるという優れた効果を奏し得る。
【0030】
さらに、本実施形態に係るギフト用包装キット1は、一方の面に有色透明又は無色透明の接着層300が形成されるとともに該接着層300に対して離形紙301が剥離可能に積層された有色透明又は無色透明の保護シール30を備え、保護シール30が、記入領域201を被覆可能なサイズに設定されているので、メッセージシール20の記入領域201を覆うように保護シール30をメッセージシール20に貼り付けることができ、容器本体100に蓋体110を嵌合するに際して外側領域113と対向することになる蓋体(相手側)110の内側に向いた面が接触しても直筆で記入したメッセージが保護シール30に保護され、直筆のメッセージが掠れたり滲んだりしてしまうことを防止することができる。
【0031】
また、本実施形態に係るギフト用包装キット1は、一方の面の全面に接着層401が形成されるとともに該接着層401に対して離形紙402が剥離可能に積層されたシール体40を備え、シール体40は、少なくとも二つの領域A,Bが分離可能に構成され、シール体40から分離させた領域A,Bが、嵌合した容器本体100と蓋体110とを貼着するための封印シール400及び前記メッセージシール20になるように構成されているので、一枚のシール体40と容器10とのセットとすることができ、部品点数を減らすことができる。従って、使用するまでに当該キット1の各構成がバラバラになって紛失してしまうといった事態になるのを抑制することができる。そして、シール体40から分離した封印シール400で容器本体100と蓋体110とを貼着することで、容器本体100に嵌合した蓋体110が不用意に脱落することがなく、容器10内に贈答品を収容した状態で確実に維持させることができ、また、外側領域113に貼着したメッセージシール20(メッセージ)が不用意に露呈してしまうことを防止することができる。
【0032】
尚、本発明のギフト用包装キットは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0033】
上記実施形態において、容器本体100の本体側胴部101及び蓋体110の蓋側胴部111を円筒形にした容器10について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、本体側胴部101及び蓋側胴部111が多角形筒状(三角筒状や四角筒状等の周囲に角を三つ以上形成された筒状)に形成されたものであってもよい。すなわち、該ギフト用包装キット1の容器10は、容器本体100の本体側胴部101と蓋体110の蓋側胴部111を互いに嵌合させるものであればよい。
【0034】
また、上記実施形態において、容器本体100の本体側胴部101及び蓋体110を構成する蓋側胴部111を軸心方向において内径及び外径が一定をなす筒状に形成したが、例えば、容器本体100と蓋体110とを嵌合させたときに、外嵌される何れか一方の開口端が相手側に当接するように、少なくとも内嵌される側の外側領域を他の領域(外周)よりも小径にして外周段付き形状に形成してもよい。
【0035】
上記実施形態において、容器本体100の本体側胴部101に蓋体110の蓋側胴部111を外嵌させるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、本体側胴部101に蓋側胴部111を内嵌するようにしたものであってもよい。この場合、容器本体100に蓋体110を嵌合したときに外側を向いて相手側と対向する外側領域113は、蓋体110(蓋側胴部111)の外周面となるため、メッセージシール20は蓋体110の外側領域113にすれば上記実施形態と同様に容器本体100と蓋体110との嵌合でメッセージを隠蔽することができる。
【0036】
上記実施形態において、メッセージシール20全体が外側領域113に収まるようにメッセージシール20をサイズ設定したが、これに限定されるものではなく、例えば、メッセージシール20の記入領域201のみが外側領域113(蓋体110と容器本体100が互いに重なり合って対向する領域)内に配置できるものであってもよい。この場合、メッセージシール20が外側領域113から外側にはみ出ることがあるが、このはみ出る部分(記入領域201以外の領域)に何らかの印刷(例えば、容器10の外面のデザインと対応した印刷等)を施せば、外側領域113からはみ出た部位を容器10の一部であるとカモフラージュすることができ、相手にメッセージの存在を気付かせることなくプレゼントを渡すことができる。また、メッセージシール20は、長方形状のものに限定されるものではなく、外形については適宜変更可能である。
【0037】
上記実施形態において、メッセージシール20の記入領域201を保護するための保護シール30を設けたが、保護シール30は必要に応じて設ければよい。但し、使用者がメッセージを記入する手段には、鉛筆、ボールペン、万年筆等の種々の手段が用いられるので、メッセージに対する擦れ等を考慮すれば、上述のように保護シール30を設けるか、或いは、メッセージシール20に吸水性の高い紙材等を採用して記入領域201に対するインク等の定着性を高めることが好ましいことは言うまでもない。
【0038】
上記実施形態において、保護シール30の端部をメッセージシール20に貼着させてこれらを一体的にするようにしたが、これに限定されるものではなく、保護シール30をギフト用包装キット1の一構成として採用する場合には、保護シール30とメッセージシール20とを別体で用意するようにしてもよい。
【0039】
上記実施形態において、封印シール400及びメッセージシール20が分離可能なシール体40を一構成とし、使用するまでの間、封印シール400及びメッセージシール20を一体的にするようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、メッセージシール20、及び封印シール400をそれぞれ別体で構成してもよい。また、封印シール400は、必要に応じて設ければよいが、包装状態において蓋体110と容器本体100との一体性を確実にするには、当該ギフト用包装キット1の一構成とすることが好ましい。
【0040】
上記実施形態において、メッセージシール20を長方形状(矩形状)に形成したため、メッセージシール20を外側領域113内に収まるように配置を適宜調整した上で該メッセージシール20を外側領域113に貼着するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図4(a)及び図4(b)に示す如く、メッセージシール20は、前記外側領域113内に配置可能なサイズに形成され、該外側領域113に貼着する際に該外側領域113を有する容器本体100又は蓋体110の開口端側に位置することになる端縁の少なくとも一部に折り返し可能な位置決め用突片210が延設されてもよい。このように位置決め用突片210を設ければ、図4(c)に示す如く、外側領域113を有する容器本体100又は蓋体110の開口端部を巻き込むようにして位置決め用突片210を折り返すことでメッセージシール20が外側領域113に対して位置決めされた状態となる。これにより、メッセージ(メッセージシール20)を容器本体100と蓋体110との重なりあった領域から外部にはみ出させることなく外側領域113に対して貼着することができる。従って、メッセージの内容のみならずメッセージシール20の存在も確実に隠蔽することができる。
【0041】
上記実施形態において、メッセージシール20の一方の面全面に接着手段としての接着層200を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、メッセージシール20の角部や外周縁部全周又は一部等に部分的に接着層200を設けるようにしてもよい。すなわち、接着手段200は、メッセージシール20を外側領域113に貼着した状態で、容器10と蓋体110とを嵌合しても貼着状態を維持できるように設ければよい。
【0042】
上記実施形態において、一方の面に接着層300が形成された有色透明又は無色透明な樹脂製シート302そのもので保護シール30を構成したが、例えば、メッセージシール20に貼着した状態で記入領域201(メッセージ)に重ならないように樹脂製シート302にフレームやキャラクター等を印刷したものを保護シール30としてもよい。この場合、保護シール30とメッセージシール20との位置決め(保護シール30のフレーム等と記入領域201(メッセージ)等の位置合わせ)の観点から両者を同サイズに設定することが好ましい。
【0043】
上記実施形態において特に言及しなかったが、当該ギフト用包装キット1の各構成は、使用するまでは、一つのセットとして、単一な袋に全ての構成を入れておいてもよいし、容器10内にメッセージシール20や保護シール(シール体)を入れて該容器10を包装材として兼用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態に係るギフト用包装キットの各構成を説明するための斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係るギフト用包装キットのメッセージシール及び保護シールの説明図であって、(a)は、保護シールが重ねられた状態のメッセージシールの平面図を示し、(b)は、(a)のI−I断面の概略断面図を示す。
【図3】同実施形態に係るギフト用包装キットの使用状態を説明するため斜視図であって、(a)は、贈答品を収容するとともにメッセージを隠蔽した包装状態を示し、(b)は、蓋体を容器本体から取り外して開封し、メッセージが露呈した状態を示す。
【図4】本発明の他実施形態に係るギフト用包装キットのメッセージシールの説明図であって、(a)は、位置決め突片を一つ備えたメッセージシールの平面図を示し、(b)は、位置決め突片を二つ備えたメッセージシール平面図を示し、(c)は、メッセージシールの貼着態様を説明するための斜視図を示す。
【符号の説明】
【0045】
1…ギフト用包装キット、10…容器、20…メッセージシール、30…保護シール、40…シール体、100…容器本体、101…本体側胴部、102…底部、110…蓋体、111…蓋側胴部、112…閉塞部、113…外側領域、200…接着手段(接着層)、201…記入領域、202…離形紙、210…位置決め用突片、300…接着層、301…離形紙、302…樹脂製シート、400…封印シール、401…接着層、402…離形紙、A,B…領域(分離領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
贈答品を収容する容器と、一方の面に接着手段が設けられるとともに他方の面にメッセージを記入するための記入領域が形成されたメッセージシールとを備え、前記容器は、有底筒状の容器本体と、容器本体に嵌合される蓋体とを備え、前記メッセージシールは、容器本体に蓋体を嵌合したときに容器本体又は蓋体の何れか一方の外側を向いて相手側と対向することになる外側領域に貼着するように構成されるとともに、外側領域に貼着して蓋体を容器本体に嵌合することで容器本体又は蓋体の何れか他方にメッセージが隠蔽されるように記入領域が設定されていることを特徴とするギフト用包装キット。
【請求項2】
一方の面に有色透明又は無色透明の接着層が形成されるとともに該接着層に対して離形紙が剥離可能に積層された有色透明又は無色透明の保護シールを更に備え、該保護シールは、記入領域を被覆可能なサイズに設定されている請求項1記載のギフト用包装キット。
【請求項3】
前記メッセージシールは、外側領域内に配置可能なサイズに形成され、外側領域に貼着する際に容器本体又は蓋体の何れか一方の開口端側に位置することになる端縁の少なくとも一部に折り返し可能な位置決め用突片が延設されている請求項1又は2に記載のギフト用包装キット。
【請求項4】
一方の面の全面に接着層が形成されるとともに該接着層に対して離形紙が剥離可能に積層されたシール体を備え、シール体は、少なくとも二つの領域が分離可能に構成され、該シール体から分離される領域が、嵌合した容器本体と蓋体とを貼着するための封印シール及び前記メッセージシールになるように構成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のギフト用包装キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−154881(P2009−154881A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331870(P2007−331870)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(594199452)株式会社鈴木松風堂 (10)
【Fターム(参考)】