説明

ゲルベル管振動混合装置

【課題】 ゲルベル管を手振りして乳脂肪分をゲルベル法によって測定することに起因するバラツキとこれによるミルコスキャンの精度低下を防止する。
【解決手段】 ゲルベル管ホルダー5を回転板4に設置するとともに該回転板4をステッピングモーター3によって正逆回転し且つ電動スライダー2によって上下動することによって,ゲルベル管ホルダー5に保持したゲルベル管6に対して回転振動及び上下振動を付与して,ゲルベル管6の内容物を手振りと同様に振動混合できるようにゲルベル管振動混合装置Aを構成する。このときゲルベル管ホルダー5を収納ケース1内に収納することによってゲルベル管6が外れることがあっても,硫酸と乳の混合物が飛散する危険を防止でき,振動混合はスイッチ7の操作によって行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,牛乳等の乳脂肪分計測に際してゲルベル管の試料を振動混合するに使用するゲルベル管振動混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令によって,牛乳等はその乳脂肪分を,所謂ゲルベル法によって計測するものとされ,該ゲルベル法は,ゲルベル管(ゲルベル乳脂計といってもよい)に硫酸10mlを注入し,次に乳11mlを徐々に硫酸上に積層し,更に純アミルアルコール1mlを加えてゴム栓をして該ゲルベル管を手振りして乳を硫酸に溶解した後に,65℃の温湯中に15分間浸し,次いで700rpmの遠心分離機に3〜5分間掛け,更に65℃の温湯中に浸して温度を一定にしてゲルベル管の目盛に示される脂肪層の度数を乳100分の乳脂肪量とするものとされており,該ゲルベル法に用いる上記ゲルベル管として,例えば図9に示されるものが市販されており,乳業メーカー等において牛乳等の乳脂肪分計測に使用されている。
【0003】
【非特許文献1】乳及び乳製品の成分規格等に関する省令
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記省令によると硫酸,乳等の試料を入れたゲルベル管は,これを手振りして硫酸に乳を溶解するものとされるところ,乳脂肪分を計測する乳業メーカー等の社内規格によって,その手振りの具体的な回転角度や回数を定めることによって,乳の充分な溶解とこれによる正確な計測を行うものとされるが,手振りには相当程度の熟練を要し,熟練者以外の計測者が手振りを行うと,性別,腕力等の個体差が生じて,硫酸と試料の混合不良やこれによる目盛の読取り誤差といった測定結果のバラツキを招くことがある。該ゲルベル法による測定結果は,例えばミルコスキャンによって牛乳等製品の乳成分の校正に使用されるため,そのバラツキはミルコスキャンの精度に直接に影響して,乳成分の校正を誤り,牛乳等製品量産のトラブル要因をなすに至る。またゲルベル管を手振りするために,手が滑り,ゲルベル管が飛んで破損したり,手の握りでゲルベル管が破損して,硫酸と乳の混合物が飛散するといった危険もある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,可及的簡易な構造にして,ゲルベル管を確実に保持してこれに振動混合動作を付与し得るとともに使い勝手がよく,可及的に乳脂肪分の正確な測定結果を得られ,ゲルベル法測定結果のバラツキによるトラブルを可及的に解消し得るようにしたゲルベル管振動混合装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に沿って本発明は,ゲルベル管ホルダーによって複数のゲルベル管をその長手方向複数箇所で確実に保持して回転板に並列支持し,該回転板をステッピングモーターで正逆回転することによってゲルベル管の試料に対して熟練者による手振りと同様な回転振動による振動混合動作を付与してゲルベル法測定結果のバラツキによりトラブルを可及的に解消するとともにゲルベル管の回転板への装着を該回転板に配置したゲルベル管ホルダーに対して行うことにより,可及的簡易な構造にしてその使い勝手を良好に確保するようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,ゲルベル法による乳脂肪分計測におけるゲルベル管の試料を振動混合する振動混合装置であって,回転板と,該回転板の正面側に配置してゲルベル管をそれぞれ保持することによって複数のゲルベル管を正背面方向に並列支持自在のゲルベル管ホルダーと,上記回転板の背面に位置して該回転板を正逆回転することによってゲルベル管を回転振動自在とするステッピングモーターとを備えてなることを特徴とするゲルベル管振動混合装置としたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,ゲルベル管の正逆回転を,複数の異なる角度で行うことによって,ゲルベル管に付与する振動混合の動作を,乳脂肪分の測定により有効且つ適切とするように,これを,上記ステッピングモーターによる回転板の正逆回転を,複数の異なる回転角度の組合せによって行ってなることを特徴とする請求項1に記載のゲルベル管振動混合装置としたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記ステッピングモーターを,その正逆回転に加えて上下動することによって,ゲルベル管の回転振動と上下振動との双方を自在とし,ゲルベル管に付与する振動混合の動作を,熟練者による振動混合と同様に,更に乳脂肪分の測定に有効且つ適切に行うものとするように,これを,上記ステッピングモーターを,電動スライダー,電動シリンダー等の電動上下動手段により上下動し,上記回転板の正逆回転に加えてこれを更に上下動することによって,上記ゲルベル管を回転振動と同時又は単独に上下振動自在としてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲルベル管振動混合装置としたものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は,ゲルベル管ホルダーからゲルベル管が外れるようなトラブルが生じても,ゲルベル管が破損し,室内に硫酸と乳の混合物が飛散するような危険を解消し得るように,これを,上記回転板を,開閉扉付きの収納ケース内に配置してなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のゲルベル管振動混合装置としたものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記ゲルベル管の試料を収容した胴部に対して回転板回転の遠心力を直接に作用させることによって,ゲルベル管の試料の振動混合を有効且つ確実になし得るものとするように,これを,上記ゲルベル管ホルダーによるゲルベル管の保持を,ゲルベル管の胴部を回転板の外周側に,目盛部を中心側に位置するようにその長手方向複数個所で行ってなることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のゲルベル管振動混合装置としたものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は,同じく上記に加えて,ゲルベル管に対して回転板による回転の遠心力を更に有効に作用させることによって,ゲルベル管の試料の振動混合を効果的になし得るものとするように,これを,上記回転板に対するゲルベル管ホルダーの配置を,該回転板の回転中心を通過する中心線の片側半径部分の線上に位置して行ってなることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載のゲルベル管振動混合装置としたものである。
【0012】
本発明は,これらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,ゲルベル管ホルダーによって複数のゲルベル管をその長手方向複数箇所で確実に保持して回転板に並列支持し,該回転板をステッピングモーターで正逆回転することによってゲルベル管の試料に対して手振りと同様な回転振動による振動混合動作を付与してゲルベル法測定結果のバラツキによるトラブルを可及的に解消するとともにゲルベル管の回転板への装着を該回転板に配置したゲルベル管ホルダーに対して行うことにより,可及的簡易な構造にしてその使い勝手を良好に確保するようにしたゲルベル管振動混合装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,ゲルベル管の正逆回転を,複数の異なる角度で行うことによって,ゲルベル管に付与する振動混合の動作を,乳脂肪分の測定により有効且つ適切とするものとすることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記ステッピングモーターを,その正逆回転に加えて上下動することによって,ゲルベル管の回転振動と上下振動との双方を自在とし,ゲルベル管に付与する振動混合の動作を,熟練者による振動混合と同様に,更に乳脂肪分の測定に有効且つ適切に行うものとすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は,ゲルベル管ホルダーからゲルベル管が外れるようなトラブルが生じても,ゲルベル管が破損し,室内に硫酸と乳の混合物が飛散するような危険を解消するものとすることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は,同じく上記に加えて,上記ゲルベル管の試料を収容した胴部に対して回転板回転の遠心力を直接に作用させることによって,ゲルベル管の試料の振動混合を有効且つ確実になし得るものとすることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は,同じく上記に加えて,ゲルベル管に対して回転板による回転の遠心力を更に有効に作用させることによって,ゲルベル管の試料の振動混合を効果的になし得るものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,Aは,ゲルベル法による乳脂肪分計測におけるゲルベル管6の試料を振動混合するゲルベル管振動混合装置であり,該振動混合装置Aは,回転板4と,該回転板4の正面側に配置してゲルベル管6をそれぞれ保持することによって複数のゲルベル管6を正背面方向に並列支持自在のゲルベル管ホルダー5と,上記回転板4の背面に位置して該回転板4を正逆回転することによってゲルベル管6を回転振動自在とするステッピングモーター3とを備えたものとしてあり,本例にあって該ステッピングモーター3は,これを,電動スライダー2,電動シリンダー等の電動上下動手段により上下動し,上記回転板4の正逆回転に加えてこれを更に上下動することによって,上記ゲルベル管6を回転振動と同時又は単独に上下振動自在としたものとしてあり,また上記回転板4は,これを,開閉扉13付きの収納ケース1内に配置したものとしてある。
【0020】
本例にあって収納ケース1は,枠組フレーム11と,該枠組フレーム11の一面,本例にあっては正面に,その一側のフレームにヒンジ連結した開閉扉13を,その余の上面乃至側面に嵌殺パネルを配置して,開閉自在に構成したボックス状のものとしてあり,このとき本例の収納ケース1は,その下位に単一乃至複数の同様に開閉扉と嵌殺パネルを配置した棚又はこれを省略し開放した棚,本例にあっては開放した棚14を備えた,例えば高さを1.5m,幅及び奥行を60cm程度とした床乃至机に据え置き用のものとしてある。本例にあって上記枠組フレーム11は,金属や合成樹脂の枠材,例えばステンレス材を枠組みして形成したステンレス製のものとしてあり,このとき該枠組フレーム11は,該枠組フレーム11の背面に位置する縦枠材間に上下一対の中間枠材12を架設し,これを上記電動上下動手段の支持枠としてある。嵌殺パネルは,例えばガラス乃至樹脂製のものとするとともにその一部乃至全部に,収納ケースの内部を透視し得るように,透明乃至半透明のものとしてある。
【0021】
本例にあって該収納ケース1には,上記回転板4とともに,更にステッピングモーター3及び電動上下動手段2を,その内部に収納するように,これらを収納配置してあり,これによってステッピングモーター3乃至電動上下動手段が収納ケース1の背面に突出するのを防止してある。
【0022】
本例にあっては,電動上下動手段は,例えば電動スライダー2とし,該電動スライダー2の固定基板21を,上記収納ケース1背面上下一対の中間枠材12に,それぞれ左右のブラケット24を介して,上下左右の4カ所で固定し,該固定基板21の左右両側に配置したスライドガイド22にスライドするスライドプレート23に,上記ステッピングモーター3の基部をボルト等の固定具によって固定し,該スライドプレート23の上下スライド動作によって,該ステッピングモーター3を上下動するようにしてある。
【0023】
ステッピングモーター3の回転軸には上記回転板4を,同じくボルト等の固定具によって固定してあり,該ステッピングモーター3の正逆方向の駆動によって,該回転板4を上記正逆回転するようにしてある。
【0024】
回転板4は,金属,樹脂,木材等の適宜材料によって,例えば正面円形の厚肉円盤状のものとしてあり,該厚肉円盤状の回転板4に,その正面に向けて突出するように,その正面方向,即ち長手方向に複数,本例にあっては,例えば4本のゲルベル管6を保持するゲルベル管ホルダー5をボルトや溶着等の固定手段によって固定してあり,このとき本例の該ゲルベル管ホルダー5によるゲルベル管6の保持は,これを,ゲルベル管6の胴部61を回転板4の外周側に,目盛部62を中心側に位置するように,これを行ってあり,また該回転板4に対するゲルベル管ホルダー5の配置は,これを,該回転板4の回転中心を通過する中心線の片側半径部分の線上に位置して行ったものとしてある。
【0025】
本例のゲルベル管ホルダー5は,回転板静止状態で,その中心線の上部に,ゲルベル管6保持状態でゲルベル管6における目盛部62下端の矢尻部が回転板の中心に位置するように,回転板4への配置を行ってあり,本例にあってゲルベル管ホルダー5は,ゲルベル管6を受入れるブロック状のホルダー本体51と,ゲルベル管6を固定するカバープレート52を備えたものとしてあり,ホルダー本体51は,ゲルベル管6の胴部61を嵌合保持する中間深さまでの太径孔とゲルベル管6の目盛部62を下方に垂下するように挿通する先端の細径孔とによる,ゲルベル管6の保持数に合せた数の受孔,本例にあっては4箇所の受孔を背面側から正面側に向けて透設して並列配置した,合成樹脂乃至金属のブロック状のものとしてある。またカバープレート52は,ホルダー本体51の受孔に嵌合配置した上記4本のゲルベル管6の開口を閉塞するゴム栓63を受入れる下向き凹部と,該ゴム栓63をその上方から押圧するボルト55を螺装する螺孔とを備えて,その長手方向一端を,回転板4又はホルダー本体51にヒンジによって回動自在に軸支固定する一方,長手方向他端の自由端をホルダー本体51に対して,例えばボルトやファスナー金具等の固定具54によって着脱自在に固定することによって,ホルダー本体51に開閉自在とした,同じく合成樹脂乃至金属の厚肉プレート状のものとしてある。従ってホルダー本体51にゲルベル管6を嵌合保持し,カバープレート52を回動して,その螺孔に螺装したボルト55を回転して締着することによってゲルベル管6のゴム栓63を該ボルト55によって押圧固定して,ゲルベル管ホルダー5に対してゲルベル管6を,上記ゲルベル管6の胴部61を回転板4の外周側に,目盛部62を中心側に位置した状態に,その揺動や脱落を防止しつつ安定且つ確実に並列保持するものとしてある。
【0026】
本例のステッピングモーター3は,スイッチ7操作によるONの制御装置71への信号入力によって,予めプログラムされたパルス信号によって正逆回転の制御を行うようにするとともにOFFの信号入力によってその減速停止を行うようにしてある。このとき制御装置71によるステッピングモーター3に対する回転制御のプログラムは,例えば回転角度を1/2円,1/4円,1/8円,1/16円等のうちから選択した複数の正逆回転を順次行うように設定してあり,該ステッピングモーター3の正逆回転は,1/4円を数回,1/2円を1〜2回,1/8円を10〜数十回といったように,その回転角度と回数の適宜の組合せによるものとしてあり,このように正逆回転を組み合せることによって,上記ゲルベル管ホルダー5に保持したゲルベル管6に対する振動混合動作を有効且つ確実に付与するようにしてある。
【0027】
一方,該ステッピングモーター3をスライドプレート23に固定した電動スライダー2は,上記プログラムされたパルス信号によって,そのスライドプレート23を,例えば10cm程度の上下ストローク幅で上下動を数十回に亘って,例えば5〜10回/秒の如き高速で繰り返すようにしてあり,これによってスライドプレート23に固定したステッピングモーター3及びこれに固定した回転板4を,高速上下動して,回転板4のゲルベル管ホルダー5に保持したゲルベル管6に上下振動動作を付与するようにしてある。スライドプレート23の上下動は,例えばステッピングモーター3の回転時にこれと同時に又はステッピングモーター3の停止時に該ステッピングモーター3の回転とは別の単独に,これを行うことができるが,本例にあっては,ステッピングモーター3の回転と同時に上下動するようにプログラムしてある。
【0028】
このように形成した振動混合装置Aは,収納ケース1の開閉扉13を開けて,予め乳及び乳製品の成分規格等に関する省令で定められた量の硫酸,乳,純アミルアルコールを試料として収容し且つ胴部の開口にゴム栓63をした複数,本例にあっては4本のゲルベル管6をゲルベル管ホルダー5に並列保持した後に開閉扉を閉め,スイッチ7の操作で制御装置71に信号を入力することによって,そのプログラムに従ったステッピングモーター3による回転板4の正逆回転及び電動スライダー2による回転板の上下動を行って,そのゲルベル管ホルダー5に保持したゲルベル管6に回転振動と上下振動による振動混合の動作を付与するように使用するものとしてあり,これによって,プログラムに従ったステッピングモーター3による回転板4の正逆回転及び上下動によって,ゲルベル管6の試料は,熟練者による手振りによる場合と同等な硫酸に対する乳の溶解を得ることができ,従って上記のように可及的簡易な構造にして使い勝手がよいゲルベル管振動混合装置Aを用いることによって,常に乳脂肪分の正確な測定結果を得られ,ゲルベル法測定結果のバラツキによるトラブルを解消することが可能になる。またゲルベル管6は,ゲルベル管ホルダー5のホルダー本体51に保持してカバープレート52によって安定且つ確実に並列保持することによって,回転振動,上下振動に際して,ゲルベル管6が揺動したり,外れたりする可能性を可及的に解消して,振動混合時のトラブル発生を防止でき,また該ゲルベル管6を保持したゲルベル管ホルダー5は,これを固定した回転板4とともに収納ケース1内に収納したから,ゲルベル管ホルダー5からゲルベル管6が外れるような,万一のトラブルが生じたとしても,室内にゲルベル管6の破損による硫酸と乳の混合物が飛散したり,これによって作業者に危険を生じたりすることも確実に防止できる。
【0029】
図中15は高さ調整用のアジャスター,16は枠組みフレームの補強用コーナーブロックをそれぞれ示す。
【0030】
図示した例は以上のとおりとしたが,電動上下動装置を電動シリンダーを用いたものとすること,回転板を円盤状以外の,例えば矩形形状のものとすること,ステッピングモーター及び/又はこれを固定した電動上下動手段を収納ケースの外側に配置すること等を含めて,ゲルベル管,回転板,ゲルベル管ホルダー,ステッピングモーター,必要に応じて用いる電動上下動手段,収納ケース,その開閉扉等の具体的形状,構造,材質,これらの関係,これらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】振動混合装置の斜視図である。
【図2】振動混合装置の平面図である。
【図3】振動混合装置の側面図である。
【図4】振動混合装置の正面図である。
【図5】回転板の停止状態を示す斜視図である。
【図6】回転板の1/4円の正逆回転動作を示す斜視図である。
【図7】回転板の1/2円の正逆回転動作を示す斜視図である。
【図8】回転板の1/8円の正逆回転動作を示す斜視図である。
【図9】ゲルベル管の正面図である。
【符号の説明】
【0032】
A 振動混合装置
1 収納ケース
11 枠組フレーム
12 中間枠材
13 開閉扉
14 棚
15 アジャスター
16 コーナーブロック
2 電動スライダー
21 固定基板
22 スライドガイド
23 スライドプレート
24 ブラケット
3 ステッピングモーター
4 回転板
5 ゲルベル管ホルダー
51 ホルダー本体
52 カバープレート
53 ヒンジ
54 固定具
55 ボルト
6 ゲルベル管
61 胴部
62 目盛部
63 ゴム栓
7 スイッチ
71 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルベル法による乳脂肪分計測におけるゲルベル管の試料を振動混合する振動混合装置であって,回転板と,該回転板の正面側に配置してゲルベル管をそれぞれ保持することによって複数のゲルベル管を正背面方向に並列支持自在のゲルベル管ホルダーと,上記回転板の背面に位置して該回転板を正逆回転することによってゲルベル管を回転振動自在とするステッピングモーターとを備えてなることを特徴とするゲルベル管振動混合装置。
【請求項2】
上記ステッピングモーターによる回転板の正逆回転を,複数の異なる回転角度の組合せによって行ってなることを特徴とする請求項1に記載のゲルベル管振動混合装置。
【請求項3】
上記ステッピングモーターを,電動スライダー,電動シリンダー等の電動上下動手段により上下動し,上記回転板の正逆回転に加えてこれを更に上下動することによって,上記ゲルベル管を回転振動と同時又は単独に上下振動自在としてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲルベル管振動混合装置。
【請求項4】
上記回転板を,開閉扉付きの収納ケース内に配置してなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のゲルベル管振動混合装置。
【請求項5】
上記ゲルベル管ホルダーによるゲルベル管の保持を,ゲルベル管の胴部を回転板の外周側に,目盛部を中心側に位置するようにその長手方向複数個所で行ってなることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のゲルベル管振動混合装置。
【請求項6】
上記回転板に対するゲルベル管ホルダーの配置を,該回転板の回転中心を通過する中心線の片側半径部分の線上に位置して行ってなることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載のゲルベル管振動混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−11872(P2009−11872A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172834(P2007−172834)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(390001270)グリコ乳業株式会社 (29)
【Fターム(参考)】