説明

クロマトグラフィーシステムのための溶媒供給システム、及び、その製造と使用の方法

溶媒供給システムを開示する。溶媒供給システムを含むクロマトグラフィーシステムも開示する。更に、溶媒供給システムを製造及び使用する方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、溶媒供給システムに関する。本発明はまた、例えばクロマトグラフィー装置や溶媒供給システム等における溶媒供給システムの製造と使用の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]当該技術分野には、以下の1つまたは2以上の特徴を備えることが可能な溶媒供給システムに対する要求がある。即ち、2又は3以上の溶媒の勾配を有する混合、2又は3以上の溶媒の高圧混合と結合した低圧混合、空気ポンプ(即ち、泡発生器)を使用しない溶媒供給レベルの監視、最小限の水準のユーザの相互作用、である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本発明は、既知の溶媒供給システム、特にクロマトグラフィー装置やクロマトグラフィーシステムに使用される溶媒供給システムに対する1又は2以上の有利性を提供する溶媒供給システムの構成要素の発見によって、上にて議論した困難性や課題のいくつかを取り扱う。1又は2以上の有利性は、限定するわけではないが、2又は3以上の溶媒の勾配を有する混合、2又は3以上の溶媒の低圧混合及び高圧混合、空気ポンプ(即ち、泡発生器)を使用しない溶媒供給レベルの監視、及び、最小限の水準のユーザの相互作用を含む。
【0004】
[0004]ある例示的な実施形態では、本発明の溶媒供給システムは、2又は3以上の溶媒ライン接続部と、少なくとも2つのポンプであって、少なくとも2つのポンプの各ポンプが(i)各溶媒ライン接続部と流体連通しており(ii)少なくとも2つのポンプの他の任意のポンプに対して並列の構成にある、少なくとも2つのポンプと、各溶媒ライン接続部と少なくとも2つのポンプの各々との間に配置された弁を備えた多数の弁と、を備える。
【0005】
[0005]他の例示的な実施形態では、溶媒供給システムは、少なくとも2つの弁を有するマニホルドと、弁と流体連通している少なくとも2つの第1の溶媒ラインと、溶媒ラインを通じて弁と流体連通している少なくとも1つのポンプと、少なくとも1つの第2の溶媒ラインと、を備え、第1の溶媒ラインはポンプの入口の手前や入口の位置で互いに流体連通しており、且つ、ポンプの出口の後ろで第2の溶媒ラインと流体連通している。
【0006】
[0006]他の例示的な実施形態では、本発明の溶媒供給システムは、少なくとも1つの溶媒容器と、各溶媒容器内に配置された少なくとも1つの溶媒レベルセンサと、少なくとも1つの室内圧力センサと、を備え、少なくとも1つの溶媒レベルセンサは、少なくとも1つの室内圧力センサからの室内圧力の示値に基づいて溶媒容器内の溶媒レベルを測定するように動作可能に構成されている。
【0007】
[0007]本発明は、更に、ここに開示された1又は2以上の溶媒供給システムを備えたクロマトグラフィーシステムに関する。ある例示的な実施形態では、クロマトグラフィーシステムは溶媒供給システムを備え、溶媒供給システムは、2又は3以上の溶媒ライン接続部と、少なくとも2つのポンプであって、少なくとも2つのポンプの各ポンプが(i)各溶媒ライン接続部と流体連通しており(ii)2つのポンプの他の任意のポンプに対して並列の構成にある、少なくとも2つのポンプと、各溶媒ライン接続部と少なくとも2つのポンプの各々との間に配置された弁を備えた多数の弁と、を備える。
【0008】
[0008]他の例示的な実施形態では、クロマトグラフィーシステムは、少なくとも1つの溶媒容器と、各溶媒容器内に配置された少なくとも1つの溶媒レベルセンサと、少なくとも1つの室内圧力センサと、を備えた溶媒供給システムを備え、少なくとも1つの溶媒レベルセンサは、少なくとも1つの室内圧力センサからの室内圧力の示値に基づいて溶媒容器内の溶媒レベルを測定するように動作可能に構成されている。
【0009】
[0009]更に他の例示的な実施形態では、クロマトグラフィーシステムは、2又は3以上の溶媒ライン接続部と、少なくとも2つのポンプであって、少なくとも2つのポンプの各ポンプが(i)各溶媒ライン接続部と流体連通しており(ii)少なくとも2つのポンプの他の任意のポンプに対して並列の構成である、少なくとも2つのポンプと、各溶媒ライン接続部と少なくとも2つのポンプの各々との間に配置された弁を備えた多数の弁と、各溶媒容器内に配置された少なくとも1つの溶媒レベルセンサと、少なくとも1つの室内圧力センサと、を備えた溶媒供給システムを備え、少なくとも1つの溶媒レベルセンサは、少なくとも1つの室内圧力センサからの室内圧力の示値に基づいて溶媒容器内の溶媒レベルを測定するように動作可能に構成される。ここに開示された1又は2以上の溶媒供給システムを備えた、開示された任意のクロマトグラフィーシステムは、例えばフラッシュクロマトグラフィーシステムを備えることもある。
【0010】
[0010]本発明は、また、ここに開示された1又は2以上の溶媒供給システムを備えたクロマトグラフィーシステムと同様に、溶媒供給システムの製造方法に関する。ある例示的な実施形態では、溶媒供給システムの製造方法は、2又は3以上の溶媒ライン接続部を提供する工程と、少なくとも2つのポンプを2又は3以上の溶媒ライン接続部に接続する工程であって、少なくとも2つのポンプの各ポンプが(i)各溶媒ライン接続部と流体連通しており(ii)少なくとも2つのポンプの他の任意のポンプに対して並列の構成である、工程と、各溶媒ライン接続部と少なくとも2つのポンプの各ポンプとの間に弁を配置する工程と、を備える。
【0011】
[0011]他の例示的な実施形態では、溶媒供給システムの製造方法である。その方法は、少なくとも2つの弁を有するマニホルドを提供する工程と、少なくとも2つの溶媒ラインを弁に接続する工程と、ポンプが弁と流体連通するように少なくとも1つのポンプを2又は3以上の溶媒ラインに接続する工程と、少なくとも1つの第2の溶媒ラインを提供する工程と、を備え、第1の溶媒ラインは、ポンプの入口の手前又は入口の位置で互いに流体連通しており、且つ、ポンプの出口の後ろで第2の溶媒ラインと流体連通している。
【0012】
[0012]他の例示的な実施形態では、溶媒供給システムの製造法は、システムの各溶媒容器内に少なくとも1つの溶媒レベルセンサを配置する工程と、システムの各溶媒容器を含む室内に少なくとも1つの室内圧力センサを提供する工程と、を備え、少なくとも1つの溶媒レベルセンサは、少なくとも1つの室内圧力センサからの室内圧力の示値に基づいて溶媒容器内の溶媒レベルを測定するように動作可能に構成される。
【0013】
[0013]本発明は、更に、本発明の上述した1又は2以上の溶媒供給システムの使用方法に関する。本発明の上述した1又は2以上の溶媒供給システムの使用方法は、1又は2以上の上述した溶媒供給システムを使用して溶媒流れをクロマトグラフィーカラムに導入する工程を備えるであろう。本発明の上述した1又は2以上の溶媒供給システムの使用方法は、上述した1又は2以上の溶媒供給システムを使用して、フラッシュクロマトグラフィーシステムのようなクロマトグラフィーシステムでテストサンプルを分析する工程を備えるであろう。
【0014】
[0014]本発明のこれらのおよび他の特徴と利点は、開示された実施形態の以下の詳細な説明および添付請求の範囲の検討後に、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のある例示的な溶媒供給システムを示す。[0015]
【図2】本発明の他の例示的な溶媒供給システムを示す。[0016]
【図3A】図1に示す例示的な溶媒供給システムを含む例示的なクロマトグラフィーシステムを示す。[0017]
【図3B】図2に示す例示的な溶媒供給システムを含む例示的なクロマトグラフィーシステムを示す。[0017]
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0018]本発明の原理の理解を促進するために、本発明の特定の実施形態の記述が以下に続き、特定の言語が、特定の実施形態を記述することに使用される。しかしながら、当然のことながら、特定の言語の使用によって、本発明の範囲を制限することは意図されない。変更形態、さらに修正形態、および上述された本発明の原理の更なる用途等は、当該技術分野における当業者であれば容易に想到することが考えられる。
【0017】
[0019]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合には、単数形の「1つ」、「および」、および「前記(the)」は、文脈が明らかに他の場合を示している場合を除き、複数形の指示対象を含むことに留意しなければいけない。このように、例えば、「1つの溶媒」を参照する場合には、複数の当該溶媒を含み、「溶媒」を参照する場合には、1つまたは複数の溶媒、および当業者に知られているそれらの均等物、ならびにその他のものを含む。
【0018】
[0020]「約」で修飾される場合には、例えば、本明細書の実施形態の記載に用いられた、組成物中の材料、濃度、量、プロセス温度、プロセス時間、回収量または生産量、流量、および同様の値、ならびにそれらの範囲の量の数量の変動を示し、これは、例えば、典型的な測定手順および取り扱い手順を介して、これらの手順の不測のエラーを介して、当該方法を実施するために使用される材料の違いを介して、および同様の近似した事情によって発生する可能性がある。「約」という用語は、さらに特定の初期濃度または混合物を有する処方物の経時変化による異なる量、および特定の初期濃度または混合物を有する処方物の混合または処理による異なる量を包含する。「約」を意味する用語によって、修飾されるか否かにかかわらず、本明細書に添付の特許請求の範囲は、これらの量の均等物を含む。
【0019】
[0021]本明細書において、用語「クロマトグラフィー」は、1つは静止状態(固定相)であり、もう一方(移動相)は明確な方向に移動する、2相間で分散されている、分離されるべき構成部品を分離する物理的方法を意味する。
【0020】
[0022]本明細書において、用語「液体クロマトグラフィー」は、「移動相」に溶解している混合流体を、固定相を含むカラムに通して、混合物を分離することを意味し、それによって混合物中の他の分子から被分析物(すなわち、標的物質)を分離し、それを単離できる。
【0021】
[0023]本明細書において、用語「移動相」は、分離および/または分析される試料、および被分析物を含む試料を、カラムの中を通して移動させる溶媒を含む流動性液体、ガス、または超臨界流体を意味する。試料中の被分析物が、固定相と相互作用して試料から分離される、クロマトグラフィーカラムまたはカートリッジ(すなわち、固定相を収容する容器)の中を移動相が通る。
【0022】
[0024]本明細書において、用語「固定相」または「媒体」は、「移動相」に溶解している混合流体を、固定相を含むカラムに通して、移動相の試料から混合物を分離することによって、被分析物を選択的に吸着するカラムまたはカートリッジに固定されている材料を意味し、それによって混合物中の他の分子から、測定されるべき被分析物を分離し、それを単離できる。
【0023】
[0025]本明細書において、用語「フラッシュクロマトグラフィー」は、「移動相」に溶解している混合流体を、加圧下で、固定相を含むカラムに通して混合物を分離することを意味し、それによって混合物中の他の分子から、測定されるべき被分析物(すなわち、標的物質)を分離し、それを単離できる。
【0024】
[0026]本明細書において、用語「流体」はガス、液体、および超臨界流体を意味する。
【0025】
[0027]本明細書において、用語「実質的に」は充分な量の範囲を意味するが、絶対値の約0%から約50%、約0%から約40%、約0%から約30%、約0%から約20%または約0%から約10%の間を変化する量を含む。
【0026】
[0028]本発明は、溶媒供給システムに関する。本発明は、更に、ここに開示された1又は2以上の溶媒供給システムを含むクロマトグラフィーシステムと同様に、溶媒供給システムを製造する方法に関する。本発明は、更にまた、ここに開示された1又は2以上の流体流れシステム内の溶媒供給システムを使用する方法に関する。流体流れシステムは、限定するわけではないが、フラッシュクロマトグラフィーシステムのようなクロマトグラフィーシステムを含む。
【0027】
[0029]本発明の例示的な溶媒供給システムが図1に示される。図1に示されるように、例示的な溶媒供給システム100は、溶媒容器10,20,30,40と、溶媒ライン接続部11,21,31,41と、高精度弁ペア12と13,22と23,32と33,42と43と、ポンプ61,62と、を備える。例示的な溶媒供給システム100内の各溶媒容器は、各溶媒容器のための一対の高精度弁を介して両方のポンプと流体連通している。図1に示されるように、弁12,22,32,42を通って独立して流れる流体流れは、ポンプ61に入る前にライン51内で互いに結合する一方、弁13,23,33,43を通って独立して流れる流体流れは、ポンプ62に入る前にライン52内で互いに結合する。ポンプ61,62を出る流体流れは、ジャンクション63にて互いに結合して、ライン64に沿って単一の流体流れを形成する。
【0028】
[0030]各溶媒ライン接続部11,21,31,41の一部、高精度弁ペア12と13,22と23,32と33,42と43、ライン51,52の一部が、図1に示されるようなマニホルド80を形成するであろう。この例示的な実施形態では、マニホルド80は、4つの流体入口81,82,83,84と、各々がライン51,52に供給する2つの流体出口86,87と、を備える。
【0029】
[0031]本発明の他の例示的な溶媒供給システムが、図2に示される。図2に示されるように、例示的な溶媒供給システム200は、溶媒容器10,20,30,40と、マニホルド80の中へ延伸する溶媒ライン接続部11,21,31,41と、流体出口ライン51,52と、ポンプ61,62と、を備える。繰り返せば、例示的な溶媒供給システム200では、例示的な溶媒供給システム200の中の各溶媒容器は、各溶媒容器のための一対の高精度弁を介して両方のポンプと流体連通している。
【0030】
[0032]例示的な溶媒供給システム200は、各々が互いに独立して溶媒容器10,20,30,40の中に配置される溶媒レベルセンサ15,25,35,45を備える。例示的な溶媒供給システム200は、また、室内圧力センサ55を備える。以下に詳細に議論するように、各溶媒レベルセンサ15,25,35,45は、室内圧力センサ55からの室内圧力の示値に基づいて所定の溶媒容器内の溶媒レベルを測定するために動作可能に構成される。
【0031】
[0033]マイクロプロセッサ70は、所定の溶媒容器内の溶媒レベルを監視するために、室内圧力センサ55からの信号71と同様に、溶媒レベルセンサ15,25,35,45の各々からの信号16,26,36,46を処理するために動作可能に構成される。
【0032】
[0034]図1及び図2に示されるように、本発明の溶媒供給システムは、多数の構成要素を備える。本発明の溶媒供給システムを形成するために使用される様々な構成要素の記述、及び、構成要素の様々な構成の記述が、以下に提供される。
【0033】
I.溶媒供給システムの構成要素
[0035]本発明は、以下の溶媒供給システムの構成要素に関し、クロマトグラフィーシステムのような多様な流体流れシステムの中で単独で使用され、或いは、互いに結合されて使用されるであろう。
【0034】
A.溶媒接続部と弁とポンプの組立体
[0036]本発明は、図1に示されるような、溶媒接続部と高精度弁とポンプとの組立体に関する。図1に示されるように、例示的な溶媒供給システム100は、2又は3以上の溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)と、少なくとも2つのポンプ(例えばポンプ61,62)であって、少なくとも2つのポンプの各ポンプが(i)各溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)と流体連通しており(ii)少なくとも2つのポンプの他の任意のポンプに対して並列の構成である、少なくとも2つのポンプ(例えばポンプ61,62)と、各溶媒ライン接続部と少なくとも2つのポンプの各々との間に配置された弁を備える多数の弁(例えば高精度弁ペア12と13,22と23,32と33,42と43)と、を備える。
【0035】
[0037]例示的な溶媒供給システム100は、4つの溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)と、8個の弁(例えば高精度弁ペア12と13,22と23,32と33,42と43)と、2つのポンプ(例えばポンプ61,62)と、を備えるものとして示されるが、本発明の溶媒供給システムが、わずか、2つの溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21)と、4つの弁(例えば高精度弁ペア12と13,22と23)と、2つのポンプ(例えばポンプ61,62)と、を備えることもあることは理解されるべきである。結果として生じる組立体のための以下に述べる基準(またここで「組立体基準」として参照される)が満たされる限り、本発明の溶媒供給システムは、任意の数の溶媒ライン接続部と弁と2つのポンプとを備えることもあることは、更に記述されるべきである。即ち、x個の溶媒ライン接続部と(xは2より大きい整数か2に等しい)、y個のポンプと(yは2より大きい整数か2に等しい)、z個の弁と(zは(x個)×(y個)に等しい)、各ポンプが各溶媒ライン接続部と流体連通しており、各ポンプがy個の他の任意のポンプに対して並列の構成であり、弁がx個の溶媒ライン接続部の各々とy個のポンプの各々との間に配置される、という基準である。
【0036】
[0038]ある望ましい実施形態では、本発明の溶媒供給システムは、図1に示される例示的な溶媒供給システム100に類似しており、4つの溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)、2つのポンプ(例えばポンプ61,62)と、8個の弁(例えば高精度弁ペア12と13,22と23,32と33,42と43)と、を備える。他の望ましい実施形態では、本発明の溶媒供給システムは、5又は6以上の溶媒ライン接続部と、2つのポンプと、10又はそれ以上の弁と、を備え、結果として生じる組立体は、上記した組立体の基準に合致する。
【0037】
[0039]図1に示されるように、2又は3以上の溶媒ライン接続部11,21,31,41及び多数の高精度弁ペア12と13,22と23,32と33,42と43は、2又は3以上の溶媒源(例えば溶媒容器10,20,30,40)及び少なくとも2つのポンプ61,62の間に配置されたマルチポートのマニホルド(例えばマニホルド80)を備えるであろう。結果として生じるマニホルドは、x個の流体入口とy個の出口とを備えるであろう、ここで、x及びyは上述したように整数である。図1は、溶媒ライン接続部11,21,31,41の各々が溶媒容器10,20,30,40に近接するとして示されるが、溶媒ライン接続部11,21,31,41は、所定の溶媒容器(例えば溶媒容器10)及びマニホルド80の流体入口(例えば流体入口81)の間の任意の位置に各々が独立して配置されるであろうことは記述されるべきである。
【0038】
[0040]例えば例示的な溶媒供給システム100,200のような本発明の溶媒供給システムは、2又は3以上の溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)及び少なくとも2つのポンプ(例えばポンプ61,62)の任意の1つの間で1又は2以上の溶媒の低圧混合を可能にする。ここに使用されるように、用語「低圧混合」は、ポンプ(例えばポンプ61,62)に入る手前で、2又は3以上の溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)から溶媒の混合を記述するために使用される。図1に示されるように、例示的な溶媒供給システム100は、(1)ポンプ61に入る手前のライン51内での1又は2以上の溶媒の低圧混合、(2)ポンプ62に入る手前のライン52内での1又は2以上の溶媒の低圧混合、(3)(i)ポンプ61に入る手前のライン51内での、及び、(ii)ポンプ62に入る手前のライン52内での、同時で独立した低圧混合を可能にする。
【0039】
[0041]例えば例示的な溶媒供給システム100,200のような本発明の溶媒供給システムは、また、少なくとも2つのポンプ(例えばポンプ61、62)内で、少なくとも2つのポンプ(例えばポンプ61、62)を出た後ろで、1又は2以上の溶媒の高圧混合を可能にする。ここに使用されるように、用語「高圧混合」は、ポンプ(例えばポンプ61,62)に入って出るときに、2又は3以上の溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)からの溶媒の混合を記述するために使用される。図1に示されるように、例示的な溶媒供給システム100は、(1)ポンプ61とポンプ61を出るライン67の中での1又は2以上の溶媒の高圧混合、(2)ポンプ62とポンプ62を出るライン68の中での1又は2以上の溶媒の高圧混合、(3)ジャンクション63から下流のライン64内での1又は2以上の溶媒の高圧混合、(4)(i)ポンプ61とポンプ61を出るライン67の中での、及び、(ii)ポンプ62とポンプ62を出るライン68の中での、(iii)ジャンクション63から下流のライン64内での、同時の高圧混合を可能にする。
【0040】
[0042]図1及び図2に示されるように、例えば例示的な溶媒供給システム100,200のような本発明の溶媒供給システムは、また、一般に、少なくとも2つのポンプ(例えばポンプ61,62)を出る個々の流体流れ67,68を備え、単一の流体流れ64へ合流する。更に、図1及び図2に示されるように、例示的な溶媒供給システム100,200のような本発明の溶媒の供給システムは、更に、各溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)のための少なくとも1つの溶媒容器(例えば溶媒容器10,20,30,40)を備えるであろう。
【0041】
[0043]例えば例示的な溶媒供給システム100,200のような本発明の溶媒供給システムは、一般に、更に、個別の溶媒容器内に少なくとも2つの異なる溶媒を備え、各溶媒容器(例えば溶媒容器10,20,30,40)は、2又は3以上の溶媒ライン接続部のうちの1つの溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)に独立して接続されている。本発明の溶媒供給システムは、1又は2以上の溶媒、最大でx個の異なる溶媒(xは上述のように整数である)を利用することは理解されるべきである。いくつかの望ましい実施形態では、本発明の溶媒供給システムは、別個の溶媒容器(例えば溶媒容器10,20,30,40)の中の4つの異なる溶媒を備え、そこでは、各溶媒容器は、4つの溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)に独立して接続されている。
【0042】
[0044]図1及び図2に示されるように、例えば例示的な溶媒供給システム100,200のような本発明の溶媒供給システムは、更に、多数の弁12,13,22,23,32,33,42,43の各々に1又は2以上の信号(不図示)を送るように動作可能に構成されたマイクロプロセッサ70を備え、多数の弁の各々の開閉を独立して制御するであろう。マイクロプロセッサ70は、ソフトウェアコードを有するソフトウェア制御パッケージを利用するであろう。ソフトウェアコードは、マイクロプロセッサ70が、同時に、及び/又は、連続して順番に、多数の弁12,13,22,23,32,33,42,43の1又は2以上が開閉するように指示し、ライン51,52,67,68,64の中で勾配を有する溶媒成分を得るように動作可能に構成される。
【0043】
[0045]本発明の望ましい実施形態では、各高精度弁(例えば弁12,13,22,23,32,33,42,43)は、マイクロプロセッサ70からの信号に反応して高速で開閉可能である。望ましくは、マイクロプロセッサ70からの信号に反応して、各高精度弁(例えば弁12,13,22,23,32,33,42,43)は、3秒以内に、更に望ましくは、3.0秒よりも短く(或いは3.0秒よりも短く、2.0秒秒よりも短く、1.5秒よりも短く、1.0秒よりも短く、0.5秒よりも短く、)開閉可能である。
【0044】
B.溶媒レベルセンサと室内圧力センサとの結合
[0046]本発明の溶媒供給システムは、各溶媒容器(例えば溶媒容器10,20,30,40)内に配置された少なくとも1つの溶媒レベルセンサ(例えば溶媒レベルセンサ15,25,35,45)を備えるであろう。本発明のいくつかの実施形態では、溶媒供給システムは、更に、少なくとも1つの室内圧力センサ(例えば室内圧力センサ55)を備え、少なくとも1つの溶媒レベルセンサ(例えば溶媒レベルセンサ15,25,35,45の少なくとも1つ)は、少なくとも1つの室内圧力センサ(例えば室内圧力センサ55)からの室内圧力の示値に基づいて、溶媒容器内の溶媒レベルを測定するように動作可能に構成する。例えば、所定の溶媒レベルセンサは、所定の溶媒容器内の圧力を測定し、少なくとも1つの室内圧力センサ(例えば室内圧力センサ55)から得られた室内圧力をその所定の溶媒容器内の圧力から引いて、その所定の溶媒容器内の溶媒レベルを正確に測定するであろう。
【0045】
[0047]本発明の1つの例示的な実施形態では、溶媒供給システムは、少なくとも1つの溶媒容器(例えば溶媒容器10,20,30,40の少なくとも任意の1つ又は全部)と、各溶媒容器内に配置された少なくとも1つの溶媒レベルセンサ(例えば溶媒レベルセンサ15,25,35,45)と、少なくとも1つの室内圧力センサ(例えば少なくとも1つの室内圧力センサ55)と、を備え、少なくとも1つの溶媒レベルセンサは、上述したように、少なくとも1つの室内圧力センサからの室内圧力の示値に基づいて、溶媒容器内の溶媒レベルを測定するように動作可能に構成されている。(i)少なくとも1つの室内圧力センサ(例えば室内圧力センサ55)、及び、(ii)少なくとも1つの室内圧力センサ(例えば溶媒レベルセンサ15,25,35,45の少なくとも1つ)の上述した結合体を備えた例示的な実施形態では、上述したように、溶媒供給システムは、少なくとも1つの溶媒容器内の所定の溶媒を通じて、空気に泡を生成する空気ポンプを備えていない。そのような構成は、所定の溶媒容器内の溶媒レベルを測定するための1又は2以上の空気ポンプの使用に関連した高コストを省略する。
【0046】
[0048]他の例示的な実施形態では、本発明の溶媒供給システムは、4つの溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)と、4つの別個の溶媒容器であって、各溶媒容器が独立して所定の溶媒ライン接続部に接続される、4つの別個の溶媒容器(例えば溶媒容器10,20,30,40)と、2つのポンプであって、当該2つのポンプの各々が(i)各溶媒ライン接続部と流体連通しており(ii)当該2つのポンプの他のポンプに対して並列の構成である、2つのポンプ(例えばポンプ61,62)と、各溶媒ライン接続部及び2つのポンプ(例えばポンプ61,62)の各々との間に配置された弁を備えた多数の弁(例えば弁12,13,22,23,32,33,42,43)と、を備える。
【0047】
[0049]上述したように、たとえ例示的な溶媒供給システム200が互いに結合された状態の示された各構成要素を備える本発明の例示的な溶媒供給システムを記述するにせよ、示された任意の構成要素は、本発明の他の例示的な溶媒供給システムにおいて別個に使用されるであろう。例えば、上述したように、本発明の例示的な溶媒供給システムは、(i)少なくとも1つの室内圧力センサ(例えば室内圧力センサ55)及び(ii)少なくとも1つの溶媒レベルセンサ(例えば溶媒レベルセンサ15,25,35,45の少なくとも1つ)の組立体を備え、上述したように、図2に示されたマニホルド80を欠いている(即ち上述の組立体基準に構成された溶媒接続部と高精度弁とポンプとの組立体を欠いている)。しかし、本発明のたいていの実施形態では、本発明の溶媒供給システムは、図2に示された例示的な溶媒供給システム200に示された構成要素の各々を備える。
【0048】
[0050]図2に示されるように、例示的な溶媒供給システム200は、また、マイクロプロセッサ70として示されるマイクロプロセッサを備える。マイクロプロセッサ70は、(1)1又は2以上の信号を、(i)少なくとも1つの溶媒レベルセンサ(例えば溶媒レベルセンサ15,25,35,45のうちの少なくとも1つ、望ましくは、溶媒レベルセンサ15,25,35,45の各々)から受信し(例えば信号16,26,36,46)、(ii)少なくとも1つの室内圧力センサ(例えば少なくとも1つの室内圧力センサ55、望ましくは、室内圧力センサ55の各々)から受信し(例えば信号71)、(2)1又は2以上の信号(不図示)を溶媒容器選択部(不図示)へ送信するように、動作可能に構成される。各溶媒容器選択部は、第1の溶媒容器内の溶媒レベルが閾値より下の値であるというマイクロプロセッサ70から受信した信号に応じて、第1の溶媒容器の代わりに第2の溶媒容器を用いるように動作可能に構成される。この例示的な実施形態は、所定の溶媒容器を他の溶媒容器に置き換えるために必要とされるユーザの相互作用を最小化する。
【0049】
[0051]例示的な溶媒供給システム100,200は、単一のマイクロプロセッサ、即ち、マイクロプロセッサ70を備えるが、各溶媒供給システムが、所定の溶媒供給システムの上述の構成要素(例えば弁、ポンプ、センサ、及び/又は溶媒選択部)を制御するための1又は2以上のマイクロプロセッサを備えることがあることは記述されるべきである。
【0050】
[0052]各マイクロプロセッサ70は、例示的な溶媒供給システム100,200の他の構成要素に対して遠隔に配置され、或いは、例示的な溶媒供給システム100,200の中の1又は2以上の構成要素に直接に接続されることがある。上にて議論したように、各マイクロプロセッサ70は、(i)例示的な溶媒供給システム100,200内の様々な構成要素からの信号(例えば溶媒レベルセンサ及び室内圧力センサからの信号)を認識し、(ii)1又は2以上の信号(例えば溶媒容器選択部へ指示を送信する)を受信し、又は、ソフトウェアコードからの指示を受信すること(例えば弁の開閉)に応じて1又は2以上の自動化された工程を初期化する、ようにプログラミングされている。マイクロプロセッサ70が、(i)例示的な溶媒供給システム100,200内の様々な構成要素からの信号を認識し、(ii)ソフトウェアコードからの1又は2以上の信号や指示に応じて、1又は2以上の自動化された工程を初期化することが可能である限り、マイクロプロセッサ70は、例示的な溶媒供給システム100,200に対して任意の配置であろう。
【0051】
[0053]例示的な溶媒供給システム100,200には示されていないが、例示的な溶媒供給システム100,200は、更に、1又は2以上のユーザ・インターフェイス・ステーション(例えばパーソナルコンピュータ、ラップトップ型パソコン、タッチスクリーン、キーボード等)を備え、望まれれば、例示的な溶媒供給システム100,200をユーザが安全に操作することを可能にすることは理解されるべきである。
【0052】
II.構成要素の製造方法
[0054]本発明は、また、ここに開示された1又は2以上の溶媒供給システムを備えたクロマトグラフィーシステムと同様に、溶媒供給システムの製造方法に関する。ある例示的な実施形態では、溶媒供給システムの製造方法は、2又は3以上の溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)を提供する工程と、少なくとも2つのポンプ(例えばポンプ61,62)(望ましくは高圧ポンプ)を2又は3以上の溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)に接続する工程であって、少なくとも2つのポンプの各ポンプが(i)各溶媒ライン接続部と流体連通しており、(ii)少なくとも2つのポンプの他の任意のポンプに対して並列の構成である、工程と、各溶媒ライン接続部と少なくとも2つのポンプの各ポンプとの間に弁(例えば弁12,13,22,23,32,33,42,43)を配置する工程と、を備える。
【0053】
[0055]他の例示的な実施形態では、溶媒供給システムの製造方法は、少なくとも1つの溶媒レベルセンサ(例えば溶媒レベルセンサ15,25,35,45の少なくとも1つ)をシステムの各溶媒容器(例えば溶媒容器10,20,30,40)内に配置する工程と、少なくとも1つの室内圧力センサ(例えば少なくとも1つの室内圧力センサ55)をシステムの各溶媒容器を含む室内に提供する工程と、を備え、少なくとも1つの溶媒レベルセンサは、少なくとも1つの室内圧力センサからの室内圧力の示値に基づいて溶媒容器内の溶媒レベルを測定するように動作可能に構成される。
【0054】
[0056]更に別の例示的な実施形態では、溶媒供給システムの製造方法は、少なくとも2つの溶媒容器(例えば溶媒容器10,20,30,40)を提供する工程と、2又は3以上の溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)のセットの中の単一の溶媒ライン接続部に各溶媒容器を接続する工程と、少なくとも2つのポンプ(例えばポンプ61,62)(望ましくは高圧ポンプ)を2又は3以上の溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)に接続する工程であって、少なくとも2つのポンプの各ポンプが(i)各溶媒ライン接続部と流体連通しており(ii)少なくとも2つのポンプの他の任意のポンプに対して並列の構成である、工程と、各溶媒ライン接続部と少なくとも2つのポンプの各ポンプとの間に弁(例えば弁12,13,22,23,32,33,42,43)を配置する工程と、少なくとも1つの溶媒レベルセンサ(例えば溶媒レベルセンサ15,25,35,45の少なくとも1つ)をシステムの各溶媒容器(例えば溶媒容器10,20,30,40)内に配置する工程と、少なくとも1つの室内圧力センサ(例えば少なくとも1つの室内圧力センサ55)をシステムの各溶媒容器を含む室内に提供する工程と、を備え、少なくとも1つの溶媒レベルセンサは、少なくとも1つの室内圧力センサからの室内圧力の示値に基づいて溶媒容器内の溶媒レベルを測定するように動作可能に構成される。
【0055】
[0057]溶媒供給システムの上述した任意の例示的な製造方法は、更に、以下の1又は2以上の工程を備えることもある。即ち、少なくとも1つのマイクロプロセッサ(例えばマイクロプロセッサ70)を溶媒供給システムの中に組み込む工程であって、マイクロプロセッサが、(i)所定の溶媒供給システム(例えば例示的な溶媒供給システム100,200)内の様々な構成要素からの信号(例えば溶媒レベルセンサ及び室内圧力センサからの信号)を認識し、(ii)1又は2以上の信号(例えば溶媒容器選択部への指示の送信)の受信、或いは、ソフトウェアコードからの指示(例えば弁の開閉)の受信に応じて、1又は2以上の自動化された工程を初期化するようにプログラミングされている、工程、ソフトウェアコードパッケージを所定の溶媒供給システムに(例示的な溶媒供給システム100,200のマイクロプロセッサ70上に)加える工程であって、ソフトウェアコードパッケージが溶媒供給システム中の様々な構成要素からの信号を認識して送信するための指示をマイクロプロセッサ70に提供する、工程、所定の溶媒供給システムの中に1又は2以上のユーザ・インターフェイス・ステーションを組み込む工程、2又は3以上の溶媒容器(例えば溶媒容器10,20,30,40)のセットの中で各溶媒容器を、2又は3以上の溶媒ライン接続部(例えば溶媒ライン接続部11,21,31,41)のセットの中で単一の溶媒ライン接続部に接続する工程、1又は2以上の溶媒を所定の溶媒供給システムの中へ提供する工程、所定の溶媒供給システムをクロマトグラフィーシステム(例えばフラッシュクロマトグラフィーシステムのクロマトグラフィーカラム)のような流体流れシステムに接続する工程、である。
【0056】
III.溶媒供給システムの使用方法
[0058]本発明は、更に、本発明の上述した1又は2以上の溶媒供給システムの使用方法に関する。本発明の上述した1又は2以上の溶媒供給システムの使用方法は、上述した1又は2以上の溶媒供給システムを使用して(例えば例示的な溶媒供給システム100,200に示されたライン64からの)溶媒流れをクロマトグラフィーカラムに導入する工程を含む。図3A−3Bは、各々、例示的な溶媒供給システム100,200を含む例示的なクロマトグラフィーシステムを示す。
【0057】
[0059]図3Aに示されるように、例示的なクロマトグラフィーシステム300は、クロマトグラフィーカラム90に結合した例示的な溶媒供給システム100(図1に示す)であって、例示的な溶媒供給システム100のライン64からの溶媒供給流れがクロマトグラフィーカラム90の中に入る、例示的な溶媒供給システム100を備える。図3Bでは、例示的なクロマトグラフィーシステム400は、クロマトグラフィーカラム90に結合した例示的な溶媒供給システム200(図2に示す)であって、例示的な溶媒供給システム200のライン64からの溶媒供給流れがクロマトグラフィーカラム90の中に入る、例示的な溶媒供給システム200を備える。
【0058】
[0060]図3A−3Bには示されていないが、例示的なクロマトグラフィーシステム300,400は、所定のクロマトグラフィーシステム(例えば留分収集システム(a fraction collection system)、検知器、1又は2以上の追加の弁、エアー源、1又は2以上の追加のポンプ、廃棄物収集器等)の中に一般に見られる任意の追加の構成要素を備えることがあることは理解されるべきである。
【0059】
[0061]本発明の上述した1又は2以上の溶媒供給システムの使用方法は、上述した1又は2以上の溶媒供給システムを使用して、フラッシュクロマトグラフィーシステムのようなクロマトグラフィーシステムでテストサンプルを分析する工程を備える。1つの例示的な実施形態では、クロマトグラフィーシステムでテストサンプルを分析する方法は、上述した溶媒供給システムの任意の1つを出る溶媒流れの中へテストサンプルを導入する工程と、クロマトグラフィーカラムを通して溶媒流れを(テストサンプルと共に)送る工程と、を備える。
【0060】
[0062]本発明は、更に、いずれの場合にも本発明の範囲を制限するという意味に解釈されない、以下の実施例によって説明される。対照的に、本明細書を読んだ当業者であれば、本発明の精神および/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、さまざまな他の実施形態、修正形態、およびそれらの均等物を、容易に想到することができることが明確に理解されるべきである。
【発明例】
【0061】
実施例1
[0063]レベラリス(商標)(Reveleris)フラッシュクロマトグラフィーシステムは、以下のように構成されている。
(a)溶媒容器1,2がヘキサンで満たされている。
(b)溶媒容器2,3がエチルアセテートで満たされている。
(c)溶媒レベルセンサが各貯蔵庫に配置されている。
(d)4つの溶媒容器のすべては、4つの溶媒ボトルのいずれかを互いに並行して動作するポンプ1,2のいずれかに接続する弁を備えたマニホルドに接続されている。
ポンピングシステムを制御するマイクロプロセッサは、80/20ヘキサン酢酸エチル混合物を、各々が溶媒容器1,3に接続されたポンプ1,2からの出力を結合させることによる高圧混合を使用して、毎分25ミリリットルでレベラリス(商標)の12グラムカートリッジに配送するように設定されている。100mg/mlのブチル・パラベンの2ミリリットルのサンプルが射出され、レベラリス(商標)のカートリッジ上で10分間繰り返して実行されて分離された。16回の実行後、溶媒容器1内のヘキサンは、空であった。溶媒容器1内のレベルセンサは、貯蔵庫が空であることをマイクロプロセッサに信号を送り、溶媒貯蔵庫1を自動的に閉鎖し、溶媒貯蔵庫2を活性化するように、弁に対して指示を出した。この動作によって、オペレータが介入することなく、システムは、更に16回の分離を処理することを可能にした。
【0062】
[0064]本発明は限られた数の実施形態について記載されてきたが、これらの特定の実施形態は、本明細書の記載および特許請求の範囲を除き、本発明の範囲を制限することを意図していない。本明細書の例示的な実施形態を参照すれば、さらなる修正形態、均等形態、および変形形態が可能であることは、当業者にとっては明白であろう。明細書の残りの部分だけではなく、実施例のすべての部分および百分率は、他に記載がない限り重量による。さらに、特定の一連の特性、測定単位、条件、物理的状態または百分率などを示す、明細書または特許請求の範囲で引用されるすべての数値範囲は、参照により文字通り明示的に明細書に取り入れられ、または、そこで引用される全範囲のサブセット数値を含む、該範囲に入るすべての数値が取り入れられることが意図される。例えば、下限RL、および上限RUを含む数値範囲が開示される場合は常に、該範囲に含まれるすべての数値Rが明確に開示される。特に、次の範囲に含まれる数値R(R=RL+k(RU−RL))は明確に開示される。ここで、kは、増分が1%である1%から100%までの可変範囲であり、例えば、kは1%、2%、3%、4%、5%....50%、51%、52%....95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。さらに、2つのR値で示されるすべての数値範囲も、上記で演算されるように、明確に開示される。本明細書に記載されて示された修正形態に加え、本発明の如何なる修正形態も、前述の記述および添付図面から当業者には明らかである。このような修正形態は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。本明細書に引用されるすべての刊行物は、参照によりその全体が組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)2又は3以上の溶媒ライン接続部と、
(b)少なくとも2つのポンプであって、当該少なくとも2つのポンプの各ポンプが(i)各溶媒ライン接続部と流体連通しており(ii)当該少なくとも2つのポンプの他の任意のポンプに対して並列の構成である、少なくとも2つのポンプと、
(c)各溶媒ライン接続部と前記少なくとも2つのポンプの各々との間に配置された弁を備えた多数の弁と、
を備えた、溶媒供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の溶媒供給システムにおいて、
前記2又は3以上の溶媒ライン接続部及び前記多数の弁は、2又は3以上の溶媒源及び前記少なくとも2つのポンプの間に配置されたマルチポートのマニホルドを備えた、溶媒供給システム。
【請求項3】
請求項1に記載の溶媒供給システムにおいて、
前記システムは、前記2又は3以上の溶媒ライン接続部及び前記少なくとも2つのポンプの任意の一つの間で、1又は2以上の溶媒の低圧混合を可能にする、溶媒供給システム。
【請求項4】
請求項1に記載の溶媒供給システムにおいて、
前記前記少なくとも2つのポンプを出る個々の流体流れは、単一の流体流れに合流する、溶媒供給システム。
【請求項5】
請求項1に記載の溶媒供給システムにおいて、
前記システムは、4つの溶媒ライン接続部と、2つのポンプと、8個の弁と、を備える、溶媒供給システム。
【請求項6】
請求項1に記載の溶媒供給システムにおいて、
(a)各溶媒ライン接続部のための少なくとも1つの溶媒容器を更に備える、溶媒供給システム。
【請求項7】
請求項6に記載の溶媒供給システムにおいて、
(a)各溶媒容器内に配置された少なくとも1つの溶媒レベルセンサを更に備える、溶媒供給システム。
【請求項8】
請求項7に記載の溶媒供給システムにおいて、
(a)少なくとも1つの室内圧力センサを更に備え、
(b)前記少なくとも1つの溶媒レベルセンサは、前記少なくとも1つの室内圧力センサからの室内圧力の示値に基づいて溶媒容器内の溶媒レベルを測定するように動作可能に構成されている、溶媒供給システム。
【請求項9】
請求項1に記載の溶媒供給システムにおいて、
(a)個々の溶媒容器の中に少なくとも2つの異なる溶媒を更に備え、
各溶媒容器は、前記2又は3以上の溶媒ライン接続部のうちの1つの溶媒ライン接続部に独立して接続されている、溶媒供給システム。
【請求項10】
請求項1に記載の溶媒供給システムにおいて、
(a)個々の溶媒容器の中に4つの異なる溶媒を更に備え、
各溶媒容器は、4つの溶媒ライン接続部に独立して接続されている、溶媒供給システム。
【請求項11】
請求項1に記載の溶媒供給システムにおいて、
(a)ソフトウェア制御パッケージを更に備え、
前記ソフトウェア制御パッケージは、各弁の開閉を制御するように動作可能に構成されたソフトウェアコードを備える、溶媒供給システム。
【請求項12】
請求項11に記載の溶媒供給システムにおいて、
各弁は、3.0秒以内の開閉が可能である、溶媒供給システム。
【請求項13】
請求項11に記載の溶媒供給システムにおいて、
(a)前記多数の弁の各々に1又は2以上の信号を送信し、当該多数の弁の各々の開閉を独立して制御するように動作可能に構成されたマイクロプロセッサを更に備える、溶媒供給システム。
【請求項14】
請求項1に記載の溶媒供給システムにおいて、
クロマトグラフィーカラムと連結されて、
前記クロマトグラフィーカラムが、前記少なくとも2つのポンプを出る流体流れと流体連通している、溶媒供給システム。
【請求項15】
請求項14に記載の前記連結を備えたフラッシュクロマトグラフィーシステム。
【請求項16】
(a)少なくとも1つの溶媒容器と、
(b)各溶媒容器内に配置された少なくとも1つの溶媒レベルセンサと、
(c)少なくとも1つの室内圧力センサと、を備え、
(d)前記少なくとも1つの溶媒レベルセンサは、前記少なくとも1つの室内圧力センサからの室内圧力の示値に基づいて溶媒容器内の溶媒レベルを測定するように動作可能に構成された、溶媒供給システム。
【請求項17】
請求項16に記載の溶媒供給システムにおいて、
前記溶媒供給システムは、前記少なくとも1つの溶媒容器内の所定の溶媒を通じて空気に泡を生成する空気ポンプを備えていない、溶媒供給システム。
【請求項18】
請求項16に記載の溶媒供給システムにおいて、
(a)4つの溶媒ライン接続部と、
(b)4つの分離した溶媒容器であって、各溶媒容器が所定の溶媒ライン接続部に独立して接続されている、4つの分離した溶媒容器と、
(c)2つのポンプであって、当該2つのポンプの各ポンプが(i)各流体溶媒ライン接続部と流体連通しており(ii)当該2つのポンプの他のポンプに対して並列の構成である、2つのポンプと、
(d)各溶媒ライン接続部と前記2つのポンプの各々との間に配置された弁を備えた多数の弁と、
を更に備える溶媒供給システム。
【請求項19】
請求項15に記載の溶媒供給システムにおいて、
(a)(1)(i)前記少なくとも1つの溶媒レベルセンサ、及び、(ii)前記少なくとも1つの室内圧力センサから、1又は2以上の信号を受信し、
(2)1又は2以上の溶媒容器選択部へ1又は2以上の信号を送信する、ように動作可能に構成されたマイクロプロセッサを更に備え、
第1の溶媒容器内の溶媒レベルが閾値より下の値であるという前記マイクロプロセッサからの受信した信号に応じて、各溶媒容器選択部は、当該第1の溶媒容器に代わって第2の溶媒容器を代用するように動作可能に構成されている、溶媒供給システム。
【請求項20】
請求項15に記載の前記溶媒供給システムを備えたフラッシュクロマトグラフィーシステム。
【請求項21】
溶媒流れをクロマトグラフィーカラムの中へ導入する方法であって、
(a)請求項1乃至14及び請求項16乃至19のいずれか一項に記載の溶媒供給システムから溶媒流れを提供する工程を備えた、方法。
【請求項22】
クロマトグラフィーシステムの中でテストサンプルを分析する方法であって、
(a)請求項1乃至14及び請求項16乃至19のいずれか一項に記載の溶媒供給システムからの溶媒流れの中へテストサンプルを提供する工程と、
(b)クロマトグラフィーカラムを通して前記溶媒流れを送る工程と、
を備えた、方法。
【請求項23】
溶媒供給システムを製造する方法であって、
(a)2又は3以上の溶媒ライン接続部を提供する工程と、
(b)少なくとも2つのポンプを前記2又は3以上の溶媒ライン接続部に接続する工程であって、当該少なくとも2つのポンプの各ポンプが(i)各溶媒ライン接続部と流体連通しており、(ii)当該少なくとも2つのポンプの他のポンプに対して並列の構成である、工程と、
(c)各溶媒ライン接続部と前記少なくとも2つのポンプの各ポンプとの間に弁を配置する工程と、
を備えた、方法。
【請求項24】
溶媒ライン供給システムであって、
(a)少なくとも2つの弁を備えたマニホルドと、
(b)前記弁と流体連通している少なくとも2つの第1の溶媒ラインと、
(c)前記溶媒ラインを通して前記弁と流体連通している少なくとも1つのポンプと、
(d)少なくとも1つの第2の溶媒ラインと、を備え、
前記第1の溶媒ラインは、前記ポンプの入口の手前又は当該入口の位置で互いに流体連通しており、且つ、当該ポンプの出口の後ろで前記第2の溶媒ラインと流体連通している、溶媒供給システム。
【請求項25】
溶媒供給システムを製造する方法であって、
(a)少なくとも2つの弁を備えた提供する工程と、
(b)少なくとも2つの第1の溶媒ラインを前記弁に接続する工程と、
(c)ポンプが前記弁と流体連通するように少なくとも1つのポンプを前記2又は3以上の溶媒ラインに接続する工程と、
(d)少なくとも1つの第2の溶媒ラインを提供する工程と、を備え、
(e)前記第1の溶媒ラインは、前記ポンプの入口の手前又は当該入口の位置で互いに流体連通しており、且つ、当該ポンプの出口の後ろで前記第2の溶媒ラインと流体連通している、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate


【公表番号】特表2012−511723(P2012−511723A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540700(P2011−540700)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/006494
【国際公開番号】WO2010/068273
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(508270602)オールテック・アソシエイツ・インコーポレーテッド (11)