説明

グラウンドアンカー回収方法および係止部材

【課題】簡易に定着体の完全回収を行うことを可能としたグラウンドアンカー回収方法および係止部材を提案する。
【解決手段】先端にオス側ラッチ爪22aと抜け防止爪と22bを有する係止部材22を備えた上部回転軸部20を、グラウンドアンカーの緊張材30に沿って地中に貫入させる工程と、管状定着体10の内壁面11bに突設されたメス側ラッチ爪13をかわしつつ係止部材22を管状定着体10の内空部11aに挿入する工程と、上部回転軸部20を回転させてオス側ラッチ爪22aをメス側ラッチ爪13の一側面に係止させるとともに抜け防止爪22bをメス側ラッチ爪13の先端面に係止させる工程と、上部回転軸部20を引上げることにより管状定着体10を回収する工程とを含むグラウンドアンカー回収方法とこれに使用する係止部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラウンドアンカー回収方法および係止部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の山留掘削工事等においては、用地買収等に関わる工費の削減を目的として、グラウンドアンカーを掘削工事中にのみ配置して、掘削工事後は除去することが可能な除去式アンカーを使用する場合がある。
このような除去式アンカーには、定着体の除去が不完全なものがあった。
【0003】
かかる問題に対処可能なグラウンドアンカー工法が、特許文献1に開示されている。このグラウンドアンカー工法は、図5に示すように、先端翼を有する先端軸部110を切り離し可能に上部軸部120の下端に取り付けて地盤内に回転貫入させた後、この先端軸部110を所定深度に残置させた状態で上部軸部120を回収することでグラウンドアンカーの定着体として使用するグラウンドアンカー工法であって、バネ121により係止方向に付勢されたラッチ爪122を先端軸部110の係止開口111に係止することで先端軸部110と上部軸部120とを連結し、このラッチ爪122の着脱をワイヤW等により遠隔操作で操作することが可能なラッチ機構を備えている。
【0004】
かかるグラウンドアンカー工法によれば、定着体として使用された先端軸部110の回収時に、上部軸部120を地中に貫入させた後、ラッチ機構を操作することで上部軸部120のラッチ爪122と先端軸部110の係止開口111とを係合させて、上部軸部120を引上げることで定着体(先端軸部110)を完全に除去することを可能としている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−363981号公報([0015]、図2(c)および図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前記のグラウンドアンカー工法は、ラッチ機構の構造が複雑であるため、グラウンドアンカーの製造に手間がかかるとともに費用が嵩むという問題点を有していた。また、ラッチ機構の操作を行う必要があるため、作業時に手間がかかるという問題点を有していた。さらに、上部軸部120の貫入時にワイヤW等からなるラッチ機構に損傷が生じると、定着体(先端軸部110)の回収が困難になるという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、簡易に定着体の完全回収を行うことを可能としたグラウンドアンカー回収方法およびこれに使用する係止部材を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明のグラウンドアンカー回収方法は、グラウンドアンカーの管状定着体を、該グラウンドアンカーの緊張材に沿って地中に貫入された上部回転軸部により回収するグラウンドアンカー回収方法であって、先端にオス側ラッチ爪と抜け防止爪とを有する係止部材を備えた前記上部回転軸部を地中に貫入させる工程と、前記管状定着体の内壁面に突設されたメス側ラッチ爪をかわしつつ前記係止部材を前記管状定着体の内空部に挿入する工程と、前記上部回転軸部を回転させて前記オス側ラッチ爪を前記メス側ラッチ爪の一側面に係止させるとともに前記抜け防止爪を前記メス側ラッチ爪の先端面に係止させる工程と、前記上部回転軸部を引上げることにより前記管状定着体を回収する工程と、を含むことを特徴としている。
【0009】
かかるグラウンドアンカー回収方法によれば特別な機構を要することなく、上部回転軸部を回転させるのみで、管状定着体と係合させることが可能となる。そのため、管状定着体を簡易に回収することが可能となり、作業性に優れているとともに、経済的にも優れている。
【0010】
また、本発明の係止部材は、上部回転軸部の先端部に形成されて、管状定着体の回収時に該管状定着体の内壁面に突設された複数のメス側ラッチ爪に係止されるものであって、前記メス側ラッチ爪の側面に当接し前記上部回転軸部の回転力を該メス側ラッチ爪に伝達するオス側ラッチ爪と、前記オス側ラッチ爪の先端に形成されて、前記メス側ラッチ爪の先端面に係止されることで前記上部回転軸部の引き抜き力を該メス側ラッチ爪に伝達する抜け防止爪と、を備えることを特徴としている。
【0011】
かかる係止部材によれば、上部回転軸部を回転させるのみで簡易に上部回転軸部と管状定着体との係合を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のグラウンドアンカー回収方法および係止部材によれば、管状定着体の完全回収を簡易かつ安価に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の補強方法の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
【0014】
本実施形態では、図1に示すように、グラウンドアンカー1の定着体である管状定着体10を地中に配置し、グラウンドアンカー1として使用した後、その緊張材30に沿って地中に貫入された上部回転軸部20により回収する方法と、これに使用する係止部材20について説明する。
【0015】
管状定着体10は、図1および図2(a)に示すように、本体部11が中空の鋼管により構成されており、この本体部11の内空部11aに緊張材30用の固定台座12が形成されている。緊張材30は、管状定着体10の内空部11aを挿通して、先端が固定台座12に固定されている。
【0016】
本体部11は、地中への貫入時やグラウンドアンカーの定着体としての使用時に作用する応力により変形することがない肉厚を備えた鋼管により構成されている。なお、本体部11を構成する鋼管の形状寸法等は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
【0017】
また、本体部11には、図1に示すように、内壁面11bの後部に複数(本実施形態では4つ)のメス側ラッチ爪13,13,…が突設されている。
【0018】
メス側ラッチ爪13は、側面が本体部11の内壁面11bと直交するように形成された断面略台形の部材であって、それぞれが等間隔で配置されている。
なお、メス側ラッチ爪13同士の間隔は、後記する抜け防止爪22bの挿通が可能な幅を有していれば限定されるものではない。また、メス側ラッチ爪13の形状や本数は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。ここで、係止部材22との係合性および係止部材22から力の伝達の効率化の観点からすれば、メス側ラッチ爪13の側面13aおよび先端面13bと本体部11の内壁面11bとの内角は、90°以下であることが望ましい。
【0019】
管状定着体10(本体部11)の外周面には、翼(フランジ)14が前後(図1において左右)2箇所に形成されている。
本実施形態では、翼14として、その外径が、本体部11の内径の2倍となるように形成するものとするが、翼14の形状はこれに限定されるものではない。
【0020】
翼14は、本体部11の外周面から突設されていることにより、地山に食い込むため、管状定着体10をグラウンドアンカーの定着体として使用する際の定着具として機能する。本実施形態では、管状定着体10の定着具として、翼14を形成するものとしたが、定着具の形状はこれに限定されるものではなく、例えば突起部や突条など、適宜公知の形状に形成することが可能である。また、管状定着体10と地山との周面摩擦力のみで十分にグラウンドアンカーの定着体としての機能を発揮することが可能であれば、翼14などの定着具は省略してもよい。さらに、翼14の枚数や配置は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
【0021】
上部回転軸部20は、管状定着体10を地中に設置、あるいは回収する際に使用されるものであり、複数の鋼管21を連続して突き合わせることにより構成されており、図1に示すように、先端(管状定着体10側の端部)には係止部材22が形成されている。
【0022】
上部回転軸部20を構成する鋼管21の内径や長さ等は、管状定着体10の形状寸法や上部回転軸部20の地中への貫入時の作業性に応じて適宜設定すればよく、限定されるものではない。また、鋼管21の肉厚は、地中への押し込み時の応力や土圧により変形することがない強度を発現することが可能な厚みを有していれば限定されるものではない。
【0023】
係止部材22は、管状定着体10のメス側ラッチ爪13,13,…に係止される部材であって、図1および図2に示すように、メス側ラッチ爪13の側面13aに当接し上部回転軸部20の回転力をメス側ラッチ爪13に伝達する複数(本実施形態では4本)のオス側ラッチ爪22aと、オス側ラッチ爪22aの先端に形成されて、メス側ラッチ爪13の先端面13bに係止されることで上部回転軸部20の引き抜き力をメス側ラッチ爪13に伝達する抜け防止爪22bと、オス側ラッチ爪22aを固定する補強リング22cと、を備えて構成されている。
【0024】
オス側ラッチ爪22aは、図2(a)に示すように、メス側ラッチ爪13と同等の長さが鋼管21の先端から突出した状態で、後部が鋼管21の内壁面に固定されている。そして、図2(b)に示すように、係止部材22を管状定着体10の内空部11aに挿入した状態で鋼管21の先端面と本体部11後端面とを当接させることで、オス側ラッチ爪22aとメス側ラッチ爪13とが重合する。
【0025】
抜け防止爪22bは、図1に示すように、オス側ラッチ爪22aよりも大きな幅を有している。オス側ラッチ爪22aおよび抜け防止爪22bは、T字状を呈する一の部材からなる。なお、本実施形態に係る抜け防止爪22bは、先端に行くに従い幅が狭まるように形成されている。また、抜け防止爪22bの先端面には、ビット22d(図4参照)が固定されており、地山(充填材)の削孔が可能に構成されている。なお、抜け防止爪22bの形状や構成は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
【0026】
オス側ラッチ爪22aおよび抜け防止爪22bの厚さは、図2(c)に示すように、メス側ラッチ爪13の厚さよりも大きく形成されている。このようにすると、係止部材22を管状定着体10の内空部11aに挿入する際に、補強リング22cがメス側ラッチ爪13と接触することがない。
【0027】
補強リング22cは、図1に示すように、オス側ラッチ爪22aの変形を防止ものであり、本実施形態では、三つの補強リング22c,22c,22cが前後方向に所定の間隔をあけて配置されている。補強リング22cは、オス側ラッチ爪22aの内側面に当接した状態で、固定されている。
なお、補強リング22cの個数や補強リング22c同士の間隔等は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
【0028】
上部回転軸部20の地中への貫入は、図1および図2に示すように、管状定着体10から延設された緊張材30を内空部に挿通した状態で行う。
【0029】
次に本実施形態かかるグラウンドアンカー工法(グラウンドアンカー設置方法およびグラウンドアンカー回収方法)について説明する。
まず、グラウンドアンカー設置方法について説明する。グラウンドアンカー設置方法は、定着体配置工程と、上部回転軸部撤去工程と、を備えている。
【0030】
定着体配置工程は図3(a)に示すように、管状定着体10を所定の深度に配置する工程である。
【0031】
定着体配置工程では、上部回転軸部20の先端に接続された状態で、上部回転軸20を一方向に回転させながら押し込むことにより管状定着体10を地中に貫入する。上部回転軸部20を一方向に回転させると、オス側ラッチ爪22aの側面とメス型ラッチ爪の側面13aとが当接し、上部回転軸部20に付与した回転力が管状定着体10に伝達される。また、押し込み力は、上部回転軸部20を構成する鋼管の先端面と管状定着体10の後端面との突合せ面を介して伝達される。上部回転軸部20は、鋼管21を随時突き合わせて連結することにより延長される。
【0032】
管状定着体10と上部回転軸部20との連結は、上部回転軸部20の先端に形成された係止部材をメス側ラッチ爪13に係止させることにより行われる(図4(b)参照)。
【0033】
上部回転軸部20を構成する鋼管21同士の連結は、着脱が可能であるとともに、回転力および押し込み力(引き抜き力)の伝達が可能となるように、適宜公知の連結手段により行われる。
【0034】
上部回転軸部撤去工程は、図3(b)に示すように、所定の位置に管状定着体10が配設された後、管状定着体10と上部回転軸部20とを切り離し、管状定着体10を地中に残置したまま、上部回転軸部20のみを撤去する工程である。
【0035】
管状定着体10と上部回転軸部20との切り離しは、上部回転軸部20を他方向に回転(例えば左回転)させることにより、メス側ラッチ爪13とオス側ラッチ爪22aおよび抜け防止部材22bとを離間させた後(図4(a) 参照)、上部回転軸部20を引き抜くことにより行う。
【0036】
係止部材22を管状定着体から抜き出したら、図3(b)に示すように、上部回転軸部20を地中から引き抜きながら、鋼管21を介して充填材40を注入する。充填材40を構成する材料は限定されるものではないが、上部回転軸部20の貫入により乱された地山の強度を周囲と同等の強度に復旧させることが可能な材料を使用する。本実施形態ではエアモルタルを使用する。
【0037】
上部回転軸部撤去工程による上部回転軸部20の撤去が完了したら、図3(c)に示すように、地表面に受圧版31を設置し、緊張材30に緊張力を付与することで、管状定着体10をグラウンドアンカーの定着体として使用する。
【0038】
次にグラウンドアンカー回収方法について説明する。グラウンドアンカー回収方法は、上部回転軸部貫入工程と、係止部材挿入工程と、係止工程と、回収工程と、を備えている。
【0039】
上部回転軸部貫入工程は、図2(a)および図3(d)に示すように、先端にオス側ラッチ爪22aと抜け防止爪22bとを有する係止部材22を備えた上部回転軸部20を、緊張材30に沿って地中に貫入(再削孔)させる工程である。
【0040】
上部回転軸部貫入工程では、随時鋼管21を継ぎ足しながら上部回転軸部20を地中に貫入する。なお、上部回転軸貫入工程は、上部回転軸部20の抜け防止爪22bが管状定着部10の後部に達するまで行う。
上部回転軸部20を回転させると、係止部材22のビット22dによって地山(充填材)が削孔される。
【0041】
係止部材挿入工程は、図2(b)に示すように、緊張材30に沿って地中に貫入された(管状定着部10の後部に達した)上部回転軸部20の係止部材22を、管状定着体10の内壁面11bに突設されたメス側ラッチ爪13,13,…をかわしつつ管状定着体10の内空部11aに挿入する工程である。
【0042】
抜け防止爪22bが、メス側ラッチ爪13に当接している場合には、上部回転軸部20を少しずつ回転させて、オス側ラッチ爪22a(抜け防止爪22b)がメス側ラッチ爪13同士の間に挿入する位置を探す。そして、メス側ラッチ爪13同士の間にオス側ラッチ爪22a(抜け防止爪22b)が配置された状態で、上部回転軸部20を押し込むことで、係止部材22を内空部11aに挿入する。
【0043】
係止工程は、図2(c)および図4に示すように、管状定着体10の内空部11aに係止部材22が挿入された状態で、上部回転軸部10を回転させることで、オス側ラッチ爪22aをメス側ラッチ爪13の一側面13aに係止させるとともに抜け防止爪22bをメス側ラッチ爪13の先端面13bに係止させる工程である。
【0044】
係止部材22を管状定着体10の内空部11aに挿入すると、図4(a)に示すように、抜け防止爪22bが、メス側ラッチ爪13の先端(上部回転軸部20と反対側の端部)面13bよりも突出した位置に配置される。
この状態で、係止部材22(上部回転軸部20)を回転させると、図4(b)に示すように、オス側ラッチ爪22aの側面とメス側ラッチ爪13の側面13aとが当接するとともに、抜け防止爪22bの係止面がメス側ラッチ爪13の先端面13bに当接することで、係止部材22からの回転力と引き抜き力の伝達が可能となる。
【0045】
回収工程は、図2(c)および図3(e)に示すように、メス側ラッチ爪13に係止部材22を係止させた状態で、上部回転軸部20を引上げることにより管状定着体10を回収する工程である。このとき、上部回転軸部20を回転させながら引上げることにより、回転力をオス側ラッチ爪22aからメス側ラッチ爪13に伝達させつつ、引き上げ力を抜け防止爪22bからメス側ラッチ爪13に伝達させることにより、管状定着体10を引き抜く。
【0046】
以上、本実施形態に係る回収方法および係止部材によれば、上部回転軸部の回転のみで、上部回転軸部と管状定着体との連結を行うことが可能なため、作業が容易である。
また、係止部材による管状定着体との係合について、特別な操作機構を必要としないため、製造が容易であるとともに、操作機構の破損により回収不能になることもない。
【0047】
また、係止部材の構成が簡易なため、係止部材に破損が生じたとしても、その復旧を早期に行うことが可能である。
【0048】
定着体として鋼管(管状定着体)を使用しているため、所定の位置への配置のみで、引き抜き抵抗力を備えた定着体として機能するため、グラウンドアンカーの造成に要する時間の短縮化が可能となる。
また、管状定着体を除去することで、地中に構造物が残存することがないため、グラウンドアンカーの施工に伴い用地買収をする必要がなく、工事全体の費用を大幅に削減することが可能となる。
【0049】
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、係止部材を利用して、管状定着体の地中への配置および回収を行うものとしたが、回収のみに使用してもよい。
【0050】
また、上部回転軸部の貫入時にブレが生じることを防止するために、上部回転軸部(鋼管)の外周面に、翼等が形成されていてもよい。
【0051】
本発明に係る管状定着体を利用したグラウンドアンカーの使用目的は限定されるものではない。
また、グラウンドアンカーの造成角度は限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の好適な実施形態に係るグラウンドアンカーを示す斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は管状定着体の回収方法を示す断面図である。
【図3】(a)〜(e)は図1に示すグラウンドアンカーの各施工工程を示す断面図である。
【図4】(a)および(b)は係止部材の係合方法を示す概略図である。
【図5】(a)および(b)は従来のグラウンドアンカーの管状定着体の接合状況を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 グラウンドアンカー
10 管状定着体
11 本体部
11a 内空部
11b 内壁面
13 メス側ラッチ爪
20 上部回転軸部
22 係止部
22a オス側ラッチ爪
22b 抜け防止爪
30 緊張材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラウンドアンカーの管状定着体を、該グラウンドアンカーの緊張材に沿って地中に貫入された上部回転軸部により回収するグラウンドアンカー回収方法であって、
先端にオス側ラッチ爪と抜け防止爪とを有する係止部材を備えた前記上部回転軸部を地中に貫入させる工程と、
前記管状定着体の内壁面に突設されたメス側ラッチ爪をかわしつつ前記係止部材を前記管状定着体の内空部に挿入する工程と、
前記上部回転軸部を回転させて前記オス側ラッチ爪を前記メス側ラッチ爪の一側面に係止させるとともに前記抜け防止爪を前記メス側ラッチ爪の先端面に係止させる工程と、
前記上部回転軸部を引上げることにより前記管状定着体を回収する工程と、
を含むことを特徴とするグラウンドアンカー回収方法。
【請求項2】
上部回転軸部の先端部に形成されて、管状定着体の回収時に該管状定着体の内壁面に突設された複数のメス側ラッチ爪に係止される係止部材であって、
前記メス側ラッチ爪の側面に当接し前記上部回転軸部の回転力を該メス側ラッチ爪に伝達するオス側ラッチ爪と、
前記オス側ラッチ爪の先端に形成されて、前記メス側ラッチ爪の先端面に係止されることで前記上部回転軸部の引き抜き力を該メス側ラッチ爪に伝達する抜け防止爪と、を備えることを特徴とする係止部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−197407(P2009−197407A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37505(P2008−37505)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】