説明

ゲームシステム及びゲームプログラム

【課題】落ちものゲームが実行される場合において、プレイヤ間で協力し合うように構成されたゲームシステムを提供する。
【解決手段】ブロック要求手段521によって、複数のボールAで構成されるブロックBRを要求するブロック要求を、他のゲーム機Gに送信し、ブロック要求を受信したゲーム機Gでは、ブロック生成手段523によって、自機に蓄積されたボールAに基づいてブロックBRが生成され、ブロック要求をしたゲーム機Gへ送信され、かつ、消去手段により、ブロックBRが自機にて消去され、ブロックBRを取得したゲーム機GBでは、ブロック処理手段522によって、ブロックBRが自機に追加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のゲーム機でいわゆる落ちものゲームを実行するゲームシステム、及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームフィールドを、蓄積体が一方側から他方側に落下するように移動して、蓄積した蓄積体に応じてゲーム結果が決定する落ちものゲームは周知であり、また、落ちものゲームを複数のプレイヤで対戦するゲームシステムも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−066784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、対戦する場合に、複数のプレイヤがチームを組んで、協力し合うように構成されたゲームシステムは存在しない。
【0005】
そこで、本発明は、複数のプレイヤにて落ちものゲームが実行される場合において、プレイヤ間で協力し合うように構成されたゲームシステム及び該ゲームシステムを実現するためのゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明のゲームシステム(GS)は、互いにデータ通信可能な複数のゲーム機(GA、GB、GC、GD)のそれぞれにおいてゲームが行われ、前記複数のゲーム機のそれぞれは、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作入力部(10)と、ゲーム画面(GI)を表示する表示部(20)と、前記ゲーム画面に設けられたゲームフィールド(GF)において、前記ゲームフィールドの一方側から他方側に向かって移動する蓄積体(A)が、前記プレイヤの操作に応じた位置にて蓄積され、前記蓄積された蓄積体のうち一部の蓄積体によって、所定の条件が満たされると、前記一部の蓄積体が消滅するゲームを実行するゲーム実行部(52a)とを備えるゲームシステムであって、前記ゲーム実行部は、前記ゲームにおける所定の状況に応じて、複数の蓄積体で構成されるブロックを要求するブロック要求を、少なくとも1つの他のゲーム機に送信するブロック要求手段(521)と、前記ブロック要求を送信後、前記他のゲーム機からの前記ブロックに関する情報であるブロック情報を受信すると、前記ブロックを構成する蓄積体に基づいた追加蓄積体を、前記ゲームフィールドに蓄積された蓄積体として追加するブロック処理手段(522)と、いずれかの他のゲーム機からの前記ブロック要求に応じて、前記ゲームフィールドの所定の範囲に蓄積された蓄積体に基づいて前記ブロックに関するブロック情報を生成して、前記他のゲーム機に送信するブロック生成手段(523)と、前記ブロック生成手段にて前記ブロック情報を送信する際に、前記蓄積された蓄積体の少なくとも一部を前記ゲームフィールドから消去する消去手段(524)と、を備えることにより、上記の課題を解決する。
【0008】
本発明によれば、各ゲーム機では、ゲーム実行部により、蓄積体がゲームフィールドに蓄積されるゲームが実行され、ゲーム実行部は、更に、ブロック要求手段と、ブロック処理部と、ブロック生成手段と、消去手段とを備える。これにより、ブロック要求手段により、ブロックを要求するブロック要求が他のゲーム機に対して送信されると、前記ブロック要求を受信したゲーム機では、ブロック生成手段によってゲームフィールドに蓄積されている蓄積体に基づいてブロック情報が生成され、ブロック要求の送信元のゲーム機に提供される。また、ブロック情報が生成されるゲーム機においては、消去手段によって、蓄積体がゲームフィールドから消去される。そして、ブロック情報を取得したゲーム機、即ち、ブロック要求を送信したゲーム機は、ブロック情報を受信すると、当該ブロック情報対応するブロックに基づいた追加蓄積体を、ゲームフィールドに追加する。従って、ブロックを提供するゲーム機のゲームフィールドの蓄積体を利用して、ブロック要求を送信したゲーム機のゲームフィールドの蓄積体が増加する態様を実現することができる。これにより、例えば、ゲームフィールドに蓄積されている蓄積体が多いと不利な場合は、多くの蓄積体が蓄積されているプレイヤから他のプレイヤがブロックを取得して、不利な状況を回避することができる。一方、ブロックを取得したプレイヤは増加した蓄積体を利用したプレイをすることができる。これにより、ブロックを提供するゲーム機のプレイヤとブロックを要求するゲーム機のプレイヤは、ゲームに関して協力し合うことができる。
【0009】
「追加蓄積体」は、ブロックを構成する蓄積体そのままである場合と、ブロックを構成する蓄積体に基づいて、プレイヤの操作やゲーム状況を反映させて生成する場合とを含む。同様に、提供されるブロックを構成する蓄積体は、ゲームフィールドに蓄積された蓄積体の一部又は全部のそのままである場合と、蓄積された蓄積体の一部又は全部の蓄積体に基づいて、ゲームの状況を反映させて生成する場合とを含む。提供されるブロックが、ゲームフィールドに蓄積された蓄積体の一部又は全部そのままであり、ブロック処理部によって追加される追加蓄積体が、ブロックを構成する蓄積体そのままである時は、ゲームフィールドに蓄積された蓄積体がブロックとして、他のゲーム機に移動するような態様を実現できる。提供されるブロックを構成する蓄積体は、所定の範囲に含まれる蓄積体と同じであってもよいし、所定の範囲に含まれる蓄積体に基づいて所定の規則により生成されてもよい。なお、「所定の範囲」に蓄積体が蓄積されていない部分がある場合、存在する蓄積体のみに基づいてブロック情報を生成する場合と、蓄積体が存在しない部分を含むブロック情報を生成する場合と、所定の蓄積体を補ってブロック情報を生成する場合とを含む。
【0010】
「ブロック要求を、少なくとも1つの他のゲーム機に送信する」態様には、1つのゲーム機に送信する場合と、複数のゲーム機に送信する場合とを含む。複数のゲーム機に送信する場合、ブロック処理手段では、例えば、所定の条件を満たすゲーム機のブロックのみが処理されるように構成してもよいし、最初に受信したブロックのみが処理されるように構成すればよい。
【0011】
また、ブロック情報を送信する際に消去される蓄積体と、ブロック情報の生成に関連のある蓄積体とに関連があってもよいし、なくてもよい。ブロック要求が送信されるための「ゲームにおける所定の状況」には、プレイヤによる所定の操作があった場合、及び、ゲームフィールドに蓄積されている蓄積体の状態状況を含む。蓄積体の形状や大きさは問わない。消滅する「一部の蓄積体」は、隣接している場合と隣接していない場合とを含む。
【0012】
前記ブロック要求手段は、前記プレイヤにより前記ブロックを要求する操作があると、前記ブロック要求を前記少なくとも1つの他のゲーム機に送信してもよい。これにより、プレイヤは所望のタイミングでプレイヤ要求を他のゲーム機に送信して、ブロックを取得することができる。
【0013】
前記ゲーム機のゲーム実行部は、前記ゲームフィールドに蓄積された蓄積体が所定の状態になると、又は/かつ、前記プレイヤにより救済要求を送信する操作があると、前記少なくとも1つの他のゲーム機に前記救済要求を送信する救済要求手段(525)を有し、前記ブロック要求手段は、前記救済要求を受信した場合に、前記救済要求の送信元であるゲーム機に対して、前記ブロック要求を送信してもよい。
【0014】
これにより、例えば、ゲームフィールドに蓄積された蓄積体が所定数以上になった場合に、自動的に又はプレイヤの意志によって、救済要求を他のゲーム機へ送信することができる。そして、ブロック情報を他のゲーム機へ送信することにより、ゲームフィールドに蓄積された蓄積体を減少させることができる。
【0015】
更に、前記ブロック要求手段は、前記救済要求を受信後、前記プレイヤにより前記ブロックを要求する操作があると、前記ブロック要求を前記送信元であるゲーム機に送信してもよい。これにより、救済要求を受信したゲーム機のプレイヤの意志によって、救済要求の送信元のゲーム機にブロック要求を送信するか否か、即ち、ブロックを受け取るか否かを決定することができる。
【0016】
本発明において、ゲームフィールドが矩形の場合は、前記ゲーム実行部は、前記蓄積体を列方向に落下するように移動させ、前記プレイヤの操作によって行方向の位置を決定し、前記蓄積体を前記決定された位置にて蓄積し、前記救済要求手段は、いずれかの位置にて蓄積された蓄積体の数が所定数を超えると、前記救済要求を送信し、前記消去手段は、前記ゲームフィールドに蓄積された蓄積体のうち、前記所定の範囲に含まれる蓄積体を消去するように構成してもよい。
【0017】
これにより、ブロック情報を生成するために使用される蓄積体とゲームフィールドから消去される蓄積体とが同じであるため、蓄積された蓄積体の一部を使用してブロック情報を生成する態様を実現することができる。「所定の範囲」は行単位であってもよいし、行単位でなくてもよい。
【0018】
更に、前記ブロック生成手段は、前記所定の範囲に含まれる蓄積体を前記ブロックとして前記ブロック情報を生成し、前記ブロック処理手段は、前記ブロックを、前記ゲームフィールドの所定位置に挿入することにより、前記ブロックを構成する蓄積体を前記追加蓄積体として前記ゲームフィールドに追加してもよい。これにより、ブロックの生成に使用される蓄積体、消去される蓄積体、ブロックを構成する蓄積体、及び追加蓄積体を構成する蓄積体が同じであるため、ブロックを提供するゲーム機に蓄積された蓄積体が、ブロックを要求したゲーム機へ提供される態様を実現することができる。ブロックが所定位置に挿入される際に、追加蓄積体が配置される位置に蓄積体が既に存在する場合は、その既に存在する蓄積体を上方向に移動させて追加蓄積体を挿入すればよい。
【0019】
前記ブロック生成手段は、前記所定の範囲を構成する蓄積体の相互間の状態を維持した前記ブロックに関する前記ブロック情報を生成し、前記ブロック処理手段は、前記ブロックを構成する前記蓄積体の相互間の状態を維持するように、前記追加蓄積体を前記ゲームフィールドに表示してもよい。
【0020】
これにより、ブロックを提供するゲーム機のゲームフィールドに蓄積された蓄積体の一部を切り取って、そのまま、ブロックを要求したゲーム機のゲームフィールドに蓄積体の一部を移動させる態様を実現することができる。また、本発明において、前記表示部は、前記他のゲーム機における前記ゲームフィールドで蓄積されている蓄積体に関する情報を備えた前記ゲーム画面を表示してもよい。
【0021】
本発明は、前記各ゲーム機は、前記複数のゲーム機のうち1つのゲーム機がマスター機として設定されると、自機を操作するプレイヤに関する情報及び自機を識別する情報を含むゲーム機情報を、前記マスター機へ送信するゲーム機情報送信手段(52)を更に備え、前記マスター機として設定されたゲーム機は、前記複数のゲーム機のそれぞれから前記ゲーム機情報を得て、2つ以上のゲーム機で構成される少なくとも2つのチームを決定するチーム決定手段(51a)と、前記複数のゲーム機のそれぞれに、前記各ゲーム機と同じチームに属するゲーム機を示すチーム情報を送信するチーム情報送信手段(51b)とを備え、前記各ゲーム機のブロック要求手段は、前記チーム情報を参照して、前記ブロック要求を、同じチームに属する少なくとも1つのゲーム機に対して送信するように構成してもよい。
【0022】
または、前記各ゲーム機は、前記複数のゲーム機のうち1つのゲーム機がマスター機として設定されると、自機を操作するプレイヤに関する情報及び自機を識別する情報を含むゲーム機情報を、前記マスター機へ送信するゲーム機情報送信手段(52)を更に備え、前記マスター機として設定されたゲーム機は、前記複数のゲーム機のそれぞれから前記ゲーム機情報を得て、2つ以上のゲーム機で構成される少なくとも2つのチームを決定するチーム決定手段(51a)と、前記複数のゲーム機のそれぞれに、前記各ゲーム機と同じチームに属するゲーム機を示すチーム情報を送信するチーム情報送信手段(51b)とを備え、前記各ゲーム機の前記救済要求手段は、前記チーム情報を参照して、前記救済要求を、同じチームに属する少なくとも1つのゲーム機に対して送信するように構成してもよい。
【0023】
これにより、チーム戦が行われる場合は、チーム内で協力し合うことができる。マスター機として設定される態様には、自動的に設定される場合と、プレイヤの操作により設定される場合とを含む。各チームを構成するゲーム機の数は、同じであってもよいし、異なってもよい。また、マスター機に設定されたゲーム機においては、ゲーム機とマスター機との送信は、データ通信は使用せずに同じゲーム機内でのデータの送受信であってもよいし、データ通信を使用したデータの送受信であってもよい。
【0024】
本発明のゲームプログラムは、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作入力部(10)と、ゲーム画面(GI)を表示する表示部(20)と、前記ゲーム画面に設けられたゲームフィールド(GF)において、前記ゲームフィールドの一方側から他方側に向かって移動する蓄積体(A)が、前記プレイヤの操作に応じた位置にて蓄積され、前記蓄積された蓄積体のうち一部の蓄積体によって、所定の条件が満たされると、前記一部の蓄積体が消滅するゲームを実行するゲーム実行部(52a)と、他のゲーム機との間で、ゲーム状況を送受信する通信部(30)と、を備えるゲーム機の前記ゲーム実行部を機能させるゲームプログラムであって、前記ゲーム実行部を、前記ゲームにおける所定の状況に応じて、複数の蓄積体で構成されるブロックを要求するブロック要求を、少なくとも1つの他のゲーム機に送信するブロック要求手段(521)と、前記ブロック要求を送信後、前記他のゲーム機からの前記ブロックに関する情報であるブロック情報を受信すると、前記ブロックを構成する蓄積体に基づいた追加蓄積体を、前記ゲームフィールドに蓄積された蓄積体として追加するブロック処理手段(522)と、いずれかの他のゲーム機からの前記ブロック要求に応じて、前記ゲームフィールドの所定の範囲含まれる蓄積体に基づいた前記ブロックに関するブロック情報を生成して、前記他のゲーム機に送信するブロック生成手段(523)と、前記ブロック生成手段にて前記ブロック情報を送信する際に、前記蓄積された蓄積体の少なくとも一部を前記ゲームフィールドから消去する消去手段(523)と、前記表示部に、前記他のゲーム機における前記ゲームフィールドで蓄積されている蓄積体に関する情報を備えた前記ゲーム画面を表示させる手段として機能させることにより、上記の課題を解決する。本発明のゲームプログラムをコンピュータにて稼働させることにより、他のゲーム機の蓄積体に関する情報がゲーム画面に備えられた本発明のゲームシステムを実現することができる。
【発明の効果】
【0025】
上述したように、本発明は、ブロック要求手段によって、所定の場合に、複数の蓄積体で構成されるブロックを要求するブロック要求を、少なくとも1つの他のゲーム機に送信し、ブロック要求を受信したゲーム機では、ブロック生成手段によって、自機のゲームフィールドに蓄積された蓄積体に基づいてブロック情報が生成され、ブロック要求をしたゲーム機へ送信され、かつ、消去手段により、蓄積された蓄積体の少なくとも一部がブロックが消去され、ブロックを取得したゲーム機では、ブロック処理手段によって、ブロックに基づいた蓄積体が自機のゲームフィールドに追加されることにより、複数のプレイヤにて落ちものゲームが実行される場合において、プレイヤ間で協力し合うように構成されたゲームシステム及びゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のゲームシステムの一例を示す図。
【図2】図1のゲームシステムにおけるゲーム機にて実行されるゲームの代表的なゲーム画面を示す図。
【図3】ヘルプ問い合わせが表示されたゲーム画面を示す図。
【図4】ヘルプメッセージが表示されたゲーム画面を示す図。
【図5】ブロックが消去されたゲームフィールドを有するゲーム画面を示す図。
【図6】ブロックが追加されたゲームフィールドを有するゲーム画面を示す図。
【図7】図1のゲームシステムにおけるゲーム機のハードウェアの構成を示す図。
【図8】対戦ゲームが開始されるまでの処理の流れを示すシーケンス図。
【図9】チーム内で実行される第1の協力処理における処理の流れを示すシーケンス図。
【図10】チーム内で実行される第2の協力処理における処理の流れを示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明のゲームシステムGSの一例を示す図である。ゲームシステムGSは、プレイヤPA、PB、PC、PDのそれぞれによって操作されるゲーム機GA、GB、GC、GDで構成される。各ゲーム機GA〜GDは、ブルートゥース規格に基づいて相互にデータ通信可能である。以下、ゲーム機GA〜GDを区別する必要がない時は「ゲーム機G」といい、プレイヤPA〜PDを区別する必要がない時は「プレイヤP」という。本形態のゲーム機Gは、モニタMとキー入力部Kを備える携帯型電話である。本発明のゲーム機は、ゲーム専用機や携帯型コンピュータであっもよく、また、データ通信手段はインターネット等の公共回線を介した通信であってもよい。
【0028】
ゲームシステムGSでは、各ゲーム機Gにていわゆる落ちものゲームが、チーム対抗の対戦形式で行われる。図1の例では、チームT1とチームT2の2つのチームが存在し、チームT1には、プレイヤPAとプレイヤPBが属し、チームT2には、プレイヤPCとプレイヤPDが属する。以下、同じチームTに属するプレイヤPを「仲間プレイヤP」といい、異なるチームTに属するプレイヤPを「対戦相手P」という時がある。
【0029】
各ゲーム機Gにて行われるゲームについて説明する。各ゲーム機Gにおいて行われるゲームは同様であるため、ゲーム機GAについて説明する。ゲーム機GAのモニタMには、図2に示すようなゲーム画面GIが表示される。ゲーム画面GIは、ゲーム機GAを操作するプレイヤPAのゲームフィールドGFaが表示されるプレイヤフィールドPFと、他のプレイヤPB〜PDそれぞれのゲームフィールドGFb〜GFdが表示される他のプレイヤフィールドOPFとで構成される。他のプレイヤフィールドOPFにおける各ゲームフィールドGFb〜GFdには、ゲーム中の状態が表示される。以下、ゲームフィールドGFa〜GFdを区別する必要のない時は「ゲームフィールドGF」という。
【0030】
ゲームフィールドGFは矩形であり、列R1〜R6が行方向LDに設けられている。以下、列R1〜R6を区別する必要のない時は、「列R」という。各列Rには、蓄積体としてのボールAが列方向RDに積み上げられるように蓄積される。ゲーム中のゲームフィールドGFaには、ボールAが2つずつゲームフィールドGFaの上方から下方に落下移動するように表示される。ボールAが落下する際の行方向LDに関する位置は、プレイヤPAの操作によって決定され、ボールAは決定された位置の列Rに落下して蓄積される。以下、ゲームフィールドGFに蓄積されているボール群を「蓄積群AG」という。
【0031】
なお、本形態では、蓄積体として、複数の種類のボールAa〜Aeが用意されている。ボールAa〜Adに関しては、隣接する3つのボールAが同じ種類である場合、当該3つのボールAがゲームフィールドGFaから消去される。ボールAeに関しては、3つのボールAeが行方向LD又は列方向RDに連続し、かつ、その連続した3つのボールAeに隣接する連続した3つのボールAも同じ種類である場合に、隣接する連続した3つのボールAと共に、連続した3つのボールAeも消去される。
【0032】
プレイヤフィールドPFにおけるネクストフィールドNFには、次にゲームフィールドGFaに表示される2つのボールAが示される。ネクストフィールドNFに示される2つのボールAは、所定のタイミングで、ゲームフィールドGFaの上方に表示される。このように、ボールAは次々にゲームフィールドGFaに表示され、いずれかの列Rに蓄積される。消滅条件が満たされたボールAは消滅するが、消滅しないボールAはゲームフィールドGFaにて蓄積されて蓄群AGを形成する。
【0033】
ゲームの終了には2つのパターンがあり、1つは、いずれかの列Rに蓄積されたボール
AがゲームフィールドGFaの上端に到達すると、その時点でゲーム終了となるパターン
である。他の1つは、ゲーム実行時間として予め設定された時間が経過するパターンであ
る。いずれかのパターンでゲームが終了した場合、各チームTの得点が集計され、勝敗が
決定される。
【0034】
本発明によれば、上記対戦ゲームにおいて、同じチームT内にて、プレイヤPが協力し合うことができる。具体的には、チームT内の一方のプレイヤPが、他方のプレイヤPのゲームフィールドGFの所定範囲に蓄積されたボールAをブロックBRとして引き取ることができる。これにより、蓄積されたボールAがゲームフィールドGFの上端に到達することを回避できたり、一方のプレイヤPが他方のプレイヤPのボールAを利用して、相手チームに対して攻撃を加えることもできる。
【0035】
例えば、プレイヤPAのゲームフィールドGFaにおいて、その上端に蓄積されたボールAが到達しそうな場合に、プレイヤPAを仲間プレイヤPBが救済する場合の処理手順について、図3〜図6を用いて説明する。まず、ゲームフィールドGFaの蓄積群AGが所定の状況になると、ゲーム画面GIaのように、ヘルプ問い合わせHEが表示される。本形態では、いずれか1つの列Rにて蓄積されているボールAの数が、9つを超えるとヘルプ問い合わせHEが表示される。その後、ヘルプ問い合わせHEは、上記状況が解消されない限り表示され続ける。
【0036】
ヘルプ問い合わせHEが表示された状態で「9」キーが入力操作されると、ヘルプ要求が仲間プレイヤPB、即ち、ゲーム機GBに送信される。ゲーム画面GIaは、列R1、列R4及び列R6のそれぞれにて10個のボールAが蓄積され、ヘルプ問い合わせHEが表示されている状態を示す。ヘルプ要求を受信したゲーム機GBのゲーム画面GIb(図4)には、仲間プレイヤPAに対応する領域にヘルプメッセージHMが表示される。ヘルプメッセージHMが表示された状態で、プレイヤPBによって「7」キーが入力操作されると、プレイヤPAへの救済が指示されたことを意味し、ブロック要求がゲーム機GAへ送信される。ブロック要求を受信したゲーム機GAでは、ゲームフィールドGFaの所定の範囲に含まれるボールAがブロックBRとして特定される。
【0037】
本形態では、ゲーム画面GIa(図3)に示すように、ゲームフィールドGFaにおける最下行から4行目までの範囲に含まれるボールAがブロックBRとして特定される。そして、特定されたブロックBRに関する情報であるブロック情報が、ブロック要求の送信元であるゲーム機PBに送信され、ゲームフィールドGFaにおいてブロックBRを構成するボールAは消滅する。ブロックBRが消滅すると、蓄積群AGのうち、ブロックBRより上の行に蓄積された上方蓄積群UAGは、ゲーム画面GIc(図5)に示すように、上方蓄積群UAGおける最下行がゲームフィールドGFaの最下行になるように下方にスライドする。一方、ブロック情報を受信したゲーム機GBのゲームフィールドGFbには、ゲーム画面GI(図5)dに示すように、ブロックBRが、ゲームフィールドGFbの最下行に挿入された状態で表示される。また、当該表示と共に、プレイヤAに対応する領域にサンキューメッセージTMが表示される。以上のように、ゲームフィールドGFaの上端にボールAが到達しそうな列Rが存在するプレイヤPAのブロックBRが、仲間プレイヤPBのゲームフィールドGFbに移されることにより、ボールAがゲームフィールドGFaの上端に到達してゲームが終了する事態を、回避することができる。
【0038】
以下、上記ゲームシステムGSを実現するための構成について、具体的に説明する。まず、ゲーム機Gのハードウェア構成について図7を用いて説明する。ゲーム機Gは、キー入力部Kを含む操作入力部10と、モニタMを含む表示部20と、他のゲーム機Gとデータ通信を行うための通信部30と、ゲームプログラム及び各種情報が記憶された記憶部40と、ゲーム機Gの動作を制御する制御部50とで構成される。
【0039】
制御部50は、CPU及びその動作に必要な各種記憶域にて構成され、コンピュータとして機能する。制御部50は、自機がゲームシステムGSにおけるマスター機として設定された場合にマスター機としての動作を制御するマスター部51と、マスター機としての動作以外の動作を制御する通常部52とを有する。記憶部40に記憶されたゲームプログラムが稼働することにより、マスター部51は、主にチーム決定手段51a及びチーム情報送信手段51bとして機能し、通常部52は、主にゲーム実行部52a及びゲーム機情報送信手段(不図示)として機能し、ゲーム実行部52aは、主にブロック要求手段521、ブロック処理手段522、ブロック生成手段523、消去手段524、及び救済要求手段525として機能する。
【0040】
記憶部40は、情報を一時的に記憶する記憶域と、情報を永続的に記憶する記憶域を併せた概念である。記憶部40に記憶される情報には、仲間プレイヤPに関する情報や対戦相手Pに関する情報が設定されたチーム情報、後述するマスター機を特定する情報等がある。
【0041】
ゲームシステムGSにおいて、チーム対抗の対戦ゲームが開始されるまでの処理の手順を、図8に示すシーケンス図を用いて説明する。各ゲーム機Gにおける処理は、制御部50によって制御される。また、各処理において、各ゲーム機Gは、各ゲーム機Gを識別するゲーム機識別情報によって識別される。まず、ゲームシステムGS内のいずれか1つのゲーム機Gがマスター機として設定され、他のゲーム機が子機として設定される(ステップS100)。本形態では、ゲーム機GAがマスター機として設定され、他のゲーム機GB〜GDは子機として設定される。例えば、各ゲーム機Gに、マスター機設定画面が表示され、ゲーム機GAにて「マスター機」が選択されることにより、ゲーム機GAがマスター機として設定され、他のゲーム機GB〜GDにて「子機」が選択されることにより、ゲーム機GB〜GDが子機として設定される。
【0042】
マスター機に設定されたゲーム機GAは、マスター部51が起動し、マスター部51によってマスター機として動作するとともに、通常部52によって他のゲーム機GB〜GDと同様の動作も行う。以下、マスター機としてのゲーム機GAをマスター機GAといい、他のゲーム機GB〜GDと同様に動作するゲーム機GAをゲーム機GAという。なお、ゲーム機GAとマスター機GAとの間のデータの送受信は、ゲーム機GA内における所定の記憶域にデータが送られることをいう。
【0043】
マスター機GAは、自機がマスター機であることを示すマスター通知を、ゲームシステムGS内の各ゲーム機Gにブロードキャストする。マスター通知を受信した各ゲーム機Gは、マスター通知が示すゲーム機GAをマスター機として設定する(ステップS110)。各ゲーム機GA〜GDにて、マスター機GAが設定されると、各ゲーム機GA〜GDは、自機の識別情報と、対応するプレイヤPに関する情報を含むゲーム機情報をマスター機GAへ送信する。マスター機GAでは、各ゲーム機Gから取得したゲーム機情報が設定される。
【0044】
次に、マスター機GAでは、プレイヤPAの操作によってチーム決定処理が行われる(ステップS120)。チーム決定処理では、同じチームTに属するプレイヤP、即ちゲーム機Gが決定される。本形態では、ゲーム機GAとゲーム機GBがチームT1を構成し、ゲーム機GCとゲーム機GDがチームT2を構成するように設定される。なお、チームTの設定は、マスター部51によって自動的に行われてもよい。マスター機GAは、各チームT1、T2に属するゲーム機G及びプレイヤPが設定されたチーム情報を、各ゲーム機GA〜GDへ送信する。
【0045】
チーム情報を取得した各ゲーム機Gでは、チーム設定処理が行われる(ステップS130)。チーム設定処理では、自機が属するチームTに含まれるプレイヤP及びゲーム機Gを仲間として設定し、対戦チームTに含まれるプレイヤP及びゲーム機Gを対戦相手として設定する。各ゲーム機Gにてチーム設定処理が終了すると、アバター設定処理が開始される(ステップS140)。アバター設定処理では、各ゲーム機GのモニタMにて、複数のキャラクタが提示され、各プレイヤPにアバターとしてのキャラクタを選択させる。アバターが決定すると、各ゲーム機Gからアバター通知がブロードキャストされる。アバター通知には、決定されたアバターに関する情報(画像情報、ネーム等)と、そのアバターに対応するゲーム機Gとが設定されている。
【0046】
アバター通知を受信した各ゲーム機Gでは、各プレイヤPとアバターとの対応付けが設定される。アバター設定処理として設定されている所定時間が経過すると、各ゲーム機Gはゲーム画面GIを表示して、ゲームを開始する。ゲーム中は、各ゲーム機GのゲームフィールドGFに蓄積された蓄積群AGの状況が、蓄積状況情報として各ゲームGにブロードキャストされる。他のゲーム機Gから蓄積状況情報を取得したゲーム機Gでは、受信した蓄積状況情報に基づいて、ゲーム画面GIの対応するプレイヤPのゲームフィールドGFを更新する。各ゲーム機Gにて蓄積状況情報が送信される手順は、従来既知の方法を採用すればよい。例えば、蓄積状況情報が送信されるタイミングは、所定のサイクルにて定期的に行われる。
【0047】
更に、本発明のゲームにおいては、ゲーム実行中に、同じチームT内に属する2人のプレイヤPは、協力し合うことができる。チームT内で協力し合う態様として、例えば、上述したように、ゲームフィールドGFaの蓄積群AGの状態が良くないプレイヤPAを、仲間プレイヤPBが助けることができる。当該態様を実現すべく、ゲーム機GA及びゲーム機GBのそれぞれにおいて行われる第1の協力処理について、図9に示すフローチャートに従って説明する。ゲーム機GAが行う処理は、ゲーム機GAの制御部50のゲーム実行部52aにて制御され、ゲーム機GBが行う処理は、ゲーム機GBの制御部50のゲーム実行部52aにて制御される。第1の協力処理において、ゲーム機GA、GBにて実行される各処理は、通常のゲームの実行中に、例えば、割り込み処理として実行される。
【0048】
まず、ゲーム実行中のゲーム機GAは、ステップS200にて、ゲームフィールドGFaがヘルプ状態か否かを判断する。ヘルプ状態とは、上述したように、ゲームフィールドGFaにおけるいずれか1つの列Rにて、蓄積されたボールAの数が9を超えた状態である。ヘルプ状態であると判断された時は、ステップS205へ進み、ヘルプ問い合わせHEをゲーム画面GIaに表示する。続いて、ステップS210にて、ヘルプ要求をするか否かが判断される。プレイヤPAにより、ヘルプ要求を指示する操作(本形態では「9」キーの入力操作)があった場合に、ヘルプ要求をすると判断される。
【0049】
ステップS210にて、否定判断された時はステップS200へ戻り、肯定判断された時は、ゲーム画面GIaにおけるヘルプ問い合わせHEの表示を消去して、ヘルプ要求を仲間プレイヤPBのゲーム機GBへ送信する。これにより、ゲーム実行部52aは救済要求手段525として機能する。なお、ヘルプ問い合わせHEの表示後に、ステップS200が否定判断された時は、当該表示はゲーム画面GIaから消去される。また、例えば「1」キーを入力することにより、ヘルプ問い合わせHEの表示を解除することができるように構成してもよい。
【0050】
ヘルプ要求を受信したゲーム機GBは、ステップS215にて、ゲーム画面GIbのように、ヘルプメッセージHMを表示する。続いて、ステップS220にて、プレイヤPAを助けるか否かが判断される。プレイヤPBの操作により、プレイヤPAの救済を指示する操作(本形態では「7」キーの入力操作)があると、プレイヤPAを助けると判断される。当該救済を指示する操作がない場合は、ステップS225に進み、ヘルプメッセージHMの表示時間として予め設定された時間が経過したか否か、即ちタイムアウトか否かを判断する。
【0051】
当該時間内に、「7」が入力されると、プレイヤPAを助けると判断され、「7」が入力されないと、ステップS230にて、ヘルプメッセージHMの表示を消去して、ヘルプ要求待ち状態に戻る。ステップS220にて肯定判断された時は、ヘルプメッセージHMの表示を消去して、ブロック要求を、ヘルプ要求の送信元であるゲーム機GAへ送信する。これにより、ゲーム実行部52aはブロック要求手段521として機能する。ブロック要求を受信したゲーム機GAは、ステップS235にて、ブロック情報を生成する。ブロック情報には、ゲームフィールドGFaにおける最下行から4行目までの範囲に含まれるボールAにて構成されるブロックBRが設定される。
【0052】
ゲーム機GAは、生成したブロック情報を、ブロック要求の送信元であるゲーム機GBへ送信する。また、ゲーム機GAは、ブロック情報を送信すると共に、ステップS240にて、ゲームフィールドGFaの表示を、ゲーム画面GIcのように変化させる。即ち、生成したブロックBRを消去して、ブロックBRより上の上方蓄積群UAGを下方にスライドさせる。これにより、ゲーム実行部52aはブロック生成手段523及び消去手段524として機能する。ゲームフィールドGFaの表示を変化させた後、ゲーム機GAは、ゲームの実行を続行する。
【0053】
一方、ブロック情報を受信したゲーム機GBも、ステップS245にてゲームフィールドGFbの表示を、ゲーム画面GIdのように変化させる。即ち、取得したブロックBRを構成するボールAが、ゲームフィールドGFbの最下行に挿入された状態が表示される。これにより、ブロックBRを構成するボールAは追加蓄積体として機能し、ゲーム実行部52aはブロック処理手段522として機能する。ゲーム機GBは、続いて、ステップS250にて、ヘルプ後処理を行う。ヘルプ後処理では、例えば、ゲーム画面GIdのように、助けたプレイヤPAに対応する領域にサンキューメッセージTMを数秒間表示する。また、ブロックBRの挿入により、消去条件を満たすボールAが発生した時は、当該ボールAを消去する。その後、ゲーム機GBはゲームを続行する。
【0054】
チームT1のプレイヤPAとプレイヤPBとが協力し合う態様として、プレイヤPAの蓄積群AGの一部であるブロックBRをプレイヤPBが積極的に取得して、プレイヤPBがブロックBRの処理を行うこともできる。例えば、プレイヤPBは、ボールAが増加した蓄積群AGに基づいて、対戦相手Pに攻撃をすることができる。「攻撃」とは、蓄積群AGの一部を対戦相手Pに送ることをいい、従来既知の方法により行えばよい。このように、当該態様は、プレイヤPBがプレイヤPAよりも優勢な状態である場合や、上手な場合に有効である。
【0055】
当該形態を実現すべく、ゲーム機GA及びゲーム機GBのそれぞれにおいて行われる第2の協力処理について、図10に示すフローチャートに従って説明する。ゲーム機GAが行う処理は、ゲーム機GAの制御部50のゲーム実行部52aにて制御され、ゲーム機GBが行う処理は、ゲーム機GBの制御部50のゲーム実行部52aにて制御される。第2の協力処理において、ゲーム機GA、GBにて実行される各処理は、通常のゲームの実行中に、例えば、割り込み処理として実行される。
【0056】
まず、ゲーム実行中のゲーム機GBは、ステップS300にて、所定のブロック要求操作があるか否かを判断する。ステップS300が肯定判断された時は、ブロック要求を仲間のゲーム機GAへ送信する。これにより、ゲーム実行部52aはブロック要求手段521として機能する。ブロック要求を受信したゲーム機GAは、ステップS305にて、プレイヤPBがブロックBRを要求していることを示すメッセージを、他のプレイヤフィールドOPFのプレイヤPBに対応する領域に表示する。次に、ゲーム機GAはブロックBRをゲーム機GBへ送るか否かを判断する。所定のブロック提供操作があると、ブロックBRを送ると判断される。ステップS310にて否定判断された時は、ステップS315へ進み、メッセージ表示時間として予め設定された時間が経過したか否か、即ち、タイムアウトか否かが判断される。
【0057】
ステップS315にて否定判断された時はステップS310へ戻り、ブロック提供操作待ち状態となり、肯定判断された時はステップS320へ進み、ステップS305にて表示したメッセージをゲーム画面GIから消去してブロック要求待ち状態に戻る。ステップS310にて肯定判断された時は、ステップS325へ進み、ブロック情報を生成する。ブロック情報には、仲間プレイヤPBに提供するブロックBRが設定される。これにより、ゲーム実行部52aはブロック生成部523として機能する。ブロックBRは、第1の協力処理におけるブロックBRと同じ範囲のボールAであってもよいし、異なる範囲のボールAであってもよい。ゲーム機GAは、生成したブロック情報をゲーム機GBへ送信する。ゲーム機GAは、ブロック情報の送信と共に、ステップS330にてゲーム画面処理を行う。ゲーム画面処理では、ゲームフィールドGFaにおける蓄積群AGからブロックBRを消去し、ブロックBRよりも上方にある情報蓄積群UAGは下方へスライドさせる。これにより、ゲーム実行部52aは消去手段524として機能する。
【0058】
ブロック情報を取得したゲーム機GBにおいても、ステップS335にてゲーム画面処理が行われる。ゲーム機GBにおけるゲーム画面処理では、ゲームフィールドGFbにおける蓄積群AGの最下行に、取得したブロックBRを構成するボールAが挿入される。これにより、ブロックBRを構成するボールAは追加蓄積体として機能し、ゲーム実行部52aはブロック処理手段522として機能する。この挿入により、蓄積群AGは上方にスライドさせる。ゲーム機GBは、ゲームフィールドGFbの表示を変化させるとともに、ステップS340にて、取得後処理を行う。取得後処理では、取得したブロックBRによって、ゲームフィールドGFbにおいて、消去対象となるボールAが発生した場合は、当該ボールAを消去する。
【0059】
なお、例えば、ゲーム機GAにて、蓄積されたボールAがゲームフィールドGFaの上端に到達したことにより、ゲームが終了した場合、ゲーム機GAは、ゲームが終了したことを通知するゲーム終了通知を、ブロードキャストする。ゲーム終了通知を受信した各ゲーム機GB〜GDは、ゲームを終了する。ゲームが終了した各ゲーム機Gは、自己の得点をマスター機GAへ送信する。マスター機GAは、受信した各ゲーム機Gの得点に基づいて、チームT毎に得点を集計し、勝敗結果を含むゲーム結果を各ゲーム機Gへ送信する。ゲーム結果を受信した各ゲーム機Gは、当該ゲーム結果をモニタに表示する。また、ゲーム時間が経過してゲームが終了する場合も、ゲームが終了した各ゲーム機Gは、自己の得点をマスター機GAへ送信し、上述した場合と同様の処理が行われる。
【0060】
本発明のゲームシステムは、上述した形態に限らず種々の形態にて実行されてよい。生成されるブロックBRは、ゲームフィールドGFの所定範囲を構成するボールAそのものでなく、当該構成するボールAの種類や数を所定の条件に基づいて変えてもよい。また、ゲームフィールドGFに挿入されるボールAは、ブロックBRを構成するボールAそのものでなく、ブロックBRを構成するボールAの種類や数を所定の条件に基づいて変えてもよい。ゲームフィールドGFの所定の範囲であるブロックBRにおいて、ボールAが蓄積されていない部分がある時は、存在するボールAのみでブロックBRを構成してもよいし、ボールAが存在しない部分も含む所定の範囲の状態をブロックBRとして構成してもよいし、ボールAが存在しない部分に所定のボールAを補ってブロックBRを構成してもよい。
【0061】
また、3人以上のプレイヤPが1つのチームを構成する場合、第1の協力態様においては、ヘルプ要求は他の2人のプレイヤPに対して送信されてもよい。この場合、複数のプレイヤPからブロック要求が送信された場合は、例えば、最初に受信したブロック要求に対応するゲーム機に対してブロックを送信してもよいし、ブロック要求を送信したゲーム機のうち、所定の条件を満たすゲーム機に対してブロックを送信してもよい。
【符号の説明】
【0062】
GS ゲームシステム
GA、GB、GC、GD ゲーム機
PA、PB、PC、PD プレイヤ
A 蓄積体(ボール)
GI ゲーム画面
GF ゲームフィールド
10 操作入力部
20 表示部
521 ブロック要求手段
522 ブロック処理手段
523 ブロック生成手段
524 消去手段
525 救済要求手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いにデータ通信可能な複数のゲーム機のそれぞれにおいてゲームが行われ、
前記複数のゲーム機のそれぞれは、
プレイヤの操作を受け付ける操作入力部と、
ゲーム画面を表示する表示部と、
前記ゲーム画面に設けられたゲームフィールドにおいて、前記ゲームフィールドの一方側から他方側に向かって移動する蓄積体が、前記プレイヤの操作に応じた位置にて蓄積され、前記蓄積された蓄積体のうち一部の蓄積体によって、所定の条件が満たされると、前記一部の蓄積体が消滅するゲームを実行するゲーム実行部とを備えるゲームシステムであって、
前記ゲーム実行部は、
前記ゲームにおける所定の状況に応じて、複数の蓄積体で構成されるブロックを要求するブロック要求を、少なくとも1つの他のゲーム機に送信するブロック要求手段と、
前記ブロック要求を送信後、前記他のゲーム機からの前記ブロックに関する情報であるブロック情報を受信すると、前記ブロックを構成する蓄積体に基づいた追加蓄積体を、前記ゲームフィールドに蓄積された蓄積体として追加するブロック処理手段と、
いずれかの他のゲーム機からの前記ブロック要求に応じて、前記ゲームフィールドの所定の範囲に蓄積された蓄積体に基づいて前記ブロックに関するブロック情報を生成して、前記他のゲーム機に送信するブロック生成手段と、
前記ブロック生成手段にて前記ブロック情報を送信する際に、前記蓄積された蓄積体の少なくとも一部を前記ゲームフィールドから消去する消去手段と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記ブロック要求手段は、前記プレイヤにより前記ブロックを要求する操作があると、前記ブロック要求を前記少なくとも1つの他のゲーム機に送信する、ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲーム機のゲーム実行部は、
前記ゲームフィールドに蓄積された蓄積体が所定の状態になると、又は/かつ、前記プレイヤにより救済要求を送信する操作があると、前記少なくとも1つの他のゲーム機に前記救済要求を送信する救済要求手段を有し、
前記ブロック要求手段は、前記救済要求を受信した場合に、前記救済要求の送信元であるゲーム機に対して、前記ブロック要求を送信する、ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ブロック要求手段は、前記救済要求を受信後、前記プレイヤにより前記ブロックを要求する操作があると、前記ブロック要求を前記送信元であるゲーム機に送信する、ことを特徴とする請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲームフィールドは矩形であり、
前記ゲーム実行部は、前記蓄積体を列方向に落下するように移動させ、前記プレイヤの操作によって行方向の位置を決定し、前記蓄積体を前記決定された位置にて蓄積し、
前記救済要求手段は、いずれかの位置にて蓄積された蓄積体の数が所定数を超えると、前記救済要求を送信し
前記消去手段は、前記ゲームフィールドに蓄積された蓄積体のうち、前記所定の範囲に含まれる蓄積体を消去する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ブロック生成手段は、前記所定の範囲に含まれる蓄積体を前記ブロックとして前記ブロック情報を生成し、
前記ブロック処理手段は、前記ブロックを、前記ゲームフィールドの所定位置に挿入することにより、前記ブロックを構成する蓄積体を前記追加蓄積体として前記ゲームフィールドに追加する、ことを特徴とする請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記ブロック生成手段は、前記所定の範囲を構成する蓄積体の相互間の状態を維持した前記ブロックに関する前記ブロック情報を生成し、
前記ブロック処理手段は、前記ブロックを構成する前記蓄積体の相互間の状態を維持するように、前記追加蓄積体を前記ゲームフィールドに表示する、ことを特徴とする請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記各ゲーム機は、前記複数のゲーム機のうち1つのゲーム機がマスター機として設定されると、自機を操作するプレイヤに関する情報及び自機を識別する情報を含むゲーム機情報を、前記マスター機へ送信するゲーム機情報送信手段を更に備え、
前記マスター機として設定されたゲーム機は、
前記複数のゲーム機のそれぞれから前記ゲーム機情報を得て、2つ以上のゲーム機で構成される少なくとも2つのチームを決定するチーム決定手段と、
前記複数のゲーム機のそれぞれに、前記各ゲーム機と同じチームに属するゲーム機を示すチーム情報を送信するチーム情報送信手段とを備え、
前記各ゲーム機のブロック要求手段は、前記チーム情報を参照して、前記ブロック要求を、同じチームに属する少なくとも1つのゲーム機に対して送信する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記各ゲーム機は、前記複数のゲーム機のうち1つのゲーム機がマスター機として設定されると、自機を操作するプレイヤに関する情報及び自機を識別する情報を含むゲーム機情報を、前記マスター機へ送信するゲーム機情報送信手段を更に備え、
前記マスター機として設定されたゲーム機は、
前記複数のゲーム機のそれぞれから前記ゲーム機情報を得て、2つ以上のゲーム機で構成される少なくとも2つのチームを決定するチーム決定手段と、
前記複数のゲーム機のそれぞれに、前記各ゲーム機と同じチームに属するゲーム機を示すチーム情報を送信するチーム情報送信手段とを備え、
前記各ゲーム機の前記救済要求手段は、前記チーム情報を参照して、前記救済要求を、同じチームに属する少なくとも1つのゲーム機に対して送信する、ことを特徴とする請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記表示部は、前記他のゲーム機における前記ゲームフィールドで蓄積されている蓄積体に関する情報を備えた前記ゲーム画面を表示する、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
プレイヤの操作を受け付ける操作入力部と、
ゲーム画面を表示する表示部と、
前記ゲーム画面に設けられたゲームフィールドにおいて、前記ゲームフィールドの一方側から他方側に向かって移動する蓄積体が、前記プレイヤの操作に応じた位置にて蓄積され、前記蓄積された蓄積体のうち一部の蓄積体によって、所定の条件が満たされると、前記一部の蓄積体が消滅するゲームを実行するゲーム実行部と、
他のゲーム機との間で、ゲーム状況を送受信する通信部と、
を備えるゲーム機の前記ゲーム実行部を機能させるゲームプログラムであって、
前記ゲーム実行部を、
前記ゲームにおける所定の状況に応じて、複数の蓄積体で構成されるブロックを要求するブロック要求を、少なくとも1つの他のゲーム機に送信するブロック要求手段と、
前記ブロック要求を送信後、前記他のゲーム機からの前記ブロックに関する情報であるブロック情報を受信すると、前記ブロックを構成する蓄積体に基づいた追加蓄積体を、前記ゲームフィールドに蓄積された蓄積体として追加するブロック処理手段と、
いずれかの他のゲーム機からの前記ブロック要求に応じて、前記ゲームフィールドの所定の範囲に蓄積された蓄積体に基づいた前記ブロックに関するブロック情報を生成して、前記他のゲーム機に送信するブロック生成手段と、
前記ブロック生成手段にて前記ブロック情報を送信する際に、前記蓄積された蓄積体の少なくとも一部を前記ゲームフィールドから消去する消去手段と、
前記表示部に、前記他のゲーム機における前記ゲームフィールドで蓄積されている蓄積体に関する情報を備えた前記ゲーム画面を表示させる手段と、
して機能させることを特徴とするゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−48919(P2013−48919A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−244527(P2012−244527)
【出願日】平成24年11月6日(2012.11.6)
【分割の表示】特願2009−207769(P2009−207769)の分割
【原出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】