説明

ゲームシステム並びに、これに用いるコンピュータプログラム及びサーバ装置

【課題】利用状況に応じた料金を算出することが可能なゲームシステムを提供する。
【解決手段】ネットワーク5を介して複数のゲーム機2とセンターサーバ3とが接続され、各ゲーム機2にて実行されるべきゲームに関連してセンターサーバ3が実行する処理を、ゲーム機2からの要求に応じて選択的に実行されるべき複数の単位処理に区分可能なゲームシステム1において、複数の単位処理のそれぞれが実行された回数をゲーム機2毎に区別して計数する手段と、所定の集計期間における計数結果に基づいて、当該集計期間におけるシステム1の利用料金をゲーム機2を単位として算出する手段とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを含んだシステムの利用状況に応じた料金を算出することが可能なゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームシステムに係るビジネスの一形態として、店舗等の商業施設の運営者が、ゲームシステムの管理者からゲーム装置あるいはそのソフトウエアの提供を受けてゲーム装置を施設で稼働させ、運営者がゲーム装置のユーザ(プレイヤ)からゲームの対価として料金を徴収し、得られた収益から管理者にシステムの利用料金を支払う形態がある。そのような形態におけるゲーム装置等の利用料金の課金方法としては、例えば単位期間(一例として一月)毎に定額の利用料を管理者が運営者から徴収する定額課金方式が従来より採用されていた。近年では、ゲーム装置におけるゲームのプレイ回数を計数し、回数に応じた料金を徴収する従量課金方式も提案されている(例えば特許文献1参照)。その従量課金方式を採用したゲームシステムでは、一回のゲームが実行される毎にプレイ履歴情報が記録され、そのプレイ履歴情報が記録される毎にプレイカウント値が累計され、そのプレイカウント値に従って利用料金が算出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−268237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の従量課金方式のゲームシステムにおいては、課金の最小単位が一回のゲーム、つまり、ユーザがプレイ料金を支払った対価としてプレイすることが許容されるゲームの範囲である。しかし、従量課金方式では、料金を決定する基準としての「量」を何に依存して定めるかに関して様々な考え方がある。一例として、システムの利用状況に応じて料金を徴収する、という考え方がある。その場合、ゲームの一回のプレイを課金単位とするだけでは利用状況に見合った課金設定ができないおそれがある。例えば、一回のゲームの中で、プレイヤの指示に応じて選択されるモード等のオプションが存在し、選択内容に応じてコンピュータの処理量(CPUの使用時間等)が異なる場合には、利用料金がコンピュータの利用状況を必ずしも反映した値にならないおそれがある。あるいは、ネットワークを利用したゲームシステムの場合、一回のゲームの実行に対してサーバ装置が担当すべき処理の量が様々に異なることがある。その場合、サーバ装置の利用状況に応じて運営者から料金を徴収したくても、個々のゲーム装置がサーバ装置のサービスを利用した量に見合った課金ができないおそれがある。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、利用状況に応じた料金を算出することが可能なゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、ゲームに関連してコンピュータ(20)が実行する処理を、選択的に実行されるべき複数の単位処理に区分可能なゲームシステム(1)であって、前記複数の単位処理のそれぞれが実行された回数を計数する計数手段(24、S11〜S13)と、所定の集計期間における前記計数手段の計数結果に基づいて、当該集計期間におけるシステムの利用料金を算出する料金算出手段(24、S21〜S31)と、を備えている。
【0007】
また、本発明のコンピュータプログラムは、ゲームに関連してコンピュータ(20)が実行する処理を、選択的に実行されるべき複数の単位処理に区分可能なゲームシステムに適用され、前記コンピュータを、前記複数の単位処理のそれぞれが実行された回数を計数する計数手段(24、S11〜S13)、及び、所定の集計期間における前記計数手段の計数結果に基づいて、当該集計期間におけるシステムの利用料金を算出する料金算出手段(24、S21〜S31)として機能させるように構成されている。
【0008】
本発明によれば、コンピュータにて各単位処理が実行された回数が計数され、その計数結果に基づいて利用料金が算出されるので、ゲーム回数に依存して料金を算出する従来技術と比較して、システムの利用状況を料金に適切に反映させることが可能である。すなわち、各単位処理は、ゲームのユーザ(プレイヤ)からの指示、ゲームの進行手順といった選択要因に応じて適宜に実行されるため、実行頻度が高い単位処理もあれば、実行頻度の低い単位処理もある。しかも、単位処理の実行頻度のばらつきは、ゲーム機が設置された施設、ゲームのユーザ層等によっても様々に変化する。本発明によれば、各単位処理の実行回数を計数することにより、ゲームの実行中に、コンピュータにて各単位処理がどの程度実行されたかを把握し、それによりシステムの利用状況を従来よりも詳細に判別して、その判別結果に見合った料金を算出することが可能である。
【0009】
本発明において、単位処理は、何らかの選択要因に応じて適宜に選択されてコンピュータが実行するものであればよい。例えば、ユーザの選択によって実行されるゲームモードを実現するための一纏めの処理を単位処理として設定することができる。あるいは、ユーザの指示、あるいはゲーム装置それ自身の判断に従ってサーバ装置に要求され、その要求に応じてサーバ装置が実行する一纏めの処理を単位処理として設定することができる。その他にも、単位処理は適宜の観点から区分されてよい。システムの利用料金の概念は、例えばゲーム装置をスタンドアローンで動作させるゲームシステムの場合には、そのゲーム装置の利用料金として観念することができる。ネットワークを利用したゲームシステムの場合には、一例として、サーバ装置の利用料金、あるいはサーバ装置によって提供されるサービスの利用料金としてシステムの利用料金を観念することができる。
【0010】
本発明の一形態において、前記料金算出手段は、前記計数手段が計数した各単位処理の実行回数と、各単位処理に対応して設定された重み値とに基づいて、前記集計期間における各単位処理の利用量を算出し、当該利用量を集計した値に基づいて前記利用料金を算出してもよい。これによれば、料金設定に関する単位処理のそれぞれの事情を重み値に反映させて利用料金を定めることができる。なお、重み値は適宜の基準に従って設定してよい。一例として、コンピュータの処理量に関する単位処理間の相違を相殺できるように重み値を設定することができる。これによれば、単位処理間でコンピュータの処理量に相違があっても、それを均して、各単位処理が実行された際のコンピュータの利用量を、利用料金に適切に反映させることができる。なお、ここでいう相殺の概念は、処理量の相違を解消する場合に限らず、相違を減少させる場合も含む。処理量は、一例としてコンピュータが処理に要する時間、処理すべきデータ量等によって表現することができる。
【0011】
本発明において、前記料金算出手段は、前記利用量を集計した値が大きいほど利用料金が高くなるように、前記集計した値に応じて利用料金を算出してもよい。さらに、前記料金算出手段は、前記集計した値が所定の下限値以下の場合には前記利用料金を下限額に固定し、前記集計した値が所定の上限値を超過する場合には前記利用料金を上限額に固定してもよい。
【0012】
本発明の一形態において、ゲームシステムは、ネットワーク(5)を介して接続されたゲーム装置(2)及びサーバ装置(3)を有し、前記複数の単位処理のそれぞれは、前記ゲーム装置からの要求に従って前記サーバ装置のコンピュータ(20)が選択的に実行するものであってもよい。この形態によれば、ゲーム装置からの要求に従ってサーバ装置のコンピュータが単位処理を実行した回数が計数され、その計数結果に基づいて、当該ゲーム装置に関するシステムの利用料金が算出される。なお、この形態において、計数手段は、ゲーム装置又はサーバ装置のいずれに設けられてもよい。
【0013】
上記の形態において、前記ネットワークには複数のゲーム装置が接続され、前記計数手段は前記ゲーム装置毎に区別して前記回数を計数し、前記料金算出手段は、前記ゲーム装置を単位として前記利用料金を算出してもよい。ゲーム装置毎に実行回数を計数して利用料金を算出することにより、個々のゲーム装置におけるシステムの利用状況に応じた利用料金を算出することができる。さらに、課金対象の複数のグループ(6)のそれぞれに前記ゲーム装置が設置され、前記料金算出手段は、前記グループ毎に利用料金を集計してもよい。これにより、グループ単位でシステムの利用料金が算出される。
【0014】
本発明は、ネットワーク(5)を介して複数のゲーム装置(2)と接続され、各ゲーム装置にて実行されるべきゲームに関連してコンピュータ(20)が実行する処理を、前記ゲーム装置からの要求に応じて選択的に実行されるべき複数の単位処理に区分可能なゲームシステム用のサーバ装置(3)であって、前記複数の単位処理のそれぞれが実行された回数をゲーム装置毎に区別して計数する計数手段(24、S11〜S13)と、所定の集計期間における前記計数手段の計数結果に基づいて、当該集計期間におけるシステムの利用料金を前記ゲーム装置を単位として算出する料金算出手段(24、S21〜S31)と、を備えたゲームシステム用のサーバ装置として具現化されてもよい。本発明のサーバ装置によれば、複数のゲーム装置のそれぞれがサーバ装置のコンピュータを利用した状況に応じて各ゲーム装置の利用料金を算出することができる。
【0015】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
以上に説明したように、本発明によれば、ゲームに関連してコンピュータが実行する処理を複数の単位処理に区分し、各単位処理の実行回数を計数しているので、ゲームの実行中に、コンピュータにて各単位処理がどの程度実行されたかを把握することができる。それにより、システムの利用状況を従来よりも詳細に判別して、その判別結果に見合った利用料金を算出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【図2】図1のゲーム機及びセンターサーバの制御系における機能ブロック図。
【図3】ネットワークを利用したゲームの手順と、そのゲームの実行に関連付けられたゲームシステムの利用料金を算出する処理との関係の一例を示す図。
【図4】IDテーブルの一例を示す図。
【図5】利用量テーブルの一例を示す図。
【図6】イベント集計テーブルの一例を示す図。
【図7】課金データの一例を示す図。
【図8】イベント計数処理の手順を示すフローチャート。
【図9】課金集計処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、ネットワークを利用したゲームシステムに本発明を適用した一形態を説明する。本形態に係るゲームシステムの概略構成を図1に示す。ゲームシステム1においては、複数のゲーム機(ゲーム装置)2と、センターサーバ(サーバ装置)3とがルータ4を介してネットワーク5にそれぞれ接続されている。センターサーバ3は一台の物理的装置によって構成される例に限らず、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論理的なセンターサーバ3が構成されてもよい。一台のゲーム機2がセンターサーバ3として兼用されてもよい。ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するもので、典型的にはインターネットがネットワーク5として使用される。各ゲーム機2は、ゲームの対価としてプレイ料金を徴収する業務用又は商用のゲーム機として構成されている。ゲーム機2は、店舗6等の商業施設に適当な台数ずつ設置される。ゲーム機2で実行されるゲームの内容は適宜でよい。ゲーム機2間でゲームが相違していてもよい。ルータ4は各店舗6及びセンターサーバ3に対応付けて設置され、同一店舗のゲーム機2は共通のルータ4を介してネットワーク5に接続されている。ゲーム機2と店舗6のルータ4との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機2がセンターサーバ3と通信可能に接続されてもよい。本形態のゲームシステム1では、各店舗6のゲーム機2がセンターサーバ3のサービスを利用した量(単に、センターサーバ3の利用量と呼ぶことがある。)がシステム利用量として所定の集計期間毎に集計され、その集計値に基づいて、店舗6毎にシステムの利用料金が算出され、その額が店舗6の運営者(営業主体)に課金される。各店舗6は、課金対象としての一つのグループに相当する。
【0019】
センターサーバ3は、ゲームシステム1の管理者によって設置され、ネットワーク5を介した各種のサービスを、ゲーム機2又はそのゲーム機2のユーザ(プレイヤと呼ぶこともある。)に対して提供する。一例として、センターサーバ3は、ゲーム機2を介したゲームプログラムあるいはデータの更新サービス、ゲーム機2のユーザを認証し、そのユーザのプレイ履歴、セーブデータ等を含んだプレイヤデータをセンターサーバ3上に保存し、ゲーム機2からの要求に応じてプレイヤデータをそのゲーム機2に提供するサービス、ネットワーク5を介してユーザ同士が対戦し、あるいは協力しつつゲームを進めるために必要なユーザ間のマッチングサービス等を提供する。
【0020】
ゲーム機2及びセンターサーバ3には、ネットワーク5上でそれらを識別するためのユニークなIPアドレスが付されている。ゲーム機2同士あるいはゲーム機2とセンターサーバ3との間の通信では、そのIPアドレスを利用して通信相手が特定される。ネットワーク5がインターネットのように公開性のあるネットワークの場合には、各ルータ4にネットワーク5上でユニークな固定アドレスが設定される。ゲーム機2には、その固定アドレスとの組み合わせによってネットワーク5上でゲーム機2を一意に識別するためのプライベートアドレスがIPアドレスとして設定される。この場合、ゲーム機2とセンターサーバ3との間、あるいはゲーム機2同士の間には仮想プライベートネットワーク(VPN)が構築され、そのVPN上で各ゲーム機2がプライベートアドレスを用いて一意に特定される。以下では、ルータ4に付された固定アドレス、すなわち店舗6を一意に識別するための情報を店舗IDと、ゲーム2機に付されたプライベートアドレス、すなわちゲーム2機を一意に識別するための情報を筐体IDと呼ぶことがある。
【0021】
次に、図2を参照して、ゲームシステム1の制御系の構成を説明する。ゲーム機2には、制御ユニット10が設けられている。制御ユニット10には、入力装置11、表示装置12、カードリーダ13、金銭収受装置14及び記憶装置15が接続されている。入力装置11は、ユーザの操作を受け付け、その操作内容に応じた信号を制御ユニット10に出力する。表示装置12は、制御ユニット10からの指示に従ってゲーム画面等を表示する。カードリーダ13は、ユーザが所持するカード8の情報を読み取ってその情報に対応した信号を制御ユニット10に出力する。カード8には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられており、その媒体にはカード8毎にユニークなID(以下、カードIDと呼ぶことがある。)等が記録されている。なお、カードIDは、カード8にバーコード等の形態で記録されていてもよい。金銭収受装置14は、ユーザが投入した金銭(硬貨あるいは紙幣)の額を検出し、投入額に応じた信号を制御ユニット10に出力する。記憶装置15は、例えばハードディスク記憶装置等、記憶保持が可能な記憶装置である。記憶装置15は、所定のゲームを制御ユニット10に実行させるためのゲームプログラム101、及びそのゲームプログラム101がゲームを進めるために適宜に参照するゲームデータ102といった各種のデータを記憶する。
【0022】
記憶装置15のゲームプログラム101を制御ユニット10が読み取って実行することにより、制御ユニット10の内部には、論理的装置としてのゲーム制御部16及び課金管理部17が設けられる。ゲーム制御部16は、ゲーム機2にてユーザに提供されるゲームの開始、進行、及び終了の管理といったゲームのプレイに必要な各種の処理を実行する。課金管理部17は、ユーザに対してプレイ料金の支払いを要求し、要求した額のプレイ料金が徴収されたか否かを判別するといったプレイ料金の徴収に関連する処理を実行する。なお、本形態では、ユーザがプレイ料金を支払う手段(支払い方法)として、金銭収受装置14を利用した現金による支払い方法と、センターサーバ3にて管理されている口座から電子通貨を引き落とすことにより支払う方法とが選択可能とされている。ただし、支払い額の最小単位(最小額)は、現金による支払い方法よりも、電子通貨による支払い方法がより小さい。例えば、現金では100円が最小単位であるのに対して、電子通貨では1円単位相当量での支払いが可能とされる。
【0023】
センターサーバ3には、制御ユニット20と、記憶装置21とが設けられている。制御ユニット20は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサにて実行されるべきオペレーティングシステム等のプログラムが記録されたROM、及びマイクロプロセッサに対する作業領域を提供するRAM等の内部記憶装置(不図示)とを備えたコンピュータユニットである。制御ユニット20には、キーボード等の入力装置と、モニタ等の出力装置とが接続されるが、それらの図示は省略した。記憶装置21は、制御ユニット20にて実行されるべきサーバプログラム201及びそのプログラム201が参照する各種のデータを記憶する。記憶装置21には、制御ユニット20が参照すべきデータの一種として、プレイヤデータ202、IDテーブル203、口座データ204及び課金管理データ205が記録されている。
【0024】
プレイヤデータ202は、プレイヤの属性(氏名、年齢、性別等)プレイ履歴、成績といったゲームのプレイ内容に関連した情報を、そのプレイヤが所持するカード8のカードIDと関連付けて記録したレコードの集合である。IDテーブル203は、店舗IDと筐体IDとを対応付けたデータテーブルである。つまり、IDテーブル203は、各ゲーム機2がどの店舗6に設置されているかを判別するためのデータである。IDテーブル203の具体例は図4に示した通りである。この例では、店舗IDの“10001”に筐体IDの“XXX101”、“XXX0124”、“XXX228”…が対応付けられ、店舗IDの“10002”に筐体IDの“XXX321”、“XXX004”が対応付けられている。なお、文字“X”は適宜の数値、文字等のコードを意味する。店舗IDの取り方もあくまで一例に過ぎない。
【0025】
口座データ204は、ユーザが保持する電子通貨の額をそのユーザに固有のID(以下、ユーザIDと呼ぶ。)と関連付けて記録したレコードの集合である。カードIDとユーザIDとは1対1又は多対1で対応付けられている。センターサーバ3の記憶装置21には、カードIDとユーザIDとの対応関係を判別するためのデータも記録されている。口座データ204に保持される電子通貨の額は、システム1の管理者等が運営するウェブサイト等を介してユーザが増額(預入)することが可能とされている。電子通貨の預入に対応したユーザへの課金は、例えばクレジットカード等による決済手段を通じて別途行われる。あるいは、電子通貨の預入専用端末等を利用して現金と引き換えに電子通貨が預け入れられるようにしてもよい。口座データ204に対する電子通貨の預入及びその決済は、プリペイド型の電子通貨システムのそれと同様でよく、その詳細は説明を省略する。なお、電子通貨を利用した料金徴収に関わる機能はセンターサーバ3とは物理的に分けられた装置にて実現されてもい。課金管理データ205は、各ゲーム機2がセンターサーバ3を利用した量を集計し、センターサーバ3の利用量に応じた料金を各店舗6毎に課金するために必要なデータである。課金管理データ205の詳細は後述する。
【0026】
記憶装置21のサーバプログラム201を制御ユニット20が読み取って実行することにより、制御ユニット20の内部には、論理的装置としてのゲーム管理部22、口座管理部23及び課金管理部24が設けられる。ゲーム管理部22は、ゲーム機2のプレイヤ同士をマッチングしてその結果をゲーム機2に通知する処理、プレイヤデータ203をゲーム機2に送信し、あるいはゲーム機2から送られた情報に基づいてプレイヤデータ203を更新する処理といった、ネットワーク5を介した所定のゲームをプレイヤに提供するために必要な処理を実行する。口座管理部23は、ゲーム機2からのプレイ料金の引き落とし要求に応答して、口座データ204のレコード(ユーザIDに対応するもの)から指定された額の電子通貨を引き落とすといった電子通貨の管理に関する処理を担当する。すなわち、ゲーム機2からカードIDと支払い額とを沿えて引き落とし処理が要求された場合、口座管理部23はそのカードIDに対応するユーザIDレコードを口座データ204から特定し、その特定されたレコードに保持されている額から支払い額を減算することにより、電子通貨によるプレイ料金の支払いを完了させる。課金管理部24は、課金管理データ205を参照して所定の集計期間におけるセンターサーバ3の利用量をゲーム機2毎に算出し、その利用量に応じた額の利用料金(利用額あるいは課金額と呼ぶことがある。)を店舗6毎に算出する処理を実行する。
【0027】
次に、課金管理部24を中心として実現される利用額の算出手順を説明する。図3は、ネットワーク5を利用したゲームの手順と、そのゲームの実行に関連付けられたゲームシステム1の利用料金、ここでは特にセンターサーバ3によって提供される各種のサービスの利用料金(以下、単にセンターサーバ3の利用料金と表現することがある。)を算出する処理との関係の一例を示している。図示の例においては、ゲーム機2にて、まずユーザの指示に従ってカードIDに対応付けられたプレイヤデータ202がセンターサーバ3から取得される(ステップSa)。続いて、ユーザからの指示に従って、ゲームの対戦相手、あるいは共同してゲームをプレイする相手となるべきユーザとのマッチングが行なわれる(ステップSb)。その後、マッチングされたユーザ同士によるゲームが実行される(ステップSc)。ここで実行されるゲームの範囲はプレイ料金の額に応じて設定される。その範囲のゲームのプレイが終了すると、ユーザからの指示に従って、プレイヤデータ202がセンターサーバ3に保存される(ステップSd)。
【0028】
ゲーム機2における上記の処理は一例である。図3に破線で示したように、プレイヤデータ202の取得(ステップSa)、マッチング(ステップSb)、及びプレイデータ202の保存(ステップSd)は、ユーザの指示に応じて実行される選択的、あるいは任意的な処理である。例えば、ユーザがプレイヤデータ202を利用したゲームの継続を希望しない場合、あるいはプレイヤデータ202が保存されていない場合には、ステップSaの処理は実行されない。また、ユーザがネットワーク5を利用したゲームを希望せず、ゲーム機2単独でのゲームのプレイ、つまりスタンドアローン状態でのゲームのプレイを希望する場合、ステップSbの処理はスキップされる。同様に、ユーザがプレイヤデータ202の保存を希望しない場合、ステップSdの処理はスキップされる。
【0029】
ゲーム機2における上述したゲームの進行に対応して、センターサーバ3では各種の処理(イベントと呼ぶことがある。)が呼び出されて実行される。例えば、ゲーム2機からプレイヤデータの提供が要求された場合(ステップSa)には、これに対応してプレイヤデータ取得イベントが実行される。プレイヤデータ取得イベントでは、ゲーム機2から送られたカードIDに対応するプレイヤデータ202が記憶装置21から取得され、そのプレイヤデータ202がゲーム機2に送信される。ゲーム2機からマッチングが要求された場合(ステップSb)には、これに対応してマッチングイベントが実行される。マッチングイベントでは、ゲーム機2から送られたプレイヤの属性、成績等を参照しつつ所定のマッチング条件を満たすユーザが検索され、その結果がゲーム機2に送信される。ゲーム2機からプレイヤデータ202の保存が要求された場合(ステップSd)には、これに対応してプレイヤデータ保存イベントが実行される。プレイヤデータ保存イベントでは、ゲーム機2から送られたプレイ結果を示す情報に基づいて、ユーザのカードIDに対応するプレイヤデータ202が更新される。
【0030】
上述したイベントのそれぞれは、センターサーバ3における課金対象(利用料金を徴収する対象)のイベントとして設定されている。ゲーム機2における上述したステップSa、Sb、Sdの処理がユーザからの指示に応じて実行される選択的な処理である。したがって、センターサーバ3の各イベントもゲーム機2からの要求に応じて実行される選択的な処理である。センターサーバ3では、課金対象のイベントが実行される毎にイベント計数処理が行なわれる。イベント計数処理は、下記対象とされているイベントの実行回数を筐体ID毎に計数する処理である。イベントの実行回数は、利用料金を算出するための基礎として計数される。
【0031】
また、センターサーバ3では、イベント計数処理の結果に基づいて、課金集計処理が実行される。課金集計処理は、店舗6毎に所定の集計期間におけるセンターサーバ3の利用額を算出する処理である。これらの処理は、いずれも制御ユニット20が課金管理部24を利用して実行する。それらの詳細な手順は後述する。なお、一つのイベントは、センターサーバ3のコンピュータ、すなわち制御ユニット20が、ゲーム機2からの要求に応じて選択的に実行する一纏めの単位処理に相当する。一つのイベントをどのような範囲に設定するか、言い換えれば単位処理の区分は、ゲームシステム1の都合に応じて適宜に定めてよい。例えば、センターサーバ3にて提供可能な複数のサービスのそれぞれに対応して複数のモジュールがサーバプログラム201に用意されている場合には、それらのモジュールを単位処理として区分してもよい。関連性の高い複数のサービスを一つの単位処理としてまとめてもよい。あるいは、一つのサービスを複数のイベントにさらに区分し、それらのイベントを一つの単位処理として扱ってもよい。
【0032】
センターサーバ3の記憶装置21には、イベント計数処理又は課金集計処理にて参照されるべきデータとして、上述したIDテーブル203及び課金管理データ204が保存されている。課金管理データ204は、利用量テーブル211、課金設定データ212、集計スケジュール213、イベント集計テーブル214及び課金データ215を含んでいる。図5に一例を示したように、利用量テーブル211は、課金対象のイベントが一回実行されたときのセンターサーバ3の利用量(以下、単位利用量と呼ぶことがある。)をイベントラベル(イベントを区別するための文字、数値等の情報)と対応付けて記録したものである。利用量テーブル211が用意されているのは次の理由による。各イベントをセンターサーバ3が処理する際の負担(例えば、制御ユニット20に含まれているCPUの利用時間等)はイベントの内容によって相違する。したがって、イベントの実行回数をセンターサーバ3の利用量とみなして利用料金を算出した場合、その額はセンターサーバ3の実質的な利用量を必ずしも反映しない。そこで、イベント毎の制御ユニット20の処理量の相違を相殺できるように、イベント毎に単位利用量を設定し、その単位利用量をイベント毎の実行回数と掛け合わせることにより、イベント間の制御ユニット20の処理量の相違を相殺して、イベント毎の実行回数をセンターサーバ3の実質的な利用量へと換算することが可能となる。このように、単位利用量は、単位処理としての各イベントを制御ユニット20の利用量に換算するための重み値として設定されている。
【0033】
図4の課金設定データ212は、センターサーバ3の利用量と利用額との対応関係を記述したデータである。その一例として、利用量が所定の下限値X1に達するまでは利用額が下限額に固定され、利用量が所定の上限値X2を超えると利用額が上限額に固定される。利用量が下限値X1〜上限値X2の間にあるときは、利用額が利用量に比例して増加する、といったように利用量と利用額との関係を設定してもよい。課金設定データ212はこのような関係を記述したデータである。なお、課金設定データ212は、全てのゲーム機2に対して共通でもよいし、店舗6に応じて複数用意されてもよい。さらに、ゲーム機2にて実行されるゲームの内容に応じて互いに異なる課金設定データ212が用意されてもよい。下限額はセンターサーバ3を利用する最小料金として機能し、上限額はセンターサーバ3を利用する最大料金として機能する。下限額を設定することにより、ゲームシステム1の管理者は各ゲーム機2へのサービス提供に対して最小限の対価を受け取ることが保障される。一方、上限額を設定することにより、各ゲーム機2の運営に対して無制限に利用料金が増加するおそれがなくなる。ただし、課金設定データ212の内容は上記で説明したように下限額及び上限額を有するものに限定されず、適宜に変更可能である。下限額又は上限額のいずれか一方のみが設定されてもよいし、両者が省略されてもよい。従量料金も利用量に比例することなく、段階的に増加するものでもよい。なお、課金設定データ212は、一回のゲームで発生し得るセンターサーバ3の利用料金の最大額が、一回のゲームのプレイに対してユーザから徴収するプレイ料金を超えないように設定すべきである。店舗6の運営者の利益を確保するためである。
【0034】
図4の集計スケジュール213は、店舗6毎の利用額の集計スケジュールを記述したデータである。例えば、月末を締切りとして毎月の利用額を集計し、あるいは毎月15日を締切りとして毎月の利用額を集計する、といったように集計スケジュール213が設定される。イベント集計テーブル214は、イベント計数処理によって計数されたイベントの実行回数が書き込まれるデータである。イベント集計テーブル214の一例を図6に示す。この例では、筐体ID毎に、実行されるゲームの名称、イベントラベル、集計期間毎の実行回数が記録されている。例えば、筐体ID“XXX101”のレコードに関しては、ゲーム名称が「ゲームA」であり、そのゲームにて実行され得るイベントA1、A2…のそれぞれの毎月の実行回数が記録されている。
【0035】
図4の課金データ215は、課金集計処理によって集計された結果が書き込まれるデータである。課金データ215の一例を図7に示す。この例では、店舗ID毎に筐体IDが纏められ、筐体ID毎にゲーム名称、イベントラベル、利用量及び利用額が記録されている。例えば、店舗IDの“10001”に関するデータでは、IDテーブル203にてその店舗IDに対応付けられた筐体IDの“XXX101”、“XXX124”、…のゲーム名称である「ゲームA」、そのゲームで実行され得るイベントラベルとしての「イベントA1」、「イベントA2」…が記録され、イベント毎の利用量A1、A2…とそれらを合計した利用量TAが記録され、さらに、合計利用量TAに対応して算出された利用額が記録されている。
【0036】
次に、イベント計数処理及び課金集計処理の手順を説明する。図8はイベント計数処理の手順を示している。この処理は、ゲーム機2からの要求に従ってセンターサーバ3の制御ユニット20が課金対象のイベントを処理する毎に実行される。まず、イベント計数処理を開始すると、制御ユニット20は、まずステップS11にて、イベントを要求したゲーム機2の筐体IDを判別する。続くステップS12にて、制御ユニット20は処理が要求されたイベントのラベルを取得する。図4の例で説明すれば、ゲーム機2がマッチングを要求し(ステップSb)、センターサーバ3の制御ユニット20がその要求に応答してマッチングイベントを処理する場合、その処理を要求したゲーム機2の筐体ID及びイベントのラベルがステップS11、S12で順次取得されることになる。なお、筐体IDはゲーム機2がセンターサーバ3に何らかの処理を要求する際に、ゲーム機2からセンターサーバ3に必ず送信される。また、イベントラベルについても、ゲーム機2からの要求をセンターサーバ3の制御ユニット20が判別する際に特定することができる。
【0037】
続くステップS13において、制御ユニット20はステップS11及びS12の結果に応じてイベント集計テーブル214を更新する。すなわち、制御ユニット20は、ステップS11で取得した筐体IDに対応するレコードを特定し、そのレコードにおいて、取得したイベントラベルに対応するイベントの実行回数(但し、最新の集計期間の回数)に1を加算する。以上により、一回のイベントに対応するイベント計数処理が終了する。なお、センターサーバ3が処理すべきイベントに、課金対象のイベントと課金対象ではないイベントとが存在する場合には、課金対象のイベントが発生する時のみ図8の処理を実行すればよい。課金対象か否かの判別は、ゲーム機2がこれを行なってその結果を判別する情報(一例として課金対象フラグ)をセンターサーバ3に送ってもよい。センターサーバ3自らが、課金対象のイベントか否かを判別してもよい。
【0038】
図9は課金集計処理の手順を示している。この処理は、集計スケジュール213に記述された集計期間が経過する毎に、所定のタイミング(例えば月末締め切りであれば、翌月初めの深夜時間帯)で実行される。制御ユニット20は、課金集計処理を開始すると、まずステップS21にて、集計対象となる店舗IDに対応した筐体IDをIDテーブル203から特定し、得られた筐体IDに対応する集計データ214を取得する。例えば、図7の店舗ID“10001”が集計対象であれば、その店舗IDに対応付けられている筐体IDがIDテーブル203から特定され、それらの筐体IDに関するイベント毎の最新集計期間のイベント実行回数が取得される。
【0039】
続くステップS22において、制御ユニット20は、得られた集計データから処理対象の一つの筐体IDを選択し、続くステップS23にて、その筐体IDのイベント毎の利用量を演算する。つまり、集計データ214に記録されているイベントの実行回数に、利用量テーブル211(図5)の単位利用量を乗算して利用量を算出する。例えば、図5において、イベントA1の単位利用量は“5”に設定されているので、図6の筐体ID“XXX101”のイベントA1の2010年6月の利用量を算出するためには、その実行回数“10”に単位利用量“5”を乗算して、イベントA1の利用量は“50”となる。
【0040】
ステップS23の演算は、対象として選択されている筐体IDの全てのイベントに関して実行される。そして、その演算が終わると制御ユニット20はステップS24に進み、対象の筐体IDのイベント毎利用量を集計(合計)する。続くステップS25において、制御ユニット20は、集計された利用量が課金設定データ212で設定されている利用量の下限X1以下か否かを判別する。下限X1以下の場合、制御ユニット20はステップS26に進み、筐体IDに関する利用額を下限額に設定する。一方、ステップS25で利用量が下限X1を超過している場合、制御ユニット20はステップS27に進み、利用量が上限X2を超過しているか否かを判別する。上限X2を超過している場合、制御ユニット20はステップS28に進み、筐体IDに関する利用額を上限額に設定する。一方、ステップS27で利用量が上限X2以下であった場合、制御ユニット20はステップS29に進み、利用額を従量額、すなわち、下限額と上限額との間であって、かつ利用量に比例して定まる額に設定する。
【0041】
ステップS26、S28又はS29にて利用額が決定されると、制御ユニット20はステップS30に進む。ステップS30にて、制御ユニット20は、集計対象の店舗IDに対応付けられた全ての筐体IDについて、ステップS22〜S29の処理を終えたか否かを判別し、未処理の筐体IDがあればステップS22に戻って未処理の筐体IDを選択する。ステップS30で全ての筐体IDについて処理を終えたと判断した場合、制御ユニット20はステップS31に進み、集計対象の店舗IDに関する課金データを生成する。すなわち、これまでの処理で演算されたイベントラベル毎の利用量、筐体ID毎の合計の利用量、合計利用量に対して演算された利用額を課金データ215に記録する。その後、制御ユニット20は今回の課金集計処理を終える。
【0042】
以上の処理によって生成された課金データ215に基づいて、ゲームシステム1の管理者から店舗6の運営者にゲームシステム1(センターサーバ3)の利用料金が定期的に請求される。その請求、及び料金の徴収は、ゲームシステム1を利用して行われてもよいし、ゲームシステム1とは別に用意された決済システムを利用して行われてもよい。また、店舗6の運営者がネットワーク5を介してパーソナルコンピュータ等をセンターサーバ3に接続することにより、自らの店舗6に対応する課金データ215を適宜に参照可能としてもよい。このように、課金データ215は適宜の形態で利用することができる。
【0043】
以上に説明したゲームシステム1によれば、ゲームに関連してセンターサーバ3の制御ユニット20が選択的に実行する複数の単位処理(イベント)のそれぞれの実行回数が計数され、計数された回数が、各単位処理に対応して設定された重み値(単位利用量)によってセンターサーバ3の利用量に換算され、その利用量に応じて店舗6毎にセンターサーバ3の利用料金が算出される。したがって、センターサーバ3のサービスを各ゲーム機2がどの程度利用したか、を各店舗6の運営者に対するシステム利用料金の課金額に適切に反映させることが可能である。また、ゲームシステム1によれば、以下の作用効果も奏する。
【0044】
単位処理毎に単位利用量を設定しているので、柔軟な料金設定が可能である。例えば、特定の単位処理を対象として、期間を限って、あるいは期間を限らないで、利用料金を変更(値下げ又は値上げ)する、といった設定が可能である。また、課金設定データ212の変更によっても、利用料金を適宜に見直すことが可能である。ゲームに新たな機能やモードを追加するために、センターサーバ3からゲーム機2にゲームプログラムやデータの更新版を提供する場合、その更新に対応して課金管理データ204の利用量テーブル211、課金設定データ212、イベント集計テーブル214、及び課金データ215を更新するだけで、新たな機能等に対応したシステム利用料金の算出が可能である。
【0045】
また、本形態によれば、店舗IDや筐体IDの区別によることなく、センターサーバ3にて、特定のイベントの実行回数を集計することにより、イベントがどの程度利用されているかを把握することもできる。例えば、特定のゲームの特定モードに対応して実行されるイベントが存在する場合、全ての、又はサンプルとして抽出された複数のゲーム機2を対象として、特定イベントの実行回数を集計すれば、その特定モードがどの程度ユーザに選択されているかを把握することができる。その集計値をゲームの評価指標として用いることが可能である。あるいは、イベント毎の実行回数を参考にして利用量テーブル211の見直しといった作業を行なうこともできる。
【0046】
以上のゲームシステム1においては、センターサーバ3の制御ユニット20が、課金対象である複数の単位処理を選択的に実行するコンピュータに相当し、その制御ユニット20に設けられた課金管理部24が図8の処理を実行することにより計数手段として機能し、課金管理部24が図9の処理を実行することにより料金算出手段として機能する。ただし、本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜の形態にて実施することができる。例えば、上記の形態では、センターサーバ3にて課金対象のイベントが実行される毎にイベント計数処理を実行している。しかし、その実行頻度が高くてセンターサーバ3の負荷への影響が無視できない場合には、ゲーム機2にて課金対象イベントの実行回数を計数し、ゲーム機2から各イベントの実行回数(この場合はゲーム機2が要求した回数によって代表される。)を適宜のタイミングで送信してセンターサーバ3における課金集計処理に利用してもよい。課金集計処理の全てをセンターサーバ3にて実行したが、例えば、利用量テーブル211を各ゲーム機2に保持させることにより、図9のステップS22〜S24までの処理をゲーム機2の制御ユニット10にて実行し、その結果をセンターサーバ3に提供するようにしてもよい。さらに、課金設定データ212やイベント集計テーブル214をゲーム機2に保持させることにより、図9のステップS25〜S29までの処理をゲーム機2が分散して実行することもできる。なお、利用量テーブル211等をゲーム機2に保持させる場合には、センターサーバ3からゲーム機2に配信すればよい。
【0047】
本発明の適用対象は、ネットワークを利用したゲームシステムに限定されず、ゲーム装置をスタンドアローンで動作させるゲームシステムにも適用可能である。例えば、ゲーム機が運営者に有償で貸与されている場合において、そのゲーム機の利用料金を本発明によって算出してもよい。本発明の用途は、店舗の運営者毎にシステム利用料金を課金する用途に限らない。課金対象のグループは適宜に設定されてよい。
【符号の説明】
【0048】
1 ゲームシステム
2 ゲーム機(ゲーム装置)
3 センターサーバ(サーバ装置)
5 ネットワーク
6 店舗(課金対象のグループ)
20 センターサーバの制御ユニット(コンピュータ)
24 課金管理部(計数手段、料金算出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームに関連してコンピュータが実行する処理を、選択的に実行されるべき複数の単位処理に区分可能なゲームシステムであって、
前記複数の単位処理のそれぞれが実行された回数を計数する計数手段と、
所定の集計期間における前記計数手段の計数結果に基づいて、当該集計期間におけるシステムの利用料金を算出する料金算出手段と、
を備えたゲームシステム。
【請求項2】
前記料金算出手段は、前記計数手段が計数した各単位処理の実行回数と、各単位処理に対応して設定された重み値とに基づいて、前記集計期間における各単位処理の利用量を算出し、当該利用量を集計した値に基づいて前記利用料金を算出する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記重み値が、前記コンピュータの処理量に関する前記単位処理間の相違を相殺できるように設定されている請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記料金算出手段は、前記利用量を集計した値が大きいほど利用料金が高くなるように、前記集計した値に応じて利用料金を算出する請求項2又は3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記料金算出手段は、前記集計した値が所定の下限値以下の場合には前記利用料金を下限額に固定し、前記集計した値が所定の上限値を超過する場合には前記利用料金を上限額に固定する請求項2〜4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されたゲーム装置及びサーバ装置を有し、前記複数の単位処理のそれぞれは、前記ゲーム装置からの要求に従って前記サーバ装置のコンピュータが選択的に実行するものである請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記ネットワークには複数のゲーム装置が接続され、前記計数手段は前記ゲーム装置毎に区別して前記回数を計数し、前記料金算出手段は、前記ゲーム装置を単位として前記利用料金を算出する請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
課金対象の複数のグループのそれぞれに前記ゲーム装置が設置され、前記料金算出手段は、前記グループ毎に利用料金を集計する請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
ゲームに関連してコンピュータが実行する処理を、選択的に実行されるべき複数の単位処理に区分可能なゲームシステムに適用されるゲームシステム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、
前記複数の単位処理のそれぞれが実行された回数を計数する計数手段、及び、
所定の集計期間における前記計数手段の計数結果に基づいて、当該集計期間におけるシステムの利用料金を算出する料金算出手段、
として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項10】
ネットワークを介して複数のゲーム装置と接続され、各ゲーム装置にて実行されるべきゲームに関連してコンピュータが実行する処理を、前記ゲーム装置からの要求に応じて選択的に実行されるべき複数の単位処理に区分可能なゲームシステム用のサーバ装置であって、
前記複数の単位処理のそれぞれが実行された回数をゲーム装置毎に区別して計数する計数手段と、
所定の集計期間における前記計数手段の計数結果に基づいて、当該集計期間におけるシステムの利用料金を前記ゲーム装置を単位として算出する料金算出手段と、
を備えたゲームシステム用のサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−29928(P2012−29928A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172945(P2010−172945)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】