ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体
【課題】加熱調理前のギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体を提供する。
【解決手段】電子レンジに収納され、ギョーザを加熱調理するためのギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体であって、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体は、ギョーザが載置される載置部が設けられた有底状のトレイと、載置されたギョーザの姿勢を保持する保持部が設けられたカバーと、上記トレイの裏面に設けられた脚部とを有するギョーザ用電子レンジ加熱容器と、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器を封入する包装材とからなり、上記載置部には、ギョーザと接触する面に、マイクロ波の照射を受けて発熱する導電性物質層が設けられてなるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【解決手段】電子レンジに収納され、ギョーザを加熱調理するためのギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体であって、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体は、ギョーザが載置される載置部が設けられた有底状のトレイと、載置されたギョーザの姿勢を保持する保持部が設けられたカバーと、上記トレイの裏面に設けられた脚部とを有するギョーザ用電子レンジ加熱容器と、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器を封入する包装材とからなり、上記載置部には、ギョーザと接触する面に、マイクロ波の照射を受けて発熱する導電性物質層が設けられてなるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体に関する。さらに詳しくは、冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に使用するギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体であり、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感(「パリパリ」とした軽い食感)と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱処理済みの麺帯包装食品(たとえばギョーザなど)を消費者が購入し、電子レンジにて再加熱することを想定した食品がある(たとえば特許文献1参照)。かかる食品は、加熱処理済みの麺帯食品の加熱処理面が、マイクロ波吸収発熱体(本発明でいう導電性物質)と接触している。そのため、かかる食品を電子レンジで加熱すると、当該マイクロ波吸収発熱体が発熱することにより、麺帯包装食品が加熱されることを特徴とする。
【0003】
特許文献1に記載の発明によれば、加熱処理済みの冷凍ギョーザに加熱処理を施すことにより、製造後から調理に供する期間に、中の具材から皮へ移行した水分を除去し、加熱処理面にクリスピー感を付与することができるとのことである。しかしながら、かかる水分は、元々中の具材から皮へ移行した水分であり、その水分を除去してしまうことにより、具材のしっとり感が失われるという問題がある。また、一度加熱処理済みの冷凍ギョーザを再加熱するため、過度に焼き目がついたり、焦げが生じたりする可能性がある。さらに、繰り返しの加熱により風味が失われるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであり、加熱調理前の冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体は、電子レンジに収納され、ギョーザを加熱調理するためのギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体であって、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体は、ギョーザが載置される載置部が設けられた有底状のトレイと、載置されたギョーザの姿勢を保持する保持部が設けられたカバーと、上記トレイの裏面に設けられた脚部とを有するギョーザ用電子レンジ加熱容器と、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器を封入する包装材とからなり、上記載置部には、ギョーザと接触する面に、マイクロ波の照射を受けて発熱する導電性物質層が設けられてなることを特徴とする。
【0007】
本発明は、かかる構成を有することにより、加熱調理前の冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体を提供することができる。
【0008】
上記保持部は、上記カバーの一部がギョーザの一部と当接するよう立体成型された凹部であるか、上記カバーに設けられた1または複数の孔部であることが好ましい。
【0009】
かかる構成を有することにより、載置部に載置されたギョーザの姿勢が確実に保持され、導電性物質層とギョーザとの接触面を介して、ギョーザを充分に加熱することができるとともに、適切かつ見栄えよくギョーザに焼き目や焦げ目を付すことができる。また、ギョーザが複数である場合においても、それぞれの焼き目等や加熱の具合等の個体差を生じず、均一な調理を施すことができる。
【0010】
上記トレイとカバーとが、一体的に設けられてなることが好ましい。
【0011】
かかる構成を有することにより、部材点数が少なく、製造時において材料の歩留まりを向上させることができる。また、製造時においてギョーザ用電子レンジ加熱容器を組み立てやすい。
【0012】
上記カバーの一部に、上記トレイの一部に設けられた被係合部と係合する係合部が設けられてなることが好ましい。
【0013】
かかる構成を有することにより、たとえば消費者が複数のギョーザのうちの一部を食べ残した場合などに、カバーを閉止することができ、利便性がよい。
【0014】
上記カバーを覆う蓋部がさらに設けられてなることが好ましい。
【0015】
かかる構成を有することにより、カバーにより保持されたギョーザの姿勢をさらに強固に保持することができる。また、外部からの衝撃に対する耐性が向上する。さらに、たとえば蓋部の内面に文字を付すことができ、広告面として使用することができる。
【0016】
上記トレイと、カバーと、蓋部とが、一体的に設けられてなることが好ましい。
【0017】
かかる構成を有することにより、部材点数が少なく、製造時において材料の歩留まりを向上させることができる。また、製造時においてギョーザ用電子レンジ加熱容器を組み立てやすい。
【0018】
上記蓋部の一部に、上記トレイの一部に設けられた被係合部と係合する係合部が設けられてなることが好ましい。
【0019】
かかる構成を有することにより、たとえば消費者が複数のギョーザのうちの一部を食べ残した場合などに、蓋部を閉止することができ、利便性がよい。
【0020】
上記包装材の一部に通蒸部が設けられてなることが好ましい。
【0021】
かかる構成を有することにより、電子レンジにて加熱調理をしている最中に、内圧が上昇し過ぎたことにより包装材が破裂することを防止することができる。
【0022】
上記通蒸部は、包装材の未シール部であるか、上記包装材のシール部のうち、シール強度の弱い弱シール部であるか、シール部の間に易剥離性フィルムを挿入して形成した弱シール部であるか、シール部が異形シール構造を有することが好ましい。
【0023】
かかる構成を有することにより、電子レンジにて加熱調理をしている最中に、内圧を充分に高めて加熱調理を施しながら、ギョーザ(特に中の具)からの水分の減少を防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、加熱調理前の冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態(実施の形態1)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図2】本発明の一実施形態(実施の形態1)にかかるトレイの平面図
【図3】本発明の一実施形態(実施の形態1)にかかるカバーの平面図
【図4】本発明の一実施形態(実施の形態2)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図5】本発明の一実施形態(実施の形態2)にかかるトレイの平面図
【図6】本発明の一実施形態(実施の形態2)にかかるカバーの平面図
【図7】本発明の一実施形態(実施の形態3)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図8】本発明の一実施形態(実施の形態3)にかかるカバーおよびトレイの平面図
【図9】本発明の一実施形態(実施の形態4)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図10】本発明の一実施形態(実施の形態4)にかかるカバーおよびトレイの平面図
【図11】本発明の一実施形態(実施の形態5)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図12】本発明の一実施形態(実施の形態5)にかかるカバーおよびトレイの平面図
【図13】本発明の一実施形態(実施の形態6)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図14】本発明の一実施形態(実施の形態6)にかかるカバーおよびトレイの平面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1を、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1の説明図である。図2は、本実施の形態にかかるトレイ2の平面図である。図3は、本実施の形態にかかるカバー3の平面図である。
【0027】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1は、図1〜図3に示されるように、電子レンジに収納され、ギョーザを加熱調理するためのギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1であって、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1は、ギョーザが載置される載置部4が設けられた有底状のトレイ2と、載置されたギョーザの姿勢を保持する保持部5が設けられたカバー3と、上記トレイ2の裏面に設けられた脚部6とを有するギョーザ用電子レンジ加熱容器7と、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器7を封入する包装材8とからなり、上記載置部4には、ギョーザと接触する面に、マイクロ波の照射を受けて発熱する導電性物質層9が設けられてなることを特徴とする。以下、各構成について説明する。
【0028】
<トレイ2について>
トレイ2について説明する。図1および図2に示されるように、トレイ2は、組み立てられた状態において有底状の形状を有する箱体であり、ギョーザが載置される載置部4を有する。また、トレイ2の裏面には脚部6が設けられてなる。
【0029】
トレイ2の材質としては特に限定されず、電子レンジ調理に供することのできる材料であればよい。たとえば、紙を使用することができる。
【0030】
載置されるギョーザは、冷凍ギョーザであっても、チルドギョーザであってよく、加熱調理が施されていない、いわゆる生ギョーザであればよい。ギョーザの個数としては特に制限されず、通常は複数個が間隔を空けて横並びに載置される。本実施の形態では、図1、図3に示されるように、5個のギョーザが載置されてなる。
【0031】
トレイ2の載置部4には、ギョーザと接触する面に、電子レンジによるマイクロ波の照射を受けて発熱する導電性物質の層(導電性物質層9)が設けられてなる。なお、導電性物質層9は、トレイ2の表面に接着剤の層を介して設けることが好ましい。また、導電性物質層9を保護するために、耐熱性フィルム層を設けてもよい。
【0032】
耐熱性フィルム層としては、導電性物質層9による発熱に対して耐熱性のあるフィルムであれば、特に種類を限定されない。すなわち、金属薄膜の蒸着加工適性を有しているフィルムを使用するのが好ましく、たとえば、厚さが9μm〜50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)が好適に使用される。
【0033】
導電性物質層9は、アルミニウムやニッケル、ステンレス、金、銀、白金、亜鉛などの導電性物質からなる金属薄膜を耐熱性フィルム層上に蒸着することにより形成される。中でも、コスト面などを考慮するとアルミニウム薄膜により形成することが好ましい。また、金属薄膜の厚みとしては、50〜150オングストロームの範囲が好ましい。蒸着方法としては、たとえば、公知の真空蒸着法およびスパッタリング法などの気相堆積法を利用することができる。
【0034】
トレイ2を構成する紙の材質や厚さは、特に限定されるものではないが、紙厚が坪量20g/m2〜120g/m2程度の薄紙を使用するのが好ましい。このような薄紙を使用することにより、電子レンジによる加熱調理の完了後に、導電性物質層9から伝達される熱がこもらずに効果的に外気に放熱されるため、導電性物質層9の温度の早期低下を促進することができる。上記した構成の具体例としては、たとえば、凸版印刷(株)製のサセプター(登録商標)が商用的には入手可能であり、好適に使用することができる。
【0035】
脚部6は、電子レンジによりギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1を調理する際に、上記導電性物質層9の温度が上昇することによって包装材8が溶融することを防止するために設けられてなる。すなわち、トレイ2の裏面に設けることにより、導電性物質層9と包装材8とが離間される。その結果、包装材8が熱により溶融することを防止することができる。脚部6の構成としては、構成する部材点数を減らすこと、製造時の材料の歩留まりを向上させる観点から、図2に示されるように、トレイ2の一部に切り込みを設け、トレイ2を組み立てる際に、脚部6がトレイ2の離面側に張り出す構成を採用することが好ましい。組み立てた際の脚部6の高さ(接地面とトレイ2の裏面との離間距離)としては、特に限定されないが、3mm〜20mm程度であれば、包装材8が溶融することがなく好ましい。なお、本実施の形態では、トレイ2の一部を脚部6として使用する場合を例に説明したが、本実施の形態はこれに限定されず、脚部6として別部材をトレイ2の裏面に設けてもよく、包装材8が溶融しないよう接地面から離間できる構成であればよい。
【0036】
<カバー3について>
カバー3について説明する。図1および図3に示されるように、カバー3は、組み立てられた状態において、トレイ2と重ね合わせることにより、上記した載置部4に載置されたギョーザの姿勢を保持するために設けられてなる。また、電子レンジによりギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1を加熱調理する際に、加熱されたギョーザより水分が失われにくくするよう設けられてなる。具体的には、載置部4に載置されたギョーザは、電子レンジ調理に際して、導電性物質層9の発熱により焼き目や焦げ目が付されるが、この場合、ギョーザに伝わる熱効率等を考慮して、ギョーザの扁平な部分が導電性物質層9と接する状態となるよう載置されることが好ましい。そのため、ギョーザは、その扁平な部分が載置部4の導電性物質層9と接するように製造時に載置され、載置された状態のまま、調理時まで姿勢が維持されることが好ましい。しかしながら、製造後の輸送時の揺れや、店頭でのディスプレイ時の取扱い、消費者が購入した後の取扱い等により、ギョーザの姿勢が保持されず、ギョーザの位置が所望の位置からずれてしまう場合がある。そのため、カバー3は、保持部5により製造時から調理時に至るまで、ギョーザの姿勢を保持するために設けられてなる。
【0037】
本実施の形態では、保持部5は、図1に示されるように、カバー3の一部がギョーザの一部と当接するよう立体成型された凹部10となるよう構成されている。すなわち、凹部10にギョーザの一部が当接することにより、導電性物質層9と接する位置も保持されることとなる。また、ギョーザは保持部5と当接することにより、導電性物質層9に押しつけられる状態となるため、電子レンジによる調理の際に、ギョーザに充分な熱を加えることができるとともに、適切かつ見栄えよくギョーザに焼き目や焦げ目を付すことができる。また、ギョーザが複数である場合においても、それぞれの焼き目等や加熱の具合等の個体差を生じず、均一な調理を施すことができる。
【0038】
カバー3の材質としては特に限定されず、トレイ2と同じ材質を採用することができる。
【0039】
<包装材8について>
包装材8について説明する。包装材8は、ギョーザ用電子レンジ加熱容器7を封入する外装である。包装材8の材質としては特に限定されず、電子レンジ調理に供することのできる材料であればよく、2層以上を積層したものであってよい。フィルムの材質としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ブニルアルコール共重合体(EVOH)などの延伸または無延伸フィルム、ナイロン−6/メタキシリレンジアミンナイロン6共押出しフィルム、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体共押出しフィルムなどのいずれか、またはこれらの2つ以上のフィルムを積層した複合フィルムであってよい。本実施の形態では、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用している。
【0040】
積層フィルムを使用する場合において、各フィルムを積層する方法としては、たとえば、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法、および該エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などの公知の方法を使用することができる。
【0041】
包装材8には、たとえば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができ、必要に応じて適宜添加される。包装材8の厚さは特に限定されないが、加工性および物性面から10μmから300μmの範囲であることが好ましい。
【0042】
本実施の形態では、載置部4にギョーザが載置されたギョーザ用電子レンジ加熱容器7を包装材8に封入することにより、電子レンジで加熱した際に、ギョーザの水分が失われないよう加湿状態を維持することができる。これにより、上記した導電性物質層9による加熱でギョーザにクリスピー感を付与し、かつ、ギョーザのしっとり感を保持することが可能となる。
【0043】
ここで、電子レンジで加熱する際には、ギョーザ用電子レンジ加熱容器7は包装材8により封入されているため、調理時間を長くした場合に内圧が必要以上に上昇する可能性がある。そのため、必要以上に内圧が上昇した際に、包装材8内部の圧力を逃圧するために、包装材8の一部に通蒸部を設けることが好ましい。
【0044】
通蒸部の構造としては特に限定されず、包装材8の表面に微細な貫通孔を複数設けた構造や、包装材8を構成するフィルムの接合部(ヒートシールを施した部分、再度シール部など)の一部に未接合部を形成し、かかる未接合部を通蒸部として用いた構造や、サイドシール部のうち、シール強度の弱い弱シール部を通蒸部とした構造や、包装材8を構成するフィルムを接合する際に、易剥離性フィルムを挿入して形成した弱シール部を通蒸部とした構造や、接合部を異形シール構造として通蒸部とする構造を採用することができる。包装材8を構成するフィルムの未接合部を通蒸部として用いた構造を採用する場合には、たとえばヒートシーラー等で接合する際に、意図的にシールしない部位(未シール部)を形成することにより形成することができる。また、ヒートシールの温度や時間を調整してシール強度の弱い弱シール部を形成することもできる。さらに、たとえばポリエチレン系樹脂を主体として、たとえばシリコン樹脂、ポリエチレンワックス等各種ワックス類、硝化綿などが添加された厚さ30μm程度のフィルム等を易剥離性フィルムとして挿入してヒートシールを施すことにより弱シール部とすることもできる。このような構造を有することにより、電子レンジによる調理中に本実施の形態にかかる包装材8の内部の圧力が所定の圧力以上に達した場合にのみ内圧の逃圧を行うことができ、充分な圧力を加えながらギョーザを調理することができる。
【0045】
以上、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1によれば、加熱調理前の冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1を提供することができる。
【0046】
(実施の形態2)
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体11は、図4〜図6に示される。図4は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体11の説明図である。図5は、本実施の形態にかかるトレイ12の平面図である。図6は、本実施の形態にかかるカバー14の平面図である。
【0047】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体11は、図4および図5に示されるように、実施の形態1にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1と比較して、トレイ12に凸部13が設けられてなる点で相違する。また、図4および図6に示されるように、カバー14に設けられた保持部5が孔部15である点で相違する。その他の構成については実施の形態1と同様であるため、同一の参照符号を付して説明を省略する。以下、相違点について説明する。
【0048】
<トレイ12について>
トレイ12について説明する。図4および図5に示されるように、本実施の形態にかかるトレイ12には、凸部13が設けられてなる。かかる凸部13は、トレイ12を組み立てた際に、凸部13が載置部4と略垂直となるよう構成されてなる。これにより、後述するカバー14に設けられた孔部15よりギョーザの一部が突出した場合であっても、突出したギョーザが包装材8と直接接触することがなく、ギョーザの形状および姿勢が保持される。組み立てた際の凸部13の高さとしては、ギョーザが包装材8と接触しない高さであればよく、たとえば5mm〜15mm程度である。本実施の形態では、凸部13が計2か所設けられた場合を例示しているが、凸部13の形状および個数は特に限定されない。
【0049】
<カバー14について>
カバー14について説明する。図4および図6に示されるように、本実施の形態にかかるカバー14の保持部5は、孔部15が採用されてなる。孔部15の個数は特に限定されず、載置されるギョーザと同数である。
【0050】
孔部15には、載置部4に載置されたギョーザの一部が嵌り込み、孔部15の縁とギョーザとが当接する。これにより、載置部4に載置されたギョーザの姿勢は保持される。孔部15の大きさとしては特に限定されず、載置されるギョーザの大きさにより適切な大きさの孔部15が形成されればよい。
【0051】
(実施の形態3)
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体16は、図7および図8に示される。図7は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体16の説明図である。図8は、本実施の形態にかかるカバー17およびトレイ18の平面図である。
【0052】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体16は、図7および図8に示されるように、実施の形態2にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体11と比較して、カバー17とトレイ18とが、一体的に設けられてなる点で相違する。その他の構成については実施の形態2と同様であるため、同一の参照符号を付して説明を省略する。以下、相違点について説明する。
【0053】
<カバー17およびトレイ18について>
カバー17およびトレイ18について説明する。図7および図8に示されるように、本実施の形態にかかるカバー17には、接続部19が設けられてなり、当該接続部19を介してカバー17とトレイ18とが一体的に設けられてなる。
【0054】
このように、接続部19を介してカバー17とトレイ18とを一体的に設けることにより、部材点数を少なくすることができ、製造時において材料の歩留まりを向上させることができる。また、製造時においてギョーザ用電子レンジ加熱容器20を組み立てやすい。
【0055】
また、カバー17の一部には、トレイ18の一部に設けられた被挿入部21に挿入される挿入部22が設けられてなる。かかる構成を採用することにより、カバー17を閉止した際に、カバー17の位置を保持しやすく、載置部4に載置されたギョーザの姿勢をより確実に保持することが可能となる。
【0056】
(実施の形態4)
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体23は、図9および図10に示される。図9は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体23の説明図である。図10は、本実施の形態にかかるカバー24およびトレイ25の平面図である。
【0057】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体23は、図9および図10に示されるように、実施の形態3にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体16と比較して、カバー24に係合部26が設けられ、トレイ25に係合部26と係合する被係合部27が設けられてなる点で相違する。その他の構成については実施の形態3と同様であるため、同一の参照符号を付して説明を省略する。以下、相違点について説明する。
【0058】
<カバー24について>
カバー24について説明する。図9および図10に示されるように、本実施の形態にかかるカバー24には、後述するトレイ25の対応する位置に設けられた被係合部27と係合する係合部26が設けられてなる。係合部26の形状や材質としては特に限定されないが、トレイ25に設けられる被係合部27の形状として、トレイ25の一部に切れ込みを設けた場合には、当該切れ込みに挿入することのできる切れ込みを係合部26とすれば、部品点数が増加することがなく好適である。
【0059】
<トレイ25について>
トレイ25について説明する。図9および図10に示されるように、本実施の形態にかかるトレイ25には、上記したカバー24に設けられた係合部26と係合する被係合部27が設けられてなる。被係合部27は、接合部を支点としてカバー24をトレイ25に重ねた場合に、係合部26が対応する位置に設けられてなる。
【0060】
なお、本実施の形態では、カバー24に係合部26が設けられ、トレイ25に被係合部27が設けられた場合を例に説明したが、本実施の形態および後述する実施の形態はこれに限定されず、係合部26と被係合部27との位置が逆に設けられてもよい。
【0061】
本実施の形態によれば、かかる構成を有することにより、たとえば消費者が複数のギョーザのうちの一部を食べ残した場合などに、カバー24を閉止することができ、利便性がよい。
【0062】
(実施の形態5)
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体28は、図11および図12に示される。図11は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体28の説明図である。図12は、本実施の形態にかかるカバー29、トレイ30および蓋部31の平面図である。
【0063】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体28は、図11および図12に示されるように、実施の形態4にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体23と比較して、蓋部31がさらに設けられ、蓋部31に形成された係合部32と、トレイ30に設けられた被係合部33とが係合する点で相違する。その他の構成については実施の形態4と同様であるため、同一の参照符号を付して説明を省略する。以下、相違点について説明する。
【0064】
<蓋部31について>
蓋部31について説明する。図11および図12に示されるように、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体28には、トレイ30と一体的に蓋部31が設けられてなる。トレイ30はカバー29とも一体的に設けられてなり、製造時には、ギョーザをトレイ30の載置部4に載置した後、カバー29を重ねてギョーザの姿勢を保持した後に、蓋部31の係合部32がトレイ30に設けられた被係合部33と係合するよう蓋部31を閉止する。蓋部31は、閉止した状態でギョーザの一部が蓋部31の内面と当接しないように、トレイ30の側面の高さをある程度保った方が好ましい。すなわち、組み立て後のトレイ30の側面の高さが、ギョーザの高さよりも高くなるよう構成することが好ましい。
【0065】
このように、蓋部31がさらに設けられてなることにより、カバー29により保持されたギョーザの姿勢をさらに強固に保持することができる。また、外部からの衝撃に対する耐性が向上する。さらに、たとえば蓋部31の内面に文字を付すことができ、広告面として使用することができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、図12に示されるように、トレイ30の一端に蓋部31が設けられ、トレイ30の他端にカバー29が設けられた場合を例に説明したが、本実施の形態はこれに限定されず、カバー29の一端にトレイ30を設け、他端に蓋部31を設ける構成を採用することも可能である。
【0067】
(実施の形態6)
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体34は、図13および図14に示される。図13は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体34の説明図である。図14は、本実施の形態にかかるカバー35、トレイ36および蓋部37の平面図である。
【0068】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体34は、図13および図14に示されるように、実施の形態5にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体28と比較して、ギョーザ用電子レンジ加熱容器38を組み立てる際にカバー35とトレイ36とにそれぞれ設けられた側面部材39により箱状に組み立て可能である点で相違する。その他の構成については実施の形態5と同様であるため、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0069】
このように、側面部材39がさらに設けられてなることにより、挿入部40および被挿入部41により組み立てられたギョーザ用電子レンジ加熱容器38の形状を、さらに強固に保持することができる。また、たとえば側面部材39に文字等を付すことができ、広告面として使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体によれば、加熱調理前の冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体を提供することが可能であるため、たとえば、冷凍ギョーザやチルドギョーザ等の麺帯食品を調理する容器等分野において好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1、11、16、23、28、34 ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体
2、12、18、25、30、36 トレイ
3、14、17、24、29、35 カバー
4 載置部
5 保持部
6 脚部
7、20、38 ギョーザ用電子レンジ加熱容器
8 包装材
9 導電性物質層
10 凹部
13 凸部
15 孔部
19 接続部
21、41 被挿入部
22、40 挿入部
26、32 係合部
27、33 被係合部
31、37 蓋部
39 側面部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体に関する。さらに詳しくは、冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に使用するギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体であり、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感(「パリパリ」とした軽い食感)と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱処理済みの麺帯包装食品(たとえばギョーザなど)を消費者が購入し、電子レンジにて再加熱することを想定した食品がある(たとえば特許文献1参照)。かかる食品は、加熱処理済みの麺帯食品の加熱処理面が、マイクロ波吸収発熱体(本発明でいう導電性物質)と接触している。そのため、かかる食品を電子レンジで加熱すると、当該マイクロ波吸収発熱体が発熱することにより、麺帯包装食品が加熱されることを特徴とする。
【0003】
特許文献1に記載の発明によれば、加熱処理済みの冷凍ギョーザに加熱処理を施すことにより、製造後から調理に供する期間に、中の具材から皮へ移行した水分を除去し、加熱処理面にクリスピー感を付与することができるとのことである。しかしながら、かかる水分は、元々中の具材から皮へ移行した水分であり、その水分を除去してしまうことにより、具材のしっとり感が失われるという問題がある。また、一度加熱処理済みの冷凍ギョーザを再加熱するため、過度に焼き目がついたり、焦げが生じたりする可能性がある。さらに、繰り返しの加熱により風味が失われるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであり、加熱調理前の冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体は、電子レンジに収納され、ギョーザを加熱調理するためのギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体であって、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体は、ギョーザが載置される載置部が設けられた有底状のトレイと、載置されたギョーザの姿勢を保持する保持部が設けられたカバーと、上記トレイの裏面に設けられた脚部とを有するギョーザ用電子レンジ加熱容器と、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器を封入する包装材とからなり、上記載置部には、ギョーザと接触する面に、マイクロ波の照射を受けて発熱する導電性物質層が設けられてなることを特徴とする。
【0007】
本発明は、かかる構成を有することにより、加熱調理前の冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体を提供することができる。
【0008】
上記保持部は、上記カバーの一部がギョーザの一部と当接するよう立体成型された凹部であるか、上記カバーに設けられた1または複数の孔部であることが好ましい。
【0009】
かかる構成を有することにより、載置部に載置されたギョーザの姿勢が確実に保持され、導電性物質層とギョーザとの接触面を介して、ギョーザを充分に加熱することができるとともに、適切かつ見栄えよくギョーザに焼き目や焦げ目を付すことができる。また、ギョーザが複数である場合においても、それぞれの焼き目等や加熱の具合等の個体差を生じず、均一な調理を施すことができる。
【0010】
上記トレイとカバーとが、一体的に設けられてなることが好ましい。
【0011】
かかる構成を有することにより、部材点数が少なく、製造時において材料の歩留まりを向上させることができる。また、製造時においてギョーザ用電子レンジ加熱容器を組み立てやすい。
【0012】
上記カバーの一部に、上記トレイの一部に設けられた被係合部と係合する係合部が設けられてなることが好ましい。
【0013】
かかる構成を有することにより、たとえば消費者が複数のギョーザのうちの一部を食べ残した場合などに、カバーを閉止することができ、利便性がよい。
【0014】
上記カバーを覆う蓋部がさらに設けられてなることが好ましい。
【0015】
かかる構成を有することにより、カバーにより保持されたギョーザの姿勢をさらに強固に保持することができる。また、外部からの衝撃に対する耐性が向上する。さらに、たとえば蓋部の内面に文字を付すことができ、広告面として使用することができる。
【0016】
上記トレイと、カバーと、蓋部とが、一体的に設けられてなることが好ましい。
【0017】
かかる構成を有することにより、部材点数が少なく、製造時において材料の歩留まりを向上させることができる。また、製造時においてギョーザ用電子レンジ加熱容器を組み立てやすい。
【0018】
上記蓋部の一部に、上記トレイの一部に設けられた被係合部と係合する係合部が設けられてなることが好ましい。
【0019】
かかる構成を有することにより、たとえば消費者が複数のギョーザのうちの一部を食べ残した場合などに、蓋部を閉止することができ、利便性がよい。
【0020】
上記包装材の一部に通蒸部が設けられてなることが好ましい。
【0021】
かかる構成を有することにより、電子レンジにて加熱調理をしている最中に、内圧が上昇し過ぎたことにより包装材が破裂することを防止することができる。
【0022】
上記通蒸部は、包装材の未シール部であるか、上記包装材のシール部のうち、シール強度の弱い弱シール部であるか、シール部の間に易剥離性フィルムを挿入して形成した弱シール部であるか、シール部が異形シール構造を有することが好ましい。
【0023】
かかる構成を有することにより、電子レンジにて加熱調理をしている最中に、内圧を充分に高めて加熱調理を施しながら、ギョーザ(特に中の具)からの水分の減少を防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、加熱調理前の冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態(実施の形態1)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図2】本発明の一実施形態(実施の形態1)にかかるトレイの平面図
【図3】本発明の一実施形態(実施の形態1)にかかるカバーの平面図
【図4】本発明の一実施形態(実施の形態2)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図5】本発明の一実施形態(実施の形態2)にかかるトレイの平面図
【図6】本発明の一実施形態(実施の形態2)にかかるカバーの平面図
【図7】本発明の一実施形態(実施の形態3)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図8】本発明の一実施形態(実施の形態3)にかかるカバーおよびトレイの平面図
【図9】本発明の一実施形態(実施の形態4)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図10】本発明の一実施形態(実施の形態4)にかかるカバーおよびトレイの平面図
【図11】本発明の一実施形態(実施の形態5)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図12】本発明の一実施形態(実施の形態5)にかかるカバーおよびトレイの平面図
【図13】本発明の一実施形態(実施の形態6)にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体の説明図
【図14】本発明の一実施形態(実施の形態6)にかかるカバーおよびトレイの平面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1を、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1の説明図である。図2は、本実施の形態にかかるトレイ2の平面図である。図3は、本実施の形態にかかるカバー3の平面図である。
【0027】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1は、図1〜図3に示されるように、電子レンジに収納され、ギョーザを加熱調理するためのギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1であって、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1は、ギョーザが載置される載置部4が設けられた有底状のトレイ2と、載置されたギョーザの姿勢を保持する保持部5が設けられたカバー3と、上記トレイ2の裏面に設けられた脚部6とを有するギョーザ用電子レンジ加熱容器7と、該ギョーザ用電子レンジ加熱容器7を封入する包装材8とからなり、上記載置部4には、ギョーザと接触する面に、マイクロ波の照射を受けて発熱する導電性物質層9が設けられてなることを特徴とする。以下、各構成について説明する。
【0028】
<トレイ2について>
トレイ2について説明する。図1および図2に示されるように、トレイ2は、組み立てられた状態において有底状の形状を有する箱体であり、ギョーザが載置される載置部4を有する。また、トレイ2の裏面には脚部6が設けられてなる。
【0029】
トレイ2の材質としては特に限定されず、電子レンジ調理に供することのできる材料であればよい。たとえば、紙を使用することができる。
【0030】
載置されるギョーザは、冷凍ギョーザであっても、チルドギョーザであってよく、加熱調理が施されていない、いわゆる生ギョーザであればよい。ギョーザの個数としては特に制限されず、通常は複数個が間隔を空けて横並びに載置される。本実施の形態では、図1、図3に示されるように、5個のギョーザが載置されてなる。
【0031】
トレイ2の載置部4には、ギョーザと接触する面に、電子レンジによるマイクロ波の照射を受けて発熱する導電性物質の層(導電性物質層9)が設けられてなる。なお、導電性物質層9は、トレイ2の表面に接着剤の層を介して設けることが好ましい。また、導電性物質層9を保護するために、耐熱性フィルム層を設けてもよい。
【0032】
耐熱性フィルム層としては、導電性物質層9による発熱に対して耐熱性のあるフィルムであれば、特に種類を限定されない。すなわち、金属薄膜の蒸着加工適性を有しているフィルムを使用するのが好ましく、たとえば、厚さが9μm〜50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)が好適に使用される。
【0033】
導電性物質層9は、アルミニウムやニッケル、ステンレス、金、銀、白金、亜鉛などの導電性物質からなる金属薄膜を耐熱性フィルム層上に蒸着することにより形成される。中でも、コスト面などを考慮するとアルミニウム薄膜により形成することが好ましい。また、金属薄膜の厚みとしては、50〜150オングストロームの範囲が好ましい。蒸着方法としては、たとえば、公知の真空蒸着法およびスパッタリング法などの気相堆積法を利用することができる。
【0034】
トレイ2を構成する紙の材質や厚さは、特に限定されるものではないが、紙厚が坪量20g/m2〜120g/m2程度の薄紙を使用するのが好ましい。このような薄紙を使用することにより、電子レンジによる加熱調理の完了後に、導電性物質層9から伝達される熱がこもらずに効果的に外気に放熱されるため、導電性物質層9の温度の早期低下を促進することができる。上記した構成の具体例としては、たとえば、凸版印刷(株)製のサセプター(登録商標)が商用的には入手可能であり、好適に使用することができる。
【0035】
脚部6は、電子レンジによりギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1を調理する際に、上記導電性物質層9の温度が上昇することによって包装材8が溶融することを防止するために設けられてなる。すなわち、トレイ2の裏面に設けることにより、導電性物質層9と包装材8とが離間される。その結果、包装材8が熱により溶融することを防止することができる。脚部6の構成としては、構成する部材点数を減らすこと、製造時の材料の歩留まりを向上させる観点から、図2に示されるように、トレイ2の一部に切り込みを設け、トレイ2を組み立てる際に、脚部6がトレイ2の離面側に張り出す構成を採用することが好ましい。組み立てた際の脚部6の高さ(接地面とトレイ2の裏面との離間距離)としては、特に限定されないが、3mm〜20mm程度であれば、包装材8が溶融することがなく好ましい。なお、本実施の形態では、トレイ2の一部を脚部6として使用する場合を例に説明したが、本実施の形態はこれに限定されず、脚部6として別部材をトレイ2の裏面に設けてもよく、包装材8が溶融しないよう接地面から離間できる構成であればよい。
【0036】
<カバー3について>
カバー3について説明する。図1および図3に示されるように、カバー3は、組み立てられた状態において、トレイ2と重ね合わせることにより、上記した載置部4に載置されたギョーザの姿勢を保持するために設けられてなる。また、電子レンジによりギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1を加熱調理する際に、加熱されたギョーザより水分が失われにくくするよう設けられてなる。具体的には、載置部4に載置されたギョーザは、電子レンジ調理に際して、導電性物質層9の発熱により焼き目や焦げ目が付されるが、この場合、ギョーザに伝わる熱効率等を考慮して、ギョーザの扁平な部分が導電性物質層9と接する状態となるよう載置されることが好ましい。そのため、ギョーザは、その扁平な部分が載置部4の導電性物質層9と接するように製造時に載置され、載置された状態のまま、調理時まで姿勢が維持されることが好ましい。しかしながら、製造後の輸送時の揺れや、店頭でのディスプレイ時の取扱い、消費者が購入した後の取扱い等により、ギョーザの姿勢が保持されず、ギョーザの位置が所望の位置からずれてしまう場合がある。そのため、カバー3は、保持部5により製造時から調理時に至るまで、ギョーザの姿勢を保持するために設けられてなる。
【0037】
本実施の形態では、保持部5は、図1に示されるように、カバー3の一部がギョーザの一部と当接するよう立体成型された凹部10となるよう構成されている。すなわち、凹部10にギョーザの一部が当接することにより、導電性物質層9と接する位置も保持されることとなる。また、ギョーザは保持部5と当接することにより、導電性物質層9に押しつけられる状態となるため、電子レンジによる調理の際に、ギョーザに充分な熱を加えることができるとともに、適切かつ見栄えよくギョーザに焼き目や焦げ目を付すことができる。また、ギョーザが複数である場合においても、それぞれの焼き目等や加熱の具合等の個体差を生じず、均一な調理を施すことができる。
【0038】
カバー3の材質としては特に限定されず、トレイ2と同じ材質を採用することができる。
【0039】
<包装材8について>
包装材8について説明する。包装材8は、ギョーザ用電子レンジ加熱容器7を封入する外装である。包装材8の材質としては特に限定されず、電子レンジ調理に供することのできる材料であればよく、2層以上を積層したものであってよい。フィルムの材質としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ブニルアルコール共重合体(EVOH)などの延伸または無延伸フィルム、ナイロン−6/メタキシリレンジアミンナイロン6共押出しフィルム、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体共押出しフィルムなどのいずれか、またはこれらの2つ以上のフィルムを積層した複合フィルムであってよい。本実施の形態では、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用している。
【0040】
積層フィルムを使用する場合において、各フィルムを積層する方法としては、たとえば、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法、および該エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などの公知の方法を使用することができる。
【0041】
包装材8には、たとえば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができ、必要に応じて適宜添加される。包装材8の厚さは特に限定されないが、加工性および物性面から10μmから300μmの範囲であることが好ましい。
【0042】
本実施の形態では、載置部4にギョーザが載置されたギョーザ用電子レンジ加熱容器7を包装材8に封入することにより、電子レンジで加熱した際に、ギョーザの水分が失われないよう加湿状態を維持することができる。これにより、上記した導電性物質層9による加熱でギョーザにクリスピー感を付与し、かつ、ギョーザのしっとり感を保持することが可能となる。
【0043】
ここで、電子レンジで加熱する際には、ギョーザ用電子レンジ加熱容器7は包装材8により封入されているため、調理時間を長くした場合に内圧が必要以上に上昇する可能性がある。そのため、必要以上に内圧が上昇した際に、包装材8内部の圧力を逃圧するために、包装材8の一部に通蒸部を設けることが好ましい。
【0044】
通蒸部の構造としては特に限定されず、包装材8の表面に微細な貫通孔を複数設けた構造や、包装材8を構成するフィルムの接合部(ヒートシールを施した部分、再度シール部など)の一部に未接合部を形成し、かかる未接合部を通蒸部として用いた構造や、サイドシール部のうち、シール強度の弱い弱シール部を通蒸部とした構造や、包装材8を構成するフィルムを接合する際に、易剥離性フィルムを挿入して形成した弱シール部を通蒸部とした構造や、接合部を異形シール構造として通蒸部とする構造を採用することができる。包装材8を構成するフィルムの未接合部を通蒸部として用いた構造を採用する場合には、たとえばヒートシーラー等で接合する際に、意図的にシールしない部位(未シール部)を形成することにより形成することができる。また、ヒートシールの温度や時間を調整してシール強度の弱い弱シール部を形成することもできる。さらに、たとえばポリエチレン系樹脂を主体として、たとえばシリコン樹脂、ポリエチレンワックス等各種ワックス類、硝化綿などが添加された厚さ30μm程度のフィルム等を易剥離性フィルムとして挿入してヒートシールを施すことにより弱シール部とすることもできる。このような構造を有することにより、電子レンジによる調理中に本実施の形態にかかる包装材8の内部の圧力が所定の圧力以上に達した場合にのみ内圧の逃圧を行うことができ、充分な圧力を加えながらギョーザを調理することができる。
【0045】
以上、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1によれば、加熱調理前の冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1を提供することができる。
【0046】
(実施の形態2)
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体11は、図4〜図6に示される。図4は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体11の説明図である。図5は、本実施の形態にかかるトレイ12の平面図である。図6は、本実施の形態にかかるカバー14の平面図である。
【0047】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体11は、図4および図5に示されるように、実施の形態1にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体1と比較して、トレイ12に凸部13が設けられてなる点で相違する。また、図4および図6に示されるように、カバー14に設けられた保持部5が孔部15である点で相違する。その他の構成については実施の形態1と同様であるため、同一の参照符号を付して説明を省略する。以下、相違点について説明する。
【0048】
<トレイ12について>
トレイ12について説明する。図4および図5に示されるように、本実施の形態にかかるトレイ12には、凸部13が設けられてなる。かかる凸部13は、トレイ12を組み立てた際に、凸部13が載置部4と略垂直となるよう構成されてなる。これにより、後述するカバー14に設けられた孔部15よりギョーザの一部が突出した場合であっても、突出したギョーザが包装材8と直接接触することがなく、ギョーザの形状および姿勢が保持される。組み立てた際の凸部13の高さとしては、ギョーザが包装材8と接触しない高さであればよく、たとえば5mm〜15mm程度である。本実施の形態では、凸部13が計2か所設けられた場合を例示しているが、凸部13の形状および個数は特に限定されない。
【0049】
<カバー14について>
カバー14について説明する。図4および図6に示されるように、本実施の形態にかかるカバー14の保持部5は、孔部15が採用されてなる。孔部15の個数は特に限定されず、載置されるギョーザと同数である。
【0050】
孔部15には、載置部4に載置されたギョーザの一部が嵌り込み、孔部15の縁とギョーザとが当接する。これにより、載置部4に載置されたギョーザの姿勢は保持される。孔部15の大きさとしては特に限定されず、載置されるギョーザの大きさにより適切な大きさの孔部15が形成されればよい。
【0051】
(実施の形態3)
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体16は、図7および図8に示される。図7は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体16の説明図である。図8は、本実施の形態にかかるカバー17およびトレイ18の平面図である。
【0052】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体16は、図7および図8に示されるように、実施の形態2にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体11と比較して、カバー17とトレイ18とが、一体的に設けられてなる点で相違する。その他の構成については実施の形態2と同様であるため、同一の参照符号を付して説明を省略する。以下、相違点について説明する。
【0053】
<カバー17およびトレイ18について>
カバー17およびトレイ18について説明する。図7および図8に示されるように、本実施の形態にかかるカバー17には、接続部19が設けられてなり、当該接続部19を介してカバー17とトレイ18とが一体的に設けられてなる。
【0054】
このように、接続部19を介してカバー17とトレイ18とを一体的に設けることにより、部材点数を少なくすることができ、製造時において材料の歩留まりを向上させることができる。また、製造時においてギョーザ用電子レンジ加熱容器20を組み立てやすい。
【0055】
また、カバー17の一部には、トレイ18の一部に設けられた被挿入部21に挿入される挿入部22が設けられてなる。かかる構成を採用することにより、カバー17を閉止した際に、カバー17の位置を保持しやすく、載置部4に載置されたギョーザの姿勢をより確実に保持することが可能となる。
【0056】
(実施の形態4)
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体23は、図9および図10に示される。図9は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体23の説明図である。図10は、本実施の形態にかかるカバー24およびトレイ25の平面図である。
【0057】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体23は、図9および図10に示されるように、実施の形態3にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体16と比較して、カバー24に係合部26が設けられ、トレイ25に係合部26と係合する被係合部27が設けられてなる点で相違する。その他の構成については実施の形態3と同様であるため、同一の参照符号を付して説明を省略する。以下、相違点について説明する。
【0058】
<カバー24について>
カバー24について説明する。図9および図10に示されるように、本実施の形態にかかるカバー24には、後述するトレイ25の対応する位置に設けられた被係合部27と係合する係合部26が設けられてなる。係合部26の形状や材質としては特に限定されないが、トレイ25に設けられる被係合部27の形状として、トレイ25の一部に切れ込みを設けた場合には、当該切れ込みに挿入することのできる切れ込みを係合部26とすれば、部品点数が増加することがなく好適である。
【0059】
<トレイ25について>
トレイ25について説明する。図9および図10に示されるように、本実施の形態にかかるトレイ25には、上記したカバー24に設けられた係合部26と係合する被係合部27が設けられてなる。被係合部27は、接合部を支点としてカバー24をトレイ25に重ねた場合に、係合部26が対応する位置に設けられてなる。
【0060】
なお、本実施の形態では、カバー24に係合部26が設けられ、トレイ25に被係合部27が設けられた場合を例に説明したが、本実施の形態および後述する実施の形態はこれに限定されず、係合部26と被係合部27との位置が逆に設けられてもよい。
【0061】
本実施の形態によれば、かかる構成を有することにより、たとえば消費者が複数のギョーザのうちの一部を食べ残した場合などに、カバー24を閉止することができ、利便性がよい。
【0062】
(実施の形態5)
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体28は、図11および図12に示される。図11は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体28の説明図である。図12は、本実施の形態にかかるカバー29、トレイ30および蓋部31の平面図である。
【0063】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体28は、図11および図12に示されるように、実施の形態4にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体23と比較して、蓋部31がさらに設けられ、蓋部31に形成された係合部32と、トレイ30に設けられた被係合部33とが係合する点で相違する。その他の構成については実施の形態4と同様であるため、同一の参照符号を付して説明を省略する。以下、相違点について説明する。
【0064】
<蓋部31について>
蓋部31について説明する。図11および図12に示されるように、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体28には、トレイ30と一体的に蓋部31が設けられてなる。トレイ30はカバー29とも一体的に設けられてなり、製造時には、ギョーザをトレイ30の載置部4に載置した後、カバー29を重ねてギョーザの姿勢を保持した後に、蓋部31の係合部32がトレイ30に設けられた被係合部33と係合するよう蓋部31を閉止する。蓋部31は、閉止した状態でギョーザの一部が蓋部31の内面と当接しないように、トレイ30の側面の高さをある程度保った方が好ましい。すなわち、組み立て後のトレイ30の側面の高さが、ギョーザの高さよりも高くなるよう構成することが好ましい。
【0065】
このように、蓋部31がさらに設けられてなることにより、カバー29により保持されたギョーザの姿勢をさらに強固に保持することができる。また、外部からの衝撃に対する耐性が向上する。さらに、たとえば蓋部31の内面に文字を付すことができ、広告面として使用することができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、図12に示されるように、トレイ30の一端に蓋部31が設けられ、トレイ30の他端にカバー29が設けられた場合を例に説明したが、本実施の形態はこれに限定されず、カバー29の一端にトレイ30を設け、他端に蓋部31を設ける構成を採用することも可能である。
【0067】
(実施の形態6)
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体34は、図13および図14に示される。図13は、本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体34の説明図である。図14は、本実施の形態にかかるカバー35、トレイ36および蓋部37の平面図である。
【0068】
本実施の形態にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体34は、図13および図14に示されるように、実施の形態5にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体28と比較して、ギョーザ用電子レンジ加熱容器38を組み立てる際にカバー35とトレイ36とにそれぞれ設けられた側面部材39により箱状に組み立て可能である点で相違する。その他の構成については実施の形態5と同様であるため、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0069】
このように、側面部材39がさらに設けられてなることにより、挿入部40および被挿入部41により組み立てられたギョーザ用電子レンジ加熱容器38の形状を、さらに強固に保持することができる。また、たとえば側面部材39に文字等を付すことができ、広告面として使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明にかかるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体によれば、加熱調理前の冷凍ギョーザやチルドギョーザを電子レンジで加熱調理する際に、ギョーザをフライパンで焼き上げたかのようなクリスピー感と、中の具材のしっとり感を併せ持つギョーザが得られるギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体を提供することが可能であるため、たとえば、冷凍ギョーザやチルドギョーザ等の麺帯食品を調理する容器等分野において好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1、11、16、23、28、34 ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体
2、12、18、25、30、36 トレイ
3、14、17、24、29、35 カバー
4 載置部
5 保持部
6 脚部
7、20、38 ギョーザ用電子レンジ加熱容器
8 包装材
9 導電性物質層
10 凹部
13 凸部
15 孔部
19 接続部
21、41 被挿入部
22、40 挿入部
26、32 係合部
27、33 被係合部
31、37 蓋部
39 側面部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジに収納され、ギョーザを加熱調理するためのギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体であって、
該ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体は、
ギョーザが載置される載置部が設けられた有底状のトレイと、載置されたギョーザの姿勢を保持する保持部が設けられたカバーと、前記トレイの裏面に設けられた脚部とを有するギョーザ用電子レンジ加熱容器と、
該ギョーザ用電子レンジ加熱容器を封入する包装材とからなり、
前記載置部には、ギョーザと接触する面に、マイクロ波の照射を受けて発熱する導電性物質層が設けられてなることを特徴とするギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項2】
前記保持部は、前記カバーの一部がギョーザの一部と当接するよう立体成型された凹部であることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項3】
前記保持部は、前記カバーに設けられた1または複数の孔部であることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項4】
前記トレイとカバーとが、一体的に設けられてなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項5】
前記カバーの一部に、前記トレイの一部に設けられた被係合部と係合する係合部が設けられてなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項6】
前記カバーを覆う蓋部がさらに設けられてなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項7】
前記トレイと、カバーと、蓋部とが、一体的に設けられてなることを特徴とする、請求項6記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項8】
前記蓋部の一部に、前記トレイの一部に設けられた被係合部と係合する係合部が設けられてなることを特徴とする、請求項6または7記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項9】
前記包装材の一部に通蒸部が設けられてなることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項10】
前記通蒸部は、包装材の未シール部であることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項11】
前記通蒸部は、前記包装材のシール部のうち、シール強度の弱い弱シール部であることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項12】
前記通蒸部は、シール部の間に易剥離性フィルムを挿入して形成した弱シール部であることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項13】
前記通蒸部は、シール部が異形シール構造を有することを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項1】
電子レンジに収納され、ギョーザを加熱調理するためのギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体であって、
該ギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体は、
ギョーザが載置される載置部が設けられた有底状のトレイと、載置されたギョーザの姿勢を保持する保持部が設けられたカバーと、前記トレイの裏面に設けられた脚部とを有するギョーザ用電子レンジ加熱容器と、
該ギョーザ用電子レンジ加熱容器を封入する包装材とからなり、
前記載置部には、ギョーザと接触する面に、マイクロ波の照射を受けて発熱する導電性物質層が設けられてなることを特徴とするギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項2】
前記保持部は、前記カバーの一部がギョーザの一部と当接するよう立体成型された凹部であることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項3】
前記保持部は、前記カバーに設けられた1または複数の孔部であることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項4】
前記トレイとカバーとが、一体的に設けられてなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項5】
前記カバーの一部に、前記トレイの一部に設けられた被係合部と係合する係合部が設けられてなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項6】
前記カバーを覆う蓋部がさらに設けられてなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項7】
前記トレイと、カバーと、蓋部とが、一体的に設けられてなることを特徴とする、請求項6記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項8】
前記蓋部の一部に、前記トレイの一部に設けられた被係合部と係合する係合部が設けられてなることを特徴とする、請求項6または7記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項9】
前記包装材の一部に通蒸部が設けられてなることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項10】
前記通蒸部は、包装材の未シール部であることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項11】
前記通蒸部は、前記包装材のシール部のうち、シール強度の弱い弱シール部であることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項12】
前記通蒸部は、シール部の間に易剥離性フィルムを挿入して形成した弱シール部であることを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【請求項13】
前記通蒸部は、シール部が異形シール構造を有することを特徴とする、請求項1記載のギョーザ用電子レンジ加熱容器包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−43658(P2013−43658A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180993(P2011−180993)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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