説明

ケーブルRFIDタグ自動照合システム及びその検出方法

【課題】端子とケーブル芯線の接続チェックをする際の作業者の負担軽減と誤接続を防ぐ。
【解決手段】上記目的を達成するためのケーブルRFIDタグ照合システムは、ケーブルの各芯線のそれぞれに取り付けた第1のRFIDタグと、前記各芯線が接続される端子台の各端子の各位置に対応して配置された第2のRFIDタグと、前記第1と第2の各RFIDタグからのデータをアンテナ部で受信して読み込む端末と、前記端末で読み込んだ前記第1と第2の各RFIDタグからのデータに基づいて予め設定した芯線と端子との組み合わせか否かを照合し、照合結果を表示するチェック端末とを備え、前記アンテナ部は、前記第1のRFIDタグと前記第2のRFIDタグとから前記データを同時に受信するアンテナ部であることを特徴とするケーブルRFIDタグ照合システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はRFID(Radio Frequency Identification)を用いて電気的ケーブルとその端子台との接続をチェックするケーブルRFIDタグ照合システムと、その方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大型プラント等を建設する際に電気信号や電力を伝送するために施工される電気的ケーブル(以下、単にケーブルと言う。)は膨大な物量である。これら膨大なケーブルの端子台への誤接続を防ぐため、従来からケーブル接続作業では、ケーブル接続図により芯線に色や番号のついた端末タグを付けて、識別を容易にし、誤接続の防止を図ってきた。
【0003】
さらに、ケーブル芯線と端子台とにRFIDタグを貼り付けて、リーダ端末でそれらを読み込むことでRFIDタグによる照合を実施して誤接続の防止を図るケーブル施工支援システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、配管等の接続作業においても、接続される両者にRFIDタグを付属させて、それらのRFIDタグのデータをリーダ端末で読み込んで正しい組み合わせでのマッチングが成り立つか否かで接続箇所の照合を確認することも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−89554号公報
【特許文献2】特開2009−64282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のRFIDタグを用いたケーブル接続チェックでは、作業者により手作業でケーブル芯線と端子台のタグのRFIDを読み込んでいるため、本来ならば正しいと判断すべき接続状態においても、作業者が間違ったペアのケーブル芯線と端子台のタグのRFIDを読み込んで誤接続と判断する恐れがある。
【0007】
逆に、本来ならば間違っていると判断すべき接続状態においても、作業者が間違ったペアのケーブル芯線と端子台のタグのRFIDを読み込んで正しいと判断する恐れがあった。
【0008】
例えば、端子台側のタグのRFIDを1段ずらして読んだために、1段ずれて接続されていた誤接続状態にも係わらず、ケーブル芯線の接続が正しいと判断してしまう事象である。
【0009】
また、芯線側のRFIDタグと端子台側のRFIDタグを一つ一つ読み込んでチェックしているため、ケーブル芯線毎の接続チェックに時間を要していた。
【0010】
従来、このように、単純に個々のタグのRFIDをリーダ端末で読み込むことによる、作業者のRFIDタグの読み込み間違いによる誤操作の要因を排除しきれなかった。
【0011】
従って、本発明の目的は、RFIDタグを用いてケーブルの接続チェックをする際の作業者の負担軽減と、誤接続を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためのケーブルRFIDタグ照合システムは、ケーブルの各芯線のそれぞれに取り付けた第1のRFIDタグと、前記各芯線が接続される端子台の各端子の各位置に対応して配置された第2のRFIDタグと、前記第1と第2の各RFIDタグからのデータをアンテナ部で受信して読み込む端末と、前記端末で読み込んだ前記第1と第2の各RFIDタグからのデータに基づいて予め設定した芯線と端子との組み合わせか否かを照合し、照合結果を表示するチェック端末とを備え、前記アンテナ部は、前記第1のRFIDタグと前記第2のRFIDタグとから前記データを同時に受信するアンテナ部であることを特徴とするケーブルRFIDタグ照合システムである。
【0013】
上記目的を達成するための他のケーブルRFIDタグ照合システムは、ケーブルの各芯線のそれぞれに取り付けた第1のRFIDタグと、前記第1の各RFIDタグからのデータをアンテナ部で受信して読み込む端末と、前記アンテナ部を前記各芯線が接続される端子台の各端子の並び方向と同方向へ移動自在に移動させるアンテナ可動部と、前記アンテナ部の移動量に基づいて前記アンテナ部の位置情報を取得する手段と、前記アンテナ部の位置情報と前記端末で読み込んだデータとの関連に基づいて予め設定した芯線と端子との組み合わせか否かを照合し、照合結果を表示するチェック端末とを備えたケーブルRFIDタグ照合システムである。
【0014】
上記目的を達成するためのケーブルRFIDタグ照合方法は、第1のRFIDタグをケーブルの芯線に取り付けておき、前記芯線を前記端子に接続し、前記端子の位置に対応して端子台に第2のRFIDタグを配置しておき、同時に第1のRFIDタグと、前記第2のRFIDタグとから、前記各RFIDタグに記憶したデータをアンテナ部で受信して読み込み用の端末で読み込み、前記読み込みの内容に基づいて予め設定した芯線と端子との組み合わせか否かをチェック端末で照合して照合結果を表示するケーブルRFIDタグ照合方法である。
【0015】
上記目的を達成するための他のケーブルRFIDタグ照合方法は、RFIDタグを取り付けたケーブルの芯線を端子台の端子に接続し、前記端子の並び方向へ前記RFIDタグからのデータを受信するアンテナ部を移動させ、前記アンテナ部の移動量に基づいて前記芯線が接続された端子の位置識別情報を位置検出手段で取得し、前記移動先にて前記アンテナ部で受信した前記データを読み込み用の端末で読み込み、前記読み込みの内容と前記位置識別情報とに基づいて予め設定した芯線と端子との組み合わせか否かをチェック端末で照合して照合結果を表示するケーブルRFIDタグ照合方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、RFIDタグを用いてケーブルの接続チェックをする際、チェックの対象であるケーブルの芯線と端子とのペアを誤認することによる接続チェックミスを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例によるケーブルRFIDタグ照合システムの構成図である。
【図2】本発明の実施例によるケーブル接続チェック作業のフローチャート図である。
【図3】ケーブル接続チェックミスの状況に関する説明図である。
【図4】本発明の他の実施例におけるケーブルRFIDタグ照合システムの構成図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例によるケーブルRFIDタグ照合システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例では、ケーブル内に組み込まれた複数の導電性芯線ごとに取り付けたRFIDタグから個別識別情報を、端子台側の端子の位置識別情報を同時に読み込み、或いは端子台にも各端子に対応したRFIDタグを取り付けて接続関係にある対になる芯線側と端子側のRFIDタグをリーダライタ端末で同時に読み込むことで、本来ならば正しいと判断すべき接続状態においても、作業者が間違ったペアのケーブル芯線と端子台のRFIDを読み込んで誤接続と判断する恐れや、逆に、本来ならば間違っていると判断すべき接続状態においても、作業者が間違ったペアのケーブル芯線と端子台のRFIDを読み込んで正しいと判断することを防止する。
【実施例1】
【0019】
図1に、本発明の実施例によるケーブルRFIDタグ自動照合システムの全体構成を示す。このケーブルRFIDタグ自動照合システムは、主として、リーダライタ端末1とチェック端末2によって構成されている。
【0020】
リーダライタ端末1は、主として、RFIDタグ4bと、アンテナ部5と、送信部6と、アンテナ可動部11と、端子台14への取り付け部12aと12bと、リーダライタ端末1の送信部6等の電力を必要とする部分に電力を供給する電源部13aと、アンテナ取り付け部15と、モータ部16から構成される。
【0021】
リーダライタ端末1は、ケーブル芯線3に取り付けられた第1のRFIDタグ4aとリーダライタ端末1に取り付けられた第2のRFIDタグ4bをアンテナ部5にて同時に読み込み、送信部6より読み込まれたデータをチェック端末2へ送信する。アンテナ部5は、特定の端子に対応した第2のRFIDタグ4bと、その特定の端子に接続されたケーブル芯線3に取り付けた第1のRFIDタグ4a、即ち接続された端子とケーブル芯線とのペアに係る各RFIDタグからアンテナ部の位置を変えずに同一位置にて同時に受信できるように受信領域が設定されている。その設定のため、どれか一つのペアに係る各RFIDタグに限定してアンテナ部と各RFIDタグとの間で交信できるようにアンテナ部が延長されている構成を有する。
【0022】
チェック端末2は、主として、受信部7と、表示部8と、記憶部9と、照合部10と、チェック端末2の電力を必要とする各部へ電力を供給する電源部13bとから構成される。
【0023】
チェック端末2は、リーダライタ端末1から送信されたデータを受信部7で受信し、受信したデータと記憶部9のデータを照合部10にて接続の正誤を確認する。最後に、照合部10での確認結果を表示部8に表示する。
【0024】
RFIDタグ4に記憶されているデータは、数十桁の固有番号である。そのため、チェック端末2で受信した、各固有番号のデータとケーブル接続チェックに必要なデータを関連付けておく必要がある。
【0025】
そこで、記憶部9には予めケーブル芯線3のRFIDタグ4aに個別識別情報データ(ケーブル情報,盤・端子台情報等)、リーダライタ端末1のRFIDタグ4bに位置識別情報データ(端子台の端末位置情報)との関連付けを記憶させておく。また、記憶部9には、同時に読み込まれたRFIDタグ4aの端子台の端末位置情報と、RFIDタグ4bの端子台の端末位置情報が正しい接続であるか判断するために、ケーブル接続情報を記憶させておく。
【0026】
図2に本発明の実施例による接続チェック作業のフローチャートを示す。以下このフローチャート図に従って、図1に示したシステムを利用した接続チェック作業の実施例を詳細に説明する。
【0027】
ケーブルに含まれている複数のケーブル芯線3には、それぞれに異なる固有番号のデータが記憶されているRFIDタグ4aを取り付ける。また、端子台14に上下方向に並んで配置された各端子17には、各端子17の上下間隔に対応する間隔にて配置された各RFIDタグ4bがリーダライタ端末1に取り付けられている。各RFIDタグ4bにはそれぞれに異なる固有番号のデータが記憶されている。
【0028】
リーダライタ端末1が、図1のように、一つの端子17に一つのRFIDタグ4bが端子17を挟んで反対側に隣接して配置されるように端子台14に取り付けられる。これによって、各RFIDタグ4bが端子台14へ、各端子17に対応して取り付け配置されることとなる。
【0029】
各端子17には、リーダライタ端末1が端子台14に取り付けられる前に各ケーブル芯線3が接続されている。
【0030】
その接続の接続チェック作業は、まず、リーダライタ端末1をケーブル接続チェック作業中にずれないようにするために、取り付け部12aと12bにて端子台14に取り付け、図1のように、一つのRFIDタグ4bが端子17を挟んで一つのRFIDタグ4a反対側に隣接して配置されるようにする(Step 1)。
【0031】
次に、リーダライタ端末1のアンテナ取り付け部15をアンテナ取り付け部15に内蔵されたモータ部16によって、自動でアンテナ可動部11上で上下に移動させて、アンテナ部5で同時に覆われて受信領域に入ったケーブル芯線3に取り付けられたRFIDタグ4aと、リーダライタ端末に取り付けられたRFIDタグ4bとの各固有番号のデータを受信して輻輳制御を用いて同時に読み込む(Step 2)。ここで、RFID読み取りにおける輻輳制御とは、複数のRFIDの固有番号を、一度にまとめて読み込みできる機能を示す。
【0032】
同時に読み込まれたケーブル芯線3のRFIDタグ4aとリーダライタ端末1のRFIDタグ4bの固有番号のデータは、リーダライタ端末1の送信部6からチェック端末2へ送信される(Step 3)。チェック端末2の受信部7にて、送信部6から送られてきた各固有番号のデータを受信する(Step 4)。
【0033】
受信したケーブル芯線3のRFIDタグ4aとリーダライタ端末1のRFIDタグ4bの各固有番号は、それぞれ記憶部9に記憶された個別識別情報と位置識別情報とに関連付けられる。チェック端末2は、関連付けられた個別識別情報から、ケーブル接続情報(ケーブル接続図等)を表示部8に表示する(Step 5)。また、チェック端末2は、関連付けられた個別識別情報と位置識別情報は照合部10にて、記憶部9のケーブル接続情報と照合する(Step 6)。
【0034】
チェック端末2は、照合部10での照合結果が正しかった場合、表示部8に照合結果として「OK」を表示し、表示部8に表示された当該ケーブル結線データの色を変更する(Step 8)。また、照合部10での照合結果が間違っていた場合、チェック端末2は、表示部8に照合結果として「NG」を表示し、再度接続し直し(Step 7)、Step 2へ戻る。
【0035】
なお、ここで図1の端子17−4のように、途中でケーブル芯線が接続されていない端末箇所が存在した場合、リーダライタ端末1のアンテナ部5は、RFIDタグ4b−4のみ固有番号を読み込み、記憶部9のケーブル接続情報と照合して、チェック端末2は該当箇所のケーブル接続がないと判断する。接続チェックが、最後であった場合、システムを終了し、まだチェックが残っていた場合、Step 2へ戻り作業を繰り返す(Step 9)。
【0036】
ここで、輻輳制御を用いて二つのRFIDタグを同時に読み込んでゆく利点を説明する。図3のように、本来はケーブル芯線3−2は端子17−2に接続されるべきところを、端子17−3に一端子分下にずれて接続されている(誤接続の)場合を考える。従来通り、作業者により手作業でケーブル芯線側のRFIDタグ4aと端子台側のRFIDタグ4bを交互に一つずつ読み込みペアのチェックを行うと、ケーブル芯線側のRFID4a−2を読み込んで、一つ上にずれた端子台側のRFID4b−2を読み込みペアのチェックをすると、本来ならば間違っていると判断すべき接続状態において、正しいと判断する恐れがある。そこで、今回対になる位置のケーブル芯線側と端子台側の二つのRFIDタグのデータを、個別に読み込むのではなく、実質的に同時に読み込むことによって、この問題を解決する。
【0037】
以上の様に、本実施例では、第1の各RFIDタグ4a−1〜3,5〜9とリーダライタ端末1とチェック端末2を備え、その第1の各RFIDタグ4a−1〜3,5〜9は、機器同士を接続するケーブルの各ケーブル芯線3−1〜3,5〜9の個々に対応した固有番号を備え、そのリーダライタ端末1は、端子台14の各端子17−1〜9の個々に対応した端末接続位置の固有番号を備えた第2の各RFIDタグ4b−1〜9と、ケーブル芯線3−1〜9についた第1の各RFIDタグ4a−1〜3,5〜9と端子台14の各端子17−1〜9の位置に対応して配置された第2の各RFIDタグ4b−1〜9の固有番号を二つずつ同時に受信する自動可動型のアンテナ部5と、アンテナ部5に受信したデータをリーダライタ端末1で一旦読み込んでチェック端末2へ送信する送信部6と、端子台14への取り付け部12a,12bを備え、チェック端末2は、リーダライタ端末1の送信部6からのデータを受信する受信部7と、第1の各RFIDタグ4a−1〜3,5〜9の固有番号データと第2のRFIDタグ4b−1〜9の固有番号データをそれぞれケーブル芯線3−1〜3,5〜9の個別識別情報(ケーブル番号,芯線番号,接続端子台情報等)と端子台14の各端子17−1〜9の位置識別情報(端子台の端子の位置情報)とに関連付けした情報と、予め設定した端子17−1〜9とケーブル芯線3−1〜3,5〜9との正しい接続状態の情報であるケーブル芯線接続情報を記憶する記憶部9と、受信部7で受信した各データを記憶部で関連付けして得られる個別識別情報と位置識別情報と記憶部9のケーブル芯線接続情報とを照合する照合部10を備えるシステム構成を有する。
【0038】
このような構成により、リーダライタ端末1のアンテナ部5で、リーダライタ端末1に端子の位置に対応させて取り付けられた第2のRFIDタグ4b−1〜9に書き込まれていたデータである固有番号と第1のRFIDタグ4a−1〜3,5〜9に書き込まれていたデータである固有番号を同時に読み込むことで、接続の正誤を判別する接続チェック方法が採用できる。
【0039】
このように、同時に読み込まれたケーブル芯線に装備したRFIDタグと端子の位置に対応させて配置したRFIDタグとに書き込んである各データをペアとして、その読み込んだペアの内容が記憶部に書き込んである正しい組み合わせと照合部で自動的に照合して、ケーブル芯線と端子との接続の正誤チェックに際する人為的ミスを極力解消する。
【実施例2】
【0040】
前述の実施例1では、RFIDタグ4bのデータを読み込んで、端子17側の位置識別情報を取得したが、この場合、同一位置で同時に複数のRFIDタグ4a,4bのデータを受信して輻輳制御を用いて読み込んでいる。そのため、RFIDタグ4やアンテナ部5のシステムが複雑且つ高価になる課題を抱える。
【0041】
その課題を解決するために、この実施例では、前述の実施例1において、輻輳制御を用いずにケーブル芯線3のRFIDタグ4aの位置を検出する方法を採用する。ここで、輻輳制御を用いない利点としては、RFIDタグ4やアンテナ部5のシステムが簡素化され、安価になることである。
【0042】
図4に示すように、モータ部16のモータ動力によりアンテナ部5をアンテナ可動部11に沿って端子17の並び方向へ移動させて、移動先にてアンテナ部5にRFIDタグ4aからデータを受信させる。そのアンテナ部5の移動量はモータ部16のモータ回転量をポテンションメータ等の位置検出手段で検出して、検出結果をリーダライタ端末1の送信部6からチェック端末2の受信部へ受信させて、チェック端末2にアンテナ部5がどの端末17に対応した位置にあるかの位置識別情報を与える。
【0043】
このように、位置検出手段を利用して、アンテナ取り付け部15に内蔵されたモータ部16の回転角(進み量)によって、リーダライタ端末1のRFIDタグ4bに関連付けられる位置識別情報に代わるデータを取得する。
【0044】
この方法で位置検出を行う場合、予め端子台毎に異なる端子位置(アンテナ可動部11上端から最初の端子までの距離100や端子間隔101等)をチェック端末2の記憶部9に登録しておき、モータ部16の回転角と、記憶部9の端子位置を照合する。これにより前記実施例1におけるリーダライタ端末1のRFIDタグ4bは必要なくなり、輻輳制御を必要としない構成となる。その他の構成や作用は実施例1と同じである。
【0045】
この実施例では、以上のように、実施例1での接続チェック方法において、接続の正誤を判別するために、ケーブル芯線3−1〜3,5〜9が接続される端子17−1〜9の位置識別情報を、アンテナ可動部15のモータ部16の回転角に基づいて取得することで、第2のRFIDタグそれに纏わる構成を省略乃至は簡略化できる接続チェック方法を提供できる。
【実施例3】
【0046】
既述の各実施例1では、端子台14の左側だけに端子が並ぶ形式の端子台14に本発明を適用した実施例であったが、端子台14には、図5に示すように、左右の両側において端子が上下に並ぶ2段端子台が配線作業に用いられることがある。そのため、様々な形状の端子台にも対応可能なケーブルRFIDタグ自動照合システムとする必要がある。例えば既述の実施例1において、端子台14が2段端子台の場合を示す。
【0047】
ここで、2段端子台とは、図5に示すように、端子台14の左右からケーブル芯線3が端子台14の左右両側にある端子17に接続される端子台で、配電盤の小型化のため使われている。本実施例における2段端子台には、RFIDタグ4aが取り付けられているケーブル芯線3が左右両側の端子17に接続されているので、端子台14の左右両側でケーブル芯線3と端子台14との接続チェックをする必要がある。
【0048】
そのため、既述の実施例1と同様に、左右両側の端子17の配置に対応できるようにRFIDタグ4bをリーダライタ端末1の左右両側に取り付ける構造(既述の実施例1の4b−1〜9に加えて4b−10〜18を追加)とする。
【0049】
また、一台のアンテナ部5を左右両側のRFIDタグ4a,4bのデータを受信するために用いられるように、アンテナ部5はアンテナ取り付け部15を支点に左右両側へ回転する構成とする。その回転の方向は端子台14面と平行な面内で旋回するように回転するようにして、端子台14面に垂直な面内で左右に回転するようにしても良い。
【0050】
本実施例では、図5中の下図のように、リーダライタ端末1のアンテナ可動部11上でアンテナ取り付け部15を支点にアンテナ部5を回転できる構造とし、左右の各RFIDタグ4a,4bのデータを受信してリーダライタ端末に読み込むようにした。これにより、既述の実施例1と同じ接続チェック作業を左右両側において実施できるようにした。その他の構成や作用は左右両側において実施例1と同じである。
【0051】
このように、本実施例は、ケーブル芯線3−1〜3,5〜12,14〜18の端子17−1〜18への接続が左右どちらでも第1のRFIDタグ4a−1〜3,5〜12,14〜18と第2のRFIDタグ4b−1〜18を読み込めるようにするため、アンテナ部5がアンテナ可動部11上を左右に移動できるようにし、実施例1の構成において端子台14が2段端子台であっても、本発明が適用できる接続チェック方法に特徴がある。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、端子台上での端子へのケーブル芯線の接続の正誤チェックをRFIDタグを利用して行うシステムに利用可能性がある。
【符号の説明】
【0053】
1 リーダライタ端末
2 チェック端末
3 ケーブル芯線
4 RFIDタグ
5 アンテナ部
6 送信部
7 受信部
8 表示部
9 記憶部
10 照合部
11 アンテナ可動部
12 端子台への取り付け部
13 電源部
14 端子台
15 アンテナ取り付け部
16 モータ部
17 端子
100 最初の端子までの距離
101 端子間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの各芯線のそれぞれに取り付けた第1のRFIDタグと、
前記各芯線が接続される端子台の各端子の各位置に対応して配置された第2のRFIDタグと、
前記第1と第2の各RFIDタグからのデータをアンテナ部で受信して読み込む端末と、
前記端末で読み込んだ前記第1と第2の各RFIDタグからのデータに基づいて予め設定した芯線と端子との組み合わせか否かを照合し、照合結果を表示するチェック端末と、
を備え、前記アンテナ部は、前記第1のRFIDタグと前記第2のRFIDタグとから前記データを同時に受信するアンテナ部であることを特徴とするケーブルRFIDタグ照合システム。
【請求項2】
請求項1において、前記端子台は前記読み込み端末を挟んで両側に前記端子を備えるものであり、前記両側の各端子の配置位置に対応して前記第1と第2の各RFIDタグが前記両側に配置され、前記アンテナ部は前記両側へ移動自在に前記読み込み端末に装備されて、前記アンテナ部が両側の前記第1と第2の各RFIDタグからのデータを受信できるようにしたことを特徴とするケーブルRFIDタグ照合システム。
【請求項3】
ケーブルの各芯線のそれぞれに取り付けた第1のRFIDタグと、
前記第1の各RFIDタグからのデータをアンテナ部で受信して読み込む端末と、
前記アンテナ部を前記各芯線が接続される端子台の各端子の並び方向と同方向へ移動自在に移動させるアンテナ可動部と、
前記アンテナ部の移動量に基づいて前記アンテナ部の位置情報を取得する手段と、
前記アンテナ部の位置情報と前記端末で読み込んだデータとの関連に基づいて予め設定した芯線と端子との組み合わせか否かを照合し、照合結果を表示するチェック端末と、
を備えたケーブルRFIDタグ照合システム。
【請求項4】
第1のRFIDタグをケーブルの芯線に取り付けておき、
前記芯線を前記端子に接続し、
前記端子の位置に対応して端子台に第2のRFIDタグを配置しておき、
同時に第1のRFIDタグと、前記第2のRFIDタグとから、前記各RFIDタグに記憶したデータをアンテナ部で受信して読み込み用の端末で読み込み、
前記読み込みの内容に基づいて予め設定した芯線と端子との組み合わせか否かをチェック端末で照合して照合結果を表示するケーブルRFIDタグ照合方法。
【請求項5】
RFIDタグを取り付けたケーブルの芯線を端子台の端子に接続し、
前記端子の並び方向へ前記RFIDタグからのデータを受信するアンテナ部を移動させ、
前記アンテナ部の移動量に基づいて前記芯線が接続された端子の位置識別情報を位置検出手段で取得し、
前記移動先にて前記アンテナ部で受信した前記データを読み込み用の端末で読み込み、
前記読み込みの内容と前記位置識別情報とに基づいて予め設定した芯線と端子との組み合わせか否かをチェック端末で照合して照合結果を表示するケーブルRFIDタグ照合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−19643(P2012−19643A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156309(P2010−156309)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】