説明

クロスビームを利用したコンテナ運搬船の隔壁構造物

クロスビームを利用したコンテナ運搬船の隔壁構造物を開示する。本発明に従った隔壁構造物は、貨物倉に直立に設置され、運搬船の横方向へ二つ以上のコンテナの幅間隔で配置される複数の縦ウェッブを含む。複数の横ストリンガーは、縦ウェッブと交差するように設置され、運搬船の縦方向へ二つ以上のコンテナの高さ間隔で配置される。セルガイドは、横ストリンガー20に垂直に設置され、コンテナを案内及び固定する。クロスビームは、一端がセルガイドに固定され、他端が縦ウェッブ10に固定されて貨物倉の横方向へ設置され、横ストリンガー20間に設置される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスビームを利用したコンテナ運搬船の隔壁構造物に関し、特に、縦ウェッブ及び横ストリンガーを各々二つ以上のコンテナの幅及び高さ間隔で設置することでコンテナ運搬船の隔壁構造を単純化、軽量化し、クロスビームを利用して横ストリンガーに固定されたセルガイドを補強することで、運搬船の動きによるセルガイドに対する圧縮力及び引張力を支持するクロスビームを利用したコンテナ運搬船の隔壁構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、一般的なコンテナ運搬船の貨物倉を示した図である。運搬船100の貨物倉内部には、支持隔壁103と水密隔壁104とが所定の間隔で設置されている。支持隔壁103は、コンテナ105を支持する。また、水密隔壁104は、貨物倉を所定の区画へ分ける。
【0003】
図2は、従来のコンテナ運搬船の貨物倉における横ストリンガー型支持隔壁を示した縦断面図であり、図3は、従来のコンテナ運搬船の貨物倉における横ストリンガー型支持隔壁を示した平面図である。貨物倉101の横ストリンガー型支持隔壁は、貨物倉の底面に直立に設置され、運搬船の横方向へ配置される二つ乃至四つの縦ウェッブ10を含む。横ストリンガー20は、縦ウェッブ10と交差するように設置される。各横ストリンガー20は、一つのコンテナ105の高さ間隔で設置される。セルガイド30は、セルガイドブラケット31を介して横ストリンガー20に結合され、コンテナ105を案内すると共に固定する。
【0004】
一方、図4は、従来のコンテナ運搬船の貨物倉における縦ウェッブ型支持隔壁を示した縦断面図であり、図5は、従来のコンテナ運搬船の貨物倉における縦ウェッブ型支持隔壁を示した平面図である。
【0005】
貨物倉の縦ウェッブ型支持隔壁は、貨物倉101の底面に直立に設置され、運搬船の横方向へ一つのコンテナ105の幅間隔で配置される複数の縦ウェッブ10を含む。横ストリンガー20は、縦ウェッブ10と交差するように設置され、各横ストリンガー20は、二つ乃至三つのコンテナ105の高さ間隔で設置される。セルガイド30は、セルガイドブラケット31を介して横ストリンガー20に結合され、コンテナ105を案内すると共に固定する。
【0006】
上述した従来の横ストリンガー型支持隔壁及び縦ウェッブ型支持隔壁は、コンテナの横荷重40と縦荷重50を支持するために、横ストリンガー20又は縦ウェッブ10のいずれか一つのコンテナ105のサイズ間隔で設置しなければならず、部品数が多く、組み立てが複雑であり、さらに材料費が増加するという問題点がある。
【0007】
また、縦ウェッブ型支持隔壁の場合、側面強度が低いので、隔壁ブロックの組み立てなど、隔壁ブロックを取り扱う際に、隔壁ブロックが変形される問題点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために工夫したものであり、縦ウェッブと横ストリンガーを各々二つ以上のコンテナの幅及び高さ間隔で設置して格子状の主骨組みを形成し、横ストリンガーと縦ウェッブとを連結するクロスビームを設置することで運搬船の動きによるコンテナ運動荷重を支持し、構造を単純化、軽量化したコンテナ運搬船の隔壁構造物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための本発明の一つの特徴に従ったクロスビームを利用したコンテナ運搬船の隔壁構造物は、運搬船の貨物倉に設置されてコンテナを支持し、クロスビームを利用したコンテナ運搬船の隔壁構造物であって:前記運搬船の貨物倉に直立に設置され、運搬船の横方向へ二つ以上のコンテナの幅間隔で配置される複数の縦ウェッブ;前記縦ウェッブと交差するように設置され、運搬船の縦方向へ二つ以上のコンテナの高さ間隔で配置される複数の横ストリンガー;前記横ストリンガーに垂直に設置され、積載されたコンテナを案内及び固定する複数のセルガイド;及び一端が前記セルガイドに固定され、他端が前記縦ウェッブに固定されて貨物倉の横方向へ設置され、前記横ストリンガーの間に設置されるクロスビーム;を含む。
【0010】
本発明の他の特徴に従ったクロスビームを利用したコンテナ運搬船の隔壁構造物は、クロスビームの一端がセルガイドの裏面に設置されたブラケットに固定される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、横ストリンガーと縦ウェッブの部品数が減り、隔壁構造を軽量化、単純化することができる。また、隔壁ブロックを取り扱う際、隔壁ブロックの変形を防止し、組み立てが容易で作業速度が速くなる。さらに、クロスビームが運搬船の動きによるコンテナ運動荷重のセルガイドに対する圧縮力及び引張力を支持するので、隔壁構造が安定的である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、一般的なコンテナ運搬船の貨物倉を示した図である。
【図2】図2は、従来のコンテナ運搬船の貨物倉における横ストリンガー型支持隔壁を示した縦断面図である。
【図3】図3は、従来のコンテナ運搬船の貨物倉における横ストリンガー型支持隔壁を示した平面図である。
【図4】図4は、従来のコンテナ運搬船の貨物倉における縦ウェッブ型支持隔壁を示した縦断面図である。
【図5】図5は、従来のコンテナ運搬船の貨物倉における縦ウェッブ型支持隔壁を示した平面図である。
【図6】図6は、本発明に従ったクロスビームを含むコンテナ運搬船の貨物倉における支持隔壁を示した縦断面図である。
【図7】図7は、本発明に従ったクロスビームを含むコンテナ運搬船の貨物倉における支持隔壁を示した平面図である。
【図8】図8は、本発明に従ったクロスビームの設置状態を示した拡大側面図である。
【図9】図9は、本発明に従ったクロスビームの設置状態を示した拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図6は、本発明に従ったクロスビームを含むコンテナ運搬船の貨物倉における支持隔壁を示した縦断面図であり、図7は、本発明に従ったクロスビームを含むコンテナ運搬船の貨物倉における支持隔壁を示した平面図であり、図8は、本発明に従ったクロスビームの設置状態を示した拡大側面図であり、図9は、本発明に従ったクロスビームの設置状態を示した拡大平面図である。
【0014】
本発明に従った隔壁構造物は、コンテナ運搬船の貨物倉内部に積載されるコンテナ105を支持する。
【0015】
本発明に従った隔壁構造物は、貨物倉101に直立に設置され、二つ以上のコンテナ105の幅間隔で配置される複数の縦ウェッブ10を含む。また、複数の横ストリンガー20は、縦ウェッブ10と交差するように設置される。横ストリンガー20は、二つ以上のコンテナ105の高さ間隔で配置される。セルガイド30は、横ストリンガー20に垂直に設置され、コンテナ105を所定位置に積載するためにコンテナ105の角を案内し、コンテナ105を貨物倉101に固定させる。クロスビーム70は、一端がセルガイド30に固定され、他端が縦ウェッブ10に固定されて貨物倉の横方向へ設置され、横ストリンガーの間に設置される。
【0016】
縦ウェッブ10及び横ストリンガー20は、各々縦方向及び横方向へ設置されて運搬船の貨物倉の主骨組みを形成し、運搬船の強度を確保し、コンテナを支持する。
【0017】
クロスビーム70は、横ストリンガー20が設置されていない位置、すなわち、横ストリンガー20同士の間に設置され、コンテナを支持し、コンテナからの荷重を縦ウェッブ10と横ストリンガーとへ20伝達する。
【0018】
クロスビーム70は、一端がセルガイド30の裏面に設置されたセルガイドブラケット31に固定され、他端が縦ウェッブ10に結合される。クロスビーム70は、セルガイドブラケット31によってより安定的にセルガイド30に設置される。
【0019】
また、クロスビーム70は、運搬船のサイズによっては(例えば、5000TEU以下の場合)、その両端が貨物倉101の側壁102に固定されることもできる。この時、クロスビーム70の両端は、側壁固定ブラケット60を介して貨物倉101の側壁102に固定される。
【0020】
側壁固定ブラケット60は、クロスビーム70を貨物倉101の側壁102に固定させることで、圧縮力及び引張力に対する隔壁の支持力を向上させる。

一方、クロスビーム70の断面が‘L’または‘コ’形状であるので、クロスビーム70は、横ストリンガー20及びセルガイドブラケット31に容易に結合される。
【0021】
運搬船の特性上、ローリング(rolling)による左右揺れの方がピッチング(pitching)による前後揺れより激しいことに鑑み、クロスビーム70は、貨物倉101の横方向へ設置される。セルガイド30は、クロスビーム70によって固定されるので、運搬船のローリングで積載されたコンテナ105の位置変化から発生した横荷重40を安全に支持することができる。
【0022】
上述したように、本発明では、縦ウェッブ10と横ストリンガー20との部品数が非常に減り、構造が簡単で軽量であり、さらに隔壁の扱いが容易になり、隔壁の変形が防止される。結果的に、隔壁の組み立てが容易になる。
【0023】
以上、本発明について例示的な実施形態に基づいて説明したが、本発明の技術分野に属する通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲及び要旨を外れずに種々の変形及び変更が可能であることは自明である。
【符号の説明】
【0024】
10 縦ウェッブ
20 横ストリンガー
30 セルガイド
31 セルガイドブラケット
40 横荷重
50 縦荷重
60 側壁固定ブラケット
70 クロスビーム
100 運搬船
101 貨物倉
102 側壁
103 支持隔壁
104 水密隔壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬船の貨物倉に設置されてコンテナを支持し、クロスビームを利用したコンテナ運搬船の隔壁構造物であって:
前記運搬船の貨物倉に直立に設置され、運搬船の横方向へ二つ以上のコンテナの幅間隔で配置される複数の縦ウェッブ;
前記縦ウェッブと交差するように設置され、運搬船の縦方向へ二つ以上のコンテナの高さ間隔で配置される複数の横ストリンガー;
前記横ストリンガーに垂直に設置され、積載されたコンテナを案内及び固定する複数のセルガイド;及び
一端が前記セルガイドに固定され、他端が前記縦ウェッブに固定されて貨物倉の横方向へ設置され、前記横ストリンガーの間に設置されるクロスビーム;
を含むクロスビームを利用したコンテナ運搬船の隔壁構造物。
【請求項2】
前記クロスビームの一端は、前記セルガイドの裏面に設置されたブラケットに固定される請求項1に記載のクロスビームを利用したコンテナ運搬船の隔壁構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−507762(P2011−507762A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540548(P2010−540548)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【国際出願番号】PCT/KR2008/004827
【国際公開番号】WO2010/021416
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(594006932)ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド (31)
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.