説明

グルーミング用ブラシ

【課題】回転ブラシに付着した毛を簡単、確実に除去出来るグルーミング用ブラシを提供する。
【解決手段】外周に櫛歯26を複数列有する回転ブラシ21を回転可能に収納し下方に開口部22を有する回転ブラシ収納室23と、回転ブラシ収納室23の後壁に設けられ開口部22と連通する吸引口25と、吸引口25に連通し電気掃除機のホースに接続される接続管24と、回転ブラシ21の時計方向への回転を規制する回転規制手段と、回転ブラシ21を回転させるためのダイヤル27とを備え、櫛歯26に付着した毛を除去する梳き歯34を、吸引口25の上縁25a近傍に配したもので、ダイヤル27で回転ブラシ21を反時計方向に回すだけで櫛歯26に付着した毛が梳き歯34で梳かれると共に、梳き歯34が、電気掃除機の吸引力が強く作用する吸引口25の近傍に配されているので、回転ブラシ21で取ったペットの毛を確実に吸引することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット等の毛を梳くグルーミング用ブラシに関するもので、特に、電気掃除機に接続して、ペット等の毛を梳きながら同時に、梳かれた毛を吸引できるようにしたグルーミング用ブラシの関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のグルーミング用ブラシとして、中空筒状で一端に電気掃除機のホースに接続される接続口を有し、他端に吸引口が形成された毛梳き本体を備え、前記吸引口側には、外周長手方向に目の荒い櫛歯と目の細かい櫛歯を有する櫛歯支持体が回転可能に設けたペット用ブラシがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このペット用ブラシを用いるときは、使用者は、櫛歯支持体に連結された回動操作部を操作して、ペットの毛に合った櫛歯を選択し、それを吸引口から突出させる、そして、接続した電気掃除機を運転しながら、毛梳き本体の胴部を握って、ペットの毛を梳くことにより、櫛歯で梳かれた毛が瞬時に吸引されようになっている。
【0004】
しかしながら、上記従来のペット用ブラシの構成では、毛変わり時期との関係で、ペットから抜ける毛が多い場合は、櫛歯で梳かれた毛が櫛歯間につまって、吸引されないまま残ってしまい、後の処理が大変になるという課題があった。
【0005】
上記課題を解決するために、剛毛でペットの毛を梳くとともに、その剛毛に絡みついた毛を取り除くための歯を設けたペット用ブラシが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
図7(a)は、上記特許文献2に記載された従来のペット用ブラシの断面図、図7(b)は、同ペット用ブラシの側面図である。
【0007】
図7において、従来のペット用ブラシのケース1は、下向きの開口部2と、上面に突設され電気掃除機のホース(図示せず)に接続される接続管3を有し、さらに回転自在の回転ブラシ4を内蔵している。回転ブラシ4の外周長手方向には、多数本のワイヤ製の剛毛7が植設されている。
【0008】
11は、回転ブラシ4の支軸(図示せず)に固着されたラチェット車で、12は、ケース1の側壁1aに突設した軸13に中間部を回転自在に支持されたラチェットで、その先端部は、ラチェット車11の歯11aに係脱自在で、軸13に嵌挿されたひねりばね14の一端がラチェット12に掛けられ、ラチェット12をラチェット車11に係合する方向に付勢している。又、回転ブラシ4は、図示しないつまみで、外部より回転できるようになっている。5は、掃除用櫛で、ワイヤ製で、剛毛7に絡みついた毛を取り除く歯5aを有し、この歯5aは、レバー10を操作して支棒5bを回転させることにより5cと5dの二つの位置間で、回動できるようになっている。
【0009】
以上のように構成された従来のペット用ブラシの動作は以下の通りである。
【0010】
レバー10を操作して、掃除用櫛5の歯5aを、5dの位置にセットする。次に、接続口3に電気掃除機のホースを接続し、ケース1を把持して、矢印X方向に引いてペットの毛を梳き取る。剛毛7に付着した毛は、電気掃除機の吸引力により、ケース1内を経て電気掃除機内に集毛される。
【0011】
この従来例では、ラチェット12が、ラチェット車11の歯11aに係合しているので、ペット用ブラシをX方向に引くときは、回転ブラシ4の回転が阻止され、梳きとり作業が確実に出来る。一方ペット用ブラシを矢印Xと反対方向に押したときは、ひねりばね14の付勢力に抗して、ラチェット12が、ラチェット車11の歯11aを乗り越え、回転ブラシ4が反時計方向に容易に回転するので、逆毛を立てることが無く円滑にペット用ブラシを前後に移動させることが出来る。
【0012】
梳き取り作業を続けていると、剛毛7に毛が絡みついて吸引されないまま残ることがあるが、この場合は、レバー10を操作して、掃除用櫛5の歯5aを5cの位置に切り換え、ラチェット12の操作端12aを押しながら、すなわち、ラチェット12とラチェット車11の歯11aとの係合を外して、つまみを回して、回転ブラシ4を時計方向に回転させることにより、剛毛7に絡みついた毛は、掃除用櫛5の歯5aで除去され、同時に電気掃除機の吸引力によって電気掃除機内に集毛される。
【特許文献1】特開平11−178643号公報
【特許文献2】実開平2−3284号公報(実願昭63−79982号のマイクロフイルム)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記特許文献2に記載された従来のペット用ブラシの構成では、剛毛7に付着した毛を除去するときの掃除用櫛5の歯5aの位置が、接続管3の吸引口3aより離れた位置にあるので、掃除用櫛5の歯5aで除去された毛に電気掃除機による吸引力が十分作用せず、歯5aに残るといった課題があった。
【0014】
又、剛毛7に付着した毛を除去するときは、ラチェット12の操作端12aを押しながらつまみを廻さなければならず、非常に操作が面倒になるといった課題もあった。
【0015】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、簡単な操作で、回転ブラシに付着した毛を確実に除去することが出来るグルーミング用ブラシを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記従来の課題を解決するために、本発明のグルーミング用ブラシは、外周長手方向に櫛歯を複数列有する回転ブラシと、前記回転ブラシを回転可能に収納し下方に開口部を有する回転ブラシ収納室と、前記回転ブラシ収納室の後壁に設けられ前記開口部と連通する吸引口と、前記吸引口に連通すると共に電気掃除機のホースに接続される接続管と、前記回転ブラシの櫛歯が突出した状態で後から前へ回転するのを規制する回転規制手段と、前記回転ブラシを回転させるためのダイヤルとを備え、前記櫛歯に付着した毛を除去する梳き歯を、前記吸引口の上縁近傍に配したもので、ダイヤルで回転ブラシを反時計方向に回すだけで櫛歯に付着した毛が梳き歯で梳かれると共に、梳き歯が、電気掃除機の吸引力が強く作用する吸引口の近傍に配されているので、回転ブラシで梳き取ったペットの毛を確実に吸引することができる。
【0017】
又、本発明のグルーミング用ブラシは、外周長手方向に櫛歯を複数列有する回転ブラシと、前記回転ブラシを回転可能に収納し下方に開口部を有する回転ブラシ収納室と、前記回転ブラシ収納室の後壁に設けられ前記開口部と連通する吸引口と、前記吸引口に連通すると共に電気掃除機のホースに接続される接続管と、前記回転ブラシの櫛歯が突出した状態で前から後へ回転するのを規制する回転規制手段と、前記回転ブラシを回転させるためのダイヤルとを備え、前記櫛歯に付着した毛を除去する梳き歯を、前記吸引口の下縁近傍に配したもので、ダイヤルで回転ブラシを時計方向に回すだけで櫛歯に付着した毛が梳き歯で梳かれると共に、梳き歯が、電気掃除機の吸引力が強く作用する吸引口の近傍に配されているので、回転ブラシで取ったペットの毛を確実に吸引することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のグルーミング用ブラシは、簡単な操作で、回転ブラシに付着した毛を確実に除去することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
第1の発明は、外周長手方向に櫛歯を複数列有する回転ブラシと、前記回転ブラシを回転可能に収納し下方に開口部を有する回転ブラシ収納室と、前記回転ブラシ収納室の後壁に設けられ前記開口部と連通する吸引口と、前記吸引口に連通すると共に電気掃除機のホースに接続される接続管と、前記回転ブラシの櫛歯が突出した状態で後から前へ回転するのを規制する回転規制手段と、前記回転ブラシを回転させるためのダイヤルとを備え、前記櫛歯に付着した毛を除去する梳き歯を、前記吸引口の上縁近傍に配したもので、ダイヤルで回転ブラシを反時計方向に回すだけで櫛歯に付着した毛が梳き歯で梳かれると共に、梳き歯が、電気掃除機の吸引力が強く作用する吸引口の近傍に配されているので、回転ブラシで取ったペットの毛を確実に吸引することができる。
【0020】
第2の発明は、外周長手方向に櫛歯を複数列有する回転ブラシと、前記回転ブラシを回転可能に収納し下方に開口部を有する回転ブラシ収納室と、前記回転ブラシ収納室の後壁に設けられ前記開口部と連通する吸引口と、前記吸引口に連通すると共に電気掃除機のホースに接続される接続管と、前記回転ブラシの櫛歯が突出した状態で前から後へ回転するのを規制する回転規制手段と、前記回転ブラシを回転させるためのダイヤルとを備え、前記櫛歯に付着した毛を除去する梳き歯を、前記吸引口の下縁近傍に配したもので、ダイヤルで回転ブラシを時計方向に回すだけで櫛歯に付着した毛が梳き歯で梳かれると共に、梳き歯が、電気掃除機の吸引力が強く作用する吸引口の近傍に配されているので、回転ブラシで取ったペットの毛を確実に吸引することができる。
【0021】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の回転ブラシの外周に櫛歯を少なくとも3種類配置し、前記回転ブラシが所定の回転位置にあるとき、前記櫛歯の全てが回転ブラシ収納室内に収まるようにしたもので、回転ブラシの外周に櫛歯が少なくとも3列配されているにもかかわらず、ダイヤルを回して、回転ブラシを所定の位置まで回転させるだけで、全ての櫛歯が回転ブラシ収納室内に収まるので、保管スペース、包装スペースが少なくて済み、包装パッケージや運送のコストを低減することができる。
【0022】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の回転ブラシ収納室の底面を皮膚に密着させたときに外気と開口部を連通する凹溝を前記回転ブラシ収納室の底面に設けたもので、ブラッシング中に、グルーミング用ブラシの底面がペット等の皮膚に密着するようなことがあっても、凹溝を通して外気が吸引されるので、開口部がペット等の皮膚に密着してグルーミング用ブラシの操作がやりづらくなったり、ペット等に不快感を与えたりすることがない。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるグルーミング用ブラシの外観斜視図、図2は、同グルーミング用ブラシの裏面斜視図、図3(a)は、同グルーミング用ブラシの裏面斜視図(カバーを外した状態)、図3(b)は、同グルーミング用ブラシの回転規制手段の側面図、図4(a)は、同グルーミング用ブラシの断面図、図4(b)は、図4(a)のA矢視図、図4(c)は、図4(a)のB矢視図、図5は、同グルーミング用ブラシの断面図(櫛歯を回転ブラシ収納室内に収納した状態)である。
【0025】
図1〜5において、本実施の形態におけるグルーミング用ブラシのケース20は、ケース右20aとケース左20bとを突き合わせて形成されている。ケース右20aとケース左20bの固定は、ねじ、接着、熱溶着、超音波溶着など一般的な方法で行われる。
【0026】
ケース20の前部には、ペットの毛をブラッシングするための回転ブラシ21を回転可能に収納すると共に下方に開口部22を有する回転ブラシ収納室23が形成され、後部には、握りやすいように筒状となっており端部が電気掃除機のホース(図示せず)に接続される接続管24が形成され、回転ブラシ収納室23の後壁には、開口部22と接続管24を連通する吸引口25が形成されている。本実施の形態では、ケース右20aとケース左20bとを突き合わせて固定するだけで、回転ブラシ収納室23、開口部22、接続管24、吸引口25のそれぞれが形成されるようになっている。
【0027】
回転ブラシ21は、軸21aを有し略棒状のコアー21bと、コアー21bの外周長手方向に、且つ放射方向に突出するように複数列設けられペットの毛を梳く櫛歯26とから構成されている。櫛歯26のそれぞれは、多数本の線材などから形成されている。
【0028】
本実施の形態では、櫛歯26として、目が粗く若干突出代の長い櫛歯26aを一列、目が比較的細かく、短めの櫛歯26b〜26eを4列設けている。櫛歯26c〜26eの三列は、回転ブラシ21の外周の周方向で近接させて配置しており、ブラッシングの際、櫛歯26a、櫛歯26bは、それぞれ単独で用いられるのに対し、櫛歯26c〜26eは、同時に使用するようになっている。 又、本実施の形態では、回転ブラシ21の回転位置を図5に示すような位置にしたときに、櫛歯26の全てが、回転ブラシ収納室23内に収まるように、各櫛歯26を、回転ブラシ21のコアー21bの外周に配置している。
【0029】
なお、櫛歯26e、26d、26cからなるブラシ部は、通常のブラッシングに適したものである。また、櫛歯26bは特に毛の生え替わる時期などペットから抜ける毛が多い場合に適しており、さらに、櫛歯26aは溝の深さを2〜3mmとしたもので特にアンダーコートの除去に適している。
【0030】
27は、回転ブラシ21の軸21aの端部に固定されたダイヤルで、使用者は、このダイヤル27を回転させて、希望の櫛歯(26a又は26b又は、26c〜26eのいずれか)を開口部22から突出させることができるようになっている。
【0031】
28は、回転ブラシ21の軸21aに装着されたラチェット車で、外周の、櫛歯26a、26b及び26dのそれぞれに対応する位置に凹部28aが形成されている。
【0032】
29は、略中央部がケース右20aに回動自在に設けられ、一端に凹部28aと係脱する爪29aを有するラチェットで、バネ30により、爪29aが凹部28aに係合する方向に付勢されている。
【0033】
本実施の形態では、図3(b)に示すように、凹部28aの断面形状は、ラチェット車28が時計方向に回転するときは、ラチェット29の爪29aが、バネ30の付勢力に抗して容易に乗り上げるようになっているが、ラチェット車28が反時計方向に回ろうとすると、ラチェット29の爪29aが凹部28aに食い込んで回転できないようになっている。すなわち、ラチェット車28とラチェット29とで、回転ブラシ21の反時計方向への回転を阻止する回転規制手段31を形成している。尚、図3は、グルーミング用ブラシの裏面斜視図なので、通常の使用状態を示す図4においては、回転規制手段31は、回転ブラシ21の時計方向(櫛歯26が突出した状態で後から前に向かう方向)への回転を規制することになる。
【0034】
33は、ラチェット車28、ラチェット29、バネ30を覆うように、ケース右20aにねじ(図示せず)などで固定されるカバーである。
【0035】
34は、回転ブラシ収納室23の吸引口25の上縁25aの近傍に設けられ、櫛歯26に付着した毛を除去する梳き歯で、ケース右20aの側面に設けたダイヤル27を時計方向にまわして、すなわち、図4では、回転ブラシ21を反時計方向に回転させて、梳き歯34で櫛歯26を梳くことにより、櫛歯26に引っ掛かっていた毛を、梳き歯34の吸引口25側で除去するものである。
【0036】
35は、回転ブラシ収納室23の底面に設けた凹溝で、回転ブラシ収納室23の底面をグルーミングの皮膚に密着させたときに、外気と開口部22とを連通するためのものである。
【0037】
以上のように構成された本実施の形態におけるグルーミング用ブラシの動作、作用は、以下の通りである。
【0038】
最初に、ケース20の右側面に設けられたダイヤル27を時計方向に回して、つまり、図4では、回転ブラシ21を反時計方向にまわして犬などのペットの毛の状態に応じてブラッシングに適した櫛歯26(図4の例では、櫛歯26c〜26e)を開口部22から突出させ、電気掃除機のホース(図示せず)の先端を接続管24の後端に接続し、電気掃除機を運転しながら、接続管24の部分を握って、前から後ろにかけて(図4中で、X方向)、ペットの毛をブラッシングする。ブラシングの際抜けた毛は、櫛歯26の吸引口側に引っ掛けられと同時に、電気掃除機による吸引風で瞬時に吸引口25、接続管24、ホースを経て電気掃除機内の集塵室(図示せず)に至り、そこで集毛される。
【0039】
通常の使用状態では、ラチェット29の爪29aが、ラチェット車28の凹部28aに係合しているので、回転ブラシ21が回転することが無く、ペットのブラッシングを快適に行うことができる。
【0040】
抜ける毛が比較的少ない場合は、櫛歯26に抜けた毛が引っ掛かったまま残ることは無いが、毛代わりの時期等で毛が多量に抜けるときは、櫛歯26に引っ掛かった毛が吸引しきれず残る場合がある。そのときは、接続した電気掃除機を運転しながら、バネ30の付勢力に抗してダイヤル27を時計方向に回して、すなわち、回転ブラシ21を反時計方向に回して、櫛歯26(図4の例では、櫛歯26c〜26e)が梳き歯34を通過するようにする。そうすることにより、櫛歯26に残っていた毛が、梳き歯34の吸引口25側で除去され、瞬時に電気掃除機で吸引されるので、回転ブラシ収納室23内を常に清潔に保つことが出来る。
【0041】
以上のように本実施の形態によれば、梳き歯34が、吸引口25の上縁25a近傍に配されているので、電気掃除機による吸引力が梳き歯34で除去された毛に強力に作用すると共に、ダイヤル27を時計方向に回すだけで、櫛歯26に付着した毛が、梳き歯34の吸引口25側で梳かれるので、効率よく、しかも確実に電気掃除機によって吸引される。
【0042】
又、本実施の形態では、回転ブラシ21の外周に櫛歯26を5列配したにもかかわらず、ダイヤル27を回して、回転ブラシ21を図5に示すように位置まで回転させるだけで、全ての櫛歯26が回転ブラシ収納室23内に収まるので、収納スペース、包装スペースが少なくて済み、包装パッケージや運送のコストを低減することができる。
【0043】
又、ブラッシング中に、グルーミング用ブラシの底面がペットの皮膚に密着するようなことがあっても、凹溝35を通して外気が吸引されるので、開口部22がペットの皮膚に密着してグルーミング用ブラシの操作がやりづらくなったり、ペットに不快感を与えたりすることもない。
【0044】
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態におけるグルーミング用ブラシの断面図である。上記第1の実施の形態におけるグルーミング用ブラシと同一部分については、同一符号を用いてその説明を省略する。
【0045】
上記第1の実施の形態では、回転ブラシ21を、反時計方向にのみ回転できるようにし、櫛歯26に付着した毛を除去する梳き歯34を、吸引口25の上縁25a近傍に配したのに対し、本実施の形態では、図6に示すように、回転ブラシ21を時計方向(即ち、櫛歯が突出した状態で後から前へ向かう方向)にのみ回転できるように回転規制手段38を構成し、梳き歯34を吸引口25の下縁25bの近傍に配したものである。
【0046】
本実施の形態における回転規制手段38は、図6(b)に示すように、実施の形態1におけるラチェット車28と、ラチェット29とバネ30を、回転ブラシ21の軸21aとケース右1aにそれぞれ反転させて取り付けて構成している。
【0047】
本実施の形態では、ケース20の右側に配されたダイヤル27を反時計方向に回すことで、図6に示すように回転ブラシ21を時計方向に回して、櫛歯26を選択することになる。
【0048】
ペットのブラッシングのときの動作は、上記実施の形態1と同じなので説明は省略する。
【0049】
そして、毛が、櫛歯26c、26d、26eに引っ掛かったまま吸引されずに残った場合は、バネ30の付勢力に抗してダイヤル27を反時計方向に、すなわち、図6では、回転ブラシ21を時計方向に回して、櫛歯26を、梳き歯34で梳くことにより、櫛歯26に付着していた毛は、梳き歯34の吸引口25側から梳き取られ、瞬時に電気掃除機の吸引風で吸引される。
【0050】
特に、本実施の形態では、図6(c)に示すように、櫛歯26に引っ掛かった毛に対し反対方向から梳き歯34で梳くようになるので、櫛歯26に引っ掛かった毛を確実に除去することが出来るものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上のように、本発明にかかるグルーミング用ブラシは、簡単な操作で、回転ブラシに付着した毛を確実に除去することが出来るもので、床面を清掃する掃除機用吸込具などにも応用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1におけるグルーミング用ブラシの外観斜視図
【図2】同グルーミング用ブラシの裏面斜視図
【図3】(a)同グルーミング用ブラシの裏面斜視図(カバーを外した状態)、(b)同グルーミング用ブラシの回転規制手段の側面図
【図4】(a)同グルーミング用ブラシの断面図、(b)図4(a)のA矢視図、(c)図4(a)のB矢視図
【図5】同グルーミング用ブラシの断面図(櫛歯を回転ブラシ収納室内に収納した状態)
【図6】(a)本発明の実施の形態2におけるグルーミング用ブラシの断面図、(b)同グルーミング用ブラシの回転規制手段の側面図、(c)同グルーミング用ブラシの作用を示す図
【図7】(a)従来のグルーミング用ブラシの断面図、(b)同グルーミング用ブラシの側面図
【符号の説明】
【0053】
20 ケース
21 回転ブラシ
22 開口部
23 回転ブラシ収納室
24 接続管
25 吸引口
25a 上縁
26(26a〜26e) 櫛歯
27 ダイヤル
28 ラチェット車
29 ラチェット
31、38 回転規制手段
34 梳き歯
35 凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周長手方向に櫛歯を複数列有する回転ブラシと、前記回転ブラシを回転可能に収納し下方に開口部を有する回転ブラシ収納室と、前記回転ブラシ収納室の後壁に設けられ前記開口部と連通する吸引口と、前記吸引口に連通すると共に電気掃除機のホースに接続される接続管と、前記回転ブラシの櫛歯が突出した状態で後から前へ回転するのを規制する回転規制手段と、前記回転ブラシを回転させるためのダイヤルとを備え、前記櫛歯に付着した毛を除去する梳き歯を、前記吸引口の上縁近傍に配したグルーミング用ブラシ。
【請求項2】
外周長手方向に櫛歯を複数列有する回転ブラシと、前記回転ブラシを回転可能に収納し下方に開口部を有する回転ブラシ収納室と、前記回転ブラシ収納室の後壁に設けられ前記開口部と連通する吸引口と、前記吸引口に連通すると共に電気掃除機のホースに接続される接続管と、前記回転ブラシの櫛歯が突出した状態で前から後へ回転するのを規制する回転規制手段と、前記回転ブラシを回転させるためのダイヤルとを備え、前記櫛歯に付着した毛を除去する梳き歯を、前記吸引口の下縁近傍に配したグルーミング用ブラシ。
【請求項3】
回転ブラシの外周に櫛歯を少なくとも3種類配置し、前記回転ブラシが所定の回転位置にあるとき、前記櫛歯の全てが回転ブラシ収納室内に収まるようにした請求項1又は2に記載のグルーミング用ブラシ。
【請求項4】
回転ブラシ収納室の底面を皮膚に密着させたときに外気と開口部を連通する凹溝を前記回転ブラシ収納室の底面に設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載のグルーミング用ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−148398(P2009−148398A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328356(P2007−328356)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】