説明

クラッド材の材料の連続分離回収装置、および、クラッド材の材料の連続分離回収方法

【課題】クラッド材から、ろう材および芯材を効率的に回収することで、操業性、生産性に優れると共に、回収するろう材および芯材の品質に優れるクラッド材の材料の連続分離回収装置、および、クラッド材の材料の連続分離回収方法を提供する。
【解決手段】連続分離回収装置100は、処理槽10と、処理液温度保持手段20と、クラッド材投入手段30と、ベルトコンベア40と、溶融ろう材回収手段50と、芯材回収手段60と、を備え、ベルトコンベア40は、溶融したろう材を落下させる網目Mを有するベルト41と、このベルト41を循環させる複数のロール42と、を有し、ベルト41は、処理槽10内において処理槽10の一側における処理液Wの水底近傍の位置から、処理槽10の他側における処理液Wの水面に向けて搬送方向に傾斜すると共に、処理槽10外における芯材回収手段60の上方に延長するように設けられている構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器等に使用されるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを、ろう材と芯材とに分離して回収するクラッド材の材料の連続分離回収装置、および、クラッド材の材料の連続分離回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のラジエータ等の熱交換器においては、軽量化のためにアルミニウム合金化が進み、そのため、熱交換器に使用されるアルミニウム合金クラッド材(ブレージングシート)の生産も増加している。一方、クラッド材は、芯材とろう材とをクラッドしたものであるが、このようなクラッド材の製造過程においては、多量のスクラップ、すなわち、異種合金間の圧着工程および熱間圧延工程での前後端の不良部分を切落したクロップ材、あるいは熱間圧延・冷間圧延の各工程での幅方向両側の不良部分を切落したトリミング材、さらにはコイルでの寸法調整のために切落したオフゲージ部等が発生する。このような製造工程中で発生するスクラップの量は極めて多いため、再利用する際のコストが増え、事業コストを増大させる要因となっている。そのため、クラッド材の製造メーカーにおいては、スクラップを効率的に回収・処理し、再使用を図ることが重要な技術的課題となっている。
【0003】
ここで、一般にアルミニウム合金クラッド材に皮材として使用されているろう材は、7〜12質量%もの多量のSiを含有するアルミニウム合金であるのに対し、芯材としては、一般にAl−Mn系合金等が用いられており、両者の合金成分組成は全く異なる。また、クラッド材全質量に対して、芯材は通常60〜90質量%を占めている。このようなクラッド材のスクラップをそのまま再溶融させた場合には、芯材でもろう材でもない中途半端な合金組成の材料となり、そのため、回収材をクラッド材の芯材やろう材にそのまま再利用することはできず、他の低品位材料の用途に用いたり、あるいは部分的な配合材料として用いたりせざるを得ない状況であった。
【0004】
そこで、クラッド材のスクラップを、芯材やろう材に再利用する技術として、例えば、特許文献1には、芯材に皮材を接合してなるクラッド材を、皮材の液相線温度以上の雰囲気温度で加熱溶融し、クラッド材について皮材の材料成分を分離回収することにより、芯材と皮材の両方を分けて回収する技術が提案されている。また、特許文献2には、Al合金からなる芯材にAl合金からなるろう材がクラッドされたブレージングシートを、ろう材とほぼ同一組成の金属または合金からなり、芯材の融点より低い温度の溶湯中に浸して、ろう材を芯材から溶解分離させる技術が提案されている。さらに、特許文献3には、少なくともろう材とろう材より融点が高い芯材とからなるアルミニウム合金ブレージングシートのスクラップを、芯材の融点より低くろう材の融点より高い温度に保たれた、このろう材に対して比重が0.3以上異なる液体中に浸漬して、ろう材を芯材から溶融分離させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平04−218624号公報(段落0007)
【特許文献2】特開平07−34150号公報(段落0007)
【特許文献3】特開2001−3121号公報(段落0008〜0015)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の技術においては、以下に示すような問題点を有している。
特許文献1に記載の技術では、雰囲気炉にてろう材を分離するため、ろう材が溶融する温度になるまで時間がかかるという問題や、このために、ろう材と芯材の界面で合金化が起こり、ろう材および芯材の効率的な回収を妨げるという問題がある。さらに、この処理は、バッチ式であるため、連続的に操業することができず、操業性、生産性に劣るという問題がある。
【0007】
また、特許文献1、2に記載の技術では、いずれもスクラップを籠のような容器に入れて処理しているが、この技術においても、バッチ式であるため、連続的に操業することができず、操業性、生産性に劣るという問題がある。
【0008】
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたもので、クラッド材から、ろう材および芯材を効率的に回収することで、操業性、生産性に優れると共に、回収するろう材および芯材の品質に優れるクラッド材の材料の連続分離回収装置、および、クラッド材の材料の連続分離回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係るクラッド材の材料の連続分離回収装置(以下、適宜、連続分離回収装置という)は、アルミニウム合金からなる芯材の表面に、少なくともアルミニウム合金からなるろう材を備えたクラッド材のスクラップを、前記ろう材よりも比重が小さい処理液であり、前記ろう材の液相線以上、前記芯材の液相線未満の温度に調整した前記処理液の領域に浸漬させ、前記スクラップから、前記ろう材を連続的に溶融し、前記ろう材と前記芯材とを分離させて回収するクラッド材の材料の連続分離回収装置であって、前記処理液を収容する処理槽と、前記処理槽内の処理液を所定温度に保持する処理液温度保持手段と、前記処理槽内に前記クラッド材を投入するクラッド材投入手段と、前記クラッド材投入手段で投入された前記クラッド材を予め設定された搬送速度で搬送し、前記ろう材と分離された前記芯材を、前記処理槽内から処理槽外に搬送するベルトコンベアと、前記処理液で溶融されて、前記処理槽の底部に沈殿した溶融ろう材を回収する溶融ろう材回収手段と、前記処理槽外における前記ベルトコンベアの搬送経路中に配置され、前記ろう材と分離された前記芯材を回収する芯材回収手段と、を備え、前記ベルトコンベアは、溶融したろう材を落下させる網目を有するベルトと、このベルトを循環させる複数のロールと、を有し、前記ベルトは、前記処理槽内において、前記処理槽の一側における処理液の水底近傍の位置から、前記処理槽の他側における処理液の水面に向けて搬送方向に傾斜すると共に、前記処理槽外における前記芯材回収手段の上方に延長するように設けられている構成とした。
【0010】
このような構成によれば、処理液温度保持手段によって処理槽内の処理液が所定温度に保持され、この処理槽内に、クラッド材投入手段によりクラッド材が投入される。そして、ベルトコンベアにより、クラッド材が前記処理槽内において前記処理槽の一側における処理液の水底近傍の位置から、前記処理槽の他側における処理液の水面に向けて搬送されながら、処理液により溶融ろう材と芯材に分離される。さらに、ベルトの網目から溶融ろう材が落下すると共に、芯材は、処理槽外に搬送される。次に、溶融ろう材回収手段により、沈殿した溶融ろう材が回収されると共に、芯材回収手段により芯材が回収される。そして、ベルトコンベアを用いることで、これらの作用が連続して行われる。
【0011】
請求項2に係る連続分離回収装置は、前記ベルトコンベアが、前記処理槽内のベルトに振動を付与する振動付与手段を備える構成とした。また、請求項3に係る連続分離回収装置は、前記ベルトコンベアが、前記処理槽内の搬送経路中の少なくとも一箇所に、高さ方向の段差部を有する構成とした。
【0012】
これらのような構成によれば、振動付与手段によりベルトに振動が与えられることで、クラッド材に振動が与えられ、また、段差部により、搬送中のクラッド材がこの部位で落下し、衝撃が与えられる。これらにより、溶融ろう材と芯材の分離が促進される。
【0013】
請求項4に係る連続分離回収装置は、前記処理槽内の底部の少なくとも一箇所に、前記ベルトの傾斜による前記クラッド材の搬送方向に沿って、前記処理槽において仕切り間を形成する仕切り板を有し、前記仕切り間毎に、前記溶融ろう材回収手段を備える構成とした。
このような構成によれば、クラッド材がベルトコンベアで搬送される際の処理時間(すなわち、クラッド材が処理液に浸漬している時間)に応じた溶融ろう材が仕切り間に堆積され、回収される。
【0014】
請求項5に係る連続分離回収装置は、前記処理槽の底部が、中央または周縁が最深部となるテーパ形状をなし、前記溶融ろう材回収手段が、前記処理槽における最深部に位置するように設けられている構成とした。
このような構成によれば、処理槽の底部の中央または周縁が最深部となる部分に導かれて、沈殿した溶融ろう材が下方の底部先端に向けて集積する。
【0015】
請求項6に係る連続分離回収装置は、前記処理槽における前記仕切り間の底部が、前記仕切り間毎に、中央または周縁が最深部となるテーパ形状をなし、前記溶融ろう材回収手段が、前記仕切り間毎に、前記処理槽における最深部に位置するように設けられている構成とした。
このような構成によれば、処理槽の仕切り間毎の底部における中央または周縁が最深部となる部分に導かれて、沈殿した溶融ろう材が下方の底部先端に向けて集積する。
【0016】
請求項7に係る連続分離回収装置は、前記溶融ろう材回収手段が、前記処理槽内の底部またはその周縁に、前記溶融ろう材を排出する溶融ろう材排出口を備えると共に、前記溶融ろう材の回収を制御する溶融ろう材回収制御手段を備え、前記溶融ろう材回収制御手段は、前記処理槽内の底部近傍に設置された電極を介して、前記溶融ろう材および処理液の電気抵抗値を測定する電気抵抗値測定手段と、この電気抵抗値測定手段で測定された電気抵抗値が、前記溶融ろう材の電気抵抗値から、前記処理液の電気抵抗値へ変化したときに、この変化に基づいて、前記溶融ろう材排出口を塞ぐ溶融ろう材回収停止手段と、を備える構成とした。
【0017】
このような構成によれば、溶融ろう材の回収において、処理槽の底部に溜まった溶融ろう材が少なくなった際、処理槽内の溶融ろう材および処理液における電気抵抗値の変化に基づいて、溶融ろう材回収制御手段により、溶融ろう材の回収が停止される。
【0018】
請求項8に係る連続分離回収装置は、前記処理液が、溶融塩である構成とした。
このような構成によれば、処理液として溶融塩を用いることで、ろう材および芯材の回収効率が高くなり、また、溶融塩は密度が小さいため、溶融ろう材が沈降しやすくなる。
【0019】
請求項9に係るクラッド材の材料の連続分離回収方法(以下、適宜、連続分離回収方法という)は、アルミニウム合金からなる芯材の表面に、少なくともアルミニウム合金からなるろう材を備えたクラッド材のスクラップを、前記ろう材よりも比重が小さい処理液であり、前記ろう材の液相線以上、前記芯材の液相線未満の温度に調整した前記処理液の領域に浸漬させ、前記スクラップから、前記ろう材を連続的に溶融し、前記ろう材と前記芯材とを分離させて回収するクラッド材の材料の連続分離回収方法であって、処理液温度調整工程と、クラッド材投入工程と、クラッド材分離工程と、処理物回収工程と、を含むものである。
【0020】
このような方法によれば、処理液温度調整工程において、処理槽内に収容した前記処理液の温度が調整され、クラッド材投入工程において、前記処理液の温度を調整した処理槽内に前記クラッド材が投入される。そして、クラッド材分離工程において、ベルトコンベアを用いることで、前記処理槽内において、前記処理槽の一側における処理液の水底近傍の位置から、前記処理槽の他側における処理液の水面に向けて、予め設定された搬送速度で前記クラッド材が搬送され、前記処理液を介して前記ろう材と前記芯材とに分離される。さらに、溶融ろう材が落下すると共に、前記ろう材と分離した前記芯材が前記処理槽内から処理槽外に搬送される。次に、処理物回収工程において、前記処理液で溶融されて、前記処理槽の底部に沈殿した溶融ろう材が回収されると共に、前記処理槽外に搬送された前記芯材が回収される。そして、ベルトコンベアを用いることで、これらの作用が連続して行われる。
【0021】
請求項10に係る連続分離回収方法は、前記クラッド材分離工程において、前記処理槽内における前記ベルトコンベアのベルトに、振動を付与することを特徴とする。また、請求項11に係る連続分離回収方法は、前記ベルトコンベアに、前記処理槽内の搬送経路中の少なくとも一箇所において高さ方向の段差部を設け、前記クラッド材分離工程において、前記段差部でクラッド材を落下させることを特徴とする。
【0022】
これらのような方法によれば、ベルトに振動が与えられることで、クラッド材に振動が与えられ、また、段差部により、搬送中のクラッド材がこの部位で落下し、クラッド材に衝撃が与えられる。これらにより、溶融ろう材と芯材の分離が促進される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の請求項1に係る発明によれば、クラッド材を連続して処理することができるため、ろう材と芯材の回収効率が向上し、生産効率を向上させることができる。また、組成安定性に優れ、再利用する材料として高品質なろう材および芯材を回収することができる。
本発明の請求項2、3に係る発明によれば、溶融ろう材と芯材の分離が促進されるため、ろう材および芯材の分離・回収効率が向上する。また、回収される芯材に、ろう材成分が残存しにくくなるため、より高品質な芯材を回収することができる。
【0024】
本発明の請求項4に係る発明によれば、処理時間に応じた溶融ろう材を回収することができるため、ろう材の回収後の成分の調整や、成分組成に応じたグレード分けを行いやすくなる。
本発明の請求項5に係る発明によれば、溶融ろう材の回収がより行いやすくなる。また、溶融ろう材と共に、処理液が回収されるのを防止しやすくなる。
本発明の請求項6に係る発明によれば、仕切り間毎の溶融ろう材の回収がより行いやすくなる。また、仕切り間毎において、溶融ろう材と共に処理槽の処理液が回収されることを防止しやすくなる。
【0025】
本発明の請求項7に係る発明によれば、溶融ろう材と共に、処理液が回収されるのを、より防止しやすくなる。
本発明の請求項8に係る発明によれば、ろう材および芯材の回収効率が高くなる。
【0026】
本発明の請求項9に係る発明によれば、クラッド材を連続して処理することができるため、ろう材と芯材の回収効率が向上し、生産効率を向上させることができる。また、回収されたろう材および芯材は、組成安定性に優れているため、再利用する材料として、高品質なものとなる。
本発明の請求項10、11に係る発明によれば、溶融ろう材と芯材の分離を促進させることができ、ろう材および芯材の分離・回収効率の向上を図ることができる。また、回収される芯材に、ろう材成分が残存しにくくなるため、回収される芯材が、より高品質なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る連続分離回収装置を構成する主要部を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明に係る連続分離回収装置を構成する主要部を模式的に示す断面図である。
【図3】ベルトコンベアに段差部を設けた場合の連続分離回収装置を模式的に示す断面図である。
【図4】処理槽の底部に仕切り板を設けた状態を示す模式図であり、(a)は、連続分離回収装置を構成する主要部を模式的に示す断面図、(b)は、処理槽の底部の状態を模式的に示す斜視図である。
【図5】処理槽の底部を、中央が最深部となるテーパ形状とした状態を示す模式図であり、(a)は、連続分離回収装置を構成する主要部を模式的に示す断面図、(b)は、処理槽の底部の状態を模式的に示す斜視図である。
【図6】処理槽の底部を、周縁が最深部となるテーパ形状とした状態を示す模式図であり、(a)は、処理槽の底部の状態を模式的に示す斜視図、(b)は、処理槽の底部の状態を模式的に示す側面図である。
【図7】仕切り間を設けた場合に、処理槽の底部を、テーパ形状とした状態を示す模式図であり、(a)は、処理槽の底部を、仕切り間毎に中央が最深部となるテーパ形状とした状態を示す斜視図、(b)は、処理槽の底部を、仕切り間毎に周縁が最深部となるテーパ形状とした状態を示す斜視図である。
【図8】(a)、(b)は、溶融ろう材回収制御手段について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、図面を参照して本発明に係るクラッド材の材料の連続分離回収装置およびクラッド材の材料の連続分離回収方法ついて詳細に説明する。
【0029】
≪クラッド材の材料の連続分離回収装置≫
図1、2に示すように、連続分離回収装置100は、クラッド材1のスクラップを、処理液W(処理液Wの領域)に浸漬して、ろう材2を連続的に溶融し、ろう材(溶融ろう材)2と芯材3とを分離して回収するものであり、処理液Wと、処理槽10と、処理液温度保持手段20と、クラッド材投入手段30と、ベルトコンベア40と、溶融ろう材回収手段50と、芯材回収手段60と、を主に備える。
【0030】
なお、本発明の連続分離回収装置100において対象となるクラッド材1は、アルミニウム合金からなる芯材3の表面に、少なくともアルミニウム合金からなるろう材2を備えたクラッド材1のスクラップである。ここで、クラッド材1としては、芯材3の片面にろう材2を備えた2層のクラッド材1、芯材3の両面にろう材2を備えた3層のクラッド材1の他、さらに犠牲材や中間材等の側材を備えた4層構造以上のクラッド材1も対象となる。なお、芯材3は、犠牲材や中間材を含むクラッド材1の場合も含まないクラッド材1の場合も同様であり、犠牲材や中間材も、ろう材2の液相線温度と比較して十分に液相線温度が高く、芯材3と共に回収できることから、以下、代表して、芯材3について説明する。
【0031】
ここで、後記するように、ろう材2や芯材3は、使用用途により種々の成分組成の種類のものがあるが、液相線温度が同程度のろう材2と、液相線温度が同程度の芯材3との組み合わせのクラッド材1を、1つのグループとして処理することが好ましい。さらに、サイズも同程度で揃えて処理することが好ましい。なお、成分組成によるグループ分けは、処理槽10の処理液Wの設定温度との兼ね合いを考慮して調整すればよい。例えば、芯材3に犠牲材や中間材を含むクラッド材1の場合にも、処理槽10の処理液Wは、芯材3、犠牲材、中間材のいずれかの液相線温度のうち、いちばん低い液相線温度未満に設定すればよい。また、サイズについては、処理するサイズにより、主に搬送速度を調整すればよい。なお、投入するクラッド材1の大きさは、厚さが0.2〜100mm程度、長さが30〜200mm程度であることが好ましい。この程度の大きさであれば、本装置において、より効率的に処理することができる。なお、図1、2においては、便宜上、クラッド材1等を見やすく図示している。
以下、各構成について説明する。
【0032】
<処理槽>
図1、2に示すように、処理槽10は、処理液Wを収容し、この処理液Wを、ろう材2の液相線以上、芯材3の液相線未満の温度に調整する槽であり、後記するように、この処理槽10内において、クラッド材1をベルトコンベア40で搬送しながら、ろう材2を溶融させ、この溶融したろう材(溶融ろう材)2を処理槽10の底部11に沈殿させる。処理槽10の大きさは、例えば、長さが2〜3m程度、幅が1〜2m程度、厚さ(深さ)が0.5〜2m程度であればよいが、特に限定されるものではなく、他の構成との兼ね合いのもと、適宜大きさを決定すればよい。なお、処理槽10の材質は、処理液Wに侵されない材料を用いたものであれば、特に限定されるものではないが、一般には、セラミックスや鋼で製造するのが好ましい。
【0033】
<処理液>
処理液Wは、浸漬したクラッド材1について、ろう材2を溶融させることにより、ろう材2と芯材(ここでは、固体芯材)3とに分離するものである。
ろう材2と芯材3を分離するには、芯材3を固体として保持したまま、ろう材2を溶融して液体にしなければならない。よって、処理液Wは、ろう材2の液相線以上(ろう材2が完全に液体になる温度以上)、芯材3の液相線未満(芯材3が完全に液体になる温度未満)の温度である必要がある。
【0034】
ろう材2の液相線温度は、ろう材成分により異なり、Al−Si系ろう材の場合、SiのほかにMgやZnやCuが添加されていると低下する。また、Zn−Al系ろう材のように、さらに液相線温度の低いろう材も使用されつつある。このため、各ろう材の成分に応じた設定温度が必要である。ZnやCuが添加されていないAl−Siろう材では、一般的には580℃以上の温度で行えばいい。
【0035】
一方、芯材3としては、Al−Mn系合金が主に使用されている。この系の合金も添加元素により液相線温度は変化する。一般的に芯材として多く使用されている3003合金では、液相線温度は約650℃である。このため、一般的には580℃から630℃の範囲に低温処理液W1を加熱すればよい。なお、経済的な観点や操業上の便宜の観点等から、好ましくは630℃以下に加熱することが好ましい。
【0036】
また、本発明に用いる処理液Wとしては、溶融ろう材2よりも比重が小さい処理液である必要がある。処理液Wの比重が、溶融ろう材2以下であると、溶融ろう材2が処理液中で沈降せず、処理槽10の底部11に沈殿しないためである。また、比重が近いと、ろう材2の分離に時間がかかることから、処理液と溶融ろう材2の比重が、0.3程度以上離れていることが好ましい。例えば、Al−11質量%Si合金の600℃で溶融しているときの比重は約2.3であるため、このときの処理液Wの比重は、2.0程度以下が好ましい。
【0037】
処理液Wの種類としては、溶融金属や溶融塩が挙げられるが、溶融塩を用いることが好ましい。溶融塩は、アルミニウムに対する溶解度が非常に小さいため、ろう材2および芯材3の回収効率が高く、また、密度も小さいため、溶融ろう材2を沈降させやすい。溶融塩としては、例えば、NaCl−KCl−CaCl、KCl−NaCl−BaCl、KF−AlF等の混合塩が挙げられる。
【0038】
また、これら溶融塩に多少の添加物を添加した溶融塩でもよい。アルミニウム合金との腐食性を考慮すると硝酸塩が好ましいが、短時間で分離処理を行い、その後の洗浄を完全に行えば塩化物の溶融塩でもよい。このように、溶融ろう材2より比重の小さい処理液を用いることで、ろう材2と芯材3との分離が可能であり、また、溶融ろう材2を沈殿(沈降)させることができる。また、薄い板厚でもろう材2と芯材3との分離が可能となる。
【0039】
<処理液温度保持手段>
図1に示すように、処理液温度保持手段20は、処理槽10内の処理液Wを所定温度に保持する手段である。
前記したように、処理液Wは、ろう材2の液相線以上、芯材3の液相線未満の温度に保持する必要があるため、処理槽10内の処理液Wの温度を制御することが必要である。
処理液温度保持手段20による温度の制御方法としては、例えば、電気抵抗発熱ヒーターを処理槽10の壁面に取り付け、この壁面を介して、発熱板を処理槽10内の処理液Wに接触させ、処理液Wの温度を調整する方法が挙げられる。また、その他の方法として、加熱コイルを処理槽10の壁内に埋め込んだり、発熱板を処理液W内に挿入する投げ込み式のヒーターを使用したりしてもよい。なお、処理液Wを冷却する冷却器を併用して用いてもよい。
【0040】
<クラッド材投入手段>
図1、2に示すように、クラッド材投入手段30は、処理槽10内にクラッド材1を投入する手段である。
クラッド材投入手段30は、例えば筒状(とい状)の形態をしており、投入口31から投入されたクラッド材1をベルトコンベア40のベルト41上に載置できるように、その先端(クラッド材1の排出口32側)が処理槽10中のベルト41の上面に位置するように設けられている。また、クラッド材投入手段30の投入口31側は、クラッド材1を投入しやすい位置に配置される構成とすればよい。クラッド材投入手段30の形態は、特に限定されるものではなく、クラッド材1を処理槽10内に投入できるものであれば、どのようなものでもよい。なお、クラッド材1の投入口31は、クラッド材1を投入しやすいように、やや大きめの口径をしている。また、図1、2では、クラッド材1の搬送路は、真っ直ぐな形態としているが、クラッド材1の落下速度を落として投入の際の勢いを抑えるため、搬送路途中で傾斜させてもよい。
【0041】
さらに、クラッド材投入手段30は、処理槽10の長手方向および横手方向に移動可能な移動手段を備え(図示省略)、排出口32の処理槽10における位置を適宜調整することが可能な構成としてもよい。この移動手段としては、例えば、前後方向に移動自在な台車等に、クラッド材投入手段30を接続したもので構成すればよい。また、投入口31の位置や、排出口32の処理槽10におけるベルト41からの高さ等も、他の構成との兼ね合いのもと、適宜調整すればよい。クラッド材投入手段30の材質は、処理液Wに侵されない材料を用いたものであれば、特に限定されるものではない。
【0042】
<ベルトコンベア>
図1、2に示すように、ベルトコンベア40は、クラッド材投入手段30で投入されたクラッド材1を予め設定された搬送速度で搬送し、ろう材2と分離された芯材3を処理槽10内から処理槽10外に搬送する搬送手段である。ベルトコンベア40を用いることで、クラッド材1におけるろう材2と芯材3の分離を連続化することができる。
【0043】
ベルトコンベア40は、ベルト41と、複数のロール42と、を主に有している。
ベルト41は、溶融したろう材2を落下させるための網目Mを有する網目状のものであり、この網目Mにより、クラッド材1の搬送中に、液体になったろう材(溶融ろう材)2を落下させる。この網目Mの大きさは、芯材3(クラッド材1)が搬送中に落下しない大きさであれば、特に限定されるものではない。
【0044】
ロール42は、回転することで、ベルト41を循環させるためのものであり、モータ43により駆動させる。ロール42の回転速度は、ろう材2の融点や、処理液Wの温度等を考慮して、ろう材2を溶融できる時間、クラッド材1が処理液W中に浸漬されるように、適宜調整すればよい。このロール42の回転速度の調整により、搬送速度を設定し、この予め設定された搬送速度で、クラッド材1(芯材3)を搬送することができる。なお、図示しないが、ロール42は、支軸を介して、床、あるいは天井により支えられている。なお、ベルトコンベア40を構成する各部材の材質は、処理液Wに侵されない材料を用いたものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、固相線温度が700℃以上の金属製で構成するのが好ましい。
【0045】
ベルト41は、処理槽10内において、処理槽10の一側における処理液Wの水底近傍の位置から、処理槽10の他側における処理液Wの水面に向けて搬送方向に傾斜して設置されている。
処理槽10内においては、この傾斜により、クラッド材投入手段30を介してベルト41上に載置されたクラッド材1が、溶融ろう材2をベルト41の網目Mから落下させながら、処理槽10の一側から、処理槽10の他側における処理液Wの水面に向けて搬送される。
【0046】
さらに、ベルト41は、処理槽10外の後記する芯材回収手段60の上方に延長するように設けられている。これにより、ろう材2が溶融して除去された芯材3を芯材回収手段60に収容する。そして、その後は、ロール42を介して再び、処理槽10の一側における処理液Wの水底近傍の位置に戻る。このようにして、ベルト41は、ロール42を介して循環している。
【0047】
<溶融ろう材回収手段>
図1、2に示すように、溶融ろう材回収手段50は、処理液Wで溶融されて、処理槽10の底部11に沈殿した溶融ろう材2を回収する手段である。
ろう材2を回収する方法としては、ポンプでの吸い上げや、受け皿によるくみ出し等でもよいが、沈殿した溶融ろう材2を容易に回収できるバルブ式のドレーン(排出口)50を、処理槽10の底部11に設置するのが好ましい。ドレーン50の大きさや形状は特に限定されるものではなく、連続分離回収装置100の動作を妨げない程度に、連続的に溶融ろう材2を回収できるものであれば、どのようなものでもよい。ドレーン50の材質は、処理液Wに侵されない材料を用いたものであれば、特に限定されるものではない。なお、溶融ろう材2の回収と共に、処理液Wも回収される場合もあるが、処理液Wの少量の回収は特に問題はない。そして、ドレーン50を介して処理槽10から回収した溶融ろう材2は、冷却後、凝固した化合物塩が付着している場合には、それらを水に溶かしたり、機械的に粉砕したりして除去し、ろう材2のみを回収する。
【0048】
<芯材回収手段>
図1、2に示すように、芯材回収手段60は、処理槽10外におけるベルトコンベア40の搬送経路中に配置され、ろう材2と分離された芯材3を回収する手段である。
前記したように、ろう材2と分離された芯材3は、ベルトコンベア40により処理槽10外に搬送される。そして、この処理槽10外における搬送経路中に段差を設けて芯材3を落下させることで、処理槽10外におけるベルトコンベア40の搬送経路中で、この芯材3を回収する。この芯材回収手段60としては、箱状の容器(芯材回収容器)でよく、芯材3を収容できる強度、および、芯材3の予熱で破損しない程度の耐熱性を確保できるものであれば、どのような材質でもよい。また、その大きさも、特に限定されるものではなく、他の構成との兼ね合いのもと、適宜大きさを決定すればよい。
【0049】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。
以下に、本発明の他の実施形態について、適宜、図面を参照しながら説明する。なお、すでに説明した同じ構成については、同じ番号を付して説明を省略する。
【0050】
[振動付与手段]
図1に示すように、ベルトコンベア40は、処理槽10内のベルト41に振動を付与する振動付与手段70を備えるのが好ましい。
処理槽10内で、ベルトコンベア40によりクラッド材1を搬送する際、ベルト41の通常の移動による溶融ろう材2と芯材3の分離よりも、ベルト41に振動を付与するほうが、これらを分離しやすくなり、分離・回収の効率が向上する。また、回収される芯材3に、ろう材2成分が残存しにくくなる。
振動は、どの方向でも問題ないが、分離を促進させるため、1mm以上の振幅、1Hz以上の周波数が好ましい。振動を付与するには、ロール42a,42b(図2参照)のいずれか、あるいは、両方を振動させればよく、振動させる方法はどのようなものでもよい。なお、図1では、ロール42b(図2参照)を振動さるように、ロール42bに振動付与手段70を設けた場合について図示している。
【0051】
[段差部]
図3に示すように、ベルトコンベア40は、処理槽10内の搬送経路中の少なくとも一箇所に、高さ方向の段差部Bを有することが好ましい。
段差部Bを有することで、処理槽10内において、クラッド材1がベルトコンベア40で搬送される途中で、この段差部Bにより、クラッド材1が落下する。この落下の衝撃により、溶融ろう材2が芯材3と分離しやすくなり、分離・回収の効率が向上する。また、回収される芯材3にろう材2成分が残存しにくくなる。
この段差部Bは、ロール42を縦(上下)に並べることにより、形成することができる。このロール42とロール42の高さ方向の距離は特に限定されるものではなく、処理槽10の大きさや、処理液Wの量等を考慮し、適宜調整すればよい。また、段差部Bの数は、一箇所でもよいが、複数箇所形成してもよい(図3では、2箇所の場合について図示している)。また、処理槽10内における段差部Bの位置も、処理槽10の大きさや、処理液Wの量等を考慮し、適宜調整すればよい。また、段差部Bを設ける場合にも、前記した振動付与手段70を同時に設けてもよく、この場合、振動付与手段70は、処理槽10内のベルト41に振動を付与できるように、処理槽10内、あるいは処理槽10近辺のロール42を適宜選択して、ロール42に振動付与手段70を設ければよい。
【0052】
[仕切り間の形成]
図4(a)、(b)に示すように、処理槽10内の底部11の少なくとも一箇所に、ベルト41の傾斜によるクラッド材1の搬送方向に沿って処理槽10において仕切り間Sを形成する仕切り板80を有し、仕切り間S毎に、溶融ろう材回収手段50を備えるのが好ましい。
処理液W中を、クラッド材1がベルトコンベア40で搬送される際に、その処理時間に従い、分離される溶融ろう材2の組成が徐々に変化する。そのため、処理槽10の底部11に仕切り板80を設け、さらに仕切り間S毎に溶融ろう材回収手段50(ここでは、図4では、ドレーンとして図示しているが、ポンプでの吸い上げや、受け皿によるくみ出し等でもよい)を設けることによって、処理時間に応じた溶融ろう材2を回収することができる。これにより、成分組成に応じた溶融ろう材2を回収することができ、回収後の成分の調整や、成分組成に応じたグレード分けを行うのに有効となる。仕切り板80の材質は、処理液Wに侵されない材料(例えば耐火物等)を用いたものであれば、特に限定されるものではない。また、仕切り板80の数、間隔、処理槽10における高さ等も、処理槽10の大きさ、回収する溶融ろう材2の用途、ベルト41の高さ等に応じて適宜調整すればよい。
【0053】
[底部の形状]
また、図5(a)、(b)に示すように、処理槽10の底部11は、中央が最深部となるテーパ形状をなし、溶融ろう材回収手段50が、処理槽10における最深部に位置するように設けられているのが好ましい。
さらには、図6(a)、(b)に示すように、処理槽10の底部11は、周縁が最深部となるテーパ形状をなし、溶融ろう材回収手段50が、処理槽10における最深部に位置するように設けられているのが好ましい。
そして、図7(a)、(b)に示すように、底部11に仕切り間Sを形成する場合には、処理槽10における仕切り間Sの底部11は、仕切り間S毎に、中央または周縁が最深部となるテーパ形状をなし、溶融ろう材回収手段50が、仕切り間S毎に、処理槽10における最深部に位置するように設ける構成としてもよい。
【0054】
処理槽10の底部11を、下方に向けて中央が最深部となるテーパ形状とすることで、沈殿した溶融ろう材2が下方の底部先端に向けて集積する。そのため、溶融ろう材2の回収がより行いやすくなる。また、溶融ろう材2と共に、処理液Wが回収されるのを防止しやすくなる。さらに、底部11の周縁が最深部となるテーパ形状とすることで、図6(a)、(b)に示すように、ドレーン50を処理槽10の外壁下方に設けることができ、溶融ろう材2の回収がより容易になる。また、仕切り間S毎にテーパ形状とすることで、仕切り間S毎の溶融ろう材2の回収がより行いやすくなり、仕切り間S毎に処理液Wが回収されるのを防止しやすくなる。なお、このテーパ形状の傾斜角度や、底部先端(最深部)の位置等は、他の要件との兼ね合いのもと、適宜調整すればよい。
【0055】
[電気的検出手段]
図8(a)、(b)に示すように、溶融ろう材回収手段50は、処理槽10内の底部11またはその周縁Lに、溶融ろう材2を排出する溶融ろう材排出口Gを備えると共に(図8では、周縁Lに備えている場合について図示している)、溶融ろう材2の回収を制御する溶融ろう材回収制御手段51を備え、溶融ろう材回収制御手段51は、処理槽10内の底部11近傍に設置された電極E,eを介して、溶融ろう材2および処理液Wの電気抵抗値を測定する電気抵抗値測定手段52と、電気抵抗値測定手段52で測定された電気抵抗値が、溶融ろう材2の電気抵抗値から、処理液Wの電気抵抗値へ変化したときに、この変化に基づいて、溶融ろう材排出口Gを塞ぐ溶融ろう材回収停止手段53と、を備えるのが好ましい。
【0056】
図8(a)、(b)を参照し、溶融ろう材回収制御手段の一例について説明する。
溶融ろう材2は、アルミニウム合金からなるため、電気抵抗の小さな(約2×10−7Ωm)電導体であり、一方、処理液Wとして用いる溶融塩は、アルミニウム合金と比べ電気抵抗が非常に大きい(約4×10−3Ωm)電導体である。そのため、溶融ろう材2に電流を流すと、底部11における溶融ろう材2の残量が多い場合には、電気抵抗値測定手段52における下部電極Eおよび上部電極e(第1上部電極e1,第2上部電極e2,第3上部電極e3)が溶融ろう材2に浸漬するため、下部電極Eと上部電極e(e1,e2,e3)との間で通電する。そして、電気抵抗値測定手段52における抵抗計R1,R2,R3が、溶融ろう材2の電位を検出して、処理槽10内の溶融ろう材2の電気抵抗を測定し、各電気抵抗値が電気抵抗値測定手段52における処理部Dに入力され、溶融ろう材2の電気抵抗値がほぼ0Ωと算出される。この電気抵抗値は、処理部Dで信号に変換されて、溶融ろう材回収停止手段53に出力される。
【0057】
しかし、溶融ろう材2の回収に伴い、溶融ろう材2の残量が減少すると、まず、第3上部電極e3が溶融塩(処理液W)に浸漬し、下部電極Eと第3上部電極e3との間で通電が起こらなくなるため、電気抵抗が上昇する。さらに、第2上部電極e2が溶融塩に浸漬すると、さらに電気抵抗が上昇し、第1上部電極e1までが溶融塩に浸漬すると、下部電極Eと上部電極e(e1,e2,e3)との間で通電量が小さくなる。そして、抵抗計R1,R2,R3が、処理槽10内の溶融塩(処理液W)の電気抵抗を測定することで、処理部Dにおいて、電気抵抗値がほぼ∞Ω(ろう材2だけの時の10000倍程度)と算出される。この電気抵抗値は処理部Dで信号に変換されて、溶融ろう材回収停止手段53に出力される。
【0058】
ここで、処理部Dにおいて、例えば、所定の電気抵抗値の場合には、溶融ろう材回収停止手段53に信号を送信して溶融ろう材排出口Gを開き、電気抵抗値がほぼ∞Ωの場合には、溶融ろう材排出口Gを塞ぐように設定しておくことで、電気抵抗値の変化に基づいて、溶融ろう材2の回収を制御することができる。このようにすることで、溶融ろう材2の回収を簡便に行うことが可能となり、また、処理液Wの流出防止効果をより向上させることができる。
【0059】
なお、処理液Wが、溶融塩以外の場合でも、処理部Dにおいて、溶融ろう材排出口Gを塞ぐような電気抵抗値を予め設定しておくことで、電気抵抗値の変化に基づき、溶融ろう材2の回収を止めることが可能である。なお、溶融ろう材2の電位をより的確に検出し、かつ溶融ろう材回収手段50の構造を簡便なものにするには、溶融ろう材回収手段50の材質は、銅製が好ましく、また、アルミニウムの中でも純度の高い1000系(望ましくは、Al純度が99.0%以上)のアルミニウム製でもよい。
【0060】
また、図8(a)では、上部電極e(e1,e2,e3)の配線が、処理槽10の壁面を貫通しているが(図8(a)では、便宜上、上部電極e、抵抗計R1,R2,R3、処理部D等は、処理槽10の下部に図示しているが、これらは、処理槽10の側部に設ければよい)、図8(b)に示すように、配線が処理槽10の上部から処理槽10外へ出る構成としてもよい。このような構成とすることで、配線や壁面に導電性のあるアルミニウム合金(溶融ろう材2)が残存しにくくなり、残存したアルミニウム合金が原因で上部電極eに電流が流れることを防止することができる。
【0061】
[その他]
さらに、例えば、分離した溶融ろう材2や芯材3を冷却させる装置を、溶融ろう材回収手段50や芯材回収手段60に、あるいは、前記した連続分離回収装置100の近傍に設けたり、回収したろう材2や芯材3を洗浄し、表面の溶融塩等を除去する装置等を、前記した連続分離回収装置100の近傍に設けたりしてもよい。また、ゴミの混入や処理液Wの温度の低下を防止できる構造とするために、ベルトコンベア40の稼動に支障をきたさない程度に、処理槽10に蓋を設けてもよい。
【0062】
次に、連続分離回収装置の動作について、図1〜8を参照して説明する。
まず、処理槽10内に処理液Wを充填し、処理液温度保持手段20により、処理液Wを所定の温度に調整する。次に、ベルトコンベア40を、ベルト41の循環が所定の搬送速度になるように設定して駆動させ、クラッド材1が処理槽10内のベルトコンベア40のベルト41上に載置するように、クラッド材投入手段30を介してクラッド材1を処理槽10内に投入する。このクラッド材1は、ベルトコンベア40により、処理槽10の一側における処理液Wの水底近傍の位置から、処理槽10の他側における処理液Wの水面に向けて搬送されながら、処理液Wを介して溶融ろう材2と固体芯材3に分離される。そして、溶融ろう材2はベルト41の網目Mを介して処理液W中を沈降して処理槽10の底部11に沈殿し、芯材3は処理槽10外に運ばれる。その際、振動付与手段70を用いる場合には、処理槽10内のベルト41に振動を付与し、また、ベルトコンベア40に段差部Bを設けた場合には、クラッド材1が段差部Bで落下する。これらにより、芯材3からの溶融ろう材2の分離が促進される。
【0063】
そして、処理槽10の底部11に沈殿した溶融ろう材2は、溶融ろう材回収手段50を介して回収される。その際、処理槽10の底部11に、仕切り板80により仕切り間Sを形成した場合には、仕切り間S毎に、成分組成の違いに応じて溶融ろう材2が回収される。また、処理槽10の底部11をテーパ形状とした場合には、溶融ろう材2が処理槽10の底部11に集積するため、回収が容易となる。さらに、溶融ろう材回収手段50に溶融ろう材回収制御手段51を設けた場合には、溶融ろう材2が回収された後、処理液Wが回収される前に溶融ろう材2の回収が自動的に止められる。一方、処理槽10外に搬送された芯材3は、芯材回収手段60(芯材回収容器)により回収される。これらの回収作業は、クラッド材1が連続して投入され、搬送されている間も継続して行うことが可能である。なお、ベルトコンベア40のベルト41は、芯材3を芯材回収容器に投入した後、再び、処理槽10の一側における処理液Wの水底近傍の位置に戻る。
このような動作を繰り返すことで、クラッド材1の投入から、ろう材2、芯材3の回収までを連続して行うことができ、クラッド材1の材料の分離・回収を連続化することができる。
【0064】
≪クラッド材の材料の連続分離回収方法≫
次に、クラッド材の材料の連続分離回収方法について、図1〜8を参照して説明する。なお、連続分離回収方法は、前記した連続分離回収装置100を用いて行うことができる。
クラッド材1の材料の連続分離回収方法は、クラッド材1のスクラップを、処理液W(処理液Wの領域)に浸漬して、ろう材2を連続的に溶融し、ろう材(溶融ろう材)2と芯材3とを分離して回収するものであり、処理液温度調整工程と、クラッド材投入工程と、クラッド材分離工程と、処理物回収工程と、を含む。
以下、各工程について説明する。なお、本発明の方法において対象となるクラッド材1、処理液W、および、処理槽10については、前記連続分離回収装置100での説明と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、処理液温度調整工程における処理液Wの温度の調整、クラッド材投入工程におけるクラッド材1の投入、クラッド材分離工程におけるろう材2と芯材3との分離、処理物回収工程におけるろう材2および芯材3の回収等については、前記連続分離回収装置100において説明したとおりであるので、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0065】
<処理液温度調整工程>
処理液温度調整工程は、処理液Wを処理槽10内に収容し、処理液Wの温度を調整する工程である。
【0066】
<クラッド材投入工程>
クラッド材投入工程は、処理液Wの温度を調整した処理槽10内に、クラッド材1を投入する工程である。
【0067】
<クラッド材分離工程>
クラッド材分離工程は、クラッド材投入工程で投入されたクラッド材1を、処理槽10の一側から他側に向かって搬送し、処理液Wを介して、クラッド材1からろう材2を分離して溶融させる工程である。
クラッド材分離工程は、ベルトコンベア40を用い、処理槽10内において、処理槽10の一側における処理液Wの水底近傍の位置から、処理槽10の他側における処理液Wの水面に向けて、予め設定された搬送速度でクラッド材1を搬送し、ろう材2と分離した芯材3を処理槽10内から処理槽10外に搬送することにより行う。また、クラッド材分離工程において、処理槽10内におけるベルトコンベア40のベルト41に、振動を付与してもよい。さらに、ベルトコンベア40に、処理槽10内の搬送経路中の少なくとも一箇所において高さ方向の段差部Bを設け、段差部Bでクラッド材1を落下させてもよい。
【0068】
<処理物回収工程>
処理物回収工程は、クラッド材分離工程で分離されたろう材2および芯材3を回収する工程である。
処理物回収工程は、処理液Wで溶融されて、処理槽10の底部11に沈殿した溶融ろう材2を回収すると共に、処理槽10外に搬送された芯材3を回収することにより行う。また、処理槽10内の底部11の少なくとも一箇所に、ベルト41の傾斜によるクラッド材1の搬送方向に沿って、処理槽10において仕切り間Sを形成する仕切り板80を設け、仕切り間S毎に、溶融したろう材2を回収してもよい。また、処理槽10の底部11を、中央または周縁が最深部となるテーパ形状とし、最深部に集積した溶融ろう材2を回収するようにしてもよい。なお、底部11に仕切り間Sを形成する場合には、仕切り間S毎に、中央または周縁が最深部となるテーパ形状としてもよい。さらには、処理槽10内の底部11近傍に設置された電極E,eを介して、溶融ろう材2および処理液Wの電気抵抗値を測定し、この測定された電気抵抗値が、溶融ろう材2の電気抵抗値から、処理液の電気抵抗値へ変化したときに、この変化に基づいて、溶融ろう材2の回収経路を遮断して、溶融ろう材2の回収を制御するようにしてもよい。
【0069】
本発明に係る連続分離回収方法は以上説明したとおりであるが、本発明を行うにあたり、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、例えば、投入するクラッド材1を所定の大きさにするクラッド材準備工程や、ごみ等の不要物を除去する不要物除去工程や、分離した溶融ろう材2や芯材3を冷却させる処理物冷却工程や、これらを洗浄し、表面の溶融塩等を除去する処理物洗浄工程等、他の工程を含めてもよい。
【実施例】
【0070】
次に、本発明に係る連続分離回収装置および連続分離回収方法について、実施例、比較例を挙げて具体的に説明する。
実施例として、連続分離回収装置は、図1〜4の構成のものに、本発明の範囲内で適宜変更を加えたものを使用し、1tonのクラッド材を処理した。なお、比較例2、3については、連続処理のできない容器を使用し、クラッド材を籠に入れて、比較例2については容器内の処理液に沈ませる装置、比較例3については雰囲気炉で処理する装置を使用した。そして、処理する前のクラッド材におけるろう材のSi量(ろう材の初期Si量)と、処理後のろう材のSi量(回収したろう材のSi量)から、回収したろう材の品質を調べた。また、処理する前のクラッド材における芯材のSi量(芯材の初期Si量)と、処理後の芯材のSi量(回収した芯材Si量)から、回収した芯材の品質を調べた。すなわち、ろう材と芯材の分離がうまく行われているかどうかを調べた。
【0071】
具体的には、「C=(回収したろう材のSi量)/(ろう材の初期Si量)×100」、「Co=(芯材の初期Si量)/(回収した芯材Si量)×100」とし、ろう材については、「0<C≦50:×、50<C≦80:○、80<C≦90:◎、90<C≦95:◎◎、95<C≦100:◎◎◎」とした。
また、芯材については、「0<Co≦50:×、50<Co≦80:○、80<Co≦90:◎、90<Co≦95:◎◎、95<Co≦100:◎◎◎」とした。
そして、「◎◎◎」を品質が極めて優良、「◎◎」を優良、「◎」を極めて良好、「○」を良好、「×」を不良とした。また、ろう材に芯材成分が混入したもの、回収が困難であったものも「×」とした。
クラッド材および処理液としては、表1に示す条件のものを使用した。
また、その他の条件および試験結果を表2に示す。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
表2に示すように、実施例1〜4は、本発明の構成を満たしているため、ろう材、芯材ともに、品質が良好以上であった。
なお、実施例2、4は、ベルトに振動を付与しているため、実施例3は、段差部を設けているため、ろう材と芯材の分離が促進され、実施例1に比べて、回収された芯材の品質がよかった。また、実施例4は、3つの仕切り間を設けているため、仕切り間毎にろう材を回収できた。
【0075】
一方、比較例1は、低温処理液の温度が芯材の液相線温度以上であるため、ろう材が完全に溶融した後、芯材も溶融してしまったため、ろう材の品質が不良であった。比較例2は、処理液中にクラッド材を沈ませているため、ろう材の品質が実施例に比べてやや劣り、かつ芯材にろう材成分が残存していたため、芯材の品質が不良であった。比較例3は、雰囲気炉を使用し、大気中でクラッド材を処理しているため、ろう材と芯材の界面で合金化が起こり、ろう材の品質が実施例に比べてやや劣り、かつ芯材にろう材成分が残存していたため、芯材の品質が不良であった。
【0076】
以上、本発明に係る連続分離回収装置および連続分離回収方法について最良の実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて改変・変更等することができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0077】
1 クラッド材
2 ろう材(溶融ろう材)
3 芯材(固体芯材)
10 処理槽
11 底部
20 処理液温度保持手段
30 クラッド材投入手段
40 ベルトコンベア
41 ベルト
42 ロール
50 溶融ろう材回収手段
51 溶融ろう材回収制御手段
52 電気抵抗値測定手段
53 溶融ろう材回収停止手段
60 芯材回収手段
70 振動付与手段
80 仕切り板
100 クラッド材の材料の連続分離回収装置
B 段差部
G 溶融ろう材排出口
L 周縁部
M 網目
S 仕切り間
W 処理液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム合金からなる芯材の表面に、少なくともアルミニウム合金からなるろう材を備えたクラッド材のスクラップを、前記ろう材よりも比重が小さい処理液であり、前記ろう材の液相線以上、前記芯材の液相線未満の温度に調整した前記処理液の領域に浸漬させ、前記スクラップから、前記ろう材を連続的に溶融し、前記ろう材と前記芯材とを分離させて回収するクラッド材の材料の連続分離回収装置であって、
前記処理液を収容する処理槽と、
前記処理槽内の処理液を所定温度に保持する処理液温度保持手段と、
前記処理槽内に前記クラッド材を投入するクラッド材投入手段と、
前記クラッド材投入手段で投入された前記クラッド材を予め設定された搬送速度で搬送し、前記ろう材と分離された前記芯材を、前記処理槽内から処理槽外に搬送するベルトコンベアと、
前記処理液で溶融されて、前記処理槽の底部に沈殿した溶融ろう材を回収する溶融ろう材回収手段と、
前記処理槽外における前記ベルトコンベアの搬送経路中に配置され、前記ろう材と分離された前記芯材を回収する芯材回収手段と、を備え、
前記ベルトコンベアは、溶融したろう材を落下させる網目を有するベルトと、このベルトを循環させる複数のロールと、を有し、
前記ベルトは、前記処理槽内において、前記処理槽の一側における処理液の水底近傍の位置から、前記処理槽の他側における処理液の水面に向けて搬送方向に傾斜すると共に、前記処理槽外における前記芯材回収手段の上方に延長するように設けられていることを特徴とするクラッド材の材料の連続分離回収装置。
【請求項2】
前記ベルトコンベアは、前記処理槽内のベルトに振動を付与する振動付与手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のクラッド材の材料の連続分離回収装置。
【請求項3】
前記ベルトコンベアは、前記処理槽内の搬送経路中の少なくとも一箇所に、高さ方向の段差部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクラッド材の材料の連続分離回収装置。
【請求項4】
前記処理槽内の底部の少なくとも一箇所に、前記ベルトの傾斜による前記クラッド材の搬送方向に沿って、前記処理槽において仕切り間を形成する仕切り板を有し、前記仕切り間毎に、前記溶融ろう材回収手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のクラッド材の材料の連続分離回収装置。
【請求項5】
前記処理槽の底部は、中央または周縁が最深部となるテーパ形状をなし、前記溶融ろう材回収手段が、前記処理槽における最深部に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のクラッド材の材料の連続分離回収装置。
【請求項6】
前記処理槽における前記仕切り間の底部は、前記仕切り間毎に、中央または周縁が最深部となるテーパ形状をなし、前記溶融ろう材回収手段が、前記仕切り間毎に、前記処理槽における最深部に位置するように設けられていることを特徴とする請求項4に記載のクラッド材の材料の連続分離回収装置。
【請求項7】
前記溶融ろう材回収手段は、前記処理槽内の底部またはその周縁に、前記溶融ろう材を排出する溶融ろう材排出口を備えると共に、前記溶融ろう材の回収を制御する溶融ろう材回収制御手段を備え、
前記溶融ろう材回収制御手段は、前記処理槽内の底部近傍に設置された電極を介して、前記溶融ろう材および処理液の電気抵抗値を測定する電気抵抗値測定手段と、この電気抵抗値測定手段で測定された電気抵抗値が、前記溶融ろう材の電気抵抗値から、前記処理液の電気抵抗値へ変化したときに、この変化に基づいて、前記溶融ろう材排出口を塞ぐ溶融ろう材回収停止手段と、を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のクラッド材の材料の連続分離回収装置。
【請求項8】
前記処理液が、溶融塩であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のクラッド材の材料の連続分離回収装置。
【請求項9】
アルミニウム合金からなる芯材の表面に、少なくともアルミニウム合金からなるろう材を備えたクラッド材のスクラップを、前記ろう材よりも比重が小さい処理液であり、前記ろう材の液相線以上、前記芯材の液相線未満の温度に調整した前記処理液の領域に浸漬させ、前記スクラップから、前記ろう材を連続的に溶融し、前記ろう材と前記芯材とを分離させて回収するクラッド材の材料の連続分離回収方法であって、
前記処理液を処理槽内に収容し、前記処理液の温度を調整する処理液温度調整工程と、
前記処理液の温度を調整した処理槽内に前記クラッド材を投入するクラッド材投入工程と、
前記投入されたクラッド材を、前記処理槽の一側から他側に向かって搬送し、前記処理液を介して、前記クラッド材から前記ろう材を分離して溶融させるクラッド材分離工程と、
前記分離されたろう材および芯材を回収する処理物回収工程と、を含み、
前記クラッド材分離工程は、ベルトコンベアを用い、前記処理槽内において、前記処理槽の一側における処理液の水底近傍の位置から、前記処理槽の他側における処理液の水面に向けて、予め設定された搬送速度で前記クラッド材を搬送し、前記ろう材と分離した前記芯材を前記処理槽内から処理槽外に搬送することにより行い、
前記処理物回収工程は、前記処理液で溶融されて、前記処理槽の底部に沈殿した溶融ろう材を回収すると共に、前記処理槽外に搬送された前記芯材を回収することにより行うことを特徴とするクラッド材の材料の連続分離回収方法。
【請求項10】
前記クラッド材分離工程において、前記処理槽内における前記ベルトコンベアのベルトに、振動を付与することを特徴とする請求項9に記載のクラッド材の材料の連続分離回収方法。
【請求項11】
前記ベルトコンベアに、前記処理槽内の搬送経路中の少なくとも一箇所において高さ方向の段差部を設け、前記クラッド材分離工程において、前記段差部でクラッド材を落下させることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のクラッド材の材料の連続分離回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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