説明

ケーブル結束具

【課題】ケーブルの結束部付近に所定の離隔距離に相当する長さの離隔距離識別部を備え、
この離隔距離識別部によりケーブル施工作業の効率化を図る。
【解決手段】複数本のケーブルを一括して結束可能な結束バンド10は、挿通孔12を有する結束部11と、この結束部11に一端を固定され、他端を自由端として結束部11から延設されてその先端部を挿通孔12に挿通して所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部13とを有している。このバンド部13に、結束部11からの所定の離隔距離L1,L2,L3を識別可能な離隔距離識別部141,142,143を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本のケーブルを一括して結束可能なケーブル結束具に関する。
【背景技術】
【0002】
屋内でのケーブル配線の際、電気的特性の問題から強電線(電源系)と弱電線(通信系)を離隔する必要があり、この離隔距離は法令で規制されている。これは、この離隔距離を満足しないで配線した場合は、強電線の磁界による弱電線への影響等により、通信トラブルが発生するおそれがあるからである。
【0003】
ところで、通常、ケーブル配線を行う施工業者は、強電線と弱電線とで異なる業者が施工することが多い。この際、両者が事前に協議して作業にあたるが、一般的には強電線の施工を先に行い、弱電線の施工を後に行うのが通常である。また、通信機器の製造メーカは、施工業者に対して当該機器の施工注意事項を促すことにより、安定したシステムの構築にあたっている。
【0004】
しかしながら、工事が進むにつれ、施工が煩雑になったり、また、増改築時の再施工時に何らの注意を払うことなく空きスペースに規格外の施工をしてしまうことがある。その理由は、施工業者としては、より安く、より効果的に施工したいことから、何気なく空きスペースを使用し、その結果、無意識のうちに規格外の施工をしてしまうからであり、この点は、施工業者及び担当者の資質に左右されるところが大きい。
【0005】
例えば、図9及び図10に示すように、強電線101と弱電線102は、金属管103やケーブルサポート104等により離隔して施工される。しかしながら、仕切り部材等により明確に離隔されていない箇所では、強電線101と弱電線102とが一緒に束ねられるケースが多く(図9のイ部、図10のロ部参照)、また、図11に示すように、強電線101と弱電線102とが全く離隔されずに、近接して施工されるケースも少なくない。
【0006】
これらは、マシントラブルを誘発する原因となるが、一度施工が終わってしまうと修正が非常に難しい。また、このようなケーブル施工部分は、施工業者と製造業者の責任範囲が曖昧になりやすい部分でもあり、最終的には、一番影響を受けやすい弱電系通信機器の製造メーカにて、高価なノイズフィルタ等でノイズ対策を施しているのが実状である。
【0007】
ところで、前述したように、通信ケーブルは、電源ケーブルによる電磁誘導障害を受けやすいため、両者が混在する環境下においては、通信ケーブルが電源ケーブルの電磁誘導障害を受けないように、従来、例えば床下にケーブルを配設する場合に、床内部に配設した固定基板に、複数のケーブルを略平行に並べて支持可能な支持突起を設け、この支持突起により、ケーブルを任意の離隔距離を保って配線する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−111255号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に開示された技術においても、通信ケーブルが電源ケーブルによる電磁誘導障害を受けないよう配線するための離隔距離は、法定離隔距離に基づいてケーブル配線作業者が任意に決定するものであった。これに対し、ケーブル配線現場では、ケーブル配線作業者がいちいち法定離隔距離を確認しながら作業を行うことが難しい環境であることが多く、前記離隔距離を満足せずに配線が行われるおそれがあった。このため、ケーブル配線作業者が、法定離隔距離を簡単に確認しながら配線することができるケーブル施工技術の開発が望まれていた。
【0009】
これに対し、近年、図12に示すように、ケーブル類を結束する手段としてタイラップ(登録商標)100を使用し、複数本(又は複数巻き)のケーブル110を、このタイラップ100で結束することが多用されている。このため、例えば、市販のタイラップ100を用いて、法定離隔距離を確認しながらケーブル110を結束することができれば、製造コスト等の観点からも有利である。
【0010】
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ケーブルの結束部付近に所定の離隔距離に相当する長さの離隔距離識別部を備え、この離隔距離識別部によりケーブル施工作業の効率化を図り得るケーブル結束具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、挿通孔を有する結束部に一端を固定され、他端を自由端としてその先端部を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部を有し、このバンド部に離隔距離識別部を形成したことにより、前記バンド部にてケーブルを結束する前に、隣接して配設される他のケーブル束との離隔距離を識別することが可能であり、これにより、作業の効率化を図りつつ、通信トラブルの発生しないケーブル配線が可能となる。
【0012】
請求項2に係る発明は、挿通孔を有する結束部に一端を固定され、他端を自由端としてその先端部を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部と、前記結束部から前記バンド部と反対側に延設された離隔距離指示部材とを有し、この離隔距離指示部材は前記結束部から所定の離隔距離を有していることにより、前記バンド部にてケーブルを結束する前又は結束した後に、隣接して配設される他のケーブル束との離隔距離を識別可能であり、メジャー等を使用せずに簡単にケーブル配線が行える。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記結束部から測長した場合に、異なる複数の離隔距離を識別可能な離隔距離識別部を形成したことで、バンド部にてケーブルを結束する前又は結束した後に、隣接して配設される他のケーブル束との離隔距離が識別可能となり、しかも異なる離隔距離に対応したケーブル配線が可能となる。
【0014】
請求項4に係る発明は、挿通孔を有する結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設された可撓性のバンド部を有する結束バンドを、中間に離隔距離指示部材を挟んで前記結束部が対向配置されるように対で取付けたことで、夫々の結束バンドで各ケーブル束を結束した時点で、隣接する各ケーブル束は所定の離隔距離で配線されることとなり、配線作業の効率化が図られる。
【0015】
請求項5に係る発明は、挿通孔を有する結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設された離隔距離指示部材と、該離隔距離指示部材の中途部から分岐して延設され自由端側を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置で係止可能な可撓性のバンド部とを有するので、このバンド部を輪状に屈曲させてケーブル束を結束可能であり、また、前記離隔距離指示部材の延設方向の所定位置に、前記中途部からの離隔距離を識別する離隔距離識別部を形成したので、前記ケーブル束に隣接して他のケーブル束を配線する際、この離隔距離識別部を見ながら所定の離隔距離で配線可能なため、通信トラブルを回避しつつ、配線作業の効率化が図られる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、挿通孔を有する結束部に一端を固定され、他端を自由端としてその先端部を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部を有し、このバンド部に離隔距離識別部を形成したことにより、前記バンド部にてケーブルを結束する前に、隣接して配設される他のケーブル束との離隔距離を識別することができ、これにより、ケーブル配線作業の効率化を図ることができる。また、隣接して配設される複数のケーブル束を、所定の離隔距離を隔てて施工することにより、通信トラブルのないケーブル配線を行うことができる。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、挿通孔を有する結束部に一端を固定され、他端を自由端としてその先端部を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部と、前記結束部から前記バンド部と反対側に延設された離隔距離指示部材とを有し、この離隔距離指示部材は前記結束部から所定の離隔距離を有していることにより、前記バンド部にてケーブルを結束する前又は結束した後に、隣接して配設される他のケーブル束との離隔距離を識別でき、メジャー等を使用せずに簡単にケーブル配線を行うことができる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、前記結束部から測長した場合に、異なる複数の離隔距離を識別可能な離隔距離識別部を形成したことで、バンド部にてケーブルを結束する前又は結束した後に、隣接して配設される他のケーブル束との離隔距離を識別することができ、しかも異なる離隔距離に対応したケーブル配線を行うことができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、挿通孔を有する結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設された可撓性のバンド部を有する結束バンドを、中間に離隔距離指示部材を挟んで前記結束部が対向配置されるように対で取付けたことで、夫々の結束バンドで各ケーブル束を結束した時点で、隣接する各ケーブル束は所定の離隔距離で配線されることとなり、これにより、配線作業の効率化を図ることができると共に、通信トラブルの発生を防止することができる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、挿通孔を有する結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設された離隔距離指示部材と、該離隔距離指示部材の中途部から分岐して延設され自由端側を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置で係止可能な可撓性のバンド部とを有するので、このバンド部を輪状に屈曲させてケーブル束を結束することができ、また、前記離隔距離指示部材の延設方向の所定位置に、前記中途部からの離隔距離を識別する離隔距離識別部を形成したので、前記ケーブル束に隣接して他のケーブル束を配線する際、この離隔距離識別部を見ながら所定の離隔距離で配線すれば、通信トラブルを回避しつつ配線作業の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1に示すように、ケーブル結束具としての結束バンド10は、挿通孔12を有する結束部11と、この結束部11に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部11から延設され、その先端部を前記挿通孔12に挿通して、所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部13と、を有している。前記挿通孔12には、挿通されたバンド部13を、後述する3箇所の位置にて係止可能なフック等の係止凸部(不図示)を有している。
【0022】
そして、本実施の形態では、前記バンド部13に、前記結束部11から測長して所定の離隔距離L1,L2,L3 を識別可能に、ペイント等により一見して識別可能な離隔距離識別部141,142,143を形成したものである。この離隔距離識別部141,142,143の各位置には、前記係止凸部(不図示)に係止する係止凹部15が形成されていて、これらの位置においてバンド部13を結束部11に係止することができる。
【0023】
従って、作業者は、ケーブル配線の施工条件に応じて結束部11から測長した場合の離隔距離L1,L2,L3を確認しながら、例えばバンド部13にてケーブルを結束する前に、隣接して配設される他のケーブル束との離隔距離を簡単に識別することができ、ケーブル配線作業の効率化を図ることができる。また、隣接して配設されるケーブル束を、所定の離隔距離を隔てて配線することで、通信トラブルのない配線作業を行うことができる。
【0024】
なお、前述した離隔距離L1,L2,L3としては、例えば、有線電気通信設備令施行規則(抄)に定められており、その第18条第1項第1号には、「屋内電線と屋内強電流電線との離隔距離は、10センチメートル(屋内強電流電線が強電流裸電線であるときは、30センチメートル)以上とすること。ただし、・・・」と記載されているため、この法令に合致した離隔距離に設定する。
【0025】
図2は、ケーブル結束具として、市販のタイラップ(登録商標)20を用いた場合の平面図である。このタイラップ20は、前述した実施の形態と同様に、挿通孔22を有する結束部21と、この結束部21に一端を固定され、他端を自由端として該結束部21から延設されてその先端部を前記挿通孔22に挿通し、所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部23と、を有している。前記挿通孔22には、挿通されたバンド部23を任意の位置にて係止し得る係止凸部(不図示)を有している。
【0026】
この実施の形態においても、前記バンド部23に、前記結束部21から測長して所定の離隔距離L1,L2,L3を識別可能に、ペイント等により一見して識別可能な離隔距離識別部141,142,143が形成されている。なお、バンド部23には、全長に亘って前述した係止凸部(不図示)に係止される係止凹部25が形成されている。
【0027】
図3は、ケーブル結束具70の他の実施の形態を示す図である。このケーブル結束具70は、挿通孔62を有する結束部61と、この結束部61に一端を固定され他端を自由端として延設された離隔距離指示部材63と、この離隔距離指示部材63の中途部に一端Aを固定され、他端Bを自由端としてその先端側を前記挿通孔62に挿通して所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部33と、を有している。また、前記離隔距離指示部材63の延設方向の所定位置には、前記中途部(A)から延設方向に測長した場合に、離隔距離L1,L2,L3を識別する離隔距離識別部141,142,143が形成されている。なお、前記離隔距離指示部材63は、剛性を有する部材でも可撓性を有する部材でも良いが、好ましくは、省スペース化や取扱い性の観点から可撓性を有するものが良い。また、離隔距離指示部材63とバンド部33とを、一端Aにて固定された場合について説明したが、これに限らず、例えば離隔距離指示部材63とバンド部33とを、一端Aにて調節可能に連結しても良い。
【0028】
このケーブル結束具70を使用するには、バンド部33の他端B側を、矢印C方向に屈曲させて輪状にし、該輪状の内側に複数本のケーブル束(不図示)を抱え込むように収容して、他端B側の先端部を、離隔距離指示部材63の結束部61に形成された挿通孔62に挿通する。次いで、挿通孔62に挿通されたバンド部33の先端部を引っ張り、複数本のケーブル(不図示)を束にして所定の力で締め付ける。次に、このバンド部33で締め付けられたケーブル束に隣接して他のケーブル束を配線するには、前記離隔距離識別部141,142,143を見ながら所定の離隔距離L1,L2,L3の位置に配線すれば良い。
【0029】
以上により、この実施の形態によれば、バンド部33を輪状に屈曲させてケーブル束を結束することができると共に、離隔距離指示部材63の延設方向の所定位置に形成された離隔距離識別部141,142,143を見ながら所定の離隔距離L1,L2,L3にケーブル束を配線することで、通信トラブルを回避しつつ配線作業の効率化を図ることができる。
【0030】
図4(a)及び図4(b)は、ケーブル結束具70として、2本のタイラップ30,60を用いた場合の実施の形態を示している。なお、図3で説明した部材と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
【0031】
この実施の形態では、一方のタイラップ30の結束部31に形成された挿通孔32に、他方のタイラップ60のバンド部63を挿通し、該バンド部63を長手方向の中途部において係止する。次に、前記一方のタイラップ30のバンド部33の自由端B側を、図4(a)の矢印C方向に屈曲させて図4(b)のように輪状にし、該輪状にした内側に複数本のケーブル36を抱え込むように収容して、自由端B側の先端部を、他方のタイラップ60の結束部61に形成された挿通孔62に挿通する。更に、挿通孔62に挿通されたタイラップ30の先端部を引っ張り、複数本のケーブル36を所定の力で締め付けて結束し、挿通孔62から突出して余った部分を適当な箇所(図の破線位置)で切断する。このケーブル結束具70の作用は、図3で説明した場合と略同様であるが、市販のタイラップを使用し、コストダウンが図れる点で相違している。
【0032】
図5は、ケーブル結束具80の他の実施の形態を示している。このケーブル結束具80は、結束バンド40と離隔距離指示部材44を有している。結束バンド40は、挿通孔42を有する結束部41と、この結束部41に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部41から延設され、その先端部を前記挿通孔42に挿通して所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部43とを有している。このバンド部43には、長手方向の略全長に亘って係止凹部45が設けられていて、この係止凹部45が、前記挿通孔42の内側に形成された係止凸部(不図示)により、長手方向の所望の位置にて係止することができる。更に、離隔距離指示部材44は、結束部41から、バンド部43の延設方向と反対方向に延設されていて、前記結束部41から測長して所定の離隔距離Lを有している。従って、この離隔距離Lを、ケーブル配線作業に応じた法定の離隔距離に設定しておけば、作業者は、バンド部43にてケーブルを結束する前又は結束した後に、メジャー等を使用することなく、簡単に配線を行うことができる。なお、この離隔距離指示部材44は、警告としての意義も含めるべく、警告色としての黄色や赤色の塗料等で塗装されている。
【0033】
図6は、図5に示したケーブル結束具の変形例を示している。この実施の形態では、ケーブル結束具80'は、バンド部43と離隔距離指示部材44とを有していて、この離隔距離指示部材44には、その長手方向に沿い結束部41から測長して複数の異なる離隔距離L1,L2,L3を識別する離隔距離識別部141,142,143が形成されている。これにより、例えば、バンド部43にてケーブルを結束する前又は結束した後に、隣接して配設される他のケーブル束との離隔距離を識別することができ、しかも異なる離隔距離に対応したケーブル配線を行うことができる。また、配線される電線ケーブルの種類や電圧等の違い等、種類の異なる配線作業に対応できて、作業の効率化を図ることができる。
【0034】
図7は、更に他の実施の形態のケーブル結束具90を示している。このケーブル結束具90は、2本の結束バンド50.50とその中間に挟装された離隔距離指示部材54を有している。結束バンド50は、前述した場合と同様に、挿通孔52を有する結束部51と、この結束部51に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部51から延設され、その先端部を前記挿通孔52に挿通して所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部53と、を有している。このバンド部53には、長手方向の略全長に亘って係止凹部45が設けられていて、結束部51に対し所望の位置で係止することができる。そして、2本の結束バンド50,50を、中間に離隔距離指示部材54を挟んで前記結束部51を対向配置するように略同一直線上に取付け、更に、この離隔距離指示部材54の長さを所定の離隔距離Lになるように設定している。
【0035】
この実施の形態によれば、例えば図8に示すように、一方の結束バンド50で複数本の強電線56を結束し、また、他方の結束バンド50で複数本の弱電線57を結束し、離隔距離Lとして、前述した有線電気通信設備令施行規則(抄)に定められているように、例えば10cmとすれば、ケーブル配線作業を完了した時点で、隣接する各ケーブル束は所定の離隔距離で配線されることとなり、磁界による影響等による通信トラブルの発生を防止できると共に、配線作業の効率化を図ることができる。
【0036】
(付記1)
複数本のケーブルを結束可能なケーブル結束具において、
挿通孔を有する結束部と、
該結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設されその先端部を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部と、を有し、
前記バンド部に、前記結束部から測長して所定の離隔距離を識別可能な離隔距離識別部を形成した、
ことを特徴とするケーブル結束具。
(付記2)
複数本のケーブルを結束可能なケーブル結束具において、
挿通孔を有する結束部と、
該結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設されその先端部を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部と、
前記結束部から、前記バンド部の延設方向と反対方向に延設された離隔距離指示部材と、を有し、
前記離隔距離指示部材は、前記結束部から測長して所定の離隔距離を有している、
ことを特徴とするケーブル結束具。
(付記3)
前記離隔距離指示部材の長手方向に沿い、前記結束部から測長した場合に所定の離隔距離を識別可能な離隔距離識別部を形成した、
ことを特徴とする付記2に記載のケーブル結束具。
(付記4)
複数本のケーブルを結束可能なケーブル結束具において、
挿通孔を有する結束部と、
該結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設されその先端部を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部と、
を有する結束バンドを、中間に離隔距離指示部材を挟んで前記結束部が対向配置されるように対で取付け、
かつ前記離隔距離指示部材の長さを所定の離隔距離に設定した、
ことを特徴とするケーブル結束具。
(付記5)
複数本のケーブルを結束可能なケーブル結束具において、
挿通孔を有する結束部と、
該結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設された離隔距離指示部材と、
該離隔距離指示部材の中途部に一端を固定され、他端を自由端としてその先端側を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部と、を有し、
前記離隔距離指示部材の延設方向の所定位置に、前記中途部から延設方向に測長して所定の離隔距離を識別可能な離隔距離識別部を形成した、
ことを特徴とするケーブル結束具。
(付記6)
前記結束部と前記バンド部とを有するタイラップ(登録商標)を用いた、
ことを特徴とする付記1,2,4,5のいずれかに記載のケーブル結束具。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ケーブル結束具としての結束バンドの平面図である。
【図2】ケーブル結束具として、タイラップを用いた場合の平面図である。
【図3】他の実施の形態のケーブル結束具の正面図である。
【図4】(a)は、ケーブル結束具として2本のタイラップを用いた場合の正面図であり、(b)は、ケーブル結束具として2本のタイラップを用いた場合の使用時の外観を示す図である。
【図5】他の実施の形態のケーブル結束具の平面図である。
【図6】同上のケーブル結束具の変形例の平面図である。
【図7】他の実施の形態のケーブル結束具の平面図である。
【図8】同上のケーブル結束具を用いた場合の使用時の正面図である。
【図9】強電線と弱電線の施工状態の従来例を示す図である。
【図10】強電線と弱電線の施工状態の従来例を示す図である。
【図11】強電線と弱電線の施工状態の従来例を示す図である。
【図12】タイラップによりケーブルを結束した時の従来例の外観図である。
【符号の説明】
【0038】
10 ケーブル結束具(結束バンド)
11 結束部
12 挿通孔
13 バンド部
14 離隔距離識別部
20 タイラップ(登録商標)
21 結束部
22 挿通孔
23 バンド部
30 タイラップ
31 結束部
32 挿通孔
33 バンド部
40 結束バンド
41 結束部
42 挿通孔
43 バンド部
44 離隔距離指示部材
50 結束バンド
51 結束部
52 挿通孔
53 バンド部
54 離隔距離指示部材
60 タイラップ
61 結束部
62 挿通孔
63 バンド部
65 離隔距離識別部
70 ケーブル結束具
80 ケーブル結束具
80' ケーブル結束具
90 ケーブル結束具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本のケーブルを結束可能なケーブル結束具において、
挿通孔を有する結束部と、
該結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設されその先端部を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部と、を有し、
前記バンド部に、前記結束部から測長して所定の離隔距離を識別可能な離隔距離識別部を形成した、
ことを特徴とするケーブル結束具。
【請求項2】
複数本のケーブルを結束可能なケーブル結束具において、
挿通孔を有する結束部と、
該結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設されその先端部を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部と、
前記結束部から、前記バンド部の延設方向と反対方向に延設された離隔距離指示部材と、を有し、
前記離隔距離指示部材は、前記結束部から測長して所定の離隔距離を有している、
ことを特徴とするケーブル結束具。
【請求項3】
前記離隔距離指示部材の長手方向に沿い、前記結束部から測長した場合に異なる複数の離隔距離を識別可能な離隔距離識別部を形成した、
ことを特徴とする請求項2に記載のケーブル結束具。
【請求項4】
複数本のケーブルを結束可能なケーブル結束具において、
挿通孔を有する結束部と、
該結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設されその先端部を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部と、
を有する結束バンドを、中間に離隔距離指示部材を挟んで前記結束部が対向配置されるように対で取付け、
かつ前記離隔距離指示部材の長さを所定の離隔距離に設定した、
ことを特徴とするケーブル結束具。
【請求項5】
複数本のケーブルを結束可能なケーブル結束具において、
挿通孔を有する結束部と、
該結束部に一端を固定され、他端を自由端として前記結束部から延設された離隔距離指示部材と、
該離隔距離指示部材の中途部に一端を固定され、他端を自由端としてその先端側を前記挿通孔に挿通した場合に所定位置にて係止可能な可撓性のバンド部と、を有し、
前記離隔距離指示部材の延設方向の所定位置に、前記中途部から延設方向に測長して所定の離隔距離を識別可能な離隔距離識別部を形成した、
ことを特徴とするケーブル結束具。

【図1】
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【図3】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−254589(P2006−254589A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−67363(P2005−67363)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】