説明

ゲルミックスヨーグルトの製造方法

【課題】ゲル中に流動状であるヨーグルトが一体となって存在する新規食品形態のゲルミックスヨーグルトの簡便な製造方法を提供する。
【解決手段】LMペクチンを0.1〜1.5質量%含有し、粘度を5〜1500mPa・sに調整したLMペクチン含有溶液を先に容器に充填後、流動状のヨーグルトを添加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル中にヨーグルトを含有したゲルミックスヨーグルトの製造方法に関する。詳細には、ヨーグルト独自の食感を維持しつつ、簡便な製造工程でゲル中にヨーグルトが含有されたゲルミックスヨーグルトを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食嗜好の多様化に伴い、種々の素材を組み合わせたゼリー商品やヨーグルト商品が開発されている。例えば、ゲルの比重差を利用して製造された二層ゼリー(特許文献1)、異種ゼリーが混在するゼリー食品(特許文献2)、上層にクリーム層を有するヨーグルト(特許文献3)、果汁ゼリー入りソフトヨーグルト(特許文献4)等が挙げられる。しかし、これらはいずれも各々の食品が層状を形成している、若しくは母体であるゼリーやヨーグルト中にゼリーが分散している形態であり、母体であるゼリー中にヨーグルトを含有する食品について一切開示されていない。ゼリー中にヨーグルトを含有した食品の製造方法として考えられる形態として、ゼリーを製造後、撹拌等の機械的せん断によって母体ゼリーを破壊し、ヨーグルトを添加、混合する形態が挙げられるが、係る製造方法では単にヨーグルト中にゼリーが分散した形態の食品が製造されるに過ぎない。ゼリーを製造後、ゼリー部に穴を設け、ヨーグルトを添加する形態も考えられるが、係る製造方法では製造工程が煩雑である。
【0003】
一方、ヨーグルトと最終的に混合されることを目的とするフルーツプレパレーションシロップにペクチンやLMペクチンを添加する技術が開示されている(特許文献5、6)。しかし、特許文献5、6に開示されているフルーツプレパレーションは、シロップ中でのアロエ葉肉の収縮防止目的でペクチンやLMペクチンが添加されているに過ぎず、係る製法で調製されたヨーグルトは単なるフルーツ入りヨーグルトである。更に、通常、フルーツ含有ヨーグルトを製造する際に混合して用いられるフルーツプレパレーション等は、2000mPa・s〜3000mPa・sに粘度を調整されたものが多いが、係る粘度のプレパレーションを用いた場合は、例えLMペクチンが含有されていた場合であっても、目的とするゲルミックスヨーグルトを調製することはできない。
【0004】
【特許文献1】特開2006−280322号公報
【特許文献2】特開平09−275915号公報
【特許文献3】特開2007−53977号公報
【特許文献4】特開平09−37712号公報
【特許文献5】特開2006−211940号公報
【特許文献6】特開2004−248612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ヨーグルト独自の食感、及び流動状の性質が維持された状態で、ゲル中にヨーグルトが存在する新規な形態食品であるゲルミックスヨーグルトを提供することを目的とする。詳細には、ヨーグルト特有の流動性及び食感を維持しつつも、ゲル部とヨーグルトが完全に混ざり合うことなく、ゲル中に流動状であるヨーグルトが存在し、ゲル部とヨーグルトの境界が明確な外観を有する新規食品形態のゲルミックスヨーグルトを簡便な製造工程で製造できるゲルミックスヨーグルトの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、LMペクチンを0.1〜1.5質量%含有し、粘度を5〜1500mPa・sに調整したLMペクチン含有溶液を先に容器に充填後、流動状のヨーグルトを添加することにより、ヨーグルトを内部に含有した状態でゲルが形成され、ヨーグルト及びゲルが一体となったゲルミックスヨーグルトを製造できることを見出して、本発明を完成した。
【0007】
本発明は、以下の態様を有するゲルミックスヨーグルトの製造方法に関する;
項1.LMペクチンを0.1〜1.5質量%含有し、粘度を5〜1500mPa・sに調整したLMペクチン含有溶液を先に容器に充填後、流動状のヨーグルトを添加することを特徴とする、ゲルミックスヨーグルトの製造方法。
項2.上記LMペクチン含有溶液100質量部に対し、ヨーグルトを100〜800質量部添加することを特徴とする、項1に記載のゲルミックスヨーグルトの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
ヨーグルト特有の流動性及び食感を維持しつつも、ゲル部とヨーグルトが完全に混ざり合うことなく、ゲル中にヨーグルトが存在し、ゲル部とヨーグルトの境界が明確な外観を有する新規食品形態のゲルミックスヨーグルトを簡便な製造工程で製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明はLMペクチンを0.1〜1.5質量%含有し、粘度を5〜1500mPa・sに調整したLMペクチン含有溶液を先に容器に充填後、流動状のヨーグルトを添加することを特徴とする、ゲルミックスヨーグルトの製造方法に関する。本発明でいうゲルミックスヨーグルトとは、ヨーグルト特有の食感、及び流動性を維持した状態でゲル中にヨーグルトが存在する形態食品であり、ゲル部ではなくソース部とヨーグルト部が混合された食品や、従来のヨーグルト部とゲル部が各々水平層を形成する層状の組合せ食品とは異なる形態の食品である。本発明のゲルミックスヨーグルトはヨーグルト、及びLMペクチン含有溶液がヨーグルトの酸及びカチオンによってゲル化したゲル部を含む。ゲルミックスヨーグルトの形態としては、ゲル中にヨーグルトが筒状、渦巻き状、球状等の各形状で存在している形態を例示することができ、容器のいかなる水平層にもゲル部が存在する形態のゲルミックスヨーグルトをいう。本発明のゲルミックスヨーグルトは、ヨーグルト特有の食感、流動性を維持しつつも、ゲル部とヨーグルトの境界が明確な外観を有するため、外観と食感で2度楽しめる新規形態食品である。更に、本発明のゲルミックスヨーグルト容器のいかなる水平層にもゲル部が存在するため、底部にソース、ゲルを敷いたヨーグルトや、上部にのみゲルを敷いたヨーグルトに比べ、どの断面でもゲルをすくい上げる事ができ食べやすい等、喫食面においても優れる。
【0010】
本発明で用いるLMペクチン(ローメトキシルペクチン)は、エステル化度が50%以下、好ましくは40%以下のものを使用することが好ましい。該LMペクチンは商業的に入手可能であり、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のビストップ[商標]D−402、ビストップ[商標]D−2126、ビストップ[商標]D−1382等が挙げられる。本発明では、LMペクチンを0.1〜1.5質量%、好ましくは0.2〜1.3質量%、更に好ましくは0.3〜0.7質量%含有し、粘度を5〜1500mPa・sに調整したLMペクチン含有溶液を用いることを特徴とする。水溶液中のLMペクチンの添加量が1.5質量%より多くなるとヨーグルトと混合したときに出来るゲルが硬くなり食感が悪くなり、一方でLMペクチンの添加量が0.1質量%未満であるとヨーグルトと混合しても明確にヨーグルト部と食感差がつくようなゲルができない。
【0011】
本発明ではLMペクチン含有溶液を5〜1500mPa・s、より好ましくは5〜800mPa・s、更に好ましくは5〜500mPa・sに調整することを特徴とする。通常、フルーツ含有ヨーグルトを製造する際に混合して用いられるフルーツプレパレーション等は、2000mPa・s〜3000mPa・sに粘度を調整されたものが多いが、本発明のLMペクチン含有溶液では、1500mPa・sを超えると、容器の下部にLMペクチン含有溶液が多くなり、上部までLMペクチン含有溶液が浮き上がってこず、容器のいかなる水平層にもゲル部が存在する本発明のゲルミックスヨーグルトを調製することができず、どの水平断面でもゲルをすくえるものとはならない。
【0012】
かかるLMペクチン含有水溶液は、水等の溶液にLMペクチンを添加、加熱溶解後、好ましくは2〜45℃、更に好ましくは3〜25℃に温度調整し、製造することが可能である。更に、本発明で用いるLMペクチンを含有する水溶液は、pHが3.0〜4.0、更には3.2〜3.9の範囲であることが好ましい。中性域での高熱処理ではペクチンの分解がおこる為、係るpHの範囲のLMペクチン水溶液を用いることが好ましい。
【0013】
本発明で用いるヨーグルトは1〜45℃、好ましくは3〜15℃、更に好ましくは4〜12℃に調整されていることが好ましい。上記範囲内にヨーグルトの温度を調整することによって、ヨーグルト特有の食感を維持したまま、ゲル中にヨーグルトが一体となって存在することが可能となる。
【0014】
ヨーグルトの製造方法としては、乳原料、乳酸菌等の原料を大きなタンクなどに入れて発酵した後、製造された発酵乳を容器充填する方法(前発酵方式)と、乳原料と乳酸菌などを混合した混合原料を容器充填し、その容器内で発酵させる方法(後発酵方式)があるが、本発明では好ましくは、前発酵方式で製造する。後発酵方式で製造する場合は、乳酸菌発酵後、カードを撹拌によって砕き、ソフトタイプ(流動状)のヨーグルトとしておく必要がある。本発明のヨーグルトは上記特定温度に調整する以外は通常のヨーグルトと同様の構成をとることができ、即ち、乳原料、乳酸菌(スターター)、水、糖質、安定剤、油脂、乳化剤、着香料、着色料、風味調整剤、酸化防止剤等より選択された添加材料を、所定の割合で混合させ溶融したものが用いられる。
【0015】
本発明では、LMペクチンを0.1〜1.5質量%含有し、粘度を5〜1500mPa・sに調整したLMペクチン含有溶液を先に容器に充填後、流動状のヨーグルトを添加することを特徴とする。係る特定添加量、及び特定粘度のLMペクチン含有溶液を用いることにより、充填後にヨーグルト中のカチオンおよび酸によってLMペクチン含有溶液部がゲル化し、かつゲル中に流動状のヨーグルトが明確な輪郭を有しつつも一体となって含有されたゲルミックスヨーグルトを製造することが可能となる。更に、上記特定製造工程をとることにより、容器のいかなる水平層においてもゲル部が存在するゲルミックスヨーグルトを製造することが可能となった。なお、流動状のヨーグルトは撹拌工程なしに添加することが可能である。例えば、LMペクチン溶液を含有する容器に、別途タンクに調製したヨーグルトを流し入れる方法などが挙げられる。必要に応じて渦巻き状にヨーグルトを充填することにより、マーブル状のミックスヨーグルトが製造可能である。一方、流動状のヨーグルトを容器に先に充填後、LMペクチン含有溶液を添加した場合はヨーグルトの上部にのみLMペクチンが形成するゲルが存在する形状となり、目的とする本発明のゲルミックスヨーグルトを製造することができない。
【0016】
本発明のゲルミックスヨーグルトは、10℃以下での調製が可能であり、本発明の製造工程をとることによって、冷蔵保存していたヨーグルトやプレパレーションを一度加熱するといった、特別な加熱工程を経ることなく最終食品であるゲルミックスヨーグルトを製造することが可能である。
【0017】
LMペクチンを含有する水溶液に対するヨーグルトの添加量は、求められる最終食品によって適宜調整することが可能であるが、LMペクチン水溶液100質量部に対し、ヨーグルトを100〜800質量部、好ましくは150〜700質量部、より好ましくは200〜550質量部添加することが好ましい。係る配合量でヨーグルトを添加することによりゲル部が均一に容器中に存在したゲルミックスヨーグルトが得られる。
【0018】
本発明のLMペクチン溶液には、本発明の効果に影響を与えない範囲において、果汁、果肉、各種増粘多糖類、ゲル化剤、糖質、乳化剤、着色料、着香料、風味調整剤、酸化防止剤を添加することができる。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「質量部」、「%」は「質量%」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
【0020】
実験例1:ゲルミックスヨーグルトの調製
(1)ヨーグルトの調製
表1の処方に従い、発酵乳ベースを調製した。詳細には、水を撹拌しながら、牛乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、砂糖、ヨーグルト用安定剤を加え、70℃にて10分間加熱撹拌溶解し、全量補正後、150kgf/cm2の条件で均質化した。90℃にて10分間殺菌後40℃まで冷却させ、乳酸菌を加え40℃にてpH4.5まで発酵させた。発酵後、ヨーグルトのカードを破砕し10℃以下に冷却して流動状のヨーグルトを調製した。
【0021】
【表1】

【0022】
注1)ゲルアップ※YO−H(F)*;寒天、ゼラチン含有製剤
【0023】
(2)LMペクチン含有溶液の調製
下記表2に従ってLMペクチン含有溶液を調製した。詳細には、水に砂糖、LMペクチンの混合物を添加し、80℃にて10分間撹拌溶解した。香料、果汁を添加し更に80℃にて1分間撹拌溶解後、調整したLMペクチン含有溶液(プレパレーション)は耐熱袋に充填し、85℃にて30分間殺菌後、4℃にて保存した。
【0024】
【表2】

【0025】
注2)ビストップ※D−402*
注3)ビストップ※D−30*
注4)アップルフレーバー NO.2414*
【0026】
(3)ゲルミックスヨーグルトの調製
上記(1)、(2)で調製したヨーグルト及びLMペクチン含有溶液を用いて、表3の処方に従ってゲルミックスヨーグルトを調製した。詳細には、上記(2)で調製したLMペクチン含有溶液を14gカップに充填し、上から10℃以下に冷却した流動状のヨーグルト56gを撹拌することなく充填後、密封して、ゲル中に筒状のヨーグルトが含有されたゲルミックスヨーグルトを調製した。結果を表3、図1〜5に示す。なお、粘度はB型回転粘度計にて10℃での溶液温度を1分間測定した値である(回転数:30rpm)。
【0027】
【表3】

【0028】
実施例1〜4で調製されたゲルミックスヨーグルトは、ゲル中に流動状のヨーグルトが筒状で含有され、かつヨーグルトとゲルの境界が明確な新規食品形態のゲルミックスヨーグルトであった。更に、ヨーグルト特有の食感は維持されたままであるため、食した際はソフトヨーグルト特有の食感とゲル(ゼリー)の食感が楽しめる食品であった。一方、LMペクチンを0.4質量%用いた場合においても、LMペクチン含有溶液の粘度が1900mPa・sとなると、ゲル部の上部にヨーグルト層が形成された単なる層状食品に近い食品が調製されたに過ぎず、本発明が特徴とする容器のいかなる水平層にもゲルが存在したゲルミックスヨーグルトを調製することはできなかった(比較例1)。
【0029】
一方、実施例1で用いたLMペクチン0.4%の代わりに、LMペクチン0.05%(比較例2)LMペクチン2.0%(比較例3)、脱アシル型ジェランガム0.5%(比較例4)、カラギナン0.5%(比較例5)、寒天1.0%(比較例6)、低分子量寒天0.5%(比較例7)を用いる以外は実験例1と同様にゲルミックスヨーグルトを調製したが、同じLMペクチンを用いた場合であっても添加量が0.05%と低い場合は、殆どゲルを形成せず、またヨーグルト部との食感差が認められなかった。一方でLMペクチンの添加量が高い場合はゲル部が硬く、ゴムのような弾力を有し、フレーバーリリースも悪く、食感の悪いものであった。LMペクチンの代わりに脱アシル型ジェランガム、カラギナンを用いた場合は酸や果汁からくるカチオンにより溶液を10℃以下に温度調整した時点で溶液がゲル化し、流動状のヨーグルトを添加してもゲル化したゼリーの上部にヨーグルトが流し込まれるに過ぎず、ゲル中にヨーグルトが含有されたゲルミックスヨーグルトを調製することができなかった(比較例4、5)。同様に、寒天を使用した場合でも、溶液を10℃以下に温度調整した時点で溶液がゲル化し、流動状のヨーグルトを添加してもゲル化したゼリーの上部にヨーグルトが流し込まれるに過ぎなかった(比較例6)。また、低分子量寒天を使用した場合では、ゲル化しない溶液を得ることができたが、ヨーグルトを混合しても溶液をゲル化させることはできなかった(比較例7)。LMペクチン、低分子量寒天を用いた例(比較例2、3及び比較例7)は、溶液の粘度は1500mPa・s以下であったが、特定添加量のLMペクチンを用いなかった場合は、本発明のゲルミックスヨーグルトを調製することができなかった。
【0030】
実施例5〜7:ゲルミックスヨーグルトの調製(2)
以下の処方に従ってゲルミックスヨーグルトを調製した。
(LMペクチン溶液の調製)
水に砂糖、LMペクチン、分散安定剤の混合物を添加し、80℃にて10分間撹拌溶解し、LMペクチン含有溶液を調製した。更に香料、果汁、果肉を添加し、80℃にて1分間撹拌溶解後、調整した溶液を耐熱袋に充填し、85℃にて30分間殺菌した。
【0031】
【表4】

【0032】
注5)ビストップ※D−2126*
注6)アップルフレーバー NO.2414*
注7)サンアーティスト※PX*
注8)ピーチフレーバー NO.2420*
【0033】
(ゲルミックスヨーグルトの調製)
上記調製したLMペクチン含有溶液、及び実験例1(1)で調製した流動状のヨーグルトを用いて、ゲルミックスヨーグルトを調製した。詳細には、上記調製したLMペクチン含有溶液(10℃)を35gカップに充填し、上から実験例1(1)で調製した流動状のヨーグルト(発酵乳ベース)70gを撹拌することなく充填後、密封してゲルミックスヨーグルトを調製した。調製されたゲルミックスヨーグルト(実施例5〜7)は、ヨーグルト特有の流動性及び食感を維持しつつも、ゲル部とヨーグルトが完全に混ざり合うことなく、ゲル中に流動状のヨーグルトが筒状で含有され、ゲル部とヨーグルトの境界が明確な外観を有する新規食品形態なゲルミックスヨーグルトであった。
【0034】
実施例7:ゲルミックスヨーグルト(渦巻き状)の調製(3)
以下の処方に従ってゲルミックスヨーグルトを調製した。
(LMペクチン含有溶液の調製)
水に砂糖、LMペクチンの混合物を添加し、80℃にて10分間撹拌溶解した。更に香料、ピューレを添加し80℃にて1分間撹拌後、耐熱袋に充填し、85℃にて30分間殺菌することによってLMペクチン含有溶液を調製した。
【0035】
【表5】

【0036】
注9)マンゴフレーバー NO.71066*
【0037】
(ゲルミックスヨーグルトの調製)
上記調製したLMペクチン含有溶液、及び実験例1(1)で調製した流動状のヨーグルトを用いて、ゲルミックスヨーグルトを調製した。詳細には、8℃に調整したLMペクチン含有溶液を20gカップに充填し、上から5℃に調整したヨーグルト80gを渦を巻くように、撹拌することなく充填後、密封してゲルミックスヨーグルトを調製した。調製されたゲルミックスヨーグルトは流動状のヨーグルト特有の食感を維持しつつも、ゲル中にきれいな渦巻状のヨーグルトが含有されたゲルミックスヨーグルトであった(図6)。
【産業上の利用可能性】
【0038】
簡便な製造工程で、ゲル中に流動状であるヨーグルトが一体となって存在するゲルミックスヨーグルトを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1で調製されたゲルミックスヨーグルトの外観及び上から見た写真である。
【図2】実施例2で調製されたゲルミックスヨーグルトの外観及び上から見た写真である。
【図3】実施例3で調製されたゲルミックスヨーグルトの外観及び上から見た写真である。
【図4】実施例4で調製されたゲルミックスヨーグルトの外観及び上から見た写真である。
【図5】比較例1で調製されたゲルミックスヨーグルトの外観及び上から見た写真である。
【図6】実施例7で調製されたゲルミックスヨーグルトの外観である。
【図7】図1〜図4で調製されたゲルミックスヨーグルトの形態を示す図である。 (a:ヨーグルト部、b:ゲル部を示す)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LMペクチンを0.1〜1.5質量%含有し、粘度を5〜1500mPa・sに調整したLMペクチン含有溶液を先に容器に充填後、流動状のヨーグルトを添加することを特徴とする、ゲルミックスヨーグルトの製造方法。
【請求項2】
上記LMペクチン含有溶液100質量部に対し、ヨーグルトを100〜800質量部添加することを特徴とする、請求項1に記載のゲルミックスヨーグルトの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−148204(P2009−148204A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329333(P2007−329333)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000175283)三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 (429)
【Fターム(参考)】