説明

グラタン様食品の製造方法及びこれに使用する粉末ソース

【課題】簡単な調理工程でグラタン様食品を得ることができるグラタン様食品の製造方法及びこれに使用する粉末ソースを提供すること。
【解決手段】以下の工程によるグラタン様食品の製造方法である。(A)耐熱性容器に具材と乾燥マカロニを収容し乾燥マカロニを茹でると同時に具材を蒸煮する工程(B)これに粉末ソースと水及び/又は牛乳を加えて混ぜ合わせ耐熱性容器に接する部分におこげができるまで加熱する工程(C)これを前記耐熱性容器からおこげが見えるように別の容器に盛り付ける又は同じ容器の中でひっくり返す工程。また、熱処理小麦粉及び熱処理小麦粉100質量部に対し粉末油脂を10質量部以上50質量部以下、糖類を10質量部以上60質量部以下、アミノ酸及び/又はその塩を1質量部以上5質量部以下含むことを特徴とする前記粉末ソースである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラタン様食品の製造方法及びこれに使用する粉末ソースに関する。
【背景技術】
【0002】
グラタンは魚介類、肉、野菜、マカロニなどの具材にベシャメルソースやチーズなどを絡めて耐熱皿に盛り付け器ごとオーブンで焼いた料理である。
一般的なグラタンは、ソテーした具材と茹でたマカロニをホワイトソースで煮込み、これをグラタン皿に入れてチーズやパセリなどをトッピングしてオーブンで表面に焦げ目が付くまで焼成して作られている。
ところが、この方法では調理工程が複雑で調理時間がかかる上ホワイトソースの作成が難しいという問題があった。
また、素材を油で炒めたり、マカロニを別に茹でたりという操作も必要であった。
ホワイトソースは出来合いのものが市販されているが、素材から作ったものと比較した場合、その品質において遠く及ばなかった。
一方、市場調査によれば、グラタン類は多くの人に好まれるメニューであり、家庭で作られることも多く、外食でも人気のメニューである。
上記のようにグラタンは人気メニューでありながら、調理工程の複雑さが障害となって、限られた人によってしか、作られないメニューであった。
このため簡便にグラタンを製造する方法が試みられており、例えば、電子レンジ調理可能な容器に各種グラタン材料を充填し、該グラタン材料の上部に表層部チーズをトッピングすると共に、前記チーズのみを電磁波の波長域が0.76μm〜30μmの赤外線の輻射熱により溶融して焦げ目を付けたことを特徴とするグラタンの製造方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−206038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、簡単な調理工程でグラタン様食品を得ることができるグラタン様食品の製造方法及びこれに使用する粉末ソースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは前記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、フライパンなどの耐熱性容器を使用して乾燥マカロニと具材を蒸煮し、これに熱処理小麦粉、粉末油脂、糖類及びアミノ酸を含む粉末ソースと水及び/又は牛乳を加えて混ぜ合わせた後さらに耐熱性容器に接する部分におこげができるまで加熱し、これをへらなどですくってからひっくり返して皿に盛り付ける又は同じ容器の中でひっくり返すとオーブンで表面を焦がしたかのような外観のグラタン様食品が簡便にできることを見出し本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、
以下の工程によるグラタン様食品の製造方法である。
(A)耐熱性容器に具材と乾燥マカロニを収容し乾燥マカロニを茹でると同時に具材を蒸煮する工程
(B)これに粉末ソースと水及び/又は牛乳を加えて混ぜ合わせ耐熱性容器に接する部分におこげができるまで加熱する工程
(C)これを前記耐熱性容器からおこげが見えるように別の容器に盛り付ける又は同じ容器の中でひっくり返す工程
また、熱処理小麦粉及び粉末油脂を熱処理小麦粉100質量部に対し10質量部以上50質量部以下、糖類を10質量部以上60質量部以下、アミノ酸及び/又はその塩を1質量部以上5質量部以下含むことを特徴とする前記粉末ソースである。
使用する熱処理小麦粉の保水力は85以上280以下が好ましい。
また、前記工程(B)において、粉末ソースと水及び/又は牛乳を加える割合は蒸煮前の乾燥マカロニ100質量部に対して、水及び/又は牛乳は200質量部以上400重量部以下、粉末ソースは50質量部以上100質量部以下が好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の粉末ソースと製造方法を用いることにより、グラタン様食品を簡便に製造することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する粉末ソースは、熱処理小麦粉と粉末油脂と糖類とアミノ酸を必須原料とし、必要に応じて澱粉、食塩、香辛料、増粘多糖類、色素、酸味料、調味料、野菜粉末、乳製品、香料など従来のグラタンソースに使用されている原料を使用することができる。
例えば、澱粉はソースに粘度をつけると同時に粉末の分散性を改善し、食塩、香辛料、調味料、野菜粉末、香料はソースの食味を改善し、増粘多糖類はソースの粘度を増し、色素は外観を改善する効果がある。
【0008】
本発明では粉末ソースに水及び/又は牛乳を加えるが、水を加える場合は、粉末ソースに粉末状に加熱加工された乳製品を使用することが好ましい。
この乳製品として、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、カゼインナトリウムなど、噴霧加熱乾燥によって作られた乳製品を挙げることができる。
【0009】
本発明において粉末ソースに使用できる熱処理小麦粉は、保水力(ドライベース)の値が85以上280以下の範囲にある熱処理小麦粉が好ましい。
保水力(ドライベース)の値が85未満では調理後のソースにダマに残る傾向があり好ましくない。
また、保水力(ドライベース)の値が280を超えると調理後のソースの滑らかさが失われ、外観が悪くなる傾向があり好ましくない。
本発明において熱処理小麦粉を使用することで、小麦粉を使用した従来のグラタンの製造方法において油脂で小麦粉を炒めて牛乳で伸ばす工程における効果を得ることができる。
なお、本発明の保水力は、例えば、特開2010−22245に記載されている公知の方法で求めることができる。
【0010】
本発明において粉末ソースに使用できる粉末油脂は、粉末の食用油脂であれば特に限定なく液体油を乳化剤と共に粉末化した油脂や固形脂を粉末化した油脂を使用できる。
例えば、精製ラード、バターなどを主原料に微細な油脂を乳たんぱく質や糖質を用いてドライカプセル化した粉末油脂やパーム油などの固形脂を微粉砕して粉末化した粉末油脂を挙げることができる。
本発明の粉末ソースは粉末油脂を必須原料とするがその使用量は熱処理小麦粉100質量部に対し10質量部以上50質量部以下が好ましい。
粉末油脂の使用量が10質量部未満では、おこげの歯切れが悪くなるので好ましくない。
また、粉末油脂の使用量が50質量部を超えると食味が油っぽくなり好ましくない。
粉末油脂は、通常60〜100質量%の油脂を含むが本発明において粉末油脂の使用量は、油脂含量を70質量%に換算したときの値である。
本発明において粉末油脂を使用することはソースに必要な油分の提供と油分の分散性の改善に寄与している。
【0011】
本発明において粉末ソースに使用できる糖類は、食用されるものであれば特に限定されず、例えば、蔗糖、乳糖、果糖、澱粉糖(ぶどう糖、デキストリン)、異性化糖などを挙げることができる。
これらは単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
本発明の粉末ソースは糖類を必須原料とするがその使用量は、熱処理小麦粉100質量部に対し、10質量部以上60質量部以下が好ましい。
糖類の使用量が10質量部未満では、粉末ソース組成物の分散性が悪くなり、調理後のグラタンにダマが出来てしまい、食味や外観が悪くなり好ましくない。
また、糖類の使用量が60質量部を超えると食味が悪くなり好ましくない。
本発明において糖類はアミノ酸とメイラード反応を起こしておこげを作るとともにおこげの歯切れ感を増す効果がある。
【0012】
本発明において粉末ソースに使用できるアミノ酸及び/又はその塩は食用されるものであれば特に限定されず、例えば、グルタミン酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、
システィン、およびこれらのナトリウム塩などを挙げることができる。
本発明の粉末ソースはアミノ酸及び/又はその塩を必須原料とするがその使用量は、熱処理小麦粉100質量部に対し1質量部以上5質量部以下が好ましい。
アミノ酸及び/又はその塩の使用量が1質量部未満では、おこげの焼き色が薄くなりすぎて好ましくない。
また、アミノ酸及び/又はその塩の使用量が5質量部を超えるとおこげの焼き色が濃くなりすぎて好ましくない。
本発明においてアミノ酸及び/又はその塩は食味を改善し、色がきれいで食欲をそそるようなおこげを形成する効果がある。
【0013】
本発明の粉末ソースは前記原料を均一になるまで混合して得ることができる。
混合手段は均一混合ができれば特に限定されず、リボンミキサー、V 型ミキサーなどを使用することができる。
【0014】
以下、本発明のグラタン様食品に使用する粉末ソースを使用したグラタン様食品の製造方法について説明する。
(1)耐熱性容器に具材と乾燥マカロニを収容する。
具材と乾燥マカロニは従来のグラタンに使用されているものであれば特に限定はなく、それらの割合も従来のグラタンと同様でよい。
使用する耐熱性容器は、原料を収容でき、蒸し加熱することができる形状、材質であれば特に限定はなく、例えば、フライパンを使用することができる。
フライパンは剥離性の高いものが好ましく、例えば、フッ素樹脂加工を施したフライパンが好ましく使用できる。
(2)乾燥マカロニを茹でると同時に具材を蒸煮する。
前記乾燥マカロニを茹でると同時に前記具材を蒸煮する。
一例として、前記具材350質量部と前記乾燥マカロニ100質量部に対し50質量部以上500質量部以下の水を加え、蓋をして蒸す方法により行うことができる。
このとき、乾燥マカロニは茹でられるように容器の下に収容し、具材は蒸煮されるように乾燥マカロニの上に収容する。
蒸煮時間は使用する乾燥マカロニの標準茹で時間程度の時間を目安として行い、乾燥マカロニの種類によりその時間は異なるが、2分間〜9分間程度である。
加熱は、耐熱性容器を直火で加熱する方法や電磁調理器を使用する方法などで行うことができる。
(3)粉末ソースと水及び/又は牛乳を加えて混ぜ合わせ耐熱性容器に接する部分におこげができるまで加熱する。
前記蒸煮した具材と前記茹でたマカロニを必要に応じて一旦混ぜてから、蒸煮前の乾燥マカロニ100質量部に対して、200質量部以上400重量部以下の水及び/又は牛乳と50質量部以上100質量部以下の粉末ソースを加えてこれらをよく混ぜ、水分がとぶように隙間を開けて耐熱性容器に蓋をして水分を飛ばしながらさらに3分間〜5分間加熱を行う。
水分がとぶことにより、耐熱性容器に接する部分におこげができるが、おこげの量は加熱時間や加熱の強さにより適宜調整できる。
粉末ソースが50質量部未満では、ソースの味の濃さが不十分になると共にソースの粘度が低くなり好ましくない。
また、粉末ソースが100質量部を超えると、ソースの粘度が高くなりすぎると共にソースの味の濃さが過多になり好ましくない。
蒸煮後に加える水及び/又は牛乳が200質量部未満では、マカロニを十分にやわらかくすることができず、マカロニの食感が悪くなり好ましくない。
また、蒸煮後に加える牛乳が400重量部を超えると定めた加熱調理時間内ではソースが煮詰まっておこげを作るまでに至らず、またソースの粘度も低く、好ましくない。
加熱は、煮込むために前記工程(2)より弱く加熱するほうが好ましい。
(4)耐熱性容器からおこげが見えるように別の容器に盛り付ける又は同じ容器の中でひっくり返す。
おこげができたグラタン様食品は、おこげの部分が目視できるようにへらなどで耐熱性容器からグラタン様食品をすくって別の容器の盛り付ける又は同じ容器の中でひっくり返す。
本発明のグラタン様食品は従来のグラタン同様に食することができる。
また、グラタン様食品を冷凍したり、チルド保存後に電子レンジで温めて食したりすることもできる。
【実施例】
【0015】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜9、比較例1〜6]
表1〜表3に示す原料をよく混合し粉末ソースを得た。
なお、熱処理小麦粉は保水力100の薄力小麦粉を、粉末油脂はパーム油を原料とした粉末油脂(油脂含量70質量%)を使用した。
表1中、原料の単位は質量部である。
ペンネタイプの乾燥マカロニ100g、具材として小房に分けたしめじ100g、薄切りにした玉ねぎ100g、一口大に切った鶏ムネ肉150gをフッ素樹脂加工したフライパン(直径26cm、深さ5.5cm)に収容した。
1 収容は前記ペンネタイプの乾燥マカロニが一番底に、その上に前記具材が重なるように収容した。
これに、水200mlを加え、蓋をしてガスコンロ(火力3.3KW)で5分間加熱した。
前記ペンネタイプの乾燥マカロニの標準茹で時間は5分間であった。
火加減は収容物が沸騰するまでは3分間強火で行い沸騰してから一度全体をかき混ぜて中火にしてまた蓋をして2分間加熱した。
蓋を開け、これに牛乳300mlと前記粉末ソース70gを加えてよくかき混ぜた。
その後、蒸気が逃げるようにして蓋を少しずらして蓋をして中火で3〜5分間加熱し、加熱中の音が、クツクツからチリチリに変わったところで加熱をやめた。
これを、フライパンの底からへらですくい別の容器に移して、おこげが上になるように盛り付けてグラタン様食品を得た。
これを10名のパネラーにより、以下の評価基準で評価を行った。
ソースの状態
5点 ソースが非常に滑らかでまったくダマがなく非常に良い。
4点 ソースがやや滑らかでダマが少なめで、やや良い。
3点 普通。
2点 ソースに滑らかさがやや不足して、ダマがやや多めで、やや悪い。
1点 ソースに滑らかさがまったくなく、ダマが非常に多く非常に悪い。
食味
5点 ソースの油っぽさが非常に良く、味の濃さはよく、全体の食味が非常に良い。
4点 ソースの油っぽさがやや良く、味の濃さは適当で、全体の食味がやや良い。
3点 普通。
2点 ソースの油っぽさがやや悪く、味の濃さがやや悪く、全体の食味がやや悪い。
1点 ソースの油っぽさが非常に悪く、味の濃さが非常に悪く、全体の食味が非常に悪い。
おこげの歯切れ感
5点 おこげがパリパリとして非常に歯切れ感が良い。
4点 おこげがややパリパリとしてやや歯切れ感がよい。
3点 普通。
2点 おこげの歯切れ感がやや悪い。
1点 おこげの歯切れ感がまったくなく、非常に悪い。
外観
5点 おこげの焼色がオーブン加熱したようで非常に良い。
4点 おこげの焼色がオーブン加熱したようで良い。
3点 普通。
2点 焦げ目が薄いか濃すぎて悪い。
1点 焦げ目が薄いか濃すぎて非常に悪い。
結果を表4に示す。
【0016】
[実施例1〜3、比較例1〜2]油脂の配合量による影響
【表1】

【0017】
[実施例4〜6、比較例3〜4]糖の配合量による影響
【表2】

【0018】
[実施例7〜9、比較例5〜6]アミノ酸の配合量による影響
【表3】

【0019】
[評価]
【表4】

【0020】
粉末油脂の使用量は、熱処理小麦粉100質量部に対し10質量部以上50質量部以下が好ましい結果となった。
糖類の使用量は、熱処理小麦粉100質量部に対し、10質量部以上60質量部以下が好ましい結果となった。
アミノ酸及び/又はその塩の使用量は、熱処理小麦粉100質量部に対し1質量部以上5質量部以下が好ましい結果となった。
【0021】
[実施例10〜12、比較例7〜8]
熱処理小麦粉の保水力による影響
表5に示す原料をよく混合し粉末ソースを得た。
表5中、原料の単位は質量部である。
原料を表5のとおり変更した以外は実施例1と同様にしてグラタン様食品の評価を行った。
結果を表6に示す。
【0022】
【表5】

【0023】
[熱処理小麦粉の保水力による影響評価]
【表6】

【0024】
熱処理小麦粉の保水力は85以上280以下が、ソースの状態、食味、おこげの歯切れ感、外観において好ましく、保水力が85未満、又は280を超えるとソースの状態、食味、おこげの歯切れ感、外観において好ましくなかった。
【0025】
[実施例16、比較例9〜12] 牛乳と粉末ソースの使用量の影響
前記実施例2において、蒸煮した前記具材と前記乾燥マカロニ100質量部に対して加える牛乳と粉末ソースの使用量を表7のとおり変更した以外は実施例2と同様にしてグラタン様食品を得て、10名のパネラーにより以下の基準で評価を行った。
ソースの味の濃さ
5点 ソースの味の濃さはよく、非常に好ましい。
4点 ソースの味の濃さは適当で、やや好ましい。
3点 普通。
2点 ソースの味の濃さがやや好ましくない。
1点 ソースの味の濃さが非常に好ましくない。
ソースの粘度
5点 ソースの粘度がかたすぎず、柔らかすぎず、非常に好ましい。
4点 ソースの粘度が概ね好ましい。
3点 普通。
2点 ソースの粘度がやや好ましくない。
1点 ソースの粘度がかたすぎたり、やわらかすぎたりして、非常に好ましくない。
マカロニの食感
5点 マカロニがかたすぎず、柔らかすぎず、非常に好ましい。
4点 マカロニが概ね好ましい食感。
3点 普通。
2点 マカロニがやや好ましくない食感。
1点 マカロニがかたすぎるか、柔らかすぎて、非常に好ましくない食感。
結果を表8に示す。
【0026】
【表7】

【0027】
[牛乳と粉末ソースの使用量の影響評価]
【表8】

【0028】
粉末ソースが50質量部未満では、ソースの味の濃さが不十分になると共にソースの粘度が低くなり好ましくなかった。
また、粉末ソースが100質量部を超えると、ソースの粘度が高くなりすぎると共にソースの味の濃さが過多になり好ましくなかった。
蒸煮後に加える牛乳が200質量部未満では、マカロニを十分にやわらかくすることができず、マカロニの食感が悪くなり好ましくなかった。
また、蒸煮後に加える牛乳が400重量部を超えると定めた加熱調理時間内ではソースが煮詰まっておこげを作るまでに至らず、またソースの粘度も低く、好ましくなかった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程によるグラタン様食品の製造方法である。
(A)耐熱性容器に具材と乾燥マカロニを収容し乾燥マカロニを茹でると同時に具材を蒸煮する工程
(B)これに粉末ソースと水及び/又は牛乳を加えて混ぜ合わせ耐熱性容器に接する部分におこげができるまで加熱する工程
(C)これを前記耐熱性容器からおこげが見えるように、別の容器に盛り付ける又は同じ容器の中でひっくり返す工程
【請求項2】
熱処理小麦粉及び熱処理小麦粉100質量部に対し粉末油脂を10質量部以上50質量部以下、糖類を10質量部以上60質量部以下、アミノ酸及び/又はその塩を1質量部以上5質量部以下含むことを特徴とする請求項1に記載の粉末ソース。
【請求項3】
使用する熱処理小麦粉の保水力が85以上280以下である請求項2に記載の粉末ソース。
【請求項4】
粉末ソースと水及び/又は牛乳を加える割合が蒸煮前の乾燥マカロニ100質量部に対して、水及び/又は牛乳は200質量部以上400重量部以下、粉末ソースは50質量部以上100質量部以下である請求項1に記載のグラタン様食品の製造方法。


【公開番号】特開2012−29659(P2012−29659A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174067(P2010−174067)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000231637)日本製粉株式会社 (144)
【Fターム(参考)】