説明

ゲームソフト購入方法およびゲーム購入用光ディスク

【課題】ユーザーがシリーズもののゲームを揃えようとする場合にディスクの管理を容易にし、かつ、インターネット経由で購入したゲームを光ディスクに格納し、待ち運び可能とする。
【解決手段】ROM領域とRE領域との両方を有する光ディスク10をネットワーク接続可能機器に挿入し、ネットワーク経由で購入したゲームデータはRE領域に格納される。光ディスク10のRE領域に該ディスクを特定する認証データが格納されており、RE領域に格納されるゲームデータは、その少なくとも一部を上記認証データを用いて暗号化した状態で(認証付きゲームデータとして)記録される。ネット購入されたゲームデータは、ROM領域の認証データと、RE領域の認証付きゲームデータとがセットの状態でのみゲームが実行できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームソフトディスクのハイブリッド化およびネットワーク経由でのゲームソフト購入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、昔にヒットしたゲームのリメイク版や移植版などが、光ディスクのメディアにおいて行われている。なかでも、現在もヒットしているゲームの昔のシリーズのリメイク版や移植版が多く見られる。また、これらのゲームは、ゲームソフトをインターネット経由でダウンロードするサービスで購入することもできる(非特許文献1または2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Wii公式サイト(http://www.nintendo.co.jp/wii/features/virtual_console.html)
【非特許文献2】PS3公式サイト(http://www.jp.playstation.com/psn/store/korehajipss/contents_faq/archives/index.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリーズもののゲームを全部揃えたいユーザーは、ゲームのシリーズが増えるたびにディスクを購入する必要があり、シリーズが増えれば購入するディスクも増えるため、ディスクの管理が困難になる。一例を挙げると、ある人気ゲームソフトのシリーズについては、発売されているタイトルを全部揃える場合、CD(Compact Disc;登録商標)、DVD(Digital Versatile Disc)、およびBD(Blu-ray Disc;登録商標)等を合わせて、光ディスクを20枚近く所有することもある。
【0005】
また、購入したゲームは、ゲーム機器本体内蔵のHDDやフラッシュメモリ、もしくはメモリースティックやSDカードなどの外部の記録媒体に保存できるが、別のゲーム機器本体へ持ち出す事が不可能、もしくは持ち出せる機器の台数に制限が生じる。
【0006】
さらに、ゲームソフトをインターネット経由で購入する際、ゲーム機器本体、もしくは、パソコンに専用ソフトをインストールして購入サイトへ接続する必要があり、購入サイトへの接続機器が限られている。また、購入サイトへの接続後、ユーザーは膨大なリストの中から購入したいゲームを検索しなければならない。
【0007】
本願発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ユーザーがシリーズもののゲームを揃えようとする場合にディスクの管理を容易にすること、および、インターネット経由で購入したゲームを光ディスクに格納し、待ち運び可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、ネットワークを介して販売されるゲームソフトを購入するゲームソフト購入方法であって、再生専用領域と記録可能領域との両方を有し、上記再生専用領域に認証データを格納している光ディスクをネットワーク接続可能機器に挿入し、上記ネットワークを介して購入するゲームソフトを選択し、上記認証データはそれが格納された光ディスクを特定できるように光ディスク毎に異なるものであって、購入したゲームソフトに対してその少なくとも一部を上記認証データを用いて暗号化し、暗号化された上記ゲームソフトを、上記光ディスクの上記記録可能領域に書き込むことを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、上記記録可能領域にシリーズもののゲームやその関連コンテンツを記録できることで、シリーズもののゲームの複数のタイトルや関連コンテンツを1枚(もしくは少数枚)のディスクに収めることができる。
【0010】
さらに、上記再生専用領域に認証データを持たせることで、上記再生専用領域の認証データと、上記記録可能領域にダウンロードした認証付きゲームデータとがセットの状態でのみゲームが実行できるようすることができる。これにより、上記記録可能領域に記録したゲームを別の光ディスクの記録可能領域にコピーしても使用できないようにすることで、ネットワーク経由で購入したゲームを外部へ持ち出すことができる。
【0011】
また、上記ゲームソフト購入方法では、上記光ディスクの再生専用領域には、ネットワークをゲームソフトを購入するためのアプリケーションプログラムが格納されており、上記光ディスクを上記ネットワーク接続可能機器に挿入すると、上記ネットワーク接続可能機器が上記アプリケーションプログラムを読み出し、読み出した上記アプリケーションプログラムにしたがってネットワーク上のゲーム購入サイトに接続する構成とすることができる。
【0012】
さらに、上記光ディスクの再生専用領域には、ゲームソフトプログラムが格納されており、上記アプリケーションプログラムは、上記ゲームソフトプログラムに関連する関連データのみを上記ゲーム購入サイトのデータベースから抽出してリストアップする機能を有している構成とすることができる。
【0013】
上記の構成によれば、上記再生専用領域にゲームを購入するためのアプリケーションプログラムを搭載することで、アプリケーション実行可能装置およびハイブリッドディスク読み書き装置を持つネットワーク接続可能機器を用いれば、ゲーム機器本体や、パソコンに専用ソフトをインストールする必要がなく、ゲーム購入サイトへの接続が可能になる。
【0014】
また、上記アプリケーションプログラムが上記再生専用領域のゲームタイトルから関連するゲームやコンテンツを自動で検索して、検索結果を購入候補としてユーザーに一覧提示することで、ユーザーが検索する手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、光ディスクの記録可能領域にシリーズもののゲームやその関連コンテンツを記録できることで、シリーズもののゲームの複数のタイトルや関連コンテンツを1枚(もしくは少数枚)のディスクに収めることができる。ディスクに格納されたゲームデータは、上記再生専用領域に認証データを持たせることで、上記再生専用領域の認証データと、上記記録可能領域にダウンロードした認証付きゲームデータとがセットの状態でのみゲームが実行でき、不正コピーされたゲームは実行できないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、光ディスクの概略構成を示す図である。
【図2】上記光ディスクを用いて、ネットワークからゲームソフトを購入する方法を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。先ずは、本実施の形態にかかる光ディスクの概略構成を図1に示す。
【0018】
本実施の形態においては、図1に示すように、ゲームソフトを格納する記録媒体として、光ディスク(ゲーム購入用光ディスク)10を用いている。光ディスク10は、再生専用領域(以降「ROM(Read Only Memory)領域」とも表記する)と記録可能領域(以降、説明のため「RE(RE-writable)領域」とも表記する)とを備えたハイブリッドディスクである。尚、光ディスク10において適用される記録媒体システムは特に限定されるものではないが、ゲームソフトを格納するには大きな記録容量が要求されるため、現在製品化されているディスク記録媒体の中では、例えばBD(Blu-ray Disc;登録商標)システムを用いることが好ましい。
【0019】
光ディスク10において、ユーザーが購入したゲームタイトルに対応するゲームデータ(ゲームソフトプログラム)がROM領域に記録されている。以下、ROM領域に格納されるユーザーが購入したゲームタイトルに対応するゲームデータを、メインゲームデータと称する。
【0020】
また、RE領域には、ユーザーが光ディスク10を購入した時点では、他のソフトは格納されていない。本発明において、光ディスク10を、RE領域を有するハイブリッドディスクとしているのは、光ディスク10の購入後に関連データをネットワークを介して購入し、もしくは無料配信を受け、その関連データをRE領域に格納可能とするためである。
【0021】
尚、上記関連データとは、ROM領域に記録されているメインゲームデータに関連するデータのことである。具体的には、メインゲームデータと同シリーズの別タイトルのゲームデータであったり、特典映像やサウンドトラックであったり、メインゲームデータと同シリーズの次回作トレーラー(予告編)等を指す。
【0022】
このように、ゲームのシリーズが増えたとしても、そのシリーズに関連するゲームデータを1枚(もしくは、シリーズ数以下の少ないディスク枚数)の光にまとめて格納することができ、ディスクの管理が容易になる。
【0023】
さらに、光ディスク10のROM領域には、ネットワーク購入用アプリ(アプリケーションプログラム)と認証データが格納されている。ここで、ネットワーク購入用アプリとは、ユーザーがネットワークを介して関連データを購入する際に必要となるアプリケーションソフトである。また、認証データとは、ユーザーが、ネットワークを介して購入しRE領域に記録したゲームデータを実行するために必要なデータである。
【0024】
ここで、光ディスク10を用いて、ネットワークからゲームソフトを購入する方法について図2を参照して説明する。
【0025】
ネットワークからゲームソフトを購入するに当たっては、光ディスク10をネットワーク接続可能機器(以下、単に機器と称する)20のディスク挿入口21に挿入する。機器20は、光ディスク10に対して読み出しおよび書き込みを可能とするドライバを備えているものであり、かつ、ネットワーク接続されたゲーム機本体、パソコンあるいは店頭等に設置されるネットワーク端末であっても良い。
【0026】
光ディスク10が機器20に挿入されると、最初に光ディスク10のROM領域からネットワーク購入用アプリが読み出され、機器20内の作業用メモリ(図示せず)に格納される。機器20は、作業用メモリに格納したネットワーク購入用アプリとCPUとによって、読出し手段22、検索・抽出手段23、選択手段24、および書込み手段25の各手段の機能を有する。
【0027】
ネットワーク購入用アプリが作業用メモリに格納された後、読出し手段22は、ROM領域からメインゲームデータのゲームタイトル等の情報を読み出し、検索・抽出手段23へ出力する。さらに、インターネットのゲーム購入サイトに自動接続し、検索・抽出手段23が、該サイトのサイトのデータベースに対して検索を行い、光ディスク10のゲームタイトルに関連する関連データを抽出する。抽出された関連データのリストは、モニタ26へ出力されて表示される。これにより、ユーザーは、モニタ26の表示を見て、購入する関連データを選択することができる。
【0028】
また、抽出された関連データは、選択手段24にも出力される。ユーザーは、モニタ26の表示を見て、購入する関連データを選択すると、入力手段27を介して入力する。この入力結果は、選択手段24に送られる。選択手段24では、ユーザーの入力に基づいて、購入する関連データをダウンロードし、書込み手段25を介して光ディスク10のRE領域に書き込む。
【0029】
上記のようにして購入される関連データとしては、メインゲームデータと同シリーズの別タイトルのゲームデータ、特典映像やサウンドトラックが考えられる。また、ダウンロードできる関連データは、必ずしも購入が必要ではなく、例えば、メインゲームデータと同シリーズの次回作トレーラー(予告編)等を無料配信しても良い。
【0030】
但し、購入される関連データは、メインゲームデータと同シリーズの別タイトルのゲームデータが主な商品になると考えられる。そして、ゲームデータを光ディスク10に格納可能とする本発明では、当然ながら不正コピーを防止することが要求される。ゲームデータの不正コピーを防止するため、光ディスク10のROM領域には認証データが格納される。以下に、本実施形態での認証の仕組みについて説明する。
【0031】
まず、ROM領域に格納されている認証データは、それぞれの光ディスク10において異なるデータであり、この認証データによって光ディスク10を特定できるものである。ユーザーがネットワークからゲームデータを購入し、そのゲームデータをRE領域に記憶する時には認証付きデータとして記録され、ROM領域に格納されている認証データが無ければ購入したゲームデータを実行できないようになっている。
【0032】
より具体的には、ユーザーが購入したゲームデータを光ディスクに書き込む時には、該ゲームデータの少なくとも一部を、ROM領域の格納されている認証データを用いて暗号化する。この暗号化処理は、機器20で行うように、ネットワーク購入用アプリに暗号化プログラムを含めても良い。あるいは、ROM領域から読み出した認証データをゲーム購入サイトへネットワークを介して送信し、ゲーム購入サイト側のサーバで暗号化されたゲームデータをダウンロードするようにしても良い。購入後のゲーム実行する場合には、ROM領域に格納されている認証データを鍵として復号することにより、購入したゲームを実行することができる。
【0033】
すなわち、上記のゲームソフト購入方法によって購入されたゲームデータは、その時に機器20に挿入されている光ディスク10のRE領域に記録される。このため、光ディスク10では、ROM領域の認証データとRE領域の認証付きゲームデータとはセットとなっており、光ディスク10を取り出して別のゲーム機に入れてもそのゲームは実行できる。これにより、ユーザーは、ネット購入したゲームデータを光ディスク10として自由に持ち出すことができる。
【0034】
一方、購入して光ディスク10のRE領域に記録されたゲームデータを、他の光ディスクにコピーした場合、コピー先の光ディスクには認証データが存在しないため、その光ディスクゲーム機に入れてもそのゲームは実行できない。これにより、購入後のゲームデータを不正にコピーすることが防止できる。
【0035】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、ネットワークにて購入したゲームソフトを光ディスクに記録することができ、ゲームソフトの格納ディスクやゲーム購入システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 光ディスク(ゲーム購入用光ディスク)
20 ネットワーク接続可能機器
21 ディスク挿入口
22 読出し手段
23 検索・抽出手段
24 選択手段
25 書込み手段
26 モニタ
27 入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して販売されるゲームソフトを購入するゲームソフト購入方法であって、
再生専用領域と記録可能領域との両方を有し、上記再生専用領域に認証データを格納している光ディスクをネットワーク接続可能機器に挿入し、
上記ネットワークを介して購入するゲームソフトを選択し、
上記認証データはそれが格納された光ディスクを特定できるように光ディスク毎に異なるものであって、購入したゲームソフトに対してその少なくとも一部を上記認証データを用いて暗号化し、
暗号化された上記ゲームソフトを、上記光ディスクの上記記録可能領域に書き込むことを特徴とするゲームソフト購入方法。
【請求項2】
上記光ディスクの再生専用領域には、ネットワークをゲームソフトを購入するためのアプリケーションプログラムが格納されており、
上記光ディスクを上記ネットワーク接続可能機器に挿入すると、上記ネットワーク接続可能機器が上記アプリケーションプログラムを読み出し、読み出した上記アプリケーションプログラムにしたがってネットワーク上のゲーム購入サイトに接続することを特徴とする請求項1に記載のゲームソフト購入方法。
【請求項3】
上記光ディスクの再生専用領域には、ゲームソフトプログラムが格納されており、
上記アプリケーションプログラムは、上記ゲームソフトプログラムに関連する関連データのみを上記ゲーム購入サイトのデータベースから抽出してリストアップする機能を有していることを特徴とする請求項2に記載のゲームソフト購入方法。
【請求項4】
再生専用領域と記録可能領域との両方を有し、
上記再生専用領域には、それが格納された光ディスクを特定できるように光ディスク毎に異なる認証データが格納されており、
上記記録可能領域には、ネットワークを介して購入したゲームソフトに対してその少なくとも一部を上記認証データを用いて暗号化した上記ゲームソフトを記録可能であることを特徴とするゲーム購入用光ディスク。
【請求項5】
上記再生専用領域には、ネットワークをゲームソフトを購入するためのアプリケーションプログラムが格納されており、
上記アプリケーションプログラムは、該ゲーム購入用光ディスクをネットワーク接続可能機器に挿入した時に、上記ネットワーク接続可能機器によって読み出され、読み出された上記アプリケーションプログラムにしたがって上記ネットワーク接続可能機器をネットワーク上のゲーム購入サイトに接続させることを特徴とする請求項4に記載のゲーム購入用光ディスク。
【請求項6】
上記再生専用領域には、ゲームソフトプログラムが格納されており、
上記アプリケーションプログラムは、上記ゲームソフトプログラムに関連する関連データのみを上記ゲーム購入サイトのデータベースから抽出してリストアップする機能を有していることを特徴とする請求項5に記載のゲーム購入用光ディスク。
【請求項7】
ネットワーク接続が可能であると共に、
上記請求項4から6の何れか一項に記載のゲーム購入用光ディスクに対して読み出しおよび書き込みを可能とするドライバを備えていることを特徴とする機器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−210300(P2011−210300A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75139(P2010−75139)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】