説明

ケーブル布設用の折曲トレイと、このケーブル布設用の折曲トレイを使用した、ケーブルの布設方法

【課題】地震を原因としてケーブルが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じ、ケーブルに対して強い引っ張り力が急激に作用した場合であっても、折曲トレイの余長確保エリアにおいて、ケーブルが折曲トレイの内側方向に向けて移動することにより、ケーブルが断線してしまう事態の発生を防止した、ケーブル布設用の折曲トレイと、このケーブル布設用の折曲トレイを使用した、ケーブルの布設方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るケーブル布設用の折曲トレイは、様々な施設に設置され、ケーブルを折曲した状態で布設する折曲トレイであり、この折曲トレイは、所定の角度で折曲している底板と、底板の外側縁に沿って固定した外側板と、底板の内側縁に沿って固定した内側板から構成され、底板の折曲部分に、ケーブルの内側への移動を許容するケーブルの余長確保エリアを設けている。また、ケーブルの余長確保エリアは、底板の折曲部分における、底板の外側縁から内側縁に到達するまでの領域である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、発電所や変電所等の様々な施設に設置され、ケーブルを折曲した状態で布設する折曲トレイであり、地震時における地盤の不等沈下等を原因として、折曲トレイに布設されているケーブルに対して強い引っ張り力が急激に作用したとき、折曲トレイの余長確保エリアにおいて、ケーブルが折曲トレイの内側方向に向けて移動することにより、ケーブルが断線してしまう事態の発生を防止した、ケーブル布設用の折曲トレイと、このケーブル布設用の折曲トレイを使用した、ケーブルの布設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発電所や変電所等の様々な施設内には、所定のトレイTを介して種々のケーブルKが布設されている。このケーブルKは、例えば、図7に示すように、発電所内において変圧器が設置されている施設の洞道A内や、この洞道Aに連設している連絡用の洞道B内等に布設されている。
【0003】
また、施設の洞道A・Bは、例えば、図8に示すように、種々の長さの直線部分と折曲部分が組み合わされて構成されている。
【0004】
そして、施設の洞道Bにおける折曲部分において、ケーブルKは、例えば、図9(a)(b)に示すように、所定の折曲トレイ101を介して布設されている。この折曲トレイ101において、ケーブルKは、折曲トレイ101の内側に位置している、円弧状に折曲している内壁板102に極めて近接した状態に配置されている。
【0005】
その為、折曲トレイ101に配置されているケーブルKは、折曲トレイ101の内側方向に向けて、移動できない状態となっている。
【0006】
この他、例えば、特許文献1に示すように、ケーブル接続箱を載置すべき支持部材をケーブル軸方向及びこれと直角方向との間で任意に傾けて取り付け配置し、この支持部材上にケーブル接続箱をケーブル軸に対して平行移動できるように載置した電力ケーブル箱接続支持方式が存在する。
【0007】
また、特許文献2に示すように、人孔内の床面と天井間に立てた2本の支柱の外周上に摺動自在に装着したスライド管に、接続箱の両端付近を固着すると共に上記接続箱をスプリングを介して支持物に吊下げているケーブル接続箱の支持構造が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭49−105998号公報
【特許文献2】実開平5−33633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そして、折曲トレイ101に配置されているケーブルKは、図9(a)(b)に示すように、折曲トレイ101の内側に位置している、円弧状に折曲している内壁板102に極めて近接した状態に配置されて、折曲トレイ101の内側方向に向けて移動できない状態となっていることから、以下の様な弊害が生じている。
【0010】
即ち、地殻またはマントル内に自然に起こる急激な変動と、これによって生ずる地殻の弾性波により地面が動揺する現象である地震が起きた場合において、ケーブルKが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じると、施設の洞道A・B内に布設されているケーブルKに対して、強い引っ張り力が急激に作用することがある。
【0011】
具体的には、図10に示すように、地震を原因としてケーブルKが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じ、洞道Aと洞道Bが強制的に上下方向に移動させられて段違いになってしまうことがある。このとき、移動できない状態となっているケーブルK(図9参照)に対して、所定方向への強い引っ張り力が急激に作用して、図10に示すように、所定のトレイTにおいて固定的に布設されているケーブルKが、切断されてしまう事態が生じる可能性がある。
【0012】
発電所内に設置されている洞道は、基礎強度の異なるものが連接されている場合があり、地震を原因としてケーブルKが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じると、洞道Aと洞道Bの接合部分において段違いになってしまい、固定状態のケーブルKに対して強い引っ張り力が急激に作用することがあるのである。
【0013】
この他、特許文献1に示す電力ケーブル箱接続支持方式は、ケーブル接続箱を載置すべき支持部材をケーブル軸方向及びこれと直角方向との間で任意に傾けて取り付け配置し、この支持部材上にケーブル接続箱をケーブル軸に対して平行移動できるように載置して、電力ケーブルの熱収縮を有効に吸収するものであるが、地震を原因として電力ケーブルが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じ、電力ケーブルに対して強い引っ張り力が急激に作用した場合に、有効に機能するものではない。
【0014】
また、特許文献2に示すケーブル接続箱の支持構造も、人孔内の床面と天井間に立てた2本の支柱の外周上に摺動自在に装着したスライド管に、接続箱の両端付近を固着すると共に上記接続箱をスプリングを介して支持物に吊下げて、ケーブルの熱収縮を有効に吸収するもので、地震を原因として電力ケーブルが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じ、電力ケーブルに対して強い引っ張り力が急激に作用した場合に、有効に機能するものではない。
【0015】
そこで、本発明は、如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、地震を原因としてケーブルが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じ、ケーブルに対して強い引っ張り力が急激に作用した場合であっても、折曲トレイの余長確保エリアにおいて、ケーブルが折曲トレイの内側方向に向けて移動することにより、ケーブルが断線してしまう事態の発生を防止した、ケーブル布設用の折曲トレイと、このケーブル布設用の折曲トレイを使用した、ケーブルの布設方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るケーブル布設用の折曲トレイは、様々な施設に設置され、ケーブルを折曲した状態で布設する折曲トレイであり、この折曲トレイは、所定の角度で折曲している底板と、底板の外側縁に沿って固定した外側板と、底板の内側縁に沿って固定した内側板から構成され、底板の折曲部分に、ケーブルの内側への移動を許容するケーブルの余長確保エリアを設けていることにより、上述した課題を解決した。
【0017】
また、ケーブルの余長確保エリアは、底板の折曲部分における、底板の外側縁から内側縁に到達するまでの領域であることにより、同じく上述した課題を解決した。
【0018】
さらに、折曲トレイに布設されているケーブルに対して強い引っ張り力が急激に作用したとき、折曲トレイの余長確保エリアにおいて、ケーブルが底板の内側縁方向に向けて移動することにより、同じく上述した課題を解決した。
【0019】
また、ケーブルの余長確保エリアは、底板の内側縁部分に内隅縁を形成して、底板の内方に向けて拡幅していることにより、同じく上述した課題を解決した。
【0020】
加えて、底板の内側縁に沿って固定した内側板は、底板の内隅縁に沿って固定した内隅板を備えていることにより、同じく上述した課題を解決した。
【0021】
また、ケーブルの余長確保エリアに、確保できる余長の値を明示していることにより、同じく上述した課題を解決した。
【0022】
この他、本発明に係るケーブルの布設方法は、前記したケーブル布設用の折曲トレイを使用することにより、同じく上述した課題を解決した。
【0023】
また、折曲トレイに布設されているケーブルは、強い引っ張り力が急激に作用したときに、折曲トレイの余長確保エリアにおいて底板の内側縁方向に向けて移動できるよう、固定されていない移動可能な状態となっていることにより、同じく上述した課題を解決した。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、様々な施設に設置され、ケーブルを折曲した状態で布設する折曲トレイであり、この折曲トレイは、所定の角度で折曲している底板と、底板の外側縁に沿って固定した外側板と、底板の内側縁に沿って固定した内側板から構成され、底板の折曲部分に、ケーブルの余長確保エリアを設けていることから、地震を原因としてケーブルが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じ、ケーブルに対して強い引っ張り力が急激に作用した場合であっても、ケーブルの余長確保エリアにおいてケーブルの内側への移動を許容して、ケーブルの余長を確保することにより、ケーブルが断線してしまう事態の発生を確実に防止することができる。
【0025】
具体的には、折曲トレイに布設されているケーブルに対して強い引っ張り力が急激に作用したとき、折曲トレイの余長確保エリアにおいて、ケーブルが底板の内側縁方向に向けて移動して、ケーブルの全体が伸展することにより、ケーブルの余長を確保するのである。
【0026】
また、ケーブルの余長確保エリアは、底板の折曲部分における、底板の外側縁から内側縁に到達するまでの領域であることから、ケーブルが底板の内側縁方向に向けて移動する距離を充分に確保することができる。
【0027】
さらに、ケーブルの余長確保エリアは、底板の内側縁部分に内隅縁を形成して、底板の内方に向けて拡幅していることから、従来の折曲トレイにおいて採用していた、例えば、円弧状に折曲している内壁板の構成(図9(a)(b)参照)を排除して、ケーブルが底板の内側縁方向に向けて移動する距離を充分に確保している。
【0028】
また、底板の内側縁に沿って固定した内側板は、底板の内隅縁に沿って固定した内隅板を備えていることから、ケーブルが底板の内側縁方向に向けて移動する距離を充分に確保すると共に、折曲トレイに布設されているケーブルが、折曲トレイから脱落してしまう事態の発生も阻止している。
【0029】
加えて、ケーブルの余長確保エリアに、確保できる余長の値を明示していることから、ケーブル布設時に不等沈下に対する必要な余長を加味した布設位置を適宜選択して、ケーブルの布設位置を容易に決定することができる。
【0030】
また、ケーブル布設用の折曲トレイを使用した、ケーブルの布設方法において、折曲トレイに布設されているケーブルは、固定されていない移動可能な状態となっていることから、ケーブルに対して、強い引っ張り力が急激に作用したときに、折曲トレイの余長確保エリアにおいて、ケーブルは、底板の内側縁方向に向けて確実に移動して、ケーブルの余長を確保することができる。
【0031】
この他、ケーブルの余長確保エリアを備えている折曲トレイに、ケーブルを布設するので、大掛かりな設備を必要とせず、地震に対する充分な安全対策を、極めて安価な費用で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】折曲トレイに、ケーブルを布設している状態を示す斜視図である。
【図2】折曲トレイの構成を示すもので、(a)は底板の平面図、(b)は底板の斜視図である。
【図3】底板におけるケーブルの余長確保エリアに、ケーブルとして確保できる余長の値を明示している状態を示す一部拡大の平面図である。
【図4】ケーブルが、所定のトレイ・折曲トレイを介して施設の洞道(A・B)内に布設されている状態を示す斜視図である。
【図5】施設の洞道(A・B)内に布設されているケーブルにおいて、地震を原因としてケーブルが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じ、洞道(A・B)が段違いになったときに、折曲トレイの余長確保エリアにおいて、ケーブルの折曲している部分が底板の内隅縁方向に向けて移動してケーブルの余長を確保している状態を示す斜視図である。
【図6】折曲トレイの余長確保エリアにおいて、底板の内側縁を円弧縁とし、円弧状板を固定している状態を示す平面図である。
【図7】基礎強度の異なる洞道が連接している一例として、発電所内において変圧器が設置されている施設の洞道(A)内や、この洞道(A)に連設している連絡用の洞道(B)内に、ケーブルが布設されている状態を示す側面図である。
【図8】基礎強度の異なる洞道が連接している一例として、発電所内において変圧器が設置されている施設の洞道(A)内や、この洞道(A)に連設している連絡用の洞道(B)内に、ケーブルが布設されている状態を示す平面図である。
【図9】従来の折曲トレイにケーブルが布設されている状態を示すもので、(a)はケーブルが、折曲トレイの内側に位置している、円弧状に折曲している内壁板に極めて近接した状態に配置されている状態を示す斜視図、(b)は同様の平面図である。
【図10】地震を原因としてケーブルが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じ、洞道(A・B)が段違いになったときに、ケーブルに対して強い引っ張り力が急激に作用して、ケーブルが切断している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明に係るケーブルK布設用の折曲トレイ1は、様々な施設に設置されるもので、この折曲トレイ1は、図1に示すように、ケーブルKを折曲した状態で布設する構成を備えている。
【0034】
具体的には、折曲トレイ1は、図1・図2(a)(b)に示すように、例えば、約90度の角度で折曲している底板2と、底板2の外側縁に沿うように立設状に固定した外側板3と、底板2の内側縁に沿うように立設状に固定した内側板4から構成されている。
【0035】
また、底板2の折曲部分には、図1・図3に示すように、ケーブルKの内側への移動を許容する、ケーブルKの余長確保エリアRを設けている。このケーブルKの余長確保エリアRは、図2(a)に示すように、底板2の折曲部分における、底板2の外側縁から内側縁に到達するまでの領域である。
【0036】
ケーブルK布設用の折曲トレイ1を構成する底板2は、全体として所定の幅を有し、約90度の角度で折曲している。この底板2の外側縁は、図2(a)(b)に示すように、直線状の側縁が直角に接合した状態となっており、この底板2の外側縁に沿うようにして、所定の高さの外側板3を固定している。
【0037】
尚、折曲トレイ1は、全体が約90度の角度で折曲している構成のものに限定されることはなく、ケーブルKの余長確保エリアRを形成できれば、どの様な角度で折曲しているものであっても良い。
【0038】
また、底板2における内側縁部分には、図2(a)(b)に示すように、内隅縁5を設けている。そして、底板2の直角に接合している外側縁部分から、底板2の内隅縁5に到達するまでの領域を、ケーブルKの余長確保エリアRとしている。この余長確保エリアRは、図2(a)(b)に示すように、底板2の内側縁部分に内隅縁5を設けて、底板2の直角に接合している外側縁部分から、底板2の内側縁部分に到達するまでの距離を充分に確保することにより、底板2の内方に向かう領域を拡幅している。
【0039】
そして、底板2の内隅縁5に沿うようにして、所定の高さの内隅板4aを固定している。
【0040】
この様に、底板2の内方に向かう領域を拡幅している折曲トレイ1に布設されているケーブルKに対して強い引っ張り力が急激に作用したとき、折曲トレイ1の余長確保エリアRにおいて、ケーブルKが底板2の内隅縁5方向に移動して、ケーブルKの余長を確保する。
【0041】
具体的には、図1・図3の実線に示すように、底板2の外側板3に近接した状態で布設されているケーブルKの折曲している部分が、図1・図3の二点鎖線に示すように、ケーブルKが底板2の内隅縁5の近傍に移動するのである。
【0042】
また、底板2におけるケーブルKの余長確保エリアRには、ケーブルKとして確保できる余長の値5を明示している。具体的には、図3に示すように、底板2の内隅縁5に近い部分から、底板2の外側板3に向けて、200mm・300mm・400mm…というように、ケーブルKの余長の値を段階的に記載している。
【0043】
この値は、例えば、図3の拡大図に示すように、ケーブルKの折曲している部分が200mmの値の近傍に存在するとき、このケーブルKは、底板2の内隅縁5側に移動して、ケーブルKとして200mmの長さ分だけ伸展できることを意味している。同様に、ケーブルKの折曲している部分が400mmの値の近傍に存在するとき、このケーブルKは、底板2の内隅縁5側に移動して、ケーブルKとして400mmの長さ分だけ伸展できることを意味している。
【0044】
そして、ケーブルKが、図4に示すように、所定のトレイT・折曲トレイ1を介して施設の洞道A・B内に布設されている場合において、地震を原因としてケーブルKが布設されている地域に地盤の不等沈下が生じ、ケーブルKに対して強い引っ張り力が急激に作用したとき、図5に示すように、折曲トレイ1の余長確保エリアRにおいて、ケーブルKの折曲している部分が底板2の内隅縁5方向に向けて移動することにより、ケーブルKの余長を確保している。
【0045】
この様に、折曲トレイ1に布設されているケーブルKは、強い引っ張り力が急激に作用したときに、折曲トレイ1の余長確保エリアRにおいて底板2の内隅縁5方向に向けて移動してケーブルK全体の余長を確保していることから、ケーブルKは、折曲トレイ1と、所定の長さの一般的なトレイTにおいて、固定されていない移動可能な状態が維持されている。
【0046】
尚、本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での改良・変形等は、本発明に全て包含されるものである。
【0047】
例えば、折曲トレイ1の余長確保エリアRにおいて、図6に示すように、底板2の内側縁に、直線的な内隅縁5を設けるのではなく、円弧縁6とし、この円弧縁6に円弧状板7を固定しておくと、ケーブルKに対して強い引っ張り力が急激に作用して、ケーブルKが底板2の内側縁方向に向けて移動したときに、ケーブルKに損傷を与えることが無く、好ましいものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、発電所や変電所等の施設内に布設されているケーブルの断線を防止するものであるが、その他にも、様々な施設に布設されている長尺なケーブルに対し、地震時における地盤の不等沈下等を原因として、強い引っ張り力が急激に作用した場合であっても、当該ケーブルの余長を確保する装置と方法として、幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
K…ケーブル
A…洞道
B…洞道
R…ケーブルの余長確保エリア
T…トレイ
1…折曲トレイ
2…底板
3…外側板
4…内側板
4a…内隅板
5…内隅縁
101…折曲トレイ
102…内壁板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
様々な施設に設置され、ケーブルを折曲した状態で布設する折曲トレイであり、
この折曲トレイは、所定の角度で折曲している底板と、底板の外側縁に沿って固定した外側板と、底板の内側縁に沿って固定した内側板から構成され、底板の折曲部分に、ケーブルの内側への移動を許容するケーブルの余長確保エリアを設けていることを特徴とする、ケーブル布設用の折曲トレイ。
【請求項2】
ケーブルの余長確保エリアは、底板の折曲部分における、底板の外側縁から内側縁に到達するまでの領域である請求項1に記載のケーブル布設用の折曲トレイ。
【請求項3】
折曲トレイに布設されているケーブルに対して強い引っ張り力が急激に作用したとき、折曲トレイの余長確保エリアにおいて、ケーブルが底板の内側縁方向に向けて移動する請求項1または2に記載のケーブル布設用の折曲トレイ。
【請求項4】
ケーブルの余長確保エリアは、底板の内側縁部分に内隅縁を形成して、底板の内方に向けて拡幅している請求項1乃至3のいずれかに記載のケーブル布設用の折曲トレイ。
【請求項5】
底板の内側縁に沿って固定した内側板は、底板の内隅縁に沿って固定した内隅板を備えている請求項1乃至4のいずれかに記載のケーブル布設用の折曲トレイ。
【請求項6】
ケーブルの余長確保エリアに、確保できる余長の値を明示している請求項1乃至5のいずれかに記載のケーブル布設用の折曲トレイ。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載したケーブル布設用の折曲トレイを使用した、ケーブルの布設方法。
【請求項8】
折曲トレイに布設されているケーブルは、強い引っ張り力が急激に作用したときに、折曲トレイの余長確保エリアにおいて底板の内側縁方向に向けて移動できるよう、固定されていない移動可能な状態となっている請求項7に記載のケーブルの布設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−151988(P2012−151988A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8265(P2011−8265)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】