クリップ
【課題】 従来、クッキングペーパーの止着や、開封したプラスチック製袋の袋口を滑落することなく強固に止着し、かつ、開放作業も容易に行なえるという簡易なクリップが存在していなかったという点である。
【解決手段】 可塑性材で成形され、略中央の弾発性を有するヒンジ部を介して一体的に連接された一対の片体を有し、その片体の閉じ状態で対向する面に相互に係合する係合爪体とその係合爪体の係合受部とを一体的に備えていることとし、前記したヒンジ部は肉薄のシート状とし、前記した一対の片体及び係合爪体及び係合受部と一体化されていることとする。
【解決手段】 可塑性材で成形され、略中央の弾発性を有するヒンジ部を介して一体的に連接された一対の片体を有し、その片体の閉じ状態で対向する面に相互に係合する係合爪体とその係合爪体の係合受部とを一体的に備えていることとし、前記したヒンジ部は肉薄のシート状とし、前記した一対の片体及び係合爪体及び係合受部と一体化されていることとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクリップ、それもクッキングペーパーに食品を包んだ際の止着や、一旦開封された食パンや菓子類、ペットフード等の収納袋の袋口封止止着に用いて好適なクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
前記したクッキングペーパーやプラスチック製の袋口をクリップで止着あるいは封止するについて、従来知られている、スプリングで挟持方向に附勢した一対の挟持体で挟む場合、対象物が、表面が滑状であったり、構造が柔らかかったりすると、十分な挟持力が発揮できず、簡単に外れたり、滑り落ちてしまうこととなる。
【0003】
また、従来、クリップの一種として、枢動する一対のバーを有して、その一方に突片を、他方に、その突片を受け入れる溝を有した構成のものがあるが、これは、比較的距離の長いパートを抑える場合に使用するもので、部分的や捻って嵩張る袋口や幾重にも折り畳んだ袋口を止着封止する場合には適応できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
出願人は、先行する技術文献を調査したが、格別に本願発明と関連し、類似していると思われる文献は発見できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、従来、クッキングペーパーの止着や、開封したプラスチック製袋の袋口を滑落することなく強固に止着し、かつ、開放作業も容易に行なえるという簡易なクリップが存在していなかったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した問題点を解決するために、本発明に係るクリップは可塑性材で成形され、略中央の弾発性を有するヒンジ部を介して一体的に連接された一対の片体を有し、その片体の閉じ状態で対向する面に相互に係合する係合爪体とその係合爪体の係合受部とを一体的に備えていることを特徴とし、前記したヒンジ部は肉薄のシート状とし、前記した一対の片体及び係合爪体及び係合受部と一体化されていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係るクリップは前記した係合受部は、係合爪体と合同体とした第二の係合爪体としたことを特徴とし、前記した係合爪体の頭部は相互に摺滑可能な曲面としてあり、係合面は開放時に負荷の少ないテーパ面としてあることを特徴とし、前記した係合爪体は各片体の閉じ状態で、その爪先が対向していることを特徴とし、前記した係合受部は係合爪体の係合部を形成した透孔としたことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明に係るクリップは前記した片体の閉じ状態で対向する面の基部近傍には弾発性を補強する曲成バネ部が設けられていることを特徴とし、前記した片体の閉じ状態で対向する面の少なくとも一方側にはその片体の変形を補助する切り欠き溝が形成されていることを特徴とし、前記した片体の少なくとも一方の外端縁には開放作業のための操作突片が設けられていることを特徴とし、前記した片体の少なくとも一方はヒンジ部から外端縁にかけて曲成されてバネ性を保有し、そのバネ性で係合爪体の係合及び開放動作を補助する構成としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るクリップは上記のように構成されていることにより、係合爪体と係合受部の間に、対象物を導き込むようにして係合状態がなされるため、あるいは捻った袋口等の場合はヒンジ部と係合爪体との間の片体間で挟圧する形態となり、その係合状態は強固となり、滑落や軽度の衝撃で外れてしまうことがない。また、その開放作業も係合爪体の構成や補強する曲成バネ部や切り欠き溝、そして操作突片の存在によって容易に行なうことができるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るクリップの第一実施例を示し、閉じた状態の側面図である。
【図2】斜視図である。
【図3】底面図である。
【図4】拡げた状態の内面図である。
【図5】外面図である。
【図6】図4中のA−A線に沿った断面図である。
【図7】D−D線に沿った断面図である。
【図8】第二実施例を示す閉じた状態の側面図である。
【図9】平面図である。
【図10】底面図である。
【図11】図8の拡大図である。
【図12】第三実施例を示す側断面図である。
【図13】平面図である。
【図14】底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例1】
【0012】
次に、本発明の好ましい実施の例を図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して第一実施例を説明する。これらの図にあって1は可塑性材、本実施例にあってはポリプロピレンによって全体を成形されたクリップ本体を示している。このクリップ本体1は一対の片体2a、2bを有しており、この片体2a、2bは肉薄シート状として、弾発性を保持したヒンジ部3で一体に連接されている。また、この片体2a、2bのヒンジ部3で連接される基端側は閉じ状態で一連の弧状となるよう曲成されており、その端面は閉じ状態で密に当接する平面とされている。
【0013】
また、各片体2a、2bのヒンジ部3の中心線から外端縁までの長さは、2aの方がやや長く形成されている。各片体2a、2bの枢動時に対向する面には各々係合爪体4a、4bが一体に形成されており、この係合爪体4a、4bのヒンジ部3の中心線からの距離も片体2a、2bの長さに合わせ、4aの方がやや長く形成されている。
【0014】
この係合爪体4a、4bは合同体の形状となっており、各片体2a、2bに一体に設けられた立壁部5a、5bの先端に爪体6a、6bを一体に成形した構成となっている。この爪体6a、6bは片体2a、2bをヒンジ部3を介して閉じた状態で係合するため、開状態では相互に同一方向に爪体6a、6bの係合部が向く構成となっている。この爪体6a、6bの頂面は係合時に、相互に摺滑するため、動作が得られ易いように曲面として形成されている。
【0015】
さらに、一方の片体2aの外端縁には係合状態を開放する際に、他方の片体2bの外端縁に作業する指を掛け易いように切り欠き7が形成されている。片体2bの外端縁は、指を掛け易いように突部8が膨出状態で形成されている。尚、片体2a側の上面には閉状態とする時に指が滑らないよう、滑り止めとしての溝9が複数条形成されている。
【実施例2】
【0016】
次に、図8乃至図11を参照して、本発明の第二実施例を説明する。尚、第一実施例と共通する部分については同一の符号を付して詳しい説明は省略する。この第二実施例の場合、係合爪体4aを設けた片体2aは、一方側の片体の一部を切り込み、先端を突出させ、全体を曲成して撓みによる弾発性も備えた形態で構成されている。そして、ヒンジ部3は、片体2bとその切り込み、先端を突出させた片体2aとの境界部分に形成されている。
【0017】
片体2aの先端部分が片体2bの外端縁よりも突出する構成となっているので、この突出部2cに指を掛けることで開放作業が行ない易くなる。
【0018】
片体20及び2bの基部近傍に相互に頂部が当接し、弾発する曲成バネ体10a、10bが設けられている。係合爪体4a、4bが係合した閉じ状態で、この曲成バネ体10a、10bは相互にその頂面で押圧し合い、開放に対しての弾発力をヒンジ部3に加えて補強する。そのため、突部2cを操作して、係合爪体4a、4bの係合を解除してやると、ヒンジ部3に加えて、この曲成バネ体10a、10bの弾発力で片体2a、2bは良好に開き、開放状態となる。
【0019】
また、片体2aの内側面の一部には、片体2aの変形を補助するための切り欠き溝11が形成されている。即ち、この切り欠き溝11の存在によって、閉時に、係合爪体4aを4bに係合させる押圧作業で、片体2aの内側面が多少とも変形して、先端が、その切り欠き溝11を介して曲がって持ち上がり、係合爪体4aの位置を4bから離すことで係合作用が行ない易くなる。係合後は、この切り欠き溝11の作用で、係合爪体4aの位置が復元されるので、係合状態は強固なものとなる。加えて、開放作業時にも、この切り欠き溝11の作用によって、片体2aが変形するので、より一層作業が軽い力で行なえることとなる。
【実施例3】
【0020】
次に、図12乃至図14を参照して、本発明の第三実施例を説明する。この第三実施例にあって、片体2aは撓みによる変形性を保有させるため、全体を曲成した構成としている。片体2aにはヒンジ部3の中心線と平行となる長矩形の透孔12が形成されており、この透孔12の前方縁から立壁5aが設けられ、その立壁5aの先端に爪体6aを一体に形成した係合爪体4aが一体に設けられている。
【0021】
一方、片体2bには、前記した係合爪体4aの少なくとも爪体6aが挿入される透孔13が形成されており、その透孔13の内面側内寄り縁に、爪体6aを受け係合する係合部としての突片14が一体に形成されている。
【0022】
この第三実施例にあっては、ヒンジ部3を介して片体2aを2bと対応させて閉じ状態とする時に、片体2aが曲成されていることによる撓み変形、及び透孔12による変形の補助により、良好に係合爪体4aの先端である爪体6aは透孔13内に挿入され、片体2aの復元する力によって爪体6aは突片14に係合することとなる。
【0023】
また、片体2aにおける透孔12の存在は、クリップ本体を型成形する際、爪体6aの内側部分の抜き作用を容易とするメリットがあり、この透孔を爪体6aと対応させて形成させる構成は前述した第一及び第二の実施例にあっても適応される。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本実施例に係るクリップは上記のように構成されている。実施例では素材としてポリプロピレンを使用することとしたが、これにこだわらず、他のプラスチックや金属を用いて成形することも勿論可能である。又、本発明に係るクリップは使用目的に応じて種々のサイズのものを成形することもでき、係合爪体とその受部の構成も1対1に限らず、複数セットを形成することも可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 クリップ本体
2a 片体
2b 片体
3 ヒンジ部
4a 係合爪体
4b 係合爪体
5a 立壁部
5b 立壁部
6a 爪体
6b 爪体
7 切り欠き
8 突部
9 溝
10a 曲成バネ体
10b 曲成バネ体
11 切り欠き溝
12 透孔
13 透孔
14 突片
【技術分野】
【0001】
本発明はクリップ、それもクッキングペーパーに食品を包んだ際の止着や、一旦開封された食パンや菓子類、ペットフード等の収納袋の袋口封止止着に用いて好適なクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
前記したクッキングペーパーやプラスチック製の袋口をクリップで止着あるいは封止するについて、従来知られている、スプリングで挟持方向に附勢した一対の挟持体で挟む場合、対象物が、表面が滑状であったり、構造が柔らかかったりすると、十分な挟持力が発揮できず、簡単に外れたり、滑り落ちてしまうこととなる。
【0003】
また、従来、クリップの一種として、枢動する一対のバーを有して、その一方に突片を、他方に、その突片を受け入れる溝を有した構成のものがあるが、これは、比較的距離の長いパートを抑える場合に使用するもので、部分的や捻って嵩張る袋口や幾重にも折り畳んだ袋口を止着封止する場合には適応できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
出願人は、先行する技術文献を調査したが、格別に本願発明と関連し、類似していると思われる文献は発見できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、従来、クッキングペーパーの止着や、開封したプラスチック製袋の袋口を滑落することなく強固に止着し、かつ、開放作業も容易に行なえるという簡易なクリップが存在していなかったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した問題点を解決するために、本発明に係るクリップは可塑性材で成形され、略中央の弾発性を有するヒンジ部を介して一体的に連接された一対の片体を有し、その片体の閉じ状態で対向する面に相互に係合する係合爪体とその係合爪体の係合受部とを一体的に備えていることを特徴とし、前記したヒンジ部は肉薄のシート状とし、前記した一対の片体及び係合爪体及び係合受部と一体化されていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係るクリップは前記した係合受部は、係合爪体と合同体とした第二の係合爪体としたことを特徴とし、前記した係合爪体の頭部は相互に摺滑可能な曲面としてあり、係合面は開放時に負荷の少ないテーパ面としてあることを特徴とし、前記した係合爪体は各片体の閉じ状態で、その爪先が対向していることを特徴とし、前記した係合受部は係合爪体の係合部を形成した透孔としたことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明に係るクリップは前記した片体の閉じ状態で対向する面の基部近傍には弾発性を補強する曲成バネ部が設けられていることを特徴とし、前記した片体の閉じ状態で対向する面の少なくとも一方側にはその片体の変形を補助する切り欠き溝が形成されていることを特徴とし、前記した片体の少なくとも一方の外端縁には開放作業のための操作突片が設けられていることを特徴とし、前記した片体の少なくとも一方はヒンジ部から外端縁にかけて曲成されてバネ性を保有し、そのバネ性で係合爪体の係合及び開放動作を補助する構成としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るクリップは上記のように構成されていることにより、係合爪体と係合受部の間に、対象物を導き込むようにして係合状態がなされるため、あるいは捻った袋口等の場合はヒンジ部と係合爪体との間の片体間で挟圧する形態となり、その係合状態は強固となり、滑落や軽度の衝撃で外れてしまうことがない。また、その開放作業も係合爪体の構成や補強する曲成バネ部や切り欠き溝、そして操作突片の存在によって容易に行なうことができるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るクリップの第一実施例を示し、閉じた状態の側面図である。
【図2】斜視図である。
【図3】底面図である。
【図4】拡げた状態の内面図である。
【図5】外面図である。
【図6】図4中のA−A線に沿った断面図である。
【図7】D−D線に沿った断面図である。
【図8】第二実施例を示す閉じた状態の側面図である。
【図9】平面図である。
【図10】底面図である。
【図11】図8の拡大図である。
【図12】第三実施例を示す側断面図である。
【図13】平面図である。
【図14】底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例1】
【0012】
次に、本発明の好ましい実施の例を図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して第一実施例を説明する。これらの図にあって1は可塑性材、本実施例にあってはポリプロピレンによって全体を成形されたクリップ本体を示している。このクリップ本体1は一対の片体2a、2bを有しており、この片体2a、2bは肉薄シート状として、弾発性を保持したヒンジ部3で一体に連接されている。また、この片体2a、2bのヒンジ部3で連接される基端側は閉じ状態で一連の弧状となるよう曲成されており、その端面は閉じ状態で密に当接する平面とされている。
【0013】
また、各片体2a、2bのヒンジ部3の中心線から外端縁までの長さは、2aの方がやや長く形成されている。各片体2a、2bの枢動時に対向する面には各々係合爪体4a、4bが一体に形成されており、この係合爪体4a、4bのヒンジ部3の中心線からの距離も片体2a、2bの長さに合わせ、4aの方がやや長く形成されている。
【0014】
この係合爪体4a、4bは合同体の形状となっており、各片体2a、2bに一体に設けられた立壁部5a、5bの先端に爪体6a、6bを一体に成形した構成となっている。この爪体6a、6bは片体2a、2bをヒンジ部3を介して閉じた状態で係合するため、開状態では相互に同一方向に爪体6a、6bの係合部が向く構成となっている。この爪体6a、6bの頂面は係合時に、相互に摺滑するため、動作が得られ易いように曲面として形成されている。
【0015】
さらに、一方の片体2aの外端縁には係合状態を開放する際に、他方の片体2bの外端縁に作業する指を掛け易いように切り欠き7が形成されている。片体2bの外端縁は、指を掛け易いように突部8が膨出状態で形成されている。尚、片体2a側の上面には閉状態とする時に指が滑らないよう、滑り止めとしての溝9が複数条形成されている。
【実施例2】
【0016】
次に、図8乃至図11を参照して、本発明の第二実施例を説明する。尚、第一実施例と共通する部分については同一の符号を付して詳しい説明は省略する。この第二実施例の場合、係合爪体4aを設けた片体2aは、一方側の片体の一部を切り込み、先端を突出させ、全体を曲成して撓みによる弾発性も備えた形態で構成されている。そして、ヒンジ部3は、片体2bとその切り込み、先端を突出させた片体2aとの境界部分に形成されている。
【0017】
片体2aの先端部分が片体2bの外端縁よりも突出する構成となっているので、この突出部2cに指を掛けることで開放作業が行ない易くなる。
【0018】
片体20及び2bの基部近傍に相互に頂部が当接し、弾発する曲成バネ体10a、10bが設けられている。係合爪体4a、4bが係合した閉じ状態で、この曲成バネ体10a、10bは相互にその頂面で押圧し合い、開放に対しての弾発力をヒンジ部3に加えて補強する。そのため、突部2cを操作して、係合爪体4a、4bの係合を解除してやると、ヒンジ部3に加えて、この曲成バネ体10a、10bの弾発力で片体2a、2bは良好に開き、開放状態となる。
【0019】
また、片体2aの内側面の一部には、片体2aの変形を補助するための切り欠き溝11が形成されている。即ち、この切り欠き溝11の存在によって、閉時に、係合爪体4aを4bに係合させる押圧作業で、片体2aの内側面が多少とも変形して、先端が、その切り欠き溝11を介して曲がって持ち上がり、係合爪体4aの位置を4bから離すことで係合作用が行ない易くなる。係合後は、この切り欠き溝11の作用で、係合爪体4aの位置が復元されるので、係合状態は強固なものとなる。加えて、開放作業時にも、この切り欠き溝11の作用によって、片体2aが変形するので、より一層作業が軽い力で行なえることとなる。
【実施例3】
【0020】
次に、図12乃至図14を参照して、本発明の第三実施例を説明する。この第三実施例にあって、片体2aは撓みによる変形性を保有させるため、全体を曲成した構成としている。片体2aにはヒンジ部3の中心線と平行となる長矩形の透孔12が形成されており、この透孔12の前方縁から立壁5aが設けられ、その立壁5aの先端に爪体6aを一体に形成した係合爪体4aが一体に設けられている。
【0021】
一方、片体2bには、前記した係合爪体4aの少なくとも爪体6aが挿入される透孔13が形成されており、その透孔13の内面側内寄り縁に、爪体6aを受け係合する係合部としての突片14が一体に形成されている。
【0022】
この第三実施例にあっては、ヒンジ部3を介して片体2aを2bと対応させて閉じ状態とする時に、片体2aが曲成されていることによる撓み変形、及び透孔12による変形の補助により、良好に係合爪体4aの先端である爪体6aは透孔13内に挿入され、片体2aの復元する力によって爪体6aは突片14に係合することとなる。
【0023】
また、片体2aにおける透孔12の存在は、クリップ本体を型成形する際、爪体6aの内側部分の抜き作用を容易とするメリットがあり、この透孔を爪体6aと対応させて形成させる構成は前述した第一及び第二の実施例にあっても適応される。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本実施例に係るクリップは上記のように構成されている。実施例では素材としてポリプロピレンを使用することとしたが、これにこだわらず、他のプラスチックや金属を用いて成形することも勿論可能である。又、本発明に係るクリップは使用目的に応じて種々のサイズのものを成形することもでき、係合爪体とその受部の構成も1対1に限らず、複数セットを形成することも可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 クリップ本体
2a 片体
2b 片体
3 ヒンジ部
4a 係合爪体
4b 係合爪体
5a 立壁部
5b 立壁部
6a 爪体
6b 爪体
7 切り欠き
8 突部
9 溝
10a 曲成バネ体
10b 曲成バネ体
11 切り欠き溝
12 透孔
13 透孔
14 突片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可塑性材で成形され、略中央の弾発性を有するヒンジ部を介して一体的に連接された一対の片体を有し、その片体の閉じ状態で対向する面に相互に係合する係合爪体とその係合爪体の係合受部とを一体的に備えていることを特徴とするクリップ。
【請求項2】
前記したヒンジ部は肉薄のシート状とし、前記した一対の片体及び係合爪体及び係合受部と一体化されていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記した係合受部は、係合爪体と合同体とした第二の係合爪体としたことを特徴とする請求項1または2に記載のクリップ。
【請求項4】
前記した係合爪体の頭部は相互に摺滑可能な曲面としてあり、係合面は開放時に負荷の少ないテーパ面としてあることを特徴とする請求項3に記載のクリップ。
【請求項5】
前記した係合爪体は各片体の閉じ状態で、その爪先が対向していることを特徴とする請求項3または4に記載のクリップ
【請求項6】
前記した係合受部は係合爪体の係合部を形成した透孔としたことを特徴とする請求項1または2に記載のクリップ。
【請求項7】
前記した片体の閉じ状態で対向する面の基部近傍には弾発性を補強する曲成バネ部が設けられていることを特徴とする請求項1から6のうち1項に記載のクリップ。
【請求項8】
前記した片体の閉じ状態で対向する面の少なくとも一方側にはその片体の変形を補助する切り欠き溝が形成されていることを特徴とする請求項7に記載のクリップ。
【請求項9】
前記した片体の少なくとも一方の外端縁には開放作業のための操作突片が設けられていることを特徴とする請求項1から8のうち1項に記載のクリップ。
【請求項10】
前記した片体の少なくとも一方はヒンジ部から外端縁にかけて曲成されてバネ性を保有し、そのバネ性で係合爪体の係合及び開放動作を補助する構成としたことを特徴とする請求項1から9のうち1項に記載のクリップ。
【請求項1】
可塑性材で成形され、略中央の弾発性を有するヒンジ部を介して一体的に連接された一対の片体を有し、その片体の閉じ状態で対向する面に相互に係合する係合爪体とその係合爪体の係合受部とを一体的に備えていることを特徴とするクリップ。
【請求項2】
前記したヒンジ部は肉薄のシート状とし、前記した一対の片体及び係合爪体及び係合受部と一体化されていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記した係合受部は、係合爪体と合同体とした第二の係合爪体としたことを特徴とする請求項1または2に記載のクリップ。
【請求項4】
前記した係合爪体の頭部は相互に摺滑可能な曲面としてあり、係合面は開放時に負荷の少ないテーパ面としてあることを特徴とする請求項3に記載のクリップ。
【請求項5】
前記した係合爪体は各片体の閉じ状態で、その爪先が対向していることを特徴とする請求項3または4に記載のクリップ
【請求項6】
前記した係合受部は係合爪体の係合部を形成した透孔としたことを特徴とする請求項1または2に記載のクリップ。
【請求項7】
前記した片体の閉じ状態で対向する面の基部近傍には弾発性を補強する曲成バネ部が設けられていることを特徴とする請求項1から6のうち1項に記載のクリップ。
【請求項8】
前記した片体の閉じ状態で対向する面の少なくとも一方側にはその片体の変形を補助する切り欠き溝が形成されていることを特徴とする請求項7に記載のクリップ。
【請求項9】
前記した片体の少なくとも一方の外端縁には開放作業のための操作突片が設けられていることを特徴とする請求項1から8のうち1項に記載のクリップ。
【請求項10】
前記した片体の少なくとも一方はヒンジ部から外端縁にかけて曲成されてバネ性を保有し、そのバネ性で係合爪体の係合及び開放動作を補助する構成としたことを特徴とする請求項1から9のうち1項に記載のクリップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−224341(P2012−224341A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90617(P2011−90617)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000134464)株式会社トスカ (23)
【出願人】(390004156)株式会社日本バノック (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000134464)株式会社トスカ (23)
【出願人】(390004156)株式会社日本バノック (7)
【Fターム(参考)】
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