説明

グルカンとマンナンを調製する方法、それによって得られたグルカン調製物とマンナン調製物、およびその用途

本発明は、微生物細胞壁からグルカンとマンナンを抽出する方法を提供する。さらに、具体的には、一実施形態では、本発明の方法は、以下のステップが含まれる:a)プロテアーゼとマンナーゼで微生物細胞を処理するステップ、b)ステップa)で得られた混合物を重い相と軽い相に分離するステップ、c)ステップb)で得られた重い相に乾燥処理を行い、グルカン調製物を得るステップ、及びd)ステップb)で得られた軽い相に乾燥処理を行い、マンナン調製物を得るステップ。必要に応じて、前記ステップc)において、b)で得られた重い相に、塩基処理と酸処理をこの順で行い、再度重い相と軽い相に分離した後、得られた重い相に乾燥処理を行い、グルカンの調製物を得ることができる。本発明は、それによって調製されるグルカン調製物とマンナン調製物、及びそれらの用途にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルカンとマンナンの調製に関する。特に、本発明は、微生物(特に酵母)からグルカンとマンナンを調製する方法に関する。さらに、本発明は、それによって調製されたグルカン調製物とマンナン調製物およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、癌発生率が益々増えており、動物の飼料の抗生物質の残留が益々酷くなっていることなどの問題により、患者自身の免疫力を増強させ、疾患を予防する或いは治療するために、各国の研究者は安全で有効な機能物質を発見することを迫られている。
【0003】
微生物、特に酵母細胞壁多糖は、最良の選択であると考えられる。酵母グルカンとマンナンは、腸管に入ってから、エンドサイトーシスによって小腸上皮細胞を経て人体に入ることができ、動物と人体の免疫力の増強、腸管機能の改善や輻射防止に、より良好な効果を有する。その作用機序は、大食細胞、NK細胞等の免疫細胞を刺激して賦活し、それからそれに細胞因子を放出させ、腫瘍細胞、抗原などの有害顆粒を直接的に又は間接的に殺すことが含まれている。また、優れた吸着能を有するので、腸管における多量の毒素を吸着することができ、腸管の蠕動を増加させ、腸管機能の改善に有利である。
【0004】
グルカンとマンナンは、微生物(特に酵母)の細胞壁の主成分である。ここで、グルカンは、β−1,3−グルカンを主鎖とし、少量のβ−1,6−グルカンを分岐鎖とするグルコース重合体であり、塩基不溶性の多糖である。一方、マンナンは、α−1,6−結合しているD−マンノースを骨格鎖とし、その中の大部分ないし全部のマンノース分子が、α−1,2−又はα−1,3−によって連結している2−5個のマンノース残基を含有する分岐鎖を備えるものであり、水溶性の多糖である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今、細胞壁グルカンの抽出と応用に対して、多くの研究が行われている。しかしながら、これらの研究には、以下の問題がある。(1)抽出方法は、主に簡単な酸・塩基処理に関し、最終製品のグルカン含有量が60%より低い;(2)多くの研究は、グルカンを抽出することに集中しているが、グルカンとマンナンを同時に抽出しておらず、マンナンの多くは捨てられている;(3)幾つかのプロセスは、工業上の大規模な使用には適せず、安定性が悪く、収率が低い。
【0006】
酵母細胞の発酵工業への大量の応用、及びβグルカンの種々の用途のために、本分野において、酵母細胞からグルカンを調製する新たな方法の開発が求められている。これらの新たな方法は、従来の方法における安定性が悪い及び/又は収率が低いという欠点を克服することができるものであるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの側面では、本発明は、以下のステップ:
a)プロテアーゼとマンナーゼで微生物細胞を処理するステップ、
b)ステップa)で得られた混合物を重い相と軽い相に分離するステップ、及び
c)ステップb)で得られた重い相に乾燥処理を行い、グルカン調製物を得るステップ、
を含む、微生物からグルカンを調製する方法に関する。
【0008】
また別の側面では、本発明は、以下のステップ:
a)プロテアーゼとマンナーゼで微生物細胞を処理するステップ、
b)ステップa)で得られた混合物を重い相と軽い相に分離するステップ、
c)ステップb)で得られた重い相に乾燥処理を行い、グルカン調製物を得るステップ、及び
d)ステップb)で得られた軽い相に乾燥処理を行い、マンナン調製物を得るステップ、
を含む、微生物からグルカンとマンナンを調製する方法に関する。
上記の方法では、ステップb)の後に、ステップb)で得られた重い相に、塩基処理と酸処理をこの順で行い、再度重い相と軽い相に分離した後、得られた重い相にステップc)の乾燥処理を行うことによって、グルカン調製物を得ることが好ましい。
【0009】
さらに別の側面では、本発明は、以下のステップ:
a)プロテアーゼとマンナーゼで微生物細胞を処理するステップ、
b)ステップa)で得られた混合物を重い相と軽い相に分離するステップ、及び
d)ステップb)で得られた軽い相に乾燥処理を行うステップ、
を含む、微生物からマンナンを調製する方法に関する。
【0010】
ある実施形態では、前記微生物細胞は、細菌、真菌及び植物細胞から選択され、例えば酵母細胞に属する、例えばサッカロミセス属(Saccharomyces)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、カンディダ属(Candidas)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)又はハンセヌラ属(Hansenula)の細胞であり、サッカロミセス属細胞、例えばビール酵母又はパン酵母細胞が最も好ましい。
【0011】
別の実施形態では、ステップa)の前に、さらに、当該微生物細胞を溶解させ又は自己消化させる予備処理ステップも含まれる。
【0012】
また、別の実施形態では、プロテアーゼ処理するためのプロテアーゼは、塩基性プロテアーゼであり、枯草菌プロテアーゼが好ましい。
【0013】
さらに、別の実施形態では、マンナーゼ処理するためのマンナーゼは、GamanaseTM(Novozymes)、PURABRITETM(Genencor International Inc.)或いはPangbo Biological Engineering Co.,Ltd.,Nanning,Chinaからのマンナーゼ、又はそれらの組合せから選択されるものである。
【0014】
さらに、本発明は、前記方法に従って調製されるグルカン調製物とマンナン調製物にも関する。
【0015】
最後に、本発明は、グルカン調製物又はマンナン調製物の食品、健康食品、飼料或いは化粧品の製造における用途に関する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
マンナンは、マンノース単位からなるポリマーである。酵母において、マンナンは、酵母細胞壁の外表面におけるタンパク質と結合しているとともに、内部の細胞膜と結合している。マンナンは、通常、細胞壁の乾燥重量の約20−50%を占めている。マンノオリゴ糖を主とするオリゴ糖は、腸道における病原菌の定殖に干渉し、腸内環境を改善することができる。また、抗原作用も有し,直接の抗体応答を引き起こし、免疫刺激因子として、動物体液及び細胞の免疫力を向上させることができる。
【0017】
本発明は、プロテアーゼとマンナーゼを使うことによって微生物の細胞壁を処理するものである。本発明の一方法では、微生物の細胞壁からグルカンとマンナンを同時に抽出することができる。本発明のこの方法で生産されたグルカンとマンナン調製物は、種々の用途に使われ、例えば、添加剤として人の食品、動物飼料、化粧品、薬物及び栄養品に使用され、又は農用可能なキャリアとともに、農業栄養品、殺草剤または殺虫剤と植物保護組成物を組合せることも可能である。
【0018】
本発明において,グルカン/マンナンの供給源として、いずれの適当な微生物等も採用することができ、細菌、真菌、及び単細胞藻類などの植物が含まれるが、これらに限定されるものではない。上記微生物は、例えばアルカリゲネス(Alkaligenes)、アグロバクテリウム属(Agrobacteriυm)、セルロモナス属(Cellulomonas)とペスタロチア属(Pestalotia)などの細菌;又は、例えばアウレオバシジウム属(Aureobasidum)、アガリクス属(Agaricus)、レンティヌス属(Lentinus)、プレウロタス・オストレアタス(Pleurotus ostreatus)、マクロホモプシス(Macrophomopsis)、ガノデルマ属(Ganoderma)、シゾフィラ属(Schizophylla)、Fachyma hoelen、Pestahlia、及びコリオルス属(Coriolus)などの真菌であってもよい。非微生物(植物など)材料をグルカン/マンナンの供給源としてもよい。
【0019】
ある実施形態では、グルカン/マンナンの供給源として、酵母が使われる。前記酵母は、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)(パン用酵母及びビール用酵母を含む)、サッカロミセス・デルブルエキイ(Saccharomyces delbrueckii)、サッカロミセス・ロゼイ(Saccharomyces rosei)、サッカロミセス・ミクロエルリプソイデス(Saccharomyces microellipsodes)、サッカロミセス・カールスバーゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)などのサッカロミセス属(Saccharomyces);例えばクルイベロミセス・フラジリス(Kluyveromyces fragilis)、クルイベロミセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロミセス・ポリスポルス(Kluyveromyces polysporus)などのクルイベロミセス属(Kluyveromyces);例えばカンディダ・ウチルス(Candida utilis)、カンディダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンディダ・クロアカエ(Candida cloacae)、カンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンディダ・ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)などのカンディダ属(Candidas)株;例えばシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)などのシゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces);並びに、例えばハンセヌラ・ウィンゲイ(Hansenula wingei)、ハンセヌラ・アルニ(Hansenula arni)、ハンセヌラ・ヘンリッキー(Hansenula henricii)、ハンセヌラ・アメリカーナ(Hansenula Americana)などのハンセヌラ属(Hansenula)であってもよい。
【0020】
本発明の方法では、グルカン/マンナンの供給源として、サッカロミセス属株、特にビール酵母を採用することが好ましく、それは酵母細胞であってもよいし、酵母誘導物質、例えばドライ酵母、酵母乳、酵母細胞壁、又はそれらのいずれの組合せであってもよい。
【0021】
本発明の調製方法では、まず、プロテアーゼとマンナーゼで微生物細胞を処理し、その後、密度に基づいて分離を行う。密度が比較的高い部分(本明細書において、“重い相”といい、例えば沈殿)はグルカンを含有し、密度が比較的に低い部分(本明細書において、“軽い相”という)はマンナンを含有する。適当な分離方法は、当業者のよく知っているものであり、例えば遠心分離が含まれる。遠心速度は、比較的に広い範囲で変更されてもよく、通常の技術で確定されるものである。
【0022】
上記遠心を経てから、重い相と軽い相をそれぞれ収集しそれぞれ乾燥して、グルカンとマンナンの調製物が得られる。また、重い相と軽い相をそれぞれ濃縮した後、さらに乾燥することもできる。
【0023】
理論的には限定されないが、本発明のプロテアーゼとマンナーゼ処理は、微生物細胞壁におけるタンパク質と多糖を多量に加水分解することができ、細胞壁の構造を破壊し、グルカンを露出させ、グルカンとマンナンの分離に有利なものであると考えられる。
【0024】
本発明の方法に好適に使われるプロテアーゼは、当業者に公知のものであってもよく、商品の形式で生産商から購入することが可能であり、又は、当業者が、例えば抽出法、遺伝子工学法等を含む通常の方法で調製することもできる。ある実施形態では、前記プロテアーゼは、塩基性プロテアーゼである。プロテアーゼは、例えば、pH値の範囲がpH7−10、pH7.5−9.5又はpH7.8−9.5の範囲内で著しい活性を有している。適当なプロテアーゼの実例として、これに限定されるものではないが、枯草菌プロテアーゼ147、枯草菌プロテアーゼ309、枯草菌プロテアーゼBPN’、枯草菌プロテアーゼNovoTM、AlcalaseTM、SavinaseTM、DurazymTM(Novozymesから入手);MaxataseTM、MaxacalTM、PurafectTM、FN2TM、FN3TM(Genencor International Inc.から入手)、Validase AFPTM、ValidaseTM FP500、ValidaseTM FPII、BromelainTM(Valley Research,South Bend,INから入手)、或いはPangbo Biological Engineering Co.,Ltd.,Nanning,Chinaからの塩基性プロテアーゼ、又はそれらの任意の組合せが含まれる。本発明方法では、前記プロテアーゼの使用量も、当業者が通常の手段によって確定できるものであり、処理される酵母の乾燥物質の重量で、例えば0.0001−10%、0.001−5%、0.01−1%或いは0.05−0.5%であってもよい。
【0025】
本発明の方法に好適に使われるマンナーゼは、当業者に公知のものであってもよいし、商品の形式で生産商から購入することが可能であり、又は、当業者が、例えば抽出法、遺伝子工学法等を含む通常の方法で調製することもできる。適当なプロテアーゼは、これに限定されるものではないが、GamanaseTM(Novozymesから入手)、PURABRITETM(Genencor International Inc.から入手)、或いはPangbo Biological Engineering Co.,Ltd.,Nanning,Chinaからのマンナーゼ、又はそれらの組合せが含まれる。本発明方法では、前記マンナーゼの使用量も、当業者が通常の手段で確定できるものであり、処理される酵母の乾燥物質の重量で、例えば0.0001−10%、0.001−8%、0.01−6%、0.05−5%或いは0.1%−3%であってもよい。
【0026】
ある実施形態では、プロテアーゼとマンナーゼで微生物細胞を処理する操作は、まず、適当な条件でプロテアーゼで細胞を処理し、その後、適当な条件でマンナーゼで細胞を処理することを含む。
【0027】
酵素による処理の具体的な条件は、部分的に使われる具体的な酵素によって決まる。当業者は、使われる酵素によって、適当なpH、温度、処理時間を決めることができる。
【0028】
ある実施形態では、前記プロテアーゼ処理は、pH7−10、好ましくはpH7.0−9.5、例えばpH7.5−9.0、pH7.5−9.5、pH7.0−9.0、pH7.0−8.8の範囲内で実施することができる;プロテアーゼ処理の温度は、例えば10−70℃、例えば20−65℃、25−65℃、30−60℃、又は35−60、65或いは55℃であってもよい;処理時間は、1−20時間、例えば2−15時間、3−12時間、5−12時間等であってもよい。
【0029】
別の実施形態では、前記マンナーゼ処理のpHは4.0−7.2、例えばpH4.0−7.0、pH4.5−7.0、pH4.8−7.0、pH5.0−7.0或いはpH4.0−6.0、pH4.0−6.5、pH4.5−6.0、pH4.5−6.5等であってもよい;マンナーゼ処理の温度は、10−70℃、例えば20−65℃、25−60℃、30−55℃或いは35−50℃であってもよい;処理時間は、4−20時間、例えば6−15時間、8−12時間等であってもよい。
【0030】
好ましくは、本発明に従って、プロテアーゼとマンナーゼで微生物細胞又はその画分原料を処理する前には、必要に応じて、例えば熱処理、溶解又は自己消化などの予備処理をしておいてもよい。自己消化とは、微生物の内因性酵素によって大分子を分解する過程である。微生物を自己消化させる方法は、本分野ではよく知られているものである。溶解又は自己消化の過程において、さらに、外因性酵素を加えて分解を補助してもよく、例えばプロテアーゼを加える。一実施形態では、微生物細胞、例えば酵母細胞又はその細胞壁含有画分を水で1−20%の溶液に調製し、その後、50−100℃で0.5−3時間作用させる。別の実施形態では、微生物細胞又はその細胞壁含有画分を水で1−20%の溶液に調製し、その後、0.05%−10%(酵素/酵母のドライ物質の質量比)となるようにプロテアーゼを加え、35−50℃の温度で5−30時間インキュベートして予備処理を行う。好適に使われるプロテアーゼも、当業者が公知のものであり、例えばパパインが含まれる。このようなプロテアーゼは、種々の商業的経路から入手することが可能である。例えばPangbo Biological Engineering Co.,Ltd.,Nanning,Chinaから入手してもよいし、又は、抽出法或いは遺伝子工学法によって調製してもよい。
【0031】
従って、一つの具体的な実施形態では、前記プロテアーゼとマンナーゼ処理の過程は、まず、水で微生物材料、例えば酵母細胞壁を重量百分率で1−20%の懸濁液を調製し、50−100℃で0.5−3時間作用させ、その後、温度を10−70℃に調整し、且つpHを7.0−9.0に調整し、最終濃度が0.5−4%(酵素/酵母乾燥物の質量比)となるように塩基性プロテアーゼを加えて、6−10時間インキュベートし、その後、pHを4.0−7.0に調整し、最終濃度が0.5−4%(酵素/酵母のドライ物質の質量比)となるようにマンナーゼを加え、8−12時間インキュベートすることによって行ってもよい。
【0032】
本発明では、適当な酸性又は塩基性物質を加えることによって、酵素分解系を所期のpH値に調整してもよい。前記酸性又は塩基性物質は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸等が含まれる。これらは、当業者の能力の範囲以内のものである。
【0033】
本発明の方法において、分離ステップは、密度に基づく分離などの通常の方法、例えば遠心によって行うことができる。一つの好ましい実施形態では、前記分離は、ディスク分離機によって行う。
【0034】
本発明の方法における乾燥ステップは、当業者がよく知っているいずれかの方法で行うことができる。これに限定されるものではないが、凍結乾燥、ローラードラム乾燥、噴霧乾燥、フィルムコーティングによる乾燥が含まれる。また、予め研磨してから乾燥してもよい。一つの好ましい実施形態では、上記乾燥は、噴霧乾燥であり、例えば100−180℃で乾燥する。いずれの乾燥ステップの前にも、必要に応じて、本分野で知られている通常の技術によって濃縮することもできる。
【0035】
本発明の方法は、グルカンを抽出する通常の方法と組み合わせることもできることが好ましい。例えば、プロテアーゼとマンナーゼで微生物を処理して分離した後、得られた重い相に対して後続の塩基処理と酸処理を行う。酵素処理において多量の不純物が除去されるので、本発明の方法は、酸と塩基による通常の方法に比べて、収率が向上される。且つ、不純物が除去された後は処理される物質が少なくなるので、塩基と酸の使用量が減じ、それによる汚染が減少され、設備に対する腐食も減少される。
【0036】
当業者がよく知っている当該後続の塩基処理における好適な塩基の範囲は、これに限定されるものではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はそれらの組合せが含まれ、それの塩基処理系における最終濃度は、重量/体積で例えば0.5−10%、好ましくは1−8%、さらに好ましくは2−6%であってもよい。通常、加熱条件で塩基▲アルカリ▼処理を行い、例えば、温度50−120℃、例えば50−120℃、60−110℃、65−100℃、70−95℃で適当な時間、例えば1−20時間、2−15時間、2−10時間又は2−8時間行う。塩基処理を経た重い相を分離することが好ましく、例えば遠心によって分離する。一実施形態では、前期塩基処理は、以下のように行う。即ち、酵素処理を経て分離して得られた重い相を必要に応じて濃縮及び/又は乾燥した後、水で0.2−20%、例えば0.5−15%又は1−10%の濃度に調製し、最終濃度が0.5−10%、好ましくは1−8%、最も好ましくは2−6%(重量/体積)となるように塩基を加えて処理する。70−100℃に加熱し、1−4時間インキュベートして処理することが好ましい。必要に応じて、塩基処理を経た系を分離、例えば遠心分離する。
【0037】
さらに、塩基処理によって得られた重い相を酸処理することができる。当業者がよく知っている好適な酸の範囲は、これに限定されるものではないが、硫酸、酢酸、塩酸或いは燐酸、又はそれらの任意の組合せが含まれる。一実施形態では、上記塩基処理を経て必要に応じて濃縮及び/又は乾燥してから得られた重い相を水で1−10%の濃度に調製し、酸でpH3−5に調整し、60−100℃に加熱し0.5−5時間、例えば1−4時間インキュベートする。インキュベートする場合には、攪拌を続けることができる。
【0038】
塩基処理と酸処理を経た系を分離、例えば遠心分離した後、得られた重い相を濃縮及び/又は乾燥して、酵母グルカン調製物が得られる。必要な場合には、塩基処理と酸処理を経た系に対して複数の重い相の遠心分離を行うことができる。例えば、分離前の体積までに水を加えて補給して、再度遠心分離を行う。その後、上記のように酵素処理と分離された製品に対して、最終的に得られた重い相の濃縮及び/又は乾燥操作を行う。
【0039】
本発明の方法を使用すれば、酵母細胞から、含有量が70%以上であるグルカン調製物と含有量が40%以上であるマンナン調製物を調製することができる。本方法の抽出率は60−95%である。本発明の方法は、条件が穏やかで、安定性が良好で、工業上の生産に適する。
【0040】
最終調製物におけるグルカンとマンナンの含有量は、当業者が公知の種々の技術によって測定され、例えば、フェノール−硫酸法、DNS法、フェーリング滴定法、クロマトグラフィー法等が挙げられる。
【0041】
さらに、本発明は、本発明の方法によって調製されるグルカン調製物とマンナン調製物に関する。これらは、単独で使用してもよいし、又は、食用、薬用、或いは化粧品に適用可能なキャリア或いは賦形剤と組み合わせて使用してもよい。従って、溶液、顆粒、錠剤、丸剤、乳剤等の形態にすることができる。その有效量と調製方法は、当業者が通常の方法によって確定することができるものである。
【0042】
本発明の方法に従って調製されるマンナン調製物とグルカン調製物は、種々の用途に使用できる。例えば、酵母マンナンは水溶性多糖であるので、各種の食品、保健食品、飼料、化粧品等に添加することができ、免疫増強、毒素吸着等の作用を備える。
【0043】
以下では、具体的な実施例によって例を挙げて本発明の特徴と各形態を説明する。特に明記しない限り、本発明で使用される実験方法と試薬は、いずれも当業者に公知のものである。なお、これらの実施例は、説明的なものであり、本発明の範囲を限定するように本発明を説明するものではないと理解されるべきである。本発明の実質と範囲は、特許請求の範囲だけで限定されるものである。当業者によって、本発明の実質と範囲を逸脱しない前提の下、これらの実施形態における酵素処理条件、酸塩基処理プロセス、分離加工条件に対して各種の変更や改良が加えられたものも、本発明の保護範囲に属する。
【実施例】
【0044】
下記の実施例において、それぞれの酵素の添加比率は、いずれも酵素と開始材料の乾燥重量の比に基づくものであり、例えば酵素と酵母細胞の乾燥重量の百分比率である。下記の実施例で使用される塩基性プロテアーゼとマンナーゼは、いずれもバングボ(Pangbo Biological Engineering Co.,Ltd.,Nanning,China)から得たものである。
【0045】
〔実施例1〕:マンナンの調製
a):水でパン酵母(高活性干酵母,Angel Yeast Co.,Ltd,China)細胞500kgを10%(重量/重量)の懸濁液に調製し、90℃で1時間インキュベートし、温度を60℃に調整し、塩酸又は水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、3%となるように塩基性プロテアーゼを加え、8時間インキュベートした。そして、塩酸でpHを5.0に調整し、3%となるようにマンナーゼを加え、10hインキュベートした。
b):ディスク分離機(Jiangsu Juneng Machinery Co.,Ltd,China)を使って6000gで分離し、重い相と軽い相をそれぞれ収集した。
c):b)で得られた軽い相を真空濃縮法で濃縮した後、180℃で噴霧乾燥を行い、淡黄色の粉末状のマンナン調製物を得た。フェノール−硫酸法によって測定したところ、そのマンナン含有量は40%であった。
【0046】
〔実施例2〕:マンナンの調製
a):パン酵母から自己消化法によって調製した酵母細胞壁500kgを、水で3%(重量/重量)の懸濁液に調製し、100℃で3hインキュベートし、温度を50℃まで降下させ、水酸化ナトリウムでpHを9.0に調整し、最終濃度が1%となるように塩基性プロテアーゼを加え、10時間インキュベートした。そして、塩酸又は水酸化ナトリウムでpHを4.0に調整し、最終濃度が4%となるようにマンナーゼを加え、50℃で12hインキュベートした。
b):ディスク分離機を使って3000gで分離し、重い相と軽い相をそれぞれ収集した。
c):b)で得られた軽い相を真空濃縮法で濃縮した後、160℃で噴霧乾燥を行い、淡黄色の粉末状のマンナン調製物を得た。フェノール−硫酸法によって測定したところ、そのマンナン含有量は42%であった。
【0047】
〔実施例3〕:マンナンの調製
a):パン酵母から自己消化法によって調製された酵母細胞壁500kgを水で20%(重量/重量)の懸濁液に調製し、50℃で2hインキュベートし、温度を10℃までに降下させ、水酸化ナトリウムでpHを8.0に調整し、4%となるように塩基性プロテアーゼを加え、50℃で10hインキュベートした。そして、塩酸でpHを6.0に調整し、2%となるようにマンナーゼを加え、50℃で10hインキュベートした。
b):ディスク分離機を使って10000gで分離し、重い相と軽い相をそれぞれ収集した。
c):b)で得られた軽い相を真空濃縮法で濃縮した後、180℃で噴霧乾燥を行い、淡黄色の粉末状のマンナン調製物を得た。フェノール−硫酸法によって測定したところ、そのマンナン含有量は44%であった。
【0048】
〔実施例4〕:マンナンの調製
a):パン酵母から自己消化法によって調製された酵母細胞壁500kgを水で1%(重量/重量)の懸濁液に調製し、80℃で0.5時間インキュベートし、温度を70℃まで降下させ、水酸化ナトリウムでpHを8.0に調整し、0.5%となるように塩基性プロテアーゼを加え、70℃で6hインキュベートした。そして、塩酸でpHを7.0に調整し、0.5%となるようにマンナーゼを加え、70℃で8hインキュベートした。
ステップb)とc)は、実施例4と同様にして、そのマンナン含有量は、42%であった。
【0049】
〔実施例5〕:グルカンの調製
実施例1に記載されるようにステップa)とb)を行った;
c)b)で得られた重い相を真空濃縮法で濃縮した後、噴霧乾燥を行い、粉末状のグルカン調製物を得た。フェノール−硫酸法によって測定したところ、そのグルカン含有量は45%であった。
【0050】
〔実施例6〕:グルカンの調製
実施例1に記載されるようにステップa)とb)を行った;
c)水でb)で得られた重い相を5%濃度の懸濁液に調製し、最終濃度が5%となるようにNaOHを加え、90℃で3時間インキュベートし攪拌を続けて、60℃に冷却した;
d)ディスク分離機を使って8000gで分離し、重い相と軽い相を得た;
e)水でd)で得られた重い相を5%濃度の懸濁液に調製し、濃硫酸でpH4.5に調整し、90℃で1時間インキュベートし攪拌を続けて、50℃に冷却した;
f)ディスク分離機を使って8000gで遠心分離し、軽い相を捨て、重い相に分離前の体積まで水を補給して、再度遠心分離した。分離は、合わせて4回繰り返した;
g)f)で得られた重い相に対して160℃の噴粉乾燥を行い、粉末状のグルカン調製物を得た。フェノール−硫酸法によって測定したところ、そのグルカン含有量は85%であった。
【0051】
〔実施例7〕:グルカンの調製
実施例1に記載されるようにステップa)とb)を行った;
c)水でb)で得られた重い相を8%濃度の懸濁液に調製し、最終濃度が2%となるようにKOHを加え、70℃で3時間インキュベートし攪拌を続けて、50℃に冷却した;
d)ディスク分離機を使って8000gで分離し、軽い相を捨て、水を分離前の体積まで補給して、再度遠心分離した。分離は、合わせて5回繰り返した;
e)水でd)で得られた重い相を5%濃度の懸濁液に調製し、酢酸でpH3.5に調整し、100℃で1.5時間インキュベートし攪拌を続けて、60℃に冷却した;
f)ディスク分離機を使って6000gで遠心分離し、軽い相を捨て、重い相に水を分離前の体積まで補給して、ディスク分離機を使って再度遠心分離した。分離は、合わせて4回繰り返した;
g)f)で得られた最終の重い相に対して100℃での噴粉乾燥を行い、粉末状のグルカン調製物を得た。フェノール−硫酸法によって測定したところ、そのグルカン含有量は70%であった。
【0052】
〔実施例8〕:マンナンとグルカンの調製
a)パン酵母(高活性干酵母,Angel Yeast Co.,Ltd,China)を15%の懸濁液に調製した;
b)懸濁液に0.5%となるようにパパイン(Pangbo Biological Engineering Co.,Ltd.,Nanning,China)を加え、45℃で20時間インキュベートし、攪拌を続けた;
c)懸濁液を90℃に加熱し、1時間インキュベートし、分離機を使って6000gで遠心し、重い相を収集した;
d)水でc)の重い相を8%の懸濁液に調製した;
e)d)の懸濁液を100℃に加熱し、1時間インキュベートし、温度を60℃までに降下させ、水酸化ナトリウムでpHを9.5に調整し、4%となるように塩基性プロテアーゼを加え、8時間インキュベートした。そして、pHを7.0に調整し、最終濃度が0.4%となるようにマンナーゼを加え、50℃で8時間インキュベートした;
f)ディスク分離機を使って10000gで遠心分離し、重い相と軽い相をそれぞれ収集した;
g)f)の軽い相を噴霧乾燥し、粉末状のマンナン調製物を得た。フェノール−硫酸法によって測定したところ、そのマンナン含有量は45%であった;
h)水でf)の重い相を5%の懸濁液に調製し、最終濃度が3%となるようにKOHを加え、95℃で3時間インキュベートし、温度を60℃まで降下させ、ディスク分離機を使って6000gで遠心し、重い相を収集した;
i)水でh)の重い相を5%の懸濁液に調製し、塩酸でpH4.0に調整し、85℃で1時間インキュベートし、ディスク遠心機を使って6000gで遠心し、重い相を収集した;
j)i)の重い相を噴霧乾燥し、粉末状のグルカン調製物を得た。そのグルカン含有量は75%であった。
【0053】
〔実施例9〕:マンナンとグルカンの調製
a)パン酵母を12%の懸濁液に調製した
b)懸濁液に最終濃度が1%となるようにパパイン(Pangbo Biological Engineering Co.,Ltd.,Nanning,China)を加え、50℃で18時間インキュベートし、攪拌を続けた;
c)懸濁液を85℃に加熱し1時間インキュベートし、遠心機を使って10000gで遠心し、重い相を収集した
d)水でc)の重い相を10%の懸濁液に調製した;
e)d)の懸濁液100℃に加熱し2時間インキュベートし、温度を60℃まで降下させ、塩酸又は水酸化ナトリウムでpHを7.5に調整し、最終濃度が2%となるように塩基性プロテアーゼを加え、10時間インキュベートした;
f)6000gで遠心分離し、重い相と軽い相をそれぞれ収集した;
g)f)の軽い相を噴霧乾燥し、粉末状のマンナン調製物を得た。そのマンナン含有量は35%であった;
h)水でf)の重い相を5%の懸濁液に調製し、最終濃度が3%となるようにKOHを加え、95℃で3時間インキュベートし、温度を60℃まで降下させ、6000gで遠心し、重い相を収集した;
i)水でh)の重い相を5%の懸濁液に調製し、塩酸でpH4.0に調整し、85℃で1時間インキュベートし、6000gで遠心し、重い相を収集した;
j)i)の重い相を噴霧乾燥し、粉末状のグルカン調製物を得た。そのグルカン含有量は60%であった。
【0054】
本発明の方法は、条件が穏やかで、ステップが簡単で、安定性がよく、収率が高く、汚染が比較的少なく、工業上の大量生産に適し、並びに、マンナンを同時に得られるという、一つまたは複数の利点を有する。
【0055】
上記の記載では、本発明を一般的な説明と具体的な実施形態で詳しく述べたが、勿論、本発明を基礎とし、これに対して変更や改良を加えることも可能であり、当業者にとって容易かつ明らかである。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲に加えられたこれらの変更や改良は、いずれも本発明が保護請求している範囲に属する。
【その他】
【0056】
段落番号0036に表記する▲アルカリ▼は、原文における下記の表記を示す。
【数1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)プロテアーゼとマンナーゼで微生物細胞を処理するステップ、
b)ステップa)で得られた混合物を重い相と軽い相に分離するステップ、及び
c)ステップb)で得られた重い相に乾燥処理を行い、グルカン調製物を得るステップ
を含む、グルカン調製物を調製する方法。
【請求項2】
a)プロテアーゼとマンナーゼで微生物細胞を処理するステップ、
b)ステップa)で得られた混合物を重い相と軽い相に分離するステップ、
c)ステップb)で得られた重い相に乾燥処理を行い、グルカン調製物を得るステップ、及び
d)ステップb)で得られた軽い相に乾燥処理を行い、マンナン調製物を得るステップ
を含む、グルカン調製物とマンナン調製物を調製する方法。
【請求項3】
ステップc)には、以下のステップ:
c’)ステップb)で得られた重い相に、塩基処理と酸処理をこの順で行い、重い相と軽い相に分離するステップ;及び
c’’)ステップc’)の重い相に乾燥処理を行い、グルカン調製物を得るステップ
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
以下のステップ:
a)プロテアーゼとマンナーゼで微生物細胞を処理するステップ、
b)ステップa)で得られた混合物を重い相と軽い相に分離するステップ、及び
d)ステップb)で得られた軽い相に乾燥処理を行い、マンナン調製物を得るステップ、
を含む、マンナン調製物を調製する方法。
【請求項5】
ステップa)の前に、さらに、該微生物細胞を溶解させ又は自己消化させる予備処理ステップも含まれ、前記予備処理は、例えば該微生物細胞を水で1−20%の溶液に調製し、その後、50−100℃で0.5−3時間作用させること、或いは、例えば該微生物細胞を水で1−20%の溶液に調製し、その後、0.05%−10%となるようにプロテアーゼを加え、35−50℃の温度で5−30時間インキュベートすることによって行われる、請求項1−4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記プロテアーゼは、塩基性プロテアーゼであって、好ましくは枯草菌プロテアーゼ147、枯草菌プロテアーゼ309、枯草菌プロテアーゼBPN’、枯草菌プロテアーゼNovoTM、AlcalaseTM、SavinaseTM、DurazymTM(Novozymesから入手);MaxataseTM、MaxacalTM、PurafectTM、FN2TM、FN3TM(Genencor International Inc.から入手)、Validase AFPTM、ValidaseTM FP500、ValidaseTM FPII、BromelainTM(Valley Research,South Bend,INから入手)、或いはPangbo Biological Engineering Co.,Ltd.,Nanning,Chinaからの塩基性プロテアーゼ、又はそれらの任意の組合せから選択されるものである、請求項1−5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
プロテアーゼ処理は、pH7−10、好ましくはpH7.0−9.5、例えばpH7.5−9.0又はpH7.0−8.8で行い、温度は10−70℃、例えば20−65℃、25−65℃であってもよい、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記マンナーゼは、GamanaseTM(Novozymes)、PURABRITETM(Genencor International Inc.)、或いはPangbo Biological Engineering Co.,Ltd.,Nanning,Chinaからのマンナーゼ、又はそれらの組合せから選択されるものである、請求項1−7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記マンナーゼ処理は、pH4.0−7.2、例えばpH4.0−7.0下で行い、処理温度は10−70℃、例えば20−65℃であってもよい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記分離は、ディスク分離機によって行う、請求項1−9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記微生物細胞は、細菌、真菌及び植物細胞から選択され、好ましくは酵母細胞であり、例えばサッカロミセス属(Saccharomyces)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、カンディダ属(Candidas)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、或いはハンセヌラ属(Hansenula)の細胞に属し、最も好ましくはサッカロミセス属の細胞、例えばビール酵母又はパン酵母細胞に属する、請求項1−10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記微生物細胞は酵母細胞壁である、請求項1−11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記塩基処理は、最終濃度が0.5−10%、好ましくは1−8%、より好ましくは2−6%(重量/体積で)である塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はそれらの組合せによって、温度50−120℃、例えば50−120℃、60−110℃、65−100℃、70−95℃で行うものである、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記酸処理は、例えば硫酸、酢酸、塩酸或いは酸、又はそれらの任意の組合せの酸によって、反応系をpH3−5に調整し、60−100℃、例えば80−100℃の温度で行われるものである、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記塩基処理の後であって、酸処理の前に、反応系を遠心分離し、得られた重い相を必要に応じて濃縮及び/又は乾燥してから酸処理を行う、請求項3に記載の方法。

【公表番号】特表2010−533479(P2010−533479A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516357(P2010−516357)
【出願日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【国際出願番号】PCT/CN2008/073895
【国際公開番号】WO2009/132501
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(509019026)安▲チ▼酵母股▲フェン▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】