説明

クランプ型計器用据置端子

【課題】現行計器の設置環境に対応できるクランプ型計器用の設置端子を提供する。
【解決手段】クランプ型計器用端子1は、クランプ型変流器を含む計器と配電線とに接続される。クランプ型計器用据置端子1は、配電線を受け入れる電線挿入穴20を備える本体11を有し、電線挿入穴20は本体11に対して横一列に配置されている。本体11は、さらに、クランプ型変流器の貫通穴を通って配置される電流線バー12を備えている。前記電流線バー12は、前記電線挿入穴20の導電部に電気的に接続され、前記本体11の外部に延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電力量計の計器に使用される据置端子に関し、特に、クランプ型変流器を含む計器に使用される据置端子に関する。
【背景技術】
【0002】
電力量計には、クランプ型変流器が用いられる場合がある。クランプ型変流器では、環状鉄心が二分割されているため、二つの鉄心部分を開閉することによって、配電線を切断することなく鉄心の貫通穴に通すことができる。従って、クランプ型変流器を用いた電力量計では、計器の交換作業を無停電で容易に行うことができる。
【0003】
特開平11−108973号には、クランプ型変流器を使用した電力量計の計器と、計器に取り付けられる端子箱が記載されている。この電力量計では、第1の鉄心部分が計器本体内に固定配置され、第2の鉄心部分は、端子箱に収納されている。第1及び第2の鉄心部分は、2分割型のケーシング内に収納され、第1の鉄心部分を収納する第1のケーシング部分と第2の鉄心部分を収納する第2のケーシング部分が、枢着部を介して開閉される。
【0004】
しかし、現行計器における配電線の配列は、左に電源側、右に負荷側の配電線が横一列に並ぶように設定されているのに対し、特開平11−108973号の端子箱では、左に電源側、右に負荷側の配電線が縦一列に並ぶように配列されている。このため、現行計器の設置環境に対応することが困難である。また、クランプ型変流器の貫通穴に通される配電線の太さは一律ではないため、環状鉄心の形状を、想定される最大値に合わせる必要がある。さらに、配電線の太さが一律でないため、配電線を、常にクランプ型変流器の貫通穴の中心に配置することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−108973号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、現行計器の設置環境にも対応できる、クランプ型計器用の据置端子を提供することである。さらに、本発明の目的は、クランプ型変流器の形状が配電線の太さに影響されないようにすることができる、クランプ型計器用据置端子を提供することである。さらに、本発明の目的は、異なる太さの配電線を貫通穴の中心に配置する手間を不要とする、クランプ型計器用据置端子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、クランプ型変流器を含む計器と配電線とに接続される据置端子であって、前記配電線を受け入れる電線挿入穴を備える本体を有し、前記電線挿入穴は前記本体に対して横一列に配置されており、前記本体は、さらに、前記クランプ型変流器の貫通穴を通って配置される電流線バーを備えている、据置端子が提供される。この構成によれば、従来技術と異なり、据置端子の本体に設けられた電流線バーをクランプ型変流器の貫通穴に通すことができるため、クランプ型変流器の形状を、使用される配電線の太さの最大値に合わせる必要がない。また、異なる太さの配電線を、変流器の貫通穴の中心に配置するための手間をなくすことができる。さらに、本発明のクランプ型計器用据置端子は、電線挿入穴が本体に対して横一列に配置されているため、現行計器の設置環境に容易に設置することができる。
【0008】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の据置端子であって、前記電流線バーは、前記電線挿入穴の導電部に電気的に接続されており、前記本体の外部に向けて延びている、据置端子が提供される。
【0009】
請求項3の発明によれば、請求項1または2に記載の据置端子であって、前記クランプ型変流器の全体が前記計器の本体に内蔵されており、前記計器の前記本体は、前記電流線バーを受け入れる溝を備えている、据置端子が提供される。この構成によれば、据置端子の電流線バーを計器本体の溝に固定することができるので、電流線バーをクランプ型変流器の貫通穴の中心部に確実に固定することができる。
【0010】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の据置端子であって、前記電流線バーは、前記計器の電圧検出用端子部と接触する接触部を有しており、前記電流線バーは、前記接触部を除いて、絶縁加工されている、据置端子が提供される。この構成によれば、電流線バーが接触部を除いて絶縁加工されているので、無停電状態での計器交換作業時等に電流線バーが外部に露出されても、作業者が感電する虞がない。
【0011】
請求項5の発明によれば、請求項4に記載の据置端子であって、前記計器の前記電圧検出用端子部は突起を形成しており、前記接触部が前記突起と接触することにより、電圧が検出される、据置端子が提供される。この構成によれば、電流線バーと電圧検出用端子部とを確実に接触させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、現行計器の設置環境にもクランプ型計器を設置できる、クランプ型計器用の据置端子を提供することができる。さらに、本発明によれば、クランプ型変流器の形状が配電線の太さに影響されないようにすることができる、クランプ型計器用据置端子を提供することができる。さらに、本発明によれば、異なる太さの配電線を貫通穴の中心に配置する手間を不要とする、クランプ型計器用据置端子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態によるクランプ型計器用据置端子の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるクランプ型計器用据置端子の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるクランプ型計器用据置端子がクランプ型計器に取り付けられた状態を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるクランプ型計器用据置端子に用いられるクランプ型計器の斜視図である。
【図5】図4の計器本体が閉じられた際のクランプ型変流器及び溝周辺部を示す、拡大部分断面図である。
【図6】クランプ型計器の溝の他の例を示す、図5に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
【0015】
[クランプ型計器用据置端子の全体概要]
図1と図2は、それぞれ、本発明の一実施形態による、クランプ型(換言すれば、開閉式)計器用の据置端子1の正面図と斜視図である。クランプ型計器用据置端子1は、本体11と、本体11に設けられた2本の電流線バー12を備えている。据置端子本体11は、実質的に矩形状断面を有するブロック状の形態を有しており、固定ねじ16を受け入れる窓部17が形成された側を前面にして、クランプ型計器2と共に、通常、計器取付板(図示せず)を介して、建造物の壁面等に取り付けられる(図3参照)。据置端子本体11の下面には、電線挿入穴20が開口しており、各電線挿入穴20には、配電線が挿入され、固定ねじ16を締め付けることによって、電線挿入穴20内部の導電部(図示せず)に固定される。本実施形態では、配電線は単相3線式であるため、電源側の配電線1S、2S、3Sと負荷側の配電線3L、2L、1Lが図示されている。尚、本明細書中、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「正面」、「背面」、「裏面」等の方向を示す用語は、特に断りのない限り、クランプ型計器用据置端子1が、クランプ型計器2と共に、建造物の壁面等に設置された状態について用いられる。図中、18は、据置端子本体11に端子カバー(図示省略)を取り付けるための端子カバー装着用ねじ穴であり、19は、据置端子本体11を計器取付板に固定するための、計器固定用ねじ穴である。15は試験用端子を示す。
【0016】
[電線挿入穴の配列について]
図1に示されるように、電線挿入穴20は、据置端子本体11を横断する方向に沿って横一列に配置されている。具体的には、電線挿入穴20が、図1における左から右方向に、それぞれ、配電線1S、2S、3S、3L、2L、1Lの配列に対応するように、建造物の壁面等に設置された据置端子本体11を横断する方向に沿って横一列に並んで配置されている。このような電線挿入穴20に接続される配電線1S、2S、3S、3L、2L、1Lの配列は、従来から採用されている電力量計の計器及び端子部における配電線の配列と同じである。従って、上記特開平11−108973の例とは異なり、従来の電力量計の設置環境に容易に対応することができる。
【0017】
[電流線バーについて]
2本の電流線バー12は、それぞれ、1Sと1L、3Sと3Lを電気的に接続するように、対応する電線挿入穴20の導電部に一体的に形成された導電体であり、据置端子本体11の上面から外側に向けて延びている。後述するように、電流線バー12は、それぞれ、クランプ型(開閉式)の計器本体21内に挿入され、計器本体21に内蔵されたクランプ型変流器25、26の1次側導体として使用される。このように所定の形状及び寸法の電流線バー12を1次側導体として使用するため、様々な配電線の太さを考慮してクランプ型変流器25、26の環状鉄心の形状を決める必要がない。また、後述するように、計器本体21に電流線バー12を受け入れる溝を形成することにより、電流線バー12を、環状鉄心の中心部に容易に固定することができる。尚、図1及び図2に示す例では、各電流線バー12は、平坦な板状の角型棒の形態を有しているが、電流線バー12の形状はこれには限られず、例えば、円形断面を有する丸型棒の形態を有していてもよい。
【0018】
各電流線バー12は、計器本体21に形成される電圧検出部24に接触させるための接触部14を有している。本実施形態では、電流線バー12における、接触部14を除く部分は絶縁加工されている。無停電状態での計器交換作業時等に、電流線バー12は外部に露出されるが、このような絶縁加工を施すことによって、作業者が感電する虞を防止することができる。接触部14の形態及び寸法は、対応する電圧検出部24の構成との組合せで決められるが、後述するように、電圧検出部24を突起状に形成し、電圧検出部24を受け入れる穴又は凹部として接触部14を形成することが好ましい。この場合、電圧検出部24の突起を接触部14の穴又は凹部に嵌合させることによって、電圧検出部24と接触部14を確実に接触させることができる。
【0019】
据置端子本体11は、さらに、2S側の電線挿入穴20の導電部に一体的に形成される端子バー13を備えている。配電線2S、2Lは中性線であり、据置端子本体11の内部で短絡されている。従って、端子バー13は、計器2の電圧検出部24に対する接触部14を設けるために形成されている。
【0020】
[計器の全体概要]
図4は、本発明に用いられるクランプ型計器2の概略斜視図である。図4に示すように、クランプ型計器2は、計器本体21を備え、計器本体21は、ヒンジ部27を介して互いに開閉自在に連結される第1本体部分21aと第2本体部分21bを備えている。本実施形態では、クランプ型計器2は、電子式電力量計であり、第1本体部分21aと第2本体部分21bは、それぞれ、回路基板等を収容することができる箱体またはケーシングである。建造物の壁面等に設置された状態では、第1本体部分21aが計器2の前面側に位置し、第2本体部分21bが壁面側に配置される。1側の配電線に対応するクランプ型変流器25と、3側の配電線に対応するクランプ型変流器26が、全体的に、計器本体21に内蔵されている。1側クランプ型変流器25と3側クランプ型変流器26は、それぞれ、2分割された円形の環状鉄心から構成されており、1側クランプ型変流器25の第1鉄心部分25aは、第1本体部分21aの内部に配置されており、第1本体部分21aの内側表面(第2本体部分21bと対向する表面)に形成された開口部を通して鉄心の分割面が露出される。1側クランプ型変流器25の第2鉄心部分25bは、第2本体部分21bの内部に配置され、第2本体部分21bの内側表面(第1本体部分21aと対向する表面)に形成された開口部を通して鉄心の分割面が露出されている。同様に、3側クランプ型変流器26の第1鉄心部分26aが第1本体部分21aの内部に、第2鉄心部分26bが第2本体部分21bの内部に、それぞれ、鉄心の分割面を露出させた状態で配置されている。計器本体21が閉じられたとき、第1鉄心部分25aと第2鉄心部分25b、第1鉄心部分26aと第2鉄心部分26bは、分割面で互いに接触し、実質的に円形の貫通穴が形成される。
【0021】
1側クランプ型変流器25及び3側クランプ型変流器26は、計器本体21に固定できるような形状にモールド成型される。例えば、モールド成型によって各鉄心部分25a、25b、26a、26bにねじ止め可能な部分を形成し、樹脂製ねじを用いて、第1本体部分21a、第2本体部分21bにねじ止め固定することができる。または、モールド成型によって各鉄心部分25a、25b、26a、26bに凹凸を形成し、第1本体部分21a、第2本体部分21bに嵌め込んで固定してもよい。
【0022】
尚、図4乃至図6では図示を省略しているが、1側クランプ型変流器25及び3側クランプ型変流器26の2次巻線は、クランプ型計器2の回路基板の配置に依って、第1鉄心部分25a、26a、または第2鉄心部分25b、26bのいずれに取り付けられていてもよい。
【0023】
[電流線バー固定溝について]
さらに、図4に示すように、計器本体21は、電流線バー12を受け入れるための電流線バー固定溝22と、端子バー13を受け入れるための端子バー固定溝23を備えている。本実施形態では、電流線バー固定溝22、端子バー固定溝23は、第2本体部分21bの内側表面にのみ形成されており、電流線バー固定溝22は、計器本体21が閉じられたときに電流線バー固定溝22が環状鉄心25、26の貫通穴の中心部を通るように位置決めされている。電流線バー固定溝22は、電流線バー12が電流線バー固定溝22の内部で実質的に固定されるような寸法に形成することが好ましい。これにより、計器本体21が閉じられたとき、電流線バー12を環状鉄心25、26の貫通穴のほぼ中心部に固定できる。
【0024】
図5は、図4に示す計器本体21が閉じられた際のクランプ型変流器25、26及び電流線バー固定溝22の周辺部を概略的に示す拡大部分断面図である。図5に示されるように、電流線バー固定溝22は、計器本体21が閉じられた状態において、環状鉄心25、26の円形の貫通穴の中心Cと電流線バー固定溝22の幅方向断面の中心が実質的に一致するように形成されている。このように、本発明では、従来の配電線に代えて、所定の形状及び寸法を有する電流線バー12が計器本体21の電流線バー固定溝22に固定されるため、配電線の太さに影響されずに1次側導体を常に環状鉄心の貫通穴の中心部に固定することができ、測定性能にばらつきが生じることを防止することができる。尚、図5に示す例では、環状鉄心25、26の各鉄心部分25a、25b、26a、26bは、モールド成型により形成される、ねじ止め可能な固定部28を備えている。各鉄心部分25a、25b、26a、26bは、固定部28を介し、第1、第2本体部分21a、21bに樹脂製ねじ29により固定されている。しかし、上記したように、クランプ型変流器25、26の計器本体2への固定方法は、図5に示すものには限られない。
【0025】
尚、本実施形態では、電流線バー固定溝22は、第2本体部分21bにのみ形成されているが、電流線バー12を環状鉄心25、26の貫通穴のほぼ中心部に位置決めできる限り、電流線バー固定溝22は、第1本体部分21aの内側表面のみに形成することもでき、第1本体部分21aと第2本体部分21bの内側表面に形成することもできる。電流線バー固定溝22が、第1本体部分21aと第2本体部分21bの内側表面に形成された例を図6に示す。尚、上記したように、電流線バー12は丸型棒の形態を有していてもよく、従って、電流線バー固定溝22は、図4乃至6に示すような矩形状断面でなく、円形の断面を有する溝であってもよい。
【0026】
[電圧検出部について]
さらに、図4に示すように、本実施形態では、計器本体21の内側表面から突出する突起状の電圧検出部24が設けられている。本実施形態では、電圧検出部24は、第2本体部分21bの内側表面に形成されている。この場合、電流線バー12の接触部14は、突起を受け入れる穴又は凹部の形態を有し、突起状の電圧検出部24を接触部14の穴又は凹部に挿入することにより、接触部14と電圧検出部24とを確実に接触させることができる。
【0027】
しかし、クランプ型計器2の回路基板の配置に依って、電圧検出部24は、第1本体部分21aに形成することもできる。回路基板は、計器2の前面側に相当する第1本体部分21aに集約されることが望ましく、この場合は、電圧検出部24は第1本体部分21aに形成され、また1側クランプ型変流器25及び3側クランプ型変流器26の2次巻線も、第1本体部分21a側の第1鉄心部分25a、26aに取り付けられる。しかし、スペース的な理由等で回路基板の第1本体部分21aへの集約が困難な場合には、回路基板を第1本体部分21aと第2本体部分21bとに分けて配置し、ヒンジ部27内に電線を配置してその間を接続する。
【0028】
[無停電での計器交換方法]
上記したように、クランプ型変流器を用いた電力量計では、計器の交換作業を無停電で容易に行うことができるが、以下に説明するように、本発明の据置端子を用いることによって、無停電での計器の交換作業を一層容易且つ効率的に行うことができる。
無停電での計器交換時は、例えば、端子カバー装着用ねじ穴18の端子カバー装着ねじを緩めて据置端子1から端子カバーを外し、さらに計器固定用ねじ穴19の計器固定用ねじを緩めて、計器本体21を開き、クランプ型計器用据置端子1を、配電線が接続されたままの状態でクランプ型計器2及び計器取付板から取り外す。このとき、電流線バー12及び端子バー13が外部に露出されるが、電流線バー12は接触部14を除いて絶縁加工されているため、作業者は感電する虞なく作業することができる。次いで、新しい計器2の電流線バー固定溝22、端子バー固定溝23にクランプ型計器用据置端子1の電流線バー12、端子バー13をそれぞれ挿入し、計器本体21を閉じる。このとき、電流線バー12は計器本体21の電流線バー固定溝22内で固定されるので、クランプ型変流器25、26の貫通穴の中心部に確実に位置決めされている。また、突起状の電圧検出部24が接触部14の穴に挿入されるので、電圧検出部24と接触部14は確実に接触する。計器本体21を閉じた後、計器取付板の計器固定用ねじを計器固定用ねじ穴19にねじ込んで据置端子1を計器取付板に固定し、端子カバーの端子カバー装着ねじを端子カバー装着用ねじ穴18にねじ込んで据置端子1に端子カバーを取付ける。こうして、互いに固定されたクランプ型計器用据置端子1とクランプ型計器2は、計器取付板を介して、図3に示すように建造物の壁面等に設置される。
【0029】
さらに交換作業の効率を上げるためには、例えば、電流線バー固定溝22、端子バー固定溝23、及び電圧検出部24を第1本体部分21aに配置し、第2本体部分21bの内側表面を平坦に形成することが好ましい。この場合、第1本体部分21aを開いたとき、電流線バー12及び端子バー13は第2本体部分21bの平坦な内側表面上にあるため、電流線バー12及び端子バー13を第2本体部分21bの内側表面に沿って容易にスライドさせることができ、従って、クランプ型計器用据置端子1から端子カバーを外すことなく、且つ、計器取付板からクランプ型計器用据置端子1を外すことなく、クランプ型計器2を交換することができる。これに対し、図4に示すように、例えば、電流線バー固定溝22、端子バー固定溝23、及び電圧検出部24が第2本体部分21bに配置されている場合には、第1本体部分21aを開いたとき、電流線バー12及び端子バー13は、それぞれ、第2本体部分21bに形成された電流線バー固定溝22、端子バー固定溝23の内部に位置しており、また、電圧検出部24の突起が嵌め込まれている。従って、電流線バー12及び端子バー13は、電流線バー固定溝22及び端子バー固定溝23の側壁、及び電圧検出部24の突起に妨げられて、第2本体部分21bの内側表面に沿ってスライドさせることができない。このため、計器交換時は、上述のように端子カバーを外し、据置端子1を計器取付板から外すことが必要となる。
【0030】
尚、電流線バー固定溝22、端子バー固定溝23、及び電圧検出部24を第1本体部分21aに配置した場合には、計器交換時のクランプ型計器用据置端子1とクランプ型計器2の位置決めが難しくなるため、据置端子本体11と計器本体21に位置決め用の凹凸を設けるか、第2本体部分21bの内側表面に、電流線バー12及び端子バー13をかたどった線を描く等して位置決めし易くすると良い。
【0031】
尚、本実施形態では、クランプ型計器用据置端子が単相3線式の配電線に用いられる例を示したが、本発明のクランプ型計器用据置端子は、単相2線式、三相3線式等にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、クランプ型計器の関連機器として広く適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 クランプ型計器用据置端子
11 据置端子本体
12 電流線バー
13 端子バー
14 接触部
15 試験用端子
16 固定ねじ
17 窓部
18 端子カバー装着用ねじ穴
19 計器固定用ねじ穴
20 電線挿入穴
1S、2S、3S、3L、2L、1L 配電線
2 クランプ型計器
21 計器本体
21a 第1本体部分
21b 第2本体部分
22 電流線バー固定溝
23 端子バー固定溝
24 電圧検出部
25 1側クランプ型変流器
26 3側クランプ型変流器
25a、26a 第1鉄心部分
25b、26b 第2鉄心部分
27 ヒンジ部
28 固定部
29 ねじ
C クランプ型変流器の貫通穴の中心位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプ型変流器を含む計器と配電線とに接続される据置端子であって、前記配電線を受け入れる電線挿入穴を備える本体を有し、前記電線挿入穴は前記本体に対して横一列に配置されており、前記本体は、さらに、前記クランプ型変流器の貫通穴を通って配置される電流線バーを備えている、据置端子。
【請求項2】
請求項1に記載の据置端子であって、前記電流線バーは、前記電線挿入穴の導電部に電気的に接続されており、前記本体の外部に向けて延びている、据置端子。
【請求項3】
請求項1または2に記載の据置端子であって、前記クランプ型変流器の全体が前記計器の本体に内蔵されており、前記計器の前記本体は、前記電流線バーを受け入れる溝を備えている、据置端子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の据置端子であって、前記電流線バーは、前記計器の電圧検出用端子部と接触する接触部を有しており、前記電流線バーは、前記接触部を除いて、絶縁加工されている、据置端子。
【請求項5】
請求項4に記載の据置端子であって、前記計器の前記電圧検出用端子部は突起を形成しており、前記接触部が前記突起と接触することにより、電圧が検出される、据置端子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−180104(P2011−180104A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47475(P2010−47475)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000205661)大崎電気工業株式会社 (61)