説明

ケーキ用ろうそく立て

【課題】ケーキにろうそくを立てる必要がなくかつろうそくの火を消した後はケーキの美観を損ねることなく取り除くことができるケーキ用ろうそく立てを提供する。
【解決手段】ケーキ用ろうそく立て1は、ろうそく立て部11によって囲まれるようにデコレーションケーキ40をケーキ載せ板10に載せるためのものであって、ケーキ載せ板10と、ケーキ載せ板10上に設けられた環状のろうそく立て部11と、ケーキ載せ板10が載せられる受け皿20とを具備する。ここで、ケーキ載せ板10の中央部の端からこの端と互いに対向する他の端に向けてこの他の端に達しない切れ目12が設けられており、ろうそく立て部11のケーキ載せ板10の上記端側には他の切れ目13が設けられている。また、ケーキ載せ板10の上記端側の切れ目12の両側には、第1および第2のつまみ14,15がそれぞれ設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーキ用ろうそく立てに関し、特に、誕生日などにデコレーションケーキを囲むようにしてろうそくを立てて祝う際に使用するのに好適なケーキ用ろうそく立てに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、誕生祝いなどを行う場合、デコレーションケーキに立てた数本のろうそくに火をつけて、誕生日などで祝ってもらう人が息を吹きかけてろうそくの火を消すことが行われている。
【0003】
このようなケーキに立てるろうそくに関連する先行技術として、下記の特許文献1には、雰囲気を十分に和らげることができるようにするために、ろうそく本体が所望の文字または図柄に形成されるとともに所望の色に着色され、ろうそく本体の下端からケーキなどに差し込み可能な串が突出され、ろうそく本体の上端から芯を突出させた装飾ろうそくを、所定のフレーズを表示可能に複数個有し、装飾ろうそくの、それぞれの串を差し込むことにより、装飾ろうそくを立てるための基台を有し、この基台に立てた装飾ろうそくを保護するために基台に着脱自在な透明カバーを取り付けた、装飾ろうそく及び装飾ろうそくセットが開示されている。
【0004】
なお、下記の特許文献2には、ケーキ箱の底板に取り付けられたケーキ止め具をワンタッチで極めて簡単に外せるケーキ箱の底板が開示されている。
【特許文献1】特開2004−35819号公報
【特許文献2】登録実用新案第3077482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、デコレーションケーキに立てたろうそくに火をつけると、ろうそくの蝋がデコレーションケーキに垂れ落ちてくるため、衛生上好ましくなかった。また、ろうそくの火を消してデコレーションケーキを切る前に、蝋が垂れたデコレーションケーキの表面をナイフなどで削って取り除くと、切り分けられたデコレーションケーキの表面が削れて、デコレーションケーキの美観を損ねるという問題もあった。
【0006】
本発明の目的は、ケーキにろうそくを立てる必要がなく、かつ、ろうそくの火を消した後はケーキの美観を損ねることなく取り除くことができるケーキ用ろうそく立てを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のケーキ用ろうそく立ては、ケーキ載せ板(10)と、該ケーキ載せ板(10)上に設けられた環状のろうそく立て部(11)とを具備し、該ろうそく立て部(11)によって囲まれるようにケーキを前記ケーキ載せ板(10)に載せるためのケーキ用ろうそく立てであって、前記ケーキ載せ板(10)の中央部の端から該端と互いに対向する他の端に向けて、該他の端に達しない切れ目(12)が設けられており、前記ろうそく立て部(11)の前記ケーキ載せ板(10)の前記端側に、他の切れ目(13)が前記切れ目(12)に沿って設けられていることを特徴とする。
ここで、前記ケーキ載せ板(10)の前記端側の前記切れ目(12)の両側に、第1および第2のつまみ(14,15)がそれぞれ設けられていてもよい。
前記ケーキ載せ板(10)が載せられる受け皿(20)をさらに具備してもよい。
前記切れ目(12)の代わりに、前記ケーキ載せ板(10)の前記端から前記他の端に向けて、該他の端に達しないミシン目が設けられていてもよい。
前記切れ目(12)の代わりに、前記ケーキ載せ板(10)の前記端から前記他の端に向けて、該他の端に達するミシン目が設けられていてもよい。
前記ケーキ載せ板(10)がプラスチック製であり、前記ろうそく立て部(11)が発泡スチロールを用いて構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明のケーキ用ろうそく立ては以下に示すような効果を奏する。
(1)ケーキにろうそくを立てる必要がないので、ろうそくに火をつけてもケーキに蝋が垂れ落ちてくることがなく、衛生的である。
(2)ケーキ載せ板にケーキを載せた状態でケーキ用ろうそく立てを取り除くことができるので、ろうそくの火を消した後でもケーキの美観を損ねることがない。
(3)ケーキ載せ板の下に受け皿を設けることにより、ケーキ用ろうそく立てを取り除いても、ケーキを受け皿で受け止めることができるので、この点からも衛生的である。
(4)ケーキ用ろうそく立ては使い捨てであるので、ろうそくの蝋などで汚れてもそのまま捨てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ケーキにろうそくを立てる必要がなく、かつ、ろうそくの火を消した後はケーキの美観を損ねることなく取り除くことができるという目的を、ケーキ載せ板の中央部の端からこの端と互いに対向する他の端に向けてこの他の端に達しない切れ目を設けるとともに、ケーキ載せ板上に、ケーキ載せ板の上記端側に他の切れ目が上記切れ目に沿って設けられた環状のろうそく立て部を設けることにより実現した。
【実施例1】
【0010】
以下、本発明のケーキ用ろうそく立ての実施例について図面を参照して説明する。
図1および図2は、本発明の一実施例によるケーキ用ろうそく立ての構成を説明するための図である。本実施例によるケーキ用ろうそく立て1は、プラスチック製の矩形状の薄いケーキ載せ板10と、ケーキ載せ板10上に設けられたかつ発泡スチロールからなるろうそく立て部11と、円形の受け皿20(図2参照)とを備える。
【0011】
ここで、図1に示すように、ろうそく立て部11の形状は円環状となっており、ろうそく立て部11の内径は、ろうそく立て部11で囲まれるように円柱形のデコレーションケーキが載せられるように、デコレーションケーキの直径よりも大きくされている。また、図2に示す円形の受け皿20の底部の直径も、円柱形のデコレーションケーキを受けられるように、デコレーションケーキの直径よりも大きくされている。
【0012】
ケーキ載せ板10の下辺の中央部から上辺の中央部に向けて、下辺から上辺に達しない切れ目12が設けられている。すなわち、ケーキ載せ板10には、ケーキ載せ板10の中央部の端からこの端と互いに対向する他の端に向けて、この端からこの他の端に達しない切れ目12が設けられている。なお、切れ目12は、好ましくは、ケーキ載せ板10の上辺の少なくとも1cm手前まで達している。
また、ろうそく立て部11のケーキ載せ板10の下辺側にも、他の切れ目13が切れ目12に沿って設けられている。すなわち、ろうそく立て部11のケーキ載せ板10の上記端側には、他の切れ目13が切れ目12に沿って(切れ目12上に)設けられている。
さらに、ケーキ載せ板10の下辺の切れ目12の両側には、第1および第2のつまみ14,15がそれぞれ設けられている。
【0013】
次に、ケーキ用ろうそく立て1の使用方法について図3から図5を参照して説明する。
ケーキ屋さんの店員は、誕生祝い用などの円柱形のデコレーションケーキ40を作ると、図3に示すように、受け皿20の上にケーキ載せ板10を載せたのち、出来上がったデコレーションケーキ40をケーキ載せ板10のろうそく立て部11で囲まれた部分に載せる。
その後、客がこのデコレーションケーキ40を購入すると、店員は、デコレーションケーキ40をケーキ載せ板10および受け皿20に載せたままケーキ箱に入れて、包装したのち、この客に引き渡す。
【0014】
この客は、家に帰って誕生祝いをするときには、ケーキ箱の包装を解いたのち、受け皿20を引っ張り出して、デコレーションケーキ40を受け皿20およびケーキ載せ板10に載せたままケーキ箱から取り出す。その後、図4に示すように、ケーキ載せ板10のろうそく立て部11に複数本のろうそく30を立てたのち、立てたろうそく30に火をつける。
これにより、火がついた複数本のろうそく30がデコレーションケーキ40の周囲に立てられるので、従来のデコレーションケーキ40に複数本のろうそく30を立てる場合と同様に、誕生祝いの雰囲気を醸し出すことができる。
また、ろうそく30に火をつけたのちにろうそく30から蝋が垂れ落ちても、蝋はろうそく立て部11に垂れ落ちるだけであり、デコレーションケーキ40には垂れ落ちることがないので、非常に衛生的である。
【0015】
その後、誕生日を祝ってもらう人が息を吹きかけてすべてのろうそく30の火を消すと、デコレーションケーキ40をナイフで切る際にろうそく立て11が邪魔にならないようにするために、ケーキ載せ板10は、以下のようにして、デコレーションケーキ40を載せたまま取り除かれる。
その場にいる一人が、ケーキ載せ板10の第1および第2のつまみ14,15を両手でそれぞれ掴んだのちに、左右に開く。このとき、ケーキ載せ板10の下辺には切れ目12が設けられており、また、ろうそく立て部11のケーキ載せ板10の下辺側にも切れ目13が設けられているが、ケーキ載せ板10の上辺には切れ目12が設けられていないため、ケーキ載せ板10は、図5に示すように、その上辺の中心部を扇の要として扇状に左右に引き離される。これにより、デコレーションケーキ40を載せたままでもケーキ載せ板10を簡単に取り除くことができる。また、ケーキ載せ板10を取り除くと、デコレーションケーキ40は受け皿20に落ちる。
【0016】
なお、本発明者の実験では、初めからケーキ載せ板を2つに分けておき、2つのケーキ載せ板を左右に開いて取り除いた場合には、デコレーションケーキ40がケーキ載せ板のどちらか一方に載ったままとなり、ケーキ載せ板を完全に取り除くことができないことがあったが、本実施例のケーキ載せ板10のように、扇状に左右に引き離して取り除いた場合には、ケーキ載せ板を取り除くことができないことはなかった。
【0017】
以上のように、本実施例によるケーキ用ろうそく立て1では、ケーキ載せ板10にデコレーションケーキ40を載せたままでケーキ載せ板10を取り除くことができるので、デコレーションケーキ40の美観を損ねることがない。
また、ケーキ載せ板10の下に受け皿20を設けることにより、ケーキ載せ板10を取り除いても、デコレーションケーキ40を受け皿20で受け止めることができるので、この点からも衛生的である。
さらに、ケーキ載せ板10は使い捨てであるため、ろうそく30の蝋などで汚れてもそのまま捨てることができる。
【0018】
以上説明では、切れ目12は、図1に示すように、ケーキ載せ板10の下辺から設けたが、下辺から1cm以内は、切れ目12を設けなくてもよいし、切れ目12の代わりにミシン目としてもよい。これにより、ケーキ載せ板10の下辺のこの部分がずれたりすることを防ぐことができる。
また、ケーキ載せ板10をプラスチック製としたが、紙製としてもよい。
さらに、ケーキ載せ板10を矩形状としたが、円形状としてもよい。この場合には、円形状のケーキ載せ板の中央を通る線の端からこの端と互いに対向する他の端に向けて、この他の端に達しない切れ目を設ければよい。
さらに、ケーキ載せ板10には、切れ目12の代わりにミシン目を設けてもよい。この場合には、ミシン目は、ケーキ載せ板10の下辺(端)から上辺(他の端)に向けて、上辺(他の端)に達するように設けてもよい。
【0019】
ろうそく立て部11は発泡スチロールを用いて作られたが、ろうそくを手で差し込めて立てられるものであれば、発泡スチロール以外のもの(たとえば、スタイロフォームなど)でもよい。また、ろうそく立て部11には、ケーキ載せ板10の下辺側に他の切れ目13を切れ目12に沿って設けたが、ケーキ載せ板10の上辺側に更に他の切れ目を切れ目12に沿って設けてもよい。さらに、ろうそく立て部11にろうそくを差し込むための孔を予め形成しておいてもよい。この場合には、ろうそく立て部11を構成する材料は、ろうそくを手で差し込めて立てられるものでなくてもよい。なお、発泡スチロールなどの場合には、ろうそくを差し込む角度や立てられる本数に制限がないので、その素材の特徴を最大限に活かすことができる。
また、ろうそく立て部11の形状は円環状としたが、たとえばハート形の環状として、結婚祝いなどの場合に、複数本のろうそくを立てたときの雰囲気をさらに醸し出せるようにしてもよい。また、ろうそく立て部11の形状は、載せるケーキの形状に合わせたものでよく、たとえば矩形のデコレーションケーキ用とする場合には、矩形の環状としてもよい。この場合には、矩形の短辺ではなく長辺に平行に切れ目12などを設けた方がよい。
【0020】
ケーキ載せ板10を取り除いた後に、たとえばケーキ箱の底板でケーキを受ければよい場合には、受け皿20はなくてもよい。
また、ケーキ載せ板10に第1および第2のつまみ14,15を設けたが、第1および第2のつまみ14,15を設けずに、ケーキ載せ板10の下辺の中心部の両側に、たとえば「ここから左右に開く」というような注意書きを印刷などしておいてもよい。
【0021】
たとえば上記の特許文献2に開示されているようなケーキ止め具をケーキ箱の底板に設ける場合には、ケーキの底面に突き刺すケーキ止め具の爪がケーキ載せ板10の切れ目12を通るようにしておけばよい。
【0022】
本発明によるケーキ用ろうそく立てでは、ケーキ屋さんは、自分の店のケーキのデザインを損なうことなく、むしろ美しく見せることが可能になることで、専用のろうそくを店で販売することもできる。現在は、店によってはろうそくを無料でもらうこともできるが、もらえるろうそくの種類はある程度決まっているため、ケーキのイメージに合ったろうそくを販売することで、他店との差別化を図ることができる。
また、本発明によるケーキ用ろうそく立ては、単品で、または、専用のろうそくとセットで、ケーキと独立した形で商品化することもできる。
さらに、ろうそく立て部11には、ろうそく30だけでなく、たとえば「誕生日おめでとう」と書かれたプレートなどの飾りなどを刺してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明のケーキ用ろうそく立ては、たとえばデコレーションケーキと一緒にケーキ箱に入れて販売する際に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例によるケーキ用ろうそく立ての構成を説明するための図である。(実施例1)
【図2】本発明の一実施例によるケーキ用ろうそく立ての構成を説明するための図である。(実施例1)
【図3】図1に示したケーキ用ろうそく立て1の使用方法を説明するための図である。(実施例1)
【図4】図1に示したケーキ用ろうそく立て1の使用方法を説明するための図である。(実施例1)
【図5】図1に示したケーキ用ろうそく立て1の使用方法を説明するための図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0025】
1 ケーキ用ろうそく立て
10 ケーキ載せ板
11 ろうそく立て部
12,13 切れ目
14,15 つまみ
20 受け皿
30 ろうそく
40 デコレーションケーキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーキ載せ板(10)と、該ケーキ載せ板(10)上に設けられた環状のろうそく立て部(11)とを具備し、該ろうそく立て部(11)によって囲まれるようにケーキを前記ケーキ載せ板(10)に載せるためのケーキ用ろうそく立てであって、
前記ケーキ載せ板(10)の中央部の端から該端と互いに対向する他の端に向けて、該他の端に達しない切れ目(12)が設けられており、
前記ろうそく立て部(11)の前記ケーキ載せ板(10)の前記端側に、他の切れ目(13)が前記切れ目(12)に沿って設けられている、
ことを特徴とする、ケーキ用ろうそく立て。
【請求項2】
前記ケーキ載せ板(10)の前記端側の前記切れ目(12)の両側に、第1および第2のつまみ(14,15)がそれぞれ設けられていることを特徴とする、請求項1記載のケーキ用ろうそく立て。
【請求項3】
前記ケーキ載せ板(10)が載せられる受け皿(20)をさらに具備することを特徴とする、請求項1または2記載のケーキ用ろうそく立て。
【請求項4】
前記切れ目(12)の代わりに、前記ケーキ載せ板(10)の前記端から前記他の端に向けて、該他の端に達しないミシン目が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載のケーキ用ろうそく立て。
【請求項5】
前記切れ目(12)の代わりに、前記ケーキ載せ板(10)の前記端から前記他の端に向けて、該他の端に達するミシン目が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載のケーキ用ろうそく立て。
【請求項6】
前記ケーキ載せ板(10)がプラスチック製であり、
前記ろうそく立て部(11)が発泡スチロールを用いて構成されている、
ことを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載のケーキ用ろうそく立て。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−131253(P2006−131253A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−321377(P2004−321377)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【特許番号】特許第3633929号(P3633929)
【特許公報発行日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(304056316)
【Fターム(参考)】