説明

クリンピングの際に間隙を保持する医療用インプラント及びその方法並びに送達器

本発明は、カテーテル5の一部分又は外部面23に脱着可能な状態で固定又はクリンピングれるための、埋め込み部位に送達されるためのインプラント1に関するものであって、インプラント1は、長さ方向軸19、あるいはインプラント1内で長さ方向に延伸した内部空間又は内部容積を有し、長さ方向軸19、内部空間又は内部容積に対して垂直な半径方向を有する。インプラント1は、第1部分31を有する第1構造要素と、第2部分33を有する第2構造要素と、第1構造要素と第2構造要素との間に配置された1つあるいは複数の相互接続要素とを含んでいる。インプラント1おいて、第1部分そして/又は第2部分31、33は、長さ方向軸19、内部空間又は容積に関して、1以上の数の相互接続要素の第3部分24に比べると、さほど半径状には配置されていない。本発明は、さらにその方法および送達にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1による、カテーテルなどの送達実装により埋め込み部位に送達されるのに好適な、又はそれを意図した医療用インプラントに関する。本発明は、さらに、請求項15による、クリンピング(縮み、圧縮)により埋め込まれるインプラントを設ける際に用いる方法に関し、そして請求項18による、カテーテル又はその一部分にも関する。
【背景技術】
【0002】
多くの患者においては、患者の身体の目的部位に一時的又は恒久的に埋め込みされた技術的装置により、所定の身体機能を果たす又は支援する必要が生じる。
【0003】
インプラントは、カテーテルにより身体内の埋め込み部位に送達されることがきわめて多い。この状況は、心臓自身を含む身体の血管系統内に埋め込みされるインプラントに関して特に当てはまる。
【0004】
このような場合、インプラントは、カテーテル上でクリンピングされ、埋め込み部位において後に開放されるものとなる。
【0005】
クリンピングに際して、インプラントには、またインプラントとともに移植埋め込みされ固定される特定の構造物にも、特に大きな機械的な力が加わるため、インプラントの構成がクリンピング工程の結果になんらかの影響を及ぼすことは明白である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、さらなるインプラント構成又はインプラント構造を提供することが、本発明の目的の1つとなっている。本発明の他の形態によれば、例えば、カテーテルにより送達実装されるインプラントをクリンピングする方法が提供される。さらに他の形態によれば、カテーテル又はそれにクリンピングされたインプラントを含むそのカテーテルの一部分が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、請求項1によるインプラントにより達成される。
【0008】
特に、本発明によるインプラントは、カテーテルなどの実装装置の一部分又は表面に脱着可能な状態で固定又はクリンピングされるように意図された、埋め込み部位に送達されるためのインプラントである。本インプラントは、長さ方向軸、あるいはインプラント内で長さ方向に延伸した内部空間又は内部容積を有し、長さ方向、空間又は容積に対して垂直な半径方向を有している。本インプラントは、第1部分を有する第1構造要素と、第2部分を有する第2構造要素とを有している。本インプラントは、さらに、第1構造要素と第2構造要素との間に配置された1つあるいは複数の相互接続要素を有している。インプラントにおいて、第1そして/又は第2部分は、長さ方向軸、内部空間又は容積に関しては、1つあるいは複数の相互接続要素の第3部分に比べてさほど半径状には配置されていない。
【0009】
本発明による方法は、請求項15に定義されている。それによると、本方法は、1つあるいは複数、又は全ての相互接続要素と、カテーテルの外部面との間の、第1間隙を保持するように、インプラントをクリンピングするステップを含む。
【0010】
本発明によるカテーテル又はカテーテルの一部分は請求項18に定義されている。それによると、カテーテル又はカテーテル部分、特にカテーテルチップは、本発明によるインプラントを送達する。
【0011】
態様は、1つあるいは複数の以下の特徴を含むことができる。
【0012】
本発明によるインプラントは、拡張可能、再クリンピング又は潰すことが可能な、各種のインプラントであり得る。例えば、このようなインプラントは、インプラントの所定の部分の周りに案内された糸を締めたり緩めたりすることにより、インプラントの直径を変化させることができ得る。直径を変化させるために必要となる特徴は、本発明の主眼ではない。このような特徴は、本発明の発明者によるWO2008/029296A2(“Minimally invasive heart valve replacement“ 2007年2月15日出願)及び同様に本発明の発明者によるWO2009/109348A1(“Stent, welcher vom expandierten Zustand kontrolliert erneut im Durchmesser verringerbar ist”2009年3月2日出願)においてさらに詳細に説明されており、重複を避けるために、これらの特徴に関してはこれらの明細書を引用する。これらの各開示は、参照により本出願に援用されている。両出願のいずれに記載された任意の事項に対しても同様である。
【0013】
なお、本明細書においてカテーテルと称する際には、“カテーテル“という用語は、常に、インプラントを埋め込み部位に送達するための送達実装又は送達器の一例示として用いられているという点に注意されたい。従って、本発明は、カテーテールのみに関するものであると理解すべきではなく、埋め込み部位にインプラントを送達するための任意の好適な装置も、発明者により意図されたものである。
【0014】
所定の態様において、“半径状”又は“半径状に”という用語は、“側面の”又は“側面に”として理解してもよく、これらの用語は両者ともに、第2構造に対して半径状又は側面に配置された第1構造が、例えば、中心軸又は中間要素から、第2構造よりも離れていることを示している。すなわち、“さほど半径状でない”とは、より中心又は中間に近いことを表している。
【0015】
いくつかの態様においては、第1構造要素は近位構造であり、一方第2構造要素は遠位構造である。
【0016】
いくつかの態様においては、相互接続要素は、2つあるいはそれ以上の数、特に3つの等距離又は等角度で配置されたポストである。ポストは、互いに同一の間隔で配置してもよい。ポストは、互いに120°の角度で配置され得る。
【0017】
所定の態様においては、相互接続要素のうち、1つあるいは複数またはその全ては、メッシュであるか、あるいはメッシュを形成している。いくつかの態様においては、メッシュはメッシュの直径が変化するように構成されている。メッシュは、その長さ方向の長さは(全く又はそれほど)変化せずに、メッシュの直径が変化することが好ましい。すなわち、インプラントの直径を変化させる際に、メッシュを伸長又は短縮することなく作ることができる。
【0018】
いくつかの態様においては、少なくとも1つあるいは複数の相互接続要素は、第1構造要素と第2構造要素とを互いに接続している。
【0019】
本発明のある態様において、相互接続要素は第1構造要素と第2構造要素との間の距離を維持するために提供されている。
【0020】
第1構造要素と第2構造要素との間の相互接続は、直接的又は間接的に行うことができる。
【0021】
所定の態様において、相互接続要素は、インプラント上又はインプラント内に配置されたポストである。インプラントの少なくともある状態又は任意の状態に応じて、ポストはインプラントの長さ方向軸、内部空間又内部容量に対して平行に伸びる。
【0022】
いくつかの様態においては、“長さ方向軸に対して並行である”とは、問題になっているポストを含む平面と、長さ方向軸を含む他の平面とが存在し、これらの平面は互いに交わることがない、ことを単に意味するものである。
【0023】
上記で言う状態とは、インプラントが完全に拡張した、例えば、埋め込み過程が完了した後の状態であってよい。状態とは、インプラントが完全にクリンピングした状態であってよい。状態とは、カテーテルにより埋め込みに送達した際の、インプラントが完全にクリンピングした状態であってよい。
【0024】
所定の態様において、インプラント、特に、第1構造要素そして/又は第2構造要素は少なくとも第4部分を有し、また第5部分を有することも可能で、さらに他の部分も有するものであってよい。これらの部分は、1つあるいは複数の相互接続要素の特定の第3部分又は任意の第3部分よりも、長さ方向軸又は内部空間/内部容量に対してより半径状に又はより横方向に配置される。
【0025】
これは、インプラントに対して作用する外圧のために、内部空間の直径又は半径状の拡張の程度が減少するといった状態で発生したり、あるいは、インプラントの通常の使用の際に、インプラントが作用するかもしれない又は実際に作用している全ての状態で発生する状況である。
【0026】
いくつかの態様において、第4部分(そして、1つあるいは複数の相互接続要素の特定の第3部分又は任意の第3部分よりも、長さ方向軸又は内部空間/内部容量に対してより半径状に又はより横方向に配置されている他の部分も)は、クリンピング過程において、第3部分の横方向又は半径状レベルから上方向に立ち上がっている。例えば、所定の態様において、第1そして/又は第2構造要素は、クリンピング過程により、少なくとも一時的に変形し、クリンピングの際に第4部分が“起き上がる”(すなわち、立ち上がる)。第4部分は、いくつかの態様の場合に、インプラントの拡張後に再び特徴ある位置を失ってしまう可能性が高い。
【0027】
いくつかの態様において、インプラントに対して各々作用する又は与えられる外圧により内部空間又は内部容量の直径又は半径状拡張が減少した状態において、第3部分は、第1そして/又は第2部分よりも内部空間/内部容量に対してより半径状に設けられている。
【0028】
所定の態様において、インプラントに作用する外圧により内部空間の直径又は半径状拡張が減少した状態とは、完全にクリンピングした状態、インプラントがクリンピングを終えた状態、又は埋め込みのためのクリンピングにより、クリンピングされようとしている状態のことである。
【0029】
いくつかの態様において、インプラントに作用する外圧のために内部空間の直径又は放射状拡張が減少した状態とは、インプラントのクリンピングされた状態で、第1部分又は第2部分、あるいはそれらの両方がカテーテルの外部面に接触している状態のことである。
【0030】
所定の態様において、第1構造要素そして/又は第2構造要素は、体内血管の一部又は患者の心臓の一部に一旦送達されたインプラントの直径を変化させる(増加そして/又は減少させる)ために、糸を案内するための1つ又は複数の案内構造である。
【0031】
いくつかの態様において、インプラントは、カテーテルにクリンピングされた後、1つあるいは複数の又は全ての相互接続要素とカテーテルの外部面との間に、第1間隙が残るように設計されている。
【0032】
所定の態様において、間隙又はその一部分は、全体的又は部分的に管状である。
【0033】
いくつかの態様において、インプラントは、カテーテル上でクリンピングされた後、1つあるいは複数の又は全ての相互接続要素とインプラントを覆うスリーブの内部面との間に、第2間隙が残るように構成されている。
【0034】
また、所定の態様において、第2間隙は全体的又は部分的に管状である。
【0035】
いくつかの態様においては、第1間隙そして/又は第2間隙は、小葉(leaflet)、交連(commissure)、又は同様のもの、あるいはそれらの部分などの構成を収容するように意図されている。その寸法は、必要に応じて調整され得る。
【0036】
所定の態様においては、インプラントのクリンピングされた又は送達された状態において、第1間隙そして/又は第2間隙の幅は、少なくとも2mm、又は少なくとも3mm、もしくは少なくとも5mmである。
【0037】
所定の態様において、インプラントは、少なくとも1つのスリーブを含む。スリーブの1つは、インプラントの外側面でインプラントを覆うものであってよい。
【0038】
いくつかの態様において、インプラントは、心臓弁又はその代替物あるいは置換物であるか、それらを含むものである。
【0039】
所定の態様においては、インプラントは、柔軟な小葉を含む。いくつかの態様においては、インプラントはステントであるか、あるいはそれを含む。
【0040】
いくつかの態様においては、本発明による方法は、クリンピングされたインプラントをスリーブで覆い、1つあるいは複数の又は全ての相互接続要素とインプラントを覆うスリーブの内部面との間に、第2間隙が残るようにするステップを含む。
【0041】
所定の実施様態において、本発明による方法は、移植埋め込みの最終クリンピング状態に到達するまでクリンピングするステップを含んでいる。従って、1つあるいは複数の又は全ての相互接続要素とカテーテールの外部面との間に、第1間隙が残るようなインプラントのクリンピングである場合はいずれも、最終クリンピング状態を意味し得る。
【0042】
当業者にとって自明である利点とともに、態様は、以下に示す1つあるいは複数の利点を備え得る。
【0043】
インプラント、特にステントのクリンピングについては、従来技術として既知であり、暫定的にインプラントをカテーテールに固定するために、おそらくもっとも用いられている方法であるが、発明者らの発見によると、インプラント、あるいはインプラントに含まれる構造は、頻繁に逆方向にクリンピングされ、時として損傷を受ける場合もある。このような損傷については、当業者によっても、また一般公衆によっても、これまで認識されていなかった。しかし、発明者らは、例えば、上述のWO2008/029296A2に記載されているような代替心臓弁の小葉に過度の圧力が作用することにより生ずる問題を認識した。観測される損傷は、一方側の相互接続要素又はポスト、及びスリーブと、他方側のカテーテルのクリンピング面(外部面)との間をクリンピングするにあたって、小葉及び交連に作用する圧力により生ずるように思われる。
【0044】
いくつかの態様において、本発明は相互接続要素間の空間(第1間隙)を提供するためのインプラントの新たな構成を有利に提案するものであり、例えば、圧迫又は損傷のない、相互接続要素とカテーテール表面との間に設けられた上述の図面の又は他の構造のインプラントの交連を可能とする、。
【0045】
さらに、所定の態様において、本発明は、(もし提供されている場合には)WO2008/029296A2記載のインプラントの小葉などの構造に対して、スリーブ又はインプラントの送達中の血管壁と、比較的堅く柔軟性のないカテーテルの表面との間に、十分な空間(第2間隙)を提供する有利なインプラントの新たな構成をも提案する。
【0046】
いくつかの態様において、インプラントに含まれる代替弁の小葉の破壊を、都合よく避け得る。
【0047】
所定の態様において、自然組織(例えば、牛の組織)の代替弁の小葉内の、本発明の発明者らによって発見された、クリンピング後の膠原線維の破壊を、都合よく避けることができる。
【0048】
他の態様、特徴そして利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになろう。
【0049】
以下では、図面により本発明をさらに説明する。しかし、本発明は、図面により説明された実施例に限定されるものでない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明によるインプラントの、拡張の際、あるいは拡張中の状態での外観を、カテーテルとともに示す側面図である。
【図2】カテーテルに折畳まれた本発明によるインプラントの部分断面図である。
【図3】本発明のインプラントの長さ方向断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、埋め込み中のインプラント1の側面図である。インプラント1は、カテーテル5のチップ3に接続している。図1からわかるように、インプラント1は、近位(proximal)リング7として実装された第1構造要素と、遠位(distal)リング9として実装された第2構造要素とを有している。
【0052】
近位リング7及び遠位リング9は、図1のインプラント1に実装されたポスト12として例示されている3つの相互接続要素により、互いに相互接続されている。
【0053】
さらに、図1からわかるように、ポスト12は、2つの円形開口部14(これらは、楕円形、長円形、長方形および同様の形などの任意の他の形状を有するものであってもよい)を有しており、これを通して、糸15a及び15bが引き回され、インプラント1の内部空間を形成している。その中心には、カテーテル5のチップ3がインプラント1の外部に向けて配置され、インプラント1の拡張と再クリンピングを制御するようになっている。これについては、本発明の発明者等によるWO2008/029296A2(Minimally invasive heart valve replacement”2007年2月15日出願)において、より詳細に説明されている。インプラント及びカテーテルに関するより一般的な詳細については、上記の明細書を引用し、その各開示は本明細書において援用される。
【0054】
糸15a及び15bは、カテーテル5の内部に向かっており、カテーテル5の内部では、糸15a及び15bは、カテーテル5の下部17に示すように、チップ3の反対側にある。
【0055】
インプラント1の内部空間内では、カテーテル5が中心位置を占めていることから、図1に示すように、カテーテール5は、インプラント1の長さ方向軸19を表していると見なしてもよい。図1に示した特定の実施例において(また、図2及び図3に示した実施例において)、ポスト12は、カテーテル5とインプラント1の両方の長さ方向軸19を包含する他の平面に対して並行な平面内に延伸している。
【0056】
ポスト12は、複数の開口部13を含んでおり、それらはインプラント1の縦軸長さ方向軸に二つの平行な列として延びている。。開口部13は、WO2008/029296
A2に詳細に説明されているように、小葉の側縁部を、例えば、動作弁を形成するように、確実にインプラント1の内部に留めるために、ポスト12にコード又は紐を通すために用いることができる。なお、本発明によれば、(任意の形状及び寸法を有する)開口部13を一列に設けることも考えられる。2列よりも1列とすることにより、より幅の狭いポストを設計することが可能であり好都合である。ポスト12の幅を狭くすることにより、インプラントをより開放した形で、さらにより柔軟に設計することができ、インプラントの機能的に効果的な部分のためにより広い空間を設けることができる。
【0057】
上述したように、図1は、本発明によるインプラントの1つの特定の実施例の側面図を示したものである。ただし、図1は、図の視点に由来する、本発明の特殊性を示すものではない。
【0058】
図2は、カテーテール5のチップ3に折畳まれた本発明によるインプラント1の部分断面図を示したものである。分かりやすくするため、図2において、糸は図示されていない。インプラント1は、図2には示されていないが図3には図示された、第1部分及び第2部分において、カテーテール5のチップ3の外部面23に接触している。しかし、図2から分ることは、ポスト12は、相互接続要素であるが、第3部分24を含んでおり、これは遠位及び近位リング7、9がカテーテール5と接触している第1部分及び第2部分よりもさらに半径状に配置されている。
【0059】
図2からわかるように、ポスト12の端部12Aa及び12bを遠位及び近位リング7、9に位置合わせすることにより、図2に示すようなインプラント1のクリンピング状態では、各ポスト12と外部面23との間に第1間隙d1が残る。
【0060】
同様に、遠位及び近位リング7、9の第4部分25により、図2には不図示の符号27で示すスリーブをインプラント上に設けることができ、インプラントに対して、あるいは、より重要なものである、心臓弁の小葉などのインプラントの柔軟構造に対して、望ましくない圧力を加えることがない。
【0061】
このような、例としてここで説明した、小葉にとっては、スリーブ27とカテーテル5の間のスリーブ27下に十分な空間又は余裕が生じる。この余裕は、第1間隙d1そして/又は第2間隙d2により設けられ得る。
【0062】
図3は、本発明によるインプラント1の長さ方向断面の概略図である。インプラント1は、その対称性のため図3の上半分にのみ描画されているが、インプラント1の鏡面対称の部分は図3の下半分に相当する。インプラント1について図示されていない部分は、なんら付加情報を含んでいないため、図示を省略してある。
【0063】
図2とは異なり、図3においては、糸15a及び15bは、各々、断面で示されている。また、図3には、第1部分31及び第2部分33が示されている。
【符号の説明】
【0064】
1 インプラント
3 カテーテールのチップ
5 カテーテール
7 近位リング
9 遠位リング
12 ポスト
12a ポストの端部
12b ポストの端部
13 開口部
14 糸を通す開口部
15a 糸
15b 糸
17 カテーテルの下部
19 長さ方向軸
d1 第1間隙
d2 第2間隙
23 カテーテールの外部面
24 第3部分
25 第4部分
27 スリーブ(全体は図示せず)
31 第1部分
33 第2部分



【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル(5)の一部分又は外部面(23)に脱着可能な状態で固定又はクリンプされるための、埋め込み部位に送達されるためのインプラント(1)であって、当該インプラント(1)は、長さ方向軸(19)、あるいは当該インプラント(1)内で長さ方向に延伸した内部空間又は内部容積を有し、当該長さ方向軸(19)、当該内部空間又は当該内部容積に対して垂直な半径方向を有するものにおいて、
当該インプラント(1)は、
第1部分(31)を有する第1構造要素と、第2部分(33)を有する第2構造要素と、
第1構造要素と第2構造要素との間に配置された1つあるいは複数の相互接続要素とを有し、
当該第1そして/又は当該第2部分(31、33)は、当該長さ方向軸(19)、当該内部空間又は当該内部容積に関して、1つあるいは複数の当該相互接続要素の第3部分(24)に比べて、さほど半径状には配置されていない
ことを特徴とするインプラント。
【請求項2】
前記相互接続要素は、2つ又はそれ以上の数の、特に3つの等間隔に配置された特定のポスト(12)である、ことを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記相互接続要素はメッシュである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプラント。
【請求項4】
少なくとも1つあるいは複数の前記相互接続要素は、前記第1及び前記第2構造要素を互いに接続する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のインプラント。
【請求項5】
前記相互接続要素はインプラント(1)内に配置されたポスト(12)であって、当該ポストは前記インプラント(1)の少なくとも1つの状態に応じて、前記長さ方向軸、前記内部空間又は前記内部容量に対して平行に伸びる、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のインプラント。
【請求項6】
前記第1構造要素そして/又は前記第2構造要素は少なくとも第4部分を有し、1つあるいは複数の前記相互接続要素の第3部分よりも、前記長さ方向軸、前記内部空間又は前記内部容量に対してより半径状に配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載のインプラント。
【請求項7】
作用する外圧のために前記内部空間又は前記内部容量の直径又は半径状拡張が減少した状態において、前記第3部分(24)は、前記長さ方向軸(19)及び前記内部空間又は前記内部容量に対して、前記第1部分そして/又は前記第2部分(31、33)よりもより半径状に設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載のインプラント。
【請求項8】
前記作用した外圧のために前記内部空間の直径又は半径状拡張が減少した状態とは、完全にクリンピングした状態であるか、あるいはインプラント(1)がクリンピングを完了した、又はインプラント(1)が埋め込まれるためにクリンピングする際にクリンピングしようとしている状態である、ことを特徴とする請求項7に記載のインプラント。
【請求項9】
前記作用した外圧のために前記内部空間の直径又は半径状拡張が減少した状態とは、前記第1そして/又は前記第2部分(31、33)がカテーテール(5)の外部面(23)に接触している、インプラント(1)のクリンピング状態である、ことを特徴とする請求項7又は8に記載のインプラント。
【請求項10】
前記第1構造要素そして/又は前記第2構造要素は、体内血管の一部又は患者の心臓の一部においてインプラント(1)の直径を変化させるための糸(15a、15b)を案内するための案内構造である、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載のインプラント。
【請求項11】
前記カテーテル(5)上のクリンピング状態において、又は前記カテーテール(5)の送達状態において、1つあるいは複数の又は全ての前記相互接続要素と、前記カテーテル(5)の外部面(23)との間に、前記第1間隙(d1)が残るように設計されている、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記載のインプラント。
【請求項12】
カテーテル(5)上のクリンピング状態において、1つあるいは複数の又は全ての前記相互接続要素と、インプラント(1)を覆うスリーブ(27)の内部面との間に、前記第2間隙(d2)が残るように設計されている、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1に記載のインプラント。
【請求項13】
スリーブ(27)を含む、請求項12に記載のインプラント。
【請求項14】
心臓弁であるか、又は心臓弁を含む請求項1乃至13のいずれか1に記載のインプラント(1)。
【請求項15】
1つあるいは複数の又は全ての相互接続要素と、カテーテル(5)の外部面(23)との間に、第1間隙(d1)が残るようにインプラント(1)をクリンピングするステップを含む、
埋め込みのためにカテーテル(5)にインプラント(1)を設ける際に行われる方法。
【請求項16】
前記インプラント(1)を覆うスリーブ(27)の内部面との間に、第2間隙(d2)が残るように、クリンピングされた前記インプラント(1)を当該スリーブ(27)で覆うステップを含む、
埋め込みのために前記カテーテル(5)にインプラント(1)を設ける際に行われる、特に請求項15に基づく、方法。
【請求項17】
請求項1乃至14のいずれか1に記載のインプラント(1)を用いるステップを含む、請求項15そして/又は請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1乃至14のいずれかに1に記載のインプラント(1)を送達するカテーテル(5)又はカテーテルの部分。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−519463(P2013−519463A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553219(P2012−553219)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000737
【国際公開番号】WO2011/101128
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(512138002)トランスカテーテル テクノロギース ゲーエムベーハー (5)
【氏名又は名称原語表記】TRANSCATHETER TECHNOLOGIES GMBH
【住所又は居所原語表記】Biopark III Regensburg, Josef−Engert−Strasse 13, 93053 Regensburg,Germany
【Fターム(参考)】