説明

ケーブル収納構造

【課題】 光ドロップケーブルをドロップクロージャから簡単かつ円滑に引き出し、作業効率を向上させる。
【解決手段】 光ドロップケーブル12を、巻付けバー14a,14b,14c,14dに、巻付けバー14b,14cの中間部位18で交差するように、襷掛け状(8の字状)に巻き付けて収納する。これにより、引出し時には、収納された光ドロップケーブル12の下流側端部を、外方に引っ張るのみで、例えば、コイル状の変形を伴うことなく、巻取りが自然に解けて、光ドロップケーブル12を、簡単かつ円滑に引き出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、光ドロップケーブルの余長部分を、引落し用のドロップクロージャに収納するためのケーブル収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、光ファイバを加入者の建物に配線するFTTH(Fiber To The Home)では、例えば、電柱間の架空に敷設された多心光ファイバケーブルから、引落し用のドロップクロージャ内で、所望の心数(例えば、1心又は2心)の光ドロップケーブルに接続して光ファイバを分配している(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。例えば、道路整備で、光ドロップケーブルが共架された電柱が移設されたときは、これに伴って光ドロップケーブルも移設される。光ドロップケーブルが余長を有していない場合には、張替えが必要となり、材料費や工費が嵩んでしまう。このため、ドロップクロージャから光ドロップケーブルを引き出す際に光ドロップケーブルの余長が必要となる場合には、引き出した光ドロップケーブル毎に、ドロップクロージャの下方に、余長を配置している。
【0003】
しかしながら、光ドロップケーブルは、通常のケーブルに比べて、構造上外部要因による影響を受け易く、例えば、台風襲来時の強風による飛散物により損傷を受ける。また、光ドロップケーブル毎にその余長はばらばらで美観を損ねている。このため、例えば、光ドロップケーブルの余長部分を巻き取って、ドロップクロージャ内に収納する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−92332号公報
【特許文献2】特開2005−107014号公報
【特許文献3】特開2006−195498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術においては、ドロップクロージャから光ドロップケーブルの余長部分を引き出す際に、このまま光ドロップケーブルを引っ張ると、光ドロップケーブルは、伸びたコイル状に変形してしまう。このため、巻取りを解く際に、光ドロップケーブルがねじれないように(「より」が発生しないように)整形しながら引き出さなければならないので、手間と時間がかかってしまうという問題がある。また、仮に、光ドロップケーブルを誤って強く引っ張ってしまうと、ねじれた状態(「より」が発生した状態)で光ドロップケーブルに無理な力が加わることとなり、光ドロップケーブルを損傷させてしまう。
【0006】
この発明は、前記の課題を解決し、光ドロップケーブルをドロップクロージャ(収納容器)から簡単かつ円滑に引き出すことができ、作業効率を向上させることができるケーブル収納構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、ケーブルを収納容器内に引出可能に収納するためのケーブル収納構造であって、前記収納容器には、前記ケーブルを巻き付けるための第1の巻付け部と第2の巻付け部とが設けられ、前記ケーブルは、該ケーブルの上流側から下流側へ向かう順方向が、第1の周回方向となるように、前記第1の巻付け部に巻き付けられ、かつ、前記順方向が、前記第1の周回方向と反対の第2の周回方向となるように、前記第2の巻付け部に巻き付けられるとともに、前記順方向に沿って、前記第1の巻付け部に単数回巻き付けられた後、前記第2の巻付け部に単数回巻き付けられ、又は/及び前記第2の巻付け部に単数回巻き付けられた後、前記第1の巻付け部に単数回巻き付けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、ケーブルは、上流側から下流側へ向かう順方向が、第1の周回方向となるように、第1の巻付け部に巻き付けられ、かつ、順方向が、第1の周回方向と反対の第2の周回方向となるように、第2の巻付け部に巻き付けられるとともに、順方向に沿って、第1の巻付け部に単数回巻き付けられた後、第2の巻付け部に単数回巻き付けられ、又は/及び第2の巻付け部に単数回巻き付けられた後、第1の巻付け部に単数回巻き付けられている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のケーブル収納構造であって、前記第1の巻付け部及び前記第2の巻付け部は、ともに前記収納容器の載置部に、折り畳まれて伏臥可能なように設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明は、ケーブルを収納容器内に引出可能に収納するためのケーブル収納構造であって、前記収納容器には、前記ケーブルを巻き取るための巻取り部が設けられ、前記巻取り部は、屈曲された前記ケーブルの屈曲部が保持される保持部と、屈曲されて二重とされた前記ケーブルが巻き取られる周縁部とを有し、前記ケーブルは、前記屈曲部が前記保持部に保持された状態で前記巻取り部が回転することによって二重とされて前記周縁部に巻き取られていることを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明では、ケーブルは、屈曲部が保持部に保持された状態で巻取り部が回転することによって二重とされて周縁部に巻き付けられている。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1、2又は3に記載のケーブル収納構造に係り、積層された複数の前記収納容器に、前記ケーブルが収納されていることを特徴とことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、ケーブルは、順方向が、第1の周回方向となるように、第1の巻付け部に巻き付けられ、かつ、第1の周回方向と反対の第2の周回方向となるように、第2の巻付け部に巻き付けられるとともに、順方向に沿って、第1の巻付け部に単数回巻き付けられた後、第2の巻付け部に単数回巻き付けられ、又は/及び第2の巻付け部に単数回巻き付けられた後、第1の巻付け部に単数回巻き付けられているので、ケーブルを収納容器から簡単かつ円滑に引き出すことができ、作業効率を向上させることができることができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、第1の巻付け部及び第2の巻付け部は、ともに収納容器の載置部に、折り畳まれて伏臥可能なように設けられているので、一段と円滑にケーブルを引き出すことができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、収納容器には、ケーブルを巻き付けるための巻取り部が設けられ、巻取り部は、屈曲されたケーブルの屈曲部が保持される保持部と、屈曲されて二重とされたケーブルを巻き付ける周縁部とを有し、ケーブルは、屈曲部が保持部に保持された状態で巻取り部が回転することによって二重とされて周縁部に巻き取られているので、ケーブルを収納容器から簡単かつ円滑に引き出すことができ、作業効率を向上させることができることができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、積層された複数の収納容器に、ケーブルが収納されているので、ケーブルの長さに関わらず、ケーブルを収納容器にコンパクトに収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態1によるドロップクロージャの構成を説明するための説明図である。
【図2】同ドロップクロージャの余長収納部の構成を模式的に示す平面図である。
【図3】同ドロップクロージャの構成を模式的に示す図であって、同余長収納部が開放された様子を側方から見た図である。
【図4】同ドロップクロージャの構成を模式的に示す図であって、同余長収納部が開放された様子を正面側から見た図である。る。
【図5】同余長収納部の構成を模式的に示す断面図である。
【図6】同余長収納部の構成及び機能を説明するための断面図である。
【図7】この発明の実施の形態2によるドロップクロージャの余長収納部の構成を模式的に示す断面図である。
【図8】同余長収納部の構成を模式的に示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態1の変形例によるドロップクロージャの余長収納部の構成を模式的に示す平面図である。
【図10】この発明の実施の形態1の別の変形例によるドロップクロージャの余長収納部の構成を模式的に示す平面図である。
【図11】同余長収納部の構成を模式的に示す断面図である。
【図12】同余長収納部の構成及び機能を説明するための断面図である。
【図13】この発明の実施の形態1のさらに別の変形例によるドロップクロージャの余長収納部の構成及び機能を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、この発明の実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1によるドロップクロージャの構成を説明するための説明図、図2は、同ドロップクロージャの余長収納部の構成を模式的に示す平面図、図3は、同ドロップクロージャの構成を模式的に示す図であって、同余長収納部が開放された様子を側方から見た図、図4は、同ドロップクロージャの構成を模式的に示す図であって、同余長収納部が開放された様子を正面側から見た図、図5は、同余長収納部の構成を模式的に示す断面図、図6は、同余長収納部の構成及び機能を説明するための断面図である。
【0020】
図1、図3及び図4に示すように、ドロップクロージャ1は、融着部2と、複数のトレイ状の余長収納部3,4,5とが、外枠体6に収納され、吊架線8に吊架されて概略構成9されている。融着部2では、融着接続箇所9で光ファイバケーブル11と、光ドロップケーブル12とが接続されている。
【0021】
余長収納部3は、図2、図3及び図5に示すように、ヒンジ部21aを介して開閉自在に融着部2に取り付けられ、光ドロップケーブル12の余長部分が収納される。余長収納部4,5は、光ドロップケーブル12の余長により必要に応じて用いられる。余長収納部3の載置部(底面部)には光ドロップケーブル12を襷掛け状(8の字状)に配置されるように巻き付けるための板状の巻付けバー14a(14b,14c,14d)と、巻付けバー14a(14b,14c,14d)をそれぞれ支持する断面菱形形状の折畳可能なバー支持部材15a(15b,15c,15d)とが一体化されて設けられている。
【0022】
この実施の形態では、光ドロップケーブル12は、固定具13aによって固定される導入部位から余長収納部3に引き込まれ、上流側から下流側へ至る順方向に沿って、巻付けバー14a,14bの周りに、図2において反時計回りに1回周回するように、巻き付けられ、巻付けバー14b,14cの中間部位18に変曲点が形成されるように湾曲し、巻付けバー14c,14dの周りに、時計回りに1回周回するように、巻き付けられ、中間部位18に変曲点が形成されるように、かつこの中間部位18で交差するように湾曲し、固定具13bによって固定される引出部位から外部へ引き出されるように、余長収納部3の載置部上に配置される。
【0023】
バー支持部材15a(15b,15c,15d)の内部に、図5に示すように、角柱状の固定部材22a(22b,22c,22d)を挿通することによって、巻付けバー14a(14b,14c,14d)は、起立状態で固定され、光ドロップケーブル12の巻付けが可能となる。また、図6に示すように、角柱状の固定部材22a(22b,22c,22d)を抜き取って、バー支持部材15a(15b,15c,15d)を折り畳み、巻付けバー14a(14b,14c,14d)が倒立され、伏臥状態とされることによって、光ドロップケーブル12の引出しが可能となる。
【0024】
余長収納部3に引き込まれた光ドロップケーブル12は、余長収納部3の所定の側面部において、余長部分の上流側端部及び下流側端部が、それぞれ、固定具13a,13bによって固定される。また、光ドロップケーブル12は、交差部を含む3箇所で、紐状部材16a,16b,16cを用いて、余長収納部3の載置部に固定され、開放時の脱落が防止される。なお、余長収納部4,5は、余長収納部3と概略同一の構成とされ、余長収納部4は、ヒンジ部21bを介して余長収納部3に、余長収納部5は、ヒンジ部21cを介して余長収納部4に、それぞれ開閉自在に取り付けられている。
【0025】
この実施の形態のケーブル収納構造17は、図2に示すように、光ドロップケーブル12が、巻付けバー14b,14cの中間部位18で交差するように、襷掛け状に(8の字状に)、巻付けバー14a,14b,14c,14dに巻き付けられて、余長収納部3の載置部上に配置されて概略構成されている。ここで、光ドロップケーブル12は、中間部位18では、S字状部が、重なることとなる。
【0026】
次に、図2乃至図6を参照して、光ドロップケーブルの収納方法について説明する。融着後、融着部2から引き出された光ドロップケーブル12は、図3及び図4に示すように、開放状態で、余長収納部3内に引き込まれる。次に、引き込んだ光ドロップケーブル12の余長部分の上流側端部を固定具13aを用いて固定する。次に、バー支持具15a(15b,15c,15d)内部に、図5に示すように、固定部材22a(22b,22c,22d)を挿通して、巻付けバー14a(14b,14c,14d)を、起立状態で固定する。次に、光ドロップケーブル12を、巻付けバー14a,14b,14c,14dに、巻付けバー14b,14cの中間部位18で交差するように、襷掛け状(8の字状)に巻き付ける。
【0027】
すなわち、上記順方向に沿って、巻付けバー14a,14bの周りに、図2において反時計回りに1回周回するように、巻き付け、巻付けバー14b,14cの中間部位18に変曲点が形成されるように湾曲させ、巻付けバー14c,14dの周りに、時計回りに1回周回するように、巻き付けれ、中間部位18に変曲点が形成されるように、かつこの中間部位18で交差するように湾曲させて配置する。
【0028】
次に、光ドロップケーブル12を、外部に出し、余長部分の下流側端部を固定具13bを用いて固定する。次に、光ドロップケーブル12を、中間部位18の交差箇所を含む3箇所で、紐状部材16a,16b,16cを用いて、余長収納部3の載置部に固定する。次に、余長収納部3,4,5を閉じる。
【0029】
次に、光ドロップケーブル12の引出方法について述べる。図3及び図4に示すように、余長収納部3,4,5を開放状態とする。次に、図6に示すように、固定部材22a,22b,22c,22dを抜き取って、バー支持部材15a,15b,15c,15dを折り畳み、巻付けバー14a,14b,14c,14dを倒立させ、伏臥状態とする。次に、固定具13bを取り外し、紐状部材16a,16b,16cを取り外し、光ドロップケーブル12を引き出す。この際、収納された光ドロップケーブル12の余長部分の下流側端部を、外方に(下流側端部の湾曲部位の曲率中心から遠ざかる向きに)引っ張る。
【0030】
こうして、この実施の形態の構成によれば、光ドロップケーブル12を、巻付けバー14a,14b,14c,14dに、巻付けバー14b,14cの中間部位18で交差するように、襷掛け状(8の字状)に巻き付けて収納するので、収納された光ドロップケーブル12の下流側端部を、外方に引っ張るのみで、コイル状の変形等を伴うことなく、巻取りが自然に解けて、光ドロップケーブル12を、簡単かつ円滑に引き出すことができる。したがって、誰でも迅速に作業を行い、作業効率を向上させることができる。さらに、例えば、光ドロップケーブルを誤って強く引っ張ってしまい、ねじれた状態(「より」が発生した状態)で光ドロップケーブルに無理な力を加えて、光ドロップケーブルを損傷させることもない。また、光ドロップケーブルを余長収納部内に美麗に収納することができる。
【0031】
(実施の形態2)
図7は、この発明の実施の形態2によるドロップクロージャの余長収納部の構成を模式的に示す断面図、図8は、同余長収納部の構成を模式的に示す断面図である。この実施の形態の構成が上述した実施の形態1の構成と大きく異なるところは、光ドロップケーブルを8の字状に配置するのに代えて、光ドロップケーブルの収納部分の中間部位を屈曲(湾曲)させて二重とした状態で巻取り部に巻き取らせるように構成した点である。
【0032】
図7及び図8に示すように、この実施の形態の余長収納部24には、光ドロップケーブル12を巻き取るための巻取り部25が、設けられている。巻取り部25は、S字状の間隙部(溝部)26sを隔てて配置され全体として概略円柱形状とされ円弧状の周縁を有する雲形部26a,26bと、フランジ部27a,27bと、回転軸部28と、回転運動を制止するためのロックピン29とを有している。
【0033】
この実施の形態では、光ドロップケーブル12は、その余長部分の中間点が、間隙部26sの中間点26tに合わされて、その上流側及び下流側の部位が、間隙部26sに嵌め込まれて雲形部26a,26bに掛けられ、屈曲(湾曲)されて形成された屈曲部が例えば雲形部26bによって保持され、二重とされた状態で、雲形部26a,26bの回転によって、雲形部26a,26bの周縁に沿って巻き取られ配置される。
【0034】
また、余長収納部24に引き込まれた光ドロップケーブル12は、余長収納部24の所定の側面部において、余長部分の上流側端部及び下流側端部が、それぞれ、固定具31a,31bによって固定される。収納時には、ロックピン29によって回転が制止されて、固定される。引出し時には、ロックピン29を抜き取り、雲形部26a,26bを巻取り時と反対向きに回転させながら、光ドロップケーブル12の余長部分の下流側端部を引っ張る。
【0035】
この実施の形態の構成によれば、光ドロップケーブル12は、余長の中間点が、間隙部26sの中間点26tに合わされて、その上流側及び下流側の部位が、間隙部26sに嵌め込まれて雲形部26a,26bに掛けられ、屈曲されて形成された屈曲部が例えば雲形部26bによって保持され、二重とされた状態で、雲形部26a,26bの回転によって、雲形部26a,26bの周縁に沿って巻き取られて、余長収納部24に収納されるので、雲形部26a,26bを巻取り時と反対向きに回転させながら、収納された光ドロップケーブル12の下流側端部を、外方に引っ張るのみで、例えば、コイル状の変形等を伴うことなく、巻取りが自然に解けて、光ドロップケーブル12を、簡単かつ円滑に引き出すことができる。
【0036】
したがって、誰でも迅速に作業を行い、作業効率を向上させることができる。さらに、例えば、光ドロップケーブルを誤って強く引っ張ってしまい、ねじれた状態(「より」が発生した状態)で光ドロップケーブルに無理な力を加えて、光ドロップケーブルを損傷させることもない。また、美麗に、かつコンパクトに収納することができる。
【0037】
以上、この発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述した実施の形態1では、開放時の脱落防止のために、光ドロップケーブル12を、紐状部材16a,16b,16cを用いて固定する場合について述べたが、図9に示すように、余長収納部3Aに案内部33a,33bを設けて、光ドロップケーブル12を押さえるようにしても良い。
【0038】
また、図10に示すように、余長収納部3Bの奥部まで光ドロップケーブル12を引き込んで、奥部で固定具13cで固定し、板状の巻付けバー35a,35b,35c,35dの周りに襷掛け状に(8の字状に)巻き付けるようにしても良い。ここで、巻付けバー35a(35b,35c,35d)を、図10及び図11に示すように、板状のバー支持部材36a(36b,36c,36d)によって支持するようにしても良い。
【0039】
なお、図12に示すように、巻付けバー35a,35b,35c,35dも、バー支持部材36a,36b,36c,36dも、起立状態と伏臥状態とを取り得るものとする。また、図13に示すように、余長収納部3Cの載置部(底面部)に凹部41a,41bを形成し、巻付けバー38a,38b,38c,38d、及びバー支持部材39a,39b,39c,39dを、伏臥状態で収納可能として載置面を平坦化し、光ドロップケーブル12をさらに引出容易としても良い。
【0040】
また、実施の形態1で、余長収納部を1段目のみ用いる場合について述べたが、2段目及び3段目の余長収納部4,5も用いるようにしても良い。また、余長収納部は、4つ以上としても良いし、2つ以下としても良い。また、襷掛け状に配置した光ドロップケーブルを、交差箇所(中間箇所)で折り畳んで収納するようにしても良い。また、第1の巻付け部と第2の巻付け部とは、それぞれ、複数設けられても良い。例えば、実施の形態1で、光ドロップケーブルを、巻付けバー14c,14dの周りに巻き付けた後、周回方向を反時計回りとして、別の巻付けバー対の周りに巻き付けるようにしても良い。また、第1の巻付け部と第2の巻付け部とをそれぞれ単数設けて、光ドロップケーブルを交互に巻き付けるようにしても良い。また、例えば、第1の実施の形態の余長収納部と、第2の実施の形態の余長収納部とが組み合わされても良い。
【産業上の利用可能性】
【0041】
架空用のほか、地中用にも適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 ドロップクロージャ
3,4,5,24,3A,3B,3C 余長収納部(収納容器)
12 光ドロップケーブル(ケーブル)
14a,14b 巻付けバー(第2の巻付け部)
14c,14d 巻付けバー(第1の巻付け部)
17 ケーブル収納構造
25 巻取り部
35a,35b、38a,38b 巻付けバー(第1の巻付け部)
35c,35d、38a,38b 巻付けバー(第2の巻付け部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを収納容器内に引出可能に収納するためのケーブル収納構造であって、
前記収納容器には、前記ケーブルを巻き付けるための第1の巻付け部と第2の巻付け部とが設けられ、前記ケーブルは、該ケーブルの上流側から下流側へ向かう順方向が、第1の周回方向となるように、前記第1の巻付け部に巻き付けられ、かつ、前記順方向が、前記第1の周回方向と反対の第2の周回方向となるように、前記第2の巻付け部に巻き付けられるとともに、前記順方向に沿って、前記第1の巻付け部に単数回巻き付けられた後、前記第2の巻付け部に単数回巻き付けられ、又は/及び前記第2の巻付け部に単数回巻き付けられた後、前記第1の巻付け部に単数回巻き付けられている
ことを特徴とするケーブル収納構造。
【請求項2】
前記第1の巻付け部及び前記第2の巻付け部は、ともに前記収納容器の載置部に、折り畳まれて伏臥可能なように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル収納構造。
【請求項3】
ケーブルを収納容器内に引出可能に収納するためのケーブル収納構造であって、
前記収納容器には、前記ケーブルを巻き取るための巻取り部が設けられ、前記巻取り部は、屈曲された前記ケーブルの屈曲部が保持される保持部と、屈曲されて二重とされた前記ケーブルが巻き取られる周縁部とを有し、前記ケーブルは、前記屈曲部が前記保持部に保持された状態で前記巻取り部が回転することによって二重とされて前記周縁部に巻き取られている
ことを特徴とするケーブル収納構造。
【請求項4】
積層された複数の前記収納容器に、前記ケーブルが収納されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のケーブル収納構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−256507(P2010−256507A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104693(P2009−104693)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】