説明

ゲームシステム及びそのコンピュータプログラム

【課題】操作評価の指針となる判定範囲をプレイヤに提示してゲームの興趣を高めたゲームシステムを提供する。
【解決手段】モニタ3と、タッチパネル4と、ゲーム中におけるタッチパネル4の操作時期が記述されたシーケンスデータ23を記憶するシーケンスデータ記憶手段22と、を備え、タッチパネル4に対する操作を指示するためのオブジェクトOと、オブジェクトOが操作時期に到達する判定ラインLと、をゲーム画面上で相対的に移動させ、操作時期をプレイヤPに提示し、タッチパネル4に対して所定の入力操作が行われた時期と操作時期との差分に基づいてプレイヤPの入力操作を評価するゲーム機1において、差分に対して複数の区分を設け、プレイヤPが入力操作した時期が、複数の区分のうちいずれかの区分に位置する場合に、差分が0に近い区分ほど高い評価を与え、さらに、その区分をプレイヤに提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め定められた一連の操作をプレイヤに案内するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽のリズムに合わせて操作部を操作するゲーム機が存在する(例えば特許文献1参照)。このようなゲーム機においては、操作時期を指示する操作指示標識が所定の操作位置に移動したときに音楽のリズムに合わせて操作部を操作することにより、その操作タイミングに応じてプレイが評価される。プレイヤの操作に対する評価は、操作すべき基準タイミングを最高評価として、その基準タイミングの前後を複数の範囲に区切って基準タイミングから遠ざかるほど低評価となるように判定範囲が設定される(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−155543号公報
【特許文献2】特開2000−237455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような操作評価については、プレイヤの操作タイミングが判定範囲のどこに位置するかによって評価が定まるが、操作時期を表示する操作指示標識には基準タイミングを中心とした所定の範囲が示されているだけである。このため、プレイヤは操作指示標識の位置と楽曲のリズムとで判定範囲を予想しながら操作するしかなく、プレイヤの感覚と評価との間にずれが生じることもあり、ゲームの興趣を損ねる原因ともなっている。
【0005】
そこで、本発明は操作評価の指針となる判定範囲をプレイヤに提示してゲームの興趣を高めたゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、ゲーム画面を表示する表示部(3)と、プレイヤ(P)の入力操作を受け付ける操作部(4)と、ゲーム中における前記操作部の操作時期が記述されたシーケンスデータ(23)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(22)と、前記操作部に対する操作を指示するための操作指示標識(O)と、前記操作指示標識が前記操作時期に到達する操作基準部(L)と、を前記ゲーム画面上で相対的に移動させ、前記操作時期をプレイヤに提示する操作提示手段(11)と、前記操作部に対して所定の入力操作が行われた時期と前記操作時期との差分に基づいてプレイヤの前記入力操作を評価する評価手段(11)と、を備えたゲームシステム(1)において、前記評価手段は、前記差分に対して複数の区分を設け、プレイヤが入力操作した時期が、前記複数の区分のうちいずれかの区分に位置する場合に、前記差分が0に近い区分ほど高い評価を与え、さらに、前記操作指示標識に前記区分を表示することにより前記区分をプレイヤに提示し、前記操作指示標識に表示される各区分が前記操作基準部に到達するタイミングにおけるプレイヤの前記入力操作に対する評価と、前記区分とを対応付けて提示する区分提示手段(11)を備えたことにより上記課題を解決する。
【0007】
本発明のゲームシステムによれば、プレイヤが操作指示標識に対して操作したときのタイミングを評価する区分を操作指示標識に提示する。プレイヤはこの区分を見ながらプレイすることで自分の操作に対してどの程度の評価が与えられるのか予測がつく。従って、プレイヤの操作感覚と評価との間にずれを生じさせることなく、ゲームの興趣を高めることができる。
【0008】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記区分の幅を変更する区分幅変更手段を備え、前記区分提示手段は、前記区分幅変更手段に基づいて前記幅を変更した区分をプレイヤに提示してもよい。これによれば、プレイヤの操作評価の指針となる判定範囲をゲームの進行中に変更してもその変更した区分をプレイヤに提示できる。例えば、プレイ中の楽曲のテンポが変更された場合であっても、区分を調整することにより難易度の調節ができ、プレイヤは区分が変更されたことをすぐに認識できる。従って、プレイヤの操作感覚を損なうことなくゲームの興趣を高めることができる。
【0009】
区分幅変更手段を設けた形態において、前記ゲーム画面上には、前記操作指示標識を一定方向に案内する標識案内部(La)に複数の操作基準部が表示され、前記操作提示手段は、前記操作指示標識が各操作基準部に到達するごとに前記操作時期を提示し、前記区分幅変更手段は、前記操作指示標識が前記操作基準部を通過して次の操作基準部へ移動する場合に前記操作指示標識の区分を変更してもよい。これによれば、ゲーム中に連続して操作される操作指示標識の区分の幅が変更されるので、変化に富んだゲーム展開が可能となる。操作ごとに判定範囲を変更しつつプレイヤへの提示もできるので、新規なプレイ感覚を提供することができる。この区分幅変更手段を設けた形態において、前記区分幅変更手段は、前記操作指示標識の各区分を狭めるように変更してもよい。あるいは、前記区分幅変更手段は、前記操作指示標識の各区分を拡大するように変更してもよい。
【0010】
本発明のゲームシステムの一形態において、前記区分提示手段は、前記区分を色分け表示してもよい。これによれば、視認効果を損なうことなく、プレイヤへ区分の提示をすることができる。
【0011】
区分幅変更手段を設けた形態において、前記区分幅変更手段は、前記操作指示標識が前記操作基準部へ移動しているときに、前記区分の幅を変化させてもよい。これによれば、操作指示標識が操作基準部へと移動しているときにその操作指示標識に応答する区分の幅が変化する。操作直前の操作指示標識の区分の幅が変化するので、プレイヤは区分の幅の変化を視認しながら操作でき、判定範囲の区分の幅が変更しても違和感のないプレイが可能となる。
【0012】
区分幅変更手段が操作指示標識の移動中に区分の幅を変化させる形態において、前記区分幅変更手段は、前記区分のうち最も高評価を与える区分を変更せず、前記最も高評価を与える区分より低い評価を与える区分の幅を変更してもよい。これによれば、ゲームプレイ中の楽曲のテンポが変更した場合に、テンポの変化しているときの操作指示標識に対する評価範囲の区分の幅を調整することで難易度を調節することができる。例えば、楽曲の途中でテンポが速くなる場合には、変化前後で同一の区分の幅の判定範囲を用いると、テンポ変化後は相対的に難易度が高くなるが、区分の幅を大きく変化させることでプレイヤの操作に遅れが生じても許容範囲であれば評価を与えることができる。このとき、最も高評価を与える区分は変更せずにそれよりも低い評価を与える区分の幅を変更するので、難易度が高くなっても最高区分で操作できた場合には高評価を与えつつ、多少の操作の遅れが生じた場合にも一定の評価を与え、プレイヤに苦手意識を生じさせずにプレイ継続の動機付けを付与することができる。
【0013】
区分幅変更手段が操作指示標識の移動中に区分の幅を変化させる形態において、前記区分提示手段は、前記区分幅変更手段に基づいて前記区分の幅を変更させるように表示し、かつ前記区分を前記操作基準部に到達するタイミングと一致するように表示してもよい。これによれば、区分の幅を変化させつつ操作指示標識を移動させ、操作指示標識の各区分が操作基準部に到達するタイミングと操作評価とを対応させる。従って、違和感のない操作感覚を提供できる。
【0014】
本発明のコンピュータプログラム(21)は、ゲーム画面を表示する表示部(3)と、プレイヤ(P)の入力操作を受け付ける操作部(4)と、ゲーム中における前記操作部の操作時期が記述されたシーケンスデータ(23)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(22)と、を備えたゲームシステム(1)のコンピュータを、前記操作部に対する操作を指示するための操作指示標識(O)と、前記操作指示標識が前記操作時期に到達する操作基準部(L)と、を前記ゲーム画面上で相対的に移動させ、前記操作時期をプレイヤに提示する操作提示手段(11)、及び、前記操作部に対して所定の入力操作が行われた時期と前記操作時期との差分に基づいてプレイヤの前記入力操作を評価する評価手段(11)として機能させるように構成され、前記評価手段は、前記差分に対して複数の区分を設け、プレイヤが入力操作した時期が、前記複数の区分のうちいずれかの区分に位置する場合に、前記差分が0に近い区分ほど高い評価を与えるように構成され、さらに、前記操作指示標識に前記区分を表示することにより前記区分をプレイヤに提示し、前記操作指示標識に表示される各区分が前記操作基準部に到達するタイミングにおけるプレイヤの前記入力操作に対する評価と、前記区分とを対応付けて提示する区分提示手段(11)、として機能させるように構成されたものである。
【0015】
本発明のプログラムをゲームシステムのコンピュータにて実行することにより、そのゲームシステムを本発明のゲームシステムとして機能させることができる。
【0016】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、本発明においては、プレイヤが操作指示標識に対して操作したときのタイミングを評価する区分を提示する。プレイヤはこの区分を見ながらプレイすることで自分の操作に対してどの程度の評価が与えられるのか予測がつく。従って、プレイヤの操作感覚と評価との間にずれを生じさせることなく、ゲームの興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムが適用されたゲーム機の概略図。
【図2】ゲーム機の機能ブロック図。
【図3】ゲーム領域の概要を示す図。
【図4】シーケンスデータの構造の一例を示す図。
【図5】区分データの構造の一例を示す図。
【図6】ゲーム制御部が実行するシーケンス処理ルーチンを示すフローチャート。
【図7】ゲーム制御部が実行する操作評価処理ルーチンを示すフローチャート。
【図8】操作時期と操作の判定範囲との関係の一例を示す図。
【図9】変形例に係るゲーム領域の概要を示す図。
【図10】オブジェクトの各レベル領域の変化の一例を示す図。
【図11】オブジェクトの各レベル領域の変化の他の例を示す図。
【図12】オブジェクトの各レベル領域の変化の他の例を示す図。
【図13】オブジェクトの各レベル領域の変化の他の例を示す図。
【図14】オブジェクトの各レベル領域の変化の他の例を示す図。
【図15】オブジェクトの各レベル領域の変化の他の例を示す図。
【図16】変形例におけるオブジェクトの各レベル領域の変化の一例を示す図。
【図17】変形例におけるオブジェクトの各レベル領域の変化の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムが適用されたゲーム機の概略図である。ゲーム機1は商業施設に設置される商用のゲーム機で、音楽に合わせた一人もしくは複数人のプレイヤPの操作タイミングを評価する音楽ゲームとして構成されている。ゲーム機1は、筐体2と、筐体2の上面にプレイヤP側に傾けられて配置されるモニタ3とを備えている。モニタ3の表面には、透明なタッチパネル4が重ね合わされている。タッチパネル4は、プレイヤPが指等で触れると、その接触位置に応じた信号を出力する公知の入力装置である。なお、モニタ3が表示部として、タッチパネル4が操作部としてそれぞれ機能する。その他にも、ゲーム機1には、選択あるいは決定をするためのボタン、電源スイッチ、電源ランプといった商用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられているが、図1ではそれらの図示を省略している。
【0020】
図2にゲーム機1の機能ブロック図を示す。ゲーム機1は、コンピュータとしての制御ユニット10を備えている。制御ユニット10は、ゲーム制御部11と、そのゲーム制御部11からの出力に従って動作する表示制御部12及び音声出力制御部13とを備えている。ゲーム制御部11は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。ゲーム制御部11には、プレイヤの操作を受け付けるタッチパネル4が接続されている。表示制御部12は、ゲーム制御部11から与えられる画像データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ3に出力することにより、モニタ3上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部13は、ゲーム制御部11から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成して、スピーカ5に出力することにより、スピーカ5から所定の音声(楽音等を含む。)を再生させる。
【0021】
また、ゲーム制御部11には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、EEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置、あるいは磁気記憶装置といった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。外部記憶装置20の記憶媒体は、ゲーム機1に対して着脱可能であってもよい。
【0022】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21とゲームデータ22とが記録されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機1にて所定の音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムである。ゲーム機1が起動されると、ゲーム制御部11はその内部記憶装置に記録されたオペレーションプログラムを実行することにより、ゲーム機1として動作するために必要な各種の初期設定を実行し、続いて外部記録装置20からゲームプログラム21を読み込んでこれを実行することにより、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行するための環境を設定する。そのゲームプログラム21の実行により、ゲーム制御部11には、シーケンス処理部14及び操作評価部15が生成される。シーケンス処理部14及び操作評価部15は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組合せによって実現される論理的装置である。シーケンス処理部14は、プレイヤPが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤPに操作を指示し、あるいはプレイヤPの操作に応じて効果音を発生させるといった音楽ゲームの進行に必要な処理を実行する。操作評価部15は、プレイヤPの操作を評価し、かつその評価結果に応じた音出力の指示といった処理を実行する。なお、ゲームプログラム21の実行により、ゲーム制御部11には上記以外にも各種の論理的装置が生成されてよい。
【0023】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、シーケンスデータ23、区分データ24、楽曲データ25、効果音データ26及び画像データ27が含まれている。シーケンスデータ23は、プレイヤPに対して指示すべき操作等を定義したデータである。一曲の楽曲データに対して最低一個のシーケンスデータ23が用意される。一曲に対して難易度を変更する等して複数種類のシーケンスデータ23が用意されてもよい。区分データ24は、操作評価処理時に参照する判定範囲が記録されている。区分データ24には、シーケンスデータ23で記述された操作時期を基準としてその前後に設定される操作評価をするための複数段のレベルと、その範囲とが設定されている。ここで判定範囲とは、プレイヤPの操作評価をするための複数段のレベルに区切られた全体を含めた範囲である。一つの区分データ24に一つの判定範囲が記述され、複数の区分データ24がゲームデータ22に記録されている。各区分データ24には、それぞれに識別可能なコードが付されて記録されている。楽曲データ25には、ゲームの対象となる楽曲をスピーカ5から再生出力させるために必要なデータである。ゲームデータ22には、複数の楽曲データ25が識別可能な情報を付されて楽曲ごとに記録されている。効果音データ26には、プレイヤPの操作に応答してスピーカ5から出力させるべき複数種類の効果音が、効果音ごとにユニークなコードと対応付けて記録されている。画像データ27は、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクトO、アイコン等をモニタ3上に表示させるためのデータ等が含まれている。
【0024】
次に、ゲーム機1にて実行される音楽ゲームの概要を説明する。図3にゲーム領域Aの概要を示す。モニタ3のゲーム画面内のゲーム領域A外には、図示しないがスコア等ゲームの進行に必要な情報が示される。ゲーム開始時において、ゲーム領域Aには、操作指示標識としてのオブジェクトO1と、オブジェクトO1が移動するレーンLaと、操作基準部としての複数の判定ラインL1、L2、L3とが示されている(なお、特に区別しない場合は、各参照符号をそれぞれ、O、Lで代表する。)。なお、図3において、オブジェクトO2、O3はオブジェクトO1の時間経過を示しているに過ぎない。図3は、各オブジェクO1〜O3の比較及び説明の便宜のため、各オブジェクトO1〜O3を同一のゲーム領域A上に表示するものであって、同時にオブジェクトO1〜O3がゲーム領域Aに表示されている状態を示すものではない。
【0025】
音楽ゲームの実行中、つまり、楽曲の再生の進行中において、ゲーム領域Aには、オブジェクトOがシーケンスデータ23に従って表示される。なお、図3に示すオブジェクトO1及び判定ラインL1〜L3の表示形態は一例である。オブジェクトOの大きさや判定ラインLの本数等は、適宜変更が可能である。ゲーム開始後、曲中の適当な時期にプレイヤPが最初に操作すべきオブジェクトO1が所定の出現位置に表示され、所定の速度で判定ラインL1に向かって移動する。図3において、各オブジェクトOは右方向に向かって移動、つまり、判定ラインL1、L2、L3を順次通過するように移動する。オブジェクトO1は、シーケンスデータ23によって記述される操作時期にオブジェクトO1の中心が判定ラインL1に到達するように移動する。オブジェクトOには、プレイヤPの操作を評価する区分としての判定範囲が表示され、具体的には、オブジェクトOの中心を含むレベルA領域OAと、レベルA領域OAを取り囲むレベルB領域OBとが表示される。オブジェクトO1の操作時期に対してプレイヤPが操作する操作タイミングで、オブジェクトOの移動方向へ向かって引かれた仮想中心線Liと、判定ラインLとが交差する点が位置する領域のレベルに従って評価される。操作タイミングで交差する点がレベルA領域OAに位置するときはプレイヤPの操作はレベルAと判定され、レベルB領域OBに位置するときはレベルBと判定される。評価結果をプレイヤPが認識できるように、ゲーム画面上に表示される。
【0026】
オブジェクトO1は、判定ラインL1を通過した後、オブジェクトO1よりもレベルA領域OA及びレベルB領域OBをそれぞれ小さくしたオブジェクトO2へと大きさを変更しつつ、次の判定ラインL2へ向けて移動する。オブジェクトO2は、レベルA領域OA及びレベルB領域OBがオブジェクトO1よりも小さくなっているので、その分判定ラインL2を通過する範囲が狭まり、オブジェクトO1よりも相対的に操作が難しくなる。次の操作時期と一致するように判定ラインL2へ到達しつつ、プレイヤPの操作タイミングにて操作の評価が行われる。そして、オブジェクトO2は、判定ラインL2を通過すると、オブジェクトO2よりもレベルA領域OA及びレベルB領域OBがさらに小さいオブジェクトO3に大きさが変更されつつ次の判定ラインL3へ向けて移動する。オブジェクトO3は、さらに判定範囲が小さくなるので判定ラインL3に到達したときにおけるプレイヤPの操作がオブジェクトO2に比べて相対的に難しくなる。判定ラインL3に到達するタイミング、つまり操作時期に、プレイヤPがタッチパネル4をタッチ操作してその操作が評価される。以降、シーケンスデータ23に対応するオブジェクトOが順次左から右に向かって移動する。
【0027】
次に、図4を参照してシーケンスデータ23の詳細を説明する。図4に示したように、シーケンスデータ23は、条件定義部23aと、シーケンス部23bとを含んでいる。条件定義部23aには、音楽のテンポ(一例としてBPM(Beats Per Minute))、プレイヤPがタッチパネル4を操作したときに発生させる効果音を指定する情報といった、楽曲ごとに異なるゲームの実行条件等を指定する情報が記述される。
【0028】
一方、シーケンス部23bには、楽曲中の適宜の時期にゲーム領域Aに出現したオブジェクトOをタッチ操作すべき判定ラインLと操作時期とが記述されている。ここで、上述したオブジェクトO1〜O3を例として説明すると、各オブジェクトOに対して、それぞれ1つの操作時期が記述され、その操作時期に到達すべき判定ラインLが対応付けて記述される。それとともに、上述したような判定範囲を指定する区分データ24が操作時期に及び判定ラインLと対応付けて記述される。図4にその一部を例示したように、シーケンス部23bには、操作時期、判定ラインL及び区分データ24が対応付けて記述された複数のレコードの集合として構成されている。各レコードにおいて、操作時期は、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られてそれぞれ記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の時間長をn個の単位時間に等分したときのその拍の先頭からの単位数で表現される。例えば、n=100で、楽曲の2小節目の1拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻を出現時期として指定する場合には、“02,1,025”と記述される。
【0029】
図4の例では、1小節目の2拍目の開始時点(000)で判定ラインL1と一致するオブジェクトO1をタッチ操作する(シーケンス部23bには、“line_1”で指定される。)。次のオブジェクトO2は、判定ラインL2に1小節目の3拍目の開始時点(000)で一致するように移動する。以降、シーケンスデータ23に記述された操作時期にそれぞれの判定ラインLに到達するオブジェクトOをタッチ操作する。このとき、レーンLaを移動する各オブジェクトOの判定範囲は、区分データ24で指定されたものとなる。図5に区分データ24の一例を示す。区分データ24には、レベルA領域OA及びレベルB領域OBの判定範囲がそれぞれ指定されている。例えば、レベルA領域OAを指定する判定範囲“−5〜+5”は、操作タイミングの評価の基準となるジャストタイミング、つまり到達時期からプラスマイナス5フレームの幅を有することを意味する。なお、1フレームは、一例として1/60秒とする。操作時期と実際のプレイヤPの操作タイミングとのずれ時間を計算して、ずれ時間がどの範囲に位置するかによってプレイヤPの評価がレベルA、レベルBあるいは失敗判定となる。シーケンス部23bには、例えば、区分データ24のうち一つのデータを“dec_001”で指定される。なお、図4では条件定義部23aがシーケンスデータ23の先頭のみに設けられているが、シーケンス部23bの途中の適宜の位置にも、条件定義部23aと同様に楽曲のテンポを指定する情報、あるいはタッチパネル4を操作したときに発生させるべき効果音を指定する情報等を含んだ条件設定部(不図示)が含まれてもよい。そのような条件設定情報をシーケンス部23bに含めることにより、曲中でのテンポの変更、効果音の割り当ての変更といった処理を実現することができる。
【0030】
次に、ゲーム機1にて音楽ゲームが実行される際のゲーム制御部11の処理を説明する。ゲーム制御部11は、ゲームプログラム21を読み込んで音楽ゲームを実行するために必要な初期設定を終えると、プレイヤPからのゲーム開始の指示に備えて待機する。ゲーム開始の指示は、例えばゲームでプレイする楽曲、あるいは難易度の選択といったゲームで使用するデータを特定する操作を含む。それらの指示を受け付ける手順は、公知の音楽ゲーム等と同様でよい。
【0031】
ゲーム開始が指示されると、ゲーム制御部11は、プレイヤPが選択した曲に対応する楽曲データを読み取って音声出力制御部13に出力することにより、スピーカ5から楽曲の再生を開始させる。ゲーム制御部11は、楽曲の再生に同期して、プレイヤPの選択に対応したシーケンスデータ23を読み取って画像データを参照しつつゲーム領域Aの描画に必要な画像データを生成して表示制御部12に出力することにより、モニタ3上にゲーム領域Aを表示させる。さらに、音楽ゲームの実行中において、ゲーム制御部11は、ゲーム領域Aの表示等に必要な処理として、図6に示すシーケンス処理ルーチンを所定の周期で繰り返し実行する。なお、図6のルーチンはシーケンス処理部14が担当する。
【0032】
図6のシーケンス処理ルーチンが開始されると、ゲーム制御部11のシーケンス処理部14は、まずステップS1にて楽曲上の現在時刻を取得する。例えば、楽曲の再生開始時点を基準として、ゲーム制御部11の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から現在時刻が取得される。続くステップS2において、シーケンス処理部14は、シーケンスデータ23から、ゲーム領域Aの表示範囲に相当する時間長に存在する操作時期のデータを取得する。表示範囲の一例として、現在時刻から将来に向かって楽曲の2小節相当の時間範囲に設定される。
【0033】
次のステップS3にて、シーケンス処理部14は、ステップS2においてレーンLaに表示すべきオブジェクトOの座標を演算する。その演算は、一例として以下のように行われる。上記所定時間内に含まれている操作時期に対応付けられた判定ラインLの指定に基づいて、オブジェクトOをレーンLaのどこの位置に表示すべきかを判別する。また、各操作時期と現在時刻との時間差に応じて、判定ラインLからの時間軸方向(オブジェクトOの移動方向)における各オブジェクトOの位置を判別する。例えば、操作時期と対応付けて判定ラインL2が指定されている場合、操作時期に判定ラインL2へと一致するようにオブジェクトOを表示する。一つ前の操作時期に対応する判定ラインLが、判定ラインL1であれば、それぞれのオブジェクトOは連続するように表示される。
【0034】
シーケンス処理部14は、次のステップS4に進んでステップS3で演算されたオブジェクトOの座標に基づいて、ゲーム領域Aを描画するために必要な画像データを生成する。具体的には、演算された座標にオブジェクトOが配置されるように画像データを生成する。オブジェクトOの画像は、区分データ24に基づいてレベルA領域OA及びレベルB領域OBの大きさが決定し、その大きさでレーンLaに描画される。オブジェクトOの画像はゲームデータ22の画像データ27から取得してもよいし、区分データ24に基づいて生成してもよい。例えば、判定ラインL1における区分データ24が“dec_001”で指定されている場合、これに基づいて各レベル領域OA、OBの大きさを決定する。オブジェクトO1の発生から判定ラインL1までのオブジェクトO1自体の画像は変化しないまま、ステップS3で演算されたオブジェクトOの座標に基づいて位置を移動するように描画される。
【0035】
続くステップS5にて、シーケンス処理部14は、表示制御部12に画像データ27を出力する。これにより、モニタ3にゲーム領域Aが表示される。そして、シーケンス処理部14は、ステップS6にてステップS2で取得した操作時期におけるプレイヤPの操作タイミングの評価処理を操作評価部15に実行させる。操作タイミング評価については、後述する。ステップS6の処理を終えると、シーケンス処理部14は今回のシーケンス処理ルーチンを終了する。以上の処理が繰り返し実行されることにより、判定範囲が指定されたオブジェクトOがレーンLaに示されつつ、操作時期にその操作時期に対応する判定ラインLと一致するように移動する。
【0036】
次に、図7を参照して操作評価部15が実行する操作評価処理ルーチンを説明する。図7の操作評価処理ルーチンが実行されると、操作評価部15は、まずステップS11にてプレイヤPの操作タイミングが、対象となるオブジェクトOの判定範囲内における操作か否かを判断する。図8に例示するように、シーケンスデータ23に記述された操作時期を中心として、前後に所定の時間範囲が判定範囲として設定され、その判定範囲がさらに複数段のレベルA、Bに設定される。プレイヤPの操作タイミングが判定範囲内の操作であるときは、操作評価部15は、次のステップS12に進んで操作したオブジェクトOに対応する操作時期とプレイヤPが実際に操作したタイミングとのずれ時間を取得する。このずれ時間を元に、操作評価部15は次のステップS13でプレイヤPの操作がどの区分にあるかを判定する。この区分判定には、シーケンスデータ23にて対応付けられている区分データ24を参照する。今回のずれ時間がどのレベルに位置するかは、区分データ24の判定範囲とずれ時間とを照らし合わせることにより得られる。原則として、ずれ時間が小さいほどその操作への評価は高くなるが、ゲームの進行によっては必ずしも高評価としなくともよい。区分データ24に設定されるレベルによって評価の高低を調整することができる。また、参照すべき区分データ24により同一の操作タイミングであっても判定される区分が異なることもあるので、区分データ24の適宜の選択により難易度を調整できる。
【0037】
操作評価部15は、次のステップS14に進んで、ステップS13で判定された区分に応じてプレイヤPの操作を評価する。一方、ステップS11で判定範囲内の操作でないと判断した場合、つまり、プレイヤPが判定範囲外での操作をし、あるいは操作しなかった場合、操作評価部15はステップS15にて、その操作については失敗評価をする。ステップS14又はS15でプレイヤPの操作の評価後、操作評価部15は、ステップS16に進んでゲーム画面上に評価結果を表示するように表示制御部12へ指示する。そして、操作評価部15は、今回の操作評価処理を終了する。
【0038】
操作評価処理によれば、シーケンスデータ23に基づき、プレイヤPの操作したオブジェクトOに対応する区分データ24とプレイヤPの操作タイミングとのずれ時間から操作評価をする。ゲーム画面上には、区分データ24に指定された判定範囲に基づいてオブジェクトOが表示されつつ、判定ラインL上を操作タイミングに対する評価と同じタイミングで通過する。従って、判定範囲をプレイヤPに提示してゲームの興趣を高めることができる。
【0039】
以上の形態において、ゲーム機1の外部記憶装置20がシーケンスデータ記憶手段として機能し、シーケンス処理部14がシーケンス処理ルーチンのステップS1〜ステップS5を実行することにより、操作提示手段、区分提示手段及び区分幅変更手段として機能する。また、操作評価部15が操作評価処理ルーチンを実行することにより評価手段として機能する。
【0040】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、図3に示すように時間が経過するとともにレベルA領域OA及びレベルB領域のいずれもが小さくなってオブジェクトOの形状が変化する形態で説明したが、これに限られない。例えば、図10に示すように連続して操作するオブジェクトO6、O7に対して、レベルA領域OAを同じ大きさとし、レベルB領域OBを小さくするようにしてもよい。そのオブジェクトOに対応した判定範囲を有する区分データ24を用意すればよい。このように、オブジェクトOのレベルA領域OA及びレベルB領域OBをゲームの進行によって調整することにより、難易度を調節することができる。その他にも、図11に示すように連続して操作するオブジェクトO8、O9に対して、レベルA領域OAを拡大しつつレベルB領域OBの上限値及び下限値をそのままとすることで、レベルA領域OAが大きくなり、レベルA判定を得やすくさせたりしてもよい。図12に示すように連続して操作するオブジェクトO10、O11に対して、レベルA領域OAを拡大しつつレベルB領域OBを小さくさせたりしてもよい。さらに、図13に示すように連続して操作するオブジェクトO12、O13に対して、レベルA領域OAを小さくしつつレベルB領域OBの上限値及び下限値をそのままとしてもよいし、図14に示すように連続して操作するオブジェクトO14、O15に対して、レベルA領域OAを小さくしつつレベルB領域OBをさらに大きくさせたりすることでレベルB領域OBを大きくしてもよい。高評価を得られにくくしつつもレベルB判定は得られやすくして、初級者から上級者まで幅広く対応することができる。図15に示すように連続して操作するオブジェクトO16、O17に対して、レベルA領域OA及びレベルB領域OBのそれぞれを拡大するようにして難易度を下げるようにしてもよい。このような難易度調整については、プレイヤPのゲーム習熟度に応じてゲーム進行を難化させたり、あるいは易化させたりしてもよい。
【0041】
本形態においては、レベルA領域OA及びレベルB領域OBでオブジェクトOが構成されていたが、これに限られない。レベルについて、さらに複数の区分を設けてもよい。オブジェクトOでレベルを示す表示についても色や線による区分けの他、グラデーションで色分け表示する等の適宜の変更が可能である。また、複数の判定ラインLとして3つの判定ラインL1〜L3で説明したが、これに限られない。判定ラインLは適宜増減してよい。一つの判定ラインLであってもよく、操作が連続するオブジェクトOの各領域OA、OBの大きさを調節して、プレイヤPに判定範囲を提示することにより、ゲームの興趣を高めることができる。
【0042】
本形態においては、図3で示すオブジェクトO1は、判定ラインL1の通過後オブジェクトO2へと各領域OA、OBを変化して移動していたが、これに限られず、レベルA領域OA及びレベルB領域OBが移動しながら変化してもよい。図9に変形例に係るゲーム領域Aの概要を示す。なお、図9に示すオブジェクトO4及びオブジェクトO5は、同一のオブジェクトOの時間経過を示すもので別個のオブジェクトOを示すものではない。図9においてオブジェクトO4は左から右に向かって移動し、シーケンスデータ23で指示された操作時期に判定ラインLに到達する。つまり、所定の出現位置から出現したオブジェクトO4は途中でオブジェクトO5に示すように各レベル領域OA、OBを変化させながら判定ラインLに向かって移動する。変形例においては、オブジェクトOがレーンLaに出現してから判定ラインLに到達するまでの間に、レベルA領域OA及びレベルB領域OBが変化する。オブジェクトO4で同心円状にあった各領域OA、OBは、判定ラインLに近づくにつれ、レベルB領域OBの中心が後ろ側にずれ、相対的にレベルA領域OAが判定ラインL側へ偏るように動く。オブジェクトOの操作時期自体は、オブジェクトO4からオブジェクトO5へ変化しても変更されない。つまり、基準となる操作時期は不変のまま、レベルB領域OBの上限値及び下限値が変更される。
【0043】
シーケンスデータ23で対応付けられる区分データ24は、オブジェクトOが判定ラインLを通過するタイミングでの判定範囲を指定し、レーンLaに出現するときの各領域OA、OBは、適宜指定すればよい。例えば、出現時には、常に同心円状の判定範囲を有するオブジェクトOの区分データ24を条件定義部23aに指定してもよいし、オブジェクトOごとにシーケンス部23bに出現時の各領域OA、OBを定義する区分データ24と、操作時期における各領域OA、OBを定義する区分データ24とを指定してもよい。いずれの場合であっても、出現時から操作時期までの時間とその距離とからオブジェクトOの各領域OA、OBが変化する画像データを取得すればよい。一例として、出現時に同心円状、の判定範囲(例えば、レベルA領域OAが「−5〜+5」で指定され、レベルB領域OBが「−10〜−6、+6〜+10」で指定される。)が設定され、操作時期におけるオブジェクトOには図5の区分データ24の“dec_004”が指定されている場合には、レベルA領域OAは不変のまま、レベルB領域OBが変化する。オブジェクトOの移動に伴い、レベルA領域がオブジェクトOの進行方向側へずれるように表示制御される。なお、区分データ24における判定範囲の指定については、これに限られず、例えば、レベルB領域OBの上限値及び下限値の変化をオブジェクトOの経路に対応付けて指定するようにしてもよい。
【0044】
本変形例においても、上述した形態と同様、シーケンス処理ルーチンで処理ができる。シーケンス処理部14は、図6のステップS2にて、必要な区分データ24を取得し、さらに、ステップS3で、取得した区分データ24に基づいてオブジェクトOの座標を演算する。そして、シーケンス処理部14はステップS4でステップS3の演算結果から画像データを生成する。シーケンス処理部14は、オブジェクトOの変化する形状について画像データ27から取得してもよいし、ステップS3でオブジェクトOの描画に必要な変化する形状について算出し、この算出結果に基づいて、ステップS4で画像データを生成してもよい。オブジェクトOの描画については、補間処理等の公知技術を利用してもよい。続くステップS5にて、シーケンス処理部14は、表示制御部12に画像データ27を出力する。これにより、モニタ3にゲーム領域Aが表示される。
【0045】
図9に示す例に限られず、図16に示すように、オブジェクトO18からオブジェクトO19へ変化するような具合にレベルB領域OBの中心が前方に移動するように変化させてもよいし、図17に示すように、オブジェクトO20からオブジェクトO21へ変化するような具合にレベルB領域OBの前後方向が拡大するように変化させてもよい。あるいはレベルB領域OBが縮小するように変化させてもよい。このようにレベルA領域OAを変化させずにレベルB領域OBを変化させることで、ゲーム中に楽曲のテンポが変化してもプレイヤPに違和感を生じさせないような操作評価を行える。例えば、楽曲のテンポが速くなった場合には、プレイヤPはオブジェクトOを見てから操作をするので、プレイヤPの操作は操作時期に対して遅れがちとなるが、レベルB領域OBを後ろ側へシフトさせることで遅れがちな操作に対しても評価を与えることができる。また、早めに操作しがちであったり、遅めに操作しがちであったり等、プレイヤPの操作の癖を分析してその癖をフォローするように、あるいはより難易度を上げるようにレベルB領域OBを前方又は後方にシフトするようにしてもよい。また、レベルA領域OAの判定範囲を拡大又は縮小するようにしてもよい。各領域OA、OBの変化については、区分データ24の設定によりさまざまに対応可能である。なお、操作評価処理については、図7で示す操作評価処理と同様の処理を実行すればよい。
【0046】
本変形例においても、レベルA領域OA及びレベルB領域OBによりオブジェクトOが構成されていたが、これに限られず、さらに複数の区分を設けてもよい。オブジェクトOの判定範囲の表示に関しても、色や線による区分け、グラデーション表示等適宜の変更が可能である。一つのレーンLaで説明したが、例示に過ぎず、複数のレーンLaを有するゲーム領域Aを表示したゲーム形態であってもよいし、上述した形態のように複数の判定ラインLを有するゲーム形態であっても本変形例を適用できる。
【0047】
上述した各形態において、オブジェクトOにレベルA領域OA及びレベルB領域OBを設け、オブジェクトOに判定範囲の区分を表示したがこれに限られない。ゲーム画面上に別途判定範囲を表示する領域を設け、オブジェクトOとは別に表示するようにしてもよい。プレイヤPが判定範囲の区分を認識可能に表示できれば、表示態様は適宜の変更が可能である。また、オブジェクトOの判定範囲を同心円状に表示しているが、長方形状であってもよい。オブジェクトOが長方形状の場合には、オブジェクトOの判定範囲は判定ラインLに到達するタイミングで一致するように区分けされていればよい。
【0048】
本形態においては、商用のゲーム機1で説明したがこれに限られない。例えば、家庭用の据置型ゲーム機や携帯型ゲーム機、ゲーム機能を有する携帯電話、ネットワークを利用して実現されるゲームシステム等であってもよい。プレイヤPの操作を受け付ける操作部についてもタッチパネル4に限られない。例えば、各種操作ボタンを有するコントローラ等であってもよい。このような場合において、複数の判定ラインLを使用するゲームでは判定ラインLごとにキーを割り当てて、対応するキーの操作タイミングを評価したりしてもよい。音声入力操作や、視線による操作を実現する入力装置によってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 ゲーム機
3 モニタ(表示部)
4 タッチパネル(操作部)
10 制御ユニット
11 ゲーム制御部(操作提示手段、評価手段、区分提示手段、区分幅変更手段)
21 ゲームプログラム
22 ゲームデータ(シーケンスデータ記憶手段)
A ゲーム領域
O オブジェクト(操作指示標識)
OA レベルA領域(区分)
OB レベルB領域(区分)
L 判定ライン(操作基準部)
La レーン(標識案内部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム画面を表示する表示部と、
プレイヤの入力操作を受け付ける操作部と、
ゲーム中における前記操作部の操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
前記操作部に対する操作を指示するための操作指示標識と、前記操作指示標識が前記操作時期に到達する操作基準部と、を前記ゲーム画面上で相対的に移動させ、前記操作時期をプレイヤに提示する操作提示手段と、
前記操作部に対して所定の入力操作が行われた時期と前記操作時期との差分に基づいてプレイヤの前記入力操作を評価する評価手段と、を備えたゲームシステムにおいて、
前記評価手段は、前記差分に対して複数の区分を設け、プレイヤが入力操作した時期が、前記複数の区分のうちいずれかの区分に位置する場合に、前記差分が0に近い区分ほど高い評価を与え、さらに、
前記操作指示標識に前記区分を表示することにより前記区分をプレイヤに提示し、前記操作指示標識に表示される各区分が前記操作基準部に到達するタイミングにおけるプレイヤの前記入力操作に対する評価と、前記区分とを対応付けて提示する区分提示手段を備えた、
ゲームシステム。
【請求項2】
前記区分の幅を変更する区分幅変更手段を備え、前記区分提示手段は、前記区分幅変更手段に基づいて前記幅を変更した区分をプレイヤに提示する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲーム画面上には、前記操作指示標識を一定方向に案内する標識案内部に複数の操作基準部が表示され、前記操作提示手段は、前記操作指示標識が各操作基準部に到達するごとに前記操作時期を提示し、前記区分幅変更手段は、前記操作指示標識が前記操作基準部を通過して次の操作基準部へ移動する場合に前記操作指示標識の区分を変更する請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記区分幅変更手段は、前記操作指示標識の各区分を狭めるように変更する請求項2又は3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記区分幅変更手段は、前記操作指示標識の各区分を拡大するように変更する請求項2又は3に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記区分提示手段は、前記区分を色分け表示する請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記区分幅変更手段は、前記操作指示標識が前記操作基準部へ移動しているときに、前記区分の幅を変化させる請求項2〜6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記区分幅変更手段は、前記区分のうち最も高評価を与える区分を変更せず、前記最も高評価を与える区分より低い評価を与える区分の幅を変更する請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記区分提示手段は、前記区分幅変更手段に基づいて前記区分の幅を変更させるように表示し、かつ前記区分を前記操作基準部に到達するタイミングと一致するように表示する請求項7又は8に記載のゲームシステム。
【請求項10】
ゲーム画面を表示する表示部と、
プレイヤの入力操作を受け付ける操作部と、
ゲーム中における前記操作部の操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
を備えたゲームシステムのコンピュータを、
前記操作部に対する操作を指示するための操作指示標識と、前記操作指示標識が前記操作時期に到達する操作基準部と、を前記ゲーム画面上で相対的に移動させ、前記操作時期をプレイヤに提示する操作提示手段、及び、前記操作部に対して所定の入力操作が行われた時期と前記操作時期との差分に基づいてプレイヤの前記入力操作を評価する評価手段として機能させるように構成され、
前記評価手段は、前記差分に対して複数の区分を設け、プレイヤが入力操作した時期が、前記複数の区分のうちいずれかの区分に位置する場合に、前記差分が0に近い区分ほど高い評価を与えるように構成され、さらに、
前記操作指示標識に前記区分を表示することにより前記区分をプレイヤに提示し、前記操作指示標識に表示される各区分が前記操作基準部に到達するタイミングにおけるプレイヤの前記入力操作に対する評価と、前記区分とを対応付けて提示する区分提示手段として機能させるように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−50599(P2012−50599A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194833(P2010−194833)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】