説明

グリセロールを用いたアミノ酸生産方法

本発明は、炭素源としてグリセロールを同時に利用することが可能なアミノ酸生産用微生物、前記微生物を製造する方法、および前記微生物を用いてアミノ酸を生産する方法に関する。本発明によれば、バイオディーゼルなどの副産物として生産されるグリセロールを用いてアミノ酸を効率よく生産することにより、既存のグルコースなどの発酵原料をより安い原料で代替することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素源としてグリセロールを同時に利用することが可能なアミノサン生産用微生物、前記微生物を製造する方法、および前記微生物を用いてアミノサンを生産する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、石油などの天然資源の使用量増加による高油価、およびその使用による公害などの問題を解決するために、自然界の再生物質を用いた代替エネルギーの開発が注目を浴びている。これらの中で最も注目を受けるものは、発酵によって得られるエタノール(バイオエタノール)と、植物由来のオイルから得られるバイオディーゼルである。
バイオディーゼル(biodiesel)は、主に植物由来のオイルを基質としてメタノールと触媒を用いたエステル形成反応によって合成された脂肪酸メチルエステル、あるいは脂肪酸エチルエステルをいう。この過程で必然的に全体重量の10%程度の比率でグリセロールが副産物として形成される。
【0003】
グリセロール(C)は、グルコース(C12-6)に比べて化学的により還元された物質であって、微生物の代謝過程上でより向上した還元力を提供することができる。発酵によって生産される多くの物質がその代謝過程で還元力を要求する場合が多いため、グリセロールを基質として利用すれば、収率および生産性の向上をもたらすことができる。ところが、このような特性にも拘らず、現在までグリセロールを用いて研究された場合は、ロイテリン(Talarico et. al., Antimicrob. Agents Chemother., 32:1854-1858(1988))、2,3−ブタンジオール(Biebl, et al., Appl. Microbiol. Biotechnol. 50:24-29(1988))、1,3−プロパンジオール(Menzel, et al., Enzyme Microb. Technol., 20:82-86(1997))、コハク酸(韓国登録特許第0313134号)、イタコン酸(米国特許第5,457,040号)、3−ヒドロキプロパンアルデヒド(Doleyres et al. Appl. Micribiol. Biotechnol. 68(4):467-474(2005))、プロピオン酸(Himmi et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 53:435-440(2000))に限定されていた。その理由は、既存の発酵産業で効果的に利用された炭素源に比べてグリセロールが高価であったことにある。むしろ、発酵によってグリセロールを生産する研究が行われた(Wang et al., Biotechnol. Adv., 19(3):201-223(2001))。ところが、バイオディーゼルの生産量が増えることによりグリセロールの生産量が増加し、これにより価格が急激に下落している実情である。このような点に基づき、最近、グリセロールを含むバイオディーゼルの副産物を用いて1,3−プロパンジオール(Gonzalez-Pajuelo et al., J. Ind. Microbiol. Biotechnol. 31:442-446(2004))、水素およびエタノールを生産する場合(Ito et al., J. Biosci. Bioeng., 100(3):260-265(2005))が報告されたが、代表的な発酵製品であるアミノ酸および主要な代謝産物の場合には未だその例が報告されたことがない。
【0004】
今まで、グリセロールは石鹸、脂肪酸、ワックスおよび界面活性剤の製造業などで生産された。ところが、前述したように、バイオディーゼルの生産量が急増するにつれて、副産物であるグリセロールの生産も増加し、グリセロールを含んでいる副産物を効果的に処理する問題が発生するであろう。また、精製されたグリセロールの場合も価格が急落するものと予想される。よって、グリセロールを用いて効果的に発酵によって有用な化学物質を生産することができれば、多くの付属効果をもたらすことができる。
微生物のグリセロール代謝は、大腸菌(Escherichia coli)と肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)でよく知られている。大腸菌において、細胞外部のグリセロールは、エネルギーを消耗することなく、アクアグリセロポリン(aquaglyceroporin)の一つであるGlpFを用いて細胞内に入ってくる(Heller et al., J. Bacteriol. 144:274-278, (1980))。入ってきたグリセロールは、グリセロールキナーゼ(GlpK)によってグリセロール−3−リン酸に転換された後、グリセロール−3−リン酸ジヒドロゲナーゼ(glycerol-3-phosphate dehydrogenase)によってジヒロドキシアセトンリン酸(dihydroxyacetonephosphate、DHAP)に転換され、トリオースリン酸イソメラーゼ(Triosephosphate isomerase、TpiA)によってグリセルアルデヒド−3−リン酸(glyceraldehyde-3-phosphate、G−3−P)に転換されることにより、当該過程を経て代謝される(Lin EC, Annu. Rev. Microbiol. 30:535-578, (1976))。グリセロールキナーゼの活性がない場合においては、グリセロールジヒドロゲナーゼ(glycerol dehydrogenase、Gdh)によってジヒドロキシアセトン(dihydroxyacetone、DHA)に転換され、グリセロールキナーゼまたはジヒロロキシアセトンキナーゼ(dihydroxyacetone kinase、DHAキナーゼ)よってジヒドロキシアセトンリン酸(dihydroxyacetone phosphate、DHAP)に転換された後、グリセルアルデヒド−3−リン酸(glyceraldehyde-3-phosphate、G−3−P)に転換されて代謝される(Paulsen et al., Microbiology, 146:2343-2344, (2000))。グリセロールの代謝過程は多様な形で調節を受ける。特に、グリセロールがグルコースと共に存在する場合、野性型の大腸菌は、排他的にグルコースのみを用いた後、グリセロールを用いる二段階適応(diauxic growth)を行うものと知られている(Lin, Annu. Rev. Microbiol. 30:535-578, (1976))。
【0005】
前述したように、バイオディーゼルの副産物として得られるグリセロールを炭素源として効果的に用いる場合、相当な付加価値を得ることができる。また、グリセロールとグルコースを炭素源として同時に利用することが可能な場合、野性型の大腸菌は、排他的にグルコースのみを利用し、全てのグルコースの利用後にグリセロールを利用する二段階適応現象を示すため、グリセロールを含む複合炭素源が供給されるときに発酵効率が減少する。本発明者らは、このような事実に基づき、微生物のグリセロール利用可能性に対して集中的に研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高効率および低費用でアミノ酸を生産するために、炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物を用いてグリセコール含有培地によってアミノ酸を生産する方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物、およびその微生物を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの様態として、本発明は、炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物をグリセロール含有培養培地に接種して培養する段階と、前記段階で生産された培養物からアミノ酸を回収する段階とを含んでなる、グリセロールを用いたアミノ酸の生産方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の「炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物」とは、グリセロール以外の炭素源を用いてアミノ酸を生産すると同時に、炭素源としてグリセロールを用いてアミノ酸を生産する能力を持つ微生物をいう。前記グリセロール以外の炭素源は、当該分野で広く知られている炭素源であって、例えばスクロース、フルクトース、ラクトース、グルコース、マルトース、澱粉、セルロースなどの炭水化物;大豆油、ひまわり油、ヒマシ油、ココナット油などの脂肪;パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸などの脂肪酸などがあり、より好ましい炭素源はグルコース、フルクトース、ラクトースであり、よりさらに好ましい炭素源はグルコースである。本発明の微生物は、前記炭素源を用いると同時にグリセロールを炭素源として用いてアミノ酸を生産することができるため、前記炭素源の利用後にグリセロールを利用する微生物に比べて最終生産されるアミノ酸の生産効率が高い。具体的な例として、グルコースとグリセロールを炭素源として同時に提供する場合、野性型の大腸菌は、排他的にグルコースのみを利用し、全てのグルコール利用後にグリセロールを利用する二段階適応現象を示すので、グリセロールを含む複合炭素源が供給されるときに発酵効率が減少する。これに対して、炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物は、前記野生型菌株とは異なり、グリセロールまたはグルコースのみが単独で存在する場合より、グルコースおよびグリセロールが同時に存在する場合にこれら全てを同時に利用することにより、発酵効率が増加し、最終生産されるアミノ酸の生産量がさらに多い。
【0009】
本発明の前記微生物は、好ましくは微生物の接触体上にgalR遺伝子および/またはglpR遺伝子を含んでおり、これら遺伝子中のいずれか一つまたは全てが不活性化されていてもよい。galR遺伝子の発現によって生成されたGalRタンパク質は、ガラクトースおよびブドウ糖を含んだ様々な種の糖を細胞の内部に輸送するパーミアーゼ(permease)としてのGalPタンパク質をコードする遺伝子の発現を抑制するものと知られている(MARK GEANACOPOULOS AND SANKAR ADHYA, Journal of Bacteriology, Jan. 1997, p228-234, Vol. 179, No. 1)。glpR遺伝子の発現によって生成されたGlpRタンパク質は、グリセロール−3−リン酸代謝過程の調節因子であって、グリセロール代謝過程に該当するglpD、glpFK、glpTQ、glpABCオペロンの作動遺伝子に結合して当該遺伝子の転写を抑制するものと知られている(Larson et al., J. Bio. Chem. 262(33): 15869-15874; Larson et al., J. Biol. Chem, 267(9): 6114-6121(1992); Zeng et al., J. Bacteriol. 178(24): 7080-7089, (1996))。本発明者らは、GalPタンパク質の発現を増加させ、またはグリセロール代謝過程の代表的調節因子glpRを不活性させることにより、グリセロールの利用効能を増加させることができることを見出し、これらに関連した遺伝子を不活性化しようとした。このような不活性化方法には、例えば紫外線などの光または化学物質を用いて突然変異を誘発し、得られた突然変異体からglpR遺伝子および/またはgalR遺伝子が不活性化された菌株を選別する方法などがあり、このような方法は、当業者に知られている方法を使用することができる。また、前記不活性化方法にはDNA組み換え技術による方法が含まれる。前記DNA組み換え技術には、例えばglpR遺伝子および/またはgalR遺伝子と相同性があるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列またはベクターを前記微生物に注入して相同組み換え(homologous recombination)が起るようにすることによりなされ得る。また、前記注入されるヌクレオチド配列またはベクターには、優性選別マーカーを含むことができる。前記glpR遺伝子およびgalR遺伝子の配列は、公知になっており、米国生物工学情報センター(NCBI)または日本DNAデータバンクなどのデータベースから得ることができる。また、大腸菌(Escherichia coli)において、前記glpR遺伝子およびgalR遺伝子は、公知になっており、Blattnerなど(Science 277:1453-1462(1997))によって公開された大腸菌のゲノム配列からも得ることができる。また、前記glpR遺伝子およびgalR遺伝子は、遺伝コードの縮退または機能的に中性の突然変異によって発生する対立遺伝子も含む。本発明において、「不活性化」とは、活性のあるglpR遺伝子および/またはgalR遺伝子が発現されない場合、またはグリセロール関連遺伝子の発現が抑制できない場合、または活性のあるGalP産物が発現されない場合のことをいう。したがって、glpR遺伝子が不活性化されると、グリセロール関連遺伝子またはその組み換えの発現が増加し、galR遺伝子が不活性化されると、GalPの発現は増加する。
【0010】
本発明において、前記微生物は、アミノ酸を生産することが可能な微生物であって、グリセロール同時利用性を有する微生物、好ましくは微生物の染色体上にgalR遺伝子および/またはglpR遺伝子を含んでおり、不活性化されたこれら遺伝子のいずれか一つまたは両方ともを含む微生物であれば、原核微生物または真核微生物のいずれにも限定されない。例えば、エシェリキア(Escherichia)属、エンテロバクテリウム(Enterobacteria)属、ビレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、シトロバクター(Citrobacter)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、バチルス(Bacillus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属、アスペルギルス(Aspergillus)属に含まれる微生物を挙げることができる。好ましくは腸内細菌科(enterobacteriaceae)に含まれる微生物であり、さらに好ましくはエシェリキア(Escherichia)属に属する微生物であり、よりさらに好ましくは大腸菌である。最も好ましくは、大腸菌(Escherichia coli)FTR2537およびFTR2533(KCCM−10540およびKCCM−10541)(韓国特許公報2005−0079344)、大腸菌CJM002(KCCM−10568)および大腸菌CJIT6007(KCCM−10755P)、並びにこれを由来とする大腸菌である。前記微生物は、炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するので、炭素源としてグリセロールが含まれた場合に、炭素源としてグリセロールが含まれていない場合よりさらに優れたアミノ酸生産能力を示す。
【0011】
前記微生物において、L−トレオニン高生産性菌株としての大腸菌FTR2533は大腸菌(Escherichia coli)FTR7624からgalR遺伝子を不活性化させて誘導されたもの(韓国特許公報2005−0079344)であり、大腸菌FTR7624はKCCM−10236から誘導された。大腸菌FTR7624は、KCCM−10236の染色体内に存在するtyrR遺伝子を不活性化させることにより、L−トレオニンの生産量を向上させたものであり、KCCM−10236は、L−トレオニン類似体に対する耐性、イソロイシンリーキ型要求性、L−リジン類似体に対する耐性、およびα−アミノ酪酸に対する耐性を有し、ボスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(ppc)が導入され、トレオニン合成経路関連遺伝子(thrA:aspartokinase I-homoserine dehydrognase、thrB:homoserine kinase、thrC:threonine synthase)が導入されることにより、L−トレオニンの生産量が増加した菌株である(韓国特許公報2005−0079344)。また、L−メチオニン高生産性菌株である大腸菌CJM002(KCCM−10568)は、L−トレオニン高生産性菌株である大腸菌FTR2533を母菌株として、母菌株が持っていたL−メチオニン要求性をNTG突然変異法によって解除した菌株である。前記大腸菌CJIT6007は、glpRと相同性を持つポリヌクレオチド配列を含む欠損カセットを重合酵素連鎖反応によって製作した後、大腸菌FTR2533菌株に導入してglpR遺伝子およびgalR遺伝子を全て不活性化させた菌株である。
【0012】
本発明の前記微生物を用いてアミノ酸を生産する方法において、前記微生物の培養過程は、当業界に知られている適当な培地と培養条件に応じてなされ得る。このような培養過程は、当業者であれば、選択される菌株に応じて容易に調整して使用することができる。前記培養方法には、例えば回分式、連続式、および流加式培養が含まれるが、これに限定されるのではない。これらの多様な培養方法は、例えば["Biochemical Engineering", James M. Lee, Prentice-Hall International Editions, pp138-176]に開示されている。
【0013】
培養に使用される培地は、特定な菌株の要求条件を適切に満足させなければならない。本発明で使用される培地は、グリセロールを炭素源として一部あるいは全部含む。それ以外の適正量の炭素源が様々に利用できる。このような炭素源は、当業者によく知られており、例えばスクロース、フルクトース、ラクトース、グルコース、マルトース、澱粉、セルロースなどの炭水化物;大豆油、ひまわり油、ヒマシ油、ココナット油などの脂肪;パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸などの脂肪酸などがある。特に好ましい炭素源はグルコースである。前記グリセロールは、培養培地リットル当たり1g〜300gの含量で含まれることが好ましい。前記グリセロールの含量は培養培地の全体炭素源含量に対して10〜100重量%である。前記含量の範囲を外れると、生産されるアミノ酸の収率が減少するという問題点がある。前記炭素源の他に使用できる窒素源の例にはペプトン、酵母抽出物、肉汁、麦芽抽出物、トウモロコシ浸出液、大豆小麦などの有機窒素源、および尿素、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、および硝酸アンモニウムなどの無機窒素源が含まれる。これらの窒素源は、単独でまたは組み合わせて使用できる。前記培地には、リン源として、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、および対応するナトリウム含有塩が含まれ得る。また、硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄などの金属塩が含まれ得る。その他に、アミノ酸、ビタミン、および適切な前駆体などが含まれ得る。これらの培地または前駆体は、培養物に回分式または連続式で添加できる。
【0014】
培養中に水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アンモニア、リン酸および硫酸などの化合物を培養物に適切な方式で添加し、培養物のpHを調整することができる。また、培養中には脂肪酸ポリグリコールエステルなどの消泡剤を用いて気泡生成を抑制することができる。また、培養物の好気状態を維持するために、培養物内に酸素または酸素含有気体を注入する。嫌気および微好気状態を維持するために、気体を注入しないか、あるいは窒素、水素または二酸化炭素ガスを注入する。培養物の温度は通常20℃〜45℃、好ましくは25℃〜40℃である。培養期間は、所望のアミノ酸を継続的に生産することが可能な期間であって、好ましくは10〜160時間である。
前記培養物からアミノ酸を回収する方法は、当業界における公知の方法を用いることができ、イオン交換クロマトグラフィーなどがあるが、これに限定されない。
【0015】
本発明の方法によって生産されるアミノ酸は、これに限定されないが、産業的に有用なアスパラギン酸塩(Aspartate)、トレオニン(Threonine)、リジン(lysine)、メチオニン(methionine)、イソロイシン(isoleucine)、アスパラギン(Asparagine)、グルタミン酸(Glutamic acid)、グルタミン(Glutamine)、プロリン(Proline)、アラニン(Alanine)、バリン(Valine)、ロイシン(Leusine)、トリプトファン(Tryptophan)、チロニン(Tyrosine)、フェニルアラニン(Phenylalanine)、セリン(Serine)、グリシン(Glycine)、システイン(Cysteine)、アルギニン(Arginine)、ヒスチジン(Histidine)などを例として挙げることができる。前記アミノ酸は、好ましくはアスパラギン酸塩、リジン、トレオニンまたはメチオニンであり、より好ましくはトレオニンまたはメチオニンである。
別の様態として、本発明は、炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物に関する。一つの具体的様態として、本発明は、染色体上のglpR遺伝子および/またはgalR遺伝子が不活性化されている、炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物に関する。
【0016】
本発明の前記微生物は、アミノ酸を生産することが可能な微生物であって、グリセロール同時利用性を有する微生物、好ましくは微生物の染色体上にgalR遺伝子および/またはglpR遺伝子を含んでおり、これら遺伝子のいずれか一つまたは両方ともが不活性化された微生物であれば、原核微生物または真核微生物のいずれも制限されない。例えば、エシェリキア(Escherichia)属、エンテロバクテリウム(Enterobacteria)属、ビレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、シトロバクター(Citrobacter)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、バチルス(Bacillus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属、アスペルギルス(Aspergillus)属に含まれる微生物である。好ましくは腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に含まれる微生物であり、より好ましくはエシェリキア属に属する微生物であり、よりさらに好ましくは大腸菌である。最も好ましくは、大腸菌(Escherichia coli)CJIT6007(受託番号KCCM−10755P)である。
【0017】
別の様態として、本発明は、炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物、特にgalR遺伝子および/またはglpR遺伝子が不活性化された遺伝子を含むグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物を製造する方法に関する。
一つの具体的様態として、不活性化されたglpR遺伝子またはそのDNA断片を製造する段階と、アミノ酸を生産することが可能な微生物に導入させ、前記微生物の染色体上に存在するglpR遺伝子と組み換えさせる段階と、glpR遺伝子が不活性化された微生物を選別する段階とを含んでなる、グリセロールを高効率で用いることが可能な微生物の製造方法に関する。
本発明の方法において、前記微生物は、腸内細菌科に属するものが好ましく、さらに好ましくは大腸菌であり、最も好ましくは大腸菌CJIT6007(受託番号KCCM−10577P)である。
【0018】
本発明の方法において、前記不活性されたglpR遺伝子またはそのDNA断片とは、宿主内のglpR遺伝子と配列相同性を持っているポリヌクレオチド配列を含むが、欠失、置換および逆位などの突然変異が導入されて活性のあるglpR産物を発現することができないポリヌクレオチド配列を意味する。前記不活性化されたglpR遺伝子またはその断片を宿主細胞内に導入する過程は、例えば形質転換(transformation)、接合(conjugation)、形質導入(transduction)、またはエレクトロポレーション(electroporation)によって行われるが、これらに限定されない。
【0019】
前記不活性化されたglpR遺伝子またはそのDNA断片が形質転換によって宿主細胞内に導入される場合、不活性化手続きは、前記ポリヌクレオチド配列を菌株の培養物と混合して行うことができる。この場合、菌株は、天然的にDNAの流入に対してコンピテントして形質転換することができるが、その以前に、菌株を適切な方法によってDNA流入のためにコンピテントするようにすることが好ましい。前記不活性化されたglpR遺伝子またはそのDNA断片は、ゲノムDNAの切片内に外来DNA断片を導入し、この配列の野性型染色体コピーを不活性化状態に置換させる。一具体例において、前記不活性化されたポリヌクレオチド配列は、標的部位DNAの一部分を含む「テール(tail)」を5’および3’末端に含むものである。前記不活性化ポリヌクレオチド配列には、便宜上、選別マーカー、例えば抗生剤耐性遺伝子を含むことができる。標的DNAが抗生剤耐性遺伝子によって不活性化される場合、形質転換体の選別は、適切な抗生物質が含有された寒天平板上で行う。形質転換によって宿主細胞に導入された前記不活性化ポリヌクレオチド配列は、ゲノムDNA中のテール配列との相同組み換えによって野性型ゲノム配列を不活性化させることができる。
【0020】
別の具体的様態として、本発明は、前記方法と同一の方法でgalR遺伝子およびglpR遺伝子のいずれか一つの遺伝子または両方ともを前述したような方法で順次または同時に不活性化させた微生物を製造する方法に関する。
本発明の方法の一例として、本発明のグリセロールを含む多様な炭素源から発酵によって効果的にアミノ酸を生産することができるように、グリセロール代謝関連遺伝子の調節因子であるglpR遺伝子を不活性化させた微生物を製造する方法は、次の過程を含む。
まず、glpRと相同性を有するポリヌレクトチド配列を含む欠損カセット(deletion cassette)をpKD3プラスミドを鋳型とする重合酵素連鎖反応(PCR)によって製作する。次いで、リコンビナーゼ(recombinase)を持っているpKD46プラスミドを含む大腸菌を、前記重合酵素連鎖反応から得られるDNA切片を用いて形質転換する。形質転換された大腸菌を、抗生剤マーカーが含まれた平板培地に塗抹した後、抗生剤耐性を有する菌株を選別することにより、glpR遺伝子が不活性化された菌株を分離する。
【0021】
本発明の一具体例において、本発明者らは、glpRと相同性を有するポリヌクレオチド配列を含む欠損カセットを重合酵素連鎖反応によって製作した後、L−トレオニン高生産性菌株としての大腸菌FTR2533菌株に導入した。その結果、野性glpR遺伝子が不活性化されて母菌株に比べてグリセロールを効率よく利用し、L−トレオニンを高収率で生成する新規の菌株を開発した。この新規菌株は、大腸菌(Escherichia coli)CJIT6007と命名し、ブダペスト協約下の国際機関である韓国微生物保存センターに2006年6月2日に寄託した(受託番号KCCM−10755P)。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。ところが、これらの実施例は本発明を例示的に説明するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。
【0022】
実施例
実施例1:トレオニン生産菌株のグリセロール同時利用性(グルコースとグリセロール)関連フラスコ実験
大腸菌野性型菌株K12おびFTR2533菌株をそれぞれMMYEプレートに接種し、33℃のインキュベーターで12時間培養した後、MMYE液状培地に一つの白菌耳を用いて接種して33℃、200rpmの条件で6時間培養した。MMYE培地の組成は、下記表1のとおりである。
【0023】
【表1】

【0024】
グルコース、CaClおよびMgSO・7HOはそれぞれ別途に滅菌した。培地滅菌の前に、2.2mLの4N KOHを添加した。MMYEで培養したK12およびFTR2533菌株をそれぞれ力価培地25mL(250mL容量のフラスコ)に500μL接種して33℃、200rpmの条件で48時間培養した。それぞれの菌株を用いて、グルコースとグリセロールが相異なる比率で含まれているトレオニン力価培地で時間別炭素源の消費様相を把握し、FTR2533菌株のグリセロール同時利用性の可否を確認した。トレオニン生産のための力価培地の組成は、下記表2のとおりである。
【0025】
【表2】

【0026】
C−ソースとKHPOはそれぞれ別途殺菌した。培地滅菌の前に、2.2mLの4N KOHを添加した。C−ソースの場合、グルコースとグリセロールの5つの相異なる比率で組成した。
【0027】
【表3】

【0028】
トレオニン生成量は、培養液を蒸留水で500倍希釈した後、遠心分離して得た上澄み液をHPLCによって分析し、グルコースとグリセロールの量は培養液を蒸留水で10倍希釈した後、遠心分離して得た上澄み液をHPLCによって分析した。ODの場合、0.3N HCl溶液に培養液を50倍希釈して562nmで測定した。表4と表5は、それぞれ野性型菌株K12およびトレオニン菌株FTR2533フラスコ実験結果であって、培養開始後12時間、24時間および48時間におけるグルコースおよびグリセロールの使用後残量とトレオニン生産量を比較した。Glcはグルコース、Glyはグリセロール、Thrはトレオニンをそれぞれ示し、それぞれの単位はg/Lである。
【0029】
【表4】

【0030】
【表5】

表4および表5の結果より、野性型菌株K12は、グリセロールおよびグルコースが複合的に含まれた全ての力価培地でフラスコ培養12時間、24時間にグルコースを優先的に消費し、グリセロールを消費してグリセロール同時利用性がないことが分かるが、トレオニン生産菌株であるFTR2533の場合(表5)には培養12時間からグリセロールとグルコースを同時に消費することを確認した。また、トレオニン生産菌株FTR2533の場合、グリセロールが50%含まれた複合炭素源培地およびグリセロールが単独で含まれる培地で、グルコースのみを炭素源として含んだ培地に比べてトレオニン生産性がそれぞれ15%、23%増加することを確認し、FTR2533菌株がグリセロール含有培地を使用した場合、高収率でトレオニンを生産することを確認した(表5)。
【0031】
実施例2:組み換えプラスミドの製作とこれを用いたglpR遺伝子の不活性化
本実施例では、大腸菌染色体内のglpR遺伝子を相同組み換えによって不活性化させた。このために、FRT−one−step PCR欠失方法を使用した(PNAS, 97:6640-6645(2000))。このために、配列番号1および2プライマーを用いてpKD3ベクター(PNAS, 97:6640-6645(2000))を鋳型としてPCR反応によって欠損カセットを製作した。変性(denaturation)段階は94℃で30秒、アニーリング(annealing)段階は55℃で30秒、延長(extension)段階は72℃で1分間行い、これを30回行った。
【0032】
順方向プライマー:
5’ATGAAACAAACACAACGTCACAACGGTATTATCGAACTGGTTAAACAGCAGTGTAGGCTGGAGCTGCTTC3’(配列番号1)
逆方向プライマー:
5’TGCTGATGCTGCCCATATTGACCATCGCGTTACGGCCAAATTTCGAGTGACATATGAATATCCTCCTTAG3’(配列番号2)
【0033】
その結果、得られたPCR産物を1.0%アガロースゲルで電気泳動した後、1.2kbpサイズのバンドからDNAを精製した。
回収されたDNA切片はpKD46ベクター(PNAS, 97:6640-6645(2000))を予め形質転換させた大腸菌FTR2533菌株にエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションのために、pKD46が含まれたFTR2533菌株は、100μg/Lアンピシリンと5mMアラビノスが含まれたLB培地を用いて30℃でOD600=0.6まで培養した後、滅菌蒸留水で2回、10%グリセロールで1回洗浄して使用した。エレクトロポレーションは2500Vで加えた。回収された菌株は25μg/Lクロラムフェニコールを含んだLB平板培地に塗抹して37℃で一晩培養した後、耐性を示す菌株を選別した。選別された菌株は、菌株を鋳型として同一のプライマーを用いて同一の条件でPCRした後、1.0%アガロースゲル上で遺伝子のサイズが1.2kbと観察されることを確認することにより、glpR遺伝子の欠損を確認した。確認された菌株は、さらにpCP20ベクター(PNAS, 97:6640-6645(2000))を形質転換してLB培地で培養し、さらに同一条件のPCRによって1.0%アガロースゲル上で遺伝子のサイズが150bpと小さくなることにより、クロラムフェニコールマーカーが除去されたことを確認し、最終glpRが欠損したFTR2533DglpR菌株を獲得した。製作された菌株はCJIT6007と命名した。
【0034】
実施例3:CJIT6007菌株のL−トレオニン生産
グリセロール代謝過程調節因子であるglpRを欠損させた大腸菌CJIT6007を用いて、グリセロールが含まれた複合炭素源培地およびグリセロールが単独で含まれたトレオニン力価培地で、グリセロール同時利用性とL−トレオニン生産性を確認した。
CJIT6007をMMYEプレートに接種して33℃のインキュベーターで12時間培養した後、MMYE液状培地に一つの白金耳を用いてを接種し、33℃、200rpmの条件で6時間培養した。MMYE培地の組成は表1のとおりである。グルコース、CaClおよびMgSO・7HOはそれぞれ別途滅菌した。培地滅菌の前に、2.2mLの4N KOHを添加した。
MMYEで培養した菌株を力価培地25mL(表2)に500μL接種して33℃、200rpmの条件で48時間培養した。グリセロールの初期濃度は70g/Lとした。グリセロールとKH-POはそれぞれ別途に殺菌した。培地滅菌の前に、2.2mLの4N KOHを添加した。トレオニン生成量は、培養液を蒸留水で500倍希釈した後、遠心分離して得た上澄み液をHPLCによって分析し、グルコースとグリセロールの量は、培養液を蒸留水で10倍希釈した後、遠心分離して得た上澄み液をHPLCによって分析した。ODの場合、0.3N HCl溶液に培養液を50倍希釈して562nmで測定した。その結果は表6のとおりである。表6は、トレオニン菌株のフラスコ実験結果であって、培養開始後12時間、24時間および48時間におけるグルコースとグリセロールの培地残存量およびトレオニン生産量を確認した。Glyはグリセロール、Thrはトレオニンをそれぞれ示し、それぞれの単位はg/Lである。
【0035】
【表6】

【0036】
表6の結果より、glpR遺伝子が不活性化された組み換え菌株FTR2533ΔglpRも、グルコースとグリセロールが複合的に含まれた力価培地でグリセロールをグルコースと同時に利用することを確認し、また、同一条件のFTR2533菌株に比べてトレオニン生産性が増加することを確認した。特に、グリセロールが50%含まれた複合炭素源培地の場合(グルコース:グリセロール=35:35)、FTR2533菌株に比べて培養24時間に炭素源消耗速度がより向上することを確認し、最終的にFTR2533菌株に比べてトレオニン生産性が8.6%増加したことを確認した(表5および表6)。したがって、glpR遺伝子が不活性化されたFTR2533ΔglpR菌株の場合、glpR遺伝子が不活性化されていない菌株に比べてグリセロールを炭素源として同時に利用してより高い収率でL−トレオニンを生産することができることが分かった。
【0037】
実施例4:メチオニン生産のための発酵
PCT国際公開WO06/001616に記載のメチオニン生産菌株である大腸菌CJM002(KCCM−10568)に対して、グリセロールを複合炭素源としてメチオニン生産実験を行った。大腸菌CJM002は、大腸菌FTR2533を母株として得られたもので、メチオニンの生合成経路が強化された菌株である。メチオニン生産を実験するために、三角フラスコ培養を行った。平板LB培地にKCCM−10568を塗抹して31℃で一晩培養した後、単一コロニーを3mLのLB培地に接種し、しかる後に、31℃で5時間培養し、さらに25mLのメチオニン生産培地を含んだ250mLの三角フラスコに200倍希釈して31℃、200rpmで64時間培養した後、HPLC分析によってメチオニン生産量を比較した。
【0038】
【表7】

【0039】
【表8】

【0040】
L−メチオニン生産性の比較
表8から分かるように、CJM002もグルコースとグリセロールの複合培地を用いて効果的にL−メチオニンを生産することができる。特に、グリセロールを単独で用いた培地Eの場合、グルコースを単独で用いた培地Aの場合に比べてL−メチオニンの生産収率が80%増加した。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物を用いて、バイオディーゼルの副産物であるグリセロールが含まれた複合炭素源を含んだ培地、またはグリセロールを単独で含んだ培地で効果的で高収率でアミノ酸を生産することができるため、既存のたグルコースなどの発酵原料をより安い原料で代替することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物を、グリセロールが含まれた培養培地に接種して培養する段階と、
前記段階で生産された培養物からアミノ酸を回収する段階とを含んでなる、グリセロールを用いたアミノ酸生産方法。
【請求項2】
前記グリセロールは、培養培地リットル当たり1g〜300gの含量で含まれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グリセロールの含量は、培養培地の全体炭素源含量に対して10〜100重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生産されるアミノ酸がトレオニンまたはメチオニンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アミノ酸生産用微生物は、染色体上のGalR遺伝子および/またはglpR遺伝子が不活性化されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記微生物が腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に属することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記微生物が大腸菌(Escherichia coli)であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記大腸菌(Escherichia coli)がKCCM−10540、KCCM−10541、KCCM−10568、またはKCCM−10755Pであることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
炭素源としてのグリセロール同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物。
【請求項10】
前記微生物は、染色体上のGalR遺伝子および/またはglpR遺伝子が不活性化されたことを特徴とする、請求項9に記載の微生物。
【請求項11】
前記微生物が腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に属することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記微生物が大腸菌(Escherichia coli)であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記大腸菌(Escherichia coli)がKCCM−10540、KCCM−10541、KCCM−10568、またはCJIT6007(受託番号KCCM−10755P)であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記生産されるアミノ酸がトレオニンまたはメチオニンであることを特徴とする、請求項9に記載の微生物。
【請求項15】
(a)不活性化されたglpR遺伝子またはそのDNA断片を製造する段階と、
(b)前記不活性化されたglpR遺伝子またはそのDNA断片を、アミノ酸を生産することが可能な微生物に導入させ、前記微生物の染色体上に存在するglpR遺伝子と組み換えさせる段階と、
(c)glpR遺伝子の不活性化された微生物を選別する段階とを含んでなる、炭素源としてのグルコース同時利用性を有するアミノ酸生産用微生物の製造方法。
【請求項16】
前記(b)段階の微生物は、不活性化されたGalR遺伝子をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記微生物が腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に属することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記微生物が大腸菌(Escherichia coli)であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記微生物は大腸菌(Escherichia coli)CJIT6007(受託番号KCCM−10755P)であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。

【公表番号】特表2009−540860(P2009−540860A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517968(P2009−517968)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003082
【国際公開番号】WO2008/002053
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(508081075)シージェイチェイルジェダンコーポレーション (6)
【Fターム(参考)】