説明

ケーシングパネル及びその接合構造

【課題】 パネル自体の形状を変えることなく、パネルの強度を増大でき、構成部材の削減を図ること。
【解決手段】 一対の表面板11と、これら表面板11の縁部間に介在される枠材12とを具備するケーシングパネルにおいて、枠材12に、外方端面に補強部材兼用の継手部材20Aの挿入用の嵌合溝14を形成すると共に、少なくとも表面板11と当接する部位に補強部材22の挿入用の中空部18を形成することにより、パネル1自体の形状を変えることなく、パネル1の強度を増大することができ、構成部材の削減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はケーシングパネル及びその接合構造に関するもので、更に詳細には例えばクリーンルームの空気調和機の空気設備機器類を収容するケーシング用パネル及びその接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、クリーンルームでは、空気調和機によって生成された所定の温度や湿度に調整された清浄空気を循環供給して絶えずクリーンルーム内を所定の雰囲気のクリーンな状態にしている。そのため、クリーンルームの外部に空気調和機を構成する例えばファン,熱交換器,フィルタ,ヒーター及び加湿器等の空気設備機器類を配置する必要があると共に、これら空気設備機器類を大気中の塵埃等や温度及び湿度等の雰囲気から保護するために箱状に形成されたケーシング内に収容させる必要がある。このケーシングは、陰圧や陽圧等の耐圧力,耐熱性,断熱性,耐薬品性,抗菌性,耐候性,耐腐食性あるいは水洩れ対策、更には組立・分解性等を満足するものが好適とされている。
【0003】また、上記ケーシングは、収容する空気設備機器の種類や大きさ等に応じて種々の大きさが必要となるため、従来では一対の表面板間に断熱性心材を充填する共に、表面板の縁部間に枠材を介在した断熱性パネルを接合してケーシングを組み立てている。この場合、従来のケーシングパネルは、図13に示すように、例えばアルミニウム合金製の板材からなる一対の表面板a,aの間に例えば発泡ポリウレタン等の断熱性心材bを充填すると共に、表面板aの縁部間に例えば合成樹脂製の枠材cを介在してなる。そして、枠材cに設けられた嵌合凹条d及び嵌合凸条eを互いに嵌合させて接合するか、あるいは、図14に示すように、接合するパネルの嵌合凹条dと嵌合凸条e間にパッキング部材fを介して接合すると共に、ケーシングを骨組み用のアングル状フレームgに固定ねじhをもってパネルを固定し、かつアングル状フレームg同士を連結ボルトi及びナットjをもって締結して接合するか、更には、図15に示すように、アングル状フレームgに代えてチャンネル状のフレームkを介して両パネルを接合している。なお、両パネルの目地部にはコーキング材lが充填されて気水密の維持が図られている。
【0004】また、パネル同士を直角に接合する場合には、図16に示すように、パネルを直角に接合して、両パネルの内方隅角部にアングル状フレームgを当接して固定ねじhをもって両パネルを固定している。また、側壁側のパネルを床部に取り付けるには、図17に示すように、床部材mを支持するチャンネル状の基礎フレームnとパネルの下部とにアングル状フレームgを当接して、固定ねじhをもって固定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のこの種のケーシングパネルにおいては、図14ないし図1717に示すように、アングル状フレームgやチャンネル状フレームkを用いて接合して耐圧性を得る構造であるため、フレームg,kの枠組みとパネルの組付け工程とを別々に行う必要があり、施工に多くの時間及び労力を要するという問題があった。また、パネルをフレームg,kにねじ止めするため、予めパネル内にナットあるいは受座o(図14〜図17参照)を埋設する必要があり、そのためパネルの成形が面倒であった。また、パネルが薄肉である場合には、フレームg,kの大きさを変化させなければならないため、部品点数が増加する等の問題もあった。更には、ケーシング内にフレームが突出した状態で露出するので、ケーシング内のスペースが狭くなるばかりか、空気設備機器類の保守・点検時の作業に支障をきたす虞れもある。
【0006】この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、パネル自体の形状を変えることなく、必要に応じて補強することができ、また、ケーシングの骨組み用フレームの突出を可及的に少なくすることができ、また、構成部材の削減を図れるようにしたケーシングパネル及びその接合構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルにおいて、 上記枠材は、外方端面に補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも上記表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成してなる、ことを特徴とする。
【0008】この発明において、上記嵌合溝は枠材の外方端面に開口して形成されるものであればその形状は任意でよく、例えば直状、あるいは、枠材の外方端に開口する第1の溝部と、この第1の溝部に略直角に連通する第2の溝部とからなる形状のものであってもよい(請求項2)。
【0009】また、上記枠材の表面板と当接する部位の外方側に凹状段部を形成してもよい(請求項3)。この凹状段部はパネルの一方の表面板側あるいは両方の表面板側のいずれに設けてもよい。
【0010】また、上記中空部は、少なくとも1つが表面板と当接する部位に形成されていれば複数設けてもよく、表面板と当接する部位以外の中空部は任意の位置に設けることができる。また、上記凹状段部を設けた場合には、枠材の表面板と当接する部位と凹状段部に沿う部位にクランク状の中空部を形成する方が好ましい(請求項4)。
【0011】また、上記表面板及び枠材の材質は任意でよいが、好ましくは、表面板間に断熱性心材を充填し、枠材を合成樹脂製部材にて形成する方がよい(請求項5)。
【0012】また、請求項6記載の発明は、一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルの接合構造において、 上記枠材に、外方端面に補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも上記表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成し、 上記嵌合溝内に補強部材兼用の継手部材を挿入嵌合して2枚のケーシングパネルを接合し、必要に応じて上記中空部内に補強部材を挿入してなる、ことを特徴とする。
【0013】また、請求項7記載の発明は、一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルの接合構造において、 上記枠材に、外方端に開口する第1の溝部と、この第1の溝部に略直角に連通する第2の溝部とからなる補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも上記表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成し、 上記嵌合溝内にチャンネル状の補強部材兼用の継手部材を挿入嵌合して2枚のケーシングパネルを接合し、必要に応じて上記中空部内に補強部材を挿入してなる、ことを特徴とする。
【0014】また、請求項8記載の発明は、一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルの接合構造において、 上記枠材に、外方端に補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも上記表面板と当接する部位の外方側に凹状段部を形成し、 上記枠材の表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成し、 上記嵌合溝内に補強部材兼用の継手部材を挿入嵌合して2枚のケーシングパネルを接合し、 上記凹状段部内に連結部材を挿入すると共に、この連結部材を貫通する固定ねじ部材を上記中空部内に挿入される補強部材に締結してなる、ことを特徴とする。
【0015】また、請求項9記載の発明は、一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルの接合構造において、 上記枠材に、外方端に開口する第1の溝部と、この第1の溝部に略直角に連通する第2の溝部とからなる補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも上記表面板と当接する部位の外方側に凹状段部を形成し、 上記枠材の表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成し、 上記嵌合溝内にチャンネル状の補強部材兼用の継手部材を挿入嵌合して2枚のケーシングパネルを連結し、 上記凹状段部内に連結部材を挿入すると共にし、この連結部材を貫通する固定ねじ部材を上記中空部内に挿入される補強部材に締結してなる、ことを特徴とする。
【0016】また、請求項10記載の発明は、一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルの接合構造において、 上記枠材に、上記表面板と当接する部位の外方側に凹状段部を形成すると共に、表面板と当接する部位及び凹状段部に沿う部位にクランク状の補強部材挿入用の中空部を形成し、 接合するパネルの一方の枠材に設けられた上記凹状段部に他方のパネルの端部を当接して直角に接合し、 上記両パネルの一方の凹状段部内にアングル状連結部材を挿入して両パネル間にこの連結部材を当接し、この連結部材を貫通する固定ねじ部材を上記中空部内に挿入される補強部材に締結してなる、ことを特徴とする。
【0017】上記のように構成されるこの発明によれば、枠材は、外方端面に補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成するので、嵌合溝内に補強部材兼用の継手部材を挿入嵌合することによりパネル同士を接合することができる。また、中空部内に補強部材を挿入することでパネルに強度を持たせることができるので、枠材の形状を変えることなくパネルに強度を持たせることができる。
【0018】また、表面板と当接する部位の外方側に凹状段部を形成し、接合される両パネルの凹状段部内に連結部材を挿入すると共に、この連結部材を貫通する固定ねじ部材を中空部内に挿入される補強部材に締結することにより、連結部材の突出量を少なくすることができ、ケーシング内のスペースを広くすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】図1はこの発明に係るケーシングパネルを空気調和機の空気設備機器を収容するケーシングに使用した状態の一部断面斜視図、図2はケーシングパネルの一形態を示す断面図である。
【0021】上記ケーシングは、複数のケーシングパネル1を直状あるいは直角に接合して略直方体に形成される本体2の一端側上面に空気取入れ口3を設け、他端には空気吹出し口4を設けてなる。このケーシング内にはフィルタ5,ファン6,熱交換器7等の空気設備機器類が収容されており、空気取入れ口3からケーシング本体2内に供給された空気を清浄化すると共に、所定の温度及び湿度に調整して空気吹出し口4から図示しないクリーンルームに供給し得るように構成されている。
【0022】上記ケーシングパネル1(以下にパネルという)は、図2に示すように、一対の表面板11と、これら表面板11の縁部例えば四周間に介在される枠材12と、両表面板11と枠材12とで形成される空間内に充填される断熱性心材13とで構成されている。この場合、表面板11は例えばアルミニウム合金製の板部材にて形成され、枠材12は木粉を混入した塩化ビニール等の合成樹脂製部材にて形成されている。また、断熱性心材13は、例えば発泡ポリウレタン等の発泡性合成樹脂にて形成されている。このように枠材を合成樹脂製部材にて形成し、表面板11間に断熱性心材13を充填させることによりパネル1に断熱性を持たせることができる。
【0023】また、上記枠材12は、図2及び図3に示すように、断面略コ字状に形成されており、外方端面に嵌合溝14が開口して設けられ、表面板11の縁部を支持する当接片15にはそれぞれ表面板11の縁部に折曲された折曲片11aを嵌挿する挿入溝16が設けられている。また、一方の当接片15(図2における下側)の外方側には凹状段部17が設けられており、表面板11と当接する当接片15の部位と凹状段部17に沿う部位にクランク状の中空部18が形成されている。
【0024】また、上記嵌合溝14は、枠材12の外方端面に開口する直状の第1の溝部14aと、この第1の溝部14aに略直角に連通する第2の溝部14bとで構成されている。この場合、第2の溝部14bは第1の溝部14aから一方(図2おける上方側)に向かって設けられているが、反対側に設けてもよく、あるいは両側に向かって設けてもよい。このように形成される嵌合溝14を挟んで両側には補助中空部19a,19bが設けられている。
【0025】上記のように構成されるパネル1を接合するには、例えば図4に示すように、接合する両パネル1,1の嵌合溝14内に例えば鋼製の直状をなす補強部材兼用の継手部材20を挿入嵌挿して両パネル1,1を接合すると共に、パネル1,1間の目地部にコーキング材21を充填する。この場合、図面では凹状段部17と反対側の目地部にコーキング材21を充填しているが、凹状段部17側の目地部も同様にコーキング材21を充填する方が好ましい。
【0026】また、上記直状の継手部材20に代えてチャンネル状をなす補強部材兼用の継手部材20Aを両パネル1,1の嵌合溝14内に挿入嵌合して両パネル1,1を接合すると共に、両パネル1,1の目地部にコーキング材21を充填してパネル1,1を接合することにより、更に接合部を強固にすることができる(図5参照)。更に、図6に示すように、クランク状中空部18内に例えば鋼製の補強部材22を挿入することにより、パネル自体及び接合部に強度を持たせることができる。この場合、図示しないが、補助中空部19a,19b内に補強部材を挿入することにより、更に強度を持たせることができる。
【0027】また、パネル1をケーシングの骨材に取り付けるには、図7に示すように、接合する両パネル1,1の嵌合溝14内に例えばチャンネル状の上記継手部材20Aを挿入嵌合して接合し、クランク状中空部18内に補強部材22を挿入し、そして、両パネル1,1の凹状段部17内に骨材例えば鋼製のチャンネル状連結部材23を挿入すると共に、この連結部材23を貫通する固定ねじ24(固定ねじ部材)を補強部材22に締結させて両パネル1,1を接合固定する。この場合、固定ねじ24は例えばステンレス鋼製の六角ねじにて形成されている。なお、両パネル1,1の目地部の他に連結部材23とパネル1との間にもコーキング材21が充填されている。
【0028】このように、枠材12に設けられた凹状段部17内に連結部材23を挿入し、この連結部材23を貫通する固定ねじ24を補強部材22に締結することにより、両パネル1,1を強固にケーシングの骨材すなわち連結部材23に取り付けることができる。また、凹状段部17内に連結部材23が挿入されるので、ケーシング内への突出部を少なくすることができると共に、ケーシング内のスペースを広くすることができる。したがって、ケーシング内への空気設備機器類の収容を容易にすることができる共に、これら空気設備機器の保守・点検時の作業者の保守作業を容易にすることができる。
【0029】また、パネル1を床部に取り付けるには、図8及び図9に示すように、床部材25を支持する例えばアルミニウム合金製押出形材にて形成されるチャンネル状ベース部材26の上部片26aと垂直に起立されたパネル1の枠材12に設けられた凹状段部17とにアングル状連結部材23Aを挿入し、アングル状連結部材23Aを貫通する固定ねじ24をクランク状中空部18内に挿入された補強部材22に締結すると共に、アングル状連結部材23Aとチャンネル状ベース部材26とを固定ボルト27a及びナット27bにて締結すればよい。このように、凹状段部17内にアングル状連結部材23Aを挿入して側壁側パネル1を取り付けることができるので、施工が容易な上、施工時の精度の向上を図ることができる。
【0030】なおこの場合、固定ねじ24,固定ボルト27a及びナット27bは、共にステンレス鋼製部材にて形成されている。また、床部材25もステンレス鋼製板部材にて形成され、ベース部材26の表面には例えばウレタン発泡のコーティング28が施されて、耐腐食性の維持が図られている。なお、床部材25の一部に水抜き孔(図示せず)が設けられており、この水抜き孔に連通する排水管29により、ケーシング内に溜まった結露水等を外部に排出し得るように構成されている(図1参照)。
【0031】一方、パネル1,1を直角に接合するには、図10に示すように、接合する天井側パネル1の凹状段部17内に側壁側パネル1の端部を直角に当接させて天井側のパネル1を貫通する連結ねじ30を側壁側パネル1に締結して両パネル1,1を接合する一方、天井側パネル1の当接片15と側壁側パネル1の凹状段部17内にアングル状連結部材23Aを当接し、連結部材23Aの各片23a,23aを貫通する固定ねじ24をそれぞれ中空部18内に挿入された補強部材22に締結して、天井側パネル1と側壁側パネル1を直角状に接合することができる。なおこの場合、両パネル1,1の外側の目地部にコーキング材21が充填されると共に、両パネル1,1の内方側の目地部及びアングル状連結部材23Aの両端とパネル1との間にそれぞれコーキング材21が充填されて気水密の維持が図られている。また、天井側パネル1の枠材12の外方端部には、例えばアルミニウム合金製の化粧板31が装着されている。
【0032】上記のように、側壁側パネルと天井側パネルを同一形状の枠材12を具備するパネルにて兼用することができるので、枠材12の種類を少なくすることができ、必要に応じて中空部18内に補強材を挿入して所望の強度を持たせることができる。
【0033】なお、上記実施形態では、枠材12の一方の当接片15の外方側に凹状段部17を設けた場合について説明したが、凹状段部17は必ずしも一方側である必要はなく、図11に示すように、両当接片15の外方側に設けてもよい。このように、凹状段部17を両当接片15の外方側に設けることにより、接合するパネル1の両側に連結部材23を取り付け、連結部材23を貫通する固定ねじ24を中空部18内に挿入される補強部材22に締結することができ、更に強固な接合構造とすることができる。
【0034】また、上記実施形態では、枠材12に凹状段部を設けた場合について説明したが、必ずしも凹状段部17を設ける必要はなく、図12に示すように、少なくとも一方の当接片15の部位に中空部18を設けた構造としてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれば、以下のようなに優れた効果が得られる。
【0036】1)枠材は、外方端面に補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成するので、中空部内に補強部材を挿入することでパネルに強度を持たせることができ、枠材の形状を変えることなくパネルを容易に製作することができる。しかも、中空部内に挿入される補強部材によって強度を持たせることができるので、製作に左右されずに強度を出すことができる。また、補強部材兼用の継手部材と中空部内の補強部材、連結部材を適当に選択して組合せ使用することにより所望のパネル強度を出すことができる。
【0037】2)表面板と当接する部位の外方側に凹状段部を形成し、接合される両パネルの凹状段部内に連結部材を挿入すると共に、この連結部材を貫通する固定ねじ部材を中空部内に挿入される補強部材に締結することにより、連結部材の突出量を少なくすることができ、ケーシング内のスペースを広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るケーシングパネルを空気調和機に使用した状態の一部断面斜視図である。
【図2】この発明に係るケーシングパネルの一形態を示す断面図である。
【図3】この発明における枠材の一例を示す断面斜視図である。
【図4】ケーシングパネルの接合構造の第一実施形態を示す断面図である。
【図5】ケーシングパネルの接合構造の第二実施形態を示す断面図である。
【図6】ケーシングパネルの接合構造の第三実施形態を示す断面図である。
【図7】ケーシングパネルの接合構造の第四実施形態を示す断面図である。
【図8】側壁部を構成するケーシングパネルの概略斜視図である。
【図9】上記側壁側ケーシングパネルの床側取付け状態を示す断面図である。
【図10】上記側壁側ケーシングパネルと天井側ケーシングパネルの接合構造を示す断面図である。
【図11】この発明における枠材の別の形態を示す断面図である。
【図12】上記枠材の更に別の形態を示す断面図である。
【図13】従来のケーシングパネルの接合構造の一例を示す断面図である。
【図14】従来のケーシングパネルの別の接合構造を示す断面図である。
【図15】従来のケーシングパネルの更に別の接合構造を示す断面図である。
【図16】従来のケーシングパネルの側壁部と天井部の接合構造を示す断面図である。
【図17】従来のケーシングパネルの側壁部と床部の接合構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシングパネル
11 表面板
12 枠材
13 断熱性心材
14 嵌合溝
14a 第1の溝部
14b 第2の溝部
17 凹状段部
18 クランク状中空部
19a,19b 補助中空部
20,20A 補強部材兼用の継手部材
22 補強部材
23,23A 連結部材
24 固定ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルにおいて、上記枠材は、外方端面に補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも上記表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成してなる、ことを特徴とするケーシングパネル。
【請求項2】 請求項1記載のケーシングパネルにおいて、上記嵌合溝は、枠材の外方端に開口する第1の溝部と、この第1の溝部に略直角に連通する第2の溝部とからなる、ことを特徴とするケーシングパネル。
【請求項3】 請求項1又は2記載のケーシングパネルにおいて、上記枠材の表面板と当接する部位の外方側に凹状段部を形成してなる、ことを特徴とするケーシングパネル。
【請求項4】 請求項3記載のケーシングパネルにおいて、上記枠材の表面板と当接する部位と凹状段部に沿う部位にクランク状の中空部を形成してなる、ことを特徴とするケーシングパネル。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のケーシングパネルにおいて、上記表面板間に断熱性心材を充填し、上記枠材を合成樹脂製部材にて形成してなる、ことを特徴とするケーシングパネル。
【請求項6】 一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルの接合構造において、上記枠材に、外方端面に補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも上記表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成し、上記嵌合溝内に補強部材兼用の継手部材を挿入嵌合して2枚のケーシングパネルを接合し、必要に応じて上記中空部内に補強部材を挿入してなる、ことを特徴とするケーシングパネルの接合構造。
【請求項7】 一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルの接合構造において、上記枠材に、外方端に開口する第1の溝部と、この第1の溝部に略直角に連通する第2の溝部とからなる補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも上記表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成し、上記嵌合溝内にチャンネル状の補強部材兼用の継手部材を挿入嵌合して2枚のケーシングパネルを接合し、必要に応じて上記中空部内に補強部材を挿入してなる、ことを特徴とするケーシングパネルの接合構造。
【請求項8】 一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルの接合構造において、上記枠材に、外方端に補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも上記表面板と当接する部位の外方側に凹状段部を形成し、上記枠材の表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成し、上記嵌合溝内に補強部材兼用の継手部材を挿入嵌合して2枚のケーシングパネルを連結し、上記凹状段部内に連結部材を挿入すると共に、この連結部材を貫通する固定ねじ部材を上記中空部内に挿入される補強部材に締結してなる、ことを特徴とするケーシングパネルの接合構造。
【請求項9】 一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルの接合構造において、上記枠材に、外方端に開口する第1の溝部と、この第1の溝部に略直角に連通する第2の溝部とからなる補強部材兼用の継手部材挿入用の嵌合溝を形成すると共に、少なくとも上記表面板と当接する部位の外方側に凹状段部を形成し、上記枠材の表面板と当接する部位に補強部材挿入用の中空部を形成し、上記嵌合溝内にチャンネル状の補強部材兼用の継手部材を挿入嵌合して2枚のケーシングパネルを連結し、上記凹状段部内に連結部材を挿入すると共に、この連結部材を貫通する固定ねじ部材を上記中空部内に挿入される補強部材に締結してなる、ことを特徴とするケーシングパネルの接合構造。
【請求項10】 一対の表面板と、これら表面板の縁部間に介在される枠材とを具備するケーシングパネルの接合構造において、上記枠材に、上記表面板と当接する部位の外方側に凹状段部を形成すると共に、表面板と当接する部位及び凹状段部に沿う部位にクランク状の補強部材挿入用の中空部を形成し、接合するパネルの一方の枠材に設けられた上記凹状段部に他方のパネルの端部を当接して直角に接合し、上記両パネルの一方の凹状段部内にアングル状連結部材を挿入して両パネル間にこの連結部材を当接し、この連結部材を貫通する固定ねじ部材を上記中空部内に挿入される補強部材に締結してなる、ことを特徴とするケーシングパネルの接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図13】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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